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Controller in turn braking of yaw moment generator

阅读:310发布:2024-02-20

专利汇可以提供Controller in turn braking of yaw moment generator专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a controller in turn braking of a yaw moment generator capable of tracing a target turning radius irrespective of a value of braking acceleration when a vehicle is turn braked. SOLUTION: This controller is provided with a yaw movement control means e for outputting control yaw moment of an amount equivalent to a difference between target yaw moment and actual yaw moment to the yaw moment generator (a), an actual braking acceleration detection means f for detecting actual braking acceleration in the vehicle, and a turning and braking time compensation control means g for compensation-controlling a control command value by the yaw movement control means e so that the control command value outputted for the yaw moment generator (a) from the yaw movement control means e is gradually reduced as actual braking acceleration increases after a value of actual braking acceleration detected by the actual braking acceleration detection means f exceeds a value of braking acceleration at which a value of a turning radius ratio for braking acceleration determined in advance based on vehicle specifications becomes the minimum value.,下面是Controller in turn braking of yaw moment generator专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 車両にヨーモーメントを発生させるヨーモーメント発生装置と、 車両に生じている実ヨーモーメントを検出する実ヨーモーメント検出手段と、 車両挙動検出手段からの入力に基づいて現在の車両挙動において必要とする目標ヨーモーメントを求める目標ヨーモーメント演算手段と、 該目標ヨーモーメント演算手段で求められた目標ヨーモーメントと前記実ヨーモーメント検出手段で検出された実ヨーモーメントとの差分に相当する量の制御ヨーモーメントを出力させるべく前記ヨーモーメント発生装置に対し制御指令値を出力するヨー運動制御手段と、 車両における実際の制動加速度を検出する実制動加速度検出手段と、 車両諸元に基づいて予め決定される制動加速度に対する旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を前記実制動加速度検出手段で検出された実制動加速度の値が越えた後は、前記ヨー運動制御手段から前記ヨーモーメント発生装置に対し出力される制御指令値を前記実制動加速度が増加するにつれて徐々に減少させるように前記ヨー運動制御手段による制御指令値を補正制御する旋回制動時補正制御手段と、を備えていることを特徴とするヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置。
  • 【請求項2】 前記ヨーモーメント発生装置が、左右輪の制動力を可変制御する制動力制御装置で構成されていることを特徴とする請求項1記載のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置。
  • 【請求項3】 前記ヨーモーメント発生装置が、駆動力を左右輪へ配分制御する駆動力配分装置で構成されていることを特徴とする請求項1記載のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、駆動の左右輪への配分制御や左右輪の制動力の可変制御などを行う手段により車両に制御ヨーモーメントを発生させて旋回制動時における車両挙動を安定させるヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来、車両の旋回制動時におけるスピンを防止して車両挙動を安定させるヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置として、例えば、特開平5−262156号公報に記載されたものが知られている。 この従来技術は、車両のエンジンの駆動力を左右輪へ配分調整する駆動力配分装置(ヨーモーメント発生装置)と、車両の実ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサと、操センサならびに車速センサから得られる操舵角情報および車速情報に基づき目標ヨーレイトを算出する目標ヨーレイト算出手段と、駆動力配分装置の作動を制御する制御手段とを備え、この制御手段が、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに近接させるようにフィードバックを行いながら駆動力配分装置への制御油圧(制御指令値)を設定することにより、車両にアンチスピン方向の制御ヨーモーメントを発生させるように構成されたものであった。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の従来技術にあっては、図14(b)(制動加速度Gに対する制御指令値特性)の一点鎖線で示すように、車両の旋回制動時における制御ヨーモーメント(制御指令値)
    の値が制動加速度が大きくなるにつれて大きくなるような制御内容となっていたため、以下に述べるような問題点があった。 即ち、図14(a)の制動加速度Gに対する旋回半径比曲線に示すように、操舵角と車速から求められる目標旋回半径(タイヤが異常なスリップをしていない通常旋回半径)R 1と実際の旋回半径R 2との旋回半径比R 2 /R 1 (スピン量)は、所定の値までは制動加速度Gの値が増加するにつれて減少するが、制動加速度Gが所定の値(車両諸元によって異なる例えばGaまたはGb)を越えた段階から逆に制動加速度Gの値がさらに増加するにつれて増加する方向に変化するため、従来のように制御指令値を制動加速度Gの値が大きくなるにつれて増加させる制御が継続されることで、アンダステア状態となり、これにより、車両がその時の操舵角と車速から求められる目標旋回半径R 1よりも外側へ出てオーバランしてしまうという問題点があった。

    【0004】本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、車両の旋回制動時において制動加速度の値に係らず目標旋回半径をトレースすることができるヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置を提供することを目的とするものである。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明請求項1記載のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置は、図1のクレーム対応図に示すように、車両にヨーモーメントを発生させるヨーモーメント発生装置aと、車両に生じている実ヨーモーメントを検出する実ヨーモーメント検出手段bと、車両挙動検出手段cからの入力に基づいて現在の車両挙動において必要とする目標ヨーモーメントを求める目標ヨーモーメント演算手段dと、該目標ヨーモーメント演算手段dで求められた目標ヨーモーメントと前記実ヨーモーメント検出手段bで検出された実ヨーモーメントとの差分に相当する量の制御ヨーモーメントを出力させるべく前記ヨーモーメント発生装置aに対し制御指令値を出力するヨー運動制御手段eと、車両における実際の制動加速度を検出する実制動加速度検出手段fと、車両諸元に基づいて予め決定される制動加速度に対する旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を前記実制動加速度検出手段fで検出された実制動加速度の値が越えた後は、前記ヨー運動制御手段eから前記ヨーモーメント発生装置aに対し出力される制御指令値を前記実制動加速度が増加するにつれて徐々に減少させるように前記ヨー運動制御手段eによる制御指令値を補正制御する旋回制動時補正制御手段gと、を備えている手段とした。

    【0006】請求項2記載のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置は、請求項1記載の発明において、前記ヨーモーメント発生装置が、左右輪の制動力を可変制御する制動力制御装置で構成されている手段とした。

    【0007】請求項3記載のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置は、請求項1記載の発明において、前記ヨーモーメント発生装置が、駆動力を左右輪へ配分制御する駆動力配分制御装置で構成されている手段とした。

    【0008】

    【作用】本発明請求項1記載のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置では、上述のように構成されるため、車両走行時において、目標ヨーモーメント演算手段dが、現在の車両挙動において必要なヨーモーメントである目標ヨーモーメントを求め、一方、実ヨーモーメント検出手段bでは、車両において実際に生じている実ヨーモーメントを検出する。 そして、ヨー運動制御手段eでは、目標ヨーモーメントと実ヨーモーメントとの差分に相当する量のヨーモーメントを出力させるべく、ヨーモーメント発生装置aに制御指令値を出力させるもので、この制御指令値に基づく制御ヨーモーメントにより、実制動加速度検出手段fで検出された実制動加速度の値が車両諸元に基づいて予め決定される制動加速度に対する旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を越えない範囲内においては、車両のスピンを防止して目標旋回半径をトレースすることができる。

    【0009】また、実制動加速度の値が旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を越えると、旋回制動時補正制御手段gでは、ヨー運動制御手段eからヨーモーメント発生装置aに対し出力される制御指令値を前記実制動加速度が増加するにつれて徐々に減少させるようにヨー運動制御手段eによる制御指令値の補正制御が行われるもので、これにより、制御指令値過多により目標旋回半径よりも外側へ出てオーバランすることが防止される。 従って、車両の旋回制動時において制動加速度の値に係らず目標旋回半径をトレースすることができるようになる。

    【0010】請求項2記載のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置では、上述のように、前記ヨーモーメント発生装置が、左右輪の制動力を可変制御する制動力制御装置で構成されるもので、このため、実制動加速度検出手段fで検出された実制動加速度の値が車両諸元に基づいて予め決定される制動加速度に対する旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を越えない範囲内においては、制動力制御装置において外輪側に制動力を付加することにより、旋回制動時におけるスピンを防止することができ、また、実制動加速度の値が旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を越えた後は、制御指令値を前記実制動加速度が増加するにつれて徐々に減少させる方向に補正制御が行われることで、外輪側に付加されていた制動力を徐々に減少させる方向に制動力制御装置が制御されるもので、これにより、制御指令値過多により目標旋回半径よりも外側へ出てオーバランすることが防止される。

    【0011】請求項3記載のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置では、上述のように、前記ヨーモーメント発生装置が、駆動力を左右輪へ配分制御する駆動力配分制御装置で構成されるもので、このため、
    実制動加速度検出手段fで検出された実制動加速度の値が車両諸元に基づいて予め決定される制動加速度に対する旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を越えない範囲内においては、駆動力配分制御装置において内輪側よりも外輪側の駆動力が小さくなる方向に駆動力配分制御することにより、旋回制動時におけるスピンを防止することができ、また、実制動加速度の値が旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を越えた後は、制御指令値を前記実制動加速度が増加するにつれて徐々に減少させる方向に補正制御が行われることで、内外車輪の駆動力差が徐々に減少する方向に駆動力配分制御装置が制御されるもので、これにより、制御指令値過多により目標旋回半径よりも外側へ出てオーバランすることが防止される。

    【0012】

    【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 まず、発明の実施の形態を説明する前に、前輪の舵角δ、ヨーレイトψ、コーナリングパワーC、横力Fなどの関係について説明する。 図2は一般的に用いられる車両の2輪モデルで、図において、
    FWは前輪、RWは後輪、WPは車両の重心、δは前輪舵角、△ψはヨーレイト、△△Yは横加速度、βはスリップ角、C1は前輪コーナリングパワー(2輪分)、C
    2は後輪コーナリングパワー(2輪分)、mは車両質量、Iは車両慣性モーメント、Lはホイールベース、V
    は車速を示している。 この図のように車速Vで進んでいる車両のヨーレイト△ψと、スリップ角βとの運動方程式は、下記の式(11)および(12)に示すとおりである。 mV(△β+△ψ) =−C1(β+a△ψ/v−δ)−C2(β−b△ψ/V) …(11) I△△ψ =−aC1(β+a△ψ/V−δ)+bC2(β−b△ψ/V) …(12) 図3は、舵角δに対するヨーレイト△ψとスリップ角β
    の応答の形を示しているもので、これを舵角入力0として簡略化したものが図4である。

    【0013】(発明の実施の形態1)次に、発明の実施の形態1について説明すると、図5は、発明の実施の形態1のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置の構成および作動説明図であり、図において21はヨーモーメント発生装置であり、上記従来技術に開示されている駆動力配分装置や各輪の制動力を制御可能な制動力制御装置などにより構成される。 22は車両挙動に応じた目標ヨーモーメントMMを求める目標ヨーモーメント演算手段、23は車両に生じている実ヨーモーメントMを検出する実ヨーモーメント検出手段、24は旋回制動時補正制御手段である。 このように、本発明の実施の形態1は、実ヨーモーメント検出手段23において検出した車両に生じている実ヨーモーメントMと、目標ヨーモーメント演算手段22が演算した目標ヨーモーメントMMとを比較して、両者の差(MM−M)を制御指令値として出力し、車両挙動状況に応じ、そのままもしくは旋回制動時補正制御手段24による補正制御を加えた状態でヨーモーメント発生装置21に出力し、所定の制御ヨーモーメントを発生させるように構成されている。
    なお、前記実ヨーモーメントMと目標ヨーモーメントM
    Mとを比較して両者の差(MM−M)を制御指令値として出力する部分が請求の範囲のヨー運動制御手段25を構成している。

    【0014】図6はヨーモーメント発生装置21の一例である制動力制御装置を示すものである。 この制動力制御装置は、周知の構造であるので、ごく簡単に説明すると、マスタシリンダ1とホイルシリンダ3とがブレーキ回路2により接続され、このブレーキ回路2の途中に、
    ブレーキユニット11が設けられている。 このブレーキユニット11には、ホイルシリンダ3をマスタシリンダ1側に接続させた増圧状態と、ホイルシリンダ3をドレン回路4側に接続させた減圧状態と、ホイルシリンダ3
    をマスタシリンダ1とドレン回路4のいずれとも遮断した保持状態とに切替可能な切替弁5が設けられている。
    そして、ドレン回路4にはリザーバ6が設けられ、このリザーバ6に貯留されたブレーキ液をブレーキ回路2に戻すポンプ7が設けられている。 また、ドレン回路4とマスタシリンダ1とが加給回路8により接続され、この加給回路8を開閉するイン側ゲート弁9が設けられ、また、ブレーキ回路2を開閉するアウト側ゲート弁10が設けられている。 そして、各弁5,9,10およびポンプ7の作動を制御するコントロールユニット12が設けられている。

    【0015】以上のように構成された制動力制御装置にあっては、マスタシリンダ圧が発生していない状態において、コントロールユニット12の制御に基づき、イン側ゲート弁9を開弁させる一方でアウト側ゲート弁10
    を閉弁させ、かつ、ポンプ7を駆動させると、マスタシリンダ1のブレーキ液がポンプ7により加給回路8を介して吸入されてブレーキ回路2に吐出され、切替弁5の切替に基づいてこの吐出されたブレーキ液をホイルシリンダ3に供給したり、このようにホイルシリンダ3に供給したブレーキ液をリザーバ6に逃がしたりすることにより、制動力を発生させることができる。 そして、このような制動力を4輪に対して任意に発生させることにより、車両にヨーモーメントを発生させることができる。
    例えば、車両の旋回制動時において外輪側に制動力を発生させることにより、アンチスピン方向のヨーモメントが発生し、これにより、旋回制動時における車両のスピンを防止することができる。

    【0016】本発明の実施の形態1では、ブレーキユニット11がヨーモーメント発生装置21に相当し、また、コントロールユニット12の一部およびこのコントロールユニット12に接続されている後述するセンサが、前記目標ヨーモーメント演算手段22、実ヨーモーメント検出手段23、旋回制動時補正制御手段24ならびにヨー運動制御手段25に相当する。

    【0017】次に、目標ヨーモーメント演算手段22について詳述する。 図7は目標ヨーモーメント演算手段2
    2の説明図であり、目標ヨーモーメント演算手段22
    は、各輪制駆動力演算部22aと、各輪荷重演算部22
    bと、各輪スリップ角演算部22dと目標横力演算部2
    2gと、目標ヨーモーメント演算部22iとを備え、車両挙動検出手段としての後述のセンサなどの入力手段に接続されている。 これら入力手段としては、通常OFF
    で運転者が制動操作を行った時にONとなるブレーキスイッチ31と、車両の前後方向加速度(以下、前後Gという)を検出する前後Gセンサ32と、車両の横方向加速度(以下、横Gという)を検出する横Gセンサ33
    と、運転者の操舵角度を検出する操舵角センサ34と、
    車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ35と、
    車速Vを検出する車速センサ36と、車両のスリップ角βを検出するスリップ角検出手段37とが設けられている。

    【0018】前記各輪制駆動力演算部22aは、4輪の各輪に作用する制動力および駆動力である制駆動力T
    1,T2,T3,T4(ただし、T1は前左輪の制駆動力、T2は前右輪の制駆動力、T3は後左輪の制駆動力、T4は後右輪の制駆動力)を求めるもので、ブレーキスイッチ31がONである時には、その時の前後Gに相当する制動力が前後で所定の割合で4輪に働いているとし、ブレーキスイッチ31がOFFである時には、その時の前後Gに相当する駆動力が駆動輪である後輪に働いているとして、各輪の制駆動力を求めるよう構成されている。 具体的には、ブレーキスイッチ31からの信号をBsig、前後Gを△△X、車両重量をmとした場合に、下記の式に基づいて求める。 Bsig=0(ブレーキOFF)のとき、 T1=T2=0 T3=T4=m△△X/2 Bsig=1(ブレーキON)のとき、 T1=T2=m△△X・(0.7/2) T3=T4=m△△X・(0.3/2)

    【0019】各輪荷重演算部22bは、前後G△△Xおよび横G△△Yに応じて、各輪荷重W1,W2,W3,
    W4(ただし、W1は前左輪の輪荷重、W2は前右輪の輪荷重、W3は後左輪の輪荷重、W4は後右輪の輪荷重)を下記の式に基づいて演算するものである。 なお、
    Lはホイルベース、aは前車軸から重心点までの距離、
    bは後車軸から重心点までの距離、hは重心高である。 W1=m(b/2L)−0.5m△△X(h/L)−
    0.6m△△Yh/t W2=m(b/2L)−0.5m△△X(h/L)+
    0.6m△△Yh/t W3=m(a/2L)+0.5m△△X(h/L)−
    0.4m△△Yh/t W4=m(a/2L)+0.5m△△X(h/L)+
    0.4m△△Yh/t

    【0020】各輪スリップ角演算部22dは、車両重心点のスリップ角βに基づいて、舵角δ、ヨーレイトψ、
    車速Vを用いて、前輪スリップ角βfおよび後輪スリップ角βrを求める演算(下記式)を行うものである。 βf=β−(△ψ/V)Lf+δ βr=β+(△ψ/V)Lr

    【0021】なお、スリップ角検出手段37は、ヨーレイト△ψと横G△△Yと車速Vに基づいて車両スリップ角βを推定する手段である。 この推定方法を説明すると、まず、次式(21)によりコーナリングパワー推定値PC 2を演算する。 PC 2 =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△ Y]+f(△△Y) …(21) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイールベース、Iは車両慣性モーメント、右辺第1項は車両の二輪モデルから解析的に求められる後輪のコーナリングパワー、第二項のf(△△Y)は横Gによる補正項である)

    【0022】そして、前記後輪のコーナリングパワー推定値PC 2とヨーレイト信号△ψを用いて、車両の二輪モデルから解析的に求められるヨーレイトとスリップ角の関係式である次式(22)でスリップ角(推定値)β
    を演算する。 β=−K br [(T b s+1)/(T r s+1)]△ψ …(12) [ここで、K br =(1−(ma/(LbPC 2 ))V
    2 )(b/V)、 T b =IV/(LbPC 2 −maV 2 )、 T r =[ma/(LPC 2 )]V、である]。

    【0023】なお、前記補正項f(△△Y)を、次式(23)に示す、|△△Y|の一次式とすることも可能である。 f(△△Y)=C * 2 |△△Y|/9.8 …(23) (C * 2は後輪タイヤのサイドフォースとスリップ角図上でサイドフォースがほぼ飽和する点と原点を結ぶ直線の傾き) あるいは、ヨーレイト△ψの代わりに横G△△Yを用いて、同じく車両の二輪モデルから解析的に求められる横Gとスリップ角βの関係式である次式(24)を用いてスリップ角(推定値)βを演算することもできる。 β=−K bg [(T b s+1)/(T g22 +T g1 s+1)]△△Y…(24) [ここで、K bg =(1−(ma/(LbPC 2 ))V
    2 )(b/V 2 )、 T b =IV/(LbPC 2 −maV 2 )、 T g2 =[I/(LPC 2 )]、T g1 =b/V、である]

    【0024】また、上記(21)に替えて、次式(3
    1)により後輪のコーナリングパワー推定値PC 2を演算し、 PC 2 =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△ Y] …(31) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイールベース、Iは車両慣性モーメント、である)

    【0025】上記式(22)に替えて次式(32)によりスリップ角βを演算することもできる。 β=−K br [(T b s+1)/(T r s+1)]△ψ …(32) [ここで、K br =(1−(ma/(LbPC 2 ))V
    2 )(b/V)、 T b =IV/(LbPC 2 −maV 2 )、 T r =[ma/(LPC 2 )]V、である]

    【0026】前記目標横力演算部22gは、図8に示す目標タイヤ特性マップに基づいて各輪荷重W1〜W4と各輪スリップ角βf,βrとにより、各輪に働く目標横力Fy1,Fy2,Fy3,Fy4を求めるものである。 なお、この図8において実線で示すのが目標タイヤ特性であってこれは理想的なタイヤ特性に設定されている。 すなわち、実際のタイヤ特性は、図において点線で示すように、スリップ角βf,βrが大きくなると横力Fがある程度以上得られなくなり頭打ち状態となる特性であるのに対して、この理想的に設定された目標タイヤ特性は、スリップ角βf,βrが大きくなるにつれて横力Fが大きくなるように、つまり高いコーナリングフォースが得られるように設定されている。

    【0027】前記目標ヨーモーメント演算部22iは、
    各目標横力Fy1〜Fy4に基づいて、下記式により目標ヨーモーメントMMを演算するよう構成されている。 MM=(Fy1+Fy2)a−(Fy3+Fy4)b

    【0028】また、目標ヨーモーメントは次のように演算することができる。 MM=I(d△ψ 1 /dt)=(I/L)(△δV+δ
    △V) (ここで、△ψ 1は目標ヨーレート、Iは車両慣性モーメント、Lはホイールベース、δは舵角、△δは操舵速度ある) 次に、前記実ヨーモーメント検出手段23について説明する。 この車両ヨーモーメント検出手段23は、図9に示すように、各輪制駆動力演算部22aと、各輪荷重演算部22bと、各輪スリップ角演算部22dと、横力低減率演算部23eと、第1横力演算部23fと、第2横力演算部23hと、実ヨーモーメント演算部23iとを備えている。 ここで、各輪制駆動力演算部22aと各輪荷重演算部22bと各輪スリップ角演算部22dとについては、上述した目標ヨーモーメント演算手段22で説明したものと同じものであるので説明を省略する。

    【0029】前記横力低減率演算部22eは、前記各輪制動力演算部22aが演算した各輪の制駆動力T1〜T
    4および各輪荷重演算部22bが演算した各輪荷重W1
    〜W4に基づき、下記式により各輪ごとの横力低減率k
    1,k2,k3,k4(ただし、k1は前左輪横力低減率、k2は前右輪横力低減率、k3は後左輪横力低減率、k4は後右輪横力低減率)を演算するものである。
    すなわち、制駆動力Tが大きくなると横力Fyが減るものであり、この制駆動力Tに応じた横力Fyの低減率を演算する。 k1=(W1 2 −T1 21/2 /W1 k2=(W2 2 −T2 21/2 /W2 k3=(W3 2 −T3 21/2 /W3 k4=(W4 2 −T4 21/2 /W4

    【0030】前記第1横力演算部23fは、荷重移動を考慮した横力Fを求めるもので、輪荷重Wとスリップ角βf,βrにより各輪に働く横力Fを図10に示すマップに基づいて求める。 なお、輪荷重Wが任意の時、マップデータ間で補完された値が求まるよう構成する。

    【0031】前記第2横力演算部23hは、各輪の横力低減率kならびに荷重移動を考慮した横力Fとから各輪の横力Fy1,Fy2,Fy3,Fy4(ただし、Fy
    1は前左輪横力、Fy2は前右輪横力、Fy3は後左輪横力、Fy4は後右輪横力)を下記式により求める。 Fy1=k1・F1 Fy2=k2・F2 Fy3=k3・F3 Fy4=k4・F4

    【0032】前記実ヨーモーメント演算部23iは、各輪に働く横力Fy1〜Fy4から車両に生じている実ヨーモーメントMを下記式により演算するものである。 M=(Fy1+Fy2)a−(Fy3+Fy4)b

    【0033】図11は本発明の実施の形態1の作動例を示しているもので、図において(a)は左に旋回しながら制動を行って、実ヨーモーメントMが発生している場合を示している。 この場合、荷重が前輪側に移動すると共に右側に移動するため、図示のように、後輪の制駆動力T3,T4に比べて前輪の制駆動力T1,T2が大きくなり、よって、後輪の横力Fy3,Fy4に比べて前輪の横力Fy1,Fy2が大きくなるもので、この例の場合、右前輪において大きな横力Fy2が発生しているのに対し、左後輪においては横力Fy3が発生しておらず、いわゆるオーバステア状態となっている。

    【0034】このような車両挙動に対し、実ヨーモーメント検出手段23にあっては、入力手段である各センサ31〜36およびスリップ角検出手段37からの入力に基づいて各輪の横力Fy1〜Fy4を求め、さらに、これに基づいて実ヨーモーメントMを求める。 一方、目標ヨーモーメント演算手段22にあっても同様の入力手段31〜37からの入力に基づいて、理想的な目標タイヤ特性を得るのに必要な各輪の横力Fy1〜Fy4を求めると共にこれに基づいて目標ヨーモーメントMMを求める。 図示のように、この目標ヨーモーメント演算手段2
    2において得られる各輪の目標とする横力Fy1〜Fy
    4および目標ヨーモーメントMMは、図11(b)に示すように、内輪の横力Fy1,Fy3に比べて外輪の横力Fy2,Fy4が大きな値となっていると共に、前後で同じ大きさとなる値が得られるものであり、これによって、ニュートラルなステア特性が得られる。

    【0035】そこで、ヨーモーメント発生機構21(ブレーキユニット11)では、目標ヨーモーメントMMが得られるような制駆動力、すなわち、実ヨーモーメントMと目標ヨーモーメントMMとの差MM−Mに相当する制御ヨーモーメントを発生させるような制駆動力を出力する。

    【0036】次に、前記旋回制動時補正制御手段24について説明する。 この旋回制動時補正制御手段24は、
    図12に示すように、実制動加速度演算部24aと旋回制動時補正制御指令値演算部24bとを備えている。 前記実制動加速度演算部24aは、前後Gセンサ32からの入力に基づいて車両の実制動加速度(以下、実制動G
    という)を演算するものである。 また、前記旋回制動時補正制御指令値演算部24bは、前記実制動加速度演算部24aで演算された実制動Gの値に基づき、ヨー運動制御手段25から出力される制御指令値(MM−M)の補正制御指令値を演算し、この補正制御指令値をヨーモーメント発生機構21(ブレーキユニット11)に出力するように構成されている。

    【0037】図13は、前記旋回制動時補正制御手段2
    4の制御内容を示すフローチャートであり、まず、ステップ101では、実制動加速度演算部24aで演算された実制動Gの値Axの読み込みが行われ、続くステップ102では、実制動Gの値Axが図14(a)に示すように、ヨー運動制御なしの状態において車両諸元に基づいて予め決定される旋回半径比R 2 /R 1の値が最小になる制動加速度の値Ga(またはGb)以下であるか否かを判定する。

    【0038】なお、前記R 1は、目標旋回半径であり、
    舵角δと車速Vから、下記の式に基づいて求められる。 R 1 =L/(δ/k * (1+AV 2 )) また、R 2は、ヨー運動制御なしの状態での実際の旋回半径であり、車速Vとヨーレイト△ψから、下記の式に基づいて求められる。 R 2 =V/△ψ

    【0039】また、前記ヨー運動制御なしの状態での旋回半径比R 2 /R 1の値が最小になる制動加速度の値は、車両(A車、B車)により異なるもので、それを決定する車両諸元は、ホイールベース、重心位置、車重、
    前後ロール配分、タイヤである。 これらのうちタイヤによって旋回半径比R 2 /R 1が最小になる制動加速度の値はほとんど変化しないため、タイヤの影響は無視することができる。 また、前記Gaは、図14(a)の実線で示すA車における旋回半径比R 2 /R 1の値が最小になる制動加速度の値を示し、Gbは図14(a)の点線で示すB車における旋回半径比R 2 /R 1の値が最小になる制動加速度の値を示す。

    【0040】そこで、前記ステップ102の判定がYE
    S(Ax≦Ga)である時は、ステップ103に進んで通常の制御が行われる。 即ち、ヨー運動制御手段25から出力される制御指令値(差MM−M)がそのままヨーモーメント発生機構21に対し出力される。 その結果、
    図14(b)の実線で示すように、旋回半径比R 2 /R
    1の値が最小になる制動加速度の値Gaに低下するまでは実制動Gが増加するにつれて制御指令値が徐々に増加するような制御が行われる。 従って、ヨーモーメント発生機構21(ブレーキユニット11)では、目標ヨーモーメントMMが得られるような制駆動力、すなわち、実ヨーモーメントMと目標ヨーモーメントMMとの差MM
    −Mに相当する制御ヨーモーメントを発生させるような制駆動力が出力され、これにより、車両の旋回制動時における車両のスピンを防止して目標旋回半径R 1をトレース(R 2 /R 1 =1)することができる。

    【0041】また、前記ステップ102における判定がNO(Ax>Ga)である時は、ステップ104に進み、図14(b)の実線で示すように、実制動Gが旋回半径比R 2 /R 1の値が最小になる制動加速度の値Ga
    より増加するにつれて、ヨー運動制御手段25からヨーモーメント発生装置21に対し出力される制御指令値を徐々に減少させるような旋回制動時補正制御が行われる。 その結果、図14(a)の鎖線で示す従来例のように制御指令値過多により目標旋回半径R 1よりも外側へ出てオーバランすることが防止され、図14(a)の実線で示すように、目標旋回半径R 1をトレース(R 2
    1 =1)することができる。 従って、本発明の実施の形態1においては、車両の旋回制動時において制動Gの値に係らず目標旋回半径R 1をトレースすることができるようになるという効果が得られる。

    【0042】(発明の実施の形態2)この発明の実施の形態2は、ヨーモーメント発生装置21として駆動力配分制御装置を用いた例を示すものであり、その他の構成は前記発明の実施の形態1と同様であるため、同じ構成には同じ符号を付けて説明を省略し、相違点についてのみ説明する。

    【0043】図15は、駆動力配分制御装置を示す断面図であり、図中40は差動装置である。 この差動装置4
    0の基本構成は、周知のものと同様であり、図示を省略したエンジン側に連結された推進軸41の回転力をドライブピニオン42とリングギヤ43によってデフケース44に伝達し、さらにデフケース44の回転力をデフピニオン45とサイドギヤ46、47によって左右の車軸48、49に等しく配分すると共に、デフピニオン45
    の自転により左右車軸48、49の回転数差を吸収するようになっている。 即ち、デフケース44は、車体に固定設置されたデフハウジング50に回転自在に支持されており、デフケース44の中央部の内壁にはデフピニオン45が回転自在に支持され、このデフピニオン45には、左右の各車軸48、49に結合された一対のサイドギヤ46、47がその両側からそれぞれ噛合されている。 なお、図中51、52は、各車軸48、49の先端に結合された車輪である。

    【0044】この発明の実施の形態2の駆動力配分装置は、前記差動装置40の内部に、左右の車軸48、49
    間に相対的な回転力を付与するプランジャ式油圧モータ53が組み込まれると共に、デフケース44の回転によって油圧を発生する油圧ポンプとしてのプランジャポンプ54が組み込まれている。

    【0045】前記プランジャ式油圧モータ53は、図1
    6に示すように、アウタロータを構成するカムリング5
    3aの内部にインナロータを構成するシリンダドライブ53bが回転自在に配置され、このシリンダドライブ5
    3bの外周には周方向所定間隔のもとに複数のプランジャ53cが半径方向摺動自在に設けられ、各プランジャ53cの先端支持部53dにはカムリング53aのカム面に当接するフォロア53eが回転自在に軸支された構造となっている。

    【0046】また、プランジャ式油圧モータ53の第1
    ポートP 1および第2ポートP 2は、一方のポートが供給ポートとして機能する時は他方のポートが排出ポートを構成するような位置に形成されている。 そして、カムリング53aとシリンダドライブ53bの回転方向は、
    いずれのポートP 1 、P 2に作動油を供給するかによって図中A 1方向またはA 2方向に切り換えられるようになっている。

    【0047】また、一方のサイドギヤ46には中心孔5
    9が形成されており、このサイドギヤギア46と車軸4
    8との間には中心孔59に連通する筒状部60が形成されている。 この筒状部60内にはプランジャ式油圧モータ53のカムリング53a側が嵌合固定され、サイドギヤ46の中心孔59には他方のサイドギヤ47に同軸に延設された連結軸61が遊挿されている。 そして、この連結軸61の先端部は筒状部60内においてプランジャ式油圧モータ53の回転軸部であるシリンダドライブ5
    3bに結合されている。 従って、プランジャ式油圧モータ53が供給油圧を受けて正逆いずれかに回転すると、
    その回転力は左右の車軸48、49に直接作用する。

    【0048】一方プランジャポンプ54は、吸入ポートP 3および吐出ポートP 4を備え、そのカムリング54
    a側がデフハウジング50に嵌合固定されると共に、シリンダドライブ54b側がデフケース44の右側の側部外周面に嵌合固定されている。 従って、デフケース44
    が回転することにより、吸入ポートP 3から吸入された作動油が吐出ポートP 4から吐出されるようになっている。

    【0049】そして、前記プランジャポンプ54とプランジャ式油圧モータ53は圧力制御弁66と流路切換弁67を備えた油圧回路68を通して接続されている。 即ち、プランジャポンプ54の吸入ポートP 3は作動油を貯留するリザーバ69に接続され、吐出ポートP 4は流路切換弁67を介してプランジャ式油圧モータ53の第1ポートP 1 、第2ポートP 2またはリザーバ69のいずれかに切り換え接続されるようになっており、吐出ポートP 4と流路切換弁67の接続路の途中には、コントローラ70の制御によってドレーン通路71の適宜開閉する圧力制御弁66が介装されている。 流路切換弁67
    は、コントローラ70によって切換制御されるクローズドセンタタイプの4ポート3位置切換弁によって構成されており、切換位置に応じて以下の第1、第2、第3のいずれかの切換状態が得られるようになっている。

    【0050】なお、流路切換弁67の4つのポートは、
    図17にその要部詳細を示し、また、図18に油圧回路を示すように、プランジャポンプ54の吐出ポートP 4
    に接続される吐出側ポートP 14と、同プランジャポンプ54の吸入ポートP 3に接続される吸入側ポートP
    13と、プランジャ式油圧モータ53の第1ポートP 1と第2ポートP 2にそれぞれ接続される第1,第2入出力ポートP 11 、P 12によって構成されている。 そして、クローズドセンタタイプのスプール55には、入出力ポートP 11と第2入出力ポートP 12との間を常時連通させる絞り流路56が形成されている。

    【0051】[第1の切換状態]図15、18、19に示すように、プランジャポンプ54とプランジャ式油圧モータ53との間の油路を遮断すると共に、吐出側ポートP 14と吸入側ポートP 13 、および、第1入出力ポートP 11と第2入出力ポートP 12をそれぞれ連通させる切換状態。 [第2の切換状態]吐出側ポートP 14と第1入出力ポートP 11 、および、吸入側ポートP 13と第2入出力ポートP 12をそれぞれ連通させる切換状態。 [第3の切換状態]吐出側ポートP 14と第2入出力ポートP 12 、および、吸入側ポートP 13と第1入出力ポートP 11をそれぞれ連通させる切換状態。

    【0052】また、コントローラ70は、各センサ31
    〜37からの車両挙動信号を入力信号として受け、これらの信号に基づいて駆動力配分制御装置における圧力制御弁66と流路切換弁67を適宜制御し、それによって左右の駆動力の配分を調整するようになっている。 即ち、このコントローラ70の一部および各センサ31〜
    37が、前記目標ヨーレイトモーメント演算手段22、
    実ヨーモメント検出手段23、ヨー運動制御手段25ならびに旋回制動時補正手段24に相当する。 さらにまた、プランジャ式油圧モータ53のカムリング53a側は車軸48と一体に回転するため、流路切換弁67とプランジャ式油圧モータ53を接続する流路の途中にはロータリジョイント72が介装されている。

    【0053】次に、作用について説明する。 流路切換弁67が図15、18、19に示すような第1の切換状態にある時は、プランジャポンプ54とプランジャ式油圧モータ53との間の油路が遮断されると共に、プランジャ式油圧モータ53は第1、第2入出力ポートP 11 、P
    12が絞り流路56を介して互いに接続されるためフリー回転が可能な状態となっている。 従って、この時、作動装置40の両側のサイドギヤ46、47間にはプランジャ式油圧モータ53の回転力が作用せず、推進軸41から作動装置40を通して左右の車軸48、49に等しい駆動力が伝達される。

    【0054】また、第1入出力ポートP 11と第2入出力ポートP 12との間がスプール55に形成された絞り流路56で連通された状態となっているため、特に、駆動力配分制御装置の非制御状態である第1の切換状態において、車両の旋回をスムーズに行わせることができる。 即ち、車両の旋回時においては、作動装置40により左右駆動車輪に車輪速差が付くためプランジャ式油圧モータ53が回転して作動油を吐出させる状態になるが、この時吐出された作動油の行き場がないと、プランジャ式油圧モータ53の回転を停止させる方向の負荷が作用し、
    この負荷が左右駆動車輪の車輪速差をなくす方向の反力として作動装置40に作用し、これにより車両をスムーズに旋回させることができなくなる。 そこで、上述のように、第1入出力ポートP 11と第2入出力ポートP 12との間を常時連通する絞り流路56を設けておくことにより、駆動力配分制御装置の非制御状態において、車両の旋回をスムーズに行わせることができるようになる。 一方、プランジャポンプ54から吐出された作動油は、吐出側ポートP 14および吸入側ポートP 13を経由してプランジャポンプ54の吸入ポートP 3 (もしくはリザーバ69)に戻される。

    【0055】そして、この状態からコントローラ70の制御信号により流路切換弁67が第2の切換状態に切り換えられると、吐出側ポートP 14と第1入出力ポートP
    11 、および、吸入側ポートP 13と第2入出力ポートP 12
    がそれぞれ連通され、プランジャ式油圧モータ53のシリンダドライブ53bがカムリング53aに対して相対回転するようになる。 この時、カムリング53aが筒状部60を通して左側の車軸48に、シリンダドライブ5
    3bが連結軸61を通して右側の車軸49にそれぞれ結合されているため、プランジャ式油圧モータ53の回転力が左右の車軸48、49の間に直接作用して回転差を生じさせる。 この結果、左側の車軸48が減速される一方で右側の車軸49が増速され、推進軸41の駆動力はこの増減速の割合に応じて左右の車軸48、49に配分される。

    【0056】また、流路切換弁67がコントローラ70
    の制御信号により第3の切換状態に切り換えらた場合には、吐出側ポートP 14と第2入出力ポートP 12 、および、吸入側ポートP 13と第1入出力ポートP 11がそれぞれ連通され、プランジャ式油圧モータ53のシリンダドライブ53bがカムリング53aに対して以上とは逆方向に回転するようになる。 これにより、先ほどとは逆に左側の車軸48が増速される一方で右側の車軸49が減速され、推進軸41の駆動力はこの増減速の割合に応じて左右の車軸48、49に配分される。

    【0057】なお、第2の切換状態と第3の切換状態のいずれの場合にも、左右の車軸48、49の増減速の割合は圧力制御弁66による供給作動油の圧力調整によって適宜制御される。 以上のように、左右駆動車輪51、
    52の駆動力配分を任意に調整することにより、車両にヨーモーメントを発生させることができる。 例えば、車両の旋回制動時において内輪側よりも外輪側の駆動力が小さくなる方向に駆動力配分制御することにより、アンチスピン方向のヨーモーメントが発生し、これにより、
    旋回制動時における車両のスピンを防止することができる。

    【0058】また、以上のように、ヨーモーメント発生装置21を構成する駆動力配分制御装置により車両にヨーモーメントを発生させ、これにより、車両の旋回時における車両のスピンを防止して目標旋回半径R 1をトレースさせることができるが、その状態がヨーモーメント発生装置21によるものか否は運転者において認識することができない。 そこで、ヨーモーメント発生装置21
    が作動している時はパワーステアリング装置における操舵アシスト力を通常の値より増加もしくは減少させる方向に少し変化させることにより、操舵操作する手に感じる反力を変化させ、これにより、ヨーモーメント発生装置21の作動状態を運転者に認識させることができるようになる。 また、ヨーモーメント発生装置21が作動している時に、ハンドルを車両の旋回方向と逆に切り戻しを行う逆ハンドル状況において、パワーステアリング装置の操舵アシスト力を増加させることにより、操舵フィーリングを向上させることができるようになる。

    【0059】次に、前記駆動力配分制御装置に組み込まれたプランジャ式油圧モータ53により、差動装置40
    による差動作用の差動制限制御を行う場合について説明する。 この差動制限は、一般に左右の車輪速度差に基づくスリップ率Sを求め、このスリップ率に応じた差動制限制御を行うようになっている(図21参照)。

    【0060】しかしながら、従来の差動制限制御では、
    スリップ率が大きいと無制限に差動制限制御量が大きくなるため、スプリットμ路で車両が急発進、急加速走行を行った時には、左右車輪速度差が大きくなるためスリップ率が大きくなり、このスリップ率に応じた差動制限制御をプランジャ式油圧モータ53に要求することになるため、プランジャ式油圧モータ53に過大な負担がかかることになる。 即ち、左右車輪に速度差がつくと、シリンダドライブ53bとカムリング53aは相対回転するため、この時に図16の状態において過大な差動制限をかけると、プランジャ53cの先端支持部53dに軸支されたフォロア53eとカムリング53aの接触力が増すことで、支持部53dへの荷重が過大となり、しかも、この時の左右車輪速度差が大きいことから各プランジャ53cの伸縮運動回数が増え、これにより、支持部53dに対する荷重の作用回数が増大し、これが耐久性を低下させる原因となる。

    【0061】一般的に機械材料の耐久性として、図19
    に示す特性がある、即ち、プランジャ53cの伸縮回数n1の時、機械材料の耐久性として支持部53dにかける応力としてはs1(A点)までかけることができるが、伸縮回数n2(n2>n1)の場合にs1(B点)
    の応力を要求すると破損することになる。

    【0062】そこで、この発明の実施の形態2では、プランジャ式油圧モータ53の各支持部53cに過大な荷重が作用するのを防止することにより、耐久性を向上させることを目的とし、以下に述べるような差動制限制御を行うようにしている。 図20はこの発明の実施の形態2における差動制限装置を示すシステム構成を示すもので、図において、Ws3、Ws4は後輪駆動側左右車輪の車輪速度WV3、WV4を検出する左右車輪速センサ、35は車両に作用するヨーレイトΔψを検出するヨーレイトセンサ、Hは駆動力配分制御装置、66は圧力制御弁、Eは差動制限制御装置を示す。 そして、この差動制限制御装置Eは、スリップ率演算部81と、差動制限指令値演算部82と、差動指令値上限演算部83とで構成されている。

    【0063】まず、前記スリップ率演算部81では、次式に基づき左右の車輪速度差(ΔWV=WV4−WV
    3)に基づくスリップ率Sを求める。 なお、スプリットμ路走行において低μ路側がの車輪空転によって発生する左右車輪速度差に応じたスリップ率Sを検出するために、旋回による内外輪速度差をヨーレイトΔψとトレッドτで打ち消すようになっている。 スリップ率S={τ×Δψ−(WV4−WV3)}/
    (WV4+WV3)

    【0064】次に、前記差動制限指令値演算部82では、前記スリップ率演算部81で演算されたスリップ率Sに応じ、予め設定された図21のテーブル(スリップ率S−差動制限指令値LP変換テーブル)により、差動制限制御を行うための差動制限指令値LPが求められる。

    【0065】最後に、前記差動指令値上限演算部83では、前記スリップ率演算部81内で演算された左右の車輪速度差(ΔWV=WV4−WV3)に応じ、予め設定された図22のテーブル(左右車輪速度差ΔWV−差動制限指令値上限MPmax テーブル)により、前記差動制限指令値演算部82で求められた差動制限指令値LPの上限設定が行われる。 即ち、シリンダドライブ53bとカムリング53aの相対回転数は左右車輪速度差ΔWV
    に相当し、支持部53dにかかる応力sは差動制限トルクに比例することから、左右車輪速度差ΔWVと差動制限指令値上限MPmax との関係を、前記図19に示した一般的な機械材料の耐久性特性に基づき、図22のテーブルに示すように予め設定しておき、前記差動制限指令値演算部82で求められた差動制限指令値LPが上限M
    Pmax 値以内であれば差動制限指令値LPを差動制限指令値MPとして出力するが、上限MPmax 値以上であればこの上限MPmax 値を差動制限指令値MPとして出力することにより、プランジャ式油圧モータ53の各支持部53cに繰り返し過大な荷重が作用するのを防止するようにしたものである。 従って、プランジャ式油圧モータ53の耐久性を向上させるという前記目的を達成させることができるようになる。

    【0066】以上、本発明の実施の形態を図面により詳細に説明してきたが、具体的な構成はこの発明の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。 例えば、発明の実施の形態2では、油圧モータとしてプランジャ式油圧モータを用いた例を示したが、トロコイドモータその他の油圧モータを用いることができる。

    【0067】また、発明の実施の形態2では、油圧ポンプとしてプランジャポンプを用いた例を示したが、トロコイドポンプ、ベーンポンプその他の油圧ポンプを用いることができる。

    【0068】

    【発明の効果】以上説明してきたように、本発明では、
    目標ヨーモーメント演算手段で求められた目標ヨーモーメントと実ヨーモーメント検出手段で検出された実ヨーモーメントとの差分に相当する量の制御ヨーモーメントを出力させるべくヨーモーメント発生装置に対し制御指令値を出力するヨー運動制御手段と、車両における実際の制動加速度を検出する実制動加速度検出手段と、車両諸元に基づいて予め決定される制動加速度に対する旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を実制動加速度検出手段で検出された実制動加速度の値が越えた後は、
    ヨー運動制御手段からヨーモーメント発生装置に対し出力される制御指令値を実制動加速度が増加するにつれて徐々に減少させるようにヨー運動制御手段による制御指令値を補正制御する旋回制動時補正制御手段と、を備えている手段としたことで、実制動加速度検出手段で検出された実制動加速度の値が車両諸元に基づいて予め決定される制動加速度に対する旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を越えない範囲内においては、ヨー運動制御手段の制御により車両のスピンを防止して目標旋回半径をトレースすることができ、また、実制動加速度の値が旋回半径比の値が最小になる制動加速度の値を越えると、旋回制動時補正制御手段による補正制御により、
    制御指令値過多により目標旋回半径よりも外側へ出てオーバランすることが防止される。 従って、車両の旋回制動時において制動加速度の値に係らず目標旋回半径をトレースすることができるようになるという効果が得られる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置を示すクレーム対応図である。

    【図2】2輪モデル図である。

    【図3】前輪操舵角δとスリップ角βとヨーレイト△ψ
    との関係を示す運動方程式のモデル図である。

    【図4】上記運動方程式を簡略化したモデル図である。

    【図5】発明の実施の形態1のヨーモーメント発生装置における旋回制動時制御装置を示す説明図である。

    【図6】発明の実施の形態1におけるヨーモーメント発生機構の一例であるブレーキ制御装置を示す全体図である。

    【図7】発明の実施の形態1の目標ヨーモーメント演算手段を示すブロック図である。

    【図8】発明の実施の形態1の目標横力を求めるマップを示す特性図である。

    【図9】発明の実施の形態1の実ヨーモーメント検出手段を示すブロック図である。

    【図10】発明の実施の形態1の横力を求めるマップを示す特性図である。

    【図11】発明の実施の形態1の作動例を示す説明図である。

    【図12】発明の実施の形態1の旋回制動時補正制御手段を示すブロック図である。

    【図13】発明の実施の形態1の旋回制動時補正制御手段の制御内容を示すフローチャートである。

    【図14】発明の実施の形態1および従来例における実制動Gに対する旋回半径比特性(a)および実制動Gに対する制御指令値特性図(b)である。

    【図15】発明の実施の形態2の駆動力配分制御装置を示す断面図である。

    【図16】発明の実施の形態2のプランジャ式油圧モータを示す断面図である。

    【図17】発明の実施の形態2の流路切換弁を示す断面図である。

    【図18】発明の実施の形態2の油圧回路を示す断面図である。

    【図19】発明の実施の形態2のプランジャ式油圧モータにおけるプランジャプラン伸縮回数に対する支持部にかかる応力特性図である。

    【図20】発明の実施の形態2の作動制限装置を示すシステム構成図である。

    【図21】発明の実施の形態2におけるスリップ率−作動制限指令値変換テーブルである。

    【図22】発明の実施の形態2における左右車輪速度差差−作動制限指令値上限テーブルである。

    【符号の説明】

    a ヨーモーメント発生装置 b 実ヨーモーメント検出手段 c 車両挙動検出手段 d 目標ヨーモーメント演算手段 e ヨー運動制御手段 f 実制動加速度検出手段 g 旋回制動時補正制御手段 1 マスタシリンダ 2 ブレーキ回路 3 ホイルシリンダ 4 ドレン回路 5 切替弁 6 リザーバ 7 ポンプ 8 加給回路 9 イン側ゲート弁 10 アウト側ゲート弁 11 ブレーキユニット 12 コントロールユニット 21 ヨーモーメント発生装置 22 目標ヨーモーメント演算手段 22a 各輪制駆動力演算部 22b 各輪荷重演算部 22d 各輪スリップ角演算部 22g 目標横力演算部 22i 目標ヨーモーメント演算部 23 実ヨーモーメント検出手段 24 旋回制動時補正制御手段 24a 実制動加速度演算部 24b 旋回制動時補正制御指令値演算部 25 ヨー運動制御手段 31 ブレーキスイッチ 32 前後Gセンサ 33 横Gセンサ 34 操舵角センサ 35 ヨーレイトセンサ 36 車速センサ 37 スリップ角検出手段 40 作動装置 41 推進軸 42 ドライブピニオン 43 リングギヤ 44 デフケース 45 デフピニオン 46 サイドギヤ 47 サイドギヤ 48 車軸 49 車軸 50 デフハウジング 51 車輪 52 車輪 53 プランジャ式油圧モータ 53a カムリング 53b シリンダドライブ 53c プランジャ 53d 支持部 53e フォロア 54 プランジャポンプ 54a カムリング 54b シリンダドライブ 55 スプール 56 絞り流路 59 中心軸 60 筒状部 61 連結軸 66 圧力制御弁 67 流路切換弁 68 油圧回路 69 リザーバ 70 コントローラ 71 ドレーン通路 72 ロータリジョイント 81 スリップ率演算部 82 差動制限制御指令値演算部 83 差動指令値上限演算部 E 差動制限制御装置 H 駆動力配分制御装置 Ws3 後輪左車輪速センサ Ws4 後輪右車輪速センサ

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷内 理 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 Fターム(参考) 3D036 GB09 GC07 GD02 GE04 GF06 GF10 GG35 GG41 GG42 GG43 GG52 GG60 GH20 GJ01 3D041 AA47 AD00 AD41 AD50 AD51 AE41 3D046 BB21 BB32 HH02 HH08 HH21 HH22 HH25 HH26 LL23 LL37

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