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自己加湿性イオン交換複合膜およびその製造方法

阅读:275发布:2023-12-29

专利汇可以提供自己加湿性イオン交換複合膜およびその製造方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】 【解決手段】本発明は多孔性高分子支持体上に芳香族炭化 水 素系高分子イオン交換膜が形成され、前記イオン交換膜の表面にナノクラックのモーフォロジーパターンを有する疎水性 薄膜 コーティング層を含む自己加湿性イオン交換複合膜に関する。本発明によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜は、熱的および化学的安全性および機械的強度に優れるだけでなく、イオン交換能 力 および長期駆動安全性に優れ、高温低加湿の条件でも自己水化能力を有するので、 燃料 電池用電解質膜または水処理用分離膜などに応用されて商用化が可能であると期待される。 【選択図】 図9,下面是自己加湿性イオン交換複合膜およびその製造方法专利的具体信息内容。

a)多孔性高分子支持体; b)前記支持体の表面に形成された芳香族炭化素系高分子イオン交換膜;および c)前記イオン交換膜の表面にナノクラックのモーフォロジーパターンを有する疎水性薄膜コーティング層;を含む、自己加湿性イオン交換複合膜。前記多孔性高分子支持体は、ポリテトラフルオロエチレン、熱転換ポリ(ベンゾオキサゾール−イミド)共重合体、熱転換ポリ(ベンゾチアゾール−イミド)共重合体、熱転換ポリ(ピロロン−イミド)共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリアリレンエーテルスルホン共重合体からなる群から選択されたいずれか1種であることを特徴とする、請求項1に記載の自己加湿性イオン交換複合膜。前記熱転換ポリ(ベンゾオキサゾール−イミド)共重合体は下記の[化1]で表示される繰り返し単位を有することを特徴とする、請求項2に記載の自己加湿性イオン交換複合膜。 (前記化学式1で、Ar1は置換もしくは非置換の4価の炭素数6〜24のアリレン基および置換もしくは非置換の4価の炭素数4〜24の複素環基から選択される芳香族環基であり、 前記芳香族環基は、 単独で存在する; 2個以上が互いに縮合環を形成する; 2個以上が単一結合、O、S、CO、SO2、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦P≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2またはCO−NHで連結されており、 Ar2は置換もしくは非置換の2価の炭素数6〜24のアリレン基および置換もしくは非置換の2価の炭素数4〜24の複素環基から選択される芳香族環基であり、 前記芳香族環基は、 単独で存在する; 2個以上が互いに縮合環を形成する; 2個以上が単一結合、O、S、CO、SO2、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦P≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2またはCO−NHで連結されており、 Qは単一結合、O、S、CO、SO2、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦P≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2、CO−NH、C(CH3)(CF3)、または置換もしくは非置換のフェニレン基であり、 x、yはそれぞれ繰り返し単位内のモル分率で、0.1≦x≦0.9、0.1≦y≦0.9、x+y=1である)前記ポリアリレンエーテルスルホン共重合体は下記の[化2]で表示される繰り返し単位を有する架橋構造のものであることを特徴とする、請求項2に記載の自己加湿性イオン交換複合膜。 (前記化学式2で、Qは単一結合、O、S、C(=O)、C(=O)NH、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦p≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2、またはC(CH3)(CF3)であり、nは繰り返し単位内の構造単位のモル比で、0前記多孔性高分子支持体は電気紡糸膜または不織布であることを特徴とする、請求項1に記載の自己加湿性イオン交換複合膜。前記芳香族炭化水素系高分子は、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンゾオキサゾール系、ポリイミド系、ポリエーテルイミド系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルケトン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリフェニルキノキサリン系、およびこれらの共重合体、ならびにこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の自己加湿性イオン交換複合膜。前記芳香族炭化水素系高分子イオン交換膜は下記の[化3]で表現される第1繰り返し単位および下記[化4]で表現される第2繰り返し単位を含む芳香族炭化水素系高分子と; 下記の[化5]、[化6]または[化7]で表現される芳香族炭化水素系高分子と;のうち一方または両方を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自己加湿性イオン交換複合膜。 (前記化学式3および4で、X1、X2、X3、X4、X5およびX6は互いに同じでも異なっていてもよく、SO2またはOであり、Y1およびY2はSO3HまたはSO3Naであり、n2は100−n1であり、n1は30〜70の範囲に含まれる。) (前記化学式5で、Q1は下記の[化5a]で表現されるものであり、 Q2は下記の[化5b]で表現されるものであり、 Q3は下記の[化5c]で表現されるものであり、 (前記化学式5a、5bおよび5cで、X7、X8、X9、X10、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X24、X25、X26、X27、X28、X29、X30、X31、X32、X33、X34、X35、X36、X37、X39、X40、X41およびX42は互いに同じでも異なっていてもよく、スルフィド(S)、エーテル(O)またはスルホン(SO2)であり、X11、X23、X38はスルホン(SO2)であり、 T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T12、T13、T14、T15、T16、T17、T18、T19、T20、T21、T22、T23、T24、T25、T26、T27、T31、T32、T33、T34、T35、T36、T37、T38、T39、T40、T41、T42、T43、T44、T45、T46、T50、T51、T52、T53、T54、T55、T56およびT57は互いに同じでも異なっていてもよく、フルオロ(F)、ニトリル基(CN)またはスルホン酸基(SO3H)であり、 T9、T10、T28、T29、T48およびT49スルホン酸基(SO3H)であり、 T11、T30およびT47はニトリル基(CN)であり、 k1、k3、およびk5は互いに同じでも異なっていてもよく(親水性部分)、0.4〜0.6の範囲に含まれ、 k2、k4、およびk6はそれぞれ1−k1、1−k3、および1−k5であり(疎水性部分)、互いに同じでも異なっていてもよく、0.6〜0.4の範囲に含まれる。) (前記化学式6で、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7およびX8は互いに同じでも異なっていてもよく、SO2またはOであり、Y1およびY2はSO3HまたはSO3Naであり、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9およびY10はフルオロ(F)であり、Aは5〜30の範囲に含まれ、Bは10〜40の範囲に含まれる。) (前記化学式7で、R=CH2N(CH3)3Clであり、nは30〜70の範囲に含まれる。)前記疎水性薄膜コーティング層は、−CF2−、−CF3またはこれらの組合せである疎水性作用基を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自己加湿性イオン交換複合膜。前記疎水性薄膜コーティング層は、厚さが10〜1000nmであることを特徴とする、請求項1に記載の自己加湿性イオン交換複合膜。I)多孔性高分子支持体を得る段階; II)前記支持体の表面に芳香族炭化水素系高分子をコートしてイオン交換膜を形成する段階;および III)前記イオン交換膜を常圧プラズマで3〜40回繰り返し処理する段階;を含む、自己加湿性イオン交換複合膜の製造方法。前記コーティングは、多孔性高分子支持体を芳香族炭化水素系高分子溶液に浸漬することを特徴とする、請求項10に記載の自己加湿性イオン交換複合膜の製造方法。前記常圧プラズマ処理工程は、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス、ヘリウムガスおよびこれらの組合せから選択される第1ガス;および炭化水素ガス、フッ化炭素ガスおよびこれらの組合せから選択される第2ガスを吹き入れながら行うことを特徴とする、請求項10に記載の自己加湿性イオン交換複合膜の製造方法。前記炭化水素ガスはCH4ガスまたはC2H2ガスであることを特徴とする、請求項12に記載の自己加湿性イオン交換複合膜の製造方法。前記フッ化炭素ガスは、C4F8ガス、CF4ガスまたはこれらの組合せであることを特徴とする、請求項12に記載の自己加湿性イオン交換複合膜の製造方法。請求項1〜9のいずれか一項に記載の自己加湿性イオン交換複合膜を含む、燃料電池。

说明书全文

本発明は自己加湿性イオン交換複合膜およびその製造方法に関し、より詳しくは多孔性高分子支持体上に芳香族炭化素系高分子イオン交換膜を形成し、前記イオン交換膜の表面にナノクラックのモーフォロジーパターンを有する疎水性薄膜コーティング層を含む自己加湿性イオン交換複合膜を製造して燃料電池用電解質膜または水処理用分離膜などに応用する技術に関する。

一般に、イオン交換膜は分離、エネルギー変換および保存装置などに広範囲に応用されているもので、選択的バリアー特性が膜統合システム(membrane−integrated system)において高性能のための必須因子として知られている。バルク状態の物質とは対照的な特性を示す選択的輸送表面を有する膜は多様な応用分野で共通して発生する透過度および選択度のトレードオフ挙動を克服する潜在を持っている。特に、エネルギー変換装置などに応用されるイオン交換膜は膜内含水率の調節が非常に重要である。今までは水を供給する高温で操作するなどの外的な調節方法を用いて膜の自己加湿性を誘導することによってイオン伝導度は多少向上することができたが、依然としてイオン選択度を増加させるのに限界があった(特許文献1)。

特に、単一膜形態のイオン交換膜はイオン交換能力および長期駆動の安全性が落ちるので、燃料電池用電解質膜として適用する場合には、電解質膜の膨潤によって長期安全性が低下する問題があるため、これを解決するために電解質膜の機械的強度を向上させるとともに優れたイオン交換能力を有する多様な複合膜形態の電解質膜を開発する試みが無数にあったが、高いイオン交換能力と長期駆動安全性を同時に満足させるのに困難があるため、商業化に障害物になっている(特許文献2および3)。

一方、本発明者らは、イオン交換膜として熱的および化学的安全性および機械的物性に優れた芳香族炭化水素系高分子イオン交換膜の応用分野を拡大するために研究を繰り返えしたところ、最近に前記イオン交換膜の表面にサボテンの気孔開閉メカニズムと類似したナノクラック(nanocrack)形態のモーフォロジーパターンを形成することができる疎水性薄膜層を導入することができた。その結果、前記ナノクラックがナノバルブのように作用して、除湿時に膜内で水分の脱着を遅延させるとともにイオン伝導度を維持することができ、これによりイオン交換膜のモーフォロジー変形なしに低加湿または無加湿の環境で膜の水化を調節することによって低いバルク抵抗とともにイオン選択度が大きく向上する効果を現した。また、このような優れた研究成果が認められて世界的に著名なジャーナルであるネイチャー(Nature)学術誌に掲載されたことがあるが、研究開発したイオン交換膜の商用化のためには高いイオン交換能力と長期駆動安全性の両者を満たす複合膜形態のイオン交換膜の開発が必要である(非特許文献1)。

したがって、本発明者らは、機械的強度に優れた多孔性高分子支持体上に芳香族炭化水素系高分子イオン交換膜を形成し、前記イオン交換膜の表面にナノクラックのモーフォロジーパターンを有する疎水性薄膜コーティング層を含む自己加湿性イオン交換複合膜を製造することができれば、従来のイオン交換膜に比べて熱的および化学的安全性および機械的強度に優れるだけでなく、特に燃料電池の電解質膜として適用する場合には高いイオン交換能力による電池性能の向上とともに耐久性の向上に起因する長期駆動安全性が具現されることによって商用化が可能であると期待して本発明を完成するのに至った。

大韓民国特許登録第10−0727216号明細書

大韓民国特許登録第10−1178644号明細書

大韓民国特許登録第10−1063215号明細書

Y.M. Lee et al., Nature532,480−483(2016)

本発明はこのような問題点に鑑みて案出されたもので、本発明の目的は、熱的および化学的安全性および機械的強度に優れるだけでなく、イオン交換能力および長期駆動安全性に優れ、高温低加湿の条件(120℃、相対湿度35%)でも自己水化能力を有する自己加湿性イオン交換複合膜およびその製造方法を提供することである。

前述したような目的を達成するための本発明は、a)多孔性高分子支持体;b)前記支持体の表面に形成された芳香族炭化水素系高分子イオン交換膜;およびc)前記イオン交換膜の表面にナノクラックのモーフォロジーパターンを有する疎水性薄膜コーティング層;を含む、自己加湿性イオン交換複合膜を提供する。

前記多孔性高分子支持体は、ポリテトラフルオロエチレン、熱転換ポリ(ベンゾオキサゾール−イミド)共重合体、熱転換ポリ(ベンゾチアゾール−イミド)共重合体、熱転換ポリ(ピロロン−イミド)共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリアリレンエーテルスルホン共重合体からなる群から選択されたいずれか1種であることを特徴とする。

前記熱転換ポリ(ベンゾオキサゾール−イミド)共重合体は下記の[化1]で表示される繰り返し単位を有することを特徴とする。

(前記化学式1で、Ar1は置換もしくは非置換の4価の炭素数6〜24のアリレン基および置換もしくは非置換の4価の炭素数4〜24の複素環基から選択される芳香族環基であり、前記芳香族環基は単独で存在する;2個以上が互いに縮合環を形成する;2個以上が単一結合、O、S、CO、SO2、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦P≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2またはCO−NHで連結されており、Ar2は置換もしくは非置換の2価の炭素数6〜24のアリレン基および置換もしくは非置換の2価の炭素数4〜24の複素環基から選択される芳香族環基であり、前記芳香族環基は単独で存在する;2個以上が互いに縮合環を形成する;2個以上が単一結合、O、S、CO、SO2、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦P≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2またはCO−NHで連結されており、Qは単一結合;O、S、CO、SO2、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦P≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2、CO−NH、C(CH3)(CF3)、または置換もしくは非置換のフェニレン基であり、x、yはそれぞれ繰り返し単位内のモル分率で、0.1≦x≦0.9、0.1≦y≦0.9、x+y=1である) 前記ポリアリレンエーテルスルホン共重合体は下記の[化2]で表示される繰り返し単位を有する架橋構造のものであることを特徴とする。

(前記化学式2で、Qは単一結合、O、S、C(=O)、C(=O)NH、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦p≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2、またはC(CH3)(CF3)であり、nは繰り返し単位内の構造単位のモル比で、0

前記多孔性高分子支持体は電気紡糸膜または不織布であることを特徴とする。

前記芳香族炭化水素系高分子は、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンゾオキサゾール系、ポリイミド系、ポリエーテルイミド系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルケトン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリフェニルキノキサリン系、およびこれらの共重合体、ならびにこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする。

前記芳香族炭化水素系高分子イオン交換膜は、下記の[化3]で表現される第1繰り返し単位および下記[化4]で表現される第2繰り返し単位を含む芳香族炭化水素系高分子と;下記の[化5]、[化6]または[化7]で表現される芳香族炭化水素系高分子と;のうち一方または両方を含むことを特徴とする。

(前記化学式3および4で、X1、X2、X3、X4、X5およびX6は互いに同じでも異なっていてもよく、SO2またはOであり、Y1およびY2はSO3HまたはSO3Naであり、n2は100−n1であり、n1は30〜70の範囲に含まれる。)

(前記化学式5で、Q1は下記の[化5a]で表現されるものであり、

Q2は下記の[化5b]で表現されるものであり、

Q3は下記の[化5c]で表現されるものであり、

(前記化学式5a、5bおよび5cで、X7、X8、X9、X10、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X24、X25、X26、X27、X28、X29、X30、X31、X32、X33、X34、X35、X36、X37、X39、X40、X41およびX42は互いに同じでも異なっていてもよく、スルフィド(S)、エーテル(O)またはスルホン(SO2)であり、X11、X23、X38はスルホン(SO2)であり、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T12、T13、T14、T15、T16、T17、T18、T19、T20、T21、T22、T23、T24、T25、T26、T27、T31、T32、T33、T34、T35、T36、T37、T38、T39、T40、T41、T42、T43、T44、T45、T46、T50、T51、T52、T53、T54、T55、T56およびT57は互いに同じでも異なっていてもよく、フルオロ(F)、ニトリル基(CN)またはスルホン酸基(SO3H)であり、T9、T10、T28、T29、T48およびT49スルホン酸基(SO3H)であり、T11、T30およびT47はニトリル基(CN)であり、k1、k3、およびk5は互いに同じでも異なっていてもよく(親水性部分)、0.4〜0.6の範囲に含まれ、k2、k4、およびk6はそれぞれ1−k1、1−k3、および1−k5であり(疎水性部分)、互いに同じでも異なっていてもよく、0.6〜0.4の範囲に含まれる。)

(前記化学式6で、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7およびX8は互いに同じでも異なっていてもよく、SO2またはOであり、Y1およびY2はSO3HまたはSO3Naであり、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9およびY10はフルオロ(F)であり、Aは5〜30の範囲に含まれ、Bは10〜40の範囲に含まれる。)

(前記化学式7で、R=CH2N(CH3)3Clであり、nは30〜70の範囲に含まれる) 前記疎水性薄膜コーティング層は、−CF2−、−CF3またはこれらの組合せである疎水性作用基を含むことを特徴とする。

前記疎水性薄膜コーティング層は、厚さが10〜1000nmであることを特徴とする。

また、本発明は、I)多孔性高分子支持体を得る段階;II)前記支持体の表面に芳香族炭化水素系高分子をコートしてイオン交換膜を形成する段階;およびIII)前記イオン交換膜を常圧プラズマで3〜40回繰り返し処理する段階;を含む、自己加湿性イオン交換複合膜の製造方法を提供する。

前記コーティングは、多孔性高分子支持体を芳香族炭化水素系高分子溶液に浸漬することを特徴とする。

前記常圧プラズマ処理工程は、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス、ヘリウムガスおよびこれらの組合せから選択される第1ガス;および炭化水素ガス、フッ化炭素ガスおよびこれらの組合せから選択される第2ガスを吹き入れながら行うことを特徴とする。

前記炭化水素ガスはCH4ガスまたはC2H2ガスであることを特徴とする。

前記フッ化炭素ガスは、C4F8ガス、CF4ガスまたはこれらの組合せであることを特徴とする。

また、本発明は、前記自己加湿性イオン交換複合膜を含む、燃料電池を提供する

本発明によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜は、熱的および化学的安全性および機械的強度に優れるだけでなく、イオン交換能力および長期駆動安全性に優れ、特に高温低加湿の条件(120℃、相対湿度35%)でも自己水化能力を有するので、燃料電池用電解質膜または水処理用分離膜などに応用されて商用化が可能であると期待される。

本発明の実施例1による架橋構造のスルホン化ポリアリレンエーテルスルホン共重合体支持体(電気紡糸膜)の製造工程、装置および製造された電気紡糸膜の実物写真である。

本発明の実施例1による、熱架橋反応時間を異にして製造した電気紡糸膜の(a)実物写真および接触イメージである。

図3(a)は本発明の実施例1による[化Ib]で表示される架橋構造の多孔性スルホン化ポリアリレンエーテルスルホン共重合体電気紡糸膜の表面および断面、図3(b)は電気紡糸膜の表面に形成されたイオン交換膜の表面および断面を撮影した走査電子燎微鏡(SEM)イメージである。

本発明の実施例1による通常の電気紡糸膜(BPSH60)、架橋構造の電気紡糸膜(crosslinked BPSH60)の表面に形成されたイオン交換膜(BPSH−RPCM)およびNafion212膜の水素イオン伝導度を示したグラフである。

本発明の実施例1による通常の電気紡糸膜(BPSH60)、架橋構造の電気紡糸膜(crosslinked BPSH60)の表面に形成されたイオン交換膜(BPSH−RPCM)およびNafion212膜の単位電池性能を示したグラフである。

本発明の実施例1による通常の電気紡糸膜(BPSH60)および架橋構造の電気紡糸膜(crosslinked BPSH60)の表面に形成されたイオン交換膜(BPSH−RPCM)の耐久性を示したグラフである。

本発明の実施例1によって製造された目的物である自己加湿性イオン交換複合膜(P−BPSH−RPCM)の表面を観察した原子燎微鏡(AFM)イメージ[(a)常圧プラズマ処理前、(b)常圧プラズマ処理後、(c)拡大イメージ]である。

本発明の実施例2によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜(P−PET RCM R20)の接触角測定結果[(a)常圧プラズマ処理前、(b)常圧プラズマ処理後]である。

本発明の実施例2によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜(P−PET RCM R20)および比較対象としてBPSH60、P−BPSH60 R30およびPET RCMの膨潤度、水分吸収挙動による寸法安全性を示したグラフである。

本発明の実施例2によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜(P−PET RCM R20)および比較対象としてP−BPSH60 R30およびPET RCMの電流密度、出力密度を相異なる温度(℃)および相対湿度(%RH)の条件(80℃/100%RH、100℃/85%RH、120℃/35%RH)の下で測定した結果を示したグラフである。

本発明によって膜表面で水の交換を調節することができるように膜表面に水不透過性の疎水性薄膜が蒸着された概念図である。

本発明によるプラズマ処理装置(a)およびフッ化炭素高分子薄膜層が形成される機構(b)を示す。

以下では、本発明による自己加湿性イオン交換複合膜およびその製造方法について実施例および添付図面に基づいて詳細に説明する。

本発明は、a)多孔性高分子支持体;b)前記支持体の表面に形成された芳香族炭化水素系高分子イオン交換膜;およびc)前記イオン交換膜の表面にナノクラックのモーフォロジーパターンを有する疎水性薄膜コーティング層;を含む、自己加湿性イオン交換複合膜を提供する。

前記多孔性高分子支持体は複合膜の機械的強度を向上させるためのもので、疎水性支持体、親水性支持体または伝導性基を含む支持体のいずれも可能であり、このような多孔性高分子支持体としては、ポリテトラフルオロエチレン、熱転換ポリ(ベンゾオキサゾール−イミド)共重合体、熱転換ポリ(ベンゾチアゾール−イミド)共重合体、熱転換ポリ(ピロロン−イミド)共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリアリレンエーテルスルホン共重合体からなる群から選択されたいずれか1種を使うことができ、熱転換ポリ(ベンゾオキサゾール−イミド)共重合体またはポリアリレンエーテルスルホン共重合体をさらに好ましく使う。

特に、前記熱転換ポリ(ベンゾオキサゾール−イミド)共重合体は下記の[化1]で表示される繰り返し単位を有することがよい好ましい。

(前記化学式1で、 Ar1は置換もしくは非置換の4価の炭素数6〜24のアリレン基および置換もしくは非置換の4価の炭素数4〜24の複素環基から選択される芳香族環基であり、 前記芳香族環基は、 単独で存在する; 2個以上が互いに縮合環を形成する; 2個以上が単一結合、O、S、CO、SO2、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦P≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2またはCO−NHで連結されており、 Ar2は置換もしくは非置換の2価の炭素数6〜24のアリレン基および置換もしくは非置換の2価の炭素数4〜24の複素環基から選択される芳香族環基であり、 前記芳香族環基は、 単独で存在する; 2個以上が互いに縮合環を形成する; 2個以上が単一結合、O、S、CO、SO2、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦P≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2またはCO−NHで連結されており、Qは単一結合;O、S、CO、SO2、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦P≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2、CO−NH、C(CH3)(CF3)、または置換もしくは非置換のフェニレン基であり、 x、yはそれぞれ繰り返し単位内のモル分率で、0.1≦x≦0.9、0.1≦y≦0.9、x+y=1である。)

また、前記ポリアリレンエーテルスルホン共重合体は下記の[化2]で表示される繰り返し単位を有する架橋構造のものであることがより好ましい。

(前記化学式2で、Qは単一結合、O、S、C(=O)、C(=O)NH、Si(CH3)2、(CH2)p(1≦p≦10)、(CF2)q(1≦q≦10)、C(CH3)2、C(CF3)2、またはC(CH3)(CF3)であり、nは繰り返し単位内の構造単位のモル比で、0

前記[化2]で表示される繰り返し単位を有する架橋構造のスルホン化ポリアリレンエーテルスルホン共重合体支持体は下記の[化I]表示される繰り返し単位を有するスルホン化ポリアリレンエーテルスルホン共重合体膜を熱処理することによって高分子骨格の架橋を進めることによって得られる。

(前記化学式Iで、Qおよびnは前記の[化2]で定義したようであり、スルホン化度は10〜90%範囲に調節する。)

前記[化2]で表示される繰り返し単位を有する架橋構造のスルホン化ポリアリレンエーテルスルホン共重合体支持体はスルホン化基を有する高分子を使って支持体の親水性を増大させることにより、内部濃度分極(internal concentration polarization)の低下および膜汚染防止(anti−fouling)の効果を増大させることができる。また、スルホン化基を有する高分子骨格を架橋させることによって機械的物性の向上および化学的安全性をはかって燃料電池電解質膜および水処理分離膜に応用することができるものである。

また、前記多孔性高分子支持体は電気紡糸膜または不織布形態のものが好ましい。一般に、電気紡糸膜は電気紡糸法(electrospinning)によって数百ナノサイズの纎維をボトムアップ(bottom−up)方式で積むことで、小さい厚さおよび連結された気孔構造(interconnected pore structure)によって高気孔率を有する多孔性支持体に製膜することができる。

また、本発明は、熱的および化学的安全性および機械的物性に優れてイオン交換膜の素材として使うことができる芳香族炭化水素系高分子を使う。前記芳香族炭化水素系高分子は、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンゾオキサゾール系、ポリイミド系、ポリエーテルイミド系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルケトン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリフェニルキノキサリン系、およびこれらの共重合体、ならびにこれらの組合せからなる群から選択されるものを使い、高分子鎖の測鎖には正イオン交換基または負イオン交換基を有する。

また、前記芳香族炭化水素系高分子イオン交換膜は下記の[化3]で表現される第1繰り返し単位および下記[化4]で表現される第2繰り返し単位を含む芳香族炭化水素系高分子と;下記の[化5]、[化6]または[化7]で表現される芳香族炭化水素系高分子と;のうち一方または両方を含むものであってもよい。

(前記化学式3および4で、X1、X2、X3、X4、X5およびX6は互いに同じでも異なっていてもよく、SO2またはOであり、Y1およびY2はSO3HまたはSO3Naであり、n2は100−n1であり、n1は30〜70の範囲に含まれる)

(前記化学式5で、Q1は下記の[化5a]で表現されるものであり、

Q2は下記の[化5b]で表現されるものであり、

Q3は下記の[化5c]で表現されるものであり、

(前記化学式5a、5bおよび5cで、 X7、X8、X9、X10、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X24、X25、X26、X27、X28、X29、X30、X31、X32、X33、X34、X35、X36、X37、X39、X40、X41およびX42は互いに同じでも異なっていてもよく、スルフィド(S)、エーテル(O)またはスルホン(SO2)であり、X11、X23、X38はスルホン(SO2)であり、 T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T12、T13、T14、T15、T16、T17、T18、T19、T20、T21、T22、T23、T24、T25、T26、T27、T31、T32、T33、T34、T35、T36、T37、T38、T39、T40、T41、T42、T43、T44、T45、T46、T50、T51、T52、T53、T54、T55、T56およびT57は互いに同じでも異なっていてもよく、フルオロ(F)、ニトリル基(CN)またはスルホン酸基(SO3H)であり、 T9、T10、T28、T29、T48およびT49スルホン酸基(SO3H)であり、 T11、T30およびT47はニトリル基(CN)であり、 k1、k3、およびk5は互いに同じでも異なっていてもよく(親水性部分)、0.4〜0.6の範囲に含まれ、 k2、k4、およびk6はそれぞれ1−k1、1−k3、および1−k5であり(疎水性部分)、互いに同じでも異なっていてもよく、0.6〜0.4の範囲に含まれる。)

(前記化学式6で、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7およびX8は互いに同じでも異なっていてもよく、SO2またはOであり、Y1およびY2はSO3HまたはSO3Naであり、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9およびY10はフルオロ(F)であり、Aは5〜30の範囲に含まれ、Bは10〜40の範囲に含まれる。)

(前記化学式7で、R=CH2N(CH3)3Clであり、nは30〜70の範囲に含まれる。)

また、本発明は、前記イオン交換膜の表面にナノクラックのモーフォロジーパターンを有する疎水性薄膜コーティング層を含むことにより、究極に自己加湿性イオン交換複合膜を提供する。

本発明において、ナノクラックのモーフォロジーパターンを有する疎水性薄膜コーティング層はサボテンの気孔開閉メカニズムをモデルとしたもので、イオン交換膜のモーフォロジーに変形がないながらも低加湿または無加湿環境で膜の水化を調節することができる新概念のものである。図11に示したように、膜表面での水の交換を調節することができるように、膜表面に水不透過性の疎水性薄膜を蒸着(コート)したものである。疎水性薄膜はバルク状の膜内に水を保有するとともに膜の表面を通じて水分子と一緒に輸送されるイオンを遮断しないという矛盾点を解決しなければならない。水が輸送媒体であるとき、イオンの伝導メカニズムは薄膜の疎水性バリアーであってもイオン伝導度を著しく減少させる点に注目する必要がある。したがって、このような矛盾を克服するために、本発明は加湿条件の下で開くナノクラックの水路(water channel)を有する疎水性薄膜をイオン交換膜の表面に蒸着したものである。

すなわち、水を吸収してイオン交換膜が膨潤(swelling)する場合、イオン交換膜の膨潤比(swelling ratio)によってナノクラック間の間隔が大きくなって水路が開放し、水化したイオン交換膜が乾燥する場合、ナノクラック間の間隔が減少して水路が閉鎖することによって脱水速度が遅くなり、イオン交換膜の内部で水が完全に乾燥せずに保有されることがある。このように、イオン交換膜の内部に水が一部維持されることにより、中高温および低湿の条件の下でもイオン交換膜を通じてイオンが効果的に伝達されることができるので、自己加湿性膜と言えるものである。

また、前記疎水性薄膜コーティング層は、−CF2−、−CF3またはこれらの組合せである疎水性作用基を含むことができる。ここで、前記疎水性薄膜コーティング層はその厚さが10〜1000nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。前記疎水性薄膜コーティング層の厚さが10〜1000nmの範囲を外れれば、膜の抵抗によるイオン伝導性が落ちることがある。

また、本発明は、I)多孔性高分子支持体を得る段階;II)前記支持体の表面に芳香族炭化水素系高分子をコートしてイオン交換膜を形成する段階;およびIII)前記イオン交換膜を常圧プラズマで3〜40回繰り返し処理する段階;を含む、自己加湿性イオン交換複合膜の製造方法を提供する。

まず、前記I)段階では多孔性高分子支持体を得る。ここで、商用化した支持体を使うこともでき、上述した[化1]で表示される繰り返し単位を有する熱転換ポリ(ベンゾオキサゾール−イミド)共重合体または[化2]で表示される繰り返し単位を有する架橋構造のポリアリレンエーテルスルホン共重合体を公知の方法で合成および電気紡糸膜の形態に製膜することによって得ることもできる。

ついで、前記II)段階では、前記支持体の表面に芳香族炭化水素系高分子をコートしてイオン交換膜を形成する。ここで、上述した支持体の素材と同種のものをコートすることもでき、その他にポリベンズイミダゾール系、ポリベンゾオキサゾール系、ポリイミド系、ポリエーテルイミド系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルケトン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリフェニルキノキサリン系、およびこれらの共重合体、ならびにこれらの組合せからなる群から選択されるもので、高分子鎖の測鎖に正イオン交換基または負イオン交換基を有する芳香族炭化水素系高分子をコートすることもできる。このとき、前記コーティング工程は上述した多孔性高分子支持体を芳香族炭化水素系高分子溶液に浸漬することによって行うことが好ましい。

最後に、前記III)段階では、前記イオン交換膜を常圧プラズマで3〜40回繰り返し処理することによって目的物である本発明の自己加湿性イオン交換複合膜を製造する。

前記常圧プラズマ処理工程はプラズマ状態で部分的にイオン化したガスにイオン交換膜の表面を露出させて表面を改質する方法である。このような方法はとても小さい表面で行われるから、イオン交換膜そのものの損傷および内部の大きな物性変化なしに処理することができ、汚染物質が少ないという利点を有する。

ここで、前記常圧プラズマ処理工程は、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス、ヘリウムガスおよびこれらの組合せから選択される第1ガス;および炭化水素ガス、フッ化炭素ガスおよびこれらの組合せから選択される第2ガスを吹き入れながら行うものである。前記炭化水素ガスはCH4ガスまたはC2H2ガスであってもよく、前記フッ化炭素ガスはC4F8ガス、CF4ガスまたはこれらの組合せであってもよい。

前記常圧プラズマ処理工程の繰り返し回数が3回未満であれば、疎水性コーティング層が十分に蒸着することができなくてコーティング層が完全に形成されることができなく、40回を超える場合にはプラズマ重合(plasma polymerization)があまりにも活性化し、コーティング層があまりにも厚く形成されてイオン伝導性を低下させることがある。

前記常圧プラズマ処理工程の一具現例として、第1ガスであるキャリアガスとしてヘリウムガスを、第2ガスである反応ガスとしてオクタフルオロシクロブタン(C4F8)を使い、RF(radio−frequency)電力を受け、−CF2、−CF3などのラジカル、イオンおよびプラズマを常圧で発生させて繰り返し処理(3回〜40回)することによって芳香族炭化水素系高分子イオン交換膜の表面に厚さ10〜1000nmのフッ化炭素高分子薄膜層を効果的に蒸着(コーティング)することにより、芳香族炭化水素系高分子イオン交換膜の疎水性を増加させる。従来の疎水性処理は、疎水性有無機粒子および物質を添加してイオン交換膜全体の物性および構造が変わったが、本発明による常圧プラズマ処理の場合には、既存のイオン交換膜の物性および物理化学的構造の変化なしにただ表面のモーフォロジーと親水性/疎水性を変化させることが可能である。また、誘電体バリアー放電(dielectric barrier discharge、DBD)方式の大気圧プラズマ処理とは違い、コンベヤーベルト式の大容量連続プラズマ処理が可能であり、イオン交換膜の疎水性表面処理に適したプラズマ重合反応の調節が可能である。図12に本発明によるプラズマ処理装置(a)およびフッ化炭素高分子薄膜層が形成される機構(b)を示した。

本発明の前記常圧プラズマ処理工程によると、芳香族炭化水素系高分子イオン交換膜のナノサイズの親水性領域(hydrophilic domain)と疎水性領域(hydrophobic domain)の比率によって多様に形成される疎水性プラズマコーティング層は、イオン交換膜の水化膨脹率によって、水化時に疎水性プラズマコーティング層の表面に幅10nm〜500nmのナノクラック(nano−crack)が形成された後、乾燥過程と含水率および膨脹率によってナノクラックの大きさが5nm〜100nmに縮小し、ナノクラックの分布が制御されてイオン交換膜からの水分放出を効果的に遅延させることにより、中高温(30〜120℃)および低加湿(相対湿度30%〜100%)の条件で優れた水化維持能力を確保することができる。このような疎水性プラズマコーティング層制御メカニズムは水化条件によって可逆的に制御することができ、イオン交換膜の耐久性を向上させる。これは従来の高分子フィルムおよび無機物質の表面に形成された1μmを超える疎水性プラズマコーティング層では見られなかった自律的表面制御システムであり、単純な疎水性処理を脱して湿潤膨脹による表面モーフォロジーの制御が可能である。

特に、スルホン化基(SO3HまたはSO3Na)を有するポリアリレンエーテルスルホン系イオン交換膜の場合には、スルホン化度(40〜60)によって特有の親水性ナノサイズのクラック表面モーフォロジーを形成しながら、固有のイオン伝導度(ion conductivity)減少およびイオン交換能力(ion exchange capacity)減少の現象なしにイオン交換膜の内部からの水分拡散を効果的に遅延させ、その結果として低加湿の条件でもイオン伝導度が向上する効果を現す。

また、本発明は上述したような自己加湿性イオン交換複合膜を含む燃料電池を提供する。

(実施例) 以下、本発明による実施例を添付図面に基づいて具体的に説明する。

(実施例1) 下記の[化Ia]で表示されるスルホン化ポリアリレンエーテルスルホンを公知の方法で合成した。

前記合成されたスルホン化ポリアリレンエーテルスルホンをN−メチルピロリドン(NMP)溶媒に溶かして10重量%の溶液を準備した。23Gニードルを装着した10mlシリンジに高分子溶液6mlを充填した後、電気紡糸装置(ES−robot、NanoNC、大韓民国)のシリンジポンプに装着し、通常の電気紡糸条件で紡糸して電気紡糸膜を得た(BPSH60)。前記得られた電気紡糸膜をジメチルスルホキシド(DMSO)蒸気の雰囲気で180℃で5時間熱処理することにより、支持体として下記の[化学式Ib]で表示される架橋構造の多孔性スルホン化ポリアリレンエーテルスルホン共重合体電気紡糸膜を製造し(crosslinkedBPSH60)、図1に示した製造工程および装置によって欠陥のない電気紡糸膜が安定的に製造されたことを確認した。

(前記化学式Ibで、nは0.6である。)

ついで、前記架橋構造の多孔性スルホン化ポリアリレンエーテルスルホン共重合体電気紡糸膜を前記合成されたスルホン化ポリアリレンエーテルスルホン共重合体溶液に浸漬して電気紡糸膜の表面にイオン交換膜を形成した(BPSH−RPCM)。ついで、前記電気紡糸膜(支持体)の表面に形成されたイオン交換膜を常圧プラズマチャンバー内でサンプル固定台に載せ、上に向かう一面は常圧プラズマ発生装置に向かうようにし、これに対向する他の一面はサンプル固定台の底に向かうようにした。このとき、ヘリウムガスを20L/分の速度で、かつC4F8ガスを10ml/分の速度で吹き入れながら、13.56MHz RFおよび150W出力の条件の下で常圧プラズマ処理し、前記常圧プラズマ処理を30回繰り返し行うことによって目的物である自己加湿性イオン交換複合膜(P−BPSH−RPCM)を製造した。

(実施例) 多孔性高分子支持体として商業化したポリエチレンテレフタレート(PET)不織布を使い、前記PET不織布の表面に実施例1の[化Ia]で表示されるスルホン化ポリアリレンエーテルスルホン(BPSH60)イオン交換膜を形成し(PET RCM)、前記イオン交換膜(PET RCM)に対して実施例1と同じ条件の下で常圧プラズマ処理を20回繰り返し行うことによって目的物である自己加湿性イオン交換複合膜(P−PET RCM R20)を製造した。

図2には本発明の実施例1による、熱架橋反応時間を異にして製造した電気紡糸膜の(a)実物写真および接触角イメージを示したもので、架橋時間が増加するに伴って電気紡糸膜(支持体)の色が茶色に変わり、接触角が増加することによって疎水性に変化することを確認した。

図3(a)は本発明の実施例1による[化Ib]で表示される架橋構造の多孔性スルホン化ポリアリレンエーテルスルホン共重合体電気紡糸膜の表面および断面、図3(b)は電気紡糸膜の表面に形成されたイオン交換膜の表面および断面を撮影した走査電子燎微鏡(SEM)イメージを示したもので、架橋構造を有する多孔性スルホン化ポリアリレンエーテルスルホン共重合体電気紡糸膜の表面に均一なイオン交換膜が形成されたことを確認することができる。

図4は本発明の実施例1による通常の電気紡糸膜(BPSH60)、架橋構造の電気紡糸膜(crosslinked BPSH60)の表面に形成されたイオン交換膜(BPSH−RPCM)およびNafion212膜の水素イオン伝導度をグラフで示したもので、通常の電気紡糸膜(BPSH60)および架橋構造の電気紡糸膜(crosslinked BPSH60)の表面に形成されたイオン交換膜(BPSH−RPCM)はNafion212膜に比べて厚さ方向の水素イオン伝導度が向上したことが分かる。

図5には本発明の実施例1による通常の電気紡糸膜(BPSH60)、架橋構造の電気紡糸膜(crosslinked BPSH60)の表面に形成されたイオン交換膜(BPSH−RPCM)およびNafion212膜の単位電池性能をグラフで示したもので、架橋構造の電気紡糸膜(crosslinked BPSH60)の表面に形成されたイオン交換膜(BPSH−RPCM)が通常の電気紡糸膜(crosslinked BPSH60)およびNafion212膜に比べて単位電池の性能が大きく向上したことを確認することができる。

また、図6には本発明の実施例1による通常の電気紡糸膜(BPSH60)および架橋構造の電気紡糸膜(crosslinked BPSH60)の表面に形成されたイオン交換膜(BPSH−RPCM)の耐久性をグラフで示したもので、架橋構造の電気紡糸膜(crosslinked BPSH60)の表面に形成されたイオン交換膜(BPSH−RPCM)が通常の電気紡糸膜(BPSH60)に比べて2.5倍の駆動時間を確保した耐久性を有することを確認した。

図7には本発明の実施例1によって製造された目的物である自己加湿性イオン交換複合膜(P−BPSH−RPCM)の表面を観察した原子燎微鏡(AFM)イメージ[(a)常圧プラズマ処理前、(b)常圧プラズマ処理後、(c)表面拡大イメージ]を示したもので、(c)の表面拡大イメージからナノクラックのモーフォロジーパターンを確認することができる。また、図7に示した原子燎微鏡(AFM)イメージの粗度(roughness)は従来の単一膜の粗度より大きく増加した。これは自己加湿性イオン交換複合膜(P−BPSH−RPCM)の表面にナノクラックが形成されたことを裏付けるものであり、また実施例2によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜(P−PET RCM R20)からも同様な結果を得た。

図8には本発明の実施例2によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜(P−PET RCM R20)の接触角測定の結果[(a)常圧プラズマ処理前、(b)常圧プラズマ処理後]を示したもので、常圧プラズマを処理する前に接触角が66.5°であったが、常圧プラズマを処理した後に91.1°に増加するこら疎水性薄膜のコーティング層が形成されたことを確認することができる。

図9には本発明の実施例2によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜(P−PET RCM R20)とともに、比較対象としてBPSH60(単一膜)、P−BPSH60 R30(単一膜を常圧プラズマで30回繰り返し処理したもの)およびPET RCM(実施例2に開示された常圧プラズマ処理しなかった複合膜)の膨潤度による寸法安全性と水分吸収挙動などを示した。図9に示すように、複合膜は、単一膜に比べ、支持体の影響によって水分吸収量(Water uptake、vol%)が少ないが、常圧プラズマ処理によって水分吸収量が多少増加することが分かる。

一方、通常の高分子電解質膜を燃料電池に適用して燃料電池を駆動するとき、膨潤度の指標である高い面内膨潤比(in−plane swelling ratio)(BPSH60単一膜の場合、50〜60%)によって物理的な破壊(physical failure)を引き起こすことによって商用化に制約が伴う。しかし、本発明の実施例2のように、複合膜(PET RCM)の場合には面内膨潤比(in−plane swelling ratio)が20%程度に大きく減少し、これに加え、複合膜を商業用プラズマで処理すれば約6%以内に著しく減ることが図9から分かるので、商用化を期待することができる。

また、下記の表1には本発明の実施例2によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜(P−PET RCM R20)とともに、比較対象としてBPSH60(単一膜)、P−BPSH60 R30(単一膜を常圧プラズマで30回繰り返し処理したもの)およびPET RCM(実施例2に開示された常圧プラズマ処理しなかった複合膜)の水素イオン伝導度(proton conductivity)を相異なる温度(℃)および相対湿度(%RH)の条件の下で測定した結果を記載した。

表1に示すように、複合膜は単一膜に比べて水素イオン伝導度が多少低いが、複合膜を常圧プラズマで処理すれば単一膜と類似した程度の水素イオン伝導度を示すことが分かり、特に高温低加湿の条件(120℃/35%RH)で本発明の実施例2によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜(P−PET RCM R20)は単一膜(BPSH60)と同等な水準の水素イオン伝導度を有することを確認することができるので、燃料電池の高分子電解質膜として適用する場合、高温低加湿の条件の下でも燃料電池の駆動が可能であって商用化が可能である。

図10には本発明の実施例2によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜(P−PET RCM R20)とともに、比較対象としてP−BPSH60 R30およびPET RCMの電流密度、出力密度を相異なる温度(℃)と相対湿度(%RH)の条件(80℃/100%RH、100℃/85%RH、120℃/35%RH)の下で測定した結果を示した。図10に示すように、一般的に燃料電池の最大出力領域である0.6V基準の電流密度(current density)と出力密度(power density)の数値は、複合膜であるPET RCMがプラズマ処理した単一膜であるP−BPSH60 R30に比べて支持体の影響によって3種の相異なる温度および相対湿度の条件の下でいずれも低いことが分かる。しかし、常圧プラズマ処理したイオン交換複合膜であるP−PET RCM R20は、常圧プラズマ処理しなかった複合膜であるPET RCMに比べ、相対的に低温高加湿(80℃/100%RH)では多少低い性能を示したが、高温低加湿の条件(120℃/35%RH)に変わるほど優れた電流密度および出力密度を示すことを確認した。

上述したように、本発明によって製造された自己加湿性イオン交換複合膜は熱的および化学的安全性および機械的強度に優れるだけでなく、イオン交換能力および長期駆動安全性に優れ、特に高温低加湿の条件(120℃、相対湿度35%)でも自己水化能力を有するので、燃料電池用電解質膜または水処理用分離膜などに応用されて商用化が可能であると期待される。

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