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冷却システムdT/dtに基づく制御

阅读:670发布:2023-12-28

专利汇可以提供冷却システムdT/dtに基づく制御专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】車両で使用される 燃料 電池スタックの 温度 を厳密に制御するシステム及び方法を提供する。 【解決手段】車両100において、燃料電池回路118を加熱又は冷却するシステム101は、燃料電池を流れる熱媒の 流体 温度の温度センサ108、温度を増加又は減少するためのアクチュエータと、電子制御ユニット(ECU)102から構成される。ECU102は、燃料電池スタックに対応するとともに、パワー要求に基づく目標燃料電池温度を受信し、目標燃料電池温度を達成するために、現在の燃料電池温度の所望温度変化率を決定して、温度の増減するようにアクチュエータを制御する。 【選択図】図1,下面是冷却システムdT/dtに基づく制御专利的具体信息内容。

車両の燃料電池回路を加熱又は冷却するシステムであって、 複数の燃料電池を有し、流体を受け入れるように構成された燃料電池スタックと、 前記流体の流体温度を検出するように構成された温度センサと、 前記燃料電池スタックに接続され、前記流体温度を増加又は減少するように構成されたアクチュエータと、 前記温度センサに接続された電子制御ユニット(ECU)であって、 前記燃料電池スタックに対応するとともに前記車両のパワー要求に基づく目標燃料電池温度を受信し、 前記目標燃料電池温度に基づいて、前記目標燃料電池温度を達成するための、前記燃料電池スタックの現在の燃料電池温度の所望温度変化率に対応する温度変化率を決定し、 前記現在の燃料電池温度を前記目標燃料電池温度まで増加又は減少させるために、前記温度変化率に基づいて前記流体温度を増加又は減少させるように前記アクチュエータを制御する ECUと、 を備えることを特徴とするシステム。前記温度変化率を含む複数の温度変化率に対して、前記目標燃料電池温度及び前記現在の燃料電池温度に対応する温度情報を含む複数の目標燃料電池温度の組み合わせをマッピングしたルックアップテーブルを格納するように構成されたメモリを更に備え、前記ECUは、前記目標燃料電池温度と前記温度情報とを前記ルックアップテーブルに適用することにより前記温度変化率を決定するように更に構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。前記温度情報は、前記目標燃料電池温度と前記現在の燃料電池温度との間の差分に夫々対応する複数の温度差を含んでおり、前記ECUは、前記目標燃料電池温度から前記現在の燃料電池温度を差し引くことにより前記温度情報を決定するように更に構成されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。前記ルックアップテーブルは、速温度増加に対応する第1区画と、減エネルギ温度増加に対応する第2区画と、減エネルギ温度減少に対応する第3区画と、速温度減少に対応する第4区画と、を含む複数の区画を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。前記ECUは、前記現在の燃料電池温度を減少させるとともに前記燃料電池スタック内に湿気を確保するために、パワー減少要求の第1部分の間は前記第4区画にあるように前記温度変化率を決定し、また前記第4区画においてパワーを確保するための速度よりも遅い速度で前記現在の燃料電池温度を減少させるために、前記パワー減少要求の第2部分の間は前記第3区画にあるように前記温度変化率を決定するように更に構成されることを特徴とする請求項4に記載のシステム。前記アクチュエータは、 ラジエータから熱を吹き去るように構成されたラジエータファンと、 前記流体の流速を増加又は減少するように構成されたポンプと、 前記ラジエータをバイパスするバイパス回路支流と、又は前記流体を冷却する前記ラジエータを含む第2支流との少なくとも一方に流れをそらすように構成された三方弁と、 を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。前記燃料電池スタックは、前記流体を受け入れるように構成された入口と、前記流体を出するように構成された出口とを有しており、 前記温度センサは、前記燃料電池スタックの前記出口に接続されており、 前記流体温度は、前記現在の燃料電池温度であり、前記燃料電池スタックの前記出口で測定される ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。前記ECUは、前記燃料電池回路の初期暖機時に前記入口での目標燃料電池入口温度を設定し、前記燃料電池回路の前記初期暖機時に現在の入口温度を前記目標燃料電池入口温度に向かって増加させるために、前記流体温度を増加させるように前記アクチュエータを制御するように更に構成されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。車両の燃料電池回路を加熱又は冷却するシステムであって、 複数の燃料電池、流体を受け入れるように構成された入口、及び、前記流体を出力するように構成された出口を有する燃料電池スタックと、 前記出口での前記流体の温度に対応する現在の出口温度を検出するように構成された温度センサと、 前記燃料電池スタックに接続され、前記流体を加熱又は冷却するように構成されたアクチュエータと、 前記温度センサに接続された電子制御ユニット(ECU)であって、 前記車両のパワー要求に基づく目標出口温度を受信し、 前記目標燃料電池温度に基づいて、前記目標出口温度を達成するための、前記現在の出口温度の所望変化率に対応する温度変化率を決定し、 前記温度変化率に基づいて前記現在の出口温度を増加又は減少させるように前記アクチュエータを制御する ECUと、 を備えることを特徴とするシステム。前記温度変化率を含む複数の温度変化率に対して、前記目標出口温度及び前記現在の出口温度に対応する温度情報を含む複数の目標出口温度の組み合わせをマッピングしたルックアップテーブルを格納するように構成されたメモリを更に備え、前記ECUは、前記目標出口温度と前記温度情報とを前記ルックアップテーブルに適用することにより前記温度変化率を決定するように更に構成されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。前記温度情報は、前記目標出口温度と前記現在の出口温度との間の差分に夫々対応する複数の温度差を含んでおり、前記ECUは、前記目標出口温度から前記現在の出口温度を差し引くことにより前記温度情報を決定するように更に構成されることを特徴とする請求項10に記載のシステム。前記ルックアップテーブルは、速温度増加に対応する第1区画と、減エネルギ温度増加に対応する第2区画と、減エネルギ温度減少に対応する第3区画と、速温度減少に対応する第4区画と、を含む複数の区画を含むことを特徴とする請求項10に記載のシステム。前記ECUは、 前記現在の出口温度を減少させるとともに前記燃料電池スタック内に湿気を確保するために、パワー減少要求の第1部分の間は前記温度変化率が前記第4区画にあると決定し、また前記第4区画においてパワーを確保するための速度よりも遅い速度で前記現在の出口温度を減少させるために、前記パワー減少要求の第2部分の間は前記温度変化率が前記第3区画にあると決定するように更に構成されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。前記アクチュエータは、 ラジエータから熱を吹き去るように構成されたラジエータファンと、 前記流体の流速を増加又は減少するように構成されたポンプと、 前記ラジエータをバイパスするバイパス回路支流と、又は前記流体を冷却する前記ラジエータを含む第2支流との少なくとも一方に流れをそらすように構成された三方弁と、 を含むことを特徴とする請求項9に記載のシステム。前記ECUは、前記燃料電池回路の初期暖機時に前記入口での流体温度に対応する目標燃料電池入口温度を設定し、前記燃料電池回路の前記初期暖機時に前記入口での前記流体温度を前記目標燃料電池入口温度に向かって増加させるために、前記流体を加熱するように前記アクチュエータを制御するように更に構成されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。車両の燃料電池回路を加熱又は冷却する方法であって、 温度センサにより、前記燃料電池回路内の流体の流体温度を決定する工程と、 電子制御ユニット(ECU)により、燃料電池スタックに対応するとともに前記車両のパワー要求に基づく目標燃料電池温度を決定する工程と、 前記ECUにより、前記目標燃料電池温度に基づいて、前記目標燃料電池温度を達成するための、前記燃料電池スタックの現在の燃料電池温度の所望温度変化率に対応する温度変化率を決定する工程と、 前記ECUにより、前記現在の燃料電池温度を前記目標燃料電池温度まで増加又は減少させるために、前記温度変化率に基づいて前記流体温度を増加又は減少させるようにアクチュエータを制御する工程と、 を備えることを特徴とする方法。前記温度変化率を含む複数の温度変化率に対して、前記目標燃料電池温度を含む複数の目標燃料電池温度と、前記目標燃料電池温度及び前記現在の燃料電池温度の間の差分に夫々対応する複数の温度差との組み合わせをマッピングしたルックアップテーブルをメモリに格納する工程を更に備え、前記温度変化率を決定する工程は、前記目標燃料電池温度と現在の温度差とを前記ルックアップテーブルに適用することを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。前記ルックアップテーブルは、速温度増加に対応する第1区画と、減エネルギ温度増加に対応する第2区画と、減エネルギ温度減少に対応する第3区画と、速温度減少に対応する第4区画と、を含む複数の区画を含み、 前記温度変化率を決定する工程は、前記現在の燃料電池温度を減少させるとともに前記燃料電池スタック内に湿気を確保するために、パワー減少要求の第1部分の間は前記第4区画にあるように前記温度変化率を決定し、また前記第4区画においてパワーを確保するための速度よりも遅い速度で前記現在の燃料電池温度を減少させるために、前記パワー減少要求の第2部分の間は前記第3区画にあるように前記温度変化率を決定する工程を含むことを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。前記温度センサは、前記燃料電池スタックの出口に接続されており、前記流体温度は、前記現在の燃料電池温度であり、前記燃料電池スタックの前記出口で測定されることを特徴とする請求項16に記載の方法。前記ECUにより、前記燃料電池回路の初期暖機時に前記燃料電池スタックの入口での目標燃料電池入口温度を設定する工程と、 前記ECUにより、前記燃料電池回路の前記初期暖機時に現在の入口温度を前記目標燃料電池入口温度に向かって増加させるために、前記流体温度を増加させるように前記アクチュエータを制御する工程と、 を更に備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。

说明书全文

本明細書は、燃料電池回路の燃料電池スタックを通って流れる流体温度を、燃料電池回路の多数のアクチュエータのフィードフォワード及びフィードバック制御に基づいて、冷却するシステム及び方法に関する。

自然資源の保護の推進及び減公害促進という目標を達成するために、様々な構想が開示されている。これらの構想は、風及び太陽光エネルギの収穫から、車両設計における様々な改良までわたる。車両改良は、燃料経済を改良するように設計された新しいエンジン、燃料経済をより改良するために、エンジンとモータジェネレータとの組み合わせを用いて動くハイブリッド車両、バッテリに蓄えられたパワーに基づいて動く完全電気車両、及び、化学反応を促進することにより電力を生成する燃料電池車両を含んでいる。

多くの燃料電池車両は、多数の燃料電池を含む燃料電池スタックを含んでいる。燃料電池は、典型的には素を、酸素又は他の酸化剤と一緒に含む流体を受け入れることがある。燃料電池スタックは、水素と酸素との間の化学反応を促進することがある。この化学反応は、電力と、副産物としての水とを生成する。燃料電池スタックにより生成された電力は、バッテリに蓄えられてもよいし、車両を推進するための機械的なパワーを生成するために、モータジェネレータに直接供給されてもよい。自動車産業において、燃料電池車両は盛んに促進されており、技術は比較的新しく、技術を改良するための余地を提供している。

燃料電池にとって、所定の温度範囲内での動作が望ましい。仮に温度が非常に低ければ、燃料電池によるパワー出力も比較的低くなるだろう。仮に温度が非常に高ければ、燃料電池が完全に乾き、燃料電池を損傷又は破壊するだろう。

従って、車両で使用される燃料電池スタックの温度を厳密に制御するシステム及び方法について、技術的なニーズがある。

ここに、車両の燃料電池回路を加熱又は冷却するシステムを開示する。当該システムは、流体を受け入れるように設計された複数の燃料電池を有する燃料電池スタックを含んでいる。当該システムは、流体の流体温度を検出するための温度センサも含んでいる。当該システムは、燃料電池スタックに接続されるとともに、流体温度を増加又は減少するように設計されたアクチュエータも更に含んでいる。当該システムは、温度センサに接続された電子制御ユニット(ECU)も更に含んでいる。当該ECUは、燃料電池スタックに対応するとともに車両のパワー要求に基づく目標燃料電池温度を受信するように設計されてよい。当該ECUは、前記目標燃料電池温度に基づいて、前記目標燃料電池温度を達成するための、燃料電池スタックの現在の燃料電池温度の所望温度変化率に対応する温度変化率を決定するように更に設計されてよい。当該ECUは、現在の燃料電池温度を目標燃料電池温度まで増加又は減少させるために、温度変化率に基づいて流体温度を増加又は減少させるようにアクチュエータを制御するように更に設計されてよい。

ここに、車両の燃料電池回路を加熱又は冷却するシステムも開示する。当該システムは、複数の燃料電池、流体を受け入れるように構成された入口、及び、前記流体を出力するように構成された出口を有する燃料電池スタックを含んでいる。当該システムは、出口での流体の温度に対応する現在の出口温度を検出するように構成された温度センサも含んでいる。当該システムは、燃料電池スタックに接続され、流体を加熱又は冷却するように構成されたアクチュエータも含んでいる。当該システムは、温度センサに接続された電子制御ユニット(ECU)も含んでいる。当該ECUは、車両のパワー要求に基づく目標出口温度を受信するように設計されている。当該ECUは、目標燃料電池温度に基づいて、目標出口温度を達成するために、現在の出口温度の所望変化率に対応する温度変化率を決定ように更に設計されている。当該ECUは、温度変化率に基づいて現在の出口温度を増加又は減少させるようにアクチュエータを制御ように更に設計されている。

ここに、車両の燃料電池回路を加熱又は冷却する方法も開示する。当該方法は、温度センサにより、燃料電池回路内の流体の流体温度を決定する工程を含んでいる。当該方法は、電子制御ユニット(ECU)により、燃料電池スタックに対応するとともに車両のパワー要求に基づく目標燃料電池温度を決定する工程を更に含んでいる。当該方法は、ECUにより、目標燃料電池温度に基づいて、前記目標燃料電池温度を達成するための、燃料電池スタックの現在の燃料電池温度の所望温度変化率に対応する温度変化率を決定する工程を更に含んでいる。当該方法は、ECUにより、現在の燃料電池温度を目標燃料電池温度まで増加又は減少させるために、温度変化率に基づいて流体温度を増加又は減少させるようにアクチュエータを制御する工程を更に含んでいる。

本発明の他のシステム、方法、特徴及び利益は、以下の図面及び詳細な説明の検査に基づいて、当業者に明らかになるだろう。このような付加的なシステム、方法、特徴及び利益全ては、この明細書に含まれ、本発明の範囲内であり、不随のクレームにより保護される。図面に示された構成部分は、縮尺を必要とせず、本発明の重要な特徴がよく描かれるように誇張されている。図面では、全図をつうじて、同様の部分には同様の参照符号が付されている。

本発明の実施形態に係る、化学反応に基づいて電力を生成可能な燃料電池回路を有する車両の様々な構成を描くブロック図である。

本発明の実施形態に係る図1の燃料電池回路の様々な特徴を描くブロック図である。

本発明の実施形態に係る燃料電池回路の流体の温度を増加又は減少する、図1の車両の電子制御ユニット(ECU)の様々な論理構成を描くブロック図である。

は、本発明の実施形態に係る、流体の温度を、流体の所望温度に到達させるために、燃料電池回路の変化の所望温度比を決定する方法を描くフローチャートである。

本発明の実施形態に係る図4の方法の模範的な実行を描くグラフである。

本発明の実施形態に係る、温度差に対する目標燃料電池出口温度を描くルックアップテーブルである。

本発明の実施形態に係る図4の方法と同様の方法を用いて制御される燃料電池回路の流体の要求及び実際の温度を描くグラフである。

本発明の実施形態を用いた、燃料電池回路を加熱又は冷却するための燃料電池回路の一以上のアクチュエータのフィードフォワード制御方法を描くフローチャートである。

本発明の実施形態を用いた、燃料電池回路を加熱又は冷却するための燃料電池回路の一以上のアクチュエータのフィードフォワード制御方法を描くフローチャートである。

本発明の実施形態に係る燃料電池回路の一以上のアクチュエータの制御に利用可能なパラメータを見積もる方法を描くフローチャートである。

本発明の実施形態に係る燃料電池回路の一以上のアクチュエータの制御に利用可能なパラメータを見積もる方法を描くフローチャートである。

本発明の実施形態に係る、パラメータを見積もるために、図9A及び9Bの方法により用いられる燃料電池回路のモデルを描くブロック図である。

本発明の実施液体に係る燃料電池回路の模範的な浮動分離要素を描くブロック図である。

本発明の実施形態に係る燃料電池回路の加熱又は冷却に基づくフィードバック方法を描くフローチャートである。

本発明の実施形態に係る燃料電池回路の加熱又は冷却に基づくフィードバック方法を描くフローチャートである。

本発明の実施形態に係る燃料電池回路の三方弁の制御に基づくフィードバックのための三方弁コントローラを描くブロック図である。

本発明の実施形態に係る燃料電池回路のポンプの制御に基づくフィードバックのためのポンプコントローラを描くブロック図である。

本発明の実施形態に係る燃料電池回路のアクチュエータの制御に用いられる見積パラメータを修正する方法を描くフローチャートである。

本発明の実施形態に係る燃料電池回路のアクチュエータの制御に用いられる見積パラメータを修正する方法を描くフローチャートである。

本発明の実施形態に係る燃料電池回路のファンの制御に用いられる見積パラメータを修正するための見積パラメータコントローラを描くブロック図である。

本明細書は、燃料電池回路の燃料電池を加熱又は冷却するシステム及び方法を開示する。特に、本明細書は、燃料電池の所望温度変化率に対応する温度変化率を決定するシステム及び方法を開示する。システムは、現況技術に対する幾つかの利益を提供する。特に、システムは、ルックアップテーブルを用いて、燃料電池回路の実温度及び目標温度に基づく温度変化率を決定する。ルックアップテーブルを有利に用いると、温度制御の演算及び時間コストが減少する。温度変化率の値は、現在の温度が燃料電池をドライアウト、又は損傷させるほど高いレベルに達しないように、有利に制御される。同様に、温度変化率は、現在の温度が、要求されたパワー量を提供するほど高くなるように、有利に制御される。システムは、燃料電池スタックの入口及び出口の両方での温度変化率も有利に制御するので、これら両方の温度差が臨界時に許容レベルであることが保証される。

模範的なシステムは、化学反応を促進することにより電力を生成する複数の燃料電池を含む燃料電池スタックを含んでいる。システムは、システム内の流体の温度を検出できる温度センサも含んでいる。システムは、流体の温度を増加又は減少するために用いられるアクチュエータも含んでいる。アクチュエータは、流体をポンピングしてシステムに通すポンプと、流体から熱を取り去るラジエータに空気流を向けるラジエータファンと、ラジエータ及びラジエータをバイパスするバイパス支流の間で流体を分ける三方弁と、のうちの一以上を含んでよい。システムは更に、電子制御ユニット(ECU)を含んでいる。ECUは、燃料電池の温度を目標温度に到達させることができる温度変化率を決定できる。またECUは、決定された温度変化率に基づいて流体温度を増加又は減少するようにアクチュエータを制御できる。

図1に転じて、車両100は、車両の燃料電池の温度を制御するためのシステム101の複数の構成を含んでいる。特に、車両100及びシステム101は、ECU102、メモリ104、速度センサ106及び温度センサ108を含んでいる。車両100は更に、エンジン112、モータジェネレータ114、バッテリ116及び燃料電池回路118の少なくとも一つを含んでよいパワー源110を含んでいる。

ECU102は、車両100の複数の構成各々と接続されていてよく、自動車のシステムために具体的に設計されていてよい一以上のプロセッサ又はコントローラを含んでいてよい。ECU102の機能は、単一のECUにおいて、又は、多数のECUにおいて実行されてよい。ECU102は、車両100の複数の構成からデータを受信してよく、受信されたデータに基づいて決定してよく、決定に基づいて複数の構成の操作を制御してよい。

いくつかの実施形態では、車両100は、完全に自律的又は半自律的であってよい。これについて、ECU102は、開始位置から目的地まで車両100を誘導するために、車両100の様々な状況を制御してよい(例えば操、ブレーキ、加速等)。

メモリ104は、当該技術において周知の任意の非一過性のメモリを含んでいてよい。これについて、メモリ104は、ECU102により利用可能な機械可読命令を格納するとともに、ECU102の要求通りの他のデータを格納していてよい。

速度センサ106は、車両100の速度を決定するために利用可能なデータを検出可能な任意の速度センサであってよい。例えば、速度センサ106はGPSセンサ又はIMUセンサを含んでいてよい。速度センサ106は、加えて又は代えて、車両100の車輪、エンジン、速度メータ等の速度を検出するように構成された角速度センサを含んでいてよい。

温度センサ108は、車両100の部分内の又は車両100の外部の環境温度を決定するために利用可能なデータを検出可能な一以上の温度センサを含んでいてよい。例えば、温度センサ108は、熱電対、温度計、赤外温度センサ、サーミスタ等を含んでいてよい。

エンジン112は、燃料を機械的なパワーに変換してよい。これについて、エンジン112は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等であってよい。

バッテリ116は、電気エネルギを蓄えてよい。いくつかの実施形態では、バッテリ116は、バッテリ、フライホイール、スーパーキャパシタ、サーマルストレージデバイス等を含む、任意の一以上のエネルギストレージデバイスを含んでいてよい。

燃料電池回路118は、電気エネルギを生成するための化学反応を促進する複数の燃料電池を含んでいてよい。これについて、燃料電池回路118により生成される電気エネルギは、バッテリ116に蓄えられてよい。いくつかの実施形態では、車両100は、燃料電池回路118を含む多数の燃料電池回路を含んでいてよい。

モータジェネレータ114は、バッテリに蓄えられた電気エネルギ(又は、燃料電池回路118から直接受け取った電気エネルギ)を、車両100を推進するために利用可能な機械的なパワーに変換してよい。モータジェネレータ114は更に、エンジン112又は車両100の車輪から受け取った機械的なパワーを、バッテリ116に蓄えられてよい及び/又は車両100の他の構成により利用されてよい電力に変換してよい。いくつかの実施形態では、モータジェネレータ114は、加えて又は代えて、推力を生成可能なタービン又は他のデバイスを含んでいてよい。

車両100の車体は、車両100の前面に位置するグリル120を含んでいてよい。グリル120は、空気流122を受ける。空気流122の速度は、車両100の速度に対して比例するだろう。例えば、時速5マイル(5mph)の向かい風が車両100の外にあり、車両100が50mphで走行していると、空気流122の速度は約55mphとなるだろう。

図2に転じて、燃料電池回路118の付加的な詳細が描かれている。燃料電池回路118は、複数の燃料電池を有する燃料電池スタック200を含んでいる。複数の燃料電池各々は、電力を生成するための化学反応を促進する。この反応は、熱を生成するだろう。更に、流体が燃料電池スタック200を通って流れてよく、燃料電池スタック200から少なくともいくらかの熱を輸送するだろう。これについて、燃料電池スタック200は、流体を受け入れる入口228と、そこを介して流体が燃料電池スタック200から出ていく出口230とを含んでいてよい。

燃料電池スタック200にとって、所定温度範囲内で動作することが望ましい。例えば、燃料電池スタック200の複数の燃料電池にとって、摂氏50度(華氏122度)及び摂氏80度(華氏176度)の間で動作することが望ましい。

燃料電池スタック200は、比較的高い温度(即ち、摂氏50度より摂氏80度に近い温度)で電気エネルギをより生成してよい。しかしながら、このような比較的高い温度での動作の場合、燃料電池スタック200は、不必要に湿気を失う(即ち、ドライアウト)かもしれないドライアウト。これについて、燃料電池スタック200にとって、比較的多量の電気エネルギが要求される場合には摂氏80度近くで、比較的少量の電気エネルギが要求される場合には摂氏50度近くで、動作されることが望ましい。燃料電池回路118は、燃料電池スタック200の温度を増加又は減少するための様々な特徴を含んでいる。

燃料電池回路118は更に、インタークーラ202を含んでいてよい。インタークーラ202は、燃料電池スタック200と並列に配置されていてよい。インタークーラ202は、熱い空気流203(即ち、インタークーラ202内の流体の温度よりも高い温度の空気流)を受けて、熱い空気流203から流体へ熱を移してよい。加えて、燃料電池スタック200及びインタークーラ202は、両方とも流体の温度を増加させるので、燃料電池回路118の加熱要素と考えることができる。燃料電池回路118の流体全ては、矢印205で示すように、燃料電池スタック200とインタークーラ202との組み合わせを介して流れる。

燃料電池回路118は更に、三方弁204を含んでいてよい。燃料電池回路118は、また、一以上のラジエータ210を、一以上のラジエータ210をバイパスするバイパス支流206と一緒に含んでいてよい。三方弁204は、三方弁204のバルブポジションに基づいて、ラジエータ210とバイパス支流206との間で流体を分けてよい。三方弁204は、夫々異なる割合でバイパス支流206とラジエータ210との間で流れを分ける多数のバルブポジションを有していてよい。

例えば、三方弁204は、流体の80パーセント(80%)が(矢印207により示されるように)バイパス支流206を介して流れ、流体の20%が(矢印209により示されるように)ラジエータ210を介して流れる第1ポジションを有していてよい。三方弁204は更に、流体の70%がバイパス支流206を介して流れ、流体の30%がラジエータ210を介して流れる第2ポジションを有していてよい。三方弁204は、多数の不連続のバルブポジションを有していてもよいし、無段階バルブポジションを有していてもよい(即ち、流体の0%から100%の間の任意の値で、バイパス支流206及びラジエータ210各々に振り分けてもよい)。

バイパス支流206を介して流れる流体は、ラジエータ210を避けてよく、それ故、流体内の熱の大部分は、流体内に残ることが許される。イオン化装置208は、バイパス支流206を介して流れた流体の一部を受け入れてよい。イオン化装置は、イオン交換機として機能してよく、伝導率を下げるために流体からイオンを取り去ってよい。これについて、イオン化装置は、純水装置とも言われ得る。

ラジエータ210は、流体からの熱を、ラジエータ210を越える又は通過する気体(例えば空気)へ移してよい。これについて、ラジエータ210は、燃料電池回路118の冷却要素とも言われ得る。

いくつかの実施形態では、ラジエータ210は、主ラジエータ212と、2つの副ラジエータ214、216を含んでいてよい。ファン218は、気体219の流れがラジエータ210を越えるような方法で配置されてよい。いくつかの実施形態では、ファン218は、気体219の流れが主ラジエータ212のみを超えるようにされてよい。主ラジエータ212は、流体が主ラジエータ212に流れ込む流体入口232と、流体が主ラジエータ212から流れ出す流体出口234とを有する。主ラジエータ212は更に、ファン218からの気体219(即ち、空気流)を受け入れる空気入口2236と、主ラジエータ212から空気流が出ていく空気出口238とを含んでいてよい。

図1及び図2を簡単に参照して、一以上のラジエータ210は更に、車両100のグリル120を介して受け入れられた空気流122を受け入れてよい。上述したように、空気流122の速度は車両100の速度に対応している。車両100の速度が増加すれば、空気流122の速度は更に増加し、それ故、流体からの熱の移動も増加する。

図2に戻り、燃料電池回路118は更に、ポンプ220を含んでいてよい。ポンプ220は、燃料電池回路118を通る流体に力を加えることができる任意のポンプを含んでいてよい。例えば、ポンプ220は、水圧ポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、ロータリギアポンプ等を含んでいてよい。

燃料電池回路118は更に、リザーバ240を含んでいてよい。リザーバは、冷却剤等の流体が蓄えられる体積を含んでいてよい。流体は、リザーバ240から燃料電池回路118へ供給されてよい。いくつかの実施形態では、リザーバ240は、車両のユーザが、リザーバ240へ流体を供給可能なポートを含んでいてよい。

燃料電池回路118は更に、第1温度センサ224及び第2温度センサ226を含む2つの温度センサを含んでいてよい。第1温度センサ224は、出口230で、燃料電池スタック200から出ていく流体の温度を検出してよい。第2温度センサ226は、ラジエータ210から出ていく混合された流体の温度を検出してよい。いくつかの実施形態では、より多くの又はより少ない温度センサが用いられてよく、温度センサは付加的な又は代替的な位置に配置されてよい。

再び図1及び図2を参照して、ECU102は、車両100の受信されたパワー要求に基づいて、燃料電池スタック200の目標温度を決定してよい。上述したように、燃料電池スタック200の温度にとって、燃料電池スタック200から比較的大きなパワー量が要求されたときは増加することが望ましいことが多い。同様に、燃料電池スタック200の温度にとって、燃料電池スタック200から比較的小さなパワー量が要求されたときは、燃料電池スタック200内の湿気を維持するために減少することが望ましいことが多い。

ECU102は、第1温度センサ224及び第2温度センサ226から検出された温度を受信してもよい。ECU102は、その後、燃料電池スタック200の温度(例えば、出口230での流体の温度)を増加又は減少するために、燃料電池回路118の複数のアクチュエータ(三方弁204、ファン218、ポンプ220)を制御してよい。ECU102は、目標温度及び検出された温度に基づいて、温度を、目標温度に向かって増加又は減少させてよい。

三方弁204は、流体の多くをバイパス支流206又はラジエータ210を介して流すことにより、流体の温度を調整するために用いられてよい。例えば、三方弁204が、バイパス支流206を介する流体の流れを増やした場合、熱の重大な損失のない加熱要素に向かって流れるので、流体の全体的な温度は増加するだろう。同様に、三方弁204が、ラジエータ210を介する流体の流れを増やした場合、より多くの流体が、流体から熱エネルギを取り去るラジエータ210を介して流れるので、流体の全体的な温度は減少するだろう。

同様に、ファン218は、主ラジエータ219を越える気体219の流れを増やす又は減らすことにより、流体の温度を調整するために用いられてよい。例えば、ファン218の速度が増加されれば(結果として、より多くの量の気体219が主ラジエータ219を越えて流れる)、より多くの熱エネルギが流体の外へ移されるので、流体の温度は減少するだろう。同様に、ファン218の速度が減少されれば、より少ない熱エネルギしか流体の外へ移されないので、流体の温度は増加するだろう。

また、ポンプ220は、燃料電池回路118を通る、例えば質量流量率等の流量の流量率を増加又は減少することにより、流体の温度を間接的に調整するために用いられてよい。流量率が増加すれば、流体と様々な構成との間の熱移動も増加する。結果として、どの程度の量の流体がバイパス支流206又はラジエータ210を介して流れたか、及び、燃料電池スタック200の温度、に基づいて温度が増加又は減少するだろう。それ故、流体の温度は、流体の流量率に対応するだろう。

さて、図2及び図3を参照すると、ECU102は、燃料電池回路118の温度を制御する温度制御システム303を含んでいてよい。温度制御システム303は、ECU102の特別に設計されたハードウェアを用いて実行されてもよいし、ECU102の一般的なハードウェアを用いて実行されてもよい。

温度制御システム303は、上位コントローラ300、状態メディエータ304、状態ガバナ308、フィードフォワード制御312、フィードバック制御316、状態エスティメータ320、オブザーバ322及びアクチュエータ制御330を含んでいてよい。温度制御システム303は、例えばパワー要求301等の入力を受信してよく、例えばアクチュエータ制御信号334等の出力を生成してよい。

上位コントローラ300は、パワー要求301を受信してよい。上位コントローラ300は、パワー要求301に基づいて、燃料電池スタック200の目標温度を識別してよい。例えば、パワー要求が比較的大きい場合、上位コントローラ300は、目標温度を、例えば摂氏75度(華氏167度)等、比較的高くなるように設定してよい。同様に、パワー要求が比較的小さい場合、上位コントローラ300は、目標温度を、例えば摂氏55度(華氏131度)等、比較的低くなるように設定してよい。上位コントローラ300は、フィルタされてない目標燃料電池温度302を出力してよい。

状態メディエータ304は、フィルタされてない目標燃料電池温度302を受信してよい。状態メディエータ304は、受信した信号をフィルタリングして、目標お燃料電池温度306を出力してよい。状態メディエータ304は、様々な理由のために、フィルタされてない目標燃料電池温度302をフィルタリングしてよい。例えば、フィルタリングは信号上のノイズを除去してもよいし、目標燃料電池温度306が安全な温度範囲内であること等を保証するためのバンドパスフィルタとして機能してもよい。安全な温度範囲は、燃料電池回路118の複数の構成への損害(即ち、例えば過加熱又はドライアウト等)の可能性が低く、燃料電池回路118がパワーを生成可能な温度範囲に対応している。

状態ガバナ308は、目標燃料電池温度306を受信してよい。状態ガバナ308は、一般に、燃料電池回路118において、流体の温度を、温度変化要求に、どの程度の早さで応答すべきか(即ち、どの程度の早さで温度を増加又は減少すべきか)を命じてよい。状態ガバナ308は、(例えば燃料電池スタック200の入口228又は出口230等における)流体の所望温度変化率に対応する温度変化率310を出力してよい。例えば、温度変化率310は、毎秒の温度(例えば摂氏温度)で測定されてよい。

状態エスティメータ320は、センサ値326及び現在のアクチュエータポジション328(又は、命じられたアクチュエータポジション)を含む入力を受信してよく、燃料電池回路118の様々な位置での状態を見積もってよい。センサ値は、例えば、第1温度センサ224及び第2温度センサ226から検出された温度を含んでいてよい。アクチュエータポジション328は、複数のアクチュエータ332各々(ポンプ220、三方弁204、ファン218)から受信されてもよいし、アクチュエータ制御信号334から受信されてもよい。

燃料電池回路118は、比較的わずかなセンサしか含んでいない。付加的なデータは、複数のアクチュエータ332に最適な制御を提供するために望ましい。これについて、状態エスティメータ320は、センサ値326及びアクチュエータポジション328に基づいて、付加的なデータ(即ち、現在の状態)を計算又は予測してよい。例えば、状態エスティメータ320は、燃料電池回路118の温度センサが存在しない位置での温度を計算又は予測してよい。他の例として、状態エスティメータ320は、燃料電池回路118の様々な位置での流体の圧力を計算又は予測してよい。他の例として、状態エスティメータ320は更に、燃料電池回路118の様々な要素により流体に加えられる又は流体から取り去られる熱量を計算又は予測してよい。状態エスティメータ320は、燃料電池回路118の現在の状態に対応する、計算又は予測値324を出力してよい。

フィードフォワード制御312は、状態ガバナ308からの温度変化率310を、状態エスティメータ320からの計算又は予測値324と一緒に受信してよい。いくつかの実施形態では、フィードフォワード制御312は更に、温度センサからの検出された温度を受信してよい。フィードフォワード制御312は、燃料電池回路118の流体の所望温度変化率310に達するように、複数のアクチュエータ332の所望ポジションを決定してよい。フィードフォワード制御312は、受信された温度変化率310及び計算又は予測値324に基づいて、所望ポジションを決定してよい。フィードフォワード制御312は、複数のアクチュエータ332の決定された所望ポジションに対応するフィードフォワード制御信号314を出力してよい。

フィードバック制御316も、状態ガバナ308からの温度変化率310を、状態エスティメータ320からの計算又は予測値324と一緒に受信してよい。いくつかの実施形態では、フィードバック制御316は更に、温度センサからの検出された温度を受信してよい。フィードバック制御316は、複数のアクチュエータ332が所望温度変化率310に達したか否かを識別してよい。フィードバック制御316は更に、測定された温度変化率と所望温度変化率310との間のギャップを縮めるための複数のアクチュエータ332に対する調整に対応するフィードバック制御信号318を生成してよい。

オブザーバ322は、ラジエータ210に対するフィードバック制御を行ってよい。これについて、オブザーバは、ラジエータ210の出口227で検出された温度と、状態エスティメータ320により決定された出口227の見積温度との間の差を決定してよい。そして、オブザーバ320は、見積温度が検出された温度に近づくように、状態エスティメータ320により決定された値を変更してよい。

アクチュエータ制御330は、フィードフォワード制御信号314及びフィードバック制御信号318を受信して、フィードフォワード制御信号314及びフィードバック制御信号318の組み合わせに基づいて、アクチュエータ制御信号334を生成してよい。一以上のアクチュエータ制御信号334が、複数のアクチュエータ332各々へ送信されてよい。例えば、アクチュエータ制御信号334は、三方弁204のバルブポジションを制御する第1信号、ファン218のファン速度を制御する第2信号、及び、ポンプ220のポンプ速度を制御する第3信号を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ制御330は、フィードフォワード制御信号314とフォードバック制御信号318とを加えることにより、アクチュエータ制御信号334を生成してよい。

さて図4を参照すると、例えば図2の燃料電回路118等の燃料電池回路の所望温度変化率を決定する方法400が示されている。方法400は、例えば図3の状態ガバナ308等の状態ガバナにより行われてよい。

ブロック402では、燃料電池回路の一以上の温度センサが、燃料電池回路内の流体の温度に対応する現在温度を検出してよい。例えば、第1温度センサ224は、燃料電池スタック200の出口230での流体の温度を検出してよく、第2温度センサ226は、ラジエータの出口227での流体の温度を検出してよい。

ブロック404では、車両のECUは、燃料電池回路に対応する付加的な値を見積もり又は計算してよい。例えば図3の状態エスティメータ320は、検出された温度及び現在のアクチュエータポジションに基づいて、値を見積もり又は計算してよい。付加的な値は、例えば、温度センサ位置の他の位置での燃料電池回路の温度、燃料電池回路に沿った様々な位置での圧力、等を含んでいてよい。

ブロック406では、車両又は燃料電池スタックが、低温状態(即ち、車両が最初に起動されたとき等)から暖機している場合、ECUは、燃料電池入口温度指令値を決定してよい。ECUは、ブロック402において検出された温度と、ブロック404において計算された値とに基づいて、目標燃料電池入口温度を決定してよい。例えば、目標燃料電池入口温度は、下記の式1を用いて決定されてよい。

式1において、TFCincmdは、目標燃料電池入口温度に対応している。TFCcmdは、暖機時の燃料電池スタックの検出された燃料電池出口温度と等しくなるように設定された、目標燃料電池出口温度に対応している。ΔTFCtgtは、燃料電池入口温度と燃料電池出口温度との目標温度差に対応しており、上位コントローラにより決定される。TFCincmdpreviousは、式1の前期間の計算時に決定された目標燃料電池入口温度に対応している。TFCintgtは、入口における流体の最終的な所望作動温度である、最終目標燃料電池入口温度に対応している。

燃料電池回路の暖気が完了した後、最終目標燃料電池入口温度は、比較的一定に維持され、それ故、燃料電池回路の作動時には、安定した(即ち、変化しない)値である。別の言い方をすれば、最初の暖機後の車両のオペレーションを通じて、最終目標燃料電池入口温度は、比較的変化しないように維持される。

図5を簡単に参照すると、グラフ500は、目標燃料電池入口温度を設定するための、ECUによる式1の実行を描いている。グラフ500は特に、現在の燃料電池出口温度502、目標燃料電池出口温度504、現在の燃料電池入口温度506及び目標燃料電池入口温度508を描いている。グラフ500は更に、燃料電池入口温度と燃料電池出口温度との間の目標温度差510と、現在の温度差512とを描いている。

最初の暖機の第1セグメント514の間、目標燃料電池入口温度508は、現在の燃料電池出口温度502と同様に増加する。目標燃料電池入口温度508は、現在の燃料電池出口温度502と目標温度差510との間の差分として計算される。

第2セグメント516の開始時では、上位コントローラは、目標温度差510を増加する。目標燃料電池入口温度508は、現在の燃料電池出口温度502と目標温度差510との間の差分として計算されるので、目標燃料電池入口温度508は、現在の温度差512が目標温度差510と等しくなるまでの期間518の間、一定のままである。現在の温度差512が目標温度差510以上となった場合に、目標燃料電池入口温度508は、再度増加し始める。

目標温度差510は、暖機の第3セグメント520の開始時に減少する。加えて、目標燃料電池入口温度508は、現在の燃料電池出口温度502と減少した目標温度差510との間の差分と再度等しくなるように、増加する。

目標燃料電池入口温度508を、計算値の最小値又は最終目標燃料電池入口温度と等しくなるように設定することにより、式1は、燃料電池入口温度508が最終目標燃料電池入口温度を越えないことを保証する。

さて図4及び図5を参照して、ブロック408では、ECUは、現在の燃料電池入口温度が目標燃料電池入口温度と等しくなるように、流体の温度を増加させるために、一以上のアクチュエータを制御してよい。例えば、ECUは、流体の温度を増加させるために、三方弁、ラジエータファン及びポンプのうち一以上を制御してよい。グラフ500に示すように、現在の燃料電池入口温度506は、全暖機期間において、目標燃料電池入口温度508と相対的に類似する。

図4に戻り、ECUは、ブロック410において、目標燃料電池出口温度を受信又は計算してよい。目標燃料電池出口温度は、燃料電池スタックの出口での流体の所望温度に対応していてよく、ECUの上位コントローラ及び状態メディエータのうち一以上により決定されてよい。図示するように、ECUは、最初の暖機時に目標燃料電池入口温度を用いて、燃料電池回路の流体の温度を制御してよく、最初の暖機後の通常オペレーション時に目標燃料電池出口温度を用いて、燃料電池回路の流体の温度を制御してよい。

ブロック412では、ECUは、温度差を計算してよい。温度差は、目標燃料電池出口温度と現在の燃料電池出口温度との間の差分に対応していてよい。

ブロック414では、ECUは、温度変化率を決定してよい。温度変化率は、例えば燃料電池スタックの出口等、特定の位置での流体の所望温度増加又は減少率に対応していてよい。温度変化率は、dT/dt(“T”は温度を表し、“t”は時間を表している)として表されてよく、毎秒温度(摂氏/秒等)の単位を有していてよい。

ECUは、上位コントローラから受信した目標燃料電池出口温度、ブロック412において計算された温度差、及び、所望の保存エネルギに基づいて、温度変化率を決定してよい。例えば、温度差が比較的小さい場合、車両のエネルギ効率を増加するために、燃料電池スタックを暖機するために比較的少ないエネルギが用いられることが望ましい。

いくつかの実施形態では、ECUは、目標燃料電池出口温度と、メモリに格納されたルックアップテーブルに対する温度差とを比較することより、温度変化率を決定してよい。

さて図6を参照すると、模範的なルックアップテーブル600が示されている。ルックアップテーブル600のY軸は、目標燃料電池出口温度に対応しており、X軸は、温度差に対応している。負の温度差は、燃料電池出口温度にとって減少が望ましいことを示しており、正の温度差は、燃料電池出口温度にとって増加が望ましいことを示している。同様に、負の温度変化率は、減少温度率に対応しており、正の温度変化率は、増加温度率に対応している。

図示するように、ルックアップテーブル600は、複数の区画を含んでいる。複数の区画は、速温度減少区画602、減エネルギ温度減少区画604、エラー訂正区画606、減エネルギ温度増加区画608及び速温度増加区画610を含んでいる。速温度減少区画602及び速温度増加区画610各々は、比較的高い温度変化率に対応している。

比較的高い温度変化率は、システムの能力に基づいて選択されてよい。例えば、速温度減少区画602は、燃料電池回路が達成可能な最大温度減少率である、毎秒摂氏1度の温度変化率を有していてよい。同様に、速温度増加区画610は、燃料電池回路が達成可能な最大温度増加率である、毎秒摂氏4.3度の最大温度変化率を有していてよい。

速温度減少区画602における温度変化率は、燃料電ch委出口温度が大幅に減少される場合に所望されてよい。これについて、速温度減少区画602における比較的大きい温度減少率は、燃料電池スタックのドライアウトの見込みを減少させることが多い。同様に、速温度増加区画610における温度変化率は、燃料電池出口温度が大幅に増加される場合に所望されてよい。これについて、速温度増加区画610における比較的大きい温度増加率は、比較的大きいパワーが要求されたときに、比較的大きなパワー量を供給するために、燃料電池スタックに許されてよい。

比較的大きい温度変化率は、相対的にエネルギ効率が悪いことが多く、それ故、比較的小さな温度変化にとって望ましくないことが多い。これについて、エネルギ変化率の減少は、相対的なエネルギ効率である、温度増加及び減少率に対応していてよい。加えて、減少されたエネルギ変化率は、比較的大きい温度変化率未満であってよいが、比較的大きい温度変化率よりエネルギ効率がよくてよい。

エラー訂正変化率は、減少されたエネルギ変化率未満であってよく、減少されたエネルギ変化率よりエネルギ効率がよくてよい。これについて、エラー訂正変化率は、目標燃料電池出口温度と実際の燃料電池出口温度との間の比較的小さな差分を修正するために用いられてよい。

図4に戻り、ECUは、ブロック414において決定された温度変化率に基づいて、流体の温度を増加又は減少するために、燃料電池回路の一以上のアクチュエータを制御してよい。

さて図7を参照すると、グラフ700は、車両のパワー要求に対応するパワー要求信号702を描いている。グラフ700は更に、現在の燃料電池出口温度704及び目標燃料電池出口温度706を、現在の燃料電池入口温度708及び目標燃料電池入口温度710と一緒に描いている。上述したように、また、図7に示すように、目標燃料電池入口温度710は、車両のオペレーション中は、一定のままである。これについて、現在の燃料電池入口温度708も、比較的一定のままである。

ECUは、前期間に決定された温度変化率に基づいて、現在の燃料電池出口温度を制御してよい。第1時間ウインドウ712の間、パワー要求信号702は、パワー要求の欠如に対応して、低い。加えて、目標燃料電池出口温度706は、第1時間ウインドウ712の間を通じて、比較的低い値のままであり、現在の燃料電池出口温度704は、目標燃料電池出口温度706と比較的同じようである。

第2時間ウインドウ714の開始時では、パワー要求信号702は、燃料電池スタックから要求された比較的低いエネルギ量に対応して、比較的低い値である。加えて、目標燃料電池出口温度706は、比較的小さい量だけ増加する。加えて、温度差は、温度変化率が、速い温度上昇が不要な減エネルギ温度増加区画内へ遷移するように、比較的小さくてよい。ECUは、減エネルギ温度変化率で、温度が増加するようにアクチュエータを制御するので、現在の燃料電池出口温度704は、第2時間ウインドウ714の間にゆるやかに増加してよい。

第3時間ウインドウ716の開始時では、パワー要求信号702は、燃料電池スタックから要求された比較的大きいエネルギ量に対応するワイドオープンスロットル(WOT)パワー要求に向かって増加する。加えて、目標燃料電池出口温度706は、比較的大きく増加する。結果として、温度差は、燃料電池スタックの要求された比較的大きなエネルギ量を促進するために、温度変化率が速温度増加区画に遷移するように、比較的大きくなることが多い。

ECUは、速温度変化率で、温度が増加するようにアクチュエータを制御するので、現在の燃料電池出口温度704は、第3時間ウインドウ716の開始時において、比較的速く増加するだろう。加えて、現在の燃料電池出口温度704は、比較的早く目標燃料電池出口温度706に達するだろう。

第4時間ウインドウ718の開始時において、パワー要求信号702は、燃料電ch委スタックから要求された比較的小さいエネルギ量に対応する低パワー要求に向かって減少する。加えて、目標燃料電池出口温度706は、比較的大きく減少する。この目標燃料電池出口温度706の速やかな減少に対応する温度差は、温度変化率が、燃料電池スタックのドライアウトを防止するための速温度減少区画へ遷移するように、比較的大きくなることが多い。ECUは、速温度変化率で温度が減少するようにアクチュエータを制御するので、現在の燃料電池出口温度704は、第4時間ウインドウ718の開始時において比較的速やかに減少するだろう。

比較的短い期間720の後、ECUは、現在の燃料電池出口温度704が、燃料電池スタックのドライアウトが生じる可能性が低くなるほど、十分に小さいと決定してよい。更に、現在の燃料電池出口温度704が減少したので、温度差は、期間720の後に減少する。それ故、温度変化率は、エネルギを保存するために、減エネルギ温度減少区画へ変化するだろう。つまり、期間720の経過後、現在の燃料電池出口温度704は、新たな減温度変化率によって、よりゆるやかに減少するだろう。

さて図8A及び8Bを参照すると、燃料電池回路を加熱又は冷却するために、燃料電回路の一以上のアクチュエータをフィードフォワード制御する方法800が示されている。方法800は、例えば、図3のECU102のフィードフォワード制御312等のECUのフィードフォワード制御により実行されてよい。

ブロック802では、ECUは、温度変化率を決定してよい。温度変化率は、図4の方法400と同様の方法を用いて決定されてよい。いくつかの実施形態では、ECUは加えて又は代えて、燃料電池回路に沿った様々な位置での所望圧力に対応する他の温度制御信号、等を決定又は受信してよい。

ブロック806では、ECUは、温度変化率に対応する流体の所望質量流量率を計算してよい。ECUは、ブロック802において決定された温度変化率と、ブロック804において決定された見積又は計算値とに基づいて、所望質量流量率を計算してよい。例えば、ECUは、下記の式2と同様の式を用いて所望質量流量率を計算してよい。

式2において、mFFは、図2の燃料電池スタック200等の燃料電池スタックを通る流体の所望質量流量率を表している。Veqは、流体(冷却剤及び水を含む)と燃料電池スタックの等価体積を表しており、流体及び燃料電池スタックの物理特性である。ρeqは、流体及び燃料電池スタックの等価密度を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。ceqは、流体及び燃料電池スタックの等価比熱を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。dT/dtは、ブロック802において計算された温度変化率を表している。QFCは、燃料電池スタックにより生成される熱量を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。cは、流体の比熱を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。ΔTは、目標燃料電池入口温度と目標燃料電池出口温度との間の差分(TFCincmd−TFCcmd)であり、図3の状態ガバナ308等の状態ガバナから、又は、ブロック804において状態エスティメータから、受信されてよい。ρは、流体の密度を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。PFCinは、燃料電池スタックの入口での流体の現在の圧力を表しており、PFCoutは、燃料電池スタックの出口での流体の現在の圧力を表しており、両方ともブロック804の状態エスティメータから受信されてよい。

図2を参照し、また、上述したように、mFFは、燃料電池スタック200を通る流体の所望質量流量率を表している。しかしながら、ポンプ220により出力される流体は、燃料電池スタック200及びインタークーラ202の両方に受け入れられる。これについて、ECUにとって、ポンプ220を通る流体の所望質量流量率(即ち、燃料電池スタック200及びインタークーラ202を通る質量流量率の合計)が更に計算され、所望総質量流量率として参照されることが望ましい。ECUは、ポンプ220を通る所望総質量流量率を計算するために、図3の状態エスティメータ等の状態エスティメータを利用してよい。

図8A及び8Bを参照すると、ECUは、ブロック808において計算された所望総質量流量率に基づいて、ポンプの所望ポンプ速度を決定してよい。いくつかの実施形態では、車両のメモリは、所望質量流量率と対応するポンプ速度とをマッピングしたルックアップテーブルを格納していてよい。これらの実施形態では、ECUは、ブロック806において計算された所望質量流量率とルックアップテーブルとを比較して、所望質量流量率に対応するポンプ速度を検索してよい。

いくつかの実施形態では、ECUは、ブロック806において計算された所望総質量流量率と、図3のフィードバック制御316等のフィードバック制御により計算された、所望総質量流量率の調整との和に基づいて、所望ポンプ速度を決定してよい。これについて、所望ポンプ速度は、所望総質量流量率、所望総質量流量率の調整、及び、ポンプの出口とポンプの入口との間の圧力差の関数であってよい。ポンプの出口とポンプの入口との間の圧力差は、燃料電池回路中の総圧力ドロップに対応していてよい。ECUは、関数の結果とルックアップテーブルとを比較して、比較に基づいてルックアップテーブルから所望ポンプ速度を検索してよい。

ブロック810では、ECUは、ブロック808において決定された所望ポンプ速度で燃料電池回路を通る流体がポンピングされるようにポンプを制御してよい。

ブロック812では、ECUは、図2の三方弁204等の三方弁により出力される流体の所望流体分流比を計算してよい。図2を簡単に参照して、所望流体分流比は、ラジエータ210へ向かうように振り向けられた流体と、バイパス支流206を通るように振り向けられた流体との比に対応していてよい。いくつかの実施形態では、所望流体分流比は、三方弁204により、ラジエータ210へ向かうように振り向けられた総流体出力のパーセンテージで表されてもよいし、三方弁204により、バイパス支流206を通るように振り向けられた総流体出力のパーセンテージで表されてもよい。

図8A及び8Bに戻り、ECUは、下記の式3と同様の式を用いて、所望流体分流比を計算してよい。

式3において、ZFFは、フィードフォワード制御により計算された所望流体分流比を表しており、三方弁によりラジエータを通るように振り向けられた総流体出力のパーセンテージに対応している。Tpumpinは、ポンプの入口での温度を表しており、ブロック804において状態エスティメータにより計算されてよい。Tbypassは、バイパス支流を通るように振り向けられた流体の温度を表しており、流体をバイパス支流へ出力する三方弁の出口で計算されてよく、ブロック804において状態エスティメータにより計算されてよい。Tradoutは、ラジエータの出口での温度に対応しており、図2の第2温度センサ226等の温度センサを用いて検出されてよい。

ブロック814において、ECUは、ブロック812において計算された所望流体分流比に基づいて、三方弁の所望バルブポジションを決定してよい。いくつかの実施形態では、車両のメモリが、所望流体分流比と対応するバルブポジションとをマッピングしたルックアップテーブルを格納していてよい。これらの実施形態では、ECUは、ブロック812において計算された所望流体分流比と、ルックアップテーブルとを比較して、所望流体分流比に対応する所望バルブポジションを検索してよい。

いくつかの実施形態では、ECUは、ブロック812において計算された所望流体分流比と、フィードバック制御により計算された所望流体分流比の調整との和に基づいて、所望バルブポジションを決定してよい。これについて、所望バルブポジションは、所望流体分流比と、所望流体分流比の調整との関数であってよい。ECUは、関数の結果とルックアップテーブルとを比較して、比較に基づいて、所望バルブポジションを検索してよい。

ブロック816では、ECUは、三方弁が、ブロック814において計算された所望バルブポジションを有するように制御してよい。

ブロック818では、ECUは、燃料電池回路のラジエータ(図2の主ラジエータ216並びに副ラジエータ214及び216等の主及び副ラジエータを含む)により取り去られる所望熱エネルギ量(即ち、熱)を計算してよい。ECUは、ラジエータにより取り去られる所望熱エネルギ量を、以下の式4と同様の式を用いて計算してよい。

式4において、Qradtotalは、燃料電池回路の全てのラジエータにより取り去られる所望熱エネルギ量(即ち、熱)を表している。Veqは、(冷却剤及び水を含む)流体と燃料電池スタックとの等価体積を表しており、流体と燃料電池スタックとの物理特性である。ρeqは、流体と燃料電池スタックとの等価密度を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。ceqは、流体と燃料電池スタックとの等価比熱を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。dT/dtは、ブロック802において計算された温度変化率を表している。QFCは、燃料スタックにより発生された熱量(即ち、スタック熱量)を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。QICは、インタークーラにより発生された熱量(即ち、インタークーラ熱量)を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。

ブロック820において、ECUは、ファンにより主ラジエータから取り去られる所望熱エネルギ量を計算してよい。ECUは、この計算を、ブロック818において計算された全てのラジエータにより取り去られる所望熱エネルギ量を用いて行ってよい。ECUは、ファンにより主ラジエータから取り去られる所望熱エネルギ量を、以下の式5と同様の式を用いて計算してよい。

式5において、Qradmainfanは、ファンにより主ラジエータから取り去られる所望熱エネルギ量を表している。Qradtotalは、ブロック818において計算された全てのラジエータにより取り去られる所望熱エネルギ量を表している。Qradsub1は、第1副ラジエータにより放散される熱エネルギ量を表しており、Qradsub2は、第2副ラジエータにより放散される熱エネルギ量を表している(即ち、副熱エネルギ量)。Qradsub1及びQradsub2は、ブロック804において、状態エスティメータから受信されてよく、副ラジエータを越えて流れる環境空気の温度及び速度に基づく式を用いて計算されてよい。Qradmainambは、環境空気(即ち、ファンにより発生されたもの以外の空気流)に起因して、主ラジエータにより放散される熱エネルギ量を表している。

ファンは、副ラジエータを越える空気を吹かないので、副ラジエータは、車両の速度に基づき変化してよく、車両のグリルを介して受け入れられる空気流内に熱を退けてよい。更に、主ラジエータは、Qradmainambに影響を及ぼすだろうグリルを介する空気流を受け入れてよい。これについて、Qradsub1´、Qradsub2´及びQradmainambは、(車両の速度に基づく)グリルを介して受け入れられた空気流量、空気流の温度、及び、各ラジエータを介して流れる流体の量に基づいていてよい。従って、ECUは、車両速度を受信してよく、受信された車両速度に基づいてQradsub1´、Qradsub2´及びQradmainambを計算してよい。ECUは更に、車両内又は上に位置する温度センサに基づいて、環境空気の温度を見積もってよい。

ブロック822において、ECUは、ファンにより主ラジエータから取り去られる所望熱エネルギ量を達成するために、ファンの所望ファン速度を計算してよい。ECUは、以下の式6と同様の式を用いて、所望ファン速度を計算してよい。

式6において、kfradmainfanは、ラジエータ熱伝達係数を表している。この係数は、流体の流量率と、ラジエータを通る空気の速度との関数であり、実験的に決定されてよい。この係数は、ファンの所望電圧レベルに対応するファンの角速度(即ち、ファン速度)を解くために(流体の現在の流量率と一緒に)用いられてよい。Qradmainfanは、ブロック820において計算された、ファンにより主ラジエータから取り去られる所望熱エネルギ量を表している。Tradmainは、主ラジエータの流体入口での流体の温度を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。Tair_inは、主ラジエータの空気入口での空気の温度を表しており、ブロック804において状態エスティメータから受信されてよい。

ラジエータ熱伝達係数の計算後、ECUは、所望ファン速度を決定してよい。ECUは、ルックアップテーブルを用いて、所望ファン速度を決定してよい。特にECUは、ラジエータ捏伝達係数とルックアップテーブルとを比較して、対応する所望ファン速度を検索してよい。

いくつかの実施形態では、ECUは、ラジエータ熱伝達係数と、主ラジエータの入口を通る流体の体積流量率との関数に基づいて、所望ファン速度を決定してよい。いくつかの実施形態では、ECUは、関数の結果とルックアップテーブルとを比較して、比較に基づいて所望ファン速度を検索してよい。

ブロック824では、ECUは、ファンに提供される所望パワー信号を決定してよい。所望パワー信号は、ラジエータ熱伝達係数と所望ファン速度との一方又は両方に基づいていてよい。例えばECUは、所望ファン速度とルックアップテーブルとを比較して、ファンに提供される対応する所望パワー信号を検索してよい。いくつかの実施形態では、所望パワー信号は、特定の電圧を有する直流(DC)パワー信号に対応していてよい。いくつかの実施形態では、所望パワー信号は、二乗平均平方根(RMS)電圧又は特定のデューティサイクルを有する交流(AC)パワー信号に対応していてよい。これについて、所望パワー信号は、パワー信号の特定の電圧(DC又はRMS)と特定のデューティサイクルとの一以上を含んでいてよい。

ブロック826では、ECUは、空気の所望速度で主ラジエータに向かって空気が吹くための所望速度でファンが作動するように、ファンに所望パワー信号を提供してよい。

いくつかの実施形態では、ECUは、ブロック818から826に示したものとは異なる方法で、ラジエータのファンを制御してよい。特にECUは、ラジエータの出口での流体の温度に対応するラジエータ出口温度と、目標燃料電池入口温度とを比較してよい。例えば、ECUは、ラジエータ出口温度が、例えば摂氏3度、摂氏5度、摂氏7度等の、目標燃料電池入口温度と閾温度との和以上であるか否かを決定してよい。ラジエータ出口温度が該和以上である場合、ECUは、ファンオンイベントを開始してよい。ラジエータ出口温度が該和未満になったとき、ECUはファンオンイベントをキャンセルしてよい。ECUは、ファンオンイベントが初期化されたときに作動し、ファンオンイベントがキャンセルされたときに停止するように、ファンを制御してよい。

いくつかの実施形態では、ECUは、ファンオンイベントをラッチしてよい。例えば、ECUは、ファンオンイベントの開始後、且つ、ファンオンイベントのキャンセル前の所定期間内で、ファンオンイベントを維持するように制御してよい。所定期間は、ドライバを十分に刺激するような「オン」状態と「オフ」状態との間を周期的に振動するファンの見込みを低減するための十分な期間に対応していてよい。これについて、ラッチは、望ましくない「オン」状態と「オフ」状態との間を振動するファンの見込みを低減してよい。

いくつかの実施形態では、ECUがファンオンイベントを開始するか、ファンオンイベントをキャンセルするかに基づく閾温度の調整により、ECUは、ファンオンイベントをラッチしてよい。例えば、ECUは、ファンオンイベントを開始する場合、閾温度を摂氏6度に設定してよく、ファンオンイベントをキャンセルする場合、閾温度を摂氏8度に設定してよい。これについて、ECUは、温度が、例えば摂氏48度等の第1の値に達した場合にファンオンイベントを開始してよく、温度が、例えば摂氏46度等の第2の値に達した場合にファンオンイベントをキャンセルしてよい。

さて図9A及び9Bを参照すると、燃料電池回路の現在の状態を見積もることにより、燃料電池回路を加熱又は冷却する方法900が示されている。方法は、例えば、図3のECU102の状態エスティメータ320等の、ECUの状態エスティメータにより実行されてよい。

ブロック902では、燃料電池回路のモデルが作られ格納される。モデルは、燃料電池回路の設計者により作られてよく、ECUがアクセス可能な車両のメモリに格納されてよい。ECUは、燃料電池回路の様々な構成の、様々な温度、圧力等を見積もるために、燃料電池回路のモデルを用いてよい。

図10を簡単に参照すると、図2の燃料電池回路118等の燃料電回路のモデル1000が示されている。モデル1000は、複数の主構成1002の表示(大きい四角により表される)、主構成1002に接続された複数のピプス1004の表示(小さい四角により表される)、及び、流体の流れが二以上の流れに分けられる複数の分流器1006(三角により表される)を含んでいてよい。

図9A及び9Bに戻り、ECUは、ブロック904において、複数の入力を受信してよい。入力は、温度センサにより検出された温度を含む検出された温度値を、アクチュエータ制御信号と一緒に含んでいてよい。アクチュエータ制御信号は、(ポンプ、三方弁及びラジエータファンを含む)複数のアクチュエータの命じられたアクチュエータ値に対応していてよい。

ブロック906では、ECUは、流体の所望温度に対応する温度制御信号を決定してよい。例えば、温度制御信号は、状態ガバナにより決定された温度変化率に対応していてよい。

ブロック908では、ECUは、燃料電池回路の複数の構成の複数の流れ抵抗値を計算してよく、ブロック910では、ECUは、燃料電池回路の複数の構成を通る流体の質量流量値を計算してよい。流れ抵抗値及び質量流量値は、主構成及びピプスを含む各構成について計算されてよい。

各構成の流れ抵抗値は、以下の式7と同様の式を用いて計算されてよい。

式7において、Zは、流れ抵抗を表している。Fdは、レイノルズ数に対応することにより規定される関連流れレジーム(流れが、乱流、層流等であるか否か)に対応する実験的な相関から計算されてよい、構成のダルシ摩擦要素を表している。ダルシ摩擦要素は、構成を介する摩擦損失量を示してよい。Lengthは、構成の長さを表している。Lengthaddは、流れ抵抗の計算の精度を向上するために、燃料電池回路の作動中にECUにより、又は、ECUの設計者により、調整されてよいチューニングパラメータに対応する。Lengthaddパラメータは、流れ抵抗カーブが、経験カーブと実質的に等しくなるまで、調整されてよい。Dは、構成の水圧直径を表しており、Aは、構成の断面領域を表している。ρは、構成内の流体の密度を表している。式7において、Fd及びρは、可変パラメータであり、残りのパラメータは時間に対して一定である。

与構成の質量流量は、上述した式2と同様の式を用いて計算されてよい。

再び図10を参照して、質量保存の法則により、隣接する直列に接続された構成を通る流体の質量流量は同じになるだろう。例えば、燃料電池スタック1008とパイプ1010とは直列に接続されている。それ故、燃料電池スタック1008を介して流れる流体の全ては、分かれることなく、その後パイプ1010を介して流れるだろう。これについて、燃料電池スタック1008を通る流体の質量流量は、パイプ1010を通る流体の質量流量と等しくなるだろう。同様に、インタークーラ1012を通る流体の質量流量は、他のパイプ1014を通る流体の質量流量と等しくなるだろう。

例えばジャンクション1016等、多数の構成からの流体が合流する場合、ジャンクション後(即ち、例えばパイプ1018等の後続構成による)の質量流量は、複数の構成による質量流量の和に等しいだろう。これについて、パイプ1018を通る流体の質量流量は、第1パイプ1010による質量流量と、第2パイプ1014による質量流量との和に等しいだろう。

しかしながら、流体の流れが分かれる(即ち、構成が並列に接続されている)位置についての質量流量の計算は、より難しくなる。例えば図10及び11を参照して、ダイアグラム1100は、模範的な流れが分かれる状況を描いている。ダイアグラム1100は、分流器1108で第1流路1104及び第2流路1106に分かれる主流路1102を含んでいる。第1流路1104は、ジャンクション1114で第2流路1106と再合流する前に、第1構成1110及び第2構成1112を介して流れる。第2流路1106は、ジャンクション1114で第1流路1104と再合流する前に、第3構成1116及び第4構成1118を介して流れる。

ダイアグラム1100は、分流器1020(分流器1108により表される)、第1流路1022及び第2流路1024を含むモデル1000の一部を、おおよそ表している。第1流路1022は、2つのパイプ1026、1028と、主ラジエータ1030とを含んでおり、第2流路1024は、2つのパイプ1032、1034と、副ラジエータ1036とを含んでいる。図示するように、燃料電子回路のモデル1000は、合流分流と、直列に接続された多数の構成を含む並列の支流とを含んでいる。

モデル1000の質量流量及び流れ抵抗を解決する場合、一以上の構成の流れ抵抗が既知であり、且つ、少なくとも一つの構成(ポンプ1038等)について質量流量が既知であるだろう。質量流量が一の構成について既知であるので、質量流量は、分流器に到達する前の、各後続構成について維持される。これについて、他のパイプ1040を介する流体の質量流量は、ポンプ1038を介する流体の質量流量と等しいだろう。

流体が分流器に到達した場合、付加的な計算が、構成の組み合わせの等価流れ抵抗と、各支流による質量流量とを計算するために行われてよい。主流路1102の質量流量(mtotal)は既知であってよい(即ち、前の直列構成による質量流量と等しくなるように設定されてよい)。同様に、構成1110、1112、1116、1118の流れ抵抗も既知であってよい。

等価流れ抵抗を計算するために、下記の式8及び9が用いられてよい。

式8は、直列に接続された構成の等価流れ抵抗を計算するために用いられてよい。これについて、第1流路1104による等価流れ抵抗は、第1構成1110の流れ抵抗(Z1)と第2構成1112の流れ抵抗(Z2)との和に等しくてよい。

式9は、並列に接続された構成の等価流れ抵抗を計算するために用いられてよい。例えば、第1流路1104(Z3)及び第2流路(Z4)とによる等価流れ抵抗は、既知であってよい。これについて、構成1110、1112、1116、1118全てによる流れ抵抗に対応する等価流れ抵抗は、式9を用いて計算されてよい。

第1流路1104による質量流量(m1)及び第2流路1106による質量流量(m2)を計算するために、下記の式10及び11が用いられてよい。

式10は、第1流路1104を通る流体の質量流量(m1)を決定するために計算される。Z3は、第1流路1104の構成1110、1112の等価流れ抵抗を表しており、Z4は、第2流路1106の構成1116、1118の等価流れ抵抗を表している。しかしながら、Z3及びZ4は、現段階では未知の値である。これについて、式10は、前期間のZ3及びZ4を用いて解かれる。計算は、比較的短い間隔(例えば、1ミリ秒(ms)と1秒との間、又は、5msから50msとの間、約16ms等)で実行されるので、等価流れ抵抗が、連続する期間の間で大きく変化する可能性は低い。これについて、前期間の等価流れ抵抗を用いて式10を解くことは、比較的正確な質量流量値を提供するために有望である。現在の流れ抵抗又は現在の質量流量値が既知であるということ、且つ、質量流量値が、等価流れ抵抗(及び、逆に、式7につき)を解くために必要であることに起因して、前期間の等価流れ抵抗を用いることは望ましい。前期間の等価流れ抵抗を用いることは、ECUに、リアルタイムに任意の支流に分離する流れを動的に解くことを可能にするという利益がある。いくつかの実施形態では、「リアルタイム反復ソルバ」と称されるツールは、リアルタイムに式のセットを解くことに用いられてよい。

いったん第1流路1104による質量流量(m1)が、式10を用いて計算されると、第2流路1106による質量流量(m2)が、総質量流量(mtotal)から第1流路1104による質量流量(m1)を差し引く式11を用いて計算されてよい。

質量流量値が計算された後、現段階の流れ抵抗を決定するために、式8及び11が再度計算されてよい。これらの計算は、前期間の流れ抵抗に基づいて計算された質量流量を用いて行われる。

図9A、9B及び10に戻り、ECUは、ブロック912において、燃料電池回路のリザーバ1042内の流体のリザーバ圧力を決定してよい。リザーバ1042は、燃料電池回路に追加される流体を含んでいるリザーバであってよい。いくつかの実施形態では、リザーバ1042は、対応する車両のユーザに、冷却剤等の流体を提供可能とする部分を含んでいてよい。リザーバ圧力は、センサデータに基づいて決定されてもよいし、ECUにより計算されてもよい。

ブロック914では、ECUは、リザーバ圧力及びブロック910において計算された質量流量値に基づいて、燃料電池回路の各構成の圧力値を計算してよい。特に、燃料電池回路の各構成を横断する圧力ドロップが、下記の式12を用いて計算されてよい。

式12において、ΔPは、例えばパイプ1040等の与構成の圧力ドロップを表している。mは、与構成を通る流体の質量流量を表しており、Zは、該構成の流れ抵抗を表している。これについて、式12は、燃料電池回路の各構成の圧力ドロップを計算するために用いられてよい。

ポンプ1038は、圧力源及び質量流量源の両方として作動してよい。いくつかの実施形態では、ポンプ1038は、ポンプ速度、ポンプ1038による質量流量及び圧力値がカップリングされていることを意味する、ターボ式ポンプであってよい。それ故、前期間総システム圧力ドロップ値は、現段階の総質量流量(即ち、ポンプ1038による質量流量)を計算又は見積もるために、現段階のポンプ速度と一緒に用いられてよい。

リザーバ圧力、及び、燃料電池回路の各構成の圧力ドロップがわかった後、各構成の入口及び出口各々の圧力が計算されてよい。例えば、パイプ1044の出口とリザーバ1042とは直接接続されているので、パイプ1044の出口での圧力は、リザーバ圧力と等しい。パイプ1044の圧力ドロップは既知であるので、パイプ1044の入口での圧力は、パイプ1044の圧力ドロップをリザーバ圧力に加えることにより計算されてよい。この計算は、燃料電池回路ユニットまわりに続けられてよく、燃料電池回路の各ノードでの圧力が決定される。

ブロック916では、複数の構成各々を通る流体の密度値が計算されてよい。例えば、密度値は、上述した式7と同様の式を用いて計算されてよい。

ブロック918では、複数の構成各々内の流体についての比熱値が計算されてよい。例えば、比熱値は、上述した式2と同様の式を用いて計算されてよい。

ブロック920では、燃料電池回路の複数の構成各々についての熱伝達値が計算されてよい。熱伝達値は、与構成により、流体に加えられる又は流体から取り去られる熱量に対応していてよい。上述したように、インタークーラ1012及び燃料電池スタック1008は、流体に熱を加える2つの構成である。燃料電池スタック1008の熱伝達値(QFC)は、上述した式2と同様の式を用いて計算又は見積もられてよい。インタークーラ1012の熱伝達値は、同様の又は他の式を用いて計算されてよい。

複数のラジエータ1046と、複数のパイプ1004各々とは、流体から熱を取り去ることが多い。燃料電池回路の複数のラジエータ1046各々の熱伝達値は、上述した式3から6等の式を用いて計算されてよい。複数のパイプ1004各々の熱伝達値は、複数のパイプ1004の伝達特性、流体の温度、及び、複数のパイプ1004の外側の環境温度に基づいて見積もられてよい。

ブロック922では、ECUは、燃料電池回路の複数の構成に対応する複数の温度値を計算してよい。例えば、ECUは、複数の構成の複数の出口での温度値を計算してよい。エネルギ保存の法則により、第1構成の出口での温度は、隣接する下流構成の入口での温度と等しいだろう。温度値は、前期間の温度値を用いて計算されてよい。温度値は、下記の式13と同様の式を用いて計算されてよい。

式13において、TK+1は、現期間の対応する構成の出口での流体の温度を表している。TKは、以前に計算された、前期間の流体の温度を表している。Δtは、期間の長さ(例えば、1msと1秒との間、5msと50msとの間、又は約16ms等)を表している。τは、時定数を表しており、ρV/mに等しい。ここで、ρは、構成内の流体の密度を表しており、Vは、構成内の流体の体積を表しており、mは、こうせいを通る流体の質量流量を表している。xK+1は、独立変数を表しており、現期間に計算される値である。

特に、xK+1は、[T1+1/ρc(P1−P2)−1/cm(Q)]として提供されてよい。T1は、構成の入口での温度を表している。ρは、構成内の流体の密度を表しており、cは、構成内の流体の比熱を表している。P1は、構成の入口での流体の圧力を表しており、P2は、構成の出口での流体の圧力を表している。mは、構成を通る流体の質量流量を表している。Qは、構成の熱伝達値を表しており、ブロック920において実行される計算から取得されてよい。

式13は、各期間、複数の構成各々について、ECUにより実行されてよい。燃料電池回路の少なくとも一つの構成(例えば、燃料電池スタック1008の出口等)についての温度が(温度センサから)既知であるので、この温度は、隣接する下流構成の出口温度(例えば、パイプ1010の入り口温度)を解くための入力として用いられてよい。隣接する下流構成の出口温度が一旦計算されると、次の構成等について、燃料電池回路の各構成について出口温度がわかるまで、出口温度が計算されてよい。

ブロック924では、ECUは、燃料電池回路の各アクチュエータの所望アクチュエータポジションを計算してよい。上述したように、アクチュエータは、ラジエータファン、ポンプ及び三方弁を含んでいてよい。例えば、ECUのフィードフォワード制御又はフィードバック制御は、温度制御信号、並びに、例えば質量流量値、圧力値及び温度値等の状態エスティメータにより計算された値に基づいて、所望アクチュエータポジションを計算してよい。

ブロック924では、ECUは、所望アクチュエータポジションとなるようにアクチュエータを制御してよい。

さて図12A及び12Bを参照すると、燃料電池回路を加熱又は冷却するフィードバックの方法1200が示されている。方法1200は、例えば図3のフィードバック制御316等のフィードバック制御により行われてよい。

ブロック1202では、ECUは、燃料電池回路内の流体の所望温度に対応する温度制御信号を決定してよい。例えば、温度制御信号は、流体の所望温度に対応していてよく、例えば温度変化率を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、温度制御信号は、一以上の位置での流体の所望温度に基づいて決定されてよい。温度制御信号は、例えば図3の状態ガバナ308等の状態ガバナを用いて決定されてよい。

ブロック1204では、ECUは、温度制御信号に基づく流体温度を増加又は減少するために、アクチュエータをフィードフォワード制御してよい。例えば、ECUは、例えば図3のフィードフォワード制御312等のフィードフォワード制御を用いて、フィードフォワード制御信号を決定してよい。フィードフォワード制御は、温度制御信号に基づいていてよく、状態エスティメータを用いて計算された見積値であってよい。いくつかの実施形態では、ECUは、フィードフォワード制御を用いて燃料電池回路の一以上のアクチュエータを直接制御してよい。いくつかの実施形態では、ECUは、フィードフォワード制御及びフィードバック制御の組み合わせを用いて、一以上のアクチュエータを直接制御してよい。

ブロック1206では、一以上の位置での流体の流体温度は、温度センサにより決定、又は、ECU、例えば状態エスティメータ内、により計算されてよい。

ブロック1208では、ECUは、一以上の位置の、検出された又は計算された温度と、所望温度との間の温度差を決定してよい。例えば、ECUは、燃料電池スタックの出口での検出された又は計算された温度と、燃料電池スタックの出口での流体の所望温度との温度差を決定してよい。

ブロック1210では、ECUは、感度を決定又は計算してよい。感度は、流体温度の変化に対する、アクチュエータポジションの変化(アクチュエータポジションの物理的な変化、アクチュエータ制御信号の変化、又は、アクチュエータ制御信号の決定に用いられるパラメータ値の変化を含む)に対応又は関連していてよい。例えば、感度は、 アクチュエータのアクチュエータポジションのどの程度の変化が、流体の流体温度を1度だけ変化するかを示してよい。他の例として、感度は、質量流量のどの程度の変化が、流体の流体温度を1度だけ変化するかを示してよい。

いくつかの実施形態及びブロック1212では、ECUは、時間遅延により感度を割ってよい。これは、流体の流体温度がセンサにより検出される場合に特に有用であることが多い。これは、センサにより検出された流体温度は、例えば1から5秒等、1秒以上遅れることが多いからである。これについて、アクチュエータ制御が、時間遅延センサ読取値に基づくならば、アクチュエータ制御は、遅延読取値によりゆらぐだろう。時間遅延により感度を割ることは、アクチュエータ制御においてよりゆるやかな変化という結果をもたらし、それ故、アクチュエータ制御のゆらぎの可能性が減少する。

いくつかの実施形態では、流体温度が、時間遅延を有するセンサにより検出されずに、ECUにより計算される場合は特に、ブロック1212は回避されてよい。これは、遅延が全くなければ、流体温度の計算は比較的小さい遅延しか有さないからである。従って、アクチュエータ制御は、より現在の読取値に基づいており、時間遅延操作は不要である。

ブロック1208において決定された温度差は、温度エラーに対応していてよい。言い換えれば、位置での所望温度と、該位置での実際の温度との差分であるので、温度差はエラーに対応している。これについて、ブロック1214では、感度は、誤差信号を決定するために温度差に適用されてよい。誤差信号は、アクチュエータポジションのエラー、又は、温度差を引き起こすアクチュエータポジションの計算に用いられるパラメータのエラーに対応、又は、を示していてよい。例えば、誤差信号は、ポンプが、燃料電池回路を通る流体を、非常に低い又は高い質量流量率でポンピングしていることを示してよい。誤差信号は更に、流体のアクチュエータ温度を、流体の所望温度に比較的等しくするだろう質量流量の差分を示す、又は、に対応していてよい。

ブロック1216では、ECUは、フィードバック制御信号を生成するために、誤差信号を、比例−積分−微分(PID又はPI)コントローラに通してよい。PIDコントローラは、誤差信号の過去及び現在の値を解析して、現在の誤差信号、過去の誤差信号、及び、誤差信号の潜在的な他のエラーに基づいて、フィードバック制御信号を生成してよい。

ブロック1218では、ECUは、フィードバック制御信号に基づいてアクチュエータを制御してよい。例えば、ECUは、フィードフォワード制御信号(例えば、図8A及び8Bの方法800を用いて生成された制御信号等)と、フィードバック制御信号との和を生成し、該和に基づいてアクチュエータを制御してよい。いくつかの実施形態では、ECUは、フィードバック制御信号のみに基づいてアクチュエータを制御してよい。

さて図13を参照すると、図2のECU102、特にフィードバック制御316は、三方弁コントローラ1300を含んでいてよい。三方弁コントローラ1300は、三方弁のフィードバック制御を行うために、図12A及び12Bの方法1200と同様の方法を行うように設計された論理又は特別のハードウェアであってよい。

三方弁コントローラ1300は、差分ブロック1302を含んでいてよい。差分ブロック1302は、燃料電池スタックの入口で測定又は計算された流体温度1304を受信してよい。例えば、流体温度1304は、ECU102の状態エスティメータにより計算されてもよい。差分ブロック1302は更に、燃料電池スタックの入口での流体の所望温度に対応する所望温度1306を受信してよい。差分ブロック1302は、流体温度1304と所望温度1306との間の差に対応する温度差1308を出力してよい。

三方弁コントローラ1300は更に、第2差分ブロック1310を含んでいてよい。第2差分ブロック1310は、ラジエータの出口での流体の温度に対応するラジエータ温度1312を受信してよい。第2差分ブロック1310は更に、燃料電池回路のバイパス支流に沿う位置での流体の温度に対応するバイパス流体温度1314を受信してよい。第2差分ブロック1310は、ラジエータ温度1312とバイパス流体温度1314との間の差分1316を出力してよい。

三方弁コントローラ1300は更に、感度ブロック1318を含んでいてよい。感度ブロック1318は、ラジエータ温度1312と、バイパス流体温度1314、及び、ポンプの入口での流体の温度に対応するポンプ流体温度1320との間の差分1316を受信してよい。感度ブロック1318は、三方弁のバルブポジションの変化の、例えば燃料電池スタックの入口での流体温度等である、流体の流体温度の変化に対応する感度1322を決定してよい。例えば、感度1322は、燃料電池スタックの入口での流体温度の1度の変化という結果をもたらす、バルブポジション(Z)の変化がどの程度かを示してよい。

感度1322は、下記の式14と同様の式を用いて計算されてよい。いくつかの実施形態では、感度は、式14と同様の式を用いて構成されるルックアップテーブル又はルックアップマップとして提供されてよい。いくつかの実施形態では、感度は、感度ブロック1318が、受信された入力に基づいて感度を計算するような式として提供されてよい。

式14において、dZ/dTは、感度ブロック1318により決定又は計算された感度1322を表している。Tpumpinは、ポンプ流体温度1320を表している。ΔTは、燃料電池スタックの入口での設定された流体温度変化を表している。いくつかの実施形態では、ΔTは、摂氏1度に設定される。Tbypassは、バイパス流体温度1314を表しており、Tradoutは、ラジエータの出口でのラジエータ温度1312を表している。感度dZ/dTは、燃料電池スタックの入口での流体の所定温度変化(例えば摂氏1度等)に達するために、三方弁の分流比をどの程度変化させるべきかを示している。

図8A及び8Bを参照して上述したように、分流比は、ラジエータに向かって振り向けられた(例えば、質量流量を用いて測定された)流体の量と、燃料電池回路全体を流れる(例えば、質量流量を用いて測定された)流体の総量との比に対応していてよい。それ故、分流比1は、流体の全てがラジエータを介して流れ、バイパス支流には流れないことを示すことになる。また、図8A及び8Bを参照して上述したように、三方弁の分流比(Z)は、ラジエータの出口でのラジエータ温度1312とバイパス流体温度1314との間の差分の関数である。

三方弁コントローラ1300は更に、掛け算ブロック1324を含んでいてよい。掛け算ブロック1324は、感度1322を温度差1308に適用してよい。例えば、掛け算ブロック1324は、温度差1308に感度1322を掛けてよい。掛け算ブロック1324の結果は、誤差信号1326であってよく、(例えば、分流比に対応する値で測定された)三方弁ポジションにおけるエラーを示していてよい。

三方弁コントローラ1300は更に、比例−積分−微分(PID)コントローラ1328を含んでいてよい。PIDコントローラ1328は、誤差信号1326を受信してよく、現在の誤差値、過去の誤差値、及び、誤差信号1326の潜在的な誤差を考慮することにより、フィードバック制御信号1330を生成してよい。

ECU102は更に、フィードバック制御信号1330を、フィードフォワード制御信号1334と一緒に受信してよい。フィードフォワード制御信号1334は、図3のフィードフォワード制御312等のフィードフォワード制御により決定又は計算された三方弁のフィードフォワード制御に対応してよい。

組み合わせブロック1332は、フィードバック制御信号1330とフィードフォワード制御信号1334との和を生成してよい。組み合わせブロック1332は、フィードフォワード及びフィードバック制御に基づく最終的な所望バルブポジションに対応する組み合わせ制御信号1336を出力してよい。特に、組み合わせ制御信号1336は、最終的な所望分流比に対応していてよい。

組み合わせ制御信号1336は、ルックアップテーブル1338により受信されてよい。いくつかの実施形態では、ルックアップテーブル1338は、分流比を所望バルブポジションへ変換するための計算、他の方法又は装置を代わりに含んでいてよい。これについて、ルックアップテーブル1338は、組み合わせ制御信号1336を受信してよく、組み合わせ制御信号1336を最終的な所望バルブポジション1340へ変換してよく、最終的な所望バルブポジションを出力してよい。ECUは、最終的な所望バルブポジション1340に基づいて三方弁を制御してよい。

さて図14を参照すると、図2のECU102、特にフィードバック制御316は、ポンプコントローラ1400を含んでいてよい。ポンプコントローラ1400は、ポンプのフィードバック制御を実行するために、論理又は特別なハードウェアとして与えられ、図12A及び12Bの方法1200と同様の方法を実行するように設計されてよい。

ポンプコントローラ1400は、差分ブロック1402を含んでいてよい。差分ブロック1402は、燃料電池スタックの出口で測定又は計算された流体温度1404を受信してよい。例えば、流体温度1404は、例えば図2の温度センサ224等の温度センサにより測定されてよく、ECU102の状態エスティメータにより計算されてもよい。差分ブロック1402は更に、燃料電池スタックの出口での流体の所望温度に対応する所望温度1406を受信してよい。例えば、所望温度1406は、燃料電池スタックの出口での流体の指令温度に対応してよく、ECU102の上位コントローラにより決定されてよい。差分ブロック1402は、流体温度1404と所望温度1408との間の差分に対応する温度差1408を出力してよい。

ポンプコントローラ1400は更に、第2差分ブロック1410を含んでいてよい。第2差分ブロック1410は、流体温度1404と、燃料電池スタックの入口での流体の温度に対応する燃料電池入口温度1414とを受信してよい。燃料電池入口温度1414は、ECU102の状態エスティメータにより測定又は計算されてよい。第2差分ブロック1410は、流体温度1404と燃料電池入口温度1414との間の差分1416を出力してよい。差分1416は、燃料電池スタックの入口と出口との間の差分に対応するので、燃料電池スタックの温度勾配としても参照されてよい。

ポンプコントローラ1400は更に、感度ブロック1418を含んでいてよい。感度ブロック1418は、差分1416を、(燃料電池スタックから流体へ伝達される熱量に対応する)燃料電池スタックにより出力される熱量1420と、燃料電池スタック内の流体の等価比熱1412とを一緒に受信してよい。感度ブロック1418は、例えば燃料電池スタックの出口での流体温度等の、流体の流体温度の変化に対する、ポンプのポンプ出力の変化(例えば流体の質量流量の変化等)に対応する感度1422を決定してよい。例えば、感度1422は、ポンプにより出力される質量流量のどの程度の変化が、燃料電池スタックの出口での流体温度の1度の変化に対応するかを示してよい。

感度1422は、下記の式15と同様の式を用いて計算されてよい。いくつかの実施形態では、感度は、式15と同様の式を用いて構成されたルックアップテーブル又はルックアップマップとして提供されてよい。いくつかの実施形態では、感度は、感度ブロック1418が受信された入力に基づいて感度を計算するような式として提供されてよい。

式15において、Δm/dTFCoutは、感度ブロック1418により決定又は計算された感度1422を表している。示すように、感度1422は、燃料電池スタックの出口での流体温度の変化(dTFCout)に対する、ポンプにより出力される質量流量の変化(Δm)に対応している。特に、感度Δm/dTFCoutは、所定の温度変化(例えば摂氏1度)に到達するために要求される、ポンプにより出力される質量流量の変化量を示している。いくつかの実施形態では、dTFCoutは、摂氏1度に設定されている。ceqは、燃料電池スタック内の流体の等価比熱1412を表している。QFCは、燃料電池スタックにより出力される熱量1420を表している。TFCoutは、燃料電池スタックの出口での流体の流体温度1404を表しており、TFCinは、燃料電池スタックの入口での燃料電池入口温度1414を表している。

ポンプコントローラ1400は更に、割り算ブロック1426を含んでいてよい。割り算ブロック1426は、感度1422を、時間遅延1424と一緒に受信してよい。割り算ブロック1426は、時間遅延1424により感度1422を割ってよい。この割り算が行われることにより、割り算ブロック1426は、ポンプ制御のより緩やかな変化を引き起こす感度1422を減らす。これについて、割り算ブロック1426は、ポンプ制御のゆらぎを減らしてよい。これは、温度センサの遅延読取値のため、流体温度1406が温度センサにより検出される場合に特に有用だろう。いくつかの実施形態では、割り算ブロック1426は、特に、流体温度1406がECU102の状態エスティメータにより計算される場合には除かれてよい。割り算ブロック1426は、調整された感度1428を出力してよい。いくつかの実施形態では、図13の三方弁コントローラ1300は、同様の割り算ブロックを含んでいてよい。

ポンプコントローラ1400は更に、掛け算ブロック1430を含んでいてよい。掛け算ブロック1430は、調整された感度1428を温度差1408に適用してよい。例えば、掛け算ブロック1430は、温度差1408に調整された感度1428を掛けてよい。掛け算ブロック1430の結果は、ポンプにより出力される所望質量流量におけるエラーを示す誤差信号1432であってよい。これについて、誤差信号は質量流量値を示してよい。

ポンプコントローラ1400は更に、PIDコントローラ1434を含んでいてよい。PIDコントローラ1434は、誤差信号1432を受信してよく、現在の誤差値、過去の誤差値、及び、誤差信号1432の潜在的な将来の誤差を考慮してフィードバック制御信号1436を生成してよい。

ECU102は更に、フィードバック制御信号1436を、フィードフォワード制御信号1440と一緒に受信する組み合わせブロック1438を含んでいてよい。フィードフォワード制御信号1440は、例えば図3のフィードフォワード制御312等のフィードフォワード制御により決定又は計算された、ポンプのフィードフォワード制御に対応してよい。

組み合わせブロック1438は、フィードバック制御信号1436と、フォードフォーワード制御信号1440との和を生成してよい。組み合わせブロック1438は、フィードフォワード及びフィードバック制御に基づく、ポンプにより出力される最終的な所望質量流量に対応する組み合わせ制御信号1442を出力してよい。

組み合わせ制御信号1442は、ルックアップテーブル1444により受信されてよい。いくつかの実施形態では、ルックアップテーブル1444は、代わりに、質量流量率をポンプ制御信号に変換するための、計算、他の方法又は装置を含んでいてよい。これについて、ルックアップテーブル1444は、組み合わせ制御信号1442を受信してよく、組み合わせ制御信号1442を、最終的なポンプ制御信号1446に変換してよい。ECUは、最終的なポンプ制御信号1446に基づいて、ポンプを制御してよい。

さて図15A及び15Bを参照すると、見積パラメータを訂正する方法1500が示されている。方法1500は、例えば図2の燃料電池回路118等の燃料電池回路の複数の構成により実行されてよい。例えば、方法1500は、図3のオブザーバ322等のECUのオブザーバにより実行されてよい。見積パラメータは、状態エスティメータにより生成された見積られた又は計算されたパラメータを含んでいてよい。見積パラメータの訂正は、トリクルダウン効果により精度を向上するために、状態エスティメータによる並列計算を生じてよい。

ブロック1502では、ECUは、ラジエータにより取り去られる熱量に影響を及ぼす見積パラメータを見積もってよい。上述したように、ラジエータを通り越す環境空気の速度が、ラジエータにより取り去られる熱量の計算に含まれていてよい。これについて、見積パラメータは、一以上のラジエータを越えて流れる環境空気の速度を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、見積パラメータは、例えば環境空気の温度等の他の値を含んでいてよい。

ブロック1504では、ECUは、アクチュエータの制御に用いられるアクチュエータ制御信号を決定してよい。例えば、制御信号が、ファンのファン速度又はファンを作動するためのパワー信号に対応するように、アクチュエータはファンを含んでいてよい。ECUは、例えば図3のフィードフォワード制御312等のフィードフォワード制御において、アクチュエータ制御信号を決定してよい。

ブロック1506では、温度センサは、燃料電池回路内の流体の流体温度を検出してよい。例えば、流体温度は、図2の燃料電池回路118の温度センサ226等により、一以上のラジエータの出口で検出されてよい。

ブロック1508では、ECUは、流体の見積流体温度を見積もってよい。例えば、見積流体温度は、ブロック1506において流体温度が検出された位置(即ち、ラジエータの出口)と同じ位置について見積もられてよい。ECUは、例えば図3の状態エスティメータ320等の状態エスティメータを用いて、見積流体温度を見積もってよい。

ブロック1510では、ECUは、ブロック1506において検出された流体温度と、ブロック1508において計算された見積流体温度との間の温度差を計算又は決定してよい。これについて、温度差は、測定された温度と状態エスティメータにより見積もられた温度との間の差分を表すものとしての、状態エスティメータによるエラー又は誤計算を示してよい。

ブロック1512では、ECUは、感度を決定又は計算してよい。感度は、流体温度の変化に対する見積パラメータの変化に対応又は関連していてよい。見積パラメータはファンについての制御信号の決定に用いられるので、見積パラメータの変化は、ラジエータにより流体から取り去られる熱量に最終的に影響を及ぼす。例えば、感度は、見積パラメータのどの程度の変化が、流体温度の摂氏1度の変化を引き起こすために必要かを示してよい。いくつかの実施形態では、流体温度は、ラジエータの出口で測定又は計算されてよい。

ブロック1514では、ECUは、誤差信号を決定するために、感度を温度差に適用してよい。誤差信号は、温度差を引き起こす見積パラメータを示してよい、又は、に対応してよい。例えば、誤差信号は、状態エスティメータにより計算された見積パラメータ(例えば環境空気速度)の値が非常に低い又は非常に高いことを示してよい。誤差信号は更に、見積流体温度を、流体の実際の流体温度に実質的に等しくするだろう見積パラメータの値における差異を示してよい、又は、に対応してよい。

ブロック1516では、ECUは、更新された見積パラメータを生成するために、誤差信号をPIDコントローラに通してよい。PIDコントローラは、誤差信号の過去及び現在の値を分析して、現在の誤差値、過去の誤差値、及び、誤差信号の潜在的な将来の誤差値に基づいて、更新された見積パラメータを生成してよい。

ブロック1518では、ECUは、更新された見積パラメータに基づいて、更新されたアクチュエータ制御信号を決定してよい。例えば、フィードフォワード制御は、状態エスティメータにより生成されたオリジナルの見積パラメータよりも更新された見積パラメータを用いて新たなファン制御信号を生成してよい。これについて、更新された見積パラメータを用いることは、流体の実際の温度を、流体の所望温度へより近づける可能性がある。

ブロック1520では、ECUは、ブロック1518において生成された更新された見積パラメータに基づいて、アクチュエータを制御してよい。

さて図16を参照すると、図2のECU102、特にオブザーバ322は、見積パラメータコントローラ1600を含んでいてよい。見積パラメータコントローラ1600は、論理又は特別なハードウェアを用いて与えられてよく、状態エスティメータにより見積もられたパラメータを更新するために、図15A及び15Bの方法1500と同様の方法を実行するように設計されてよい。

見積パラメータコントローラ1600は、差分ブロック1602を含んでいてよい。差分ブロック1602は、(例えば、図2の温度センサ226等による)ラジエータの出口で測定された流体温度1604を受信してよい。差分ブロック1602は更に、状態エスティメータにより計算されたラジエータの出口での流体の流体温度に対応する見積流体温度1606を受信してよい。差分ブロック1602は、測定された流体温度1604と見積流体温度1606との間の差分に対応する温度差1608を出力してよい。これについて、温度差1608は、見積流体温度1606の計算における誤差を含んでいてよい。

見積パラメータコントローラ1600はsらに、感度ブロック1614を含んでいてよい。感度ブロック1614は、流体温度1604、ラジエータを越えて流れる環境空気の温度1610、及び、ラジエータを越えて流れる冷却剤(即ち、環境空気)の(例えば、リッター毎分で測定された)比体積流量率1612を受信してよい。温度1610及び比体積流量率1612は、状態エスティメータにより見積又は計算されてよい。感度ブロック1614は、例えばラジエータの出口で測定された流体温度1604等の、流体の流体温度の変化に対する環境空気の速度の変化に対応する感度1618を決定してよい。例えば、感度1618は、速度のどの程度の変化が、流体温度1604の摂氏1度の変化をもたらすかを示してよい。

感度1618は、下記の式16と同様の式を用いて計算されてよい。いくつかの実施形態では、感度は、式16と同様の式を用いて構成されたルックアップテーブル又はルックアップマップとして提供されてよい。いくつかの実施形態では、感度は、感度ブロック1614が、受信された入力に基づいて感度を計算するような式として提供されてよい。

式16において、dT/dvは、感度1618を表している。上述したように、感度1618は、温度の所定変化(例えば摂氏1度等)に対する環境空気の速度の変化に対応していてよい。Δvは、例えば秒速1メートル(1m/s)等、速度の所定変化を表している。式16は、感度1618が、全てのラジエータの入口での流体の温度(Tradin)、全てのラジエータを越えて流れる環境空気の温度1610(Tair_in)、及び、対応するラジエータを越えて流れる冷却剤(即ち、空気)の比体積流量率1612(Vcoolantrad)の関数であることを表している。

Var1は、下記のように表される。

Var1において、Tradinは、全てのラジエータの入口での流体温度を表している。kf_MAPxxは、複数のラジエータ(一つの主ラジエータ(main)及び二つの副ラジエータ(sub1及びsub2))各々に対応するkfファクタを用いて決定されたルックアップテーブル値を表している。vambairは、環境空気の速度を表している。Vcoolantradxxは、対応するラジエータを越えて流れる冷却剤(即ち、空気)の比体積流量率を表している。Tradxxinは、各対応するラジエータの入口での流体の温度を表している。Tair_inxxは、各対応するラジエータを越えて流れる空気の温度を表している。mxxは、対応するラジエータを通って流れる流体の質量流量を表している。cxxは、対応するラジエータを通って流れる流体の比熱を表している。

Var2は、下記のように表される。

見積パラメータコントローラ1600は更に、掛け算ブロック1620を含んでいてよい。掛け算ブロック1620は、感度1618及び温度差1608を受信してよく、感度1618を温度差1608に適用してよい。例えば、掛け算ブロック1620は、温度差1608に感度1618を掛けてよい、又は、温度差1608を感度1618で割ってよい。掛け算ブロック1620の結果は、例えば見積パラメータ(即ち、環境空気の速度)における誤差等、誤差信号1622であってよい。

見積パラメータコントローラ1600は更に、PIDコントローラ1624を含んでいてよい。PIDコントローラ1624は、誤差信号1622を受信してよく、更新された見積パラメータ1626を生成してよい。PIDコントローラ1624は、現在の誤差値、過去の誤差値、及び、誤差信号1622の潜在的な将来の誤差値を考慮して、更新された見積パラメータを生成してよい。ECU102は、その後、更新された見積パラメータ1626を、燃料電池回路のファンを制御するために、フィードフォワード制御へ送信してよい。

明細書及びクレームをとおして用いられた「A及びBの少なくとも一方」は、「A」のみ、「B」のみ、「A及びB」を含む。方法/システムの典型的な実施形態が、図形式で開示されている。従って、全体をとおして用いられた用語は、非制限に解釈すべきである。技術に精通した者に対して、この中での教授に対する軽微な変更は生じるだろうが、このことに関して保証された特許の範囲内で制限すべきものとして何が意図されているのか、技術の進歩の範囲に当然に属し、結果として貢献するこのような実施形態の全ては何か、そして、付加的なクレーム及びその同等物に照らす他は、その範囲は制限されるべきではないこと、を理解すべきである。

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