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河川濾過装置の遠隔管理制御システム

阅读:1009发布:2020-06-28

专利汇可以提供河川濾過装置の遠隔管理制御システム专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】河川 水 の水質に変動が生じた場合に、除濁膜モジュールの閉塞を抑制する操作について、複数の河川水濾過装置を遠隔制御することにより、複数の河川水濾過装置を総合的に管理する。 【解決手段】同一河川水源4から導入される河川水W1から処理水W2を製造する複数の河川水濾過装置2a〜2cと、取得された複数の河川水濾過装置2a〜2cに導入される河川水W1の全有機物炭素、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、 生物 化学的酸素要求量、及びアデノシン三リン酸のいずれか1つ以上の水質項目に係る分析データを格納する分析データ格納部52と、を備え、遠隔制御部51は、複数の河川水濾過装置2a〜2cの差圧が増加した場合に、河川水W1の水質項目に係る分析データの近時情報に基づいて、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれに対し、除濁膜モジュール22a〜22cの閉塞を抑制する所要の操作を遠隔制御により実行する。 【選択図】図1,下面是河川濾過装置の遠隔管理制御システム专利的具体信息内容。

同一河川源の地域内に設置され、前記同一河川水源から河川水を除濁膜モジュールに導入することで河川水に含まれる汚濁物質を除去して処理水を製造する複数の河川水濾過装置と、 前記複数の河川水濾過装置から地理的に離間した遠隔地に配置され、前記複数の河川水濾過装置と通信可能に接続され、遠隔地から通信により前記複数の河川水濾過装置を遠隔制御する遠隔制御部と、 取得された前記複数の河川水濾過装置に導入される河川水の全有機物炭素、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量、及びアデノシン三リン酸のいずれか1つ以上の水質項目に係る分析データを格納する分析データ格納部と、を備え、 前記遠隔制御部は、前記複数の河川水濾過装置の一次側と二次側との差圧が増加した場合に、前記分析データ格納部に格納された河川水の前記水質項目に係る前記分析データの近時情報に基づいて、前記複数の河川水濾過装置それぞれに対し、前記除濁膜モジュールの一次側を逆洗浄する逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、前記除濁膜モジュールの一次側を順洗浄する順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、前記除濁膜モジュールへ導入される河川水に添加する殺菌剤の添加量を調整する操作、前記除濁膜モジュールへ導入される河川水に添加する凝集剤の添加量を調整する操作、前記除濁膜モジュールへ導入される河川水にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質を添加する操作、及び、前記除濁膜モジュールへ導入される河川水にバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加する操作のいずれか1つを遠隔制御により実行する、 河川水濾過装置の遠隔管理制御システム。前記遠隔制御部は、前記逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作及び/又は前記順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行する場合において、前記逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作及び/又は前記順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行した後に、前記分析データ格納部に格納された河川水の前記水質項目に係る前記分析データが、前記複数の河川水濾過装置の前記差圧が増加する前の水準に復帰した場合に、前記複数の河川水濾過装置それぞれに対し、前記逆洗浄モードの実施頻度及び/又は前記順洗浄モードの実施頻度を、前記複数の河川水濾過装置の前記差圧が増加する前の頻度となるように遠隔制御により設定変更する、 請求項1に記載の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム。前記遠隔制御部は、前記除濁膜モジュールへ導入される河川水に添加する凝集剤の添加量を調整する操作を実行する場合において、前記分析データ格納部に格納された河川水の全有機物炭素が増加し且つ前記複数の河川水濾過装置の前記差圧が増加した場合に、前記複数の河川水濾過装置それぞれに対し、予め設定された前記凝集剤の添加量を増加させるように遠隔制御により設定変更する、 請求項1に記載の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム。

说明书全文

本発明は、同一河川源の地域内に設置される複数の河川水濾過装置を遠隔制御する河川水濾過装置の遠隔管理制御システムに関する。

従来、複数の水処理装置と、複数の水処理装置と通信可能に接続されて複数の水処理装置を遠隔で監視制御する遠隔監視制御装置と、を備える遠隔監視制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の遠隔監視制御システムにおいては、複数の水処理装置から取得した監視情報の分析結果に基づいて、この監視情報の取得元の水処理装置と同じ水処理装置や、この監視情報の取得元の水処理装置と異なる水処理装置に対して、統括的な遠隔監視制御を行うことができるとされている。 特許文献1に記載の遠隔監視制御システムにおいては、複数の水処理装置は、工場から排出される廃水を濾過(処理)するものである。

特許第5259467号公報

水処理装置が河川水濾過装置の場合には、河川水濾過装置は、河川水に含まれる汚濁物質(例えば、懸濁物質、藻類、生物等)を除濁膜モジュールにより捕捉して処理水を製造する。このような河川水濾過装置は、処理水を製造するにつれて除濁膜の表面でケーキ層(汚濁物質の堆積層)が成長し、通水抵抗が増加する。そのため、除濁膜モジュールの閉塞を抑制して濾過性能を維持するため、除濁膜モジュールの一次側を逆洗浄する逆洗浄モードや、除濁膜モジュールの一次側を順洗浄(フラッシング)する順洗浄モードや、その他の洗浄モード(例えば、薬品洗浄)などの洗浄操作を定期的に実行する。これらの洗浄操作の頻度の増減は、所要の処理水の透過流束を確保する上で重要な管理項目の一つである。また、河川水濾過装置における除濁膜モジュールの閉塞の進行の度合は、濾過処理時の通水流量の設定範囲や、河川水濾過装置に導入される河川水の水質によっても異なる。

そのため、複数の河川水濾過装置を備える構成において、複数の河川水濾過装置に導入される河川水の水質に変動が生じた場合に、除濁膜モジュールの閉塞を抑制する操作が適時行われることが好ましい。そして、複数の河川水濾過装置において、除濁膜モジュールの閉塞を抑制する操作について、遠隔地から遠隔制御ができれば、複数の河川水濾過装置を総合的に管理することができるため、非常に有用である。 従って、複数の河川水濾過装置を備える構成において、河川水の水質に変動が生じた場合に、除濁膜モジュールの閉塞を抑制する操作について、複数の河川水濾過装置を遠隔制御して、河川水濾過装置を総合的に管理することが望まれる。

本発明は、河川水の水質に変動が生じた場合に、除濁膜モジュールの閉塞を抑制する操作について、複数の河川水濾過装置を遠隔制御することにより、複数の河川水濾過装置を総合的に管理することができる河川水濾過装置の遠隔管理制御システムを提供することを目的とする。

本発明は、同一河川水源の地域内に設置され、前記同一河川水源から河川水を除濁膜モジュールに導入することで河川水に含まれる汚濁物質を除去して処理水を製造する複数の河川水濾過装置と、前記複数の河川水濾過装置から地理的に離間した遠隔地に配置され、前記複数の河川水濾過装置と通信可能に接続され、遠隔地から通信により前記複数の河川水濾過装置を遠隔制御する遠隔制御部と、取得された前記複数の河川水濾過装置に導入される河川水の全有機物炭素、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量、及びアデノシン三リン酸のいずれか1つ以上の水質項目に係る分析データを格納する分析データ格納部と、を備え、前記遠隔制御部は、前記複数の河川水濾過装置の一次側と二次側との差圧が増加した場合に、前記分析データ格納部に格納された河川水の前記水質項目に係る前記分析データの近時情報に基づいて、前記複数の河川水濾過装置それぞれに対し、前記除濁膜モジュールの一次側を逆洗浄する逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、前記除濁膜モジュールの一次側を順洗浄する順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、前記除濁膜モジュールへ導入される河川水に添加する殺菌剤の添加量を調整する操作、前記除濁膜モジュールへ導入される河川水に添加する凝集剤の添加量を調整する操作、前記除濁膜モジュールへ導入される河川水にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質を添加する操作、及び、前記除濁膜モジュールへ導入される河川水にバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加する操作のいずれか1つを遠隔制御により実行する、河川水濾過装置の遠隔管理制御システムに関する。

また、前記遠隔制御部は、前記逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作及び/又は前記順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行する場合において、前記逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作及び/又は前記順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行した後に、前記分析データ格納部に格納された河川水の前記水質項目に係る前記分析データが、前記複数の河川水濾過装置の前記差圧が増加する前の水準に復帰した場合に、前記複数の河川水濾過装置それぞれに対し、前記逆洗浄モードの実施頻度及び/又は前記順洗浄モードの実施頻度を、前記複数の河川水濾過装置の前記差圧が増加する前の頻度となるように遠隔制御により設定変更する、ことが好ましい。

また、前記遠隔制御部は、前記除濁膜モジュールへ導入される河川水に添加する凝集剤の添加量を調整する操作を実行する場合において、前記分析データ格納部に格納された河川水の全有機物炭素が増加し且つ前記複数の河川水濾過装置の前記差圧が増加した場合に、前記複数の河川水濾過装置それぞれに対し、予め設定された前記凝集剤の添加量を増加させるように遠隔制御により設定変更する、ことが好ましい。

本発明によれば、河川水の水質に変動が生じた場合に、除濁膜モジュールの閉塞を抑制する操作について、複数の河川水濾過装置を遠隔制御することにより、複数の河川水濾過装置を総合的に管理することができる河川水濾過装置の遠隔管理制御システムを提供することができる。

本発明の一実施形態に係る河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の全体構成図である。

本実施形態の水質検出装置9の構成を示すブロック図である。

本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の制御に係る機能ブロック図である。

本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第1動作例の処理手順を示すフローチャートである。

本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第2動作例の処理手順を示すフローチャートである。

本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第3動作例の処理手順を示すフローチャートである。

本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第4動作例の処理手順を示すフローチャートである。

本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第5動作例の処理手順を示すフローチャートである。

本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第6動作例の処理手順を示すフローチャートである。

以下、本発明の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の全体構成図である。図2は、本実施形態の水質検出装置9の構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の制御に係る機能ブロック図である。

図1に示すように、本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1は、ネットワーク3を介して、遠隔地から通信により複数の河川水濾過装置2a〜2cを遠隔制御する。ネットワーク3は、有線通信又は無線通信による広域の通信網である。

河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1は、河川水源4と、複数の河川水濾過装置2a〜2cと、遠隔制御装置5と、複数の河川水ラインL1a〜L1cと、複数の処理水ラインL2a〜L2cと、複数の濃縮水導出ラインL3a〜L3cと、複数の濃縮水リターンラインL31a〜L31cと、複数の濃縮水排出ラインL32a〜L32cと、複数の比例制御弁10a〜10cと、複数の殺菌剤添加装置6a〜6cと、複数の凝集剤添加装置7a〜7cと、複数の細胞間情報伝達物質添加装置8a〜8cと、複数の水質検出装置9a〜9cと、を備える。「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。

複数の河川水濾過装置2a〜2cは、同一の河川水源4の地域内に設置される。同一の河川水源4の地域内とは、同一の河川水源4からの河川水W1を供給可能な地域内をいう。同一の河川水源4の地域内に設置される複数の河川水濾過装置2a〜2cには、例えば、同一会社における地理的に離間した異なる事業所や離間した敷地内に設置される複数の河川水濾過装置や、地理的に離間した地域において複数のユーザに使用される複数の河川水濾過装置や、別会社における地理的に離間した地域に設置される複数の河川水濾過装置が含まれる。なお、複数の河川水濾過装置2a〜2cは、全てが離間して設置されていなくてもよく、一部又は全部が近くに設置されていてもよい。

河川水濾過装置2aは、例えば、ユーザXの使用する河川水濾過装置である。河川水濾過装置2bは、例えば、ユーザYの使用する河川水濾過装置である。河川水濾過装置2cは、例えば、ユーザZの使用する河川水濾過装置である。なお、複数の河川水濾過装置2a〜2cを使用するユーザは、これに限定されず、例えば、河川水濾過装置2a及び2bがユーザXの使用する河川水濾過装置であってもよく、河川水濾過装置2cがユーザYの使用する河川水濾過装置であってもよい。この場合において、例えば、ユーザXの使用する河川水濾過装置2a及び2bが近接した位置に設置され、ユーザYの使用する河川水濾過装置2cがユーザXの使用する河川水濾過装置2a及び2bから地理的に離間した位置に設置されてもよい。

複数の河川水濾過装置2a〜2cは、それぞれ、加圧ポンプ21a〜21cと、除濁膜モジュール22a〜22cと、除濁制御部23a〜23cと、不図示のコントロールバルブ(流路切替弁)と、を備える。複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれには、河川水ラインL1a〜L1cを介して、同一河川水源4(河川)から、河川水W1が供給される。一般的な河川水ラインL1a〜L1cは、地方自治体や地方公共団体等が敷設・管理する水道管網(例えば、工業用水道や上水道等)と、各ユーザが敷設・管理する給水管路とから構成されている。河川水ラインL1a〜L1cは、上流側において河川水源4に接続されており、下流側において複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれに接続されている。複数の河川水濾過装置2a〜2cの詳細については後述する。

河川水ラインL1a〜L1cの途中には、上流側から下流側に向けて、水質検出装置9a〜9c、殺菌剤添加装置6a〜6c、凝集剤添加装置7a〜7c、細胞間情報伝達物質添加装置8a〜8cが順に接続されている。殺菌剤添加装置6a〜6cそれぞれは、河川水ラインL1a〜L1cの途中の接続部J1a〜J1cに接続されている。凝集剤添加装置7a〜7cそれぞれは、河川水ラインL1a〜L1cの途中の接続部J2a〜J2cに接続されている。細胞間情報伝達物質添加装置8a〜8cそれぞれは、河川水ラインL1a〜L1cの途中の接続部J3a〜J3cに接続されている。水質検出装置9a〜9cそれぞれは、河川水ラインL1a〜L1cの途中の接続部J4a〜J4cに接続されている。

殺菌剤添加装置6a〜6cは、河川水濾過装置2a〜2cの除濁膜モジュール22a〜22cに供給される河川水W1に殺菌剤を添加する装置である。殺菌剤は、水中における微生物の繁殖を抑制するために用いられる薬品であり、スライムコントロール剤とも呼ばれる。殺菌剤としては、例えば、イソチアゾリン系化合物を用いることができ、具体的には、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。殺菌剤添加装置6a〜6cは、ネットワーク3を介して、遠隔制御装置5に接続されており、遠隔制御部51により遠隔制御される。

凝集剤添加装置7a〜7cは、河川水濾過装置2a〜2cの除濁膜モジュール22a〜22cに供給される河川水W1に凝集剤を添加する装置である。凝集剤は、水中における懸濁物質を凝集(フロック化)させて除去し易くするために用いられる薬品である。凝集剤としては、例えば、無機系凝集剤を用いることができ、具体的には、ポリ塩化アルミニウム(PAC)や、硫酸アルミニウム(LAS)等が挙げられる。凝集剤添加装置7a〜7cは、ネットワーク3を介して、遠隔制御装置5に接続されており、遠隔制御部51により遠隔制御される。

細胞間情報伝達物質添加装置8a〜8cは、河川水濾過装置2a〜2cの除濁膜モジュール22a〜22cに供給される河川水W1に、バイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質又はバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加する装置である。

バイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質は、バイオフィルム分散シグナル物質とも呼ばれる。バイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質を河川水W1に添加することで、バイオフィルムの内部に浸透して、フィルム内の細菌に、細菌を浮遊状態に誘導するシグナルを与えて、バイオフィルムを分散させることができる。バイオフィルムとは、河川水に含まれる有機物が沈着し、この有機物に細菌が付着してスライムが形成され、このスライムがコロニーを形成して膜面に形成されるものである。細胞間情報伝達物質(細胞間シグナル物質)とは、細胞間で情報を伝達する物質である。

バイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質は、バイオフィルム形成シグナル物質と類似構造の阻害物質が該当し、例えば、AHL(アシル化ホモセリンラクトン)を挙げることができる。バイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を河川水W1に添加することで、クオラムセンシングを抑制して、スライムの増殖を抑制することができる。クオラムセンシングは、細胞間情報伝達機構とも呼ばれ、菌体密度について細胞間情報伝達物質(細胞間シグナル物質)を用いて感知し、それに応じて物質の産生のコントロールを行う機構である。

水質検出装置9a〜9cは、河川水ラインL1a〜L1cを流通する河川水W1の水質項目を検出する。河川水W1の水質項目としては、全有機物炭素、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量、及びアデノシン三リン酸がある。水質検出装置9a〜9cは、ネットワーク3を介して、遠隔制御装置5に接続されている。

水質検出装置9a〜9cは、図2に示すように、全有機炭素センサ(以下「TOCセンサ」ともいう)91と、クロロフィルセンサ92と、温度センサ93と、全リン濃度センサ94と、全窒素濃度センサ95と、生物化学的酸素要求量センサ(以下「BODセンサ」ともいう)96、アデノシン三リン酸センサ(以下「ATPセンサ」ともいう)97とを有する。TOCセンサ91、クロロフィルセンサ92、温度センサ93、全リン濃度センサ94、全窒素濃度センサ95、BODセンサ96、ATPセンサ97それぞれにより検出される検出値は、ネットワーク3を介して、遠隔制御装置5に入される。

TOCセンサ91は、河川水ラインL1を流通する河川水W1の全有機炭素濃度(以下「TOC濃度」ともいう)を分析又は検出するセンサである。TOC濃度は、水中に存在する有機物中の全量を炭素量で示したものである。採水したサンプル水のTOC濃度及び河川水濾過装置2a〜2cにおいて検出されるTOC濃度は、TOCセンサ91により分析又は検出される。TOCセンサ91は、水中の有機物中の炭素量を検出する機器である。

クロロフィルセンサ92は、河川水ラインL1を流通する河川水W1のクロロフィル濃度を分析又は検出するセンサである。クロロフィルは、葉緑素とも呼ばれ、クロロフィルa,b等に分類される。クロロフィルaは、全ての緑色植物中に存在する光合成色素であり、水中ではその濃度が植物プランクトンの量を示す。本実施形態においては、クロロフィル濃度は、藻類の量の指標として用いられる。クロロフィルセンサ92としては、JIS K0400−80−10「水質−生化学的パラメータの測定−クロロフィル濃度の吸光光度定量」において記載される吸光光度定量の方法を用いてクロロフィル濃度を検出するものを用いることができる。

温度センサ93は、河川水ラインL1を流通する河川水W1の水温を分析又は検出するセンサである。河川水W1の水温は、藻類の量の増減を示す指標として用いられる。河川水W1の水温が上昇した場合には、藻類の量が増加しやすくなる。

全リン濃度センサ94は、河川水ラインL1を流通する河川水W1の全リン濃度を分析又は検出するセンサである。全窒素濃度センサ95は、河川水ラインL1を流通する河川水W1の全窒素濃度を分析又は検出するセンサである。河川水W1の全リン及び全窒素は、富栄養化を示す指標として用いられる。河川水に大量の栄養分(リン、窒素)が流入すると、富栄養の状態となり、植物プランクトンが大量に発生しやすくなる。 全リン濃度センサ94としては、例えば、モリブデン青(アスコルビン酸還元)吸光光度法を用いて全リン濃度を検出するものを用いることができる。 全窒素濃度センサ95としては、例えば、紫外吸光光度法、銅・カドミウムカラム還元法および硫酸ヒドラジニウム還元法を用いて全窒素濃度を検出するものを用いることができる。

BODセンサ96は、河川水ラインL1を流通する河川水W1の生物化学的酸素要求量(以下「BOD」ともいう)を分析又は検出するセンサである。BODは、微生物が水中の有機物を分解するときに消費するときの酸素消費量をいい、河川の有機物汚濁を示す指標として用いられる。一般的に、BODの数値が大きい場合は、微生物が酸素をたくさん消費して有機物を分解している状態、即ち、水中に存在する有機物の量が多く、有機物による水質汚濁の程度が大きい。一方、河川水がきれいな場合は、微生物が消費する酸素量が少ない状態、即ち、水中に存在する有機物の量が少ないため、BODの値は小さい。BODセンサ96としては、河川水を常温(20℃)で5日間静置して、その間の微生物による酸素消費量を測定するものを用いることができる。

ATPセンサ97は、河川水ラインL1を流通する河川水W1のアデノシン三リン酸(以下「ATP」ともいう)を分析又は検出するセンサである。ATPは、全ての生物の細胞内や食品等に含まれるエネルギー伝達物質(ヌクレオチド)であり、微生物の活性度合の指標として用いられる。ATPセンサ97としては、例えば、ATPを発光素(例えば、ルシフェリン)及び酵素(例えば、ルシフェラーゼ)などと組み合わせて発光させ、その発光量(例えば、蛍光強度)を測定して、ATP濃度を検出するものを用いることができる。

複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれは、同一河川水源4から河川水W1を除濁膜モジュール22a〜22cに導入することで、河川水W1に含まれる汚濁物質を除去して、処理水W2a〜W2cを製造する。複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれは、製造された処理水W2a〜W2cを、処理水ラインL2a〜L2cを介して、需要箇所へ供給する。処理水ラインL2a〜L2cは、上流側において複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれに接続されており、下流側において需要箇所に接続されている。汚濁物質としては、藻類や、スライム(細菌等の微生物の菌体と、それらの菌体が分泌した粘着物と、この粘着物に取り込まれた土砂等の無機物質とを含む粘着性の軟泥状物質)等が挙げられる。

なお、以下の説明において、複数又は単数を区別する必要がない場合には、複数の河川水濾過装置2a〜2c、複数の加圧ポンプ21a〜21c、複数の除濁膜モジュール22a〜22c、複数の除濁制御部23a〜23c、複数の除濁記憶部24a〜24c、処理水W2a〜2c、洗浄排水W3a〜W3c、殺菌剤添加装置6a〜6c、凝集剤添加装置7a〜7c、細胞間情報伝達物質添加装置8a〜8c、水質検出装置9a〜9cの識別記号である「a」、「b」、「c」については省略して、単に「河川水濾過装置2」、「加圧ポンプ21」、「除濁膜モジュール22」、「除濁制御部23」、「処理水W2」、「洗浄排水W3」、「殺菌剤添加装置6」、「凝集剤添加装置7」、「細胞間情報伝達物質添加装置8」、「水質検出装置9」と記載する。

河川水濾過装置2a〜2cは、前述の通り、それぞれ、上流側に設けられる加圧ポンプ21a〜21cと、下流側に設けられる除濁膜モジュール22a〜22cとにより構成される。

除濁膜モジュール22は、加圧ポンプ21により圧送された河川水W1から、汚濁物質が除去された処理水W2を製造する。除濁膜モジュール22は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の中空糸膜の束をベッセル内に収容し、ベッセル両端部においてベッセル内周面と中空糸膜外周面との間に封止剤を充填して形成される。除濁膜モジュール22は、外圧式又は内圧式のいずれでも使用できるが、中空糸内部が閉塞しにくい外圧式が好ましい。また、濾過方式としては、全量濾過方式又はクロスフロー濾過方式のいずれでもよい。一般に、全量濾過方式は、濾過操作時のエネルギー消費量が少ないが、ケーキ層の成長が速いため、逆洗浄の実行実施や順洗浄(フラッシング)の実施間隔を短くする必要がある。これに対し、クロスフロー濾過方式は、濾過操作時の水循環のためにエネルギー消費量が多いが、ケーキ層の成長が緩やかなため、逆洗浄の実施間隔や順洗浄の実施間隔を延ばすことができる。

除濁膜モジュール22に組み込まれる中空糸膜には、逆浸透膜(「RO膜」ともいう)よりも細孔が粗い膜が用いられる。除濁膜モジュールとして、限外濾過膜を有するUF膜モジュールや、精密濾過膜を有するMF膜モジュール等を適用することができる。前者としては、東レ社製のHFUシリーズ、後者としては、東レ社製のHFSシリーズ等の市販品を好適に用いることができる。なお、本実施形態においては、除濁膜モジュール22を全量濾過方式の外圧式UF膜モジュールとして、以降の装置構成や動作等を説明する。

加圧ポンプ21は、河川水源4から供給される河川水W1を加圧し、除濁膜モジュール22に送出する。ここで、除濁膜モジュール22からの処理水W2の流量を検出する流量センサ(図示せず)と、加圧ポンプ21の回転数を駆動周波数に応じて可変させるインバータ(図示せず)と、流量センサからの流量検知信号に基づいて、インバータへ指令信号を出力する流量制御部232(図3参照、後述)とを備えることが好ましい。この構成によれば、流量センサにより検出される処理水W2の流量に基づくフィードバック制御により、処理水W2の流量を一定に維持するように制御を行うことができる。

これにより、膜表面でのケーキ層の成長と共に、膜間の通水抵抗が増加しても、加圧ポンプ21の回転数が流量制御部232により自動的に調整されて、処理水W2の流量を一定に制御することができる。

この河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1によれば、同一河川水源4から供給された河川水W1は、河川水ラインL1を介して河川水濾過装置2に送出される。河川水濾過装置2に流入した河川水W1は、河川水濾過装置2により最終的に浄化された処理水W2となる。処理水W2は、処理水ラインL2を介して需要箇所へ供給される。濾過操作の継続により膜表面で成長したケーキ層(汚濁物質の堆積層)は、逆洗浄モードの実施、或いは順洗浄モードの実施により剥離され、洗浄排水W3と共に排水ラインL3を介して系外に排出される。

河川水濾過装置2の周辺には、処理水W2が流通可能な処理水ラインL2と、洗浄排水W3を系外へ排出する排水ラインL3と、逆洗水W4(処理水W2)を除濁膜モジュール22に供給する逆洗水ラインL4と、が設けられている。

処理水ラインL2は、UF膜を透過した処理水W2を装置外へ導出するラインである。処理水ラインL2は、除濁膜モジュール22に接続され、除濁膜モジュール22により製造された処理水W2を需要箇所へ供給(導出)する。なお、処理水W2の一部は、逆洗水タンク(不図示)に貯留されるようになっており、この貯留された処理水W2が逆洗水W4(後述)として利用される。

逆洗水ラインL4は、逆洗浄モードにおいて、逆洗水W4としての処理水W2を除濁膜モジュール22の二次側へ供給するラインである。逆洗水ラインL4の下流側の端部は、接続部J5において処理水ラインL2に接続されている。なお、逆洗水ラインL4には、逆洗水タンク(不図示)から逆洗水W4(処理水W2)を圧送するための逆洗用ポンプ20が設けられている。

排水ラインL3は、逆洗浄モード及び順洗浄モードで発生した洗浄排水W3が流通するラインである。排水ラインL3は、除濁膜モジュール22の一次側に接続され、懸濁物質を含む洗浄排水W3を系外に排出する。排水ラインL3の途中には、排水バルブ10が設けられている。排水バルブ10は、例えば電動弁からなり、遠隔制御部51の制御により、排水ラインL3を開閉するように構成されている。

複数の河川水濾過装置2a〜2cは、それぞれ、コントロールバルブ(不図示)を切り替えることで、同一河川水源4から河川水W1を除濁膜モジュール22a〜22cに導入することで河川水W1に含まれる汚濁物質を除去して処理水W2a〜W2cを製造する水処理プロセスと、内部の除濁膜モジュール22a〜22cの一次側を洗浄する洗浄プロセス(逆洗浄モード及び/又は順洗浄モード)と、を実行可能である。

洗浄プロセスの逆洗浄モードにおいては、逆洗水W4(処理水W2)が除濁膜モジュール22に組み込まれた中空糸膜の内側から外側に向かって通過するように流される。具体的には、河川水ラインL1及び接続部J5の下流側の処理水ラインL2に設けられた所定のバルブ機構が閉鎖されると共に、排水バルブ10が開放され、逆洗用ポンプ20が逆洗水W4(処理水W2)を圧送するように操作される。これにより、中空糸膜の外側表面で成長したケーキ層が剥離される。洗浄後の洗浄排水W3は、排水ラインL3を介して、系外に排出される。中空糸膜の逆洗浄の後は、除濁膜モジュール22の一次側内に残留する洗浄排水W3が放水され、河川水W1が導入される。逆洗浄モードは、河川水W1の水質に応じて、例えば、30分から1時間に1回の頻度で実行される。

洗浄プロセスの順洗浄モードにおいては、河川水W1が除濁膜モジュール22に組み込まれた中空糸膜の外側表面を高流速で流通するように流される。具体的には、逆洗水ラインL4及び接続部J5の下流側の処理水ラインL2に設けられた所定のバルブ機構が閉鎖されると共に、排水バルブ10が開放され、加圧ポンプ21が河川水W1を水処理プロセスよりも高い流量で圧送するように操作される。これにより、中空糸膜の外側表面で成長したケーキ層が洗い流される。洗浄後の洗浄排水W3は、排水ラインL3を介して、系外に排出される。順洗浄モードは、河川水W1の水質に応じて、例えば、5分から10分に1回の頻度で実行される。

なお、複数の河川水濾過装置2a〜2cにおいて、逆洗浄モード及び順洗浄モードの実行は、いずれか一方のみが実行されるように設定されていてもよいし、両方が実行されるように設定されていてもよい。逆洗浄モード及び順洗浄モードの両方を実行する場合には、順洗浄モードの実行が所定回数(例えば、2〜5回)に達するごとに、逆洗浄モードを1回実行させるように操作する。

除濁制御部23は、図3に示すように、プロセス実行部231と、流量制御部232と、を有する。 プロセス実行部231は、河川水濾過装置2に設けられる不図示のコントロールバルブの開閉を制御することにより、水処理プロセス並びに洗浄プロセス(逆洗浄モード及び/又は順洗浄モード)を実行する。

プロセス実行部231は、洗浄プロセスの実施タイミング制御に関し、流量洗浄、時間洗浄又は周期洗浄を実行可能である。プロセス実行部231の洗浄プロセスにおいて実行される流量洗浄は、河川水濾過装置2に流入する河川水W1の積算通水流量が予め設定された上限通水量に達した場合に、実行される。プロセス実行部231の洗浄プロセスにおいて実行される時間洗浄は、河川水濾過装置2に流入する河川水W1の積算通水時間が予め設定された上限通水時間に達した場合に、実行される。プロセス実行部231の洗浄プロセスにおいて実行される周期洗浄は、不図示のタイマー部により計時された経過日数が予め設定された周期日数になった場合に、実行される。 洗浄プロセスの実施頻度(すなわち、流量洗浄における上限通水量、時間洗浄における上限通水時間及び周期洗浄における周期日数)は、予め設定されており、河川水W1の水質や河川水濾過装置2の一次側と二次側との差圧に応じて、後述する遠隔制御装置5の遠隔制御部51により設定変更される。

流量制御部232は、加圧ポンプ21の駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する周波数指定信号(電流値信号又は電圧値信号)をインバータ(不図示)に出力する。

遠隔制御装置5は、複数の河川水濾過装置2a〜2cを遠隔制御する。遠隔制御装置5は、遠隔制御部51と、分析データ格納部52と、を有する。 分析データ格納部52は、取得された複数の河川水濾過装置2a〜2cに導入される河川水W1の全有機物炭素、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量、及びアデノシン三リン酸のいずれか1つ以上の水質項目に係る分析データを格納する。例えば、取得された分析データとしては、河川水濾過装置2に導入される河川水W1をサンプル水として採水し、その採水したサンプル水を分析センター(不図示)で分析した分析データや、河川水濾過装置2に導入される河川水W1の全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目を前述の水質検出装置9a〜9cにより現場測定した分析データなどがある。

分析センターは、サンプル水の手動分析を採水現場以外で行うものであり、送付されたサンプル水を所要の分析機器を使用して分析する施設である。サンプル水の採水と送付は、例えば、各ユーザX〜Zと河川水濾過装置2のメンテナンス契約を締結している管理会社のサービスエンジニアが定期的に客先を訪問して行う。分析センターで得られた分析データは、分析センターに備え付けの専用端末を介して遠隔制御装置5に送信され、分析データ格納部52に記録される。 一方、水質検出装置9a〜9cは、サンプル水の自動分析を採水現場で行うものであり、複数の河川水濾過装置2a〜2cの据付現場、具体的には河川水ラインL1a〜L1cに設けられる機器である。水質検出装置9a〜9cで測定された分析データは、複数の河川水濾過装置2a〜2cに入力され、複数の河川水濾過装置2a〜2cからネットワーク3を介して遠隔制御装置5に送信され、分析データ格納部52に記録される。

遠隔制御部51は、遠隔地から通信により複数の河川水濾過装置2a〜2cを遠隔制御する。遠隔制御部51は、複数の河川水濾過装置2の一次側と二次側との差圧が増加した場合に、分析データ格納部52に格納された河川水W1の水質項目に係る分析データの近時情報に基づいて、複数の河川水濾過装置2それぞれに対し、除濁膜モジュール22の閉塞を抑制するように、遠隔制御を行う。

河川水濾過装置2の一次側と二次側との差圧は、除濁膜モジュール22の一次側と二次側の差圧を差圧計(図示せず)で計測すること等により求められる。差圧計により計測される差圧が増加した場合には、除濁膜モジュール22の閉塞の進行が予測される。河川水濾過装置2の差圧のデータは、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれの不図示のマイコンのメモリや、遠隔制御装置5の不図示のデータベースなどに記憶されている。

分析データの近時情報とは、最新データだけに限定されず、ある程度日付の古いデータ(例えば、直近N個分のデータ)も含む概念である。分析データの近時情報は、例えばサンプル水の分析センター(不図示)への送付に日数を要する場合もあることから、後述する分析データ格納部52に格納された順序ではなく、サンプル水の採水日の順序に基づいて判断される。なお、サンプル水の分析データと、河川水W1の全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目の検出値の分析データとが混在して分析データ格納部52に格納されている場合においても、河川水W1の検出日及びサンプル水の採水日の順序に基づいて判断される。

例えば、サンプル水の採水日と格納日との順序が異なる場合において、直近の2個分の分析データの平均値を近時情報として利用する場合について説明する。ここで、前回の除濁膜モジュール22の閉塞を抑制する操作(逆洗浄モードの実施頻度を増加する操作、順洗浄モードの実施頻度を増加する操作、殺菌剤の添加量を調整する操作、凝集剤の添加量を調整する操作、細胞間情報伝達物質を添加する操作)の設定時には、河川水のTOCが、4gC/m3であったとする。

下記の2月8日時点において格納されている分析データのように、例えば2月8日の時点では、分析データ格納部52に格納された分析データの格納日の順序は、日付が新しい順に、分析データN1、分析データN3である。採水日の順序は、日付が新しい順に、分析データN3、分析データN1である。

◎2月8日時点において格納されている分析データ N1:採水日(1月5日)、TOC4gC/m3、格納日(1月10日) N3:採水日(2月2日)、TOC6gC/m3、格納日(2月7日)

2月10日には、下記の2月10日時点において格納されている分析データのように、分析データ格納部52には、新たに2月10日に分析データN2が格納された。これにより、分析データ格納部52に格納された分析データの格納日の順序は、日付が新しい順に、分析データN2、分析データN3、分析データN1である。採水日の順序は、格納日の順序とは異なっており、日付が新しい順に、分析データN3、分析データN2、分析データN1である。

◎2月10日時点において格納されている分析データ N1:採水日(1月5日)、TOC4gC/m3、格納日(1月10日) N2:採水日(1月20日)、TOC6gC/m3、格納日(2月10日) N3:採水日(2月2日)、TOC3gC/m3、格納日(2月7日)

ここで、例えば2月8日の時点では、直近の2個の分析データN1及び分析データN3の平均値(〔(4+3)/2=3.5〕)が近時情報となる。2月8日の時点では、分析データN1及びN3の平均値は、前回の除濁膜モジュール22の閉塞を抑制する操作の設定時のTOC4gC/m3から増加している。 一方、例えば2月10日の時点では、直近の2個の分析データN2及び分析データN3の平均値(〔(6+3)/2=4.5〕)が近時情報となる。2月10日の時点では、分析データN2及びN3の平均値は、前回の除濁膜モジュール22の閉塞を抑制する操作の設定時のTOC4gC/m3から減少している このように、近時情報を判断するタイミングによって、サンプル水の採水日と格納日との順序が異なる場合があるが、サンプル水の採水日の順序に基づいて、サンプル水の分析データの近時情報とする。

また、分析データの近時情報は、例えば、分析データ格納部52に格納されたクロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量、及びアデノシン三リン酸のいずれか1つ以上について、サンプル水の採水日と格納日との順序が異なる場合においても、前述の河川水W1のTOCと同様に、最新データだけに限定されず、ある程度日付の古いデータ(例えば、直近N個分のデータ)も含む。 分析データ格納部52に格納された河川水W1のクロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)それぞれにおける分析データの近時情報の説明は、前述の河川水W1のTOCの説明とクロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)それぞれの具体的な数値が異なるのみでその他の内容は同様であるため、前述の河川水W1のTOCの説明を援用して、その説明を省略する。

遠隔制御部51は、河川水W1の水質項目に係る検出値の上昇や河川水濾過装置2の一次側と二次側との差圧の増加に応じて、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれに対し、除濁膜モジュール22の閉塞(詰まり)を抑制する以下の操作のいずれか1つを、選択的に、遠隔制御により実行する。除濁膜モジュール22の閉塞を抑制する操作には、除濁膜モジュール22の一次側を逆洗浄する逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、除濁膜モジュール22の一次側を順洗浄する順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1に添加する殺菌剤の添加量を調整する操作、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1に添加する凝集剤の添加量を調整する操作、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質を添加する操作、及び、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1にバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加する操作がある。

逆洗浄モード及び/又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行する場合においては、各洗浄モードの実施頻度を増加させることにより、実施頻度を増加させる前よりも、中空糸膜の外側表面で成長したケーキ層(汚濁物質の堆積層)を効果的に洗い流すことができる。

遠隔制御部51により設定変更される逆洗浄モード及び/又は順洗浄モードの実施頻度の増加の程度は、例えば、河川水W1の水質項目に係る検出値の上昇度合や河川水濾過装置2の一次側と二次側との差圧の増加の度合に応じて、適宜決定される。即ち、河川水W1の水質項目に係る検出値の上昇度合が大きい場合や河川水濾過装置2の一次側と二次側との差圧の増加の度合が大きい場合には、遠隔制御部51は、各洗浄モードの実施頻度の増加の程度を大きくするように設定の変更を行う。なお、遠隔制御装置5のマイコンのメモリ等において、河川水W1の水質項目に係る検出値の上昇度合や河川水濾過装置2の一次側と二次側との差圧の増加の度合に対応した、各洗浄モードの実施頻度に関するデータテーブルを有していてもよい。

遠隔制御部51は、逆洗浄モード又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作において、各洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行した後に、分析データ格納部52に格納された河川水W1の水質項目に係る分析データが、複数の河川水濾過装置2a〜2cの差圧が増加する前の水準に復帰した場合に、複数の河川水濾過装置2それぞれに対し、各洗浄モードの実施頻度を、複数の河川水濾過装置2a〜2cの差圧が増加する前の頻度となるように遠隔制御により設定変更する。なお、複数の河川水濾過装置2の差圧が増加する前の水準には、差圧が増加する前の河川水W1の水質項目に係る分析データの検出値における近傍の値も含まれる。これにより、河川水W1の水質が良好な状態に復帰した場合に、逆洗浄モード又は順洗浄モードの実施頻度を前の頻度に変更して、膜洗浄に使用される水の無駄を抑制することができる。

除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1に添加する殺菌剤の添加量を調整する操作においては、遠隔制御部51は、複数の河川水濾過装置2それぞれに対し、予め設定された殺菌剤の添加量を増加させるように設定を変更する。河川水W1に添加する殺菌剤の添加量を増加させることにより、除濁膜モジュール22の膜への微生物の繁殖を抑制して、膜面へのバイオフィルムの形成を抑制することで、バイオファウリングを抑制することができる。バイオファウリングとは、微生物による膜のファウリング(閉塞)を意味する。よって、除濁膜モジュール22の閉塞を抑制することができる。

除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1に添加する凝集剤の添加量を調整する操作を実行する場合においては、遠隔制御部51は、分析データ格納部52に格納された河川水のTOCが増加し且つ複数の河川水濾過装置2の差圧が増加した場合に、複数の河川水濾過装置2それぞれに対し、予め設定された凝集剤の添加量を増加させるように設定を変更する。河川水W1に添加する凝集剤の添加量を増加させることにより、水中における懸濁物質を凝集(フロック化)させて除去し易くし、膜面への藻類の付着を抑制して、藻類ファウリングを抑制することができる。藻類ファウリングとは、藻類による膜のファウリング(閉塞)を意味する。よって、除濁膜モジュール22の閉塞を抑制することができる。

除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質を添加する操作を実行する場合においては、遠隔制御部51は、バイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質を河川水W1へ添加を開始させ又は添加量を増加するように、複数の河川水濾過装置2それぞれに対し、設定を変更する。これにより、バイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質がバイオフィルムの内部に浸透して、バイオフィルムに、細菌を浮遊状態に誘導するシグナルを与えて、バイオフィルムを分散させることができる。よって、除濁膜モジュール22の閉塞を抑制することができる。

除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1にバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加する操作を実行する場合においては、遠隔制御部51は、バイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質(例えばAHL)を河川水W1へ添加を開始させ又は添加量を増加するように、複数の河川水濾過装置2それぞれに対し、設定を変更する。これにより、バイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質(例えばAHL)がクオラムセンシングを抑制して、スライムの増殖を抑制することができる。よって、除濁膜モジュール22の閉塞を抑制することができる。

遠隔制御部51により設定変更される殺菌剤の添加量の増加の程度、凝集剤の添加量の程度、バイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質の添加量の程度、バイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質の添加量の程度は、例えば、河川水W1の水質項目に係る検出値の上昇度合や河川水濾過装置2の一次側と二次側との差圧の増加の度合に応じて、適宜決定される。即ち、河川水W1の水質項目に係る検出値の上昇度合が大きい場合や河川水濾過装置2の一次側と二次側との差圧の増加の度合が大きい場合には、遠隔制御部51は、殺菌剤又は凝集剤の増加の程度や細胞間情報伝達物質の添加量を多くするように設定の変更を行う。なお、遠隔制御装置5のマイコンのメモリ等において、河川水W1の水質項目に係る検出値の上昇度合や河川水濾過装置2の一次側と二次側との差圧の増加の度合に対応した、殺菌剤又は凝集剤の増加の程度や細胞間情報伝達物質の添加量に関するデータテーブルを有していてもよい。

以上のように構成される河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1は、ユーザX〜Zごとに、次の第1遠隔制御例及び第2遠隔制御例の処理を、実行可能である。第1遠隔制御例及び第2遠隔制御例の処理について、フローチャートを参照しながら説明する。

第1遠隔制御例は、河川水濾過装置2a〜2cについて、逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作及び/又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行する場合の例である。図4〜図6において、第1遠隔制御例の第1動作例〜第3動作例について説明する。 第2遠隔制御例は、河川水濾過装置2a〜2cについて、殺菌剤若しくは凝集剤の添加量を調整する操作、又は、河川水W1にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質若しくはバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加する操作を遠隔制御により実行する例である。図7〜図9において、第2遠隔制御例の第4動作例〜第6動作例について説明する。 なお、各フローチャートにおけるステップS番号の3桁の数字については、ステップS番号の百の位の数字を、動作例の番号の数字と対応した数字としている。例えば、ステップS番号において、第1動作例〜第6動作例では、百の位を「1」〜「6」としている。

まず、河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第1遠隔制御例について説明する。第1遠隔制御例は、逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行する制御例である。第1遠隔制御例の第1動作例について説明する。図4は、本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第1動作例の処理手順を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートの処理は、河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の運転中において、繰り返し実行される。また、複数の河川水濾過装置2a〜2cは、水処理プロセス並びに洗浄プロセス(逆洗浄モード及び/又は順洗浄モード)を実行している。

図4に示す河川水濾過装置2aにおけるステップS121において、河川水濾過装置2aに導入される河川水W1の全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る検出値を水質検出装置9aにより検出する。検出された水質項目に係る検出値のデータは、分析データとして、遠隔制御装置5へ送信される。

遠隔制御装置5におけるステップS111において、河川水濾過装置2aのステップS121で検出された河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データは、分析データ格納部52に格納される。

河川水濾過装置2bにおけるステップS131において、河川水濾過装置2bに導入される河川水W1の全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る検出値を水質検出装置9bにより検出する。検出された水質項目に係る検出値のデータは、分析データとして、遠隔制御装置5へ送信される。

遠隔制御装置5におけるステップS112において、河川水濾過装置2bのステップS131で検出された河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データは、分析データ格納部52に格納される。

河川水濾過装置2cにおけるステップS141において、河川水濾過装置2cに導入される河川水W1の全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る検出値を水質検出装置9cにより検出する。検出された水質項目に係る検出値のデータは、分析データとして、遠隔制御装置5へ送信される。

遠隔制御装置5におけるステップS113において、河川水濾過装置2cのステップS141で検出された河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データは、分析データ格納部52に格納される。

遠隔制御装置5におけるステップS114において、遠隔制御装置5は、分析データ格納部52に格納された水質項目に係る検出値が増加したか否かを判定する。ここで、遠隔制御装置5は、分析データ格納部52に格納された水質項目に係る検出値の分析データにおいて、分析データ格納部52に格納された順序ではなく、河川水濾過装置2a〜2cにおける河川水W1の検出日の時系列の分析データによる近時情報に基づいて、水質項目に係る検出値の平均値を算出する。例えば、近時情報として、直近の2個の分析データが使用される。具体的には、直近の2個の分析データとして、河川水濾過装置2cにおいてステップS141で検出されたサンプル水の分析データと、河川水濾過装置2bにおいてステップS131で検出されたサンプル水の分析データと、について、水質項目に係る検出値の平均値を算出する。遠隔制御装置5により水質項目に係る検出値が増加したと判定された場合(YES)には、処理は、ステップS115に移行する。一方、遠隔制御装置5により水質項目に係る検出値が増加していないと判定された場合(NO)には、処理は、ステップS116に移行する。

遠隔制御装置5におけるステップS115において、遠隔制御装置5は、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれで差圧が増加したか否かを判定する。遠隔制御装置5により複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれで差圧が増加したと判定された場合(YES)には、処理は、ステップS117に移行する。一方、遠隔制御装置5により複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれで差圧が増加していないと判定された場合(NO)には、処理は終了する(ステップS111へリターンする)。

ステップS114において水質項目に係る検出値が増加していないと判定された(NO)場合の遠隔制御装置5におけるステップS116において、遠隔制御装置5は、逆洗浄モード及び/又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を以前実行したか否か、且つ、分析データ格納部52に格納された水質項目に係る検出値が水準(例えば、予め設定された基準レベル未満)に復帰したか否かを判定する。遠隔制御装置5により、逆洗浄モード及び/又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を以前実行し、且つ、水質項目に係る検出値が水準に復帰したと判定された場合(YES)には、処理は、ステップS117に移行する。一方、遠隔制御装置5により、逆洗浄モード及び/又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を以前実行せずに、又は、水質項目に係る検出値が水準に復帰していないと判定された場合(NO)には、処理は終了する(ステップS111へリターンする)。

遠隔制御装置5におけるステップS117において、ステップS115における複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれで差圧が増加したと判定された(YES)後の処理では、遠隔制御装置5は、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれに対して、逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、及び/又は、順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行する。これにより、各洗浄モードの実施頻度を増加させる前よりも、除濁膜モジュール22の膜に付着した汚濁物質を効果的に洗い流すことができる。

また、遠隔制御装置5におけるステップS117において、ステップS116における水質項目に係る検出値が水準に復帰したと判定された(YES)後の処理では、遠隔制御装置5は、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれに対して、逆洗浄モードの実施頻度及び/又は順洗浄モードの実施頻度を河川水濾過装置2a〜2cの差圧が増加する前の頻度となるように遠隔制御により設定変更する。これにより、河川水W1の水質が元の水準に復帰した場合に、各洗浄モードの実施頻度を河川水濾過装置2a〜2cの差圧が増加する前の頻度に戻して、膜洗浄に使用される水の無駄を抑制することができる。ステップS117の処理の後に、遠隔制御装置5の処理は終了する(ステップS111へリターンする)。

河川水濾過装置2a,2b,2cにおけるステップS122,S132,S142において、除濁膜モジュール22a〜22cの逆洗浄プロセスを実行する頻度又はフラッシング運転を実行する頻度は、遠隔制御装置5の遠隔制御により設定変更される。ステップS122,S132,S142の処理の後に、河川水濾過装置2a,2b,2cの処理は終了する(ステップS121,S131,S141へリターンする)。

次に、河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第1遠隔制御例の第2動作例について説明する。図5は、本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第2動作例の処理手順を示すフローチャートである。図5に示す第2動作例は、分析データの取得方法について、図4に示す第1動作例において河川水W1の水質項目に係る検出値を水質検出装置9cにより検出して得るのに対して、採水された河川水W1のサンプル水から分析センター(不図示)において水質項目に係る検出値の分析データとして分析されて得る点において主に異なる。第2動作例は、その他の点において、第1動作例と同様である。

図5に示す河川水濾過装置2aにおけるステップS221において、河川水濾過装置2aに導入される河川水W1のサンプル水を採水する。採水された河川水W1のサンプル水は、分析センター(不図示)に送付され、河川水W1の採水時点における全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る検出値の分析データとして分析される。

遠隔制御装置5におけるステップS211において、河川水濾過装置2aのステップS221で採水された河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データは、分析データ格納部52に格納される。

河川水濾過装置2bにおけるステップS231において、河川水濾過装置2bに導入される河川水W1のサンプル水を採水する。採水された河川水W1のサンプル水は、分析センター(不図示)に送付され、河川水W1の採水時点における全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る検出値の分析データとして分析される。

遠隔制御装置5におけるステップS212において、河川水濾過装置2bのステップS231で採水された河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データは、分析データ格納部52に格納される。

河川水濾過装置2cにおけるステップS241において、河川水濾過装置2cに導入される河川水W1のサンプル水を採水する。採水された河川水W1のサンプル水は、分析センター(不図示)に送付され、河川水W1の採水時点における全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る検出値の分析データとして分析される。

遠隔制御装置5におけるステップS213において、河川水濾過装置2cのステップS241で採水された河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データは、分析データ格納部52に格納される。

遠隔制御装置5におけるステップS214において、遠隔制御装置5は、分析データ格納部52に格納された水質項目に係る検出値が増加したか否かを判定する。ここで、遠隔制御装置5は、分析データ格納部52に格納された水質項目に係る検出値の分析データにおいて、分析データ格納部52に格納された順序ではなく、河川水濾過装置2a〜2cにおける河川水W1の検出日の時系列の分析データによる近時情報に基づいて、水質項目に係る検出値の平均値を算出する。例えば、近時情報として、直近の2個の分析データが使用される。具体的には、直近の2個の分析データとして、河川水濾過装置2cにおいてステップS241で検出されたサンプル水の分析データと、河川水濾過装置2bにおいてステップS231で検出されたサンプル水の分析データと、について、水質項目に係る検出値の平均値を算出する。遠隔制御装置5により水質項目に係る検出値が増加したと判定された場合(YES)には、処理は、ステップS215に移行する。一方、遠隔制御装置5により水質項目に係る検出値が増加していないと判定された場合(NO)には、処理は、ステップS216に移行する。

遠隔制御装置5におけるステップS215〜S217、河川水濾過装置2aにおけるステップS222、河川水濾過装置2bにおけるステップS232、河川水濾過装置2cにおけるステップS242の動作は、第1動作例の遠隔制御装置5におけるステップS115〜S117、河川水濾過装置2aにおけるステップS122、河川水濾過装置2bにおけるステップS132、河川水濾過装置2cにおけるステップS142の動作と同様であるため、その説明を省略する。

次に、河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第1遠隔制御例の第3動作例について説明する。図6は、本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第3動作例の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの処理は、河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の運転中において、繰り返し実行される。また、複数の河川水濾過装置2a〜2cは、水処理プロセス並びに洗浄プロセスを実行している。 図6における第3動作例は、図4及び図5における第1動作例及び第2動作例と比べて、分析データの取得方法や取得時期や取得回数が異なる。

図6に示す河川水濾過装置2aにおけるステップS321において、河川水濾過装置2aに導入される河川水W1のサンプル水を採水する。採水された河川水W1のサンプル水は、分析センター(不図示)に送付され、河川水W1の採水時点における全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る検出値の分析データとして分析される。

遠隔制御装置5におけるステップS312において、河川水濾過装置2aのステップS321で採水された河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データは、例えばサンプル水の採水日から数日遅れて、分析データ格納部52に格納される。

河川水濾過装置2aにおけるステップS322において、河川水濾過装置2aに導入される河川水W1の全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る検出値を水質検出装置9cにより検出する。検出された水質項目に係る検出値のデータは、分析データとして、遠隔制御装置5へ送信される。

遠隔制御装置5におけるステップS311において、例えばステップS312よりも早い時期に、河川水濾過装置2aのステップS322で検出された河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データは、分析データ格納部52に格納される。

河川水濾過装置2bにおけるステップS331において、河川水濾過装置2bに導入される河川水W1のサンプル水を採水する。採水された河川水W1のサンプル水は、分析センター(不図示)に送付され、河川水W1の採水時点における全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る検出値の分析データとして分析される。

遠隔制御装置5におけるステップS314において、河川水濾過装置2bのステップS331で採水された河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データは、例えばサンプル水の採水日から数日遅れて、分析データ格納部52に格納される。

河川水濾過装置2bにおけるステップS332において、河川水濾過装置2bに導入される河川水W1の全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る検出値を水質検出装置9cにより検出する。検出された水質項目に係る検出値のデータは、分析データとして、遠隔制御装置5へ送信される。

遠隔制御装置5におけるステップS313において、例えばステップS314よりも早い時期に、河川水濾過装置2bのステップS332で検出された河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データは、分析データ格納部52に格納される。

遠隔制御装置5におけるステップS315〜S318、河川水濾過装置2aにおけるステップS323、河川水濾過装置2bにおけるステップS333、河川水濾過装置2cにおけるステップS341の動作は、第1動作例の遠隔制御装置5におけるステップS114〜S117、河川水濾過装置2aにおけるステップS122、河川水濾過装置2bにおけるステップS132、河川水濾過装置2cにおけるステップS142の動作と同様であるため、その説明を省略する。

ここで、河川水濾過装置2cにおいては、ステップS341よりも前の時点で、河川水W1の水質項目に係る検出値の分析データが個別には取得されていない。しかし、河川水濾過装置2cは、予め設定された洗浄タイミングが水質変動に対応した最適な洗浄タイミングとなるように、遠隔制御装置5の遠隔制御により設定変更される。ここでは、複数の河川水濾過装置2a〜2cのいずれにおいても、同一河川水源から河川水W1が導入されている。そのため、個別の分析データが取得されていない河川水濾過装置2cにおいても、遠隔制御により洗浄タイミングの設定を変更する。これにより、複数の河川水濾過装置2a〜2cを、一群の河川水濾過装置として、総合的に管理することができる。

次に、河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第2遠隔制御例について説明する。第2遠隔制御例は、殺菌剤若しくは凝集剤の添加量を調整する操作、又は、河川水W1にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質若しくはバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加する操作を遠隔制御により実行する制御例である。第2遠隔制御例の第4動作例〜第6動作例について説明する。

第2遠隔制御例の第4動作例〜第6動作例(図7〜図9)は、前述の第1遠隔制御例における第1動作例〜第3動作例(図4〜6)が逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、及び/又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を遠隔制御により設定変更するのに対して、殺菌剤若しくは凝集剤の添加量を調整する操作、又は、河川水W1にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質若しくはバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加する操作を遠隔制御により設定変更する点について主に異なる。分析データ格納部52に格納するタイミングや、サンプル水を取得するタイミングについては、第2遠隔制御例の第4動作例〜第6動作例(図7〜図9)は、それぞれ、第1遠隔制御例の第1動作例〜第3動作例(図4〜図6)に対応しており、第1遠隔制御例の第1動作例〜第3動作例(図4〜図6)のタイミングと同様である。

なお、第2遠隔制御例の第4動作例〜第6動作例については、図4〜図6の第1遠隔制御例の第1動作例〜第3動作例におけるステップS116、S216及びS317の「検出値が水準に復帰」する処理が実行されない。

河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第2遠隔制御例の第4動作例について説明する。図7は、本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第4動作例の処理手順を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理は、河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の運転中において、繰り返し実行される。

図7に示す河川水濾過装置2aにおけるステップS421、河川水濾過装置2bにおけるステップS431、河川水濾過装置2cにおけるステップS441、遠隔制御装置5におけるステップS411〜S413の処理は、図4に示す河川水濾過装置2aにおけるステップS121、河川水濾過装置2bにおけるステップS131、河川水濾過装置2cにおけるステップS141、遠隔制御装置5におけるステップS111〜S113にそれぞれ対応し、それぞれの処理と同様である。そのため、河川水濾過装置2aにおけるステップS421、河川水濾過装置2bにおけるステップS431、河川水濾過装置2cにおけるステップS441、遠隔制御装置5におけるステップS411〜S413の説明を省略する。

遠隔制御装置5におけるステップS414において、遠隔制御装置5は、分析データ格納部52に格納された水質項目に係る検出値が増加したか否かを判定する。ここで、遠隔制御装置5は、分析データ格納部52に格納された水質項目に係る検出値の分析データにおいて、分析データ格納部52に格納された順序ではなく、河川水濾過装置2a〜2cにおける河川水W1の検出日の時系列の分析データによる近時情報に基づいて、水質項目に係る検出値の平均値を算出する。例えば、近時情報として、直近の2個の分析データが使用される。具体的には、直近の2個の分析データとして、河川水濾過装置2cにおいてステップS441で検出されたサンプル水の分析データと、河川水濾過装置2bにおいてステップS431で検出されたサンプル水の分析データと、について、水質項目に係る検出値の平均値を算出する。遠隔制御装置5により水質項目に係る検出値が増加したと判定された場合(YES)には、処理は、ステップS415に移行する。一方、遠隔制御装置5により水質項目に係る検出値が増加していないと判定された場合(NO)には、処理は終了する(ステップS411へリターンする)。

遠隔制御装置5におけるステップS415において、遠隔制御装置5は、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれで差圧が増加したか否かを判定する。遠隔制御装置5により複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれで差圧が増加したと判定された場合(YES)には、処理は、ステップS416に移行する。一方、遠隔制御装置5により複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれで差圧が増加していないと判定された場合(NO)には、処理は終了する(ステップS411へリターンする)。

遠隔制御装置5におけるステップS416において、遠隔制御装置5は、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれに対して、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1に添加する殺菌剤の添加量を増加するように設定を変更する操作、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1に添加する凝集剤の添加量を増加するように設定を変更する操作、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質を添加するように設定を変更する操作、及び、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1にバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加するように設定を変更する操作のいずれか1つを遠隔制御により実行する。

除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1に添加する殺菌剤の添加量を増加するように設定を変更する操作を実行した場合には、除濁膜モジュール22の膜への微生物の繁殖を抑制して、膜面へのバイオフィルムの形成を抑制することで、バイオファウリングを抑制することができる。その結果、除濁膜モジュール22の閉塞を抑制することができる。 また、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1に添加する凝集剤の添加量を増加するように設定を変更する操作を実行した場合には、河川水W1に添加する凝集剤の添加量を増加させることにより、水中における懸濁物質を凝集(フロック化)させて除去し易くすることができる。特に、分析データ格納部52に格納された河川水のTOCが増加し且つ複数の河川水濾過装置2の差圧が増加した場合には、河川水W1に添加する凝集剤の添加量を増加させることにより、膜面への藻類の付着を抑制して、藻類ファウリングを抑制することができる。その結果、除濁膜モジュール22の閉塞を抑制することができる。

また、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質を添加するように設定を変更する操作を実行する場合には、バイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質がバイオフィルムの内部に浸透して、バイオフィルムに、細菌を浮遊状態に誘導するシグナルを与えて、バイオフィルムを分散させることができる。その結果、除濁膜モジュール22の閉塞を抑制することができる。 また、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1にバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加するように設定を変更する操作を実行する場合には、バイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質(例えばAHL)がクオラムセンシングを抑制して、スライムの増殖を抑制することができる。その結果、除濁膜モジュール22の閉塞を抑制することができる。 ステップS416の処理の後に、遠隔制御装置5の処理は終了する(ステップS411へリターンする)。

河川水濾過装置2a,2b,2cにおけるステップS422,S432,S442において、河川水濾過装置2a,2b,2cへ導入される河川水W1に添加する殺菌剤の添加量が増加されるように遠隔制御装置5の遠隔制御により設定変更され、河川水濾過装置2a,2b,2cへ導入される河川水W1に添加する凝集剤の添加量が増加されるように遠隔制御装置5の遠隔制御により設定変更され、河川水濾過装置2a,2b,2cへ導入される河川水W1にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質の添加が開始され又は添加量が増加されるように遠隔制御装置5の遠隔制御により設定変更され、又は、河川水濾過装置2a,2b,2cへ導入される河川水W1にバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質の添加が開始され又は添加量が増加されるように遠隔制御装置5の遠隔制御により設定変更される。ステップS422,S432,S442の処理の後に、河川水濾過装置2a,2b,2cの処理は終了する(ステップS421,S431,S441へリターンする)。

河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第2遠隔制御例の第5動作例について説明する。図8は、本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第5動作例の処理手順を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートの処理は、河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の運転中において、繰り返し実行される。

図8に示す河川水濾過装置2aにおけるステップS521、河川水濾過装置2bにおけるステップS531、河川水濾過装置2cにおけるステップS541、遠隔制御装置5におけるステップS511〜S513の処理は、図4に示す河川水濾過装置2aにおけるステップS121、河川水濾過装置2bにおけるステップS131、河川水濾過装置2cにおけるステップS141、遠隔制御装置5におけるステップS111〜S113にそれぞれ対応し、それぞれの処理と同様である。そのため、河川水濾過装置2aにおけるステップS521、河川水濾過装置2bにおけるステップS531、河川水濾過装置2cにおけるステップS541、遠隔制御装置5におけるステップS511〜S513の説明を省略する。

遠隔制御装置5におけるステップS514〜S516、河川水濾過装置2aにおけるS522、河川水濾過装置2bにおけるS532、河川水濾過装置2cにおけるS542の処理は、図7に示す遠隔制御装置5におけるステップS414〜S416、河川水濾過装置2aにおけるS422、河川水濾過装置2bにおけるS432、河川水濾過装置2cにおけるS442の処理と同様であるため、遠隔制御装置5におけるステップS514〜S516、遠隔制御装置5におけるステップS514〜S516、河川水濾過装置2aにおけるS522、河川水濾過装置2bにおけるS532、河川水濾過装置2cにおけるS542の説明を省略する。

河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第2遠隔制御例の第6動作例について説明する。図9は、本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の第6動作例の処理手順を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートの処理は、河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1の運転中において、繰り返し実行される。

図9に示す河川水濾過装置2aにおけるステップS621及びS622、河川水濾過装置2bにおけるステップS631及びS632、遠隔制御装置5におけるステップS611〜S614の処理は、図6に示す河川水濾過装置2aにおけるステップS321及びS322、河川水濾過装置2bにおけるステップS331及びS332、遠隔制御装置5におけるステップS311〜S314にそれぞれ対応し、それぞれの処理と同様である。そのため、河川水濾過装置2aにおけるステップS621及びS622、河川水濾過装置2bにおけるステップS631及びS632、遠隔制御装置5におけるステップS611〜S614の説明を省略する。

遠隔制御装置5におけるステップS615〜S617、河川水濾過装置2aにおけるS623、河川水濾過装置2bにおけるS633、河川水濾過装置2cにおけるS641の処理は、図7に示す遠隔制御装置5におけるステップS414〜S416、河川水濾過装置2aにおけるS422、河川水濾過装置2bにおけるS432、河川水濾過装置2cにおけるS442の処理と同様であるため、遠隔制御装置5におけるステップS615〜S617、河川水濾過装置2aにおけるS623、河川水濾過装置2bにおけるS633、河川水濾過装置2cにおけるS641の説明を省略する。

本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1によれば、例えば、以下に示す効果が奏される。 本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1は、同一河川水源4から河川水W1を除濁膜モジュール22a〜22cに導入することで河川水W1に含まれる汚濁物質を除去して処理水W2を製造する複数の河川水濾過装置2a〜2cと、遠隔地から通信により複数の河川水濾過装置2a〜2cを遠隔制御する遠隔制御部51と、取得された複数の河川水濾過装置2a〜2cに導入される河川水W1の全有機物炭素(TOC)、クロロフィル、水温、全リン、全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)、及びアデノシン三リン酸(ATP)のいずれか1つ以上の水質項目に係る分析データを格納する分析データ格納部52と、を備え、遠隔制御部51は、複数の河川水濾過装置2a〜2cの一次側と二次側との差圧が増加した場合に、分析データ格納部52に格納された河川水W1の水質項目に係る分析データの近時情報に基づいて、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれに対し、除濁膜モジュール22a〜22cの一次側を逆洗浄する逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、除濁膜モジュール22a〜22cの一次側を順洗浄する順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、除濁膜モジュール22a〜22cへ導入される河川水W1に添加する殺菌剤の添加量を調整する操作、除濁膜モジュール22a〜22cへ導入される河川水W1に添加する凝集剤の添加量を調整する操作、除濁膜モジュール22a〜22cへ導入される河川水W1にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質を添加する操作、及び、除濁膜モジュール22a〜22cへ導入される河川水W1にバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加する操作のいずれか1つを遠隔制御により実行する。

そのため、同一河川水源4の河川水水質が変動した場合に、複数の河川水濾過装置2a〜2cにおいて、除濁膜モジュール22a〜22cの閉塞を抑制する操作を遠隔制御により実行して、複数の河川水濾過装置2a〜2cを、一群の河川水濾過装置として、総合的に管理することができる。

除濁膜モジュール22a〜22cの閉塞を抑制する操作として、逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作、及び/又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行した場合には、中空糸膜の外側表面で成長したケーキ層(汚濁物質の堆積層)を効果的に洗い流すことができる。その結果、除濁膜モジュール22の透過流束の低下を抑制して、所定範囲に維持することができる。 また、除濁膜モジュール22a〜22cの閉塞を抑制する操作として、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1に添加する凝集剤の添加量を増加する設定に変更する操作を実行した場合には、河川水W1に添加する凝集剤の添加量を増加させることにより、水中における懸濁物質を凝集(フロック化)させて除去し易くすることができる。その結果、除濁膜モジュール22の透過流束の低下を抑制して、所定範囲に維持することができる。

また、除濁膜モジュール22a〜22cの閉塞を抑制する操作として、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1にバイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質を添加する操作を実行する場合には、バイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質がバイオフィルムの内部に浸透して、バイオフィルムに、細菌を浮遊状態に誘導するシグナルを与えて、バイオフィルムを分散させることができる。その結果、除濁膜モジュール22の透過流束の低下を抑制して、所定範囲に維持することができる。 また、除濁膜モジュール22a〜22cの閉塞を抑制する操作として、除濁膜モジュール22へ導入される河川水W1にバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を添加する設定に変更する操作を実行する場合には、バイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質(例えばAHL)がクオラムセンシングを抑制して、スライムの増殖を抑制することができる。その結果、除濁膜モジュール22の透過流束の低下を抑制して、所定範囲に維持することができる。

また、本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1においては、遠隔制御部51は、逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作及び/又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行する場合において、逆洗浄モードの実施頻度を増加させる操作及び/又は順洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行した後に、分析データ格納部52に格納された河川水W1の水質項目に係る分析データが、複数の河川水濾過装置2a〜2cの差圧が増加する前の水準に復帰した場合に、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれに対し、逆洗浄モードの実施頻度及び/又は順洗浄モードの実施頻度を、複数の河川水濾過装置2a〜2cの差圧が増加する前の頻度となるように遠隔制御により設定変更する。

そのため、河川水濾過装置2において各洗浄モードの実施頻度を増加させる操作を実行する場合において、分析データ格納部52に格納された河川水W1の水質項目に係る分析データが、複数の河川水濾過装置2a〜2cの差圧が増加する前の水準に復帰した場合に、最適な頻度になるように設定が変更される。この結果、逆洗浄モードの実施頻度及び/又は順洗浄モードの実施頻度が最適になることなり、洗浄水の無駄な消費が抑制されると共に、処理水W2の品質が維持される。

また、本実施形態の河川水濾過装置の遠隔管理制御システム1においては、遠隔制御部51は、除濁膜モジュール22a〜22cへ導入される河川水W1に添加する凝集剤の添加量を調整する操作を実行する場合において、分析データ格納部52に格納された河川水W1のTOCが増加し且つ複数の河川水濾過装置2a〜2cの差圧が増加した場合に、複数の河川水濾過装置2a〜2cそれぞれに対し、予め設定された凝集剤の添加量を増加させるように遠隔制御により設定変更する。

そのため、河川水濾過装置2において除濁膜モジュール22a〜22cへ導入される河川水W1に添加する凝集剤の添加量を調整する操作を実行する場合において、複数の河川水濾過装置2a〜2cは、河川水W1のTOCが増加し且つ河川水濾過装置2a〜2cの差圧が増加した場合に、除濁膜モジュール22a〜22cに藻類が付着・堆積することにより閉塞が進行していると予測して、除濁膜モジュール22a〜22cへ導入される河川水W1に添加する凝集剤の添加量を増加させることにより、藻類ファウリングを適切に抑制することができる。

以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。 例えば、前述の実施形態においては、複数の河川水濾過装置として、3台の河川水濾過装置について説明したが、これに制限されない。本発明は、同一河川水源からの河川水が導入される河川水濾過装置群の遠隔制御を対象にしているので、数十台から数百台規模の河川水濾過装置群に対しても適用することが可能となっている。

また、前述の実施形態においては、複数の河川水濾過装置2a〜2cの全ての装置において実行される操作の設定を遠隔制御により設定変更したが、これに制限されない。複数の河川水濾過装置2a〜2cの一部の装置において実行される操作の設定を遠隔制御により設定変更してもよい。

また、前述の実施形態においては、近時情報として、直近の2個の分析データを使用する例について説明したが、これに制限されず、例えば、直近の3個以上の分析データを使用してもよい。

また、前述の実施形態において、第1動作例においては、河川水の水質項目に係る検出値の検出の回数が装置毎に各1回であって、分析データを取得して分析データ格納部52に格納する回数は、計3回であった。第2動作例においては、サンプル水の採水の回数が装置毎に各1回であって、分析データを取得して分析データ格納部52に格納する回数は、計3回であった。第3動作例においては、河川水濾過装置2aにおいてサンプル水の採水の回数及び河川水の水質項目に係る検出値の検出の回数が各1回であり、河川水濾過装置2bにおいてサンプル水の採水の回数及び河川水の水質項目に係る検出値の検出の回数が各1回であって、分析データを取得して分析データ格納部52に格納する回数は、計4回であった。しかし、分析データを分析データ格納部52に格納する回数は、これに制限されない。本発明は、複数の河川水濾過装置における分析データが得られたときには、分析データの取得の回数に制限はなく、複数の河川水濾過装置における分析データを、逐次、分析データ格納部52に格納する。

1 河川水濾過装置の遠隔管理制御システム 2、2a〜2c 河川水濾過装置 22、22a〜22a 除濁膜モジュール 4 河川水源 51 遠隔制御部 52 分析データ格納部 W1 河川水 W2、W2a〜W2c 処理水

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