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超高分子量エチレンコポリマーの調製

阅读:303发布:2024-02-19

专利汇可以提供超高分子量エチレンコポリマーの調製专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】改善された機械的性質および/または光学的性質を有する成形物品の製造に好適な粒子状超高分子量ポリエチレンの提供。 【解決手段】少なくとも4dl/gの固有 粘度 (IV)、少なくとも0.05SCB/1000TCのコモノマー含有量、少なくとも0.8のコモノマー分配係数(Cpf)、50〜500μmの間のメジアン粒径D50、1000ppm未満の総灰分を有する粒子状超高分子量ポリエチレン(pUHMWPE)。 【選択図】なし,下面是超高分子量エチレンコポリマーの調製专利的具体信息内容。

a)MgR12.nMgCl2.mR22O(ここで、n=0.37〜0.7であり、m=1.1〜3.5であり、R1は各々、芳香族または脂肪族ヒドロカルビル残基であり、かつR22Oは、脂肪族エーテルである)という組成を有する有機マグネシウム化合物の溶液と塩素化剤との0.5以下のMg/Clモル比(ここで、Mgは前記有機マグネシウム化合物のMgを表し、Clは前記塩素化剤のClを表す)での相互作用によりマグネシウム含有担体を調製する工程と、 b)前記マグネシウム含有担体に有機金属化合物を負荷して担持触媒を形成する工程と、 c)前記担持触媒を重合条件下でエチレンおよび少なくとも1種のオレフィンコモノマーと接触させる工程と を含む粒子状超高分子量ポリエチレン(pUHMWPE)の調製方法であって、 前記有機金属化合物は、式R33P=N−TiCpXn(式中、 各R3は独立して、 原子、 ハロゲン原子、 少なくとも1個のハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜20ヒドロカルビルラジカル、 C1〜8アルコキシラジカル、 C6〜10アリールまたはアリールオキシラジカル、 アミドラジカル、 式−Si−(R4)3のシリルラジカル、 および式−Ge−(R4)3のゲルマニルラジカル からなる群から選択され、式中、各R4は独立して、水素、C1〜8アルキルまたはアルコキシラジカル、C6〜10アリールまたはアリールオキシラジカルからなる群から選択され、 Cpは、シクロペンタジエニル配位子であり; Xは、活性化可能な配位子であり、かつnは、Tiの原子価およびXの原子価に応じて1または2であり、好ましくは、n=2の場合、Xは、Cl、Br、MeおよびEtからなる群から選択されるか、または、n=1の場合、Xは、置換もしくは非置換のブタジエンである)の化合物である、方法。前記コモノマーが、少なくとも3個の炭素原子を有するα−オレフィン、5〜20個の炭素原子を有する環状オレフィン、および4〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状ジエンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。前記マグネシウム含有担体または前記有機金属化合物を、アルモキサン、アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハロゲン化物、ホウ素またはアルミニウムのアニオン化合物、トリアルキルホウ素化合物、トリアリールホウ素化合物、ボラート、およびそれらの混合物のリストから選択される活性剤で処理する工程を含み、好ましくは、前記活性剤は、アルモキサンまたはアルキルアルミニウムである、請求項1または2に記載の方法。前記マグネシウム含有担体が、2〜30μmのD50を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。前記塩素化剤は、YkACl4−k(ここで、Y=OR5またはR5基であり、R5は、少なくとも1個のハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜20ヒドロカルビルラジカルであり、Aは、SiまたはC原子であり、かつk=0〜2である)という組成の塩素含有化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。前記有機金属化合物が、式tBu3P=N−TiCp*X2(式中、Cp*は、ペンタメチルシクロペンタジエニルであり、かつXは、Cl、Br、MeおよびEtからなる群から選択される)のものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。請求項1〜6に記載の方法のいずれかにより得ることができる超高分子量ポリエチレン。少なくとも4dl/gの固有粘度(IV)、 少なくとも0.05SCB/1000TCのコモノマー含有量、 少なくとも0.8のコモノマー分配係数(Cpf)、 50〜500μmの間のメジアン粒径D50、 1000ppm未満の総灰分 を有する粒子状超高分子量ポリエチレン(pUHMWPE)。前記ポリマーが、4.0未満の分子量分布Mw/Mnを有する、請求項8に記載のpUHMWPE。前記コモノマーが、少なくとも3個の炭素原子を有するα−オレフィン、5〜20個の炭素原子を有する環状オレフィン、および4〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状ジエンからなる群から選択される、請求項8または9に記載のpUHMWPE。前記UHMWPEが、100ppm未満の残留Si含有量を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載のpUHMWPE。前記UHMWPEが、少なくとも300kg/m3の見掛け嵩密度を有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載のpUHMWPE。請求項8〜12のいずれか一項に記載のpUHMWPEを含む成形UHMWPE物品の製造方法。前記成形物品が、繊維、テープまたはフィルムである、請求項13に記載の方法。請求項13または14に記載の成形物品を含む製品であって、好ましくは、前記物品は、ロープ、ケーブル、ネット、布帛、および防弾性物品のような防護器具からなる群から選択される、製品。

少なくとも4dl/gの固有粘度(IV)、 少なくとも0.05SCB/1000TCのコモノマー含有量、 少なくとも0.8のコモノマー分配係数(Cpf)、 50〜500μmの間のメジアン粒径D50、 1000ppm未満の総灰分 を有する粒子状超高分子量ポリエチレン(pUHMWPE)。前記コモノマーが、少なくとも3個の炭素原子を有するα−オレフィン、5〜20個の炭素原子を有する環状オレフィン、および4〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状ジエンからなる群から選択される、請求項1に記載のpUHMWPE。前記α−オレフィンが、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1およびデセン−1から選択される少なくとも一種の直鎖モノオレフィン;3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1および4−メチルペンテン−1から選択される少なくとも一種の分岐モノオレフィン;ならびにビニルシクロヘキサン、からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項2に記載のpUHMWPE。前記UHMWPEが、100ppm未満の残留Si含有量を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のpUHMWPE。前記UHMWPEが、少なくとも300kg/m3の見掛け嵩密度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のpUHMWPE。請求項1〜5のいずれか一項に記載のpUHMWPEを含む成形UHMWPE物品の製造方法。前記成形UHMWPE物品が、繊維、テープまたはフィルムである、請求項6に記載の方法。

说明书全文

発明の詳細な説明

本発明は、エチレンおよびオレフィンコモノマーの共重合による粒子状超高分子量ポリエチレン(pUHMWPE)の調製方法に関する。本発明はさらに、共重合されたコモノマーを含むpUHMWPE、および前記pUHMWPEを含む高透明性の成形物品に関する。

UHMWPEの調製方法は、国際公開第2009/063084号パンフレットに開示されている。国際公開第2009/063084号パンフレットは、マグネシウム含有担体により担持されたシングルサイト触媒(前記触媒は、有機金属化合物および活性剤を含む)を調製することと、そのシングルサイト担持触媒の存在下でエチレンおよびα−オレフィンを重合させることとによる超高分子量ポリエチレンの調製方法を開示している。

国際公開第2009/063084号パンフレットに開示されている方法は、そのUHMWPEを含む成形物品の機械的性質および透明性が優れているUHMWPEポリマーを提供する。しかしながら、国際公開第2009/063084号パンフレットに記載されている方法により製造されるUHMWPEは、マグネシウム含有担体により担持された触媒の低生産性を示す。シングルサイト担持触媒の生産性は、特に十分に確立されたチーグラー・ナッタ系と比べると、低い生産性を有することが知られている。国際公開第2009/063084号パンフレットに記載されているような方法によりもたらされる低い生産性の欠点は、経済的に実行不可能な方法、高灰分、高残留チタン含有量および/または小粒径を有するUHMWPEであり得る。

米国特許第6,528,671号明細書は、ホスフィンイミン遷移金属化合物、共触媒および任意選択で活性剤を含む、ポリオレフィンの製造のための均一系触媒系について記載している。しかしながら、このような均一系触媒による重合プロセスはファウリング(fowling)問題に曝され、その上、製造されるポリエチレンはいずれかの形態を取るものではなく、商業的プロセスにおけるそれらの使用は良くても困難なものとなっている。

欧州特許第0890581号明細書は、シリカ上のホスフィンイミンシクロペンタジエニル金属化合物を用いた粒子状ポリエチレンの製造について記載している。この触媒系の報告された生産性は、ポリエチレン粉末の粒径および形態を損ねて達成される。ポリエチレン粉末の非球状形態および高粒径は、UHMWPEの分野における商業的使用に有害となる。

さらに、担持シングルサイト触媒(すなわち、担体により担持された有機金属触媒)の分野における技術報告が、ここ数十年の間に公表されている。そのような報告は、例えば、John R.SevernおよびJohn C.Chadwickによる“Tailor−made polymers.Via immobilization of alpha−olefin polymerization catalysts”,2008 WILEY−VCH,Weinheimという書籍の第4章および第6章として、またはImmobilizing single−site alpha−olefin polymerization catalysts in Chem.Rev.2005,105,4073−4147に報告されている。これらの報告は、ポリオレフィン重合の分野においてはいかなる経験的経路も適用されず、各プロセスおよび製品が、特異的な担体/触媒/共触媒の組み合わせを必要とするという事実を強調している。

したがって、pUHMWPEの機械的性質と、pUHMWPEの成形物品の透明性と、使用される担持有機金属化合物の生産性との間のバランスが良くとれているpUHMWPEの調製方法に対する必要性がある。

本発明の目的は、上述の特性のバランスが良くとれている重合方法を提供することである。

本発明のさらなる目的は、pUHMWPEを含む成形物品の透明性をさらに最適化することであり得る。

驚くべきことに、この目的は、以下に詳細に説明される本発明に従う方法により達成される。

本発明の一実施形態において、請求項1に従うMgCl2担持シングルサイトチタン触媒を用いた粒子状UHMWPEの調製方法が提供される。

驚くべきことに、本発明に従う方法を用いれば、pUHMWPEの機械的性質とUHMWPEの成形物品の透明性との間のバランスが良くとれた粒子状UHMWPEが、使用される担持有機金属化合物の優れた生産性で得られる。この粒子状UHMWPEは、少なくとも0.05の総炭素原子1000個当たりの短鎖分岐数(SCB/1000TC)のコモノマー含有量と、少なくとも0.8のコモノマー分配係数(Cpf)とを、低灰分と合わせて示す。さらなる利点は、本発明の方法により得られる粒子状UHMWPEが50〜500μmの間の最適化された粒径(D50)を有するものであり、かつ狭い粒径分布(SPAN)を有し得ることである。これは、さらなる加工(例えば、焼結)に有益であり得る粒子状UHMWPEを結果としてもたらす。

具体的に言えば、本発明の粒子状超高分子量ポリエチレンの調製方法は、 a)MgR12.nMgCl2.mR22O(ここで、n=0.37〜0.7であり、m=1.1〜3.5であり、R1は各々、芳香族または脂肪族ヒドロカルビル残基であり、かつR22Oは、脂肪族エーテルである)という組成を有する有機マグネシウム化合物の溶液と塩素化剤との0.5以下のMg/Clモル比(ここで、Mgは有機マグネシウム化合物のMgを表し、Clは塩素化剤のClを表す)での相互作用によりマグネシウム含有担体を調製する工程と、 b)マグネシウム含有担体に有機金属化合物を負荷して担持触媒を形成する工程と、 c)担持触媒を重合条件下でエチレンおよび少なくとも1種のオレフィンコモノマーと接触させる工程と を含み、ここで、有機金属化合物は、式R33P=N−TiCpXn(式中、 各R3は独立して、 素原子、 ハロゲン原子、 少なくとも1個のハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜20ヒドロカルビルラジカル、 C1〜8アルコキシラジカル、 C6〜10アリールまたはアリールオキシラジカル、 アミドラジカル、 式−Si−(R4)3のシリルラジカル、 および式−Ge−(R4)3のゲルマニル(germanyl)ラジカル からなる群から選択され、式中、各R3は独立して、水素、C1〜8アルキルまたはアルコキシラジカル、C6〜10アリールまたはアリールオキシラジカルからなる群から選択され、 Cpは、シクロペンタジエニル配位子であり; Xは、活性化可能な配位子であり、かつnは、Tiの原子価およびXの原子価に応じて1または2であり、好ましくは、Xは、Cl、Br、MeおよびEtからなる群から選択される(n=2の場合)か、またはXは、置換もしくは非置換のブタジエンである(n=1の場合))の化合物である。

本発明の文脈における活性化可能な配位子とは、共触媒または「活性剤」(例えば、アルミノキサン(aluminoxane))により活性化されてオレフィン重合を促進し得る配位子と解釈される。活性化可能な配位子は独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1〜10ヒドロカルビルラジカル、C1〜10アルコキシラジカル、C5〜10アリールオキシドラジカルからなる群から選択され得;前記ヒドロカルビル、アルコキシ、およびアリールオキシドラジカルの各々は、ハロゲン原子、C1〜8アルキルラジカル、シリルラジカル、C1〜8アルコキシラジカル、C6〜10アリールまたはアリールオキシラジカル、非置換であるかまたは最大2個のC1〜8アルキルラジカルにより置換されているアミドラジカル;非置換であるかまたは最大2個のC1〜8アルキルラジカルにより置換されているホスフィドラジカルにより、置換されていなくてもさらに置換されていてもよい。好ましい触媒は、Ti原子を最も高い酸化状態(すなわち、4+)で含有する。したがって、好ましい触媒は、2個の活性化可能な配位子を含有する。一部の例においては、触媒成分の金属は、最も高い酸化状態ではないことがあり得る。例えば、チタン(III)成分であれば、活性化可能な配位子を1個しか含有しないであろう。

2個のX配位子はまた、互いに結合して、例えば、置換もしくは非置換のジエン配位子(すなわち、1,3−ジエン);または非局在化したヘテロ原子含有基(例えば、アセタートまたはアセトアミジナート基)を形成し得る。

本発明の好都合な実施形態において、各Xは独立して、ハライド原子、アルキルラジカルおよびベンジルラジカルからなる群から選択される。

マグネシウム含有担体の調製は、好ましくは、5〜80℃の範囲内の温度で実施される。この調製は、典型的には、乾燥した非プロトン性炭化水素溶媒中で実施される。

塩素化剤は、有機マグネシウム化合物に少なくとも1個の塩素を提供することができる任意の種類の塩素化化合物、好ましくは、共有結合した塩素を有する化合物(例えば、塩素化された脂肪族または芳香族炭化水素)であり得る。好ましくは、塩素化剤は、YkACl4−k(ここで、Y=OR5またはR5基であって、R5は、少なくとも1個のハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜20ヒドロカルビルラジカルであり、Aは、SiまたはC原子であり、かつk=0〜2である)という組成の塩素含有化合物である。好ましくは、塩素化剤は、A=Siであり、k=1または2であるヒドロカルビルハライドシラン、またはフェニルトリクロロメタンである。前記好ましい塩素化剤によって製造されるマグネシウム含有担体は、より高い収率で得られるという利点を有しているか、または調整可能な平均粒径、粒径分布、およびさらに向上した生産性を有する担持触媒をもたらす。

有機マグネシウム化合物MgR12.nMgCl2.mR22Oは、n=0.37〜0.7およびm=1.1〜3.5の範囲により規定される広範な分子組成を有し得る。前記化合物が、nおよびmのこうした小数の性質を可能にする複雑な構造を有するであろうことは、当業者には明らかであろう。好ましくはn=0.4〜0.65、より好ましくは0.45〜0.6であり、mは、好ましくは1.5〜2.5、より好ましくは1.8〜2.1であり、および最も好ましくはm=2である。各R1は、芳香族または脂肪族ヒドロカルビル残基である。好ましくは、R1は、アリール基(Ar)であり、ここで、このアリール基は、好ましくは、6〜10個の炭素原子を有する芳香族構造を含む。この芳香族構造は、少なくとも1個のC1〜C8アルキル基により置換されていてもよい。脂肪族のR1残基は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル残基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチルまたはt−ブチル)から選択され得る。R22Oは、脂肪族エーテルである。脂肪族エーテルとは、R1が、脂肪族炭素原子を介して酸素エーテル原子に結合しているヒドロカルビル残基であるものと理解される。好ましくは、R2は、R=i−Am、n−Buである。

好ましい実施形態において、マグネシウム含有担体の調製における有機マグネシウム化合物のMgの塩素化剤のClに対するモル比は、0.4以下、より好ましくは0.3以下である。このモル比は特に限定されないが、実際的理由から、この比は、少なくとも0.01、より好ましくは少なくとも0.02、および最も好ましくは少なくとも0.05であり得る。

本発明の方法により、工程a)後にマグネシウム含有担体が得られる。前記中間体マグネシウム含有担体は、単離されて、後の使用のために貯蔵されてもよいし、即時に当該方法のさらなる工程に供されてもよい。好ましくは、マグネシウム含有担体は、2〜30μmの、D50として表される粒径を有する。本出願において、D50とは、メジアン粒径直径と理解される。好ましくは、D50は、少なくとも2ミクロンであり、より好ましくは少なくとも3ミクロン、および最も好ましくは少なくとも5ミクロンである。この好ましい範囲内のマグネシウム含有担体のD50は、得られる粒子状UHMWPEの市販の装置における最適な取扱いをもたらし得る。マグネシウム含有担体は、好ましくは0〜10、より好ましくは0.1〜5、さらにより好ましくは0.3〜2、および最も好ましくは0.4〜1の狭い粒径分布(SPAN)を有する。さらに好ましい実施形態において、粒径分布は、単峰性粒径分布が0の値を有するということを念頭に置いて、5以下、好ましくは2以下、および最も好ましくは1以下である。

担持触媒は、マグネシウム含有担体に有機金属化合物を負荷することにより調製される。これは、一般的に、マグネシウム含有担体の懸濁液を炭化水素溶媒中の有機金属化合物の溶液で処理することにより行われる。有機金属化合物のMgに対するモル比は、0.001〜1、好ましくは0.005〜0.5、および最も好ましくは0.01〜0.1であり得る。マグネシウム含有担体への負荷は、好ましくは、20℃〜100℃の間の温度で実施される。好ましくは、マグネシウム含有担体は、工程a)で前記担体の調製のために使用された溶媒に懸濁され、担体調製工程からの残留物をさらに含有し得る。好ましい実施形態においては、この合成からの試薬は、担体を粉末として単離する前または再度懸濁液の状態にする前に、例えば好適な溶媒を用いての洗浄および濾過により、担体から除去される。懸濁液の溶媒および有機金属化合物の溶媒は、同じでも異なっていてもよい。懸濁液および/または有機金属化合物溶液に好適な溶媒は、脂肪族および芳香族炭化水素であり、好ましくは20℃〜200℃の間の沸点を有するものである。好ましくは、溶媒は独立して、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソパラフィン混合物、トルエン、およびキシレン、ならびにそれらの異性体からなるリストから選択される。

有機金属化合物は、一般式R33P=N−TiCpXn(式中、各R3は独立して、水素原子、ハロゲン原子、少なくとも1個のハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜20ヒドロカルビルラジカル、C1〜8アルコキシラジカル、C6〜10アリールまたはアリールオキシラジカル、アミドラジカル、式−Si−(R4)3のシリルラジカル、および式−Ge−(R4)3のゲルマニルラジカルからなる群から選択され、式中、各R3は独立して、水素、C1〜8アルキルまたはアルコキシラジカル、C6〜10アリールまたはアリールオキシラジカルからなる群から選択され、 Cpは、シクロペンタジエニル配位子であり;Xは、活性化可能な配位子であり、かつnは、Tiの原子価およびXの原子価に応じて1または2であり、好ましくは、Xは、Cl、Br、MeおよびEtからなる群から選択される(n=2の場合)か、またはXは、置換もしくは非置換のブタジエンである(n=1の場合))のものである。

好ましいホスフィンイミン配位子(R33P=N−)は、各R3がヒドロカルビルラジカルであるものである。特に好ましいホスフィンイミン配位子は、トリ(第三級ブチル)ホスフィンイミン(すなわち、各R3が第三級ブチル基である場合)である。

本明細書で使用される場合、シクロペンタジエニル配位子という用語は、その従来の意味、すなわち、η5結合により金属に結合されている5炭素環を有する配位子という意味を、広義に伝えるように意図される。したがって、用語「シクロペンタジエニル」は、非置換シクロペンタジエニル、置換シクロペンタジエニル、非置換インデニル、置換インデニル、非置換フルオレニルおよび置換フルオレニルを包含する。シクロペンタジエニル配位子の置換基の例示的なリストには、C1〜10ヒドロカルビルラジカル(このヒドロカルビル置換基は、非置換であるかまたはさらに置換されている);ハロゲン原子、C1〜8アルコキシラジカル、C6〜10アリールまたはアリールオキシラジカル;非置換であるかまたは最大2個のC1〜8アルキルラジカルにより置換されているアミドラジカル;非置換であるかまたは最大2個のC1〜8アルキルラジカルにより置換されているホスフィドラジカル;式−Si−(R4)3のシリルラジカルおよび式−Ge−(R4)3のゲルマニルラジカル(式中、各R4は独立して、水素、C1〜8アルキルまたはアルコキシラジカル、C6〜10アリールまたはアリールオキシラジカルからなる群から選択される)からなる群が含まれる。好ましくは、Cpは、非置換シクロペンタジエニルまたはペンタメチルシクロペンタジエニルである。

本発明の方法の最も好ましい実施形態において、有機金属化合物は、式tBu3P=N−TiCp*X2(式中、Cp*は、ペンタメチルシクロペンタジエニルであり、かつXは、Cl、Br、MeおよびEtからなる群から選択される)のものである。このような有機金属化合物を用いて調製される担持触媒が、粒子状UHMWPEのより高い生産性を結果としてもたらし得ることが見出された。

さらに好ましい実施形態において、本発明の方法は、マグネシウム含有担体、有機金属化合物および/または担持触媒を、アルモキサン(alumoxane)、アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハロゲン化物、ホウ素またはアルミニウムのアニオン化合物、トリアルキルホウ素化合物およびトリアリールホウ素化合物のようなボラン、ボラート、およびそれらの混合物のリストから選択される活性剤で処理する工程を含み、好ましくは、活性剤は、アルモキサンまたはアルキルアルミニウムである。ポリオレフィンの調製において活性剤として使用されるよく知られているボランおよびボラートは、参照により本明細書に援用されるE.Y−X.ChenおよびT.J.MarksによるChem.Rev.,2000,100,1391に記載されている。このような処理により、粒子状UHMWPEのさらにより高い収量が得られ得る。

アルモキサンは、全体式:(R5)2AlO(R5AlO)pAl(R5)2(式中、各R5は独立して、C1〜20ヒドロカルビルラジカルからなる群から選択され、かつpは、0〜50であり、好ましくは、R5は、C1〜4ラジカルであり、pは、5〜30である)のものであり得る。混合物の化合物中のR基のほとんどがメチルであるメチルアルモキサン(または「MAO」)が、好ましいアルモキサンである。アルモキサンはまた、一般的には炭化水素溶媒中の溶液として、容易に入手可能なものである。

アルモキサンは、使用される場合、好ましくは、20:1〜1000:1のアルミニウムのチタンに対するモル比で添加される。好ましい比は、50:1〜250:1である。

本発明の文脈において、アルキルアルミニウムおよびアルキルアルミニウムハロゲン化物は、一般式AlR6qXr(式中、Alは、3価の原子価状態のアルミニウム原子であり、各R6は、アルキル残基であり、Xは、ハロゲン原子であり、qおよびrは、1〜3の自然数であるが、但しq+r=3である)により表される。典型的な例は、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリへキシルアルミニウムおよびトリオクチルアルミニウム);ジアルキルアルミニウム水素化物(例えば、ジエチルアルミニウム水素化物およびジイソブチルアルミニウム水素化物);ジアルキルアルミニウムハロゲン化物(例えば、ジエチルアルミニウム塩化物);トリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムハロゲン化物の混合物(例えば、トリエチルアルミニウムおよびジエチルアルミニウム塩化物の混合物)である。

本出願の文脈において、トリアルキルホウ素化合物およびトリアリールホウ素化合物は、一般式BR73(式中、Bは、3価の原子価状態のホウ素原子であり、かつ各R7は、それぞれアルキルまたはアリール残基である)により表されるボランである。好ましくは、このアルキルまたはアリール残基は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されている。最も好ましいトリアリールホウ素化合物は、トリスペンタフルオロフェニルボランである。

本出願の文脈において、ボラートは、式[R8]+[B(R9)4](式中、Bは、ホウ素原子であり、R8は、環状C5〜7芳香族カチオンまたはトリフェニルメチルカチオンであり、かつ各R9は独立して、非置換であるか、またはフッ素原子、非置換であるかもしくはフッ素原子により置換されているC1〜4アルキルもしくはアルコキシラジカル;および式−Si−(R10)3(式中、各R10は独立して、水素原子およびC1〜4アルキルラジカルからなる群から選択される)のシリルラジカルからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されている、フェニルラジカルからなる群から選択される)のホウ素含有化合物である。

本発明の方法の工程c)において、担持触媒は、重合条件下でエチレンおよび少なくとも1種のオレフィンコモノマーと接触させられる。

重合は、種々の条件下で実施され得、例えば、不活性炭化水素溶媒(例えば、非置換であってもC1〜4アルキル基により置換されていてもよいC5〜12炭化水素(例えば、ペンタン、メチルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ペンタメチルヘプタンおよび水素化ナフサ)の存在下において20℃〜100℃の間の温度で、または炭化水素希釈剤を用いずに20〜160℃、好ましくは40℃〜100℃の温度で気相条件下において実施され得る。低い温度は、重合活性の低下を結果としてもたらし得るが、高い温度は、触媒系の劣化、分子量の低下および/または生成されるUHMWPEの凝集の喪失によるUHMWPEの粒子状形態の喪失を結果としてもたらし得る。ポリマー分子量は、連鎖移動剤および/または水素の使用により調節され得る。重合圧力は特に限定されないが、工業的および経済的観点から、通常は周囲圧力〜約10MPa、好ましくは約50kPa〜5MPa、および最も好ましくは約100kPa〜1.5MPaの圧力が採用される。重合様式としては、バッチ様式または連続様式のいずれかが使用され得る。好ましくは、不活性炭化水素溶媒(例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタン)を用いるスラリー重合、またはガス重合が使用され得る。一般的に、反応器は、反応物の完全な混合を達成するための条件下で運転されるべきである。好ましくは、分子量分布およびモノマー供給量のみならず粒径分布も有利に制御され得るという利点を有するバッチ法が使用される。

粒子状UHMWPEの調製のための本発明に従う方法で使用されるモノマーは、反応器に供給される前に溶媒に溶解/分散され得るか、または気体モノマーの場合は、モノマーは、それが反応混合物に溶解するように反応器に供給され得る。混合する前に、溶媒およびモノマーは、好ましくは、潜在的な触媒毒(例えば、水または酸素)を除去するために精製される。供給原料精製は、当該技術分野における標準的なやり方に従うものであり、例えば、モレキュラーシーブ、アルミナ床、ならびに酸素およびCO(S)除去触媒が、モノマーの精製のために使用される。好ましくは、溶媒自体も同様に処理される。

供給原料は、重合への供給の前に加熱または冷却され得、反応は、外部手段によって加熱または冷却され得る。

一般的に、触媒成分は、別個の懸濁液として反応器に添加されてもよいし、反応器への添加の前に予め混合されてもよい。

重合後に、重合は、重合停止剤(例えば、アルコール、水、酸素、一酸化炭素または二酸化炭素)を添加する、モノマーを除去する、またはモノマーの添加を停止することにより停止され得る。

本発明の文脈において、オレフィンコモノマーは、少なくとも1個の重合性C−C二重結合を有する炭化水素を表す。好ましくは、コモノマーは、少なくとも3個の炭素原子を有するα−オレフィン、5〜20個の炭素原子を有する環状オレフィン、および4〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状ジエンからなる群から選択される。α−オレフィンとは、3個以上の炭素原子、好ましくは3〜20個の炭素原子を有するα−オレフィンを指す。好ましいα−オレフィンとしては、直鎖モノオレフィン(例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1およびデセン−1);分岐モノオレフィン(例えば、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1および4−メチルペンテン−1);ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。α−オレフィンは、単独で、または2種以上を組み合わせて使用され得る。

好ましい実施形態において、α−オレフィンは、3〜12個の間の炭素原子を有する。さらにより好ましくは、α−オレフィンは、プロペン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1からなる群から選択される。最も好ましくは、ブテン−1、ヘキセン−1が共重合される。本出願人は、これらのα−オレフィンが容易に共重合し得、かつ本発明に従うUHMWPEを含む成形物品において最適化された透明性を示し得ることを見出した。

重合反応の間、担持触媒は、存在するエチレンおよびコモノマーの総量に基づき最大約1000mol/kmol、より好ましくは約1〜約1000mol/kmol、最も好ましくは約2〜500mol/kmol、特に約5〜約100mol/kmolのコモノマーと接触させられる。一般的に、コモノマー含有量の増大は、最適化された透明性を有する成形物品を特にもたらすより高いコモノマー含有量を有するUHMWPEをもたらすであろう。

本発明はまた、本発明に従う方法により得ることができる超高分子量ポリエチレンに関する。

本発明の方法により得られ得るUHMWPEは、使用される担持有機金属化合物の優れた生産性で重合されると同時に、優れた機械的性質を有する。これにより、本発明者らの知るところによると初めて、機械的性質とUHMWPE特性(例えば、分子量分布、コモノマー分布、粒径および触媒残存量)との最適化された組み合わせを有するUHMWPEが提供された。任意選択で、粒径分布および粒子形態が最適化され得る。

したがって、本出願はまた、少なくとも4dl/gの固有粘度(IV)、少なくとも0.05SCB/1000TCのコモノマー含有量、少なくとも0.8のコモノマー分配係数(Cpf)、50〜500μmの間のメジアン粒径D50および1000ppm未満の総灰分を有する超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)に関する。

好ましくは、UHMWPEは、少なくとも0.1の総炭素原子1000個当たりの短鎖分岐数(SCB/1000TC)、より好ましくは少なくとも0.5SCB/1000TC、および最も好ましくは少なくとも1SCB/1000TCのコモノマー含有量を有する。UHMWPEのコモノマー含有量は特に限定されないが、実際的理由から、50SCB/1000TC未満、好ましくは25SCB/1000TC未満であり得る。本出願における短鎖分岐とは、共重合されるコモノマーに由来する分岐および不適切なエチレン組み込みにより触媒によって導入される潜在的な短鎖分岐と理解される。SCBの算出についてのさらなる詳細は、方法と共に示される。より高いコモノマーレベルは、UHMWPEを含む成形物品の透明性をさらに高め得る。

好ましい実施形態において、UHMWPEは、ポリマー組成物の分子量範囲にわたってコモノマーの均一な分布を有する。このような均一性は、以下でさらに説明されるコモノマー分配係数(Cpf)によって表される。測定方法および算出についてのさらなる詳細は、参照により本明細書に援用される国際公開第97/44371号パンフレットから得られ得る。分子量にわたる完全に均一なコモノマー分布は1のCpfによって表され、1より低いまたは1より高いCpf値は、それぞれ増大したレベルのコモノマーがUHMWPEの低分子画分または高分子画分に存在するコモノマー分布を特徴付ける。存在するUHMWPEのCpfは、好ましくは0.8〜1.1の間、より好ましくは0.85〜1.07の間、さらにより好ましくは0.9〜1.05の間、および最も好ましくは0.95〜1.03の間である。好ましい範囲内のCpfを有するUHMWPEは、存在するコモノマーの改善された効率を有し得ることが観察された。そのような改善された効率は、UHMWPE中のコモノマーのより少ない量において同等の材料特性が達成されることに反映され得る。向上したコモノマー効率により利益が得られ得る材料特性は、例えば、成形物品の透明性であり得る。

本発明に従う超高分子量ポリエチレンは、最適な機械的性質を有するUHMWPEを含む物品をもたらすために、少なくとも約4dl/g、好ましくは少なくとも約8dl/g、より好ましくは少なくとも約12dl/gの(デカリン中の溶液について135℃で測定した場合の)固有粘度(IV)を有する。本発明に従うUHMWPEは、50dl/g以下、好ましくは40dl/g以下のIVを有し得る。固有粘度は、MnおよびMwのような実際の分子量パラメータよりも容易に決定され得る分子量(モル質量とも呼ばれる)についての尺度である。IVおよびMwの間にはいくつかの経験的関係がある。式Mw=5.37*104[IV]1.37(欧州特許出願公開第0504954A1号明細書参照)に基づけば、4または8dl/gのIVは、それぞれ約360または930kg/molのMwに相当するであろう。固有粘度が小さすぎると、超高分子量ポリエチレンからの種々の成形物品を用いるために必要な強度が得られ得ないことがあり、固有粘度が大きすぎると、成形時の加工性などが悪化することがある。

1つの好ましい実施形態において、本発明のUHMWPEは、4.0未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3.0未満、および最も好ましくは2.8未満の分子量分布Mw/Mnを有する。このような好ましいUHMWPEは、UHMWPEを含む物品のなおさらに改善された機械的性質を示し得る。本出願の文脈における分子量分布(MWD)とは、Mw/Mnの比と理解される。UHMWPEについてのMwおよび/またはMnの値を測定する方法については文献において相反する教示が存在し得、MWDの不一致を結果としてもたらし得るため、本明細書において理解されるMWDは、実験の項でさらに説明されるSEC法により測定されるものである。本発明に従う粒子状UHMWPEのMWDに特に下限はない。理論上の限界は、1のMWDを有する単分散ポリマーのものであり、好ましくは、MWDは少なくとも1.1である。

好ましくは、UHMWPEは、総炭素原子100個当たり1個未満の長鎖分岐(LCB)、好ましくは総炭素原子300個当たり1個未満のLCBを有する直鎖ポリエチレンであり、LCBは、少なくとも20個の炭素原子を含有する分岐として本明細書で定義される。

本発明のUHMWPEは、50〜500ミクロンのメジアン粒子直径(D50)を有する。D50は、好ましくは60〜300ミクロン、より好ましくは65〜200ミクロンである。小さすぎる粒径は、処理の際にダストおよび安全問題に繋がるが、一方、大きすぎる粒径は、例えば不均一な焼結により、UHMWPEの加工性に悪影響を及ぼし得る。

さらに好ましい実施形態において、本発明のUHMWPEは、3以下、好ましくは2.5以下、さらにより好ましくは2以下、および最も好ましくは1以下の粒径分布パラメータ(SPAN)を有する。SPANは、SPAN=(D90−D10)/D50という式によって表され、式中、D90、D10およびD50は、それぞれ体積累積分布の90%、10%および50%における粒径であり、D50はメジアン直径とも称される。この値が小さいほど、粒径分布が狭い。

本発明のUHMWPEの形態は、本発明の方法において調製されるマグネシウム含有担体によって影響され得る。担持触媒が、実質的に球状の形状のUHMWPEをもたらし得ることが観察された。本発明の文脈における実質的に球状の形状とは、個々のUHMWPE粒子の最大直径が、前記粒子の平均直径の1.5倍以下、好ましくは平均直径の1.4倍以下、および最も好ましくは前記粒子の平均直径の1.2倍以下であることを意味する。粒子の最大直径とは、粒子全体の周囲を囲むであろう可能な限りの小さな球の直径と理解される。粒子の平均直径とは、当該粒子の質量を含み得る球の直径と理解される。このような球状形態は、例えば、楕円形もしくは粒状(granular)の粒子または酸化物ベースの担体(例えば、シリカ担体)の多くからしばしば得られるような不規則な形状の粒子と対照をなす。UHMWPE粒子の球状形態は、優れた粉末嵩密度を有する製品をもたらす。

好ましい実施形態において、本発明のUHMWPEは、10ppm未満、好ましくは7ppm未満、より好ましくは5ppm未満、および最も好ましくは2ppm未満の残留Ti含有量を有し得る。より低い残留Tiレベルは、担持触媒の生産性の向上の結果であり、安定性の向上したUHMWPEを可能にし得る。

1つの好ましい実施形態において、いずれの残留活性触媒金属のレベルも、10ppm未満、好ましくは8ppm未満、より好ましくは7ppm未満、および最も好ましくは5ppm未満である。さらに好ましい実施形態において、残留活性触媒金属の合わせたレベルは、25ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは15ppm未満、および最も好ましくは10ppm未満である。本明細書において、活性触媒金属とは、ポリオレフィンの製造のために一般的に使用される金属、特には元素の周期表の4〜7族の金属、さらに特には4族の金属(すなわち、Ti、ZrおよびHf)と理解される。Ti、Zr、および/またはHfのそれぞれのレベルは、中性子放射化分析(NAA)により測定される。

本発明のUHMWPEはさらに、1000ppm未満、好ましくは600ppm未満、より好ましくは300ppm未満、および最も好ましくは100ppm未満の残留灰分を特徴とする。より低い残留灰レベルは、担持触媒の生産性の向上のさらなる結果であり、改善された色中立性(color neutrality)を有するUHMWPEをもたらし得る。粒子状UHMWPEの残留灰分は、mg単位の担持触媒量および重合におけるkg単位の前記触媒のそれぞれのポリエチレン収量に基づいて算出される。残留灰分が、中性子放射化分析(NAA)または蛍光X線(XRF)または当該技術分野において利用可能な他の分析手段によって同定される元素の総量によって見積もられ得ることを、当業者は承知しているであろう。

UHMWPEは、上に記載したマグネシウム含有担体により担持される触媒によって調製され得る。そのような担体およびそれから調製されるUHMWPEは、シリカを実質的に含まないが、使用する塩素化剤によっては少量のケイ素がUHMWPE中に存在し得る。したがって、本発明のUHMWPEは、100ppm未満、好ましくは60ppm未満、より好ましくは40ppm未満、より好ましくは30ppm未満、さらにより好ましくは20ppm未満、および最も好ましくは10ppm未満のSi含有量を有し得る。粒子状UHMWPEの残留Si含有量は、担持触媒中に存在するケイ素量(単位mg)および重合におけるkg単位の前記触媒のそれぞれのポリエチレン収量に基づいて算出される。上記のように、NAAおよびXRFは、非存在または残留Siレベルを確認するための好適な方法である。

なおさらに好ましい実施形態において、本発明のUHMWPEは、少なくとも300kg/m3の見掛け嵩密度を有する。見掛け嵩密度は、好ましくは、350〜550kg/m3、より好ましくは380〜530kg/m3、さらにより好ましくは390〜520kg/m3である。上述の範囲内の嵩密度を有するUHMWPEは、優れた取扱適性を提供し得ることが見出された。

本発明の超高分子量ポリエチレンは、改善された機械的性質および/または光学的性質を有する成形物品(例えば、テープ、フィルムおよび繊維)の製造に極めて好適である。したがって、本発明はまた、本発明のUHMWPEからの成形UHMWPE物品、好ましくはテープ、フィルムおよび繊維の製造方法に関する。

本発明に従うUHMWPEから成形物品を製造するための好ましい方法は、例えば、英国特許出願公開第A−2042414号明細書、英国特許出願公開第A−2051667号明細書、欧州特許出願公開第0205960A号明細書および国際公開第01/73173A1号パンフレット、ならびに“Advanced Fibre Spinning Technology”,Ed.T.Nakajima,Woodhead Publ.Ltd(1994),ISBN 185573 182 7に記載されるようなゲル紡糸法である。手短に言えば、ゲル紡糸法は、高固有粘度のポリマー溶液を調製することと、溶解温度よりも高い温度で溶液を押出してテープ、繊維のフィルムにすることと、そのテープ、繊維のフィルムをゲル化温度よりも下に冷却し、それにより少なくとも部分的にテープ、フィルムまたは繊維をゲル化することと、溶媒の少なくとも部分的な除去の前、間および/または後にフィルム、テープまたは繊維を延伸することとを含む。

本出願はまた、本発明の成形物品を含有する製品(例えば、ロープ、ケーブル、ネット、布帛、および防弾性物品のような防護器具)に関する。

以下の実施例により本発明を説明するが、本発明は、それらに限定されるものではなく、またそれらにより限定されるものでもない。

[実験] これにより参照により援用されるDouglas W.Stephan et al,Organometallics,2003,22,1937−1947に記載されている方法に従って、有機金属化合物Cp*Ti[(t−Bu)3PN]Cl2(I)を製造した。

[マグネシウム含有担体および担持触媒の調製] [実施例1:マグネシウム含有担体の調製] サーモスタット(内部温度制御)およびメカニカルスターラーを備えた1L反応器において、130mLのジブチルエーテル中PhMgCl(0.53mol Mg/L)を、10℃にて500rpmで撹拌した。PhCl中のPhSiCl3の3.7M溶液75mLを、75ml/時間の速度で滴下した。この反応混合物を10℃で30分間撹拌し、次いで1℃/分の速度で60℃まで加熱し、最後に60℃でさらに30分間撹拌した。次いで、上清が透明になるまでヘプタン洗浄を行った。得られる支持体は、マルバーン(Malvern)レーザー光散乱により測定した場合に10.2μmのメジアン粒径および0.96のスパンを有している。

[実施例2:アルキルアルミニウム化合物によるマグネシウム含有担体の前処理] 実施例1からのMgCl2支持体およびMAO10%wt(トルエン中0.138mol)のトルエン懸濁液を、300rpmおよび60℃で1時間撹拌した。結果として生じた固体を、60℃にて、上清が透明になるまで十分にトルエンで洗浄した。

[実施例3:有機金属化合物の担持] 1L反応器において、トルエン中の実施例2からの固体約5gを、300rpmで室温にて撹拌する。化合物(I)の0.02Mトルエン溶液40mLを添加し、その混合物を1時間反応させる。次いで、上清が無色になるまでトルエン洗浄を行う。最後に固体を250mLのヘプタン中でスラリーにする。

[実施例4] 担持触媒を、実施例1の方法によってより速い撹拌速度において得られる5.5μmのd50を有する支持体から、実施例3に記載したように調製する。

[比較実験A] ヘプタン中でスラリーにした実施例1に記載したように調製したMgCl2支持体を、60℃で0.09molのTiCl4と1時間接触させる。次いで、上清が透明になるまでヘプタン洗浄を行った。

[比較実験B] 欧州特許第1749574号明細書の実施例1に従って調製した、3.9μmのd50を有する従来のチーグラー・ナッタ触媒を使用する。

[比較実験C] 5.6μmのd50を有する第2の従来のチーグラー・ナッタ触媒を使用する。

[比較実験D] 比較実験Cにおけると同じ触媒ファミリーの、5.0μmのd50を有する第3の従来のチーグラー・ナッタ触媒を使用する。

[一般的重合手順] バッチ重合を、2L、10L(D、VIIおよびIX)または55L(B、C、X、XI)の撹拌反応器内で実施した。反応温度を所望の値に設定し、ラウダ(Lauda)サーモスタットにより制御した。供給材料流(溶媒およびエチレン)を種々の吸着媒体を用いて精製して、当業者により知られているような触媒失活不純物(catalyst killing impurity)(例えば、水、酸素、および極性化合物)を除去した。不活性雰囲気下において、予め乾燥させた反応器に、1L、4.5Lまたは25Lのヘプタンを充填する。溶媒が所望の温度に達した後に掃去剤成分およびコモノマーを添加し、5分後に担持触媒を添加する。次に、500kPa、7000kPaまたは1000kPaの全圧に達するように、そしてこれを維持するように、エチレン流を反応器中に供給する。所望の重合時間後に、反応器の内容物を回収し、濾過し、真空下において50℃で少なくとも12時間乾燥させる。ポリマーを計量し、試料を分析する。

プロペンとの共重合(重合VおよびVI)の場合においては、コモノマーはエチレンと混合した状態で添加される。使用される反応器設定は、重合時間全体にわたって一定の供給量および一定の圧力の両方を維持することを可能にするものであり、変換されていない供給材料(>75%)は排出され、プロペンの多量の組み込みによるいかなる組成ドリフトも防ぐ。

比較実験A〜Dならびに実施例3および4に記載した触媒系を用いて調製したUHMWPEの重合条件および評価は、それぞれ表1aおよび1bに見出され得る。

[試験方法] [密度] 密度は、ISO 1183に準じて測定した。

[透過率] 透過率は、ASTM D1003に準じて測定した。

[SEC−MALS] 分子質量分布(Mn、Mw、Mz、Mw/Mn)は、マルチバンド赤外線検出器(IR5 PolymerChar)およびワイアット(Wyatt)からの多度光散乱(MALS)検出器(レーザー波長690nm)(型式DAWN EOS)に連結されたPL−210サイズ排除クロマトグラフを用いて測定した。2つのPL−Mixed Aカラムを使用した。1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒として使用し、流量を0.5ml/分とし、測定温度を160℃とした。データ収集および計算は、ワイアット(アストラ(Astra))ソフトウェアによって実施した。UHMWPEは、当業者に知られている方法によってポリマーの分解を防止するような条件下において完全に溶解されるべきである。

[コモノマー含有量(総炭素1000個当たりの短鎖分岐数(SCB/1000TC)] モル質量に対するコモノマー組み込みを、赤外線検出器IR5で収集した赤外線データから得た。この検出器および分析法は、Ortinら(Journal of Chromatography A,1257,2012,66−73)により記載されている。この検出器は、クロマトグラフィーの実行中にCH3シグナルとCH2シグナルとを分離することを可能にし、モル質量分布に対する総炭素1000個当たりのメチル基数を決定する、バンドフィルターを含有する。NMRにより特徴付けられたポリエチレン短鎖分岐校正標準を用いて検出器を校正する。この標準は、異なるコモノマー種(メチル、エチル、およびブチル)を含む試料である。1鎖当たり2個のメチル末端基としてCH3/1000TC比を修正することにより、実際の短鎖分岐情報(SCB/1000TC)を得る。

[コモノマー分配係数(Cpf)] ポリマー分子量全体にわたるコモノマーの分布の程度を特徴付けるために、オンラインIRを備えたGPCを使用して、コモノマー分配係数Cpfと称されるパラメータを算出した。このGPCデータから、標準的な技術を用いてMnおよびMwを決定した。

コモノマー分配係数(Cpf)は、GPC−IRデータから算出される。これは、より高い分子量の画分の平均コモノマー含有量とより低い分子量の画分の平均コモノマー含有量との比を特徴付ける。より高い分子量およびより低い分子量は、分子量分布において最も高い占有率を有するモル質量(最大ピーク)よりも上または下にあるものと定義される。最大ピークは、所与のUHMWPEの示差モル質量(molar masse)分布曲線の頂点により決定される。Cpfは、式1から算出される:

式中、ciは、コモノマー含有量であり、wiは、正規化した重量分率であり、最大ピーク分子量よりも上のn個のIRデータポイントについてGPC−IRにより決定されるものである。cjは、コモノマー含有量であり、wjは、正規化した重量分率であり、最大ピーク分子量よりも下のm個のIRデータポイントについてGPC−IRにより決定されるものである。関連するコモノマー含有量値を有する重量分率wiまたはwjのみを用いて、Cpfを算出する。有効な計算のためには、nおよびmが3以上であることを必要とする。ピーク分子量の10%未満の高さを分子量分布において有する分子量画分に対応するIRデータは、そのようなデータに存在する不確かさのため計算に含まれない。

[嵩密度] 嵩密度は、23℃および相対湿度50%でDIN 53466;ISO 60に準じて測定される。

[粒径およびスパン] ポリマーの平均粒径は、マルバーン(商標)LLD粒径分析器を用いて、ISO 13320−2に準じて測定される。(D90−D10)/D50として定義されるスパンも、マルバーン(商標)LLD粒径分析器を用いて測定した。触媒の平均径は、マルバーン(商標)LLD粒径分析器を用いて測定される。

[乾燥流動性(DF)] 秒単位の乾燥流動性を、ASTM D 1895−69の方法Aに記載される方法に準じて測定した;23℃および相対湿度50%。

[固有粘度(IV)] 固有粘度は、PTC−179法(Hercules Inc.Rev.Apr.29,1982)に準じ、デカリン中135℃において、溶解時間を16時間とし、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)を溶液中2g/lの量で酸化防止剤として用いて、異なる濃度で測定した粘度をゼロ濃度に外挿することにより測定される。

[伸張応力(ES)] UHMWPEの伸張応力は、ISO 11542−2Aに準じて測定される。

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