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エンジンの制御装置

阅读:48发布:2020-05-14

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エンジン本体と、 燃料タンクの蒸発燃料を含むパージガスを前記エンジン本体の吸気系へ供給するパージ処理部とを有するエンジンの制御装置であって、 前記エンジン本体へ供給する燃料量を、空燃比に基づいて算出されるフィードバック補正値を用いてフィードバック制御する空燃比制御部と、 前記パージ処理部から前記吸気系へ供給されるパージガス中の燃料濃度であるパージ濃度を推定する濃度推定部とを備え、 前記空燃比制御部は、前記フィードバック補正値に基づいて燃料量の学習値を算出する空燃比学習を実行し、前記空燃比学習後は前記学習値及び前記フィードバック補正値を用いて燃料量をフィードバック制御し、 前記濃度推定部は、 前記パージ処理部によるパージガスの供給前後の前記フィードバック補正値の偏差に基づいて前記パージ濃度を推定する第1濃度推定と、 前記空燃比制御部に前記空燃比学習を実行させた後に前記パージ処理部にパージガスを供給させ、前記フィードバック補正値の初期値とパージガスの供給後の前記フィードバック補正値との偏差に基づいて前記パージ濃度を推定する第2濃度推定とを使い分けて実行し、 前記濃度推定部は、 前記空燃比学習が直前に実行されている場合には、該直前に実行された空燃比学習を前記第2濃度推定の前記空燃比学習として代用して前記第2濃度推定を実行する一方、 前記空燃比学習が直前に実行されていない場合には、前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合に基づいて前記第1濃度推定と前記第2濃度推定とを使い分け、パージガスの供給の必要度合が高いときに前記第1濃度推定を実行し、パージガスの供給の必要度合が低いときに前記第2濃度推定を実行することを特徴とするエンジンの制御装置。請求項1に記載のエンジンの制御装置において、 前記濃度推定部は、外気圧に基づいて前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合を判定することを特徴とするエンジンの制御装置。請求項1に記載のエンジンの制御装置において、 前記濃度推定部は、前記エンジンの温間運転後の再始動時には前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合が高いと判定して、前記第1濃度推定を実行することを特徴とするエンジンの制御装置。エンジン本体と、 燃料タンクの蒸発燃料を含むパージガスを前記エンジン本体の吸気系へ供給するパージ処理部とを有するエンジンの制御装置であって、 前記エンジン本体へ供給する燃料量を、空燃比に基づいて算出されるフィードバック補正値を用いてフィードバック制御する空燃比制御部と、 前記パージ処理部から前記吸気系へ供給されるパージガス中の燃料濃度であるパージ濃度を推定する濃度推定部とを備え、 前記空燃比制御部は、前記フィードバック補正値に基づいて燃料量の学習値を算出する空燃比学習を実行し、前記空燃比学習後は前記学習値及び前記フィードバック補正値を用いて燃料量をフィードバック制御し、 前記濃度推定部は、 前記パージ処理部によるパージガスの供給前後の前記フィードバック補正値の偏差に基づいて前記パージ濃度を推定する第1濃度推定と、 前記空燃比制御部に前記空燃比学習を実行させた後に前記パージ処理部にパージガスを供給させ、前記フィードバック補正値の初期値とパージガスの供給後の前記フィードバック補正値との偏差に基づいて前記パージ濃度を推定する第2濃度推定とを使い分けて実行し、 前記濃度推定部は、前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合に基づいて前記第1濃度推定と前記第2濃度推定とを使い分け、パージガスの供給の必要度合が高いときに前記第1濃度推定を実行し、パージガスの供給の必要度合が低いときに前記第2濃度推定を実行し、 前記濃度推定部は、外気圧に基づいて前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合を判定することを特徴とするエンジンの制御装置。

说明书全文

ここに開示された技術は、エンジンの制御装置に関するものである。

従来より、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をパージガスとして吸気系に供給するエンジンが知られている。

このようなパージガスは空燃比に影響を与えるため、吸気系に供給される蒸発燃料量を正確に把握する必要がある。そのためには、パージガス中の燃料濃度であるパージ濃度を正確に把握する必要がある。

例えば、特許文献1に係るエンジンでは、排気中の酸素濃度を検出する酸素センサの検出結果に基づいて燃料噴射量を調整して実空燃比を目標空燃比に制御する空燃比フィードバック制御を行っている。このエンジンは、空燃比フィードバック制御で用いられるフィードバック補正値をパージガスの供給前後で比較し、その前後の偏差からパージ濃度を推定している。

特開平11−30159号公報

ところで、フィードバック補正値は、実空燃比を調整すべく逐次変化するため、パージガスの供給前後のフィードバック補正値の偏差には、パージガスに起因する変動分だけでなく、空燃比制御のための変動分も含まれる。そのため、特許文献1のパージ濃度の推定方法は、パージ濃度の推定精度に改善の余地がある。

しかしながら、別の推定方法によりパージ濃度を精度よく推定できるとしても、その推定に時間を要する場合には、パージガスの供給機会が喪失されるので好ましくない。特に、蒸発燃料が多い状況においては、パージガスの供給機会はできるだけ確保しておきたい。

ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パージ濃度の推定精度の向上とパージガスの供給機会の確保とを実現することにある。

ここに開示された技術は、エンジン本体と、燃料タンクの蒸発燃料を含むパージガスを前記エンジン本体の吸気系へ供給するパージ処理部とを有するエンジンの制御装置を対象としている。このエンジンの制御装置は、前記エンジン本体へ供給する燃料量を、空燃比に基づいて算出されるフィードバック補正値を用いてフィードバック制御する空燃比制御部と、前記パージ処理部から前記吸気系へ供給されるパージガス中の燃料濃度であるパージ濃度を推定する濃度推定部とを備え、前記空燃比制御部は、前記フィードバック補正値に基づいて燃料量の学習値を算出する空燃比学習を実行し、前記空燃比学習後は前記学習値及び前記フィードバック補正値を用いて燃料量をフィードバック制御し、前記濃度推定部は、前記パージ処理部によるパージガスの供給前後の前記フィードバック補正値の偏差に基づいて前記パージ濃度を推定する第1濃度推定と、前記空燃比制御部に前記空燃比学習を実行させた後に前記パージ処理部にパージガスを供給させ、前記フィードバック補正値の初期値とパージガスの供給後の前記フィードバック補正値との偏差に基づいて前記パージ濃度を推定する第2濃度推定とを使い分けて実行する。

そして、前記濃度推定部は、前記空燃比学習が直前に実行されている場合には、該直前に実行された空燃比学習を前記第2濃度推定の前記空燃比学習として代用して前記第2濃度推定を実行する一方、前記空燃比学習が直前に実行されていない場合には、前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合に基づいて前記第1濃度推定と前記第2濃度推定とを使い分け、パージガスの供給の必要度合が高いときに前記第1濃度推定を実行し、パージガスの供給の必要度合が低いときに前記第2濃度推定を実行する。

この構成によれば、フィードバック補正値を用いて燃料量がフィードバック補正される。フィードバック補正値は、エンジン運転中の空燃比のばらつきを低減するように算出されるが、燃料噴射弁の温度特性や経年劣化等の恒常的な燃料量のズレ量を補正するための成分も含まれる。これらの恒常的なズレ量は、空燃比学習によって燃料量の学習値として算出される。空燃比学習後は、前述の恒常的なズレ量が再び生じるまでは、フィードバック補正値には、恒常的なズレ量を補正するための成分は含まれないようになり、エンジン運転中の空燃比のばらつきを低減する成分のみを含むようになる。

第1濃度推定においては、パージ前のフィードバック補正値とパージ後のフィードバック補正値との偏差に基づいてパージ濃度を推定する。そのため、フィードバック補正値に恒常的なズレ量を補正するための成分が含まれていても、その成分をキャンセルしてパージ濃度を精度良く推定することができる。つまり、第1濃度推定では、パージ濃度を推定する際に空燃比学習を実行する必要がないので、その分だけパージ濃度推定が早期に完了するという利点がある。

第2濃度推定においては、空燃比学習を実行してから、フィードバック補正値の初期値とパージガス供給後のフィードバック補正値との偏差に基づいてパージ濃度を推定するので、第1濃度推定に比べて、パージ濃度をより精度良く推定することができる。詳しくは、フィードバック補正値は、エンジン運転中の空燃比のばらつきを低減する成分を含んでおり、それはパージガス以外の原因による空燃比のばらつきを低減する成分も含まれている。第1濃度推定は、パージガス供給前のフィードバック補正値とパージガス供給後のフィードバック補正値との2つのフィードバック補正値を用いるのに対し、第2濃度推定は、パージガス供給後のフィードバック補正値の1つだけを用いる。そのため、第2濃度推定では、第1濃度推定に比べて、パージガス以外の原因による空燃比のばらつきを低減するためのフィードバック補正値の変動の影響が小さく、その分だけパージ濃度を精度良く推定することができる。

このように、第1濃度推定は、濃度推定の迅速性の点で有利であり、第2濃度推定は、濃度推定の精度の点で有利である。これら第1濃度推定と第2濃度推定とを状況に応じて使い分けることによって、濃度推定の迅速性を優先したり、濃度推定の精度を優先したりすることができる

また、前記の構成によれば、パージガスの供給の必要度合が高いときには第1濃度推定が実行される。これにより、濃度推定に要する時間が短縮され、パージガスの供給機会が確保される。一方、パージガスの供給の必要度合が低いときには第2濃度推定が実行される。これにより、パージ濃度の推定精度を向上させることができる

また、前記の構成によれば、パージガスの供給の必要度合だけでなく、直前に空燃比学習が実行されているか否かも考慮して、第1濃度推定と第2濃度推定とが使い分けられる。直前に空燃比学習が実行されている場合には、フィードバック補正値からは、恒常的なズレ量を補正するための成分が除かれている。そのような場合には、第2濃度推定の本来の空燃比学習を直前の空燃比学習で代用して第2濃度推定を実行する。これにより、時間を短縮して第2濃度推定を実行することができる。つまり、濃度推定の迅速性を確保しつつ、濃度推定の精度も向上させることができる。

一方、直前に空燃比学習が実行されていない場合には、パージガスの供給の必要度合に基づいて、第1濃度推定と第2濃度推定とを使い分ける。この使い分けについては、前述の通りである。

また、前記濃度推定部は、外気圧に基づいて前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合を判定するようにしてもよい。

一般的には、外気圧に応じて、燃料の揮発しやすさは変化する。例えば高地のように外気圧が低い環境では、低地よりも燃料は揮発しやすくなる。

この構成によれば、前記濃度推定部は、外気圧に基づいて前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合を判定することによって、吸気系へのパージガスの供給の必要度合を的確に判断することができる。そのことで、第1濃度推定と第2濃度推定との切り替えをより適切なタイミングで行うことができる。

また、前記濃度推定部は、前記エンジンの温間運転後の再始動時には前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合が高いと判定して、前記第1濃度推定を実行するようにしてもよい。

エンジンの温間運転後は、エンジン本体の温度が高く、燃料タンクの温度も高くなる傾向にある。つまり、燃料が揮発しやすい環境となっている。そのため、温間運転後の再始動時には、蒸発燃料が増加している可能性がある。

前記の構成によれば、エンジンの温間運転後の再始動時には第1濃度推定を実行するので、吸気系へのパージガスの供給の必要度合が高い状況を的確に判断して、濃度推定の時間を短縮し、パージガスの供給機会の確保することができる。

ここに開示された別の技術は、エンジン本体と、燃料タンクの蒸発燃料を含むパージガスを前記エンジン本体の吸気系へ供給するパージ処理部とを有するエンジンの制御装置を対象としている。このエンジンの制御装置は、前記エンジン本体へ供給する燃料量を、空燃比に基づいて算出されるフィードバック補正値を用いてフィードバック制御する空燃比制御部と、前記パージ処理部から前記吸気系へ供給されるパージガス中の燃料濃度であるパージ濃度を推定する濃度推定部とを備え、前記空燃比制御部は、前記フィードバック補正値に基づいて燃料量の学習値を算出する空燃比学習を実行し、前記空燃比学習後は前記学習値及び前記フィードバック補正値を用いて燃料量をフィードバック制御し、前記濃度推定部は、前記パージ処理部によるパージガスの供給前後の前記フィードバック補正値の偏差に基づいて前記パージ濃度を推定する第1濃度推定と、前記空燃比制御部に前記空燃比学習を実行させた後に前記パージ処理部にパージガスを供給させ、前記フィードバック補正値の初期値とパージガスの供給後の前記フィードバック補正値との偏差に基づいて前記パージ濃度を推定する第2濃度推定とを使い分けて実行する。

そして、前記濃度推定部は、前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合に基づいて前記第1濃度推定と前記第2濃度推定とを使い分け、パージガスの供給の必要度合が高いときに前記第1濃度推定を実行し、パージガスの供給の必要度合が低いときに前記第2濃度推定を実行し、前記濃度推定部は、外気圧に基づいて前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合を判定する。

前述のように、第1濃度推定は、濃度推定の迅速性の点で有利であり、第2濃度推定は、濃度推定の精度の点で有利である。これら第1濃度推定と第2濃度推定とを状況に応じて使い分けることによって、濃度推定の迅速性を優先したり、濃度推定の精度を優先したりすることができる。

また、前記の構成によれば、パージガスの供給の必要度合が高いときには第1濃度推定が実行される。これにより、濃度推定に要する時間が短縮され、パージガスの供給機会が確保される。一方、パージガスの供給の必要度合が低いときには第2濃度推定が実行される。これにより、パージ濃度の推定精度を向上させることができる。

また、前述のように、一般的には、外気圧に応じて、燃料の揮発しやすさは変化する。例えば高地のように外気圧が低い環境では、低地よりも燃料は揮発しやすくなる。

この構成によれば、前記濃度推定部は、外気圧に基づいて前記吸気系へのパージガスの供給の必要度合を判定することによって、吸気系へのパージガスの供給の必要度合を的確に判断することができる。そのことで、第1濃度推定と第2濃度推定との切り替えをより適切なタイミングで行うことができる。

前記エンジンの制御装置によれば、パージ濃度の推定精度の向上とパージガスの供給機会の確保とを実現することができる。

図1は、ターボ過給機付きエンジンの概略構成図である。

図2は、ECUの機能構成図である。

図3は、濃度推定方法を示すフローチャートである。

以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。

〈エンジンの構成〉 図1は、ターボ過給機付エンジンを備えたエンジン100の概略構成図である。

図1に示すように、エンジン100は、主に、外部から導入された吸気(空気)が通過する吸気通路10と、この吸気通路10から供給された吸気と後述する燃料噴射弁23から供給された燃料との混合気を燃焼させて車両の動を発生するエンジン本体20(例えばガソリンエンジン)と、このエンジン本体20内の燃焼により発生した排気を排出する排気通路30と、排気のエネルギを利用して吸気を過給するターボ過給機40と、燃料タンク50と、燃料タンク50内で発生した蒸発燃料を吸気通路10へ供給するパージシステム60と、エンジン100全体を制御するECU(Electronic Control Unit)70とを有する。

吸気通路10には、上流側から順に、外部から導入された吸気を浄化するエアクリーナ11と、通過する吸気を昇圧させる、ターボ過給機40のコンプレッサ41と、通過する吸気を冷却するインタークーラ12と、通過する吸気量を調整するスロットルバルブ13と、エンジン本体20に供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク14とが設けられている。

エンジン本体20は、主に、吸気通路10から供給された吸気を燃焼室21内に導入する吸気バルブ22と、燃焼室21に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁23と、燃焼室21内に供給された吸気と燃料との混合気に点火する点火プラグ24と、燃焼室21内での混合気の燃焼により往復運動するピストン27と、ピストン27の往復運動により回転されるクランクシャフト28と、燃焼室21内での混合気の燃焼により発生した排気を排気通路30へ排出する排気バルブ29とを有する。

排気通路30には、上流側から順に、通過する排気によって回転させられ、この回転によってコンプレッサ41を回転駆動する、ターボ過給機40のタービン42と、例えばNOx触媒や三元触媒や酸化触媒などの、排気の浄化機能を有する排気浄化触媒31とが設けられている。

また、排気通路30には、排気にターボ過給機40のタービン42を迂回させるタービンバイパス通路32が設けられている。このタービンバイパス通路32には、タービンバイパス通路32を流れる排気の流量を制御するウェイストゲートバルブ33が設けられている。

パージシステム60は、燃料タンク50内で発生した蒸発燃料を吸着して貯蔵するキャニスタ61、キャニスタ61と吸気通路と10とを接続し、キャニスタ61から蒸発燃料を含むパージガスを吸気通路10に導くパージ通路62と、パージ通路62に設けられたパージバルブ66とを有している。パージシステム60は、蒸発燃料と空気とを含むパージガスを吸気通路10へ供給する。パージガスを吸気通路10へ供給することを、単に「パージ」と称する。パージシステム60は、パージ処理部の一例である。

キャニスタ61には、燃料蒸気を脱離可能に吸着する活性炭が収容されている。キャニスタ61には、燃料タンク50内の燃料蒸気を導入する燃料蒸気管61a、キャニスタ61を大気に開放する大気開放管61b、及びパージ通路62が接続されている。大気開放管61bには、図示は省略するが、キャニスタ61に流入する空気を濾過するエアフィルタ及び大気開放管61bを開閉するバルブが設けられている。バルブは、蒸発燃料がパージされるとき開とされる。

パージ通路62の上流側の部分は、1本の通路で形成され、キャニスタ61に接続されている。一方、パージ通路62の下流側の部分は、2本の通路に分岐し、吸気通路10の2箇所に接続されている。

詳しくは、パージ通路62は、上流側の共通通路63と、下流側の第1分岐通路64及び第2分岐通路65とを有する。共通通路63の上流端は、キャニスタ61に接続されている。共通通路63の下流端に、第1分岐通路64の上流端と第2分岐通路65の上流端が接続されている。第1分岐通路64の下流端は、吸気通路10のサージタンク14に接続されている。第2分岐通路65の下流端は、後述するエジェクタ67を介して、吸気通路10のうちコンプレッサ41の上流側の部分に接続されている。

共通通路63には、パージバルブ66が設けられているパージバルブ66は、ECU70からの制御信号により開閉される電子制御式のバルブである。第1分岐通路64には、吸気通路10からの吸気の逆流を防止する逆止弁64aが設けられている。第2分岐通路65には、吸気通路10からの吸気の逆流を防止する逆止弁65aが設けられている。

エジェクタ67は、本体67aと、吸気通路10のうちコンプレッサ41の下流側の部分と本体67aとを接続する導入ノズル67bと、吸気通路10のうちコンプレッサ41の上流側の部分と本体67aとを接続する排出路67cとを有している。第1分岐通路64は、本体67aに接続されており、エジェクタ67の一部を構成する。導入ノズル67bの先端は、先細状となっており、導入ノズル67bを介して還流される吸気は、その先端部で減圧され、導入ノズル67bの先端周辺に負圧が発生する。この負圧により、第1分岐通路64からパージガスが本体67a内に吸引される。吸引されたパージガスは、導入ノズル67bから還流される吸気と共に、排出路67cを介して吸気通路10のうちコンプレッサ41の上流側に導入される。

ターボ過給機40が吸気を過給していないとき(以下、「非過給時」という)には、パージガスは、第2分岐通路65を介して吸気通路10へ導入される。詳しくは、非過給時は、吸気通路10のコンプレッサ41の上流側の圧力の方がコンプレッサ41の下流側の圧力よりも高いので、エジェクタ67を介した吸気の還流は生じない。そのため、第1分岐通路64の下流端の圧力は、吸気通路10のうちエジェクタ67が接続された部分の圧力となり、その圧力は、大気圧と略等しい。キャニスタ61は、大気圧に開放されているので、第1分岐通路64の上流端と下流端との差圧は、略零であり、パージガスは第1分岐通路64を流通しない。

一方、第2分岐通路65の下流端が接続されたサージタンク14は、負圧となっている。そのため、パージ通路62を流通するパージガスは、第2分岐通路65を介して、サージタンク14に導入される。

ターボ過給機40が吸気を過給しているとき(以下、「過給時」という)には、パージガスは、第1分岐通路64を介して吸気通路10へ導入される。詳しくは、過給時は、サージタンク14は、過給により正圧となっている。前述の如く、キャニスタ61は、大気圧に開放されているので、第2分岐通路65の下流端の圧力は、第2分岐通路65の上流端の圧力よりも高くなっている。そのため、パージガスは、第2分岐通路65を流通しない。尚、第2分岐通路65には、逆止弁65aが設けられているので、吸気通路10の吸気が第2分岐通路65を逆入することもない。

一方、コンプレッサ41による過給により、吸気通路10のコンプレッサ41の下流側の圧力の方がコンプレッサ41の上流側の圧力よりも高いので、エジェクタ67を介した吸気の還流が生じる。これにより、第1分岐通路64からパージガスが吸引され、吸引されたパージガスが吸気通路10のコンプレッサ41の上流側に導入される。こうして、パージ通路62を流通するパージガスは、第1分岐通路64を介して、吸気通路10に導入される。

また、過給開始直後又は過給停止直後等の過渡時には、エジェクタ67による第1分岐通路64からのパージガスの吸引が行われると共に、サージタンク14の負圧により第2分岐通路65からサージタンク14にパージガスが導入され得る。つまり、第1分岐通路64及び第2分岐通路65の両方を介して、パージガスが吸気通路10に供給され得る。

過給時、非過給時及び過渡時の何れの場合であっても、パージ通路62を流通するパージガスの流量であるパージ流量は、パージバルブ66によって調整される。

また、図1に示すエンジン100には、各種のセンサが設けられている。具体的には、吸気通路10のうちエアクリーナ11とコンプレッサ41との間の部分に吸入空気量を検出するエアフロセンサ81と吸気温度を検出する温度センサ82とが設けられている。吸気通路10におけるコンプレッサ41とスロットルバルブ13との間の部分に、過給圧を検出する第1圧力センサ83が設けられている。また、吸気通路10におけるスロットルバルブ13の下流側の部分(詳しくはサージタンク14内)に、インマニ圧を検出する第2圧力センサ84が設けられている。排気通路30のうち、タービン42と排気浄化触媒31との間の部分に、排気中の酸素濃度を検出するO2センサ85が設けられている。

エンジン本体20においては、クランクシャフト28のクランクを検出するクランク角センサ86と、エンジン本体20の冷却の温度を検出する水温センサ87とが設けられている。

エアフロセンサ81は、検出した吸入空気量をECU70に出力する。温度センサ82は、検出した吸気温度をECU70に出力する。第1圧力センサ83は、検出した過給圧に対応する検出信号をECU70に出力する。第2圧力センサ84は、検出したインマニ圧に対応する検出信号をECU70に出力する。O2センサ85は、検出した酸素濃度に対応する検出信号をECU70に出力する。クランク角センサ86は、検出したクランク角をECU70に出力する。水温センサ87は、検出した水温をECU70に出力する。また、エンジン100には、大気圧を検出する大気圧センサ80が設けられており、この大気圧センサ80は、検出した大気圧に対応する検出信号をECU70に出力する。

ECU70は、CPUと、CPU上で実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)や各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリとを備えるコンピュータにより構成される。ECU70は、上述した各種センサから供給された検出信号に基づいて、種々の制御や処理を行う。ECU70は、制御装置の一例である。

例えば、ECU70は、所望の空燃比を実現するように燃料噴射弁23からの燃料噴射量(「燃料量」ともいう)をフィードバック制御する空燃比制御と、パージ濃度を推定する濃度推定制御とを実行する。

ECU70は、空燃比に基づいて燃料噴射量をフィードバック制御する空燃比制御部71と、パージガスの吸気通路10への供給を制御するパージ制御部72と、パージ濃度を推定する濃度推定部73とを有している。濃度推定部73によって推定されたパージ濃度は、パージバルブ66の開度制御や後述する空燃比制御部71による空燃比制御に用いられる。

空燃比制御部71は、燃料噴射弁23から噴射する燃料量を空燃比に基づいてフィードバック制御する空燃比フィードバック制御を実行する。空燃比制御部71は、所定のフィードバック制御条件が成立しているときに空燃比フィードバック制御を実行する。フィードバック制御条件の一例としては、(i)エンジン100の始動時ではない、(ii)燃料カット中ではない、(iii)エンジン水温が所定温度以上である等が挙げられる。これらの場合には、燃料量が増量されていたり、減量(0も含む)されていたりするので、空燃比フィードバック制御に適さない。

詳しくは、空燃比制御部71は、O2センサ85により検出された排気中の酸素濃度に基づいて、空燃比が所望の値となるように燃料量を制御する。空燃比制御部71は、空燃比フィードバック制御においては以下の式(1)に基づいて燃料量Qを算出する。 Q=Q0×Qfb×Qg ・・・(1) ここで、Q0は、基本燃料量であり、Qfbは、フィードバック補正値であり、Qgは、空燃比学習値である。

基本燃料量Q0は、燃料量の基本値である。空燃比制御部71は、エアフロセンサ81により検出された吸入空気量、又はエンジン本体20の回転数及び要求負荷に基づいて、目標となる空燃比を実現できるように基本燃料量Q0を設定する。基本燃料量QOを規定したマップが、メモリに記憶されている。このとき、空燃比制御部71は、吸気通路10に供給されるパージガスに含まれる空気及び蒸発燃料も考慮して基本燃料量Q0を設定する。

フィードバック補正値Qfbは、基本燃料量Q0を空燃比に基づいて補正するための値である。例えば、フィードバック補正値Qfbの初期値は、1である。フィードバック補正値Qfbは、目標空燃比と実空燃比との偏差に基づいて初期値から増減される。

空燃比学習値Qgは、フィードバック補正量Qfbに恒常的に含まれるズレ量を基本燃料量Q0に反映させるべく、学習値として設定した値である。詳しくは、空燃比制御部71が基本燃料量Q0に相当する指令信号を出力して燃料噴射弁23に燃料を噴射させても、燃料噴射弁23の温度特性や経年劣化が原因で実空燃比が目標空燃比からずれる場合がある。そのような場合には、フィードバック補正量Qfbが温度特性や経年劣化によるズレを補正する成分を恒常的に含むようになる。そのため、空燃比制御部71は、所定の学習条件が成立すると、所定期間におけるフィードバック補正量Qfbの平均値を空燃比学習値Qgとして取得する(以下、この処理を「空燃比学習」という)。

例えば、学習条件は、(i)空燃比フィードバック制御を実行中である、(ii)エンジン水温が所定温度以上である、(iii)高負荷運転のための燃料量の増量補正を行っていない、(iv)負荷変動が安定している(所定幅以下)、(v)排気浄化触媒31のモニタリング運転中でない、(vi)O2センサ85のモニタリング運転中でない、(vii)パージガスの供給を停止している、(viii)パワーステアリング装置、電気負荷、エアコン等の負荷変動時から所定期間が経過している、(ix)減速時燃料カットから所定期間が経過している、(x)所定の周期が到来した等である。(i)は、空燃比学習を実行する前提となる条件である。(ii)は、エンジン水温が低い場合には燃料量を増量している可能性があり、その場合には空燃比も適切な値からずれているためである。(iii)は、(ii)と同様の理由である。(iv)は、負荷変動中の過渡時には、O2センサ85に到達する酸素量にムラがあるためである。(v)は、排気浄化触媒31のモニタリング運転中は、排気浄化触媒31の性能をチェックするために、燃料カットを実行したり、燃料噴射を再開したりして、空燃比及びO2センサ85の検出値が安定していないためである。(vi)は、O2センサ85のモニタリング運転中は、燃料量をリッチにしたり、リーンにしたりして、空燃比及びO2センサ85の検出値が安定していないためである。(vii)パージガスは、空燃比フィードバック制御にとっては外乱となるためである。(viii)は、補機等の負荷が変動する場合には、エンジンの運転状態が安定していないからである。(ix)は、燃料カット時は、気筒内に酸素が充満しており、排気中の酸素濃度が適切な値になるまでに時間を要するためである。(x)は、空燃比学習を周期的に実行するための条件である。つまり、(i)〜(ix)の条件を満たす場合には、空燃比及びO2センサ85の検出値が安定しており、高い精度の空燃比学習値Qgを取得することができる。また、(x)の条件を満たすことにより、空燃比学習を周期的に実行し、空燃比学習値Qgを最新の値に随時更新していくことができる。

パージ制御部72は、吸気通路10へ供給されるパージガスの流量であるパージ流量を、パージバルブ66を調整することによって制御する。例えば、パージ制御部72は、目標パージ流量に応じてパージバルブ66の目標開度を設定し、パージバルブ66の開度を目標開度に調整する。目標パージ流量は、吸入空気量に応じて設定される。具体的には、目標パージ流量は、吸入空気量に比例して設定される。過給時(第1分岐通路64を介してパージガスが供給されるとき)は、パージ制御部72は、第1圧力センサ83及び大気圧センサ80の検出圧力によって求められる導入ノズル67bの前後の圧力から導入ノズル67bの先端周辺に発生する負圧を推定し、この推定負圧とパージバルブ66上流の圧力(大気圧センサ80の検出圧力)と目標パージ流量とに基づいて目標開度を設定する。また、非過給時(第2分岐通路65を介してパージガスが供給されるとき)は、パージ制御部72は、インマニ圧(第2圧力センサ84の検出圧力)とパージバルブ66上流の圧力(大気圧センサ80の検出圧力)と目標パージ流量とに基づいて目標開度を設定する。

尚、パージ制御部72は、燃料カット時やアイドリングストップ時等においては吸気通路10へのパージガスの供給を停止する。

濃度推定部73は、フィードバック補正値Qfbに基づいてパージ濃度を推定する。濃度推定部73は、第1濃度推定と第2濃度推定とを使い分けて実行する。第1濃度推定では、濃度推定部73は、パージガスの供給前後のフィードバック補正値Qfbの偏差に基づいてパージ濃度を推定する。第2濃度推定では、濃度推定部73は、空燃比学習後にパージガスを供給させ、そのパージガスの供給後のフィードバック補正値Qfbに基づいてパージ濃度を推定する。

濃度推定部73は、第1濃度推定及び第2濃度推定の何れにおいても、パージガスを供給することに起因するフィードバック補正値Qfbの変動量に基づいてパージ濃度を推定する。パージガスを吸気通路10へ供給すると、パージガス中の空気及び蒸発燃料によって空燃比が変動する。空燃比が変動すると、それに応じてフィードバック補正値Qfbが変化し、実空燃比を目標空燃比に一致させるように燃料量Qがフィードバック補正される。つまり、パージガスを供給したときのフィードバック補正値Qfbの変動量は、吸気通路10へ供給されたパージガスの量(以下、「パージ量」という)を反映している。濃度推定部73は、このときのフィードバック補正値Qfbの変動量に基づいてパージ濃度を推定する。

第1濃度推定では、パージ前のフィードバック補正値Qfbとパージ後のフィードバック補正値Qfbとの偏差に基づいてパージ濃度を推定するので、フィードバック補正値Qfbに、空燃比学習値Qgとして反映すべき、恒常的な空燃比のズレを補正するための成分が含まれていたとしても、その成分をキャンセルしてパージ濃度を推定することができる。つまり、第1濃度推定では、パージ濃度を推定する際に空燃比学習を実行する必要がないので、その分だけパージ濃度推定が早期に完了するという利点がある。

一方、第2濃度推定は、空燃比学習を実行してから、フィードバック補正値Qfbの初期値とパージ後のフィードバック補正値Qfbとの偏差に基づいてパージ濃度を推定するので、第1濃度推定に比べて、パージ濃度をより精度良く推定することができる。詳しくは、フィードバック補正値Qfbは、本来、目標空燃比からの実空燃比の偏差を抑制するための値であるため、パージによる空燃比の変動を抑制するための値だけでなく、通常のエンジン運転における空燃比の変動を抑制するための値も含み得る。第1濃度推定は、パージ前のフィードバック補正値Qfbとパージ後のフィードバック補正値Qfbとの2つのフィードバック補正値Qfbを用いるのに対し、第2濃度推定は、パージ後のフィードバック補正値Qfbの1つだけを用いる。そのため、第2濃度推定では、第1濃度推定に比べて、通常のエンジン運転における空燃比の変動を抑制するためのフィードバック補正値Qfbの変動の影響が小さく、その分だけパージ濃度を精度良く推定することができる。ただし、第2濃装推定においては、パージ濃度を推定するにあたって空燃比学習を実行する必要があるため、その分だけパージ濃度推定が長期化してしまう。

そこで、濃度推定部73は、濃度推定の迅速性を優先する場合には第1濃度推定を実行し、濃度推定の精度を優先する場合には第2濃度推定を実行する。以下、図3のフローチャートを参照しながら、濃度推定方法について詳細に説明する。

まず、ステップS1において、濃度推定部73は、濃度推定要求が有るか否かを判定する。濃度推定要求は、パージ濃度推定の実行が必要なときに、空燃比制御部71やパージ制御部72等から出力される指令である。例えば、濃度推定要求は、(i)エンジン始動時、(ii)周期的な推定タイミングの到来時、(iii)パージ開始時等に出力される。(i)は、エンジンが停止中に蒸発燃料量が変わり得るからである。(ii)は、時間と共に変わり得るパージ濃度を随時更新するためである。(iii)は、パージを停止している間は、蒸発燃料が増加している可能性が有るからである。このように、パージ濃度が変わり得る状況や正確なパージ濃度を取得したいときに濃度推定要求が出力される。

濃度推定部73は、濃度推定要求がある場合にはステップS2へ進む一方、濃度推定要求が無い場合にはステップS1を繰り返し、濃度推定要求を受け付けるのを待機する。

次に、ステップS2において、濃度推定部73は、直近の所定時間以内に空燃比学習が実行されたか否かを判定する。直近の所定時間は、学習された空燃比学習値Q1がほぼ変わっていない推定できる時間に設定されている。つまり、ステップS2においては、直前に空燃比学習が実行されたか否かが判定される。濃度推定部73は、空燃比学習が実行されていた場合にはステップS5へ進む一方、空燃比学習が実行されていなかった場合には、ステップS3へ進む。

ステップS3においては、濃度推定部73は、パージ優先要求があるか否かを判定する。パージ優先要求は、キャニスタ61における蒸発燃料量が増加しやすい状況であったり、増加している可能性があるときに出力される指令である。例えば、濃度推定部73は、(i)大気圧が所定の基準圧力よりも低い、(ii)現在の吸気温度が所定の基準温度よりも高い、(iii)温間運転後の再始動時の何れかの条件を満たす場合に、パージ優先要求があると判定する。大気圧が低くなると燃料が揮発しやすくなるので、(i)の条件が設定されている。大気圧は、大気圧センサ80により検出される。(ii)に関し、吸気温度は、燃料タンク50内の温度に関連する温度である。つまり、吸気温度が高いことは、環境温度が高いことを意味し、燃料タンク50内の温度も高いことを意味する。そこで、吸気温度によって、燃料タンク50内の温度を間接的に判定し、燃料が揮発しやすいか否かを判定している。吸気温度は、温度センサ82により検出される。(iii)の条件も、燃料タンク50内の温度に関する。温間運転後は、エンジン本体20の温度が高くなっており、同様に、燃料タンク50内の温度も高くなる傾向にある。エンジン本体20の停止中は、パージガスの吸気通路10への供給も停止されるので、蒸発燃料が増加していく。そのため、温間運転後に再始動される場合には、蒸発燃料が増加している可能性が高いとして、パージ優先要求ありと判定する。エンジン本体20の水温は、水温センサ87により検出される。

濃度推定部73は、パージ優先要求がある場合にはステップS9へ進む一方、パージ優先要求が無い場合にはステップS4へ進む。

ステップS4移行においては、濃度推定部73は、第2濃度推定を実行する。具体的には、ステップS4において、濃度推定部73は、空燃比制御部71に空燃比学習を実行させる。空燃比学習中は、前述の如く、パージ制御部72によるパージは停止している。空燃比学習が完了すると、濃度推定部73は、ステップS5において、パージ制御部72にパージを実行させる。その後、濃度推定部73は、パージ後のフィードバック補正値Qfbを読み込み(ステップS6)、フィードバック補正値Qfbの初期値とパージ後のフィードバック補正値Qfbとの偏差を算出し(ステップS7)、その偏差に基づいてパージ濃度を推定する(ステップS8)。

一方、ステップS9移行においては、濃度推定部73は、第1濃度推定を実行する。具体的には、ステップS9において、濃度推定部73は、パージ制御部72によるパージを一旦停止させて、パージ前のフィードバック補正値Qfbを読み込む。その後、濃度推定部73は、パージ制御部72にパージを実行させ(ステップS10)、濃度推定部73は、パージ後のフィードバック補正値Qfbを読み込む(ステップS11)。そして、濃度推定部73は、パージ前のフィードバック補正値Qfbとパージ後のフィードバック補正値Qfbとの偏差を算出し(ステップS12)、その偏差に基づいてパージ濃度を推定する(ステップS13)。

このように、濃度推定部73は、パージ優先要求があるか否かによって第1濃度推定と第2濃度推定とを使い分けている。濃度推定部73は、パージ優先要求がある場合には、濃度推定の迅速性を優先して第1濃度推定を実行する。パージガスの濃度推定に要する時間を短縮することによって、パージを実行する時間を確保することができる。それにより、より多くのパージガスを吸気通路10へ供給することができる。一方、濃度推定部73は、パージ優先要求が無い場合には、濃度推定の精度を優先して第2濃度推定を実行する。第2濃度推定は、空燃比学習を実行する分だけ濃度推定に時間を要してしまう。しかしながら、パージ優先要求が無い状況においては、パージをしばらく停止しても、それほど問題はない。そこで、第2濃度推定では、空燃比学習を実行することによって濃度推定の精度を向上させている。

それに加えて、濃度推定部73は、第1濃度推定と第2濃度推定との使い分けに、直前に空燃比学習が実行されているか否かの判定も用いている。つまり、直前に空燃比学習が実行されている場合には第2濃度推定を実行する一方、直前に空燃比学習が実行されていない場合には、パージ優先要求が無ければ第2濃度推定を実行し、パージ優先要求があれば第1濃度推定を実行する。ただし、直前に空燃比学習が実行されている場合に実行する第2濃度推定においては、本来は第2濃度推定の一環として行う空燃比学習を直前の空燃比学習で代用する。

つまり、直前に空燃比学習が実行されている場合には、その空燃比学習を代用して第2濃度推定を実行することができるので、空燃比学習を改めて行わなくてもよい。つまり、濃度推定の迅速性を確保しつつ、濃度推定の精度も向上させることができる。そのため、直前に空燃比学習が実行されている場合には、パージ優先要求の有無にかかわらず、第2濃度推定を実行する。一方、直前に空燃比学習が実行されていない場合には、パージ優先要求の有無に基づいて、第1濃度推定と第2濃度推定とを使い分ける。この使い分けについては、前述の通りである。

以上のように、ECU70は、エンジン本体20へ供給する燃料量を、空燃比に基づいて算出されるフィードバック補正値Qfbを用いてフィードバック制御する空燃比制御部71と、前記パージシステム60から吸気通路10へ供給されるパージガス中の燃料濃度であるパージ濃度を推定する濃度推定部73とを備え、空燃比制御部71は、フィードバック補正値Qfbに基づいて燃料量の空燃比学習値Qgを算出する空燃比学習を実行し、空燃比学習後は空燃比学習値Qg及びフィードバック補正値Qfbを用いて燃料量をフィードバック制御し、濃度推定部73は、パージシステム60によるパージガスの供給前後のフィードバック補正値Qfbの偏差に基づいてパージ濃度を推定する第1濃度推定と、空燃比制御部71に空燃比学習を実行させた後にパージシステム60にパージガスを供給させ、フィードバック補正値Qfbの初期値とパージガスの供給後のフィードバック補正値Qfbとの偏差に基づいてパージ濃度を推定する第2濃度推定とを使い分けて実行する。

この構成によれば、第1濃度推定においては、パージ前のフィードバック補正値とパージ後のフィードバック補正値との偏差に基づいてパージ濃度を推定する。そのため、フィードバック補正値に恒常的なズレ量を補正するための成分が含まれていても、その成分をキャンセルしてパージ濃度を推定することができる。このとき、つまり、パージ濃度を推定する際に空燃比学習を実行する必要がないので、第1濃度推定は、その分だけパージ濃度推定が早期に完了するという利点がある。

第2濃度推定においては、空燃比学習を実行してから、フィードバック補正値の初期値とパージガス供給後のフィードバック補正値との偏差に基づいてパージ濃度を推定する。そのため、第2濃度推定では、第1濃度推定に比べて、パージガス以外の原因による空燃比のばらつきを低減するためのフィードバック補正値Qfbの変動の影響が小さく、その分だけパージ濃度を精度良く推定することができる。

このように、第1濃度推定は、濃度推定の迅速性の点で有利であり、第2濃度推定は、濃度推定の精度の点で有利である。これら第1濃度推定と第2濃度推定とを状況に応じて使い分けることによって、濃度推定の迅速性を優先したり、濃度推定の精度を優先したりすることができる。

《その他の実施形態》 以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。

前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。

前記エンジン100の構成は、一例に過ぎず、これに限定されるものではない。例えば、エンジン100は、ターボ過給機40を備えているが、ターボ過給機40を備えていなくてもよい。また、パージシステム60は、第1分岐通路64と第2分岐通路65とを有し、パージガスをターボ過給機40の上流側と下流側との両方に供給可能な構成となっているが、これに限られるものではない。パージガスをターボ過給機40の上流側及び下流側の何れか一方だけに供給する構成であっても、本開示における濃度推定を適用することができる。

燃料量Qの算出は、式(1)に基づくものに限られない。燃料量をフィードバック補正値と学習値とを用いて補正できる限りは、任意の算出方法を採用することができる。また、フィードバック補正値も初期値が1の場合に限られない。例えば、燃料量Qの算出方法によっては、フィードバック補正値の初期値が0の場合もあり得る。

また、第1濃度推定と第2濃度推定との使い分けにおいて、直前に空燃比学習が実行されているか否かを判定しているが(ステップS2)、これを省略してもよい。つまり、単純に、パージ優先要求の有無で第1濃度推定と第2濃度推定とを使い分けてもよい。さらに、第1濃度推定と第2濃度推定との使い分けは、パージ優先要求だけでなく、別の因子に基づいて行ってもよい。前述の如く、第1濃度推定は濃度推定の迅速性に優れ、第2濃度推定は濃度推定の精度に優れているので、状況に応じて、即ち、濃度推定の迅速性と濃度推定の精度の何れが要求されるのかに応じて第1濃度推定と第2濃度推定とを使い分ければよい。

尚、前記パージ優先要求は、一例に過ぎず、大気圧、吸気温度、温間運転後の再始動時以外の条件をパージ優先要求としてもよい。例えば、燃料タンク50内又は燃料タンク50の近傍に温度センサを設け、該温度センサによる検出温度が所定の温度以上のときにパージ優先要求があると判定してもよい。

また、第1濃度推定においては、パージ前のフィードバック補正値Qfbを先に取得し、パージ後のフィードバック補正値Qfbを後から取得しているが、その順番は反対であってもよい。

その他、本開示における濃度推定方法による作用効果を実現できる限りは、フローチャートにおけるステップを省略したり、順番を入れ替えたり、さらなるステップを追加してもよい。

以上説明したように、ここに開示された技術は、エンジンの制御装置について有用である。

100 エンジンシステム 10 吸気通路 20 エンジン本体 40 ターボ過給機 50 燃料タンク 60 パージシステム(パージ処理部) 61 キャニスタ 62 パージ通路 66 パージバルブ 67 エジェクタ 70 ECU(制御装置) 71 空燃比制御部 72 パージ制御部 73 濃度推定部

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