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消化管内および糞便由来乳酸菌培養用乳もしくは豆乳由来組成物、培養用又は発酵用原料及び乳酸発酵物

阅读:1018发布:2021-01-03

专利汇可以提供消化管内および糞便由来乳酸菌培養用乳もしくは豆乳由来組成物、培養用又は発酵用原料及び乳酸発酵物专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】消化管内および糞便由来のラクトバチルス属乳酸菌が増殖可能な乳もしくは豆乳由来の材料、この材料を用いた乳酸菌発酵物を提供する【解決手段】乳又は豆乳由来のタンパク質を含有する乳もしくは豆乳素材をプロテアーゼ処理してなる乳もしくは豆乳由来組成物。【選択図】なし,下面是消化管内および糞便由来乳酸菌培養用乳もしくは豆乳由来組成物、培養用又は発酵用原料及び乳酸発酵物专利的具体信息内容。

  • 乳又は豆乳由来のタンパク質を含有する乳もしくは豆乳素材をプロテアーゼ処理してなる乳もしくは豆乳由来組成物。
  • 前記の乳もしくは豆乳素材が生乳、牛乳、豆乳、部分脱脂乳、脱脂乳、全脱脂乳、脱脂粉乳、全粉乳、オカラ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、ホエー、濃縮ホエー、ホエーパウダー、濃縮ミネラルホエー、チーズホエー、調整粉乳、乳タンパク質、大豆タンパク質からなる群から選ばれる、請求項1に記載の乳もしくは豆乳由来組成物。
  • 請求項1又は2記載の乳もしくは豆乳由来組成物を含有する消化管内および糞便由来ラクトバチルス属細菌の培養用又は発酵用原料。
  • 消化管内および糞便由来ラクトバチルス属細菌の培養用培地である、請求項3記載の培養用又は発酵用原料。
  • 消化管内および糞便由来ラクトバチルス属細菌を用いて請求項1又は2記載の乳もしくは豆乳由来組成物を発酵させてなる乳酸菌発酵物。
  • ヨーグルト、乳酸菌飲料、乳飲料、乳性飲料、豆乳ヨーグルト、発酵豆乳、豆乳飲料、アイスクリーム類または氷菓である、請求項5に記載の乳酸菌発酵物。
  • 说明书全文

    本発明は、消化管内および糞便由来乳酸菌培養用乳もしくは豆乳由来組成物、培養用又は発酵用原料及び乳酸発酵物に関する。

    乳酸菌の中でも消化管内および糞便由来のラクトバチルス属乳酸菌は乳中での生育性に乏しく、発酵乳等でのスターター利用には不向きとされてきた。 しかしながら、消化管内および糞便由来のラクトバチルス属乳酸菌はヒトや家畜の健康に有益な効果を示す生きた因子(プロバイオティクス)として食品・飼料への有効利用が期待されている。 そこで、これまでに、乳中で生育性の乏しいラクトバチルス属乳酸菌を培養するための様々な乳基礎培地が開発されてきた。 例えば、特許文献1、2はプロテオースペプトンを乳、脱脂乳もしくはチーズホエーに添加した培地を提案し、特許文献3は酵素分解ホエー、酵素分解カゼインもしくは酵母エキスをチーズホエーもしくは酸ホエーに添加した培地を提案し、特許文献4、5は酵母エキスを酵素分解ホエーに添加した培地を提案する。 また、特許文献6では、κ-カゼイノグリコマクロペプチドをラクトバチルス属乳酸菌の増殖促進剤ないし生残性向上剤として用いる方法が開発されている。

    特開2005−80636

    特開2009−44983

    WO2005/097972

    WO2010/113815

    WO2010/113816

    WO2011/027719

    従来、ラクトバチルス属乳酸菌の乳中生育性を改善するために、乳素材に何らかのペプチド混合物を生育促進成分として補強する手法を用いて培地としていた。

    しかし、ペプチド混合物を添加することは発酵乳等食品の本来の風味を損ねる可能性が高く、特にコク味の強い酵母エキスや苦味の強いホエーを添加成分もしくは基礎培地として用いることは避けられることが望ましい。

    本発明は、消化管内および糞便由来のラクトバチルス属乳酸菌が増殖可能な乳もしくは豆乳由来の材料、この材料を用いた乳酸菌発酵物を提供することを目的とする。

    消化管内および糞便由来 のラクトバチルス属乳酸菌は、ヒトや家畜の健康に有益な効果をもたらすプロバイオティクスとして発酵乳等の食品に多く使われ、その市場価値は高い。 しかし、消化管内および糞便由来 のラクトバチルス属乳酸菌は、乳中での生育性に乏しく、発酵乳等の食品のスターター利用には不向きとされてきた。 これまで、消化管内および糞便由来 のラクトバチルス属乳酸菌の培養には、ペプチド混合物を乳素材に添加した培地が用いられてきた。

    培地に添加されてきたペプチド混合物は、乳以外の原料を由来としたプロテオースペプトンや酵母エキス、または、酵素分解ホエーが主であり、それらは最終製品に望ましくない風味をもたらす可能性を有していた。

    本発明者は、乳もしくは豆乳素材を食品利用可能な酵素で処理した素材を開発することにより、ペプチド成分無添加の消化管内および糞便由来ラクトバチルス属乳酸菌培養用乳もしくは豆乳由来組成物を発明するに至った。

    本発明では、消化管内および糞便由来ラクトバチルス属乳酸菌培養用培地として、従来のようなペプチド混合物の添加のない、乳もしくは豆乳素材を食品利用可能な酵素で処理した乳もしくは豆乳由来組成物を開発した。

    本発明における乳もしくは豆乳由来組成物は、乳もしくは豆乳本来の風味のみを最終製品にもたらすことが可能で、コストの面でも従来法より優れている。

    本発明は、以下の乳もしくは豆乳由来組成物、培養用又は発酵用原料、乳酸菌発酵物を提供するものである。

    項1. 乳又は豆乳由来のタンパク質を含有する乳もしくは豆乳素材をプロテアーゼ処理してなる乳もしくは豆乳由来組成物。
    項2. 前記の乳もしくは豆乳素材が生乳、牛乳、豆乳、部分脱脂乳、脱脂乳、全脱脂乳、脱脂粉乳、全粉乳、オカラ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、ホエー、濃縮ホエー、ホエーパウダー、濃縮ミネラルホエー、チーズホエー、調整粉乳、乳タンパク質、大豆タンパク質からなる群から選ばれる、項1に記載の乳もしくは豆乳由来組成物。
    項3. 項1又は2記載の乳もしくは豆乳由来組成物を含有する消化管内および糞便由来ラクトバチルス属細菌の培養用又は発酵用原料。
    項4. 消化管内および糞便由来ラクトバチルス属細菌の培養用培地である、項3記載の培養用又は発酵用原料。
    項5. 消化管内および糞便由来ラクトバチルス属細菌を用いて項1又は2記載の乳もしくは豆乳由来組成物を発酵させてなる乳酸菌発酵物。
    項6. ヨーグルト、乳酸菌飲料、乳飲料、乳性飲料、豆乳ヨーグルト、発酵豆乳、豆乳飲料、アイスクリーム類または氷菓である、項5に記載の乳酸菌発酵物。

    本発明における組成物及び原料は、乳もしくは豆乳素材をごく微量の食品利用可能な酵素で処理した得られたものであることから、乳もしくは豆乳本来の風味を確保することが可能である。

    また、本発明における組成物及び原料では、使用量が従来のペプチド添加培地よりも少なく、さらに、使用酵素を固定化酵素とした場合は繰り返し使用可能であることから、コストの面においても従来法よりも優位である。

    さらに本発明の乳酸菌発酵物は、多くの保健効果が報告されている ラクトバチルス属細菌の発酵物であるため、ヒトが摂取した場合に健康の増進などの効果に優れている。

    ラクトバチルス・ガセリ JCM 1131

    Tのペプチド要求性。

    ラクトバチルス・ガセリ JCM 11046のペプチド要求性。

    ラクトバチルス・ガセリ JCM 11657のペプチド要求性。

    全乳および酵素処理全乳におけるラクトバチルス・ガセリ JCM 1131

    Tの生育性

    脱脂乳および酵素処理脱脂乳におけるラクトバチルス・ガセリ JCM 1131

    Tの生育性。 なお、脱脂乳は、8.3%脱脂粉乳を使用(タンパク質量3.0%)。

    チーズホエーおよび酵素処理チーズホエーにおけるラクトバチルス・ガセリ JCM 1131

    Tの生育性。 なお、チーズホエーは、21.5%チーズホエー粉を使用(タンパク質量3.0%)。

    ヒト母乳および酵素処理ヒト母乳におけるラクトバチルス・ガセリ JCM 1131

    Tの生育性。

    カゼイン添加MRSL-N、酵素処理カゼイン添加MRSL-N及び酵素のみ添加MRSL-Nにおけるラクトバチルス・ガセリ JCM 1131

    Tの生育性。

    各種プロテアーゼで処理した脱脂乳におけるラクトバチルス・ガセリ JCM 1131

    Tの生育性(培養液pH)。 なお、脱脂乳は、8.3%脱脂粉乳を使用(タンパク質量3.0%)。

    各種プロテアーゼで処理した脱脂乳におけるラクトバチルス・ガセリ JCM 1131

    Tの生育性(培養液滴定酸度)。 なお、脱脂乳は、8.3%脱脂粉乳を使用(タンパク質量3.0%)。

    各種プロテアーゼで処理した脱脂乳におけるラクトバチルス・ガセリ JCM 1131

    Tの生育性(生菌数)。 なお、脱脂乳は、8.3%脱脂粉乳を使用(タンパク質量3.0%)。

    大豆タンパク質添加MRSL-N、ペプシン処理大豆タンパク質添加MRSL-N、豆乳及びペプシン処理豆乳におけるラクトバチルス・ガセリ JCM 1131

    Tの生育性。

    以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に述べる個々の形態には限定されない。 なお、本明細書において特に明示しない場合でも%表示は重量%を示す。

    本発明の乳もしくは豆乳由来組成物は、乳又は豆乳由来のタンパク質を含有する乳もしくは豆乳素材をプロテアーゼ処理することで得ることができる。 プロテアーゼ処理により、乳タンパク質 、大豆タンパク質などが対応するペプチドに部分分解され、このペプチドが消化管内および糞便由来ラクトバチルス属細菌の栄養源となる。 プロテアーゼとしては、ヒト、動物、植物生物などに由来するプロテアーゼが制限なく利用でき、特に限定されないが、例えばペプシン、トリプシン、キモトリプシン、フィシン、ブロメライン、パパイン、パンクレアチン、サーモリシン、プロナーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼなどが挙げられる。 これらの酵素は単独で使用してもよく、2種以上の酵素を併用して使用してもよい。 なお、プロテアーゼとして、酵母、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティカスのようなプロテアーゼ作用を有する微生物を用いることもできる。

    乳又は豆乳由来のタンパク質を含有する乳もしくは豆乳素材としては、生乳、牛乳、豆乳、部分脱脂乳、脱脂乳、全脱脂乳、脱脂粉乳、全粉乳、オカラ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、ホエー、濃縮ホエー、ホエーパウダー、濃縮ミネラルホエー、チーズホエー、調整粉乳、乳タンパク質、大豆タンパク質などが挙げられ、これらの素材を単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。

    本発明の乳もしくは豆乳由来組成物は、消化管内および糞便由来のラクトバチルス属細菌の培養に有用である。

    乳酸菌としては、消化管内および糞便由来のラクトバチルス属の細菌であれば特に限定されないが、例えばラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・アジリス、ラクトバチルス・アニマリス、ラクトバチルス・アミロボラス、ラクトバチルス・エクイ、ラクトバチルス・オリス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ガリナラム、ラクトバチルス・キタサトニス、ラクトバチルス・クリスパタス、ラクトバチルス・サケイ、ラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバチルス・ジェンセニー、ラクトバチルス・ジョンソニー、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・ブフネリ、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・ムコサエ、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・ロイテリ などが挙げられ、好ましくはラクトバチルス・ガセリである。 本発明の乳酸菌発酵物は、消化管内および糞便由来のラクトバチルスのみを用いて発酵させて得てもよく、酵母、ビフィズス菌、 乳酸球菌もしくは非消化管内および非糞便由来 の乳酸菌を消化管内および糞便由来のラクトバチルスと組み合わせて発酵させてもよい。 このような酵母、ビフィズス菌 、乳酸球菌もしくは非消化管内および非糞便由来の乳酸菌としては、キャンディダ・ケフィル、キャンディダ・シュードトロピカリス、キャンディダ・ホルミィ、クルイベロマイセス・マルシアヌス、クルイベロマイセス・ラクティス、サッカロマイセス・セレビシエ、サッカロマイセス・フロレンチナス、サッカロマイセス・ユニスポラス、ジゴサンカロマイセス・フロレンティヌス、ジゴサッカロマイセス・ルキシー、トルラスポア・デルブレッキー、ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム 、エンテロコッカス・フェカリス、エンテロコッカス・フェシウム、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ペディオコッサス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントーサセウス、ラクトコッカス・ラクティス、ロイコノストック・シュードメセンテロイデス、ロイコノストック・メセンテロイデス、ロイコノストック・ラクティス、ラクトバチルス・カルバタス、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス、ラクトバチルス・ケフィリ、ラクトバチルス・デルブレッキー、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ペントーサス、ワイセラ・コンフューザ などが挙げられる。

    本発明の乳もしくは豆乳由来組成物は、消化管内および糞便由来のラクトバチルス属細菌の培養用の培地に使用することができる。 この培地は、乳もしくは豆乳由来組成物の他に、グルコース などの糖類、オレイン酸ナトリウムなどの脂肪酸類、アスコルビン酸などのビタミン類、グアニル酸二ナトリウムなどの核酸類、マグネシウム塩などのミネラル類、レシチンなどの乳化剤 等を必要に応じてさらに配合できる。

    本発明の発酵物は、プロテアーゼ処理された乳又は豆乳由来のタンパク質を含有する乳もしくは豆乳素材に、消化管内および糞便由来のラクトバチルス属細菌を加えて発酵させることで得ることができる。 この発酵は、さらに他の乳酸発酵に用いられる乳酸菌又はビフィズス菌、或いは他のプロテアーゼ処理されていない乳又は豆乳由来のタンパク質を含有する乳もしくは豆乳素材を加えて乳酸発酵を行ってもよい。 また、本発明の乳酸菌発酵物は、従来の乳酸菌発酵物と混合して使用することができる。 さらに本発明の乳酸菌発酵物は、果汁、果肉、砂糖、果糖、スクラロース、ステビア などの糖類・甘味料、ゼラチン、加工デンプン、寒天、ペクチンなどの増粘多糖類、クエン酸などの酸味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料 などをさらに加えることができる。

    以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。

    実施例1
    ヒトの腸内において優勢のラクトバチルス属乳酸菌にラクトバチルス・ガセリがある。 ラクトバチルス・ガセリ は、ヒトに有益な効果を示すプロバイオティクスとして、我が国において最も研究され、食品利用されている乳酸菌の1つである。

    しかし、ラクトバチルス・ガセリは、他の多くの消化管内および糞便由来ラクトバチルス属乳酸菌と同様に、乳中での生育が良好でないことが知られている。 これまで、ペプチド成分を添加することによってラクトバチルス・ガセリを含むラクトバチルス属乳酸菌の乳中生育性が向上することが経験的に分かっていたが、ペプチドが明確にそれらの栄養要求因子(要求窒素源)であることは証明されてこなかった。

    そこで発明者らは、ラクトバチルス・ガセリ培養用の半合成培地であるMRS培地から窒素源を除いた基礎培地(MRS-N)に乳タンパク質であるカゼイン、カゼインの酵素分解物であるトリプトン(ペプチド混合物)、カゼインの酸分解物であるカザミノ酸(アミノ酸混合物)をそれぞれ添加し、それらを培地としてラクトバチルス・ガセリ3菌株(JCM 1131 T 、JCM 11046、JCM 11657)を培養した。 表1には、各MRS基礎 培地の組成を示す。 その結果、トリプトンを添加した培地でのみ良好な生育性が確認された(図1-3)。 このことから、ラクトバチルス・ガセリはタンパク質やアミノ酸ではなく、ペプチドを窒素源として要求することが明らかとなった。

    実施例2
    次に、乳中で生育因子のペプチド成分を遊離させるために、各種乳素材(牛乳、脱脂乳、チーズホエー、ヒト母乳)をペプシンで処理した培地、もしくはペプシン処理後にトリプシンとα-キモトリプシンで処理した培地を作製し、それらを培地としてラクトバチルス・ガセリの基準株であるJCM 1131 T株を培養した。 各酵素の処理条件を表2に示す。

    その結果、対照とした未処理の各種乳培地中ではラクトバチルス・ガセリの良好な生育は見られなかったが、ペプシン処理のみおよびペプシン処理後トリプシン・α-キモトリプシン処理した各種乳培地中ではいずれも良好な生育性が確認された(図4-7)。

    また、MRSL-N(MRS-Nの糖源をグルコースからラクトースに変更した培地)を基礎培地に用いて、未処理、ペプシン処理、もしくはペプシン処理後トリプシン・α-キモトリプシン処理したカゼインをそれぞれ添加した培地にてラクトバチルス・ガセリ JCM 1131 T株を培養したところ、上記の各種乳培地と同様に、ペプシン処理のみおよびペプシン処理後トリプシン・α-キモトリプシン処理したカゼインを添加した培地で良好な生育性が確認された(図8)。

    これらのことから、ラクトバチルス・ガセリは、従来のようなペプチド成分を添加しなくても、乳素材を酵素分解しただけの乳培地中で良好に生育することが明らかとなった。 また、各乳素材間でラクトバチルス・ガセリの生育性に大きな差はなく、生育因子であるペプチドの起源となる乳タンパク質はカゼインでもホエータンパク質でもどちらでも構わないことが判明した。

    実施例3
    乳タンパク質を加分解する酵素による差異を調べるために、食品利用可能な各種酵素(ペプシン、トリプシン、α-キモトリプシン、ペプシン処理後トリプシン・α-キモトリプシン、フィシン、ブロメライン、パパイン )を用いて脱脂乳を加水分解し、ラクトバチルス・ガセリ JCM 1131 T株を培養した。 その結果、全ての酵素処理によってラクトバチルス・ガセリの生育性は向上したが、酵素ごとに生育促進効果は様々であった(図9)。 最も生育促進効果が見られたのは、ペプシン処理のみ、もしくはペプシン処理後トリプシン・α-キモトリプシン処理であった。

    実施例4
    乳素材以外の食品素材を酵素処理した培地でのラクトバチルス・ガセリの生育性を調べるために、基礎培地であるMRSL-Nにペプシン処理した大豆タンパク質を添加し、その培地を用いてラクトバチルス・ガセリ JCM 1131 T株を培養した。 また、豆乳をペプシン処理した培地においてもラクトバチルス・ガセリ JCM 1131 T株を培養した。 その結果、対照としたペプシン未処理の大豆タンパク質を添加したMRSL-Nやペプシン未処理の豆乳ではラクトバチルス・ガセリは良好に生育しなかったが、ペプシン処理を施した大豆タンパク質添加MRSL-Nやペプシン処理豆乳ではラクトバチルス・ガセリは良好に生育した(図10)。

    このことから、ラクトバチルス・ガセリは乳素材だけでなく、豆乳などの他の食品素材でもペプシン処理を行うことにより良好な生育性を獲得することが明らかとなった。

    以上のことから、食品に利用するためのラクトバチルス・ガセリ培養用培地として、牛乳、脱脂乳、ホエーおよび豆乳などの乳もしくは豆乳素材を食品利用可能な酵素、特にペプシンで処理することによって、何らペプチド成分を添加しない新たな乳培地を開発することに成功した。

    本開発培地は、ラクトバチルス・ガセリと同様に乳中で生育が良好でない消化管内および糞便由来のラクトバチルス属乳酸菌にも適用可能であり、それらプロバイオティクスを発酵乳等食品のスターターとして有効活用するために非常に有用な培地となる。

    また、本培地は、ラクトバチルス属乳酸菌の生育に必要な栄養成分を全てないし多く備えていることから、発酵培地の基礎培地(原料)としても用いることが可能であり、発酵後の食品形態に応じて、乳もしくは豆乳素材(例えば、牛乳、豆乳、濃縮乳、脱脂乳、粉乳、クリーム 、ホエー、乳タンパク質、大豆タンパク質)や他の食品素材と組み合わせることができる。

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