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燃料電池システム、および、燃料電池システムの制御方法

阅读:46发布:2023-12-30

专利汇可以提供燃料電池システム、および、燃料電池システムの制御方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】電解質膜のドライアップを抑制しつつ、コンプレッサの吐出圧 力 を低下できる技術を提供する。 【解決手段】 燃料 電池システムは、燃料電池と、 酸化 剤ガス給排系と、冷媒循環系と、コンプレッサと、大気圧センサと、制御部とを備え、制御部は、計測大気圧が予め定められた基準大気圧から低下するに伴って、冷媒循環系を制御して燃料電池の 温度 を低下させる共に、調圧弁を制御してコンプレッサの吐出圧力を低下させる温度・圧力低下制御を実行する。 【選択図】図7,下面是燃料電池システム、および、燃料電池システムの制御方法专利的具体信息内容。

燃料電池システムであって、 アノードとカソードと電解質膜とを有する燃料電池と、 前記カソードへの酸化剤ガスの供給と、前記カソードからの前記酸化剤ガスの排出とを行うための酸化剤ガス流路と、前記酸化剤ガス流路のうち前記燃料電池よりも上流側に設けられたコンプレッサと、前記酸化剤ガス流路のうち前記燃料電池よりも下流側に設けられた調圧弁と、を有する酸化剤ガス給排系と、 前記燃料電池の温度を調整する冷媒を循環させる冷媒循環系と、 大気圧を計測する大気圧センサと、 前記大気圧センサが計測した計測大気圧を用いて前記燃料電池システムの動作を制御する制御部と、を備え、 前記制御部は、 前記計測大気圧が予め定められた基準大気圧から低下するに伴って、前記冷媒循環系を制御して前記燃料電池の温度を低下させると共に、前記調圧弁を制御して前記コンプレッサの吐出圧を低下させる温度・圧力低下制御を実行する、燃料電池システム。請求項1に記載の燃料電池システムであって、 前記制御部は、 前記計測大気圧が前記基準大気圧よりも低下した後における、前記コンプレッサの吐出流量と圧力比とによって定まる動作点である低下後動作点が、前記コンプレッサにサージングが生じるサージング領域の外側に位置する場合には、前記温度・圧力低下制御を実行することなく動作点を前記低下後動作点に変更し、 前記低下後動作点が前記サージング領域内に位置する場合には、動作点が前記サージング領域の外側に位置するように前記温度・圧力低下制御を実行する、燃料電池システム。請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムであって、さらに、 前記燃料電池の要求電流値と、前記計測大気圧と、前記燃料電池の目標温度と、を関連付けたマップを記憶する記憶部を有し、 前記燃料電池の目標温度は、前記計測大気圧の低下に伴って前記コンプレッサの吐出圧力を低下させた場合において、前記電解質膜にドライアップが生じない温度に設定されており、 前記制御部は、前記温度・圧力低下制御において、前記マップを参照することで前記要求電流値と前記計測大気圧とによって定まる前記目標温度となるように前記冷媒循環系を制御して前記燃料電池の温度を調整する、燃料電池システム。アノードとカソードと電解質膜とを有する燃料電池と、 前記カソードへの酸化剤ガスの供給と、前記カソードからの前記酸化剤ガスの排出とを行うための酸化剤ガス流路と、前記酸化剤ガス流路のうち前記燃料電池よりも上流側に設けられたコンプレッサと、前記酸化剤ガス流路のうち前記燃料電池よりも下流側に設けられた調圧弁と、を有する酸化剤ガス給排系と、 前記燃料電池の温度を調整する冷媒を循環させる冷媒循環系と、 大気圧を計測する大気圧センサと、を備える燃料電池システムの制御方法であって、 前記大気圧センサが計測した計測大気圧が予め定められた基準大気圧から低下するに伴って、前記冷媒循環系を制御して前記燃料電池の温度を低下させると共に、前記調圧弁を制御して前記コンプレッサの吐出圧力を低下させる温度・圧力低下制御を実行する、燃料電池システムの制御方法。

说明书全文

本開示は、燃料電池システムの技術に関する。

従来、燃料電池車両において、酸化剤ガスを送り出すコンプレッサの消費電を抑えるために、大気圧が基準圧力値よりも低い場合には、燃料電池のカソードの入口圧力を低下させる技術が知られている(特許文献1)。

特開2005−158647号公報

カソードの入口圧力を低下させた場合、カソード排ガスと共に燃料電池内から排出される蒸気量が増加する。燃料電池内から排出される水蒸気量が増加した場合、燃料電池の湿潤状態がドライアップが発生しない理想的な湿潤状態から大きく外れる可能性が生じ得る。この場合において、理想的な湿潤状態を維持するために、燃料電池内を加湿するための加湿器を設けた場合、燃料電池システムのコストが上昇する。

本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。

(1)本開示の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、アノードとカソードと電解質膜とを有する燃料電池と、前記カソードへの酸化剤ガスの供給と、前記カソードからの前記酸化剤ガスの排出とを行うための酸化剤ガス流路と、前記酸化剤ガス流路のうち前記燃料電池よりも上流側に設けられたコンプレッサと、前記酸化剤ガス流路のうち前記燃料電池よりも下流側に設けられた調圧弁と、を有する酸化剤ガス給排系と、前記燃料電池の温度を調整する冷媒を循環させる冷媒循環系と、大気圧を計測する大気圧センサと、前記大気圧センサが計測した計測大気圧を用いて前記燃料電池システムの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記計測大気圧が予め定められた基準大気圧から低下するに伴って、前記冷媒循環系を制御することで前記燃料電池の温度を低下させると共に、前記調圧弁を制御して前記コンプレッサの吐出圧力を低下させる温度・圧力低下制御を実行する。上記形態によれば、計測大気圧が基準大気圧から低下するに伴いコンプレッサの吐出圧力を低下させることで、コンプレッサの消費電力が増大する可能性を低減できる。また上記形態によれば、計測大気圧が基準大気圧から低下するに伴い、燃料電池の温度を低下させている。これにより、吐出圧力を低下させた場合において、電解質膜がドライアップする可能性を低減できる。以上のごとく、上記形態によれば、加湿器を取り付けることなく電解質膜がドライアップする可能性を低減しつつ、コンプレッサの消費電力が増大する可能性を低減できる。

(2)上記形態であって、前記制御部は、前記計測大気圧が前記基準大気圧よりも低下した後における、前記コンプレッサの吐出流量と圧力比とによって定まる動作点である低下後動作点が、前記コンプレッサにサージングが生じるサージング領域の外側に位置する場合には、前記温度・圧力低下制御を実行することなく動作点を前記低下後動作点に変更し、前記低下後動作点が前記サージング領域内に位置する場合には、動作点が前記サージング領域外となるように前記温度・圧力低下制御を実行する。上記形態によれば、低下後動作点がサージング領域内に位置する場合は、温度・圧力低下制御を実行することで、コンプレッサをサージング領域の外側に位置する動作点で動作させることができる。また上記形態によれば、低下後動作点がサージング領域の外側に位置する場合は、温度・圧力低下制御を実行しないので、温度・圧力低下制御における温度の制御を受けることなく、燃料電池の発電効率が良い温度条件で燃料電池を発電させることが可能となる。

(3)上記形態であって、さらに、前記燃料電池の要求電流値と、前記計測大気圧と、前記燃料電池の目標温度と、を関連付けたマップを記憶する記憶部を有し、前記燃料電池の目標温度は、前記計測大気圧の低下に伴って、前記コンプレッサの吐出圧力を低下させた場合において、前記電解質膜にドライアップが生じない温度に設定されており、前記制御部は、前記温度・圧力低下制御において、前記マップを参照することで前記要求電流値と前記計測大気圧とによって定まる前記目標温度となるように前記冷媒循環系を制御して前記燃料電池の温度を調整してもよい。上記形態によれば、制御部は、マップを参照することで、コンプレッサの吐出圧力を低下させた場合において、電解質膜にドライアップが生じることを抑制できる温度・圧力低下制御を実行できる。

本開示は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池システムの制御方法、燃料電池システムを搭載した車両などの形態で実現することができる。

本開示の第1実施形態としての燃料電池システムの構成を示す説明図。

燃料電池システムの電気的構成を示す概略図。

燃料電池の温度と燃料電池からの水の流出量との関係を示す図。

温度マップを説明するための図。

ドライアップマップを示す図。

コンプレッサの性能特性を示すコンプレッサマップを示す図。

制御部が実行する制御の第1のフローチャート。

制御部が実行する制御の第2のフローチャート。

制御部が実行する第2実施形態の第1のフローチャート。

A.第1実施形態: 図1は、本開示の第1実施形態としての燃料電池システム20の構成を示す説明図である。燃料電池システム20は、移動体の一形態である燃料電池車両200に搭載されている。燃料電池システム20は、運転者からの要求に応じて、主に燃料電池車両200の駆動力として用いられる電力を出力する。燃料電池システム20は、燃料電池40と、燃料ガス給排系50と、酸化剤ガス給排系60と、冷媒循環系80と、制御装置100とを備える。

制御装置100は、制御部102と、記憶部104とを備える。制御部102は、記憶部104に記憶された各種プログラムを実行することで燃料電池システム20の動作を制御する。例えば、制御部102は、後述する大気圧センサ61が計測した計測大気圧を用いて燃料電池システム20の動作を制御する。記憶部104には、上述の各種プログラムの他に、温度マップ106とコンプレッサマップ108とドライアップマップ109とが記憶されている。温度マップ106は、大気圧(計測大気圧)の値に応じて燃料電池システム20の動作を制御するために用いられるマップである。コンプレッサマップ108は、コンプレッサ604の性能特性を表すマップである。ドライアップマップ109は、電解質膜のドライアップを防止できる、燃料電池40の温度とカソードの空気圧力との関係を示すマップである。

燃料電池40は、反応ガスとして酸化剤ガスおよび燃料ガスの供給を受けて酸素と水素の電気化学反応によって発電する固体高分子形燃料電池である。本実施形態では、酸化剤ガスは空気であり、燃料ガスは水素ガスである。燃料電池40は、複数の単セル41が積層されたスタック構造を有する。各単セル41は、それぞれが単体でも発電可能な発電要素である。単セル41は、膜電極接合体と、膜電極接合体を挟む2枚のセパレータとを備える。膜電極接合体は、電解質膜と、電解質膜の一方の面に配置されたアノードと、電解質膜の他方の面に配置されたカソードとを有する。電解質膜は、内部に水分を包含した湿潤状態のときに良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜である。各単セル41の外周端部には、各単セル41の積層方向に延び、各単セル41の発電部に分岐接続されている反応ガスのためのマニホールドが設けられている(図示は省略)。各単セル41は、積層された状態で、第1と第2のエンドプレート43,44によって、積層方向に挟まれた状態で締結されている。

燃料ガス給排系50は、燃料ガス供給機能と、燃料ガス排出機能と、燃料ガス循環機能とを有する。燃料ガス供給機能は、燃料電池40のアノードに燃料ガスを供給する機能である。燃料ガス排出機能は、燃料電池40のアノードから排出される燃料ガス(「燃料排ガス」ともいう。)を外部に排出する機能である。燃料ガス循環機能は、燃料ガスを燃料電池システム20内において循環させる機能である。

燃料ガス給排系50は、燃料電池40の上流側に、燃料タンク502と、配管としての燃料ガス供給流路51と、減圧弁52と、開閉弁56と、圧力センサ55とを備える。燃料ガス供給流路51は、燃料電池40(詳細にはアノード)に燃料ガスとしての水素を供給するための配管である。燃料タンク502には、燃料電池40に供給するための高圧水素が充填されている。燃料ガス供給流路51において、上流端は燃料タンク502に接続され、下流端は燃料電池40にされている。開閉弁56は、燃料ガス供給流路51の途中に設けられ、制御部102の指令に応じて燃料ガス供給流路51を開閉する。減圧弁52は、燃料ガス供給流路51のうち開閉弁56よりも下流側に設けられている。減圧弁52は、制御部102からの指令に応じて開度が制御されることで、燃料ガス供給流路51の燃料ガスの圧力を調整する。圧力センサ55は、燃料ガス供給流路51のうち、後述する燃料ガス循環流路54の接続部分よりも下流側の圧力を計測する。計測された圧力は制御部102に送信される。

燃料ガス給排系50は、さらに、燃料電池40の下流側に、配管としての燃料ガス排出流路59と、配管としての燃料ガス循環流路54と、循環ポンプ53と、排気弁58と、を備える。燃料ガス排出流路59は、燃料電池40(詳細には、アノード)から燃料ガスを排出するための配管である。排気弁58は、燃料ガス排出流路59に設けられ、制御部102の指令に応じて燃料ガス排出流路59を開閉する。制御部102は、通常、排気弁58を閉状態とし、予め設定された所定の排水タイミングや、燃料排ガス中の不活性ガスの排出タイミングで排気弁58を開状態に切り換える。

燃料ガス循環流路54は、燃料電池40から排出された燃料ガスを、再び、燃料ガス供給流路51に戻すための配管である。燃料ガス循環流路54の上流端は、燃料ガス排出流路59のうちで排気弁58よりも上流側部分に接続されている。燃料ガス循環流路54の下流端は、燃料ガス供給流路51のうちで減圧弁52よりも下流側部分に接続されている。循環ポンプ53は、制御部102の指令に応じて動作が制御される。循環ポンプ53の動作によって、燃料ガス循環流路54中の燃料ガスが燃料ガス供給流路51に送り込まれる。

酸化剤ガス給排系60は、燃料電池40に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給機能と、燃料電池40から排出される酸化剤ガス(「酸化剤オフガス」ともいう。)を外部に排出する酸化剤ガス排出機能と、供給される酸化剤ガスを燃料電池40を介することなく外部に配置するバイパス機能と、備える。酸化剤ガス給排系60は、カソードへの酸化剤ガスの供給と、カソードから排出された酸化剤ガスの排出と、を行うための酸化剤ガス流路69を備える。

酸化剤ガス給排系60は、酸化剤ガス供給流路66と、エアクリーナ602と、コンプレッサ604と、モータ605と、インタークーラ606と、大気圧センサ61と、外気温センサ62と、エアフローメータ64と、供給ガス温度センサ63と、吐出側圧力センサ65と、入口弁612と、を備える。

酸化剤ガス供給流路66は、燃料電池40の上流側に配置された配管である。エアクリーナ602は、酸化剤ガス供給流路66のうちでコンプレッサ604よりも上流側に設けられ、燃料電池40に供給される空気中の異物を除去する。コンプレッサ604は、燃料電池40よりも上流側の酸化剤ガス供給流路66に設けられ、制御部102からの指令に応じて圧縮した空気をカソードに向けて吐出する。コンプレッサ604は、遠心式のターボコンプレッサであり、制御部102からの指令に応じて動作するモータ605によって駆動される。コンプレッサ604は、吸入側から大気中の空気を吸い込んで、コンプレッサ604内に設けられた羽根車の回転によって空気を加圧し、加圧された空気を吐出側に供給する。インタークーラ606は、酸化剤ガス供給流路66のうちでコンプレッサ604よりも下流側に設けられている。インタークーラ606は、コンプレッサ604によって圧縮されて高温となった空気を冷却する。入口弁612は、酸化剤ガス供給流路66の流路抵抗を調整するための電動弁である。本実施形態において、コンプレッサ604が駆動して燃料電池40が発電している際には入口弁612の開度は100%に設定され、コンプレッサ604が停止して燃料電池40の発電が停止された際には入口弁612の開度は0%に設定される。

大気圧センサ61は、大気圧を計測する。大気圧センサ61は、酸化剤ガス供給流路66のうちでエアクリーナ602よりも上流側に配置されている。外気温センサ62は、コンプレッサ604に取り込まれる酸化剤ガスとしての空気の温度を計測する。外気温センサ62は、酸化剤ガス供給流路66のうちでコンプレッサ604よりも上流側に配置されている。なお、大気圧センサ61と外気温センサ62は、上記配置位置に限られず、大気圧や外気温を計測できれば他の位置に配置されていてもよい。エアフローメータ64は、コンプレッサ604に吸い込まれる酸化剤ガスの流量を計測する。エアフローメータ64は、酸化剤ガス供給流路66のうちでコンプレッサ604よりも上流側に配置されている。供給ガス温度センサ63は、コンプレッサ604から吐出される酸化剤ガスとしての空気の温度を計測する。吐出側圧力センサ65は、コンプレッサ604から吐出される酸化剤ガスとしての空気の圧力を計測する。吐出側圧力センサ65の計測値は、燃料電池40のカソード内の圧力とほぼ同じである。供給ガス温度センサ63および吐出側圧力センサ65は、酸化剤ガス供給流路66のうちでコンプレッサ604よりも下流側に配置されている。各種センサ61,62,63,64,65が計測した計測値は、制御部102に送信される。

酸化剤ガス給排系60は、さらに、バイパス流路72と、バイパス流路72に配置された分流弁613と、酸化剤ガス排出流路68と、燃料電池40の下流側に位置する酸化剤ガス排出流路68に配置された調圧弁614と、を備える。

バイパス流路72は、一端が酸化剤ガス供給流路66に接続され、他端が酸化剤ガス排出流路68に接続された配管である。バイパス流路72は、コンプレッサ604から吐出された空気を、燃料電池40を経由することなく外部に排出するための流路である。分流弁613は、電動弁であり、制御部102からの指令に応じて弁開度を変更できる。分流弁613の弁開度が変更されることで、バイパス流路72の流路抵抗が変更され、酸化剤ガス供給流路66からバイパス流路72に流入する空気の流量が調整される。

酸化剤ガス排出流路68は、燃料電池40のカソードから酸化剤オフガスとしての空気を排出するための配管である。調圧弁614は、電動弁であり、制御部102からの指令に応じて弁開度を変更できる。調圧弁614の弁開度が変更されることで、酸化剤ガス排出流路68の流路抵抗が変更され、燃料電池40のカソード側流路の背圧が調整される。

冷媒循環系80は、冷媒循環流路81と、ウォーターポンプ85と、ラジエータ82と、ラジエータファン88と、三方弁87と、温度センサ86と、を備える。冷媒循環系80は、冷媒としての水を用いて燃料電池40の温度を調整する。冷媒循環流路81は、冷媒供給流路81aと、冷媒排出流路81bと、ラジエータ流路81cと、冷媒バイパス流路81dと、を備える。

冷媒供給流路81aは、燃料電池40に冷媒を供給するための配管である。ウォーターポンプ85は、制御部102の指令に応じて冷媒供給流路81aの冷媒を燃料電池40に送り出す。冷媒排出流路81bは、燃料電池40から冷媒を排出するための配管である。温度センサ86は、冷媒排出流路81bに設けられており、燃料電池40から排出される冷媒の温度を計測する。温度センサ86によって計測された計測値は、制御部102に送信される。ここで、温度センサ86によって計測される温度は、燃料電池40の内部の温度とほぼ等しい。よって、本実施形態では、温度センサ86によって計測された温度を燃料電池40の温度とみなして制御を行う。

ラジエータ流路81cは、冷媒供給流路81aと冷媒排出流路81bとを接続する配管である。ラジエータ82は、ラジエータ流路81cに配置されている。ラジエータ82には、ラジエータファン88が設けられている。ラジエータファン88は、制御部102からの指令に応じてラジエータ82に風を送り、ラジエータ82からの放熱の程度を制御する。

冷媒バイパス流路81dは、ラジエータ82を介することなく冷媒排出流路81bの冷媒を冷媒供給流路81aに流通させるための配管である。三方弁87は、冷媒バイパス流路81dと冷媒排出流路81bとの接続部に配置されている。三方弁87は、制御部102からの指令に応じて、冷媒排出流路81bからラジエータ流路81cに流通する冷媒の流量と、冷媒排出流路81bから冷媒バイパス流路81dに流通する冷媒の流量とを調整する。

図2は、燃料電池システム20の電気的構成を示す概略図である。燃料電池システム20は、二次電池96と、FDC95と、DC/ACインバータ98と、BDC97と、セル電圧センサ91と、電流センサ92とを備える。

セル電圧センサ91は、燃料電池40の全ての単セル41それぞれと接続されており、全ての単セル41それぞれを対象にセル電圧を計測する。セル電圧センサ91は、その計測結果を制御部102に送信する。電流センサ92は、燃料電池40による出力電流の値を計測し、制御部102に送信する。

FDC95及びBDC97は、DC/DCコンバータとして構成された回路である。FDC95は、制御部102から送信される電流指令値に基づき、燃料電池40による出力電流を制御する。電流指令値とは、燃料電池40による出力電流の目標値となる値であり、制御部102によって設定される。制御部102は、燃料電池40の要求電力量を用いて要求電流値を算出することで電流指令値を生成する。制御部102は、例えば、燃料電池車両200のアクセルの開度に応じて要求電力量を決定する。

FDC95は、入力電圧計およびインピーダンス計としての機能を有する。具体的には、FDC95は、入力電圧の値を計測して制御部102に送信する。FDC95は、交流インピーダンス法を用いて燃料電池40のインピーダンスを計測する。本実施形態において用いられるインピーダンスの周波数は、高周波を含み、具体的には100Hz〜1kHzを含む。FDC95は、入力電圧を昇圧してDC/ACインバータ98に供給する。

BDC97は、制御部102の指令に応じて二次電池96の充放電を制御する。BDC97は、二次電池96のSOC(State Of Charge:残容量)を計測し、制御部102に送信する。二次電池96は、リチウムイオン電池で構成され、補助電源として機能する。また二次電池96は、燃料電池40への電力の供給と、燃料電池40によって生じる電力の充電とを行う。

DC/ACインバータ98は、燃料電池40と負荷250とに接続されている。DC/ACインバータ98は、燃料電池40と二次電池96とから出力される直流電力を交流電力へと変換し、負荷250に供給する。

負荷250において発生した回生電力は、DC/ACインバータ98によって直流電流に変換され、BDC97によって二次電池96に充電される。制御部102は、負荷250に加え、二次電池96のSOCも加味して、出力指令値を算出する。

図3は、燃料電池40の温度と燃料電池40からの水の流出量との関係を示す図である。一点鎖線の曲線は、カソードへの空気の供給圧力が100kPaのときの関係を示し、実線の曲線は、カソードへの空気の供給圧力が200kPaのときの関係を示している。図3に示すように、供給圧力(コンプレッサ604の吐出圧力)の高低に拘わらず、燃料電池40の温度が高くなるに従い、カソードから排出される酸化剤ガスと共に燃料電池40から排出される水(水蒸気)の量は指数関数的に増加する。一方で、カソードへの空気の供給圧力(コンプレッサ604の吐出圧力)が高くなると、燃料電池の温度が同じ場合でも、水の排出量は減少する。

図4は温度マップ106を説明するための図である。温度マップ106は、要求電流値ごとに、燃料電池の目標温度と、大気圧センサ61によって計測された計測大気圧とを関連付けたマップである。図4では、ある要求電流値のときの目標温度と計測大気圧との関係を示している。温度マップ106は、要求電流値ごとに、計測大気圧が予め定められた基準大気圧から低下するに伴って、燃料電池の目標温度が低下する関係を定めている。図4に示す、ある要求電流値における温度マップ106において、計測大気圧が基準気圧の場合は目標温度が「TEa」となり、計測大気圧が基準気圧よりも低い「PEb」の場合は目標温度が「TEa」よりも低い「TEb」となる。例えば、温度TEaは60℃であり、温度TEbは40℃である。本実施形態において、基準大気圧は標準気圧に設定されている。温度マップ106において、基準大気圧以上では燃料電池40の目標温度は一定の値に設定されている。温度マップ106において、燃料電池40の目標温度は、計測大気圧の低下に伴ってコンプレッサマップ108の吐出圧力を低下させた場合に、電解質膜にドライアップが生じない温度に設定されている。

次に、計測大気圧と燃料電池40の目標温度との温度マップ106の導出方法を説明する。図5は、ドライアップマップ109を示す図である。ドライアップマップ109は、電解質膜のドライアップを防止できる、燃料電池40の温度とカソードの空気圧力との関係を示すマップである。図5に示すドライアップマップ109は実験により求められる。ドライアップとは、電解質膜の湿潤の度合いが低くなり、燃料電池40の発電効率が著しく低下する状態である。例えば、燃料電池40のインピーダンスが予め定められた閾値を超えた場合に、ドライアップが発生していると判別できる。燃料電池40の温度は、温度センサ86(図1)の計測値を用いている。図5の縦軸の空気圧は、燃料電池40のカソード内の空気圧であり、吐出側圧力センサ65(図1)の計測値を用いている。図5において、基準ラインSLよりも上側の領域(ドライアップ防止領域)ではドライアップが生じず、基準ラインSLよりも下側の領域(ドライアップ領域)ではドライアップが生じる。制御部102は、ドライアップマップ109を参照して、ドライアップ防止領域の吐出圧力を目標吐出圧力として決定する。

図6は、コンプレッサ604の性能特性を示すコンプレッサマップ108を示す図である。図6において、縦軸はコンプレッサ604の圧力比を表し、横軸はコンプレッサ604の吐出流量を表している。コンプレッサ604の動作点は、圧力比と吐出流量との組み合わせで定められている。サージング領域は、コンプレッサ604にサージングが生じる動作点の領域である、サージラインは、サージング領域に含まれない動作点の範囲の限界を表すラインである。圧力比は、コンプレッサ604の吸入側の空気圧(吸入圧力)に対する吐出側の空気圧(吐出圧力)の比である。制御部102は、目標とする空気の吐出流量を以下の式(1)を用いて算出する。以下の式(1)の吐出流量は、修正流量とも言われる。

流量(NL/min)は、燃料電池40の要求電流の目標値(目標要求電流値)を用いて制御部102が決定したコンプレッサ604が吸入する空気の質量流量である。制御部102は、例えば流量と要求電流値との関係を示したマップを参照することで、要求電流値に対する流量を決定する。このマップは例えば記憶部104に記憶される。吸入空気温度は、外気温センサ62(図1)の計測値である。標準空気温度は、基準となる吸入空気の温度であり、予め定められた値(例えば25℃)である。吸入空気圧は、コンプレッサ604が吸入する現実の空気の圧力であり、大気圧センサ61(図1)の計測値である。標準空気圧は、コンプレッサ604が吸入する空気の基準となる圧力であり、予め定められた値(例えば、標準気圧)である。

図6に示すように、大気圧が標準気圧の環境下のときに、制御部102が動作点Aにおいてコンプレッサ604を動作させていた場合において、燃料電池車両200が高地へと移動した場合を考える。燃料電池車両200が高地へと移動し、計測大気圧が基準大気圧よりも低くなった場合、動作点が動作点Aから低下後動作点Bへと移行する。つまり、コンプレッサ604において動作点Aのときと同じ吐出圧力を実現しようとすると、大気圧の低下に伴い圧力比が上昇する。圧力比の上昇の程度によっては、動作点Aがサージング領域に位置する低下後動作点Bへと移行する場合がある。ここで、大気圧が標準大気圧よりも低くなった場合において、動作点Aと同じ吐出圧力を実現しつつ、低下後動作点Bでのコンプレッサ604の動作を回避するために、動作点を動作点Aからサージング領域の外側に位置する動作点Dへと移行させることが考えられる。しかしながら、コンプレッサ604を動作点Dで動作させた場合、吐出流量が動作点Aのときよりも増大するため、増大した流量分の空気を、分流弁613(図1)を開いてバイパス流路72に分流させる必要が生じる。つまり、動作点Aから動作点Dへとコンプレッサ604の動作点を移行させた場合、燃料電池40から要求される空気の流量よりも多い流量をコンプレッサ604によって吐出させる必要がある。よって、コンプレッサ604の消費電力が増大することで、燃料電池システム20の燃費が悪くなる恐れがある。

一方で、大気圧が標準気圧よりも低くなった場合において、コンプレッサ604の吐出流量を維持しつつ、サージング領域の外側に位置する動作点でコンプレッサ604を動作させる場合としては以下の制御が考えられる。つまり、大気圧の低下によって、動作点が動作点Aから低下後動作点Bへと移行する場合、制御部102は調圧弁614(図1)の開度を上げることで吐出圧力を低下させてサージング領域の外側に位置する動作点Cでコンプレッサ604を動作させる。しかしながら、吐出圧力を低下させたことによって、図3に示すように燃料電池40からの水の流出量が増大するために、電解質膜がドライアップする可能性が生じ得る。

よって、本実施形態では、大気圧が標準気圧よりも低下した場合においても、バイパス流路72によって空気を外部に排出することを抑制しつつ電解質膜がドライアップすることを抑制できる、燃料電池40の温度およびコンプレッサ604の吐出圧力を制御部102が決定する。具体的には、図6に示すコンプレッサマップ108を用いて、標準気圧よりも低い大気圧の値ごとに、標準気圧のときよりも低い吐出圧力となるコンプレッサ604の動作点を調整動作点として導出する。次に、図5に示す関係を用いて、調整動作点の吐出圧力において、電解質膜のドライアップが生じない燃料電池40の目標温度を設定する。図6に示す調整動作点ラインは、大気圧が大気圧PEb(図4)のときに導出された調整動作点を結ぶラインであり、通常動作点ラインは、大気圧が標準気圧以上のときの動作点を結ぶラインである。

図7は、制御部102が実行する制御の第1のフローチャートである。第1のフローチャートのルーチンは、燃料電池車両の起動スイッチがON状態において一定時間間隔ごとに繰り返し実行される。

まず、制御部102は、燃料電池40の要求電力量から要求電流値を算出する(ステップS10)。また、制御部102は大気圧センサ61の計測大気圧を取得する(ステップS20)。

次に、制御部102は、温度マップ106(図4)を用いて、燃料電池40の目標温度を決定する(ステップS30)。次に制御部102は、ドライアップマップ109(図5)を用いて燃料電池40の目標温度に応じたコンプレッサ604の目標吐出圧力を決定する(ステップS40)。例えば、前回のルーチンにおいて計測大気圧が基準大気圧であり、今回のルーチンにおいて計測大気圧が基準大気圧から低下した場合(ステップS20)は、制御部102はステップS30〜ステップS40において以下の制御を実行する。まず、温度マップ106(図4)を用いて、計測大気圧が低下するに伴って燃料電池40の目標温度を低下させる(ステップS30)。また、制御部102は、ドライアップマップ109を用いて、燃料電池40の目標温度の低下に伴ってコンプレッサ604の目標吐出圧力を低下させる(ステップS40)。

図8は、制御部102が実行する制御の第2のフローチャートである。制御部102は、ステップS30およびステップS40において、目標温度と目標吐出圧力とを決定した後に、第2のフローチャートを実行する。つまり、制御部102は、目標温度となるように冷媒循環系80を制御して燃料電池40の温度を調整する(ステップS100)。例えば、目標温度が前回のルーチンよりも下がった場合、制御部102は以下の第1の方法と第2の方法との少なくともいずれかの冷媒循環系80の制御方法を用いて燃料電池40の温度を低下させる。 <第1の方法> ウォーターポンプ85によって燃料電池40に供給される冷媒の流量を増やす。 <第2の方法> 三方弁87を制御してラジエータ流路81cを流れる冷媒の流量を増やす。

次に、制御部102は、調圧弁614(図1)の開度を制御して、目標吐出圧力となるように吐出圧力を調整する(ステップS110)。例えば、目標吐出圧力が前回のルーチンよりも下がった場合、制御部102は調圧弁614の開度を上げることで吐出圧力を低下させる。ここで、調圧弁614の開度を上げた場合、酸化剤ガス供給流路66の流路抵抗が低くなりコンプレッサ604の吐出流量が増大する。よって、吐出流量を一定に維持するために、制御部102はコンプレッサ604の回転数を低下させる。以上のように、制御部102は、計測大気圧が基準大気圧から低下するに伴って、燃料電池40の温度を低下させるように冷媒循環系80を制御すると共に、調圧弁614を制御してコンプレッサ604の吐出圧力を低下させる温度・圧力低下制御を実行する(ステップS30、ステップS40、ステップS100、ステップS110)。

上記第1実施形態によれば、制御部102は、計測大気圧が予め定められた基準大気圧から低下するに伴って、冷媒循環系80を制御して燃料電池40の温度を低下させている(図7のステップS20,ステップS40、図8のステップS100)。また、制御部102は、計測大気圧が予め定められた基準大気圧から低下するに伴って、調圧弁614を制御してコンプレッサ604の吐出圧力を低下させている(図7のステップS50、図8のステップS110)。これにより、計測大気圧が基準大気圧から低下するに伴いコンプレッサ604の吐出圧力を低下させることで、吐出流量を増大させることを要することなくコンプレッサ604の動作点がサージング領域内に位置する可能性を低減できる。これにより、吐出流量を増大させることに起因したコンプレッサ604の消費電力の増大を抑制できる。また、コンプレッサ604の消費電力の増大を抑制できるので、コンプレッサ604に供給される燃料電池40の電力量を低減できる。これにより、燃料電池40の発電量が増大することを抑制できるので、燃料電池40の温度上昇を抑制できる。また、計測大気圧が基準大気圧から低下した場合において、コンプレッサ604の吐出流量を増大させる必要がないので燃料電池システム20の効率が低下する可能性を低減できる。つまり、燃料電池システム20によれば、増大した吐出流量分の空気をバイパス流路72から外部に排出させる必要がない。

また上記第1実施形態によれば、制御部102は、温度マップ106を参照することで、要求電流値と計測大気圧とによって定まる目標温度となるように冷媒循環系80を制御して燃料電池40の温度を調整している(図7のステップS30、図8のステップS100)。また燃料電池40の目標温度は、電解質膜のドライアップが生じない温度に設定されている。これにより、コンプレッサ604の吐出圧力を低下させた場合において、電解質膜にドライアップが生じることを抑制できる。これにより、燃料電池システム20に電解質膜を加湿するための加湿器を設ける必要がないので、燃料電池システム20のコストが上昇することを抑制できる。

B.第2実施形態: 上記第1実施形態では、制御部102は、計測大気圧が基準大気圧から低下するに伴って、一律に燃料電池40の温度を低下させると共にコンプレッサ604の吐出圧力を低下させていたが、これに限定されるものではない。以下に制御部102が実行する第1のフローチャートの第2実施形態について説明する。図9は、制御部102が実行する第2実施形態の第1のフローチャートである。第1実施形態の第1のフローチャート(図7)と異なる点は、新たにステップS25とステップS50とを設けた点である。その他のステップについては第1実施形態の第1のフローチャートと同様の工程であるため、同様の工程については同一符号を付すと共に説明を省略する。第2実施形態における第1のフローチャートのルーチンは、第1実施形態の第1のフローチャートのルーチンと同様、燃料電池車両200の起動スイッチがON状態において一定時間間隔ごとに繰り返し実行される。

制御部102はステップS20の次に、計測大気圧の変動によってコンプレッサマップ108の動作点がサージング領域の外側に位置するか否かを判定する(ステップS25)。つまり、ステップS25では、コンプレッサ604の吸入圧力の変動によってコンプレッサ604の圧力比が変動することで、動作点がサージング領域の外側からサージング領域内に移行するか否かを判定する。ステップS25において、制御部102は、動作点がサージング領域の外側に位置すると判定した場合は、温度・圧力低下制御を実行することなく、燃料電池40の目標温度を決定する(ステップS50)。つまり、ステップS50では、温度・低下圧力制御における温度の制御を受けることなく、燃料電池40の発電効率が良い目標温度に決定できる。例えば、ステップS50では、制御部102は、現在の目標温度を低下させることなく維持する。

一方で、ステップS25において、制御部102は、動作点がサージング領域の外側に位置しない、つまり動作点がサージング領域内であると判定した場合は、温度マップ106(図4)を用いて、燃料電池40の目標温度を決定する(ステップS30)。また、制御部102は、動作点がサージング領域の外側に位置しないと判定した場合は、ドライアップマップ109(図5)を参照して、燃料電池40の目標温度に応じたコンプレッサ604の目標吐出圧力を決定する(ステップS40)。

例えば、前回のルーチンにおいて計測大気圧が基準大気圧であり、今回のルーチンにおいて計測大気圧が基準大気圧から低下した場合(ステップS20)は、制御部102はステップS25〜ステップS50において以下の制御を実行する。まず上記のごとくステップS25の判定を行い、ステップS25において「Yes」の判定を行った場合は、温度・圧力制御を実行することなく、燃料電池40の目標温度を決定する(ステップS50)。一方で、ステップS25において「No」の判定を行った場合は、温度マップ106(図4)を用いて、計測大気圧が低下するに伴って燃料電池40の目標温度を低下させる(ステップS30)。また、制御部102は、ドライアップマップ109を参照して、燃料電池40の目標温度の低下に伴ってコンプレッサ604の目標吐出圧力を低下させる(ステップS40)。ステップS40では、動作点がサージング領域の外側に位置するように目標吐出圧力が決定される。

第2実施形態における第1のフローチャートが実行された後に、第1実施形態の第2のフローチャート(図8)と同様の処理が実行される。第2実施形態におけるステップS110では、コンプレッサ604の吐出圧力を低下させることで、例えば、図6に示すように、動作点を動作点Aからサージング領域の外側に位置する動作点Cへと移行させる。なお、図9において、ステップS50によって目標温度が決定された場合は、決定された目標温度となるように冷媒循環系80を制御して燃料電池40の温度が調整されると共に、吐出圧力が維持されつつ吸入圧力が計測大気圧となる動作点でコンプレッサ604が動作する。

上記第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の構成を有する点において同様の効果を奏する。また第2実施形態によれば、低下後動作点がサージング領域内に位置する場合は、温度・圧力低下制御を実行することで、コンプレッサ604をサージング領域の外側に位置する動作点で動作させることができる。また上記第2実施形態によれば、低下後動作点がサージング領域の外側に位置する場合は、温度・圧力低下制御を実行しないので、温度・圧力低下制御における温度の制御を受けることなく、燃料電池40の発電効率が良い温度条件で燃料電池40を発電させることが可能となる。

C.他の実施形態: 上記各実施形態によれば、コンプレッサ604は遠心式のターボコンプレッサを用いていたが、これに限定されるものではない。コンプレッサ604は、例えば、軸流式のターボコンプレッサであってもよいし、容積式のコンプレッサであってもよい。また、上記各実施形態では、基準大気圧が標準気圧であったがこれに限定されるものではなく、基準大気圧は標準気圧よりも低くても高くてもよい。標準大気圧は、例えば、燃料電池車両200が一般的に走行する標高における大気圧としてもよい。上記各実施形態によれば、燃料電池システム20は、温度マップ106やコンプレッサマップ108やドライアップマップ109を備えていたが(図1)、外部のサーバがこれらのマップ106,108,109を記憶し、制御装置100は外部のサーバに記憶されたマップ106,108,109を参照してもよい。

なお、本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の変形態様の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の変形態様の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、実施形態と変形態様と変形例とを組み合わせてもよい。

20…燃料電池システム 40…燃料電池 41…単セル 43…第1のエンドプレート 44…第2のエンドプレート 50…燃料ガス給排系 51…燃料ガス供給流路 52…減圧弁 53…循環ポンプ 54…燃料ガス循環流路 55…圧力センサ 56…開閉弁 58…排気弁 59…燃料ガス排出流路 60…酸化剤ガス給排系 61…大気圧センサ 62…外気温センサ 63…供給ガス温度センサ 64…エアフローメータ 65…吐出側圧力センサ 66…酸化剤ガス供給流路 68…酸化剤ガス排出流路 69…酸化剤ガス流路 72…バイパス流路 80…冷媒循環系 81…冷媒循環流路 81a…冷媒供給流路 81b…冷媒排出流路 81c…ラジエータ流路 81d…冷媒バイパス流路 82…ラジエータ 85…ウォーターポンプ 86…温度センサ 87…三方弁 88…ラジエータファン 91…セル電圧センサ 92…電流センサ 95…FDC 96…二次電池 97…BDC 98…DC/ACインバータ 100…制御装置 102…制御部 104…記憶部 106…温度マップ 108…コンプレッサマップ 109…ドライアップマップ 200…燃料電池車両 250…負荷 502…燃料タンク 602…エアクリーナ 604…コンプレッサ 605…モータ 606…インタークーラ 612…入口弁 613…分流弁 614…調圧弁

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