专利汇可以提供周波数オフセット推定装置および無線通信装置专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】オフセットの推定のパフォーマンスを適応的に最適化し、周 波数 オフセットを正確に推定して、搬送波の捕捉を行うことが可能な周波数オフセット推定装置を提供する。 【解決手段】周波数オフセット推定装置は、固定されたユニークワード間隔で送信側から送信された 信号 を受信し、相関長を所定の値の組のうちで順次変更して、CRC符号による誤り検出を実行し、誤り検出の結果に応じて、伝送誤りが所定以下となる範囲で、周波数オフセットの推定に使用する相関長を特定する。 【選択図】図4,下面是周波数オフセット推定装置および無線通信装置专利的具体信息内容。
受信信号の搬送波周波数と局部発振周波数との間の周波数オフセットを推定するための周波数オフセット推定装置であって、 前記受信信号は、各々に複数のユニークワードが配置された複数のフレームと、誤り検出符号を含み、 前記受信信号との前記ユニークワードとの相関を算出するための相関器を備え、前記相関器は、相関長を可変として前記相関を算出することが可能であり、 前記算出された相関を、設定されたフレーム平均サイズの数のフレームにわたって積算し、周波数オフセットの推定値を算出するためのオフセット算出部と、 前記誤り検出符号により、伝送誤りの検出を行うための誤り検出部と、 前記相関器、前記オフセット算出部および誤り検出部を制御するための制御部とをさらに備え、前記制御部は、 i)所定のユニークワード間隔で送信された信号を、受信側において受信して、前記相関長を所定の値の組のうちで順次変更して誤り検出を実行し、 ii)前記誤り検出の結果に応じて、伝送誤りが所定以下となる範囲で、周波数オフセットの推定に使用する相関値を特定する、周波数オフセット推定装置。前記誤り検出符号は、複数のフレームにわたって設けられ、 前記誤り検出部は、前記複数フレームについての誤り検出結果を総合して、誤り情報を算出し、 前記制御部は、前記誤り情報に基づいて、伝送誤りが最小となるフレームに対応する相関長のうち、最大の相関長を特定する、請求項1記載の周波数オフセット推定装置。前記誤り検出符号は、複数のフレームにわたって設けられ、 前記誤り検出部は、前記複数フレームについての誤り検出結果を総合して、誤り情報を算出し、 前記制御部は、前記誤り情報に基づいて、伝送誤りが最小となるフレームに対応する相関長のうち、最小の相関長を特定する、請求項1記載の周波数オフセット推定装置。前記周波数オフセットの算出に使用する相関値を格納するための記憶装置をさらに備え、 前記制御部は、受信した前記フレーム平均サイズの数の各フレームについて、前記相関長を所定の値の組のうちで順次変更して算出した相関値を前記記憶装置に格納し、 前記オフセット算出部は、前記記憶装置に格納された前記相関値に基づいて、前記周波数オフセットの推定値を算出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の周波数オフセット推定装置。各々に複数のユニークワードが配置された複数のフレームと、誤り検出符号を含む無線信号を受信するための無線通信装置であって、 前記無線信号を受信して検波するための受信手段と、 前記受信手段からの受信信号の搬送波周波数と局部発振周波数との間の周波数オフセットを推定し、推定された周波数オフセットに基づいて、前記受信信号の周波数誤差を補正するため搬送波周波数再生手段とを備え、 前記搬送波周波数再生手段は、前記周波数オフセットを推定するための周波数オフセット推定手段と含み、前記周波数オフセット推定手段は、 前記受信信号との前記ユニークワードとの相関を算出するための相関器を含み、前記相関器は、相関長を可変として前記相関を算出することが可能であり、 前記算出された相関を、設定されたフレーム平均サイズの数のフレームにわたって積算し、周波数オフセットの推定値を算出するためのオフセット算出部と、 前記誤り検出符号により、伝送誤りの検出を行うための誤り検出部とをさらに含み、 前記相関器、前記オフセット算出部および誤り検出部を制御するための制御部をさらに備え、前記制御部は、 i)所定のユニークワード間隔で送信された信号を、受信側において受信して、前記相関長を所定の値の組のうちで順次変更して誤り検出を実行し、 ii)前記誤り検出の結果に応じて、伝送誤りが所定以下となる範囲で、周波数オフセットの推定に使用する相関値を特定し、 前記前記搬送波周波数再生手段で補正された信号に対して、復号処理を行うための復号手段とをさらに備える、無線通信装置。前記誤り検出符号は、複数のフレームにわたって設けられ、 前記誤り検出部は、前記複数フレームについての誤り検出結果を総合して、誤り情報を算出し、 前記制御部は、前記誤り情報に基づいて、伝送誤りが最小となるフレームに対応する相関長のうち、最大の相関長を特定する、請求項5記載の無線通信装置。前記誤り検出符号は、複数のフレームにわたって設けられ、 前記誤り検出部は、前記複数フレームについての誤り検出結果を総合して、誤り情報を算出し、 前記制御部は、前記誤り情報に基づいて、伝送誤りが最小となるフレームに対応する相関長のうち、最小の相関長を特定する、請求項5記載の無線通信装置。前記周波数オフセットの算出に使用する相関値を格納するための記憶装置をさらに備え、 前記制御部は、受信した前記フレーム平均サイズの数の各フレームについて、前記相関長を所定の値の組のうちで順次変更して算出した相関値を前記記憶装置に格納し、 前記オフセット算出部は、前記記憶装置に格納された前記相関値に基づいて、前記周波数オフセットの推定値を算出する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の無線通信装置。
本発明は、無線通信装置に関し、より特定的には、搬送波再生のための周波数オフセットを検出する技術に関する。
無線通信装置では、送信装置側の周波数と受信装置側の周波数との間に偏差が存在し、この周波数偏差の影響でビット・エラー・レート(BER)特性が劣化することが知られている。そこで、受信側の復調装置では自動周波数制御(AFC: Automatic Frequency Controller)回路などにより送受信間の周波数偏差を除去している。また、同様に送受信間で位相誤差または位相ずれが存在し、復調装置ではキャリアリカバリ(CR:Carrier Recovery)回路などによりその位相誤差を除去している。
AFC回路は、位相回転器、周波数弁別器、電圧制御発振器(局部発振器)からなるAFCループを構成し、ベースバンド帯域に周波数変換された受信変調信号から、周波数弁別回路が周波数偏差成分を求め、電圧制御発振器(VCO)が当該周波数偏差成分に対応する周波数を有するAFC基準信号を生成し、位相回転器がAFC基準信号を利用して受信変調信号から周波数偏差に対応する位相回転を行ってその周波数偏差成分を除去するものとされている。
このようなAFC回路において、この回路の同期・非同期状態を検出し、非同期状態の時に自動的に同期確立することができる技術が、特許文献1に開示されている。
また、特許文献2には、衛星通信や移動体通信などの無線通信において、同期検波を実現する復調回路において、AFC回路およびCR回路を位相誤差が残留した状態で収束させ、この収束した状態で、位相不確定性除去回路により受信変調信号と既知パターンとの相関を取ることで残留する位相誤差を検出し、検出した位相誤差を補正するようにすることで、フィードバックループに対する調整パラメータを減らし、フィードバックループを簡素化する技術が開示されている。
一方で、近年、無線通信システムの普及により、マイクロ波帯を中心として周波数資源の不足が顕在化しており、高い周波数利用効率を達成するための伝送技術が求められている。直交偏波多重技術は、アンテナから放射される電波の波面方向に着目し、互いに直交する波面をもつ独立した信号を同一周波数で伝送するものである。
この直交偏波多重技術を適用すると、固定無線通信等で使用される直線偏波の場合、垂直(V)偏波と水平(H)偏波を用いたV,H偏波多重を実現できる。この場合、直交偏波多重技術を適用しない場合と比較して、周波数利用効率は2倍となる。V,H偏波多重信号は、例えば、2つの直線状放射素子を十字型に直交配置することにより送受信することができる。
さらに、衛星通信では、必ずしも直交しない3以上の偏波に信号を多重して周波数利用効率を向上させる偏波多重方式が知られている(例えば、非特許文献1参照)。この方式では、各偏波にビットを割り当て、合成前の各偏波成分を水平(H)・垂直(V)偏波のIQ平面上に写像した値を多重(合成)することで信号点を形成する。このとき、H/V各偏波上のシンボル間の最小ユークリッド距離が最大となるように、信号点配置の最適化を行っている。
このような衛星通信では、一般に、SN比が低い状態での受信を行うことになるため、送信側と受信側での周波数の誤差(周波数オフセット)を検出して、周波数偏差の除去(周波数再生処理)を行うための回路においては、このような状況でも高い正確性が要求される。このような要求に応えるために、非特許文献2では、送信信号中に挿入される所定パターンのユニークワードの相関により周波数オフセットを検出するにあたり、ユニークワードのパイロットシンボルの間隔Dを可変とした場合のビットエラーレート(BER)などを評価した結果が開示されている。
特開2006−217054号
特開2009−267714号
夜船、ウェバー、矢野、伴、小林、”衛星通信における多偏波空間多重伝送技術の提案”、IEICE Technical Report、Vol. 112、No. 191、pp.1-5、Aug. 2012.
J. Webber, M. Yofune, K. Yano, H. Ban, and K. Kobayashi, ”Performance of frequency recovery algorithms for a poly-polarization multiplexing satellite system”, 11th IEEE Malaysia International Conference on Communications (MICC2013), 27-29th Nov. 2013.
一般には、ユニークワードのパイロットシンボルの間隔Dを大きくすれば、より少ないフレーム数(より短い捕捉期間)で、周波数オフセットを推定できるものの、この場合、評価できる周波数オフセットの範囲が狭くなってしまう。一方で、粗い周波数オフセットの検出には、ユニークワードのパイロットシンボルの間隔Dを小さくする必要がある。しかし、ユニークワードのパイロットシンボルの間隔Dを小さくすることは、周波数オフセットの推定に要するフレーム数の増大を招いてしまう。
ここで、最大の許容できる間隔Dがどれほどであるかは、未知の周波数オフセットによって制限されている。このため、一般的な通信環境において、ユニークワードのシンボルの間隔Dをどのように設定するのが適切かを事前に知ることは、困難である。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、同期検波を実現する復調回路において、オフセットの推定のパフォーマンスを適応的に最適化し、周波数オフセットを正確に推定して、搬送波の捕捉を行うことが可能な周波数オフセット推定装置およびこれを用いる無線通信装置を提供することである。
この発明の1つの局面に従うと、受信信号の搬送波周波数と局部発振周波数との間の周波数オフセットを推定するための周波数オフセット推定装置であって、受信信号は、各々に複数のユニークワードが配置された複数のフレームと、誤り検出符号を含み、受信信号とのユニークワードとの相関を算出するための相関器を備え、相関器は、相関長を可変として相関を算出することが可能であり、算出された相関を、設定されたフレーム平均サイズの数のフレームにわたって積算し、周波数オフセットの推定値を算出するためのオフセット算出部と、誤り検出符号により、伝送誤りの検出を行うための誤り検出部と、相関器、オフセット算出部および誤り検出部を制御するための制御部とをさらに備え、制御部は、i)所定のユニークワード間隔で送信された信号を、受信側において受信して、相関長を所定の値の組のうちで順次変更して誤り検出を実行し、ii)誤り検出の結果に応じて、伝送誤りが所定以下となる範囲で、周波数オフセットの推定に使用する相関値を特定する。
好ましくは、誤り検出符号は、複数のフレームにわたって設けられ、誤り検出部は、複数フレームについての誤り検出結果を総合して、誤り情報を算出し、制御部は、誤り情報に基づいて、伝送誤りが最小となるフレームに対応する相関長のうち、最大の相関長を特定する。
好ましくは、誤り検出符号は、複数のフレームにわたって設けられ、誤り検出部は、複数フレームについての誤り検出結果を総合して、誤り情報を算出し、制御部は、誤り情報に基づいて、伝送誤りが最小となるフレームに対応する相関長のうち、最小の相関長を特定する。
好ましくは、周波数オフセットの算出に使用する相関値を格納するための記憶装置をさらに備え、制御部は、受信したフレーム平均サイズの数の各フレームについて、相関長を所定の値の組のうちで順次変更して算出した相関値を記憶装置に格納し、オフセット算出部は、記憶装置に格納された相関値に基づいて、周波数オフセットの推定値を算出する。
この発明の他の局面に従うと、各々に複数のユニークワードが配置された複数のフレームと、誤り検出符号を含む無線信号を受信するための無線通信装置であって、無線信号を受信して検波するための受信手段と、受信手段からの受信信号の搬送波周波数と局部発振周波数との間の周波数オフセットを推定し、推定された周波数オフセットに基づいて、受信信号の周波数誤差を補正するため搬送波周波数再生手段とを備え、搬送波周波数再生手段は、周波数オフセットを推定するための周波数オフセット推定手段と含み、周波数オフセット推定手段は、受信信号とのユニークワードとの相関を算出するための相関器を含み、相関器は、相関長を可変として相関を算出することが可能であり、算出された相関を、設定されたフレーム平均サイズの数のフレームにわたって積算し、周波数オフセットの推定値を算出するためのオフセット算出部と、誤り検出符号により、伝送誤りの検出を行うための誤り検出部とをさらに含み、相関器、オフセット算出部および誤り検出部を制御するための制御部をさらに備え、制御部は、i)所定のユニークワード間隔で送信された信号を、受信側において受信して、相関長を所定の値の組のうちで順次変更して誤り検出を実行し、ii)誤り検出の結果に応じて、伝送誤りが所定以下となる範囲で、周波数オフセットの推定に使用する相関値を特定し、搬送波周波数再生手段で補正された信号に対して、復号処理を行うための復号手段とをさらに備える。
好ましくは、誤り検出符号は、複数のフレームにわたって設けられ、誤り検出部は、複数フレームについての誤り検出結果を総合して、誤り情報を算出し、制御部は、誤り情報に基づいて、伝送誤りが最小となるフレームに対応する相関長のうち、最大の相関長を特定する。
好ましくは、誤り検出符号は、複数のフレームにわたって設けられ、誤り検出部は、複数フレームについての誤り検出結果を総合して、誤り情報を算出し、制御部は、誤り情報に基づいて、伝送誤りが最小となるフレームに対応する相関長のうち、最小の相関長を特定する。
好ましくは、周波数オフセットの算出に使用する相関値を格納するための記憶装置をさらに備え、制御部は、受信したフレーム平均サイズの数の各フレームについて、相関長を所定の値の組のうちで順次変更して算出した相関値を記憶装置に格納し、オフセット算出部は、記憶装置に格納された相関値に基づいて、周波数オフセットの推定値を算出する。
本発明によれば、同期検波を実現する復調回路において、伝搬路状態に応じて最適な相関長Nを選択することで、適応的に周波数オフセットを正確に推定し、搬送波の捕捉を行うことが可能となる。
本実施の形態の送信機1000の構成を説明するための機能ブロック図である。
本実施の形態の受信機2000の構成を説明するための機能ブロック図である。
ユニークワードにおけるシンボルの配置を説明するための図である。
搬送波周波数再生部207における周波数オフセット推定装置2070と、CRCデコード処理部216の構成を説明するための機能ブロック図である。
相関長Nと評価可能な最大周波数オフセットとの関係のシミュレーション結果を示す図である。
ユニークワード間隔Dおよび相関長Nでのユニークワードの異なる配置の例を示す図である。
異なるユニークワード間隔Dで配置されるユニークワードが送信信号のフレーム内に配置される態様を説明するための図である。
送信側から受信側に送信されるユニークワードおよびCRC符号の配置を説明するための図である。
適応的に相関長Nを変化させた場合の調整可能な最大周波数オフセットの評価を示す概念図である。
ビットエネルギー対雑音電力密度比Eb/NoとビットエラーレートBERとの関係のシミュレーション結果を示す図である。
ビットエネルギー対雑音電力密度比Eb/NoとビットエラーレートBERとの関係のシミュレーション結果を示す他の図である。
適応的相関長の処理フローを説明するためのフローチャートである。
受信フレーム数と残存する周波数オフセットとの関係を示す図である。
記憶装置に格納される相関値の例を示す概念図である。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムについて、図に従って説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
以下に説明するとおり、本実施の形態の無線通信システムは、偏波多重方式を採用するものである。
好ましくは、本実施の形態では、2つの偏波を用いて情報伝達を行うシステムにおける通信装置で、衛星通信のように送受信間に際立った障害物の無いシステム系で用いる状態が、より好適である。なお、送信機能のみの通信機には、本実施の形態の送信機能のみを、受信機能のみの通信機には、本実施の形態の受信機能のみを備える構成とすることが可能である。また、送受信機には、送受信機能を備える構成とすることも可能である。
また、本実施の形態の無線通信システムは、2直交の偏波(現実的なレベルでの直交であり、交差偏波成分は0でなくともよい)を同時に情報伝送に利用する無線通信機が対象である。ただし、本実施の形態の送信機、受信機、送受信機において、以下に説明するような偏波多重通信の機能を一時停止させて、従来の通信方式での通信に切り替えることが可能なようにシステムを構成することも可能である。
また、本実施の形態は、3以上の偏波に信号を多重する偏波多重方式に用いることも可能である。
(送信機および受信機の構成) 図1は、本実施の形態の送信機1000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図1を参照して、送信機1000は、送信するべきデジタルデータ信号(情報ビット)を受け、伝送誤りを捕捉するためにデータから計算されるチェックのためのCRC(Cyclic Redundancy Check)符号化を行うCRC符号化部100と、CRC符号化部100からの情報ビットに対して誤り訂正符号化処理を実行し、送信シンボルに変換する誤り訂正符号化処理部101を備える。なお、誤り訂正符号化処理だけでなく、「インターリーブ処理」などが実行されてもよい。
送信機1000は、さらに、送信されるシンボルをシリアル/パラレル変換(S/P変換)するS/P変換部102と、パラレル信号に変換された送信シンボルを、I/Qマッピングデータ記憶部106に保持された情報に基づいて、水平偏波(H偏波)および垂直偏波(V偏波)の各偏波成分について、信号空間ダイアグラム(コンステレーション)における信号点にマッピングするV/Hマッピング処理部104とを備える。
ここで、I成分とは、直交変調の際の同相成分を意味し、Q成分とは、直交変調の際の直交位相成分のことを意味し、I/Qマッピングとは、I成分およびQ成分で張られる平面上に信号点を配置することを意味する。
送信機1000は、さらに、V/Hマッピング処理部104からのV偏波についてのI/Q成分にユニークワードを挿入するためのユニークワード挿入部(以下、UW挿入部)107aと、V/Hマッピング処理部104からのH偏波についてのI/Q成分にユニークワードを挿入するためのUW挿入部107bとを備える。
送信機1000は、さらに、UW挿入部107aからのV偏波についてのI/Q成分を、対応する変調方式(たとえば、QPSK変調方式)で直交変調する直交変調部108aと、UW挿入部107bからのH偏波についてのI/Q成分を、対応する変調方式(たとえば、QPSK変調方式)で直交変調する直交変調部108bと、直交変調部108aの出力をデジタル・アナログ変換するためのD/A変換部110aと、直交変調部108bの出力をデジタル・アナログ変換するためのD/A変換部110bとを備える。
D/A変換部110aの出力は、図示しない電力増幅器で増幅され、送信フィルタ処理部112aで不要な周波数成分を抑圧するためのフィルタ処理をされた後、垂直偏波アンテナ114aから送出される。また、D/A変換部110bの出力は、図示しない電力増幅器で増幅され、送信フィルタ処理部112bでフィルタ処理をされた後、水平偏波アンテナ114bから送出される。
UW挿入部107aおよび107bは、後に説明するように、予め送信側と受信側で既知であるユニークワードシンボルの間隔Dで、送信信号にユニークワードを挿入する。
なお、以下では、「ユニークワードのシンボル間隔」のことを単に「ユニークワード間隔」と呼ぶことにする。
図2は、本実施の形態の受信機2000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図2を参照して、受信機2000は、垂直偏波アンテナ200aと水平偏波アンテナ200bと、垂直偏波アンテナ200aからの受信信号を図示しない低雑音増幅器が増幅した信号をフィルタ処理する受信フィルタ処理部202aと、水平偏波アンテナ200bからの受信信号を図示しない低雑音増幅器が増幅した信号をフィルタ処理する受信フィルタ処理部202bと、受信フィルタ処理部202aからの信号をアナログデジタル変換するためのアナログデジタル変換部(A/D変換部)204aと、受信フィルタ処理部202bからの信号をアナログデジタル変換するためのA/D変換部204bとを備える。
受信機2000は、さらに、A/D変換部204aおよび204bからの信号をそれぞれ受けて、コンステレーション上におけるI/Q成分を分離する直交検波部206aおよび206bを備える。
搬送波周波数再生部207は、直交検波部206aまたは直交検波部206bからの信号に対して、それぞれ、後に説明するように局部発振器との間の周波数オフセットの値の推定を実行し、推定された周波数オフセットにもとづいて、入力された信号を、上述したAFC回路などと同様の構成により、周波数誤差がゼロに近づいた状態にまで補正する。
続いて、搬送波周波数再生部207において周波数誤差を補正された受信変調信号は、搬送波位相再生部208に入力される。搬送波周波数再生部207における周波数誤差の補正後も、周波数誤差が残留するため、受信シンボル点がゆっくりと回転し、特性の劣化を招く。そこで、搬送波位相再生部208において、残留した周波数誤差(位相誤差)の補正が行われる。搬送波位相再生部208は、補正後の受信変調信号における残留位相誤差をゼロに近づける。
最尤判定処理部209は、I/Qマッピングデータ記憶部210からのマッピング情報に基づいて、搬送波位相再生部208からの信号に対して、信号空間ダイアグラム上の所定の信号点に対する尤度を算出し、MLD(Maximum Likelihood Detection)法による最尤復号を行う。MLD法では、受信信号に対し、送信アンテナから送信されうる送信信号のすべての組合せを用いてメトリックを算出する。そして、最小の距離を与える送信信号の組合せを選択する。
なお、「信号点」とは、変調方式によりコンステレーション上に定義される基準となる位置のことをいい、「シンボル」とは、送信側で変調されて、基準クロックで伝送される情報の単位である「符号」を意味する。
最尤判定処理部209により算出された送信信号のビット情報は、パラレル/シリアル変換(P/S変換)を行うP/S変換部212を経て、誤り訂正復号処理部214により誤り訂正された後、受信データとして出力される。
なお、送信機側の構成に従って、誤り訂正復号処理部214では、畳み込み復号やデインターリーブ処理が実行されてもよい。
さらに、CRCデコード処理部216は、受信した信号に対してCRCデコード処理を実行し、現時点でのユニークワード間隔Dおよび相関長Nの組合せで伝送誤りが生じているか否かを検出して、搬送波周波数再生部207における周波数オフセットの推定処理を制御する。 (実施の形態1) 図3は、ユニークワードにおけるシンボルの配置を説明するための図である。
図3では、シンボルは、BPSK変調されている。
図3(a)は、位相を推定する状況を説明するための図である。
受信信号は、以下のように表される。
ここで、znは、ノイズを表す。
この時、推定される周波数は、以下のように表される。
図3(a)にも示されるように、ユニークワード位置(i−D)の位相推定値θi-Dハット(以下、文字Xの上に記号“^”が付された時には、「Xハット」と記載する)を基にユニークワード位置iの位相推定値θiハットを求める場合を考える。推定値θiハットには、加法性白色ガウスノイズΔeiが含まれる。このとき、図3(a)において、加法性白色ガウスノイズΔeiにより変動する領域は、ユニークワード位置iにおいて上下方向の矢印で示されている。図3(a)に示されるように、ノイズによる位相推定誤差は、ユニークワードの間隔Dが大きくなるほど、相対的に小さくなり、その影響が小さくなる。
図3(b)は、ユニークワード間隔D=1のとき(ユニークワードが連続して配置されるとき)の横軸にシンボルの位置(シンボル番号)、縦軸にシンボルのPiを振幅とともに示す。ノイズ環境下で、オフセット範囲が大きな場合にも推定を可能とするものの、精度は低下する。
図3(c)は、ユニークワード間隔D=4のときの横軸にシンボルの位置(シンボル番号)、縦軸にシンボルのPiを振幅とともに示す。シンボルがフレームのより広い範囲にわたって分散されるため、より高い精度を得ることができるものの、推定できるオフセットの範囲は小さくなる。
図3(b)および図3(c)とも、簡単のためにユニークワードシンボルが8個である場合を例示している。
図3(c)に示すように、ユニークワード間隔D=4の場合、ユニークワードシンボルの間にはデータシンボルが存在する。
一方、ノイズ環境下では、あるユニークワードシンボルから次のユニークワードシンボルまでにおいて、ノイズ誤差が、位相の推定にのることになる。そこで、ユニークワード間隔Dが大きくなるほど、位相の推定に対するノイズ誤差の影響が小さくなり、周波数オフセットの推定精度は向上することになる。
図4は、搬送波周波数再生部207における周波数オフセット推定装置2070と、CRCデコード処理部216の構成を説明するための機能ブロック図である。
本実施の形態では、ユニークワード間隔Dは、送信側において予め大きな値として固定されているものとする。ここで、「大きな値」とは、要求される周波数オフセットの推定の精度に十分な値という意味であり、特に限定されないが、たとえば、D={8,16,32}の中のいずれかの値に設定される。受信側においては、以下に説明するように、ユニークワード間隔Dが固定されていることを前提に、相関長Nを適応的に変化させる。
周波数オフセットの推定にあたっては、修正L&R(MLR)アルゴリズムが、DVB−S2衛星受信機中の広く使用され、周知な周波数オフセット推定アルゴリズムとなっている。このような修正L&Rアルゴリズムは、ノイズ環境下での周波数評価特性を改善するために、Lフレームに関する平均相関を計算することに基づく。
修正L&Rアルゴリズムについては、以下の文献に開示がある。
公知文献1:E. Casini, R. De Gaudenzi, and A. Ginesi, ”DVB-S2 modem algorithms design and performance over typical satellite channels,” Proceedings of the Int. Journal of Sat. Commun. and Networking, pp. 281--318, June 2004. 公知文献2:M. Luise. and R, Reggiannini, ”Carrier frequency recovery in all-digital modems for burst-mode transmissions,” IEEE Trans. Commun., Vol. 43, No. 2/3/4, pp. 1169--1178, Feb-Apr. 1995. さらに、本特許出願の発明者により、以下の文献において、UWシンボルの間の間隔Dが1以上となり得るように修正した方式(DMLR方式)が、以下の文献で提案されている。
公知文献3:J. Webber, M. Yofune, K. Yano, H. Ban, and K. Kobayashi, ”Performance of frequency recovery algorithms for a poly-polarization multiplexing satellite system”, 11th IEEE Malaysia International Conference on Communications (MICC2013), 27-29th Nov. 2013. ここで、周波数オフセット推定装置2070は、上述したような、「UWシンボルの間の間隔Dが1以上となり得るように修正した修正L&Rアルゴリズム」を実行するためのハードウェアである。したがって、周波数オフセットの推定については、公知文献3に詳しいので、以下では、その概略を説明する。
周波数オフセット推定装置2070は、図示しない制御部の制御に従って、後に説明するように、直交検波部206aまたは206b(以下、総称するときは、直交検波部206)から入力された受信変調信号Zとメモリに保存したユニークワードUWとの相関を、以下の式に従って、相関長N(N:自然数)の相関器3020でとって、この相関値を、積算処理部3030で、移動平均サイズL(フレーム数で規定)だけ積算する。
すなわち、積算処理部3030は、Lフレームにわたって相関値を積算し、オフセット算出部3040が、積算された相関値を、以下の式(3)(4)に従って、周波数オフセットfLR-Dハットに変換する。
ここで、lは現在のフレーム番号であり、mは遅延であり、Lpは、ユニークワードの長さであり、Nは相関長であり、Lは、フレーム平均サイズであり、Dはユニークワード間隔である。
また、z(k)は、l番目のフレームのk番目のシンボルと相関をとる既知のユニークワードのk番目のシンボルの共役との積を意味する。既知のユニークワードの共役との積をとることで、変調の影響を除去できる。z*(k)は、z(k)の複素共役である。
式(1)では、l番目のフレームについて、mだけずれたシンボル間の相関をとっていることに相当する。式(2)では、Lフレームにわたる相関値の積算をとっていることを意味する。
周波数オフセットfLR-Dハットは、テーブルなどにより複素数の周波数誤差情報に変換され、図示しない複素乗算器において、入力された受信変調信号と周波数誤差情報との複素乗算が行われ、周波数誤差を補正した受信変調信号が得られる。搬送波周波数再生部207では、上記の動作を繰り返すことにより、補正後の受信変調信号における残留周波数誤差をゼロに近づける。
一方、図示しない制御部の制御にしたがって、CRCデコード処理部216は動作し、デコード部2162は、誤り訂正復号処理部214からの受信信号に対して、CRCデコード処理を行い、CRCチェック部2164が、CRC符号により、伝送エラーの有無を判別する。相関長制御部2166は、現在のユニークワード間隔D、相関長Nおよびフレーム平均サイズLにおいて、エラーが生じたか否かを検出し、相関長Nを後に説明するフローに従って更新し、最適な相関長Nを決定する。なお、相関長制御部2166は、ルックアップテーブル(LUT)2168を参照することで、相関長Nを更新するものとする。
また、同一の受信信号の組に対して、異なる相関長Nについての相関値を算出できることから、予め設定された相関長Nの組の要素ごとに同一の受信信号の組に対して相関値を算出して記憶装置に記憶しておくことで、相関長制御部2166は、このようにして記憶装置内に格納された相関値に基づいて、最適な相関長Nを決定する構成とすることができる。このような構成とすれば、Lフレームの信号が受信されて相関値の算出が行われた時点で、可能な相関長Nの組の各要素についての相関値の算出が終了していることとなり、最適な相関長Nを決定するのに要する時間を短縮することが可能となる。
なお、図4では、相関長制御部2166と、受信機2000全体の制御を行う制御部とが異なるものとして説明したが、これらは、1つの制御部として統合されていてもよい。
このような構成とすることで、後により詳しく説明するように、送信側は、固定されたユニークワード間隔Dの信号を送信する。受信側では、初期フェーズにおいては、相関長Nのとり得る値の組として予め定められた組のうちから、特定の相関長Nを順次選択しながら、制御部の制御によるアルゴリズムにより、CRCチェックを行って、伝送エラーが所定の値以下となる範囲で、最適な相関長Nを特定する。
なお、誤り検出符号としては、CRC符号に限定されず、他の誤り検出符号を使用してもよい。
図5は、相関長Nと評価可能な最大周波数オフセットとの関係のシミュレーション結果を示す図である。
すなわち、図5においては、ユニークワード間隔Dをパラメータとして、相関長Nに対する引込可能な最大周波数オフセットの変化を示している。
図5においては、ユニークワードのシンボル数は32であり、データ転送速度は10MBdとしてシミュレーションしている。
上述したように、同じ相関長であれば、ユニークワード間隔Dが増加するほど、評価可能な最大周波数オフセットは減少する。
一方で、ユニークワード間隔Dを固定した場合、相関長Nを減少させると、評価可能な最大オフセット周波数を増加させることができる。
したがって、送信側でユニークワード間隔Dを固定して送信している場合でも、受信側で、適応的に相関長Nを変化させれば、評価可能な最大周波数オフセットを可変とすることが可能である。
図6は、ユニークワード間隔Dおよび相関長Nでのユニークワードの異なる配置の例を示す図である。
また、図7は、異なるユニークワード間隔Dで配置されるユニークワードが送信信号のフレーム内に配置される態様を説明するための図である。
図5においても、説明したとおり、評価可能な最大周波数オフセットは、ユニークワード間隔Dと相関長Nの2つのパラメータで決定される。
ここで、有効ユニークワード間隔D´を、D´=D・Nで定義すると、同一の有効ユニークワード間隔D´に対しては、評価可能な最大周波数オフセットも同一となる。
図6においては、フレームの所定領域において分布して配置されるユニークワードシンボルを斜線で示す。ユニークワード(UW)シンボルインデックスとは、フレーム内で最初のユニークワードシンボルを起点として、あるユニークワードシンボルが何番目であるかを示す。
たとえば、図6(a)に示すような(D,N,D´)=(1,4,4)の場合と、図6(b)に示すような(D,N,D´)=(4,1,4)の場合とでは、有効ユニークワード間隔D´は、いずれも4となり、評価可能な最大周波数オフセットも同一となる。
ただし、オフセット評価のためには、いずれの2つのユニークワードの間隔も、対応する位相差が2π以下となるように設定される必要があり、ユニークワード間隔Dの値には上限がある。
次に、図7を参照して、図7上段に示すように、ユニークワード間隔D=1の場合、所定数の各フレームの先頭部分に、連続した所定数個のシンボル(ここでのシンボルの所定数個とは、たとえば、64)から成るユニークワードが配置された部分(以下、UW部)が設けられる。
一方、図7の下段に示すように、ユニークワード間隔Dが1を超える場合の配置では、各フレームの先頭部分から、所定のユニークワード間隔(図7下段では、たとえば、D=2〜64)で所定数個のシンボルのユニークワードが分散して配置されている。
なお、本実施の形態では、ユニークワード間隔Dについては所定の値の組のうちから送信側が選択して固定し、選択されたユニークワード間隔がデータ通信にも使用される。
なお、ここで、ユニークワードとして使用されるシンボル数は、必ずしも上記の値に限定されるものではない。
なお、ここで、ユニークワード間隔D=n(n:自然数)とは、第i番目のシンボル(UWシンボルインデックス=i)がユニークワードであるときに、第(i+n)番目のシンボルもユニークワードであることを意味する。
図8は、送信側から受信側に送信されるユニークワードおよびCRC符号の配置を説明するための図である。
図8(a)は、1つのフレームの中に分布されるユニークワードの配置を示し、図8(b)は、周波数オフセットの評価においてフレーム平均処理を行うフレーム数であるフレーム平均サイズのL個のフレームとそれに対応して設けられるCRC符号の配置の一例を示し、図8(c)は、CRC符号の配置の他の例を示す。
なお、図8(b)または図8(c)のように、CRC符号等によって誤り検出を行う単位であるフレームの組をブロックと呼ぶことにする。本実施の形態では、同一ブロック内では、ユニークワード間隔Dは、一定であるものとする。
図8(a)に示すように、ユニークワードは、指定された間隔Dで、1つのフレーム内に分布する。
図8(b)に示すように、フレーム平均サイズであるL個(フレーム番号l=1〜L)の送信の直後に、たとえば、16ビットのCRCシンボルを配置する構成とすることが可能である。
あるいは、図8(c)に示すように、フレーム平均サイズであるL個(フレーム番号l=1〜L)の送信の直後および、これに続くLN個(LN≧0)のフレーム毎に、たとえば、16ビットのCRCシンボルを配置する構成とすることも可能である。
ただし、CRCシンボルの配置は、図8(b)や図8(c)に示されるような配置に限定されるものではなく、たとえば、各フレームに設けられていてもよく、より一般には、受信側で、所定のユニークワード間隔DのフレームをL個受信した後に伝送エラーをチェックできる位置に少なくとも1つ配置されていればよい。望ましくは、所定のユニークワード間隔DのフレームをL個受信した後に伝送エラーをチェックできる位置に(LN+1)個配置されていればよい。(LN+1)個のCRC符号が配置されている場合は、たとえば、これらの各CRC符号についての誤り検出結果を積算し、積算結果により誤りの有無を検出する構成とすることで、雑音の影響を低減できる。
したがって、たとえば、受信側で相関長Nを適応的に変化させるフローとして、以下のような手順とすることが可能である。
i)図4に示した相関器によりフレーム平均サイズをLフレームとして平均相関を算出する。
このとき、受信したフレーム数がL個未満であるときには、相関長Nをルックアップテーブル2168に格納された所定の値に設定する。このように相関長Nの初期値を設定することで、送信側で固定したユニークワード間隔Dに適した相関長Nで周波数オフセットを評価することができる。
ii)受信したフレーム数がL個以上となった場合は、後に説明するフローにしがたって、CRC符号による誤り検出の結果に応じて、相関長Nの値を適応的に変化させる。
このとき、CRC符号が図8(c)のように配置されている場合は、CRC符号による誤り検出結果を、(LN+1)個のCRC符号について(積算または平均)する処理を行うことにより、上述のとおり、雑音の影響を低減できる。
図9は、適応的に相関長Nを変化させた場合の調整可能な最大周波数オフセットの評価を示す概念図である。
図9(a)は、上述した従来の修正L&R(MLR)アルゴリズムによる最大周波数オフセットの評価を示し、図9(b)は、精度が高い状態での本実施の形態でのアルゴリズム(微調DMLRアルゴリズム)による最大周波数オフセットの評価を示し、図9(c)は、精度が低い状態での本実施の形態でのアルゴリズム(粗調DMLRアルゴリズム)による最大周波数オフセットの評価を示す。
データ転送速度fsymは10MBdであるものとする。
図9(a)に示すように、従来のMLRアルゴリズムでは、(D,N,D´)=(1,16,16)の場合に、最大周波数オフセットΔfmaxは、〜588kHzとなる。
これに対して、図9(b)に示すような微調DMLRアルゴリズムでは、たとえば、十分大きなユニークワード間隔Dとして64をとり、(D,N,D´)=(64,16,1024)とした場合に、最大周波数オフセットΔfmaxは、〜9.19kHzとなる。一方、図9(c)に示すように、粗調DMLRアルゴリズムとして、相関長Nを減少させ、D,N,D´)=(64,2,128)とした場合は、最大周波数オフセットΔfmaxは、〜52.1kHzまで拡大することができる。
図10は、ビットエネルギー対雑音電力密度比Eb/NoとビットエラーレートBERとの関係のシミュレーション結果を示す図である。
図10中では、パラメータとして、ユニークワード間隔Dと相関長Nを変化させた場合を示す。
ユニークワードのシンボル数Nuw=32に対して、従来型MLRアルゴリズムで採用する相関長としては、Nuw/2=16としている。
また、変調方式は、2つの各偏波について8PSKであり、周波数オフセットは、Δf=±2kHz、データ転送速度fsymは10MBdであり、フレーム平均サイズL=256であり、前方誤り訂正(FEC)は、行わないとの条件で、シミュレーションしている。
図10中では、以下の各アルゴリズムでの結果を対比して示している。
・従来型MLRアルゴリズム : (D,N,D´)=(1,16,16) ・DMLRアルゴリズム : (D,N,D´)=(2,16,32) (D,N,D´)=(4,16,64) (D,N,D´)=(32,16,512) ・適応的相関長アルゴリズム : (D,N,D´)=(32,8,256) (D,N,D´)=(32,4,128) (D,N,D´)=(32,4,128)の適応的相関長アルゴリズムは、(D,N,D´)=(32,16,512)のDMLRアルゴリズムと比較して、より大きな最大周波数オフセットに対応しつつ、同程度の精度を達成することができる。
図11は、ビットエネルギー対雑音電力密度比Eb/NoとビットエラーレートBERとの関係のシミュレーション結果を示す他の図である。
シミュレーション条件は、図10の場合と同様である。
ユニークワード間隔Dを16とすることで、相関長Nを16から1まで減少させた場合でも、BERに大きな劣化は見られない。言い換えると、D=16と設定しておくことで、受信側で、最大周波数オフセットを可変とするために、相関長Nを変化させることが可能であることを示している。
実際の通信では、このようなシミュレーションと実験により、事前に、その通信環境に適合するように、ユニークワード間隔Dおよび相関長Nの可変範囲を設定しておくことができ、これをルックアップテーブル2168に格納しておく構成とできる。
図12は、適応的相関長の処理フローを説明するためのフローチャートである。
上述のとおり、本実施の形態では、ユニークワード間隔Dは送信側で固定した値で一定とし、受信側で、相関長Nを変化させて、最適な相関長Nを特定する。
以下に説明するとおり、CRCチェックを利用することで、最大の相関長Nを特定する。ここで、CRC符号の配置としては、一例として、図8(c)に示すような構成であるものとする。
図12を参照して、まず、初期化処理として、送信側は、ユニークワード間隔Dの値を所定の値に設定し、この値Dは、送信の全体にわたって一定に保持される。受信側でも、このユニークワード間隔Dは、既知であるものとする。ここでは、D=16とする(S100)。
さらに、初期化処理として、受信側において、事前に、相関長の可能な組合せNset={Nset(1),Nset(2),…,Nset(n)}を設定しているものとする(S100)。
ここでは、一例として、Nset={Nset(1),Nset(2),…,Nset(5)}={1,2,4,8,Nuw/2(=16)}とする。特に、限定されないが、以下に説明するように、Nsetの要素は、小さいものから順番に並んでいることが望ましい。以下では、Nsetの要素は、昇順にならんでいるものとする。
NNは、テストされるNsetの要素の個数である。フレーム平均サイズLは、一例として、256であるものとする。図8(c)で示されるLNは、1であるものとする。したがって、1ブロックあたりに、CRC符号により、誤り検出をする回数Lcは、Lc=(LN+1)となる。さらに、処理中においてNsetの中の要素を指定するためのワーキング変数であるnを、n=0に初期化する。
さらに、図12を参照して、受信側で、ユニークワードの含まれる(L+LN)個のフレームを受信する(S102)。
続いて、nの値を1だけインクリメントして、相関長Nとして、N=Nset(n)に設定する(S104)。
最初のL個のフレームとこれに引き続いて、合計LN個のフレームについて、それぞれCRCチェックを行う。CRCチェックをパスしない場合は、CRC(l)=1とし、パスする場合は、CRC(l)=0とする(S106)。
不良数インデックスFail(n)を以下の式で計算する(S108)。
次に、現在の変数nの値が、Nsetの中の要素の数NN以上であるかが判別され(S110)、NN未満であれば、処理は、ステップS104に復帰し、nの値が1だけインクリメントされ、相関長Nとして次の値が設定され(S104)、以降の処理が繰り返される。
一方、ステップS110において、nがNN以上であれば、不良数インデックスFail(n)が最小である相関長のうち、最大の相関長Nが、周波数オフセットの評価用の相関長として選択される(S112)。
すなわち、正確さを優先する場合、Nsetの中の要素のうち、2つ以上の要素で、不良数インデックスの値が同じときは、Nの大きさが最大なものを選択するのが望ましい。
ただし、評価可能な最大周波数オフセットの方を優先することとして、不良数インデックスFail(n)が最小である相関長のうち、最小の相関長Nが、周波数オフセットの評価用の相関長として選択される構成としてもよい。
なお、不良インデックスとしては、上述のように、Lc=(LN+1)回分の誤り検出の結果の積算値として定義している。これにより、雑音などの影響を軽減できるものの、誤りの状況を複数個のフレームについて統合して示す指標(誤り情報)としては、このようなものに限定されない。たとえば、Lcに対する誤りの検出されたフレーム数の割合を用いることとして、割合が所定値以下となるか否かを判断する等の方法を採用してもよい。
図13は、受信フレーム数と残存する周波数オフセットとの関係を示す図である。
図13においては、図12のフローチャートにおいて、相関長Nを、順次、小さい方から大きな値へと変えながらテストする場合を示している。
ユニークワード間隔D=8、フレーム平均サイズL=64、ビットエネルギー対雑音電力密度比Eb/No=4.8dB、データ転送速度fsymは5MBdであり、初期の周波数オフセットΔf=64kHzであるものとする。
初期フェーズでは、図12のフローチャートにしたがって、N=1からN=8まで、相関長Nを、順次、大きくしていくにしたがって、残存周波数オフセットは、傾向として減少していく。しかしながら、相関長N=16となると、評価可能な最大周波数オフセットの値が小さくなりすぎ、残存周波数オフセットが急激に増加する。
このため、N=1からN=8までの範囲で、不良数インデックスが最小の範囲で、たとえば、最大の相関長Nが、最適相関長NOPTとして選択され、以後、通信フェーズでの相関長として使用されることになる。
初期の動作開始のフェーズで、Nの値を適応的に設定することで、以後の通信フェーズでも、安定した通信を行うことが可能となる。
(記憶装置への相関データの格納) 以下では、受信側において、相関長の最適値を評価している間に、図示しない記憶装置に、相関値を格納しておくことで、最適相関長が決定されると、直ちに、これに対応する相関値を算出可能とする構成について、説明する。
すなわち、相関長Nの選択のための処理としては、図12に示した処理を実行すればよいものの、相関長Nが選択された後に、以下に説明するように、改めて、(L+LN)個のフレームを受信する必要は必ずしもない。そのような構成について、以下説明する。
図14は、記憶装置に格納される相関値の例を示す概念図である。
図12のステップS102において、フレーム番号lを1ずつ増加しながら、フレームを順次受信して、フレームlからフレーム(l+L−1)までのLフレームについて、相関器3020において、相関長Nを変化させた値を図14に示すように、図4には図示しない記憶装置に格納しておく。このとき、格納するデータのサイズは、L行NN列の行列となる。
ステップS112において、最適な相関長NOPTとが確定されれば、この相関長NOPTに対応する相関値を記憶装置から読出し、積算処理部3030において積算して、オフセット算出部3040が、周波数オフセットを算出する構成とすることが可能である。これにより、周波数オフセットの評価にあたり、l=1〜Lまでが、移動平均をとる対象となる。
以上説明したように、動作開始フェーズ中に、受信側で相関長の組のうちから、特定の相関長を選択しつつ、所定のフレーム数だけ送信し、受信側で、CRC符号のデコード処理により伝送エラーを評価して、伝送エラーの最小となる範囲で相関長を特定する。
このとき、伝送エラー最小の相関長のうち最大のものを周波数オフセットの評価のための相関長として選択すれば、高い精度で、周波数オフセットを推定できる。
あるいは、伝送エラー最小の相関長のうち最小のものを周波数オフセットの評価のための相関長として選択すれば、評価可能な周波数オフセットの範囲を可能な限り広くとることが可能である。
上述した伝送エラーの最少となる相関長のうち、最大のものを選択するか、最小のものを選択するかは、使用する周波数帯、使用する変調方式、データ転送速度、想定される周波数オフセットの範囲などにより、事前に決定しておくものとする。
データ通信フェーズでは、このようにして特定された相関長でデータ受信を行うことで、受信側の搬送波周波数再生部での引込可能周波数の範囲を最大化する、ないし、周波数オフセットを高精度に推定することが可能となる。この場合、相関長は、伝送エラーが最小となるように選択されるので、より少ないフレーム数(より短い捕捉期間)で、周波数オフセットを推定できる。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
100 誤り訂正符号化処理部、102 S/P変換部、104 V/Hマッピング処理部、106,210 I/Qマッピングデータ記憶部、107a,107b UW挿入部、108a,108b 直交変調部、110a,110b D/A変換部、112a、112b 送信フィルタ処理部、114a,200a 垂直偏波アンテナ、114b,200b 水平偏波アンテナ、202a,202b 受信フィルタ処理部、204a,204b A/D変換部、206a,206b 直交検波部、207 搬送波周波数再生部、208 搬送波位相再生部、209 最尤判定処理部、212 P/S変換部、214 誤り訂正復号処理部、216 CRCデコード処理部、1000 送信機、2000 受信機。
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