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Operating method of redox flow battery

阅读:239发布:2021-07-02

专利汇可以提供Operating method of redox flow battery专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an operating method of a redox flow battery that can suppress reduction of battery capacity without adding a new electrolyte from the outside, even if the balance of the valence value is deviated from 3.5. SOLUTION: This is an operating method of a redox flow battery in which an electrolyte of each electrode is supplied for circulation respectively from a positive electrode tank storing a positive electrode electrolyte and a negative electrode tank storing a negative electrode electrolyte to the positive electrode and the negative electrode that are divided by a diaphragm. In particular, when the balance of the valence value of the electrolyte of both electrodes is deviated from 3.5, the electrolyte of one tank is moved to the other tank through a piping. COPYRIGHT: (C)2004,JPO,下面是Operating method of redox flow battery专利的具体信息内容。

  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 正極電解液を貯蔵する正極タンク及び負極電解液を貯蔵する負極タンクから各極の電解液を隔膜で分離される正極及び負極にそれぞれ循環供給するレドックスフロー電池の運転方法において、 両極の電解液の価数バランスが3.5からずれた際に一方のタンクの電解液を他方のタンクに配管を介して移動させることを特徴とするレドックスフロー電池の運転方法。 【請求項2】 配管は、両タンクを接続する連通管であり、電解液の移動は、この連通管を介して行われることを特徴とする請求項1に記載のレドックスフロー電池の運転方法。 【請求項3】 電解液の価数バランスが3.5を上回った場合、負極電解液を正極タンクに移動させ、価数バランスが3.5を下回った場合、正極電解液を負極タンクに移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のレドックスフロー電池の運転方法。 【請求項4】 電解液の移動は、各タンクの電解液量が下記の量となるまで行うことを特徴とする請求項1又は2
    に記載のレドックスフロー電池の運転方法。 【数1】
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、レドックスフロー電池の運転方法に関するものである。 特に、価数バランスが3.5からずれていても、電池容量の低下を抑制することが可能なレドックスフロー電池の運転方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】負荷平準化用途や瞬低・停電対策用途などにレドックスフロー電池を利用することが提案されている。 【0003】特に、バナジウムレドックスフロー電池は、起電が高く、エネルギー密度が大きく、電解液が単一元素系であるため正極電解液と負極電解液とが混合しても充電によって再生することができると言った多くの利点を有している。 【0004】しかし、このようなレドックスフロー電池でも、充放電を繰り返すと隔膜を通して電解液中の各種イオンや溶媒が移動し、正極及び負極の電解液量の増減が起こる。 例えば、アニオン隔膜を用いた場合、通常、
    正極側から負極側へ液移りが起こり、電解液量がアンバランスになることで一方の電気容量が著しく低下することになる。 【0005】このような液移りに伴う問題を解消するため、従来、一定回数の充放電サイクルごとに正極電解液と負極電解液とを連通あるいは混合して液量調整を行っている。 この液量調整に関する従来の技術としては、実公平4-11340号公報、実開平4-124754号公報、特開平11-
    204124号公報、特開2001-167787号公報に記載のものが知られている。 【0006】また、上記電解液を再生する技術として、
    例えば、特開2000-30721号公報に記載のものがある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、レドックスフロー電池は、充放電を繰り返すことで、電解液の価数バランスが3.5からずれる、即ち価数バランスが崩れて、
    電池容量が低下するという問題がある。 【0008】上記液量調整に関する従来の技術は、いずれも電解液の価数バランスについて考慮したものでなく、電解液の価数バランスが崩れた際について、全く検討していない。 【0009】一方、上記特開2000-30721号公報には、価数バランスが崩れた際、外部から新たに電解液を加えて価数バランスの崩れを回復させる方法が記載されている。 しかし、この技術では、新たに電解液を加えるための液入れ作業が必要であるだけでなく、タンクの容量によっては、必要な電解液量を追加できない恐れもある。
    また、この技術では、正極のV 4+のモル濃度と負極のV 3+
    のモル濃度を等しくすることのみを開示しているに過ぎず、追加する電解液量を具体的に開示していない。 更に、追加する電解液を別途用意するため、コストが増加するという問題もある。 【0010】そこで、本発明の主目的は、価数バランスが3.5からずれていても、外部から新たに電解液を追加することなく、電池容量の低下を抑制することができるレドックスフロー電池の運転方法を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、価数バランスが3.5からずれた際、一方のタンクの電解液を他方のタンクに移動させて電解液量を調整することで上記目的を達成する。 【0012】即ち、本発明は、正極電解液を貯蔵する正極タンク及び負極電解液を貯蔵する負極タンクから各極の電解液を隔膜で分離される正極及び負極にそれぞれ循環供給するレドックスフロー電池の運転方法である。 そして、両極の電解液の価数バランスが3.5からずれた際に、一方のタンクの電解液を他方のタンクに配管を介して移動させる。 価数バランスKは、次の数式1により定義される。 両極の電解液にバナジウム溶液を用いた場合を例に示す。 【0013】 【数2】

    【0014】上記数式1で求めた価数バランスKが3.5である場合、電池容量が最も大きくなる。 この価数バランスは、電池反応以外に生じるガス反応などの副反応や酸素の侵入などによって消費される電気量が正極と負極とで異なると崩れる。 例えば、副反応で消費される電気量が負極側<正極側であれば価数バランスは3.0側にずれ、負極側>正極側であれば価数バランスは4.0側にずれる。 その他、事故などにより電解液が流出することなどでも崩れる。 従来、価数バランスが3.5からずれても、そのまま運転を続けており、電池容量の低下を抑制することができなかった。 また、このような電池容量の低下を抑制する方法としては、特開2000-30721号公報に記載されているように外部から新たに電解液を追加して価数バランスの崩れを回復させるしかなかった。 【0015】ここで、価数バランスの崩れによる電池容量の減少を一定限度内で許容して運転することも考えられる。 具体的には、価数バランスが3.5のときをベストとして、電池容量の減少や副反応などが許容限度内となるように価数バランスの許容範囲を決めて運転するのである。 しかし、この運転方法は、電池容量の減少をある程度許容するもので、電池容量の低下を積極的に抑えるものではない。 また、この運転方法では、価数バランスを規定の許容範囲内に保持するために保守・管理などの手間がかかるだけでなく、再生プラントコストなども必要となってコスト高になる恐れもある。 【0016】そこで、本発明者らは、上記の問題を解決するべく種々検討した結果、以下の知見を得ることにより本発明を規定するものである。 充放電の繰り返しによる液移りが生じても価数バランスが変化しない。 価数バランスの崩れと電池容量とには、理論的な関係、具体的には、価数バランスによって、電池容量がピークとなる際の負極電解液量比が異なるという関係がある。 上記の関係から、後述するように価数バランスが3.


    5からずれていても、価数バランスが3.5のときの電池容量とほぼ同等の電池容量を保持できる、或いは電池容量の低下を抑制することが十分に可能である。 【0017】これらの知見に基づき、本発明は、上記のように副反応などが生じることで価数バランスが3.5からずれた際、従来のように価数バランスを3.5に回復させるのではなく、価数バランスは3.5からずれた状態のままにして変化させず、配管によりタンク内の電解液を移動して電解液量を変化させることで、電池容量の低下を抑制する。 なお、負極電解液量比とは、両極の電解液量の平均に対する負極電解液量の割合であり、下記の数式2で表される。 【0018】 【数3】 【0019】以下、本発明をより詳しく説明する。 本発明において電解液の移動は、価数バランスに対して電池容量の低下が抑制できるように行う。 特に、電解液の価数バランスが3.5を上回った(正に崩れた)場合、負極電解液を正極タンクに移動させ、価数バランスが3.5を下回った(負に崩れた)場合、正極電解液を負極タンクに移動させることが好ましい。 価数バランスが3.5を上回る場合、後述するように電池容量がピークとなる際の負極電解液量比は、1よりも小さい傾向がある。 従って、負極電解液量比を1より小さい状態にするために、負極電解液を正極タンクに移動させ、正極電解液を増加させる。 逆に、価数バランスが3.5を下回る場合、同様に電池容量がピークとなる際の負極電解液量比は、1よりも大きい傾向がある。 従って、負極電解液量比を1より大きい状態にするために、正極電解液を負極タンクに移動させ、負極電解液を増加させる。 【0020】より好ましくは、価数バランスに対して電池容量が最大となる、即ちピーク値をとる負極電解液量比になるように電解液を移動させることである。 具体的には、各タンクの電解液量が下記の数式3、数式4を満たす量となるまで電解液の移動を行うとよい。 【0021】 【数4】 【0022】後述するように価数バランスKが3.5を上回っていても、電池容量がピークとなる際の負極電解液量比(Rmax)より実際の負極電解液量比(R)が小さい場合や、逆に、Kが3.5を下回っていても、RmaxよりRが大きい場合もあり得る。 前者の場合、正極電解液を負極タンクに移動させ、後者の場合、負極電解液を正極タンクに移動させることが好ましい。 従って、電池容量の低下をより確実に抑制するには、上記数式3及び4に規定する電解液量になるように電解液を移動させることが好ましい。 【0023】本発明において、タンク内にある電解液の移動は、電解液を電池システムから取り出して行うのではなく、電池に具える配管を用いて行う。 このような配管として、例えば、電解液の供給排出用の配管が挙げられる。 供給排出用配管を用いる場合は、アニオン交換膜もしくはカチオン交換膜を用い、電池を作動させることで電解液を移動させることができる。 或いは、一方の送液圧力を大きく、他方の送液圧力を小さくするなどの電解液の送液圧力を変化させることでも移動させることができる。 また、配管は、別途電解液移動用に設けてもよく、例えば、両タンクを連通管により接続し、この連通管を用いることが好ましい。 そして、電解液の移動は、


    この連通管を介して行う。 連通管には、バルブを設けておくことが好ましい。 また、連通管には電解液を移動させ易いようにポンプなどを具えておいてもよい。 ポンプを用いずに連通管を介して電解液を移動させる方法として、例えば、各タンク内の電解液の液面に高低差を設けて重力によって移動させたりすることなどが挙げられる。 電解液の液面に高低差を設けるには、一方のタンクの底面積を他方のタンクの底面積よりも小さくしてもよい。 また、一方のタンク内に錘材を収納させておいてもよい。 錘材は、例えば、やおもりなどを入れた樹脂製タンクやゴム製タンク、プラスチックライニングしたコンクリート塊など、タンク底部に沈められるようにしたものが好ましい。 その他、タンクの容積を変化できるゴム製タンクなどを用いることなどが挙げられる。 【0024】本発明運転方法は、バナジウム溶液を電解液とするバナジウムレドックスフロー電池だけでなく、


    正極電解液にFe

    3+ /Fe

    2+溶液、負極電解液にCr

    2+ /Cr

    3+溶液を用いたものや、正極電解液にBr

    2 /Br

    -溶液、負極電解液にCr

    2+ /Cr

    3+溶液を用いたレドックスフロー電池などに最適である。 【0025】正極電解液にFe

    3+ /Fe

    2+溶液、負極電解液にCr

    2+ /Cr

    3+溶液を用いたレドックスフロー電池の場合、価数バランスKは、以下の値から求めるとよい。 N

    P5 :正極タンク内の3価鉄イオン(Fe

    3+ )のモル濃度(mol


    /l) N

    n5 :負極タンク内の3価鉄イオン(Fe

    3+ )のモル濃度(mol


    /l) N

    P4 :正極タンク内の2価鉄イオン(Fe

    2+ )のモル濃度(mol


    /l) N

    n4 :負極タンク内の2価鉄イオン(Fe

    2+ )のモル濃度(mol


    /l) N

    P3 :正極タンク内の3価クロムイオン(Cr

    3+ )のモル濃度


    (mol/l) N

    n3 :負極タンク内の3価クロムイオン(Cr

    3+ )のモル濃度


    (mol/l) N

    P2 :正極タンク内の2価クロムイオン(Cr

    2+ )のモル濃度


    (mol/l) N

    n2 :負極タンク内の2価クロムイオン(Cr

    2+ )のモル濃度


    (mol/l) 【0026】一方、正極電解液にBr

    2 /Br

    -溶液、負極電解液にCr

    2+ /Cr

    3+溶液を用いたレドックスフロー電池の場合、価数バランスKは、以下の値から求めるとよい。 N

    P5 :正極タンク内の臭素(Br

    2 )のモル濃度×2(mol/l) N

    n5 :負極タンク内の臭素(Br

    2 )のモル濃度×2(mol/l) N

    P4 :正極タンク内の臭素イオン(Br

    - )のモル濃度(mol/


    l) N

    n4 :負極タンク内の臭素イオン(Br

    - )のモル濃度(mol/


    l) N

    P3 :正極タンク内の3価クロムイオン(Cr

    3+ )のモル濃度


    (mol/l) N

    n3 :負極タンク内の3価クロムイオン(Cr

    3+ )のモル濃度


    (mol/l) N

    P2 :正極タンク内の2価クロムイオン(Cr

    2+ )のモル濃度


    (mol/l) N

    n2 :負極タンク内の2価クロムイオン(Cr

    2+ )のモル濃度


    (mol/l) 【0027】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。 価数バランスを変化させて、価数バランスに対する電池容量と負極電解液量比との関係を調べてみた。 まず、本実施例に用いたバナジウムレドックスフロー電池の概要を説明する。 図1は、レドックスフロー電池の概要を示す説明図、図2は正極タンクと負極タンクとを連通管で接続した状態を示す模式図である。 図1では、両タンクを接続する連通管を省略しており、図2では、セルを省略して両タンクの接続状態のみを示す。 この電池は、イオンが通過できる隔膜4で正極セル1Aと負極セル1


    Bとに分離されたセル1を具える。 正極セル1Aと負極セル


    1Bの各々には正極電極5と負極電極6とを内蔵している。


    正極セル1Aには、正極電解液を供給及び排出する正極タンク2が導管(配管)7、8を介して接続されている。 同様に負極セル1Bには、負極電解液を供給及び排出する負極タンク3が導管(配管)10、11を介して接続されている。


    各電解液は、価数が変化するバナジウムイオンの水溶液を用い、ポンプ9、12で循環させ、正極電極5及び負極電極6におけるイオンの価数変化反応に伴って充放電を行う。 本例において、正極タンク2と負極タンク3とは、一方のタンクから他方のタンクに電解液を移動させるための連通管20、21(図2参照)で接続している。 【0028】次に、価数バランスの測定方法を説明する。 価数バランスKは、先述の数式1により求めた。 数式


    1の規定値である正極電解液量A

    P (l)、負極電解液量A


    n (l)は、各タンク2、3に設けた液面計や液量計などの液量測定計27によって測定する。 同様に両極の各価バナジウムイオン(V

    5+ 、V

    4+ 、V

    3+ 、V

    2+ )のモル濃度N

    P5 〜N

    P2 (m


    ol/l)、N

    n5 〜N

    n2 (mol/l)は、オフラインで電解液を分析したり、自然電位測定などで測定する。 【0029】本例で用いた電解液は、正極電解液がV(4


    価)/V(5価)の硫酸水溶液であり、負極負極液がV(3価)


    /V(2価)の硫酸水溶液である。 以下に実験開始時の各価バナジウムイオンのモル濃度、各極電解液量を示す。 【0030】 (正極電解液) (負極電解液) A

    P : 3(l) A

    n :3(l) N

    P5 : 0(mol/l) N

    n5 :0(mol/l) N

    P4 : 2(mol/l) N

    n4 :0(mol/l) N

    P3 : 0(mol/l) N

    n3 :2(mol/l) N

    P2 : 0(mol/l) N

    n2 :0(mol/l) 【0031】上記電解液量を調整することで価数バランスを変化させて、その価数バランスに対する電池容量及び負極電解液量比Rを調べてみた。 図3にその結果を示す。 図3のグラフは、価数バランス3.45、3.50、3.55に対して、負極電解液量比Rを0.88〜1.12に変化させた際の電池容量を表したものである。 負極電解液量比Rは、


    先述の数式2より求めた。 図3の電池容量は、価数バランス3.5、負極電解液量比Rが1のときを100%として相対な割合を示した。 【0032】図3に示すように、価数バランスKによって、電池容量が最大となる負極電解液量比Rが異なることが分かる。 例えば、価数バランスKが3.55の場合、負極電解液量比Rが1より小さい(R=0.94)のとき、電池容量がピークとなっているのに対し、価数バランスKが3.4


    5の場合は、負極電解液量比Rが1より大きい(R=1.06)とき、電池容量がピークとなっている。 この結果から、価数バランスを3.5に回復させなくても、電解液を移動させて電解液量を調整することで、電池容量を改善できることが予想される。 例えば、価数バランスKが3.55の場合、負極電解液を正極タンクに移動して正極電解液量を増やすことで、同じ電池電圧での正極の充電状態を下げ、負極の充電状態を上げることができる。 仮に、電解液を移動させる前の電解液量が等しければ、電池充電末に正極ネックで、電池放電末に負極ネックで、電池容量は、価数バランス3.5の場合よりも小さくなる。 しかし、本発明では、電解液を移動させ電解液量を調整することで、価数バランス3.5の場合とほぼ同じ電池容量が得られる。 【0033】また、図3から、電解液の価数バランスKが


    3.5を上回った場合、負極電解液を正極タンクに移動させて、負極電解液量比Rを1より小さくすると、電池容量が最大となる傾向にあることが分かる。 また、価数バランスKが3.5を下回った場合、正極電解液を負極タンクに移動させて、負極電解液量比Rを1より大きくすると、電池容量が最大となる傾向にあることが分かる。 【0034】上記の結果に加えて、各価数バランス(K)


    において電池容量が最大となる負極電解液量比Rmaxを求めた。 その結果を図4に示す。 図4のグラフは、各価数バランスに対して、電池容量が最大となる際の負極電解液量比Rmaxを示すもので、活物質などの利用率が高いケース1(70%、約16kWh/m

    3 )と、利用率が低いケース2(40


    %、約10kWh/m

    3 )の二つのケースについて調べた結果である。 【0035】図4に示すように、価数バランスKが大きくなるほど、電池容量が最大となる負極電解液量比Rmaxが小さくなる傾向にあることが分かる。 従って、電解液の移動は、以下のように行うと、電池容量の低下をより抑制できることが分かる。 【0036】(1) 両極の電解液量、各価バナジウムイオンのモル濃度を測定し、価数バランスKを算出する。 (2) 算出した価数バランスKに対して、この図4に示すグラフから電池容量が最大となる負極電解液量比Rmaxを求める。 (3) 負極電解液量比Rmaxを満たすように、即ち、電解液を移動させた後の正極電解液量An'が先述の数式3、同負極電解液量Ap'が同数式4を満たすように電解液の移動を行う。 【0037】次に、図1、2に基づく両タンクを連通管で接続したバナジウムレドックスフロー電池を用いて、電解液の価数バランスが3.5からずれた際、電解液を移動させて負極電解液量比Rを調整した場合の価数バランスと電池容量の関係を調べてみた。 比較として、負極電解液量比Rを1に保った(正極電解液量:負極電解液量=1:


    1に保った)場合の価数バランスと電池容量との関係を調べてみた(従来の技術)。 その結果を図5、6に示す。 図5


    のグラフは、活物質などの利用率が高いケース(70%、


    約16kWh/m

    3 ):ケース1、図6のグラフは、利用率が低いケース(40%、約10kWh/m

    3 ):ケース2を示す。 図5及び6


    の電池容量は、価数バランス3.5、負極電解液量比Rが1


    のときを100%として相対な割合を示した。 【0038】図5及び6に示すように、電解液の移動を行わない従来の技術では、電池容量を90%以上に保つためには、いずれのケースも価数バランスを3.45〜3.55程度の範囲に保たなければならない。 これに対し、電解液を移動させて負極電解液量比Rを調整する本発明では、ケース1の場合、価数バランスを3.35〜3.7程度の範囲に保てば電池容量を90%以上に保つことができる。 特に、ケース2の場合では、より広い範囲(3.3〜3.8程度の範囲)


    で電池容量を90%以上に保つことができる。 更に、鉛電池などの寿命として判断される電池容量80%でよければ


    3.2〜3.8程度に維持すればよい。 【0039】このように本発明は、価数バランスが3.5


    からずれる原因となる副反応、酸素侵入や電解液の成分の精度などに対する要求がはるかにゆるくなり、容易かつ安価に電池容量の低下の抑制を実現することができる。 【0040】次に、一方のタンクから他方のタンクに電解液を移動させるための具体的な構造をより詳しく説明する。 図2に示すように両タンク2、3は、正極タンク2から負極タンク3に、或いは負極タンク3から正極タンク2


    に電解液を移動させることができるように連通管20、21


    によって直接接続されている。 本例では、正極電解液の液面と負極電解液の液面とが一致していなくても、重力に逆らって電解液を移動できるように配管経路にポンプ


    22を設けている。 また、各連通管20、21には、バルブ23


    〜26を設けている。 【0041】正極タンク2から負極タンク3に正極電解液を移動させるには、バルブ23及びバルブ24を開き、バルブ25及びバルブ26を閉じ、適宜ポンプ22を用いて行うとよい。 一方、負極タンク3から正極タンク2に負極電解液を移動させるには、バルブ25及びバルブ26を開き、バルブ23及びバルブ24を閉じ、適宜ポンプ22を用いて行うとよい。 この構成により、一方の極のタンクから他方の極の電解液を効率よく移動させることができる。 【0042】その他、電解液を移動させる方法として以下の方法が挙げられる。 (1) 各極セルに電解液を送液循環させるポンプとクロス配管とを用いる方法【0043】図7は、各極セルに電解液を供給及び排出する配管にクロス配管を設けた状態を示す模式図である。 この方法では、両タンク2、3は、上記例の連通管のように直接接続されるのではなく、クロス配管70、71により間接的に接続され、このクロス配管70、71を介して一方のタンクから他方の極の電解液を移動させる。 即ち、クロス配管70、71は、両タンクを間接的に接続する連通管となる。 そして、この方法では、正極セル1A、負極セル1Bに電解液を送液循環させるためのポンプ9、12


    を一方の極のタンクから他方の極の電解液を移動させる際のポンプとしても用いる。 この構成により、負極電解液比Rを変化させるための電解液の移動専用ポンプを設ける必要がなく、電池の生産性や経済性に優れる。 なお、不必要に電解液が混合しないようにクロス配管70、


    71には、バルブ72、73を設けており、これらのバルブ7


    2、73は、通常、運転中には閉じている。 【0044】正極タンク2から負極タンク3に正極電解液を移動させるには、クロス配管70に設けたバルブ72を開き、バルブ75及びバルブ77を閉じ、適宜ポンプ9を用いて行うとよい。 一方、負極タンク3から正極タンク2に負極電解液を移動させるには、クロス配管71に設けたバルブ73を開き、バルブ74及びバルブ76を閉じ、適宜ポンプ


    12を用いて行うとよい。 【0045】(2) 特定の隔膜を用いる方法(電解液を供給排出させる配管を用いて電解液を移動させる場合)上記実施例に示した方法や(1)の方法では、ポンプを用いる例を示したが、ポンプを用いない例として、特定の隔膜を用いる方法が挙げられる。 【0046】例えば、一般に、隔膜として陰イオン交換膜(アニオン膜)を用いて電池を作動する場合、電解液は正極から負極に、陽イオン交換膜(カチオン膜)を用いて作動する場合、負極から正極に移動する。 ここで、上記のように価数バランスが3.5からずれる原因は、副反応や電池への酸素の侵入などが挙げられる。 従って、実際には、価数バランスKが3.5を上回る方向、即ち、負極電解液を移動させて正極電解液量を増加させる方向か、価数バランスKが3.5を下回る方向、即ち、正極電解液を移動させて負極電解液量を増加させる方向かを事前に判断できる場合もある。 そこで、用いる隔膜によって電解液を移動させることができる。 このとき、価数バランスK


    の変化に伴って電解液を移動させる方向と、隔膜を介して電解液が移動する方向とが一致するように隔膜を選択することが好ましい。 例えば、価数バランスKが3.5を上回る方向の場合、陽イオン交換膜を用い、価数バランス


    Kが3.5を下回る方向の場合、陰イオン交換膜を用いるとよい。 電解液の移動は、電池を作動すると、電解液の供給排出用の配管を介して行われる。 なお、両タンクは、


    図8に示すようにバルブ81を具える配管80によって接続しておくことが好ましい。 図8は、正極タンクと負極タンクとを配管で接続した状態を示す模式図であり、セルを省略して両タンクの接続状態のみを示す。 隔膜を介して電解液の移動量が適切な量になるまでは、配管80のバルブ81を閉じて電池を作動するとよい。 移動量が過剰になった場合は、バルブ81を一時的に開き、配管80を介して電解液を移動させて、電解液量を調整するとよい。 また、両タンクの上方には、通気管を設けておくと、電解液の移動がよりスムースである。 【0047】(両タンクを直接接続する連通管を用いて電解液を移動させる場合)上記とは逆に、価数バランスK


    の変化に伴って電解液を移動させる方向と、隔膜を介して電解液が移動する方向とが一致しない、即ち、前者の方向と後者の方向とが逆になる場合の電解液の移動方法を説明する。 【0048】価数バランスKが3.5を上回る方向で陰イオン交換膜を用いる場合、価数バランスKが3.5を下回る方向で陽イオン交換膜を用いる場合は、価数バランスの変化に伴って電解液を移動させる方向と隔膜を介して電解液が移動する方向とが逆方向となる。 これらの場合は、


    両タンクを高低差がある箇所に設けたり、両タンクに断面積差があるものを用いたりして、貯蔵される電解液の液面に高低差を設けて重力によって電解液を移動させるとよい。 このとき、両タンクは連通管により接続しておき、この連通管を介して電解液の移動を行うとよい。 【0049】図9は、負極タンクの設置場所を正極タンクよりも高くし、両タンクを連通管により接続した状態を示す模式図であり、図10は、正極タンクと、正極タンクよりも断面積の小さい負極タンクとを連通管により接続した状態を示す模式図である。 また、図11は、正極タンクと内部に錘材を収納した負極タンクとを連通管により接続した状態を示す模式図である。 いずれもセルを省略して両タンクの接続状態のみを示す。 例えば、価数バランスKが3.5を上回る方向で陰イオン交換膜を用いた場合、図9に示すように負極タンク3の設置場所を正極タンク2より高くしたり、図10に示すように負極タンク3を正極タンク2より断面積(底面積)が小さい細いものを用いたりするとよい。 また、図11に示すように負極タンク3


    の内部に錘材112を収納して、負極タンク3の液面を調整してもよい。 これらの構成により、正極電解液の液面と負極電解液の液面には高低差があることで、隔膜を介して正極から負極に液移動があっても、連通管90、100、1


    10のバルブ91、101、111を開けば、重力に従って負極から正極に電解液を移動させることができる。 また、両タンクの上方には、通気管を設けておくと、電解液の移動がよりスムースに行うことができる。 【0050】(3) 送液圧力を変化させる方法その他、電解液を供給排出させる配管及びポンプを用い、このポンプを調節して一方の電解液の送液圧力を小さくし、他方の電解液の送液圧力を大きくすることが挙げられる。 この方法は、送液圧力を異ならせることで電解液の液量を変化させる。 【0051】 【発明の効果】以上説明したように本発明レドックスフロー電池の運転方法によれば、価数バランスが3.5からずれても、別途電解液を用意して追加してことなく、電池容量の低下を抑制することができるという優れた効果を奏し得る。 また、本発明は、価数バランスを回復させるのではなく、価数バランスが3.5からずれた状態で電池容量の低下の抑制を図るため、価数バランスが崩れる原因となる副反応、酸素侵入や電解液の成分の精度などに対する要求を従来と比較して緩和させることが可能である。 更に、本発明は、価数バランスの回復に伴う液入れ作業がなく作業性に優れるだけでなく、別途電解液の追加によるコストの増加がないため経済性にも優れる。

    【図面の簡単な説明】 【図1】レドックスフロー電池の概要を示す説明図である。 【図2】正極タンクと負極タンクとを連通管で接続した状態を示す模式図である。 【図3】価数バランスに対する電池容量と負極電解液量比との関係を示すグラフである。 【図4】価数バランスに対して、電池容量が最大となる際の負極電解液量比を示すグラフである。 【図5】活物質などの利用率が高い(70%)ケース(16kWh
    /m 3 )において、負極電解液量比Rを調整した場合の価数バランスと電池容量の関係、及び負極電解液量比Rを1に保った場合の価数バランスと電池容量の関係を示すグラフである。 【図6】活物質などの利用率が低い(40%)ケース(10kWh
    /m 3 )において、負極電解液量比Rを調整した場合の価数バランスと電池容量の関係、及び負極電解液量比Rを1に保った場合の価数バランスと電池容量の関係を示すグラフである。 【図7】各極セルに電解液を供給及び排出する配管にクロス配管を設けた状態を示す模式図である。 【図8】バルブを具える配管により両タンクを接続した状態を示す模式図である。 【図9】負極タンクの設置場所を正極タンクよりも高くし、両タンクを連通管により接続した状態を示す模式図である。 【図10】正極タンクと、正極タンクよりも断面積の小さい負極タンクとを連通管により接続した状態を示す模式図である。 【図11】正極タンクと内部に錘材を収納した負極タンクとを連通管により接続した状態を示す模式図である。 【符号の説明】 1 セル 1A 正極セル 1B 負極セル 2 正極タンク
    3 負極タンク4 隔膜 5 正極電極 6 負極電極 7、8、10、11
    導管 9、12 ポンプ20、21 連通管 22 ポンプ 23〜26 バルブ 27 液量測定計70、71 クロス配管 72〜77 バルブ80 配管 81 バルブ90、100、110 連通管 91、101、111 バルブ 112
    錘材

    フロントページの続き (72)発明者 徳田 信幸 大阪府大阪市北区中之島三丁目3番22号 関西電力株式会社内Fターム(参考) 5H026 AA10 CC06 CX05 HH00 RR01 5H027 AA10 KK00

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