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Ultra-high luminance radiation light generation method and device

阅读:131发布:2020-07-27

专利汇可以提供Ultra-high luminance radiation light generation method and device专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain, with a compact and small scale facility, an ultra-high luminance radiation light in which the number of photons is peak, with a Compton scattering system in which the radiation light of higher energy level than that of a braking radiation system and with the energy level capable of nuclear transformation for nuclear annihilation treatment of a radioactive waste.
SOLUTION: This ultra-high luminance radiation light generation device comprises a photon storage cavity 10 and a second electron storage ring 20. A laser radiation of circular polarized light generated in a free electron laser 14 of the photon storage cavity 10 is stored in a first optical resonator 16, and is stored at a higher degree in a second optical resonator 18. Based on a special Compton scattering in which a rotation opposite to a rotation of the circular polarized light of the laser radiation is applied to a bunch of an electron beam stored in the second electron storage ring 20 whereby collision is done such that a product of both helicity values is a maximum negative value nearest to a theoretical value -1 in a mutually acting region, the ultra-high luminance radiation light which becomes peak with the predetermined energy level is generated.
COPYRIGHT: (C)2003,JPO,下面是Ultra-high luminance radiation light generation method and device专利的具体信息内容。

  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 レーザ発生部からのレーザ光をレーザ発生部を通って循環させ又は多段状に往復させてレーザ光を発振させ、その光子を蓄積した光子蓄積経路内の光子に、相対論的速度に加速された電子ビームを循環して蓄積した電子蓄積経路内の電子を、両経路を部分的に共通とした相互作用領域で、両者の進行方向に対する粒子スピンの回転の向きが逆向きに両者のヘリシティ積が理論値−1に最も近い最大の負値となるように衝突させて超高輝度放射光を発生させるようにした超高輝度放射光発生方法。 【請求項2】 レーザ光を発生するレーザ発生部、及びこのレーザ発生部を通り複数の超高反射ミラーで循環させ又は多段状に往復させてレーザ光を発振させその光子を蓄積する光共振器を有する光子蓄積空胴と、電子ビームを加速器で光速に近い速度に加速された電子ビームを循環して蓄積する電子蓄積リングとを備え、光子蓄積空胴の経路と電子蓄積リングの経路を部分的に共通に設け、この共通経路の相互作用域で、光子に電子ビームを両者の進行方向に対する回転の向きが逆向きに両者のヘリシティ積が理論値−1に最も近い最大の負値となるように衝突させて超高輝度放射光を発生させるように構成した超高輝度放射光発生装置。 【請求項3】 前記レーザ発生部が発振したレーザ光を円偏光として発生する又は円偏光となる偏光手段を備えるように構成し、電子蓄積リングの経路に電子の軌道を曲げると共に電子に回転スピンを付与する電磁手段を備えて光子と電子のヘリシティ積が理論値−1に最も近い最大の負値となるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の超高輝度放射光発生装置。 【請求項4】 前記部分的に共通の経路を含む反射ミラー間の経路内に第2光共振器を設け、この第2光共振器内で定在波を生じさせて蓄積された光子を電子と衝突させるようにしたことを特徴とする請求項2又は3に記載の超高輝度放射光発生装置。 【請求項5】 前記レーザ発生部を自由電子レーザ発生部としたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の超高輝度放射光発生装置。 【請求項6】 前記自由電子レーザ発生部に送り込まれる電子を循環させて蓄積する電子蓄積リングを付設したことを特徴とする請求項5に記載の超高輝度放射光発生装置。 【請求項7】 前記レーザ発生部を導波管型の炭酸ガスレーザとしたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の超高輝度放射光発生装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、放射性廃棄物の消滅処理や高エネルギ光子の照射で核分裂を生じさせて熱エネルギを発生させる原子炉の照射光源等として用いられる超高輝度放射光発生方法及び装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ウランやプルトニウムなどの放射性核物質の分裂等の反応に伴って発生するγ線は短波長の放射性を帯びた電磁波の一種であり、医学的な治療や放射性核廃棄物の消滅処理等に利用することができる。 γ線を発生させる方法としては、タングステンやタンタルなどのターゲット物質に電子ビームを当てて発生させる制動放射による方法が一般的である。 制動放射によるγ線は、原子核とこれを取巻く電子の系から成る原子に対して外部から電子がこの系の中に入ることにより原子核−
    電子のなす系の電界により減速され、この減速によりエネルギが放射光に変わり発生する。 【0003】制動放射による放射光の発生では、電子のエネルギは原子の運動エネルギ、電離エネルギ、励起エネルギなどに使われ、制動放射に使われるエネルギはほんの一部分であり、極めて発生効率が悪い。 このため、
    制動放射よりさらに発生効率が高い方法として、特開平7−110400号公報により「高輝度X線又はγ線の発生方法及び装置」が提案されている。 この公報による放射光の発生は、光共振器を成す光子蓄積空胴内に蓄積されたレーザ光に対して電子ビームを交差させ、コンプトン散乱により高輝度放射光を発生させるようにしたものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、高輝度γ線は前述した放射性核廃棄物の消滅処理などの限られた用途に利用できるが、そのエネルギレベルが現在得られるよりさらに高輝度のレベルになれば、放射性核廃棄物にこれを照射して核変換をして核消滅処理をし、かつ熱エネルギを得る新方式の原子炉に利用することが可能となる。 このような高輝度γ線を制動放射の方法により発生させて核廃棄物に照射し核分裂をさせる方式が既に提案されたことがある。 しかし、制動放射方式のγ線の発生効率が悪く、これを用いた核変換に要するエネルギが大きくて核分裂で生じるエネルギ以上となるため、この制動放射方式のγ線による原子発電方式は実際には採用できないものとされた。 しかし、前述したコンプトン散乱方式による放射光の発生方法を改良すればさらに超高輝度のγ線を得ることができるという可能性がある。 そこで、本発明者は上記コンプトン散乱方式の放射光発生方法についてさらに研究を続け、超高輝度γ線を得る方法及び装置に到達したものである。 【0005】前述の従来のコンプトン散乱方式の放射光発生方法では、レーザ光は光蓄積空胴内に蓄積されるが、電子は空胴内のレーザ光と1回又はせいぜい数回程度交叉するだけであり、発生するγ線のエネルギは制動放射方式より高いが、なお不十分である。 又、発生した放射光のエネルギスペクトルについて、スペクトルの核共鳴への結合性はよいが、断面積が小さいため、膨大なエネルギの光と電子ビームを必要とする。 【0006】この発明は、上記の問題に留意して、制動放射方式より高いエネルギレベルの放射光を得られるコンプトン散乱方式で、かつ放射性廃棄物の核消滅処理のための核変換を可能とするエネルギレベルで、光子数がピークとなるような超高輝度放射光をコンパクトで小規模な設備で得ることができる超高輝度放射光発生方法及び装置を得ることを課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題を解決する手段として、レーザ発生部からのレーザ光をレーザ発生部を通って循環させ又は多段状に往復させてレーザ光を発振させ、その光子を蓄積した光子蓄積経路内の光子に、相対論的速度に加速された電子ビームを循環して蓄積した電子蓄積経路内の電子を、両経路を部分的に共通とした相互作用領域で、両者の進行方向に対する粒子スピンの回転の向きが逆向きに両者のヘリシティ積が理論値−1に最も近い最大の負値となるように衝突させて超高輝度放射光を発生させるようにした超高輝度放射光発生方法としたのである。 【0008】上記の方法を実施する装置として、レーザ光を発生するレーザ発生部、及びこのレーザ発生部を通り複数の超高反射ミラーで循環させ又は多段状に往復させてレーザ光を発振させその光子を蓄積する光共振器を有する光子蓄積空胴と、電子ビームを加速器で光速に近い速度に加速された電子ビームを循環して蓄積する電子蓄積リングとを備え、光子蓄積空胴の経路と電子蓄積リングの経路を部分的に共通に設け、この共通経路の相互作用域で、光子に電子ビームを両者の進行方向に対する回転の向きが逆向きに両者のヘリシティ積が理論値−1
    に最も近い最大の負値となるように衝突させて超高輝度放射光を発生させるように構成した超高輝度放射光発生装置とすることができる。 【0009】かかる構成としたこの発明の放射光発生方法及び装置によれば、従来の如何なる方式の方法、装置による放射光より小規模の設備で高いエネルギレベルかつ光子数のγ線放射光が得られる。 このような放射光は、高エネルギレベルのレーザ光と高輝度の電子を衝突させ、特殊コンプトン散乱方式に基づいて発生させる。
    特殊コンプトン散乱方式とは、次のような特定の条件下で行なわれるものである。 【0010】まず、レーザ光も電子ビームも高エネルギレベルにエネルギを高めるため、レーザ光は光子蓄積経路内に循環させるか又は多段状に往復させて蓄積し、又電子ビームも電子蓄積経路内に循環させて蓄積する。 この場合、レーザ光はレーザ発生部で発生した自発放射光を循環又は往復させて新たに発生する放射光に重畳して発振させる際に、発振したレーザ光は必ずレーザ発生部を再度通り、新たに発生する自発放射光がそこでさらに重畳されて高エネルギレベルとされる。 電子ビームは、
    加速器で相対論的速度に加速された状態で循環経路内を循環するが、軌道を曲げられる際にシンクロトロン放射光を生じることによるロスで速度が低下する分は経路内で再加速され、これによって常に高エネルギレベルで循環する。 【0011】経路内に蓄積されるレーザ光は、循環又は往復して相互作用域を通過する際に円偏光でなければならない。 従って、レーザ発生部は、例えばヘリカルウイグラを用いた自由電子レーザを用いると発生するレーザ光が円偏光として得られる。 ヘリカルウイグラを用いる場合以外では、例えば直線偏光として発生したレーザ光の場合は偏光板や回転偏光素子を用いて円偏光として送り出す。 【0012】一方、電子ビームも相互作用域で衝突する際に所定方向に回転している必要がある。 この回転は、
    電子ビームの軌道を曲げて循環させる際に電磁石の作用が電子に回転スピンを与えるが、この回転スピンは電子が光速に近い速度で進行するため進行速度と合成されて電子が進行方向に回転しているように振る舞う。 そして、この電子の回転は予めレーザ光の光子の回転と逆向きとなるように調整しておけば、両者が互いに衝突した際のヘリシティ積が理論上は−1となる。 このヘリシティ積は、実際は電子の回転と光子の回転を種々に調整しても−0.6〜−0.7程度が最大の負値として取り得る最も近い値である。 【0013】電子ビームが相互作用域で光子と衝突すると、その相互作用による反動で電子は軌道を外れようとする。 これを所定の範囲内に押さえる必要があり、このためには相互作用するレーザ光の波長はある程度長いものである必要がある。 実際には1μm〜100μm程度の赤外〜遠赤外域のレーザ光が用いられる。 これは、波長が長ければ、その波長の範囲内で電子の進行を本来の軌道上に引き戻すことができるからである。 【0014】相互作用域で効率よく超高輝度放射光を得るためには、レーザ光と電子ビームのバンチはそれぞれパルス状とし、かつそれぞれの周波数を相互作用域で衝突の度合いが高くなるよう相互に時間と空間で整合性を持つよう予め調整する。 このため、電子ビームのバンチの周波数にレーザ光の周波数を一致させるようにするか、もしくは電子の周回の適切な倍数にレーザ光の発振周波数を合せる。 【0015】このような条件下で発生する特殊コンプトン散乱方式では、発生する放射光の光子数のエネルギスペクトル分布が所定のエネルギレベルでピークとなり、
    散乱光のエネルギを特定のエネルギレベルに集中して対象物に照射できることとなる。 【0016】 【実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。 図1は第1実施形態の超高輝度放射光発生装置の全体概略構成図を示す。 この実施形態の放射光発生装置は、図示のように、循環式の光子蓄積空胴10と電子蓄積リング20の組合せによるものである。 光子蓄積空胴10は、自由電子レーザ14と発生したレーザ光を蓄積する光子蓄積リング17とを備えている。 自由電子レーザ14は、ヘリカルウイグラ14aから成り、ヘリカルコイルにより形成される螺旋磁界に対し電子ビームが相対論的速度(光速に近い速度)で導入され、その相互作用によりレーザ光を発生する形式のものであり、このレーザ光は円偏光をなす。 【0017】上記自由電子レーザ14は、電子銃11から射出された電子ビーム(図示の例ではパルス状)をR
    F(高周波)加速器12により相対論的速度に加速し、
    電磁石13a、13bを介してヘリカルウイグラ14a
    の一端から導入されてレーザ光を生起する。 ヘリカルウイグラ14aのヘリカルコイルには所定の電流が導通され、このコイルによって作られる異なる向きの磁界の作用を受けて電子ビームが加速、減速され、これによってレーザ光が発生する。 電子ビームはヘリカルウイグラ1
    4aを出た後第1電子蓄積リング15のそれぞれの電磁石13d〜13gにより循環しながら、再びヘリカルウイグラへ戻されて利用される。 なお、第1電子蓄積リング15には循環経路中に電子ビームを再加速するRF空胴部が設けられ、又電子ビームの経路は経路ダクトで囲まれているが、いずれも複雑化するのを避けるため図示省略されている。 【0018】自由電子レーザ14で発生したレーザ光は、複数組のミラー16a、16から成る光蓄積手段1
    7内に蓄積される。 図示の例ではミラー16aは平板状の反射ミラーが用いられ、自由電子レーザ14の両端の外側2箇所に設けられているが、2箇所以上に設けた多形状の循環経路としてもよい。 他の1対のミラー16
    b、16bは凹面状の共振器ミラーが2箇所設けられたものであり、後で説明するように共振器ミラー16b、
    16b間の相互作用域でレーザ光を最小スポット径に集光共振させるためである。 【0019】さらに、上記共振器ミラー16b、16b
    の間には相互作用域の外側に位置して一対の透過形ファブリペロ方式の光共振器ミラー18、18が設置されている。 この共振器ミラー18、18は、上記循環経路を循環するレーザ光の持つ電磁場に電子ビームを送り込むことによりレーザアンジュレータを形成するものである。 この共振器ミラー18、18は送り込まれるレーザ光を共振器ミラー間でさらに位相を調整してその間に強力なレーザ光を蓄積する。 共振器ミラー18、18は透過形ミラーであり、例えば反射率80%、透過率20%
    となるように反射剤を塗布したものである。 【0020】上記共振器ミラー18、18との間には第2電子蓄積リング20の循環経路の一部が相互作用域を形成するため共通に設けられている。 この電子蓄積リング20は、電子ビームを生成する電子銃21からの電子ビームをRF加速器22で相対論的速度に加速し、電磁石23aを通り、電磁石23bで軌道を曲げ、相互作用域へ進行させ、23cを出ると複数組の電磁石23d、
    23e、23fなどにより循環経路を循環するように形成されている。 電磁石23a〜23fの配置構成は六角状の多角形を示したが、六角形以上の他の形状の多角形としてもよい。 この電子蓄積リングでもRF空胴部、経路ダクトが設けられるが、図示簡略化のため省略している。 【0021】上記電子蓄積リング20の一部経路を共振器ミラー18、18間の経路に共用することにより、共振器ミラー18、18はレーザアンジュレータを形成している。 但し、電子ビームの進行方向は、図示の矢印で示すように、レーザ光が循環経路を移動する方向と反対向きである。 電磁石23bと23cの間の相互作用域でレーザ光に電子ビームが衝突することによりγ線の放射光が発生し、共振器ミラー18、18がこの放射光の発振を増大させて一方の共振器ミラー18(図では左側)
    から射出され、集光ミラー16bを透過して外部へ出力される。 【0022】上記構成の超高輝度放射光発生装置では、
    コンプトン散乱方式に基づくMeV級の高エネルギ光子のγ線が得られる。 このような高エネルギ光子を得るための条件として、使用されるレーザ光は円偏光であること、又レーザ光の波長は1〜100μm程度のある程度長い(赤外〜遠赤外)こと、さらに電子蓄積リング20
    との整合をとるためにパルス光であることが必要である。 このため、図示の例では、自由電子レーザ14はヘリカルウイグラ14aを用いている。 但し、周期的に極性が異なる複数の電磁石から成るウイグラを用いる場合は、出力光に対し偏光板や回転偏光素子を挿入して円偏光として循環させるようにしてもよい。 【0023】自由電子レーザ14で発生するレーザ光は、RF加速器12からの電子ビームのバンチをレーザ光の発振周波数がγ線放射光を発生させるのに適合するものとなるよう予め調整して送り出し、ヘリカルウイグラ14aでの周期的な電磁場との相互作用によりパルスレーザ光が発生する。 電子ビームはその後第1蓄積リング15を循環し、図示しないRF空胴で再加速され、繰り返し使用される。 【0024】レーザ光は反射ミラー16a、集光ミラー16bを経由して循環し、再びヘリカルウイグラ14a
    を通過する毎に新たに発生するレーザ光が重畳されて次第に増幅される。 このとき、レーザ光は1〜100μm
    の比較的波長が長いものであるため、新たなレーザ光の位相が少しずれていても循環経路内で位相が揃えられて共振状態となる。 従って、これにより反射ミラー16、
    集光ミラー16bで形成される第1光共振器16内に強力なレーザ光が蓄積される。 【0025】こうして蓄積されるレーザ光は、集光ミラー16〜16間に置かれた第2光共振器18、18間にさらに強力なレーザ光として蓄積され、かつこの第2光共振器18、18がレーザアンジュレータとして作用する。 この場合、第2光共振器18、18間に蓄積される基本レーザ光は集光ミラー16b、16bによりその中間位置付近で最小径に集光されるように送り込まれ、かつミラー間の距離Lを微調整することにより共振器内に定在波が生じるように蓄積される。 【0026】第2共振器18、18内に蓄積された強力レーザ光の周波数に電子ビームのバンチの周波数が一致するように予め調整して生じさせた強力レーザ光に対し、送り込まれるレーザ光の向きと反対方向から第2電子蓄積リング20からの電子ビームのバンチが送り込まれると、強力レーザ光が最小径に収束する収束点の前後所定の相互作用域で電子ビームが強力なレーザ光と衝突し、コンプトン散乱に基づいて強大なγ線放射光が発生する。 【0027】この場合、基本レーザ光は円偏光として第2光共振器18、18内に送り込まれるから、第2光共振器18、18内でも円偏光のまま強力なレーザ光として蓄積される。 これに対し、図3の(a)図に示すように、電子ビームに対しても各電子のそれぞれに電磁石2
    3a〜fの下向きの磁界成分により軌道を曲げる作用と同時に回転が与えられ、これによる電子スピンの向きは垂直方向であるが、光速と同程度の相対論的速度で電子が進行するため、電子スピンの回転方向と電子の進行方向が合成されて電子スピンが旋回しているように振る舞う。 【0028】このとき、図3の(b)図に示すように、
    予めレーザ光の円偏光の向きと電子の旋回方向を逆向きとなるようにそれぞれの回転方向を調整した状態で相互作用域で両者が衝突するとヘリシティ積が理論値−1に最も近い最大の負値のコンプトン散乱となる。 このような特殊コンプトン散乱方式で電子をレーザ光に衝突させて発生するγ線放射光は、光子数のエネルギスペクトル分布における確率分布が特定のエネルギレベルで集中して急激に増加するという特性を有する。 【0029】上記のような特性を有する放射光は、レーザアンジュレータ光とも呼ばれ、単なるコンプトン散乱方式ではなく、レーザの高度化、電子ビームの高輝度化によるものであり、このための条件として下記の条件を満たす必要がある。 【0030】 θ<(λs/Nλo) ・・・ (1) (Δγ/γ)・(γ) -2 <(λs/Nλo) ・・・ (2) ここで、λsは散乱光の波長、λoはレーザ光の波長、
    θは電子ビームの角度拡がり、(Δγ/γ)は電子ビームのエネルギ拡がり、Nはコヒーレント相互作用ピッチ数を示す。 実際には、レーザ光、電子ビームについて上記の条件を満たすように波長、角度拡がり等のパラメータを設定して散乱光、即ちγ線放射光が発生するとその波長λsが上式を満たすこととなる。 【0031】上記特性のγ線放射光についてその光子数のエネルギスペクトル分布のグラフを他の方式により発生したγ線放射光とを対比的に図4に示す。 図4の(a)図において、(ハ)は制動放射による光子数の変化、(ロ)は一般的なコンプトン散乱による光子数の変化を示す。 そして、(イ)はこの実施形態で用いられる特殊コンプトン散乱方式での光子数の変化であるが、レーザ光と電子ビームの衝突において両者の粒子スピンを特定方向に向け、両者の回転方向を逆向きに与えてヘリシティの積が理論値−1に最も近い最大の負値となるようにして発生させた場合である。 なお、このヘリシティ積は、実際は電子の回転と光子の回転を種々に調整しても−0.6〜−0.7程度が最大の負値として取り得る最も近い値である。 【0032】但し、図示のグラフは制動放射、コンプトン散乱に用いられる電子ビームのエネルギを同一レベルとし、発生したγ線エネルギのスペクトル分布として見た光子数の確率分布を示す。 (イ)のグラフではγ線エネルギ16MeV付近で光子数がピークとなり、従ってこの方式による光子数は制動放射方式より桁違いに大きく、一般のコンプトン散乱方式による場合の数倍以上となる。 【0033】このように、γ線の光子数が急増する特性となる特殊コンプトン散乱方式により発生したγ線を利用する種々の用途については、後で説明するが、かかる用途の第1のものは、放射性廃棄物に照射して核変換を引き起こし、核消滅処理をすることである。 このような目的で、上記のような高輝度放射光の発生装置で発生したγ線を放射性廃棄物に照射して核変換を引き起こす場合、核巨大共鳴断面積図4の(b)図の核巨大共鳴の断面積の変化を示すグラフ中に示すように、核変換の作用と同時にγ線によって電子−陽電子の対創生が生じる。
    この対創生に寄与する原子の有効断面積は大きく、数b
    〜10bであるが、核変換を引き起こす際の核巨大共鳴に寄与する断面積は数百mbと極めて小さい。 そして、
    この核巨大共鳴のエネルギは中心値で14〜16MeV
    であり、共鳴幅は3〜4MeVである。 【0034】従って、核巨大共鳴を有効に作用させるためには、核巨大共鳴の断面積が最大となる上記γ線の中心値エネルギに対応して核巨大共鳴で吸収される光子数が核変換を引き起こすのに十分なレベル以上のγ線でなければならない。 これに対し、上記の特殊コンプトン散乱方式によるγ線の発生ではγ線の核巨大共鳴による吸収断面積が最大となるエネルギ値を含む所定領域のエネルギ中心値に対応する領域で光子数の確率分布がピークとなるように発生する。 従って、核巨大共鳴の断面積が最大となるγ線の中心値エネルギに対応して(マッチングして)光子数がピークとなる領域で発生したγ線は、
    エネルギ値及び光子数が放射性廃棄物の核変換に適合する。 このため、長大な加速器を備えた巨大な設備でなく、全体として小規模な設備で十分核消滅処理が可能となる。 【0035】上記第1実施形態では、自由電子レーザ1
    4は1対の反射ミラー16a、1対の集光ミラー16b
    第1光共振器16内に設定されるレーザ光の光子蓄積リング17の循環経路内に第2光共振器18、18を設け、ここでレーザ光を精度よく強めレーザアンジュレータ光(γ線放射光)を確実に発生するようにしたが、第2光共振器18、18は必ずしも設けなくてもよい。 ヘリカルウイグラ14aで発生する放射光は第1共振器1
    6のそれぞれのミラー位置を高精度に設定し、基本レーザ光そのものも定在波として発生するように調整する。 【0036】このように調整される基本レーザ光は、一対の集光ミラー16b、16b間でその中央位置で最小径に収束するように設定されることは同様であり、この中央位置を中心とした相互作用域で電子ビームのバンチと衝突し、特殊コンプトン散乱方式によりレーザアンジュレータ光が発生する点は上記第1実施形態と同様である。 この場合、基本レーザ光を循環経路全体で定在波となるように1対の反射ミラー16a、16、1対の集光ミラー16b、16bの位置を調整する必要があり、それぞれのミラー位置の調整は第1実施形態より少し複雑となる。 【0037】図5に第2実施形態の超高輝度放射光発生装置の全体概略構成図を示す。 この実施形態では、光子蓄積空胴10'が多段状にレーザ光を拡散、集光する光共振器16c〜16d〜16cが用いられている点、及び図示の例ではレーザ光の発生手段に導波管型の炭酸ガスレーザが用いられている点が異なるが、装置に対する基本的な考え方は同じである。 又、電子蓄積リング2
    0'がその循環経路の一部を光共振器16c〜16dの一部経路と共通に設けられている点も第1実施形態と同じである。 【0038】レーザ発光手段14'は導波管型のレーザ管内に外部からレーザ媒質として炭酸ガス(CO 2 )とN 2 、Heの混合ガスが送り込まれて流通、排出され、
    レーザ管の両端に設けられたアノード、カソードの放電電極間に放電される電子がCO 2の混合ガスと衝突してガス分子が励起され、その混合ガスの遷移によりレーザ光が誘導放出されるように構成されており、その基本構成は公知のものと同じである。 【0039】レーザ光発生手段14'で発生したレーザ光は左側の一対の凹面ミラーを用いた集光ミラー16
    d、16cのうち、まず右側の集光ミラー16cで反射され、レーザ管14a'を通り反対側の集光ミラー16
    dで拡げられ、右側の一対の凹面ミラーを用いた集光ミラー16c、16dへ送られる。 右側の一対の集光ミラー16dで反射、集光されるレーザ光は、その中央より左寄り位置の焦点を中心に集光され、左側の集光ミラー16cで反射された後、右側の集光ミラーで反射されて左側の一対の集光ミラー16d、16cの経路へ戻され、再びレーザ管を通り右側の集光ミラー16cで反射され、このような反射を繰り返し、その間にレーザ管1
    4a'を通過する毎に新しく発生するレーザ光が増幅、
    蓄積される。 【0040】従って、左側の一対の集光ミラー16d、
    16cと右側の一対の集光ミラー16c、16dの全体で光共振器が構成され、光子蓄積空胴10'を形成している。 又、右側の一対の集光ミラー16c、16dの間の焦点位置を中心に電子蓄積リング20'の電子ビームの循環経路の一部が所定長さ共通の相互作用域を形成するように共通経路をなすように設けられ、平面視四角形の循環経路であるが、基本的には同一構成、機能の電子蓄積リング20'については、第1実施形態と同じであるから、説明は省略する。 【0041】さらに、右側の一対の集光ミラー16c、
    16dの間に第2光共振器18、18が設けられている点も第1実施形態と同じである。 この第2光共振器1
    8、18は、両ミラー間に定在波を形成して、その間にレーザ光を蓄積して強め、アンジュレータ光を精度よく確実に生起するために設ける点も第1実施形態と同じである。 なお、右側の集光ミラー16dには中央にγ線放射光を通過させる小孔16hが設けられている。 又、発生したレーザ光を円偏光とするため必要に応じて偏光板又は回転偏光素子を用いる。 【0042】上記構成の第2実施形態の放射光発生装置の作用は、光共振器が多段状に設けられ、その中でレーザ光が増幅、蓄積される点が異なるだけで、増幅されたレーザ光と電子蓄積ビームとの衝突により特殊コンプトン散乱に基づいて強力なγ線放射光を発生させる点も第1実施形態と同じであり、同じ説明を繰り返すことは省略する。 【0043】なお、レーザ発生手段14'は、炭酸ガスレーザを用いるとしたが、これに代えて導波管型自由電子レーザを用いてもよい。 この場合は、レーザ発生手段14'は図1のヘリカルウイグラ14a又は周期的に極性が異なる電磁石を用いた通常のウイグラから成る自由電子レーザ14を設置する。 従って、これに伴って電子銃11、RF加速器12、電磁石13a〜13gを備えた第1電子蓄積リング15を設けることとなる。 【0044】図6は第3実施形態の超高輝度放射光発生装置の全体概略構成図を示す。 この例は、第2実施形態の部分変形例であり、第1光共振器16を3つの集光ミラー16c、16d、16cで形成し、レーザ光の集光を図中下方の一対の集光ミラー16dと16cの焦点位置とした点が第2実施形態と異なる。 他の構成、作用、
    効果は第2実施形態と基本的に同じであり、詳細な説明は省略する。 なお、レーザ光の発生手段14'として、
    この例でも導波管型の炭酸ガスレーザを使用することを前提としているが、これを導波管型の自由電子レーザとしてもよいことは第2実施形態の場合と同じである。 【0045】図7は第4実施形態の超高輝度放射光発生装置の全体概略構成図を示す。 この実施形態の発生装置は、外観的には図6の第3実施形態の装置に類似しているが、光子蓄積空胴10''' が多段式でレーザ光の光子を蓄積するのではなく、一方向に循環して蓄積する形式としている点で異なっている。 図示のように、光共振器は集光ミラー16c、16d、16eから成り、集光ミラー16eで集光されたレーザ光は、図示の例では反時計方向に送られ、集光ミラー16cから再びレーザ光の発生手段である炭酸ガスレーザ14'へ送られてレーザ光が蓄積される。 相互作用域は集光ミラー16dと16
    eの間に設けられる。 【0046】なお、上記各実施形態では全て第2光共振器18を設けた例を示したが、それぞれの実施形態において第2光共振器18を省略することができる。 この第2光共振器18を省略した場合もレーザ発生部で発生される放射光は第1光共振器16によりそれぞれ発振するように第1光共振器16のミラー内では定在波として蓄積され、各ミラー間の距離を高精度に設定して発振が行なわれる。 【0047】この発明により得られる超高輝度放射光の利用方法として、このような放射光を発生させるのに用いられる電力を原子力発電設備により発生した電力のうち夜間の余剰電力を用いると、原子力発電設備の有効利用を図ることができる。 原子力発電設備は、一担稼動を始めると夜間であっても停止させることができないからである。 一方、原子力発電設備では核廃棄物である237
    Np(ネプチュウム)が生成される。 この237 Npをターゲットとしてこれに各実施形態の装置により得られる超高輝度放射光を照射すると、核変換により235 U(ウラン)が生成され、これを再び核燃料として再利用できることとなるからである。 【0048】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように、この発明の超高輝度放射光発生方法及び装置では光子蓄積経路内に高エネルギの光子を蓄積し、電子ビームも電子蓄積経路内に高エネルギレベルに蓄積し、両経路を部分的に共通とした相互作用域で光子と電子のスピンの回転の向きが逆向きとし両者のヘリシティ積が理論値−1に最も近い最大の負値となるように回転させて衝突させるコンプトン散乱方式により超高輝度放射光を発生させるようにしたから、発生する放射光は放射性廃棄物の核変換による核消滅処理にも十分適合する超高輝度放射光が得られ、又電子やレーザ光の波長を変化させることにより放射光のエネルギを種々変えることもできる。

    【図面の簡単な説明】 【図1】第1実施形態の超高輝度放射光発生装置の全体概略構成図【図2】同上の部分拡大構成図【図3】動作内容の部分説明図【図4】(a)特殊コンプトン散乱作用による光子数のエネルギスペクトル分布における確率分布図(b)放射性廃棄物の核巨大共鳴による断面積のエネルギスペクトル分布図【図5】第2実施形態の超高輝度放射光発生装置の全体概略構成図【図6】第3実施形態の超高輝度放射光発生装置の全体概略構成図【図7】第4実施形態の超高輝度放射光発生装置の全体概略構成図【符号の説明】 10、10'、10''、10''' 光子蓄積空胴11、21 電子銃12、22 RF加速器13、23 電磁石14 自由電子レーザ14a ヘリカルウイグラ15 第1電子蓄積リング16 第1光共振器17 光子蓄積リング18 第2光共振器20 第2電子蓄積リング

    フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 3/30 H01S 3/30 Z

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