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Fuel injection control device of internal combustion engine

阅读:1012发布:2020-11-17

专利汇可以提供Fuel injection control device of internal combustion engine专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To supply gaseous fuel having a suitable pressure at a start of an internal combustion engine to a fuel injection means in a fuel injection system of the internal combustion engine using the gaseous fuel.SOLUTION: A fuel injection system includes: a first injection valve 21 for injecting gaseous fuel; a pressure regulating valve 60 for regulating a pressure of the gaseous fuel supplied to the first injection valve 21 to reduce the pressure to a predetermined set pressure; and a tank main stop valve 44 and a cut-off valve 45 provided upstream the pressure regulating valve 60. When a start of an engine 10 using the gaseous fuel is requested, a control unit 80 controls valve opening timing of the tank main stop valve 44 and the cut-off valve 45 to start request timing of the engine 10 according to a pre-start pressure which is a pressure of the gaseous fuel supplied to the first injection valve 21 at the request.,下面是Fuel injection control device of internal combustion engine专利的具体信息内容。

  • ガス燃料を噴射する第1噴射手段(21)と、
    前記ガス燃料を供給する燃料通路(41)に設けられ、前記第1噴射手段に供給されるガス燃料の圧力を所定の設定圧力に減圧調整する圧力調整弁(60)と、
    前記燃料通路において前記圧力調整弁の上流側に設けられ、前記ガス燃料の流通を遮断する遮断機能を有する遮断制御弁(44、45)と、を備える燃料噴射システムに適用される内燃機関(10)の燃料噴射制御装置であって、
    前記第1噴射手段に供給されているガス燃料の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記ガス燃料を用いての前記内燃機関の始動が要求された場合に、その要求時において前記圧力検出手段により検出されるガス燃料の圧力である始動前圧力に応じて、前記内燃機関の始動要求タイミングに対する前記遮断制御弁の開弁タイミングを制御する開弁制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  • 前記始動前圧力が、前記所定の設定圧力よりも高圧側に定めた第1判定値(K1)を超えているか否かを判定する第1判定手段を備え、
    前記開弁制御手段は、前記第1判定手段により前記始動前圧力が前記第1判定値を超えていると判定された場合に、同判定がされていない場合よりも、前記開弁タイミングを前記始動要求タイミングに対して遅延させる請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  • 前記始動前圧力が、前記所定の設定圧力よりも高圧側に定めた第2判定値(K1)を超えているか否かを判定する第2判定手段を備え、
    前記開弁制御手段は、前記第2判定手段により前記始動前圧力が前記第2判定値を超えていないと判定された場合に、前記第1噴射手段から前記ガス燃料を噴射する前に前記遮断制御弁を開弁し、前記始動前圧力が前記第2判定値を超えていると判定された場合に、前記第1噴射手段からの前記ガス燃料の噴射を開始した後に前記遮断制御弁を開弁する請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  • 前記内燃機関の出力軸に初期回転を付与する始動装置(91)によって始動される内燃機関に適用され、
    前記始動前圧力が、前記所定の設定圧力よりも高圧側に定めた第3判定値(K2)を超えているか否かを判定する第3判定手段と、
    前記第3判定手段により前記始動前圧力が前記第3判定値を超えていると判定された場合に、前記始動装置による前記内燃機関の始動の開始前において前記遮断制御弁を閉弁した状態で前記第1噴射手段に噴射指令を出力して前記ガス燃料の噴射を実施する噴射制御手段と、
    を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  • 液体燃料を噴射する第2噴射手段(22)を更に備え、
    前記噴射制御手段により前記第1噴射手段に前記噴射指令を出力しても前記圧力検出手段により検出されるガス燃料の圧力が所定量低下しない場合に、前記ガス燃料を用いての前記内燃機関の始動から前記液体燃料を用いての前記内燃機関の始動に切り替える請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  • 说明书全文

    本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、詳しくはガス燃料を使用する車載内燃機関の燃料供給系において燃料通路に設けた遮断弁の開閉を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。

    従来、例えば圧縮天然ガス(CNG)等のガス燃料を燃焼させて駆動する内燃機関が実用化されている。 こうした内燃機関において、ガス燃料を燃料噴射弁に供給する燃料供給系の構成として、ガス燃料を高圧状態で貯蔵するガスタンクと、ガスタンクと燃料噴射手段とを繋ぐ燃料配管の途中に設けられ、ガスタンクから供給されるガス燃料の圧を減圧調整する圧力調整弁と、圧力調整弁よりも上流側(ガスタンク側)に設けられ、圧力調整弁に対するガス燃料の流通を遮断する遮断弁と、を備える構成が知られている(例えば特許文献1参照)。

    この特許文献1には、内燃機関の停止時において、燃料噴射弁にかかる燃料圧力を減圧するように燃料噴射弁及び遮断弁の開閉制御を実施するとともに、内燃機関の始動時において、遮断弁を閉じた状態で燃料噴射弁を開弁する試し開弁制御を実施することにより、燃料噴射弁の固着を解消することが開示されている。 また、この特許文献1には、ガスタンクと燃料噴射弁との間の燃料経路が閉じていれば、内燃機関の停止時の減圧制御によって燃料噴射弁にかかる燃圧が低い状態で保持されていること、及び内燃機関の始動時において、ガスタンクと燃料噴射弁との間の燃料経路が閉じている状態では燃料噴射弁を開弁しても燃料は全く噴射されず、上記の試し開弁制御を実施してもオーバーリッチにならないこと、が記載されている。

    特許第3627571号公報

    ところで、ガス燃料は気体であるため、内燃機関の停止時において遮断弁を閉弁状態で保持していても、例えば圧力調整弁等の隙間からガス燃料が漏れ出て燃料配管を流通することは十分に考えられる。 そのため、内燃機関の停止後、次回の内燃機関の始動時において燃料配管内のガス燃料の圧力が高圧状態となることがあり、その高圧状態に起因して例えば燃料噴射弁を開弁できない等の不都合が生じるおそれがある。 また、内燃機関の始動時に燃料配管内のガス燃料の圧力が低すぎると、その低圧状態に起因して内燃機関の始動に必要な燃料量を内燃機関に供給できなくなる。 これらの場合、内燃機関の始動性が低下するおそれがある。

    本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ガス燃料を用いる内燃機関の燃料噴射システムにおいて、内燃機関の始動時に適切な圧力のガス燃料を燃料噴射手段に供給することができ、ひいては内燃機関の始動性を確保することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを主たる目的とする。

    本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。

    本発明は、ガス燃料を噴射する第1噴射手段(21)と、前記ガス燃料を供給する燃料通路(41)に設けられ、前記第1噴射手段に供給されるガス燃料の圧力を所定の設定圧力に減圧調整する圧力調整弁(60)と、前記燃料通路において前記圧力調整弁の上流側に設けられ、前記ガス燃料の流通を遮断する遮断機能を有する遮断制御弁(44、45)と、を備える燃料噴射システムに適用される内燃機関(10)の燃料噴射制御装置に関する。 また、請求項1に記載の発明は、前記第1噴射手段に供給されているガス燃料の圧力を検出する圧力検出手段と、前記ガス燃料を用いての前記内燃機関の始動が要求された場合に、その要求時において前記圧力検出手段により検出されるガス燃料の圧力である始動前圧力に応じて、前記内燃機関の始動要求タイミングに対する前記遮断制御弁の開弁タイミングを制御する開弁制御手段と、を備えることを特徴とする。

    内燃機関の始動要求時において、第1噴射手段に供給されているガス燃料の圧力(始動前圧力)が高い場合には、内燃機関の始動に必要な燃料量を確保できる反面、始動要求に伴い遮断制御弁を開弁状態にすると、第1噴射手段に供給されるガス燃料の圧力が更に高くなり、この高圧化に起因して第1噴射手段を開弁しにくくなるおそれがある。 また逆に、内燃機関の始動要求時において第1噴射手段に供給されているガス燃料の圧力が低い場合には、燃料通路に新たにガス燃料を供給して、燃料通路内を速やかに所定の設定圧力まで上昇させる必要がある。 この点、上記構成では、内燃機関の始動時において、その始動要求時に第1噴射手段に供給されているガス燃料の圧力に応じて遮断制御弁の開弁タイミングを制御する。 したがって、第1噴射手段に対して適切な圧力のガス燃料を供給することができ、その結果、内燃機関の始動性を確保することができる。

    エンジンの燃料噴射システムの概略を示す構成図。

    第1噴射弁の概略構成を示す図。

    レギュレータの概略構成を示す図。

    第1噴射弁への供給ガス圧と、ガス燃料の使用領域との関係を示す図。

    ガス燃料によるエンジン始動処理の手順を示すフローチャート。

    始動前圧力が設定圧付近である場合のエンジン始動態様を表すタイムチャート。

    始動前圧力が判定値K1より高圧側であって判定値K2よりも低圧側である場合のエンジン始動態様を表すタイムチャート。

    始動前圧力が判定値K2以上である場合のエンジン始動態様を表すタイムチャート。

    ガス抜き処理によっても第1噴射弁への供給ガス圧が低下しない場合のエンジン始動態様を表すタイムチャート。

    以下、本発明を具体化した一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。 本実施形態は、ガス燃料である圧縮天然ガス(CNG)と液体燃料であるガソリンとを燃焼用の燃料として使用する、いわゆるバイフューエルタイプの車載多気筒エンジン(多気筒内燃機関)に適用される燃料噴射システムとして具体化するものとしている。 本システムの全体概略図を図1に示す。

    図1に示すエンジン10は直列3気筒の火花点火式エンジンよりなり、その吸気ポート及び排気ポートには吸気系統11、排気系統12がそれぞれ接続されている。 吸気系統11は、吸気マニホールド13と吸気管14とを有している。 吸気マニホールド13は、エンジン10の吸気ポートに接続される複数(エンジン10の気筒数分)の分岐管部13aと、その上流側であって吸気管14に接続される集合部13bとを有している。 吸気管14には空気量調整手段としてのスロットル弁15が設けられている。 このスロットル弁15は、DCモータ等のスロットルアクチュエータ15aにより開度調節される電子制御式のスロットル弁として構成されている。 スロットル弁15の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ15aに内蔵されたスロットル開度センサ15bにより検出されるようになっている。

    また、排気系統12は、排気マニホールド16と排気管17とを有している。 排気マニホールド16は、エンジン10の排気ポートに接続される複数(エンジン10の気筒数分)の分岐管部16aと、その下流側であって排気管17に接続される集合部16bとを有している。 排気管17には、排気の成分を検出する排気センサ18と、排気を浄化する触媒19とが設けられている。 排気センサ18としては、排気中の酸素濃度から空燃比を検出する空燃比センサが設けられている。

    エンジン10の各気筒には点火プラグ20が設けられている。 点火プラグ20には、点火コイル等よりなる点火装置20aを通じて、所望とする点火時期に高電圧が印加される。 この高電圧の印加により、各点火プラグ20の対向電極間に火花放電が発生し、気筒内(燃焼室内)に導入した燃料が着火され燃焼に供される。

    また、本システムは、エンジン10に対して燃料を噴射供給する燃料噴射手段として、ガス燃料(CNG燃料)を噴射する第1噴射弁21と、液体燃料(ガソリン)を噴射する第2噴射弁22とを有している。 これら各噴射弁21,22は、吸気系統11において吸気マニホールド13の分岐管部13aにそれぞれ燃料を噴射するものであり、第1噴射弁21の噴射によりガス燃料が各気筒の吸気ポートに供給され、第2噴射弁22の噴射により液体燃料が各気筒の吸気ポートに供給される。

    各噴射弁21,22は、電磁駆動部が電気的に駆動されることで弁体が閉位置から開位置にリフトされる開閉タイプの制御弁であり、制御部80から入力されるオン/オフ式の開弁駆動信号によりそれぞれ開弁駆動される。 これら各噴射弁21,22は、通電により開弁し、通電遮断により閉弁する。 そして、通電時間に応じた量の燃料(ガス燃料、液体燃料)が各噴射弁21,22から噴射される。 なお、本実施形態では、第1噴射弁21の先端部に噴射管23が接続されており、第1噴射弁21から噴出されたガス燃料は噴射管23を介して吸気マニホールド13の分岐管部13aに噴射されるようになっている。

    ここで、ガス噴射用の第1噴射弁21の構成を、図2を参照して説明する。 図2において(a)は非噴射状態を示し、(b)は噴射状態を示している。 第1噴射弁21は、自身に供給されるガス燃料の圧力により閉鎖シール性が高められる、いわゆるセルフシール(自密閉)構造を有している。

    図2において、第1噴射弁21は筒状のボディ31を有している。 ボディ31には弁体32が摺動可能に収容されており、そのボディ31内において弁体32がばね33により閉弁方向に付勢されている。 図2(a)では、弁体32の先端部によって、噴射弁先端に設けられた噴孔部34が閉鎖されている。 また、ボディ31内には、弁体32の後端側(上流側)に第1燃料室35が設けられているとともに、弁体32の先端側(下流側)に第2燃料室36が設けられている。 弁体32には、摺動部分よりも先端側に小径部32aが設けられており、その小径部32aの周りに第2燃料室36が設けられている。 第1燃料室35と第2燃料室36とは、弁体32に設けられた燃料通路37を介して連通されており、燃料通路37の入口側は第1燃料室35に通じ、出口側は第2燃料室36に通じている。 弁体32は、ソレノイド等からなる電磁駆動部38への通電に応じて開弁位置に変位する。

    上記構成の第1噴射弁21では、第1燃料室35に対して後述のレギュレータ43からガス燃料が供給され、そのガス燃料が燃料通路37を介して第2燃料室36にも導入される。 図2(b)に示すように、電磁駆動部38への通電に伴いばね33の付勢力に抗して弁体32が開弁位置に変位すると、噴孔部34が開放され、ガス燃料が噴射される。

    第1噴射弁21において、弁体32にはその先端側に小径部32aが設けられていることから、閉弁状態での第1燃料室35側の受圧面積と第2燃料室36側の受圧面積とは、「第1燃料室35側の受圧面積>第2燃料室36側の受圧面積」となっている(図2(a)参照)。 そのため、図2(a)に示す閉弁状態では、レギュレータ43側から供給されるガス燃料の圧力(噴射圧に相当)が、弁体32を閉弁する方向(閉弁方向)に対してはより大きく作用するようになっている。 なお、図2(b)に示す開弁状態では、小径部32aの端面(図の下端面)にも噴射圧が作用するため、弁体32に作用する閉弁方向の燃料圧力と開弁方向の燃料圧力とは略同じになっている。

    図1の説明に戻り、次に、第1噴射弁21に対してガス燃料を供給するガス燃料供給部40の構成と、第2噴射弁22に対して液体燃料を供給する液体燃料供給部70の構成とを説明する。

    ガス燃料供給部40において、第1噴射弁21にはガス配管41を介してガスタンク42が接続されており、そのガス配管41の途中には、第1噴射弁21に供給されるガス燃料の圧力を減圧調整する圧力調整機能を有するレギュレータ43が設けられている。 レギュレータ43(より詳しくは後述する圧力調整弁60)は、ガスタンク42内に貯蔵された高圧状態(例えば最大20MPa)のガス燃料が、第1噴射弁21の噴射圧である所定の設定圧(例えば0.2〜1.0MPaの範囲内の一定圧)になるように減圧調整するものである。 また、減圧調整後のガス燃料は、ガス配管41を通って第1噴射弁21に供給されるようになっている。 なお、ガス配管41において、レギュレータ43よりも上流側が高圧側通路を形成する高圧配管部41a、下流側が低圧側通路を形成する低圧配管部41bとなっている。

    ガス配管41等により形成されるガス燃料通路には更に、ガスタンク42の燃料出口の付近に配置されたタンク主止弁44(タンク出口弁)と、そのタンク主止弁44よりも下流側であってレギュレータ43の燃料入口の付近に配置された遮断弁45とが設けられており、これら各弁44,45によって、ガス配管41におけるガス燃料の流通が許容及び遮断されるようになっている。 タンク主止弁44及び遮断弁45はいずれも電磁式の開閉弁であり、非通電時においてガス燃料の流通が遮断され、通電時においてガス燃料の流通が許容される常閉式となっている。 なお、タンク主止弁44及び遮断弁45が、本発明の「遮断制御弁」に相当する。

    ガス配管41において、高圧配管部41aには燃料圧力を検出する圧力センサ46と、燃料温度を検出する温度センサ47とが設けられ、低圧配管部41bには燃料圧力を検出する圧力センサ48と、燃料温度を検出する温度センサ49とが設けられている。 なお、遮断弁45と圧力センサ46とはレギュレータ43に一体に設けることが可能であり、本実施形態では、レギュレータ43に一体に遮断弁45と圧力センサ46とを設ける構成を採用することとしている。

    ここで、レギュレータ43の具体的構成を、図3を用いて説明する。 レギュレータ43は、機械的に定められた設定圧に対して低圧配管部41b内の燃料圧力を調整する機械式の圧力調整装置を構成するものである。

    図3において、レギュレータ43は、高圧配管部41a(すなわちガスタンク42側)に接続される高圧通路51と、低圧配管部41b(すなわち第1噴射弁21側)に接続される低圧通路52とを有しており、高圧通路51には遮断弁45と圧力センサ46とが設けられている。 圧力センサ46は、遮断弁45よりも上流側でガス燃料の圧力を検出する。 符号53は、異物除去用のフィルタである。

    遮断弁45の構成は第1噴射弁21の構成と概ね同じであり、セルフシール(自密閉)構造を有している。 その構成を簡単に説明する。 遮断弁45は、ばね54により閉弁方向に付勢された弁体55を有しており、電磁駆動部56が通電されることによりばね54の付勢力に抗して弁体55が閉弁位置から開弁位置に変位するようになっている。 弁体55の後端側(上流側)には第1燃料室57が設けられるとともに、弁体55の先端側(小径部が設けられた下流側)には第2燃料室58が設けられている。 これら両燃料室57,58は、弁体55に設けられた燃料通路59を介して連通されている。 この場合、両燃料室57,58にはガスタンク42から高圧のガス燃料が供給され、遮断弁45の閉鎖状態下ではガスタンク42側の燃料圧力により弁体55に閉鎖方向の力が付与されている。 そして、電磁駆動部56への通電に伴いばね54の付勢力に抗して弁体55が開弁位置に変位すると(図示の状態)、高圧のガス燃料が下流側に流通する。

    レギュレータ43において、遮断弁45の下流側には圧力調整弁60が設けられている。 圧力調整弁60の構成として、高圧通路51には弁体室61が設けられており、その弁体室61には弁体62が収容されている。 弁体62は低圧通路52の入口部分である弁座部63を開閉する開閉部材であり、弁体62が開位置にあれば、弁座部63が開かれて高圧通路51と低圧通路52とが連通される。 また、弁体62が閉位置にあれば、弁座部63が閉じられて高圧通路51と低圧通路52との連通が遮断される。

    弁体62は、低圧通路52内の燃料圧力(噴射圧に相当)と、弁体作動部65により生じる開弁方向の力とに応じて開閉される。 弁体作動部65は、大気に開放された空間であってその内部に調整ばね66が設けられた大気開放部67を有するとともに、大気開放部67と低圧通路52とを仕切る仕切部材としてのダイアフラム68を有している。 ダイアフラム68は弁体62に一体に設けられている。 ダイアフラム68には、閉弁方向の力として低圧通路52内の燃料圧力が作用し、開弁方向の力として調整ばね66の付勢力と大気圧とが作用する。

    かかる構成において、「閉弁方向の力>開弁方向の力」になっていれば、弁体62が閉弁位置で保持される。 一方、第1噴射弁21の燃料噴射等により低圧通路52内の燃料圧力が低下し、「閉弁方向の力<開弁方向の力」になると、ダイアフラム68の変位に伴い弁体62が開弁される。 このとき、閉弁方向の力と開弁方向の力との差に応じて弁体62の開位置(弁体リフト量)が決まり、その開位置に応じて弁座部63における開口面積が変更される。 また、この開口面積の変更により、高圧通路51から低圧通路52に流入する燃料量が調整される。

    低圧通路52から分岐した分岐部52aには、低圧通路52内の燃料圧力が異常高圧になった場合にガス抜きをするリリーフ弁69が設けられている。 リリーフ弁69は機械駆動式であり、低圧通路52の燃料圧力が所定のリリーフ圧Prefよりも高くなった場合に開弁する。

    本実施形態では、レギュレータ43において、弁体62や弁体作動部65といった構成部品からなる圧力調整弁60により圧力調整手段が構成されている。 なお、図3の構成では、遮断弁45と圧力センサ46と圧力調整弁60とを一体に設けたが、これを変更してもよく、例えば遮断弁45と圧力センサ46とをレギュレータ43とは別体として高圧配管部41aに設けることも可能である。

    図1の説明に戻り、液体燃料供給部70において、第2噴射弁22には、燃料配管71を介して燃料タンク72が接続されている。 また、燃料配管71には、燃料タンク72内の液体燃料を第2噴射弁22に給送する燃料ポンプ73が設けられている。

    制御部80は、CPU81と、ROM82と、RAM83と、バックアップRAM84と、インターフェース85と、双方向バス86とを備えている。 CPU81、ROM82、RAM83、バックアップRAM84、及びインターフェース85は、双方向バス86によって互いに接続されている。

    CPU81は、本システムにおける各部の動作を制御するためのルーチン(プログラム)を実行する。 ROM82には、CPU81が実行するルーチン、及びこのルーチン実行の際に参照されるマップ類(マップの他、テーブルや関係式等を含む)、パラメータ、等の各種データが予め格納されている。 RAM83は、CPU81がルーチンを実行する際に、必要に応じてデータを一時的に格納する。 バックアップRAM84は、電源が投入された状態でCPU81の制御下でデータを適宜格納するとともに、この格納されたデータを電源遮断後も保持する。

    インターフェース85は、上述したスロットル開度センサ15b、排気センサ18、圧力センサ46,48、温度センサ47,49を含む、本システムに設けられたセンサ類(クランクセンサ、エアフロメータ、冷却温センサ、車速センサ等)と電気的に接続されており、これらのセンサからの出力(検出信号)をCPU81に伝達する。 また、インターフェース85は、スロットルアクチュエータ15a、点火装置20a、各噴射弁21,22、タンク主止弁44、遮断弁45等の駆動部と電気的に接続されていて、これらの駆動部を駆動させるためにCPU81から送出された駆動信号を当該駆動部に向けて出力する。 すなわち、制御部80は、上述のセンサ類の出力信号等に基づいて運転状態を取得し、この運転状態に基づいて上述の駆動部の制御を実施する。

    点火装置20aやタンク主止弁44、遮断弁45には、制御部80から制御信号が入力されるようになっている。 具体的には、点火装置20aは、制御部80からの制御信号に応じて高電圧を出力し点火プラグに点火火花を生じさせる。 タンク主止弁44及び遮断弁45は、制御部80からの制御信号に応じて閉弁状態から開弁状態に切り替えられる。 また、本システムにはスタータ91が設けられている。 スタータ91は、エンジン10の始動時においてエンジン10の出力軸92に初期回転を付与する始動装置であり、図示しないバッテリからの電力供給を受けて駆動され、エンジン10のクランキングを行う。

    また制御部80は、エンジン運転状態やタンク内の燃料残量、図示しない燃料選択スイッチからの入力信号等に応じて使用燃料を選択的に切り替えている。 具体的には、ガスタンク42内のガス燃料の残存量が所定値を下回った場合又は燃料選択スイッチにより液体燃料の使用が選択されている場合には液体燃料を優先的に使用し、燃料タンク72内の液体燃料の残存量が所定値を下回った場合又は燃料選択スイッチによりガス燃料の使用が選択されている場合にはガス燃料を優先的に使用する。 また、本実施形態では、第1噴射弁21への供給ガス圧及びエンジン負荷に応じて使用燃料を選択的に切り替えている。

    図4は、第1噴射弁21に対する供給ガス圧と、ガス燃料の使用領域との関係を示す図である。 図4の横軸は第1噴射弁21への供給ガス圧を示し、縦軸はエンジン負荷の大きさを示している。 なお、エンジン負荷が大きいことは1燃焼当たりの要求燃料量が大きくなることに相当する。

    図4において、破線L1で示す設定圧Pregは、圧力調整弁60により減圧調整される圧力値である。 本実施形態では、この設定圧Pregよりも高圧側に、ガス燃料及び液体燃料のいずれを使用するかを判定するための閾値T1が定められている。 この閾値T1は、第1噴射弁21において噴射可能な最小燃料量を考慮して定められている。 具体的には、第1噴射弁21への供給ガス圧が閾値T1以上となる領域では、ガス密度の上昇に起因して噴射可能な最小燃料量が増大し、第1噴射弁21によるガス燃料の噴射を実施した場合に実際の燃料噴射量が要求噴射量よりも過多になってしまうことを意味する。 閾値T1はエンジン負荷に応じて定められており、実線L2で示すように、第1噴射弁21の作動が許容される供給ガス圧の範囲内において(作動限界圧Plimよりも低圧側の領域において)、高負荷側ほど高圧側にシフトするように定められている。 そして、供給ガス圧<閾値T1となる領域をガス燃料の使用領域とし、供給ガス圧≧閾値T1となる領域を液体燃料の使用領域としている。

    また、設定圧Pregより低圧側についても、ガス燃料及び液体燃料のいずれを使用するかを判定する閾値T2が定められている。 図4では閾値T2を実線L3で示しており、低負荷側ほど閾値T2が低圧側にシフトするように定められている。 そして、供給ガス圧>閾値T2となる領域をガス燃料の使用領域とし、供給ガス圧≦閾値T2となる領域を液体燃料の使用領域としている。

    なお、ガス燃料の使用領域を定める閾値T1及びT2は、供給ガス圧以外のパラメータ、具体的には、例えばバッテリ電圧、エンジン冷却水温、吸気温、レギュレータ上流圧、ガス燃料温度等の少なくともいずれかに応じて可変にする構成としてもよい。

    ところで、エンジン10の始動スイッチ(イグニッションスイッチ)のオフ時など、エンジン10の運転が停止されている状態では、タンク主止弁44及び遮断弁45を閉弁した状態で保持しておく。 これにより、ガス燃料が燃料供給系から大気中にリークしないようにしている。 ところが、ガス燃料のような気体では、圧力調整弁60、より具体的には弁座部63の隙間からガス燃料が漏れ出て、高圧側通路から低圧側通路に流れることは十分に考えられる。 かかる場合、前回のエンジン停止から長時間(例えば数時間や数日)が経過した後にエンジン10を始動しようとするとき、低圧配管部41bにガス燃料が溜まっていることがあり得る。 またこの場合、エンジン10の始動要求があった時点において、圧力調整弁60と第1噴射弁21との間の低圧通路部(低圧配管部41b、低圧通路52)のガス燃料の圧力が設定圧Pregを超えており、この高圧状態に起因して第1噴射弁21が開弁しにくくなる結果、所望量のガス燃料を噴射できない場合がある。

    低圧通路部の高圧状態において第1噴射弁21が開弁しにくくなる理由は以下の通りである。 すなわち、第1噴射弁21は、閉鎖状態下で低圧通路部からのガス燃料の圧力によって閉鎖方向の力が付与され、その閉鎖方向の力によってガス燃料の流通を遮断するものである。 したがって、第1噴射弁21の開弁時には、上流側の燃料圧力に打ち勝つ駆動力を生じさせる必要がある。 ここで、エンジン始動要求があったときに、低圧通路部のガス燃料の圧力が高圧状態であると、第1噴射弁21において閉鎖方向の力が大きく作用することとなり、第1噴射弁21に開弁駆動信号を出力しても第1噴射弁21が開弁しないか、あるいはその開弁量が小さくなることがある。 かかる場合、エンジン始動要求があるにもかかわらずエンジン10を始動できず、始動性が低下することが懸念される。

    その一方で、エンジン始動要求時において低圧通路部のガス燃料の圧力が低い場合には、第1噴射弁21から所望量のガス燃料を噴射できない。 したがって、この場合には、低圧通路部に対しガスタンク42から新たにガス燃料を供給して、低圧通路部のガス燃料の圧力を速やかに設定ガス圧まで上昇させる必要がある。

    そこで本実施形態では、ガス燃料を用いてのエンジン10の始動要求があった場合に、その要求時において第1噴射弁21に供給されているガス燃料の圧力、すなわち低圧通路部の燃料圧力を検出し、その検出した燃料圧力に応じて、エンジン10の始動要求タイミングに対する遮断制御弁(遮断弁45及びタンク主止弁44)の開弁タイミングを制御することとしている(開弁制御手段)。

    図5は、ガス燃料によるエンジン始動処理の手順を示すフローチャートである。 本処理は、制御部80のCPU81により所定周期で繰り返し実行される。

    図5において、ステップS101では、ガス燃料によるエンジン始動の要求があるか否かを判定する。 例えば液体燃料の残量が少ない場合や、燃料選択スイッチによりガス燃料の使用が選択されている場合には、エンジン始動として液体燃料ではなくガス燃料による始動が選択され、ガス燃料によるエンジン始動要求が生じる。 ガス燃料によるエンジン始動要求がなければそのまま本処理を終了し、該始動要求があれば後続のステップS102へ進む。

    ステップS102では、ガス燃料によるエンジン始動要求時、すなわちエンジン始動前の第1噴射弁21への供給ガス圧である始動前圧力Pbfを検出する(圧力検出手段)。 具体的には、エンジン始動要求があったことに伴い圧力センサ48により検出した低圧配管部41bの燃料圧力を取得する。 続くステップS103では、始動前圧力Pbfが判定値K1以上か否かを判定する(第1判定手段、第2判定手段)。 ここで、判定値K1は、設定圧Pregよりも高圧側に定められており、本実施形態では、供給ガス圧及びエンジン負荷に基づいて使用燃料を選択する際の高圧側の閾値T1の最小値としている(図4参照)。

    Pbf<判定値K1であれば、ステップS104へ進み、遮断弁45を開弁させる開指令を出力し、ステップS105では、タンク主止弁44を開弁させる開指令を出力する。 また、ステップS106では、遮断弁45の開指令の出力から所定時間(例えば数msec〜数十msec)が経過したか否かを判定する。 そして、遮断弁45の開指令から所定時間が経過していなければそのまま本処理を終了し、所定時間が経過していればステップS107へ進む。 ステップS107では、スタータ91に駆動指令し、スタータ91によるエンジン始動(クランキング)を開始する。 また、クランキング開始に伴い、エンジン10の気筒判別を実施する。 そして、クランキング開始後のステップS108では、気筒判別が完了したことを条件に第1噴射弁21によるガス燃料の噴射を許可する。 そして本処理を終了する。

    一方、始動前圧力Pbfが判定値K1以上である場合にはステップS109へ進み、次に、始動前圧力Pbfが判定値K2以上であるか否かを判定する(第3判定手段)。 ここで、判定値K2は、判定値K1よりも高圧側であって、かつリリーフ圧Pref及び作動限界圧Plimよりも低圧側に定められている(図4参照)。 ステップS109でPbf<判定値K2である場合には、ステップS112へ進み、スタータ91に駆動指令してエンジン10のクランキングを開始する。 また、ステップS113では、第1噴射弁21によるガス燃料の噴射を許可する。 このとき、遮断弁45及びタンク主止弁44は閉弁した状態であるから、第1噴射弁21による燃料の噴射許可に伴い第1噴射弁21からガス燃料が噴射されることにより、低圧配管部41bの燃料圧力が低下することとなる。 その後、ステップS114へ進む。 なお、判定値K1が「第1判定値」及び「第2判定値」に相当し、判定値K2が「第3判定値」に相当する。

    一方、始動前圧力Pbf≧判定値K2である場合には、ステップS109で肯定判定されてステップS110へ進み、第1噴射弁21を開弁させる開指令を出力する(噴射制御手段)。 これにより、スタータ91によるエンジン10のクランキング開始前に、遮断弁45及びタンク主止弁44を閉弁した状態で第1噴射弁21が開弁される。 また、この開弁動作により、低圧配管部41b内に溜まっているガス燃料が第1噴射弁21からリークされ、低圧通路部のガス抜きが行われる(ガス抜き処理)。 続くステップS111では、ガス抜き処理が終了したか否かを判定する。 ここでは、ステップS110で第1噴射弁21の開指令を出力してから所定時間(例えば数msec)が経過したか否かを判定する。 そして、ガス抜き処理が終了したことが判定されたことを条件にステップS112へ進み、スタータ91を駆動してエンジン10のクランキングを実施するとともに、ステップS113で第1噴射弁21によるガス燃料の噴射を許可する。 その後、ステップS114へ進む。

    さて、ステップS114では、(1)エンジン始動が完了したこと、及び(2)低圧配管部41bの燃料圧力(第1噴射弁21への供給ガス圧)が判定値K3よりも低下したこと、のうちのいずれかの条件が成立したか否かを判定する。 エンジン始動完了の判定について、本実施形態ではエンジン回転速度に基づき実施し、具体的にはエンジン回転速度が所定の完爆判定値NE1以上になった場合にエンジン始動が完了したものと判定する。 また、判定値K3は判定値K1よりも低圧側に定められた値であり、本実施形態では、供給ガス圧及びエンジン負荷に基づいて使用燃料を選択する際の低圧側の閾値T2よりも高圧側に定められている(図4参照)。 この判定値K3は、エンジン始動に必要な噴射量を確保可能な圧力の最小値でもある。 なお、ここで判定値K3と比較する供給ガス圧は、圧力センサ48により検出される都度の燃料圧力である。 そして、上記(1)及び(2)の2つの条件のいずれかが成立している場合、ステップS115へ進み、遮断弁45を開弁させる開指令を出力する。 また、ステップS116では、タンク主止弁44を開弁させる開指令を出力する。

    なお、本実施形態では判定値K1〜判定値K3を一定値としたが、例えばバッテリ電圧、エンジン冷却水温、吸気温、レギュレータ上流圧、ガス燃料温度等の少なくともいずれかに応じて可変にしてもよい。

    一方、上記(1)及び(2)の2つの条件が共に成立していない場合、ステップS117へ進む。 ステップS117では、スタータ91の駆動開始から所定時間が経過したこと、又は圧力センサ48により検出される供給ガス圧が低下していないこと、のうちのいずれかを満たしているか否かを判定する。 ここで、「圧力センサ48により検出される供給ガス圧が低下していないこと」の判定は、圧力センサ48により検出される供給ガス圧(実ガス圧)と始動前圧力Pbfとを比較し、実ガス圧における始動前圧力Pbfからの低下量が所定値よりも小さい場合に肯定判定される。

    ステップS117で肯定判定された場合、ステップS118へ進み、異常が生じている旨を運転者に通知するとともに、その異常内容を例えばバックアップRAM84に記憶しておく。 また、ステップS119では、第1噴射弁21によるガス燃料の噴射を禁止し、第2噴射弁22による液体燃料を用いてのエンジン始動に切り替える。 そして本処理を終了する。

    次に、ガス燃料を用いてエンジン10を始動する場合の具体的態様について、図6〜9のタイムチャートを用いて説明する。

    まず、始動前圧力Pbfが設定圧Preg付近である正常時について図6のタイムチャートを用いて説明する。 なお、エンジン始動要求が生じる前のタイミング以前では、タンク主止弁44及び遮断弁45が閉弁状態となっている(図7〜図9についても同じ。)。

    図6において、タイミングt11でガス燃料を用いてのエンジン始動要求が生じると、その始動要求に伴いタンク主止弁44及び遮断弁45を開弁する。 本実施形態では、先に遮断弁45を開弁した後、続いてタンク主止弁44を開弁する。 これは、タンク主止弁44及び遮断弁45の駆動時期が重複することによるバッテリ電圧の低下に起因して各弁が開弁しにくくなることを回避するためである。 また、遮断弁45を先に開弁する、つまりガス配管41において下流側から先に開弁するのは、遮断弁45の開弁に伴い高圧のガス燃料が一気に第1噴射弁21に供給されないようにするためである。

    遮断弁45及びタンク主止弁44の開弁後、タイミングt12では、始動要求に応じてスタータ91によるクランキングが開始される。 遮断弁45及びタンク主止弁44の開弁後にスタータ91を駆動するのは、先の理由と同じく、タンク主止弁44、遮断弁45及びスタータ91の駆動時期が重複することを回避するためである。 ただし、遮断弁45、タンク主止弁44及びスタータ91の駆動順序については、遮断弁45→タンク主止弁44→スタータ91の順に限らず任意である。 例えば、遮断弁45→スタータ91→タンク主止弁44の順序で駆動してもよく、あるいは遮断弁45とタンク主止弁44とを同時に開弁した後、スタータ91を駆動してもよい。

    スタータ91の駆動開始後、気筒判別が終了すると、そのタイミングt13で第1噴射弁21からのガス燃料の噴射が開始される。 また、エンジン10の燃焼開始によりエンジン回転速度が所定の完爆判定値NE1を超えると、スタータ91によるクランキングが終了され、エンジン始動が完了する。

    次に、始動前圧力Pbfが判定値K1よりも高く、かつ判定値K2よりも低い場合について図7のタイムチャートを用いて説明する。 図7において、タイミングt21でガス燃料を用いてのエンジン始動要求が生じた場合、始動要求に応じてスタータ91によるクランキングが開始されるが、タンク主止弁44及び遮断弁45は閉弁状態のまま保持される。 スタータ91の駆動開始後、気筒判別が終了すると、そのタイミングt22で第1噴射弁21からのガス燃料の噴射が開始される。 これにより、低圧通路部の高圧状態のガス燃料が第1噴射弁21からリークされ、供給ガス圧(噴射圧)が徐々に低下していく。

    そして、供給ガス圧が判定値K3を下回ったタイミングt23でタンク主止弁44及び遮断弁45が開弁される。 すなわち、始動前圧力Pbfが設定圧Preg付近にある正常時(図6)では、始動要求があったタイミング又はその直後をタンク主止弁44及び遮断弁45の開弁タイミングとするのに対し、始動前圧力Pbfが設定圧Pregよりも高圧側の判定値K1を超えている場合(図7)では、タンク主止弁44及び遮断弁45の開弁タイミングを正常時よりも始動要求タイミングに対して遅延させる。 本実施形態では、エンジン始動要求に伴い、第1噴射弁21からエンジン燃焼のための燃料噴射が少なくとも1回実施されるまで、遮断弁45及びタンク主止弁44の開弁動作を遅延させる。 タイミングt24でエンジン回転速度が所定の完爆判定値NE1を超えると、スタータ91によるクランキングが終了され、エンジン始動が完了する。

    次に、始動前圧力Pbfが判定値K2を超えている場合について図8のタイムチャートを用いて説明する。 図8において、タイミングt31でガス燃料を用いてのエンジン始動要求が生じた場合、タンク主止弁44及び遮断弁45の閉弁状態を保持したまま第1噴射弁21を開弁させる。 これにより、低圧通路部に溜まっているガス燃料を第1噴射弁21から吸気管14側にリークさせる。 このガス抜き処理により供給ガス圧が低下する。

    始動要求タイミングt31から所定時間(例えば数msec)が経過したタイミングt32では、第1噴射弁21を開弁状態から閉弁状態に切り替えるとともに、スタータ91によるクランキングが開始される。 ここでも、第1噴射弁21及びスタータ91の駆動時期を重複させない、より詳しくはスタータ91の駆動開始前に第1噴射弁21を駆動させることで、第1噴射弁21が開弁しにくくなるのを回避する。 このクランキング開始により、ガス抜き処理によって噴射されたガス燃料がエンジン10の燃焼室内に導入される。

    スタータ91の駆動開始後であって、気筒判別が完了した後のタイミングt33では、タンク主止弁44及び遮断弁45の閉弁状態を保持したまま第1噴射弁21による燃料噴射が実施される。 この燃料噴射により供給ガス圧が低下し、その後、供給ガス圧が判定値K3を下回ったタイミングt34でタンク主止弁44及び遮断弁45が開弁される。 ここで、判定値K3は、ガス燃料の使用領域内に設定されており(図4参照)、これにより供給ガス圧が過度に低下することを回避するようにしている。 また、判定値K3は設定圧Pregよりも低圧側に定められていることから、低圧通路部を十分に低圧にすることができる。 したがって、その後、遮断弁45及びタンク主止弁44を開弁した場合に低圧通路部の燃料圧力が設定圧Pregよりも高くなりすぎないようにすることが可能となる。 なお、遮断弁45及びタンク主止弁44を開弁する際には、まず遮断弁45を開弁し、次いでタンク主止弁44を開弁する。 その後、エンジン回転速度が所定の完爆判定値NE1を超えると、スタータ91によるクランキングが終了され、エンジン始動が完了する。

    最後に、上記のガス抜き処理を実施しても供給ガス圧が低下しない場合について、図9のタイムチャートを用いて説明する。 このような状況は、例えば低圧通路部のガス燃料の圧力が高すぎて第1噴射弁21が開弁しない場合等に起こり得る。

    図9において、タイミングt41でガス燃料を用いてのエンジン始動要求が生じた場合、始動前圧力Pbfが判定値K2を超えており、したがって、タンク主止弁44及び遮断弁45を閉弁した状態のまま第1噴射弁21を開弁させるガス抜き処理が実施される。 このガス抜き処理において、第1噴射弁21に開指令しても開弁しない場合には、供給ガス圧が低下せず、判定値K2を超えた状態が継続される。

    タイミングt41から所定時間(例えば数msec)が経過したタイミングt42では、スタータ91によるエンジン10のクランキングが開始される。 また、気筒判別の完了後のタイミングt43では、第1噴射弁21による燃料噴射が許可され、第1噴射弁21への開指令が出力される。 この開指令から所定時間が経過してもエンジン回転速度が所定値Nth(例えば完爆判定値又はその近傍値)よりも低い場合、そのタイミングt44で、第1噴射弁21に対する開指令の出力を停止させ、第2噴射弁22による液体燃料を用いてのエンジン始動に切り替える。

    以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。

    ガス燃料を用いてのエンジン始動要求があった場合において、その始動要求時に第1噴射弁21に供給されているガス燃料の圧力に応じて、遮断制御弁としてのタンク主止弁44及び遮断弁45の開弁タイミングを制御する構成とした。 エンジン始動前の低圧通路部の燃料圧力が高い場合にタンク主止弁44及び遮断弁45を開弁すると、第1噴射弁21に供給されるガス燃料の圧力が更に高くなり、この高圧化に起因して第1噴射弁21を開弁しにくくなるおそれがある。 また、第1噴射弁21に供給されるガス燃料の圧力が設定圧Pregよりも低い場合には、エンジン始動に必要な燃料量を確保するべく、低圧通路部を速やかに上昇させる必要がある。 その点、上記構成によれば、第1噴射弁21に対して適切な圧力のガス燃料を供給することができ、その結果、エンジン10の始動性を確保することができる。

    始動前圧力Pbfが判定値K1を超えていない正常時では、遮断弁45及びタンク主止弁44の開弁タイミングを、ガス燃料を用いてのエンジン始動要求があったタイミング又はその直後のタイミングとしたのに対し、始動前圧力Pbfが判定値K1を超えている場合には、遮断弁45及びタンク主止弁44の開弁タイミングを、正常時での開弁タイミングよりも遅延させる構成とした。 こうすることにより、正常時では、エンジン始動要求に伴い速やかに遮断弁45及びタンク主止弁44を開弁して低圧通路部を設定圧Pregに維持することができる。 また、低圧通路部が高圧状態となっている場合には、遮断弁45及びタンク主止弁44の開弁タイミングをできるだけ遅くすることにより、低圧通路部における燃料圧力の更なる高圧化を抑制することができる。

    また、始動前圧力Pbfが判定値K1を超えていない正常時では、第1噴射弁21による燃料噴射前に遮断弁45及びタンク主止弁44を開弁する構成とした。 この構成によれば、エンジン始動要求があった場合において、低圧通路部に対して速やかにガス燃料を供給することができる。 これにより、低圧通路部が設定圧Pregより低い場合に、燃料圧力を速やかに設定圧Pregまで上昇させることができる。 また、第1噴射弁21からの燃料噴射の実施に伴い低圧通路部の燃料圧力が設定圧Pregから大きく低下することを抑制することができる。

    一方、始動前圧力Pbfが判定値K1を超えている場合には、第1噴射弁21による燃料噴射を開始した後に遮断弁45及びタンク主止弁44を開弁する構成とした。 つまり、遮断弁45及びタンク主止弁44を閉弁した状態のまま第1噴射弁21を開弁することで、ガスタンク42からの燃料供給を遮断した状態で第1噴射弁21から燃料を噴射する。 これにより、低圧通路部の高圧状態のガス燃料を第1噴射弁21から積極的にリークさせることができる。 また、この燃料リークによって低圧通路部の更なる高圧化を回避することができ、その結果、噴射圧の高圧化に伴い第1噴射弁21が開弁しにくくなることを回避することができる。

    始動前圧力Pfbが、判定値K1よりも更に高圧側の判定値K2を超えている場合には、スタータ91によるエンジン10の始動前に、遮断弁45及びタンク主止弁44を閉弁した状態で第1噴射弁21に噴射指令を出力して、第1噴射弁21からガス燃料を噴射するガス抜き処理を実施する構成とした。 こうすることにより、ガス燃料を用いてのエンジン始動要求時において低圧通路部の燃料圧力が高圧状態になっている場合にも、エンジン10の始動前にその高圧状態を緩和することができる。 また、その高圧状態の緩和により、第1噴射弁21が開きにくくなることを回避することができる。

    また特に、本実施形態では、判定値K2がリリーフ圧Pref及び作動限界圧Plimよりも低圧側に定められていることから、リリーフ弁69が開弁する前(ガス燃料が大気中に放出される前)であって、かつ第1噴射弁21が開弁できなくなる前に低圧通路部の高圧状態を緩和することができる。

    スタータ91の駆動に際しては大きな電力を必要とする。 この点、上記構成では、スタータ91によるエンジン10のクランキング開始前に第1噴射弁21に指令信号を出力してガス燃料を噴射するため、第1噴射弁21の駆動に必要な電力を確保しやすくなり、その結果、始動前圧力Pbfが比較的高くても第1噴射弁21を駆動しやすくすることができる。

    ガス抜き処理を実施するべく第1噴射弁21に噴射指令を出力しても、第1噴射弁21への供給ガス圧が低下しない場合には、ガス燃料を用いてのエンジン始動から、液体燃料を用いてのエンジン始動に切り替える構成とした。 第1噴射弁21に噴射指令を出力しても供給ガス圧が低下しない場合、第1噴射弁21が正常に機能していない可能性があることから、この場合にはガス燃料に代えて液体燃料を使用することにより、エンジン始動ができない状態を回避することができる。

    (他の実施形態)
    本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。

    ・上記実施形態では、遮断制御弁としてタンク主止弁44及び遮断弁45とを備え、エンジン停止状態では、タンク主止弁44及び遮断弁45を閉弁状態にしておくとともに、エンジン始動時には、始動前圧力に応じてタンク主止弁44及び遮断弁45の開弁タイミングを制御する構成とした。 始動前圧力Pbfに応じてエンジン始動時の開弁タイミングを制御する対象としては、タンク主止弁44及び遮断弁45のうちのいずれかのみであってもよい。 例えば、上記図1の構成において、エンジン停止状態では遮断弁45のみを閉弁状態にしておくとともに、エンジン始動時には、始動前圧力に応じて遮断弁45の開弁タイミングを制御する構成としてもよい。

    ・上記実施形態では、判定値K1を、使用燃料をガス燃料と液体燃料とで切り替える閾値T1の最小値としたが、判定値K1としてはこれ以外の値でもよく、例えば閾値T1よりも低圧側であって、かつ設定圧Pregよりも高圧側に定めてもよい。 また、閾値T1よりも高圧側であって、かつ判定値K2よりも低圧側に定めてもよい。

    ・判定値K2についても上記実施形態のものに限定しない。 すなわち、上記実施形態では、判定値K2を、リリーフ圧Pref及び作動限界圧Plimよりも低圧側に定めたが、リリーフ圧Pref及び作動限界圧Plimの少なくともいずれかよりも高圧側に定めてもよい。

    ・上記図5のステップS114では、第1噴射弁21への供給ガス圧と判定値K3とを比較し、供給ガス圧が判定値K3を下回った場合に遮断制御弁としての遮断弁45及びタンク主止弁44を開弁駆動させる構成としたが、判定値K3を用いる構成に代えて、例えば設定圧Pregを用いる構成としてもよい。

    ・上記実施形態では、始動前圧力Pbfが判定値K1を超えている場合には、第1噴射弁21による燃料噴射を開始した後に遮断弁45及びタンク主止弁44を開弁する構成とした。 ただし、始動前圧力Pbfが判定値K1を超えている場合において、遮断弁45及びタンク主止弁44を開弁するタイミングは、第1噴射弁21による燃料噴射を開始した後でなくてもよく、正常時での開弁タイミング(始動要求のタイミング又はその直後)よりも遅延させる構成であれば、第1噴射弁21による燃料噴射を開始する前に遮断弁45及びタンク主止弁44を開弁してもよい。 この場合にも、開弁タイミングを遅延させることにより低圧通路部の更なる高圧化を抑制することができ、第1噴射弁21が開弁しにくくなることを回避可能となる。

    ・上記実施形態では、多気筒エンジンの気筒ごとに第1噴射弁21及び第2噴射弁22をそれぞれ複数ずつ設ける構成としたが、これを変更し、複数の気筒の共通部分に第1噴射弁21及び第2噴射弁22のうちの少なくともいずれかを設ける構成としてもよい。 例えば、吸気系統11の集合部分に対してガス燃料や液体燃料を噴射する構成としてもよい。

    ・上記実施形態では、ガス燃料(CNG燃料)と液体燃料(ガソリン燃料)とを燃焼用の燃料として使用するバイフューエルエンジンに本発明を具体化する場合について説明したが、燃焼用の燃料としてガス燃料のみを使用するガスエンジンに本発明を具体化してもよい。 あるいは、ガス燃料と液体燃料とを併用して使用するエンジンに本発明を具体化してもよい。

    ・上記実施形態ではガス燃料をCNG燃料としたが、標準状態で気体状態の他のガス燃料を用いることもでき、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、水素、DMEなどを主成分とする燃料を用いる構成としてもよい。 また、液体燃料についてもガソリン燃料に限らず、例えば軽油などを用いる構成としてもよい。

    10…エンジン(内燃機関)、21…第1噴射弁(第1噴射手段)、22…第2噴射弁(第2噴射手段)、40…ガス燃料供給部、41…ガス配管(燃料通路)、41a…高圧配管部、42…ガスタンク、44…タンク主止弁(遮断制御弁)、45…遮断弁(遮断制御弁)、51…高圧通路、80…制御部(圧力検出手段、開弁制御手段、第1判定手段、第2判定手段、第3判定手段、噴射制御手段)、91…スタータ(始動装置)、92…出力軸。

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