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Master for thermal stencil process printing

阅读:991发布:2024-01-17

专利汇可以提供Master for thermal stencil process printing专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a master for high print quality thermal stencil process printing which meets excellent conveyance performance and high smoothness simultaneously.
SOLUTION: In the master for thermal stencil process printing which has at least a porous resin film obtained by applying and drying a fluid on a thermoplastic resin film, irregularities are formed on the film surface in the master wrapping direction.
COPYRIGHT: (C)2002,JPO,下面是Master for thermal stencil process printing专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルム上に、流動体を塗布、乾燥してなる多孔性樹脂膜を少なくとも有する感熱孔版印刷用マスターにおいて、マスターの巻き方向にフィルム面に凹凸を設けたことを特徴とする感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項2】 半径2μmのヘッドを使用し、荷重0.
    7mNでフィルム側から測定したマスターの巻き方向に直角な方向の凹凸高低差の平均が3〜10μmである請求項1記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項3】 王研式平滑度測定器で測定したフィルム側の平滑度が10000秒以上である請求項1又は2記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項4】 フィルム面凸部の平均間隔が平均凹凸高低差の40〜1000倍である請求項1〜3のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項5】 多孔性樹脂膜構成樹脂がポリビニルブチラールを含有する樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、版胴の外周面にマスターを巻装して印刷を行う孔版印刷装置に用いる感熱孔版印刷用マスターに関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】フィルムにインキ透過性支持体として多孔性薄葉紙などを接着剤で貼り合わせ、且つフィルム表面にサーマルヘッドとのスティック防止のためのスティック防止層を設けたマスターが知られている。 実際上、
    多孔性薄葉紙として麻繊維、合成繊維、木材繊維などを混抄したものにフィルムを接着剤で貼り合わせ且つフィルム表面にスティック防止層を設けたマスターが広く知られている。

    【0003】しかしこうした従来のマスターには次のような問題があった。 (1)繊維の重なった部分とフィルムが接する部分に接着剤が大量に鳥の掻き状に集積し、その部分においてサーマルヘッドによる穿孔が行われにくくなる。 またその部分がインキの通過を妨げ、印刷ムラが発生する。 (2)繊維自体がインキの通過を妨げ、印刷ムラが発生する。 (3)多孔性薄葉紙などが高価であり、またラミネート加工によるロスも大きく、マスターが高価となる。 (4)印刷された紙が重なると、インキがその重なった紙の裏面に付着する、裏移りが発生する。

    【0004】こうした点を解決すベく「フィルム」に繊維からなる「インキ支持体」を貼り合わせた感熱孔版印刷用マスターについて幾つかの提案がされているが、未だそれらの問題点を充分に解決したものは得られていない。

    【0005】例えば、特開平3−193445号公報には、繊度1デニール以下の極細繊維を用いた支持体が提案されている。 このような特殊な極細繊維を用いれば、
    前記(2)と(4)の問題点は解決されるが、依然として(1)、(3)の問題点は残されている。

    【0006】また、「フィルム」上に樹脂からなる「インキ支持体」を塗布法により形成する例として、特開昭62−198459号公報に、フィルム上に実質的に閉じた形状の放射線硬化型耐熱性樹脂パターンをグラビア、オフセット、フレキソ等の印刷法を用いて形成する方法が提案されている。 しかし、かかる方法では「インキ支持体」たる樹脂層の厚さを50μm以下とすることが困難であり、たとえその厚さを30μm程度にできたとしてもその厚さでは、耐熱性樹脂がサーマルヘッドによる穿孔を妨げ、また樹脂層をきれいに穿孔できないことによりにじみやかすれなどの印刷むらが発生する。 そして、放射線硬化樹脂を用いるには特別に電子線照射装置が必要であり生産性が悪く高価である。

    【0007】また、特開平4−7198号公報には、水分散性ポリマーとコロイダルシリカのような微粒子の混合液をフィルム表面に塗布、乾燥し多孔質層を形成することによって感熱孔版印刷用マスターを製造し、理想科学工業社製の孔版印刷機(プリントゴッコ製版機)を用いて製版し、EPSON社製のインクジェット記録用インク(HG−4800インク)を用いて印刷する方法が開示されている。 しかし、この方法により得られる多孔質層は印刷インクの通りが悪く、従来の感熱孔版印刷用インクでは印刷時に十分な濃度が得られず実用的でない。

    【0008】さらに、特開昭54−33117号公報には、支持体を用いない実質的に「フィルム」のみからなるマスターが提案されており、これによれば前記(1)
    〜(3)の問題点は解決されるが、その一方で新たな問題を生じさせている。 その一つはフィルムが10μm以下の厚さの場合、そのコシ(stiffness)が弱く、搬送が困難になることである。

    【0009】この解決方法として、特公平5−7059
    5号公報では孔版印刷機の版胴周壁部にフィルムが切断されること無く長尺状のまま巻装され、印刷時には版胴の回転と共にフィルム全体も回転する考えが示されている。 しかしこの方法ではフィルム及び給排版ユニットが印刷時には版胴の回転と共に回転するため、回転のモーメントが大きくなり、また重中心の回転軸からの変異が大きく、これらの解決のために印刷機は重く、大きくしなければならないという問題がある。 他の一つはフィルムが5μm以上の厚さの場合、その熱感度が小さくなりサーマルへッドによる穿孔が行われにくくなることである。

    【0010】本発明者らは感熱孔版印刷用マスターをいろいろな度から検討した結果、多孔膜はインク通過を妨げ、且つサーマルヘッドによる穿孔を妨げるのでなるベくなら存在しないほうが好ましいが、それではマスター自体のコシが小さく、印刷機における搬送に支障をきたすことを知見するとともに、多孔膜は好ましくはフィルムと比較的小さな接点を有しながら、その構成要素はランダムで且つ適当な大きさの孔を形成していれば、インクの通過やサーマルヘッドによる穿孔を阻害しないことを知見した(特開平10−24667号公報、特開平11−235885号公報等)。

    【0011】特開平10−24667号公報には、樹脂、その他の良溶媒、貧溶媒を含む流動体をフィルムに塗布、乾燥し、多孔膜を形成したマスターが開示されている。 また、特開平11−235885号公報には、W
    /O(油中水滴)型エマルションを主体とした流動体をフィルム上に塗布、乾燥して多孔膜を形成したマスターが開示されている。 前者の流動体は、乾燥過程においてその良溶媒の蒸発による相対的な貧溶媒の増加、液の濃縮などにより樹脂が析出し、乾燥して三次元の網状構造体よりなる多孔膜がフィルム上に形成される。 後者の流動体は乾燥過程において水滴の部分が乾燥して孔となり、多孔膜がフィルム上に形成される。 確かにこれらのマスターはそれまで知られたマスターより優れており、
    普通の使用状態では殆ど問題は発生しない。 フィルム面の平滑性が高いために、製版時のサーマルヘッドに対する密着性がよく、きわめて優れた穿孔感度を有する特徴がある。 しかし、これらのマスターはこの平滑性が原因で、搬送時にガイド板等に密着し易いという欠点も有している。 平滑性が良いために一度密着してしまうと引き離すのが困難となり、特に曲げ剛度が低いマスターの場合にその傾向が顕著に現れ、静電気が発生した場合には搬送不能になることもある。

    【0012】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決することを目的としてなされたもので、優れた搬送性、高平滑性を同時に満たす高印刷品質のマスターを提供することをその課題とする。

    【0013】

    【課題を解決するための手段】本発明は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、フラッシュバルブなどによる閃光照射や赤外線照射、レーザー光線等のパルス的照射、あるいはサーマルヘッド等によって穿孔製版される感熱孔版印刷用マスターに係るもので、下記の特徴を有するものである。 すなわち、本発明の第1は、熱可塑性樹脂フィルム上に、流動体を塗布、乾燥してなる多孔性樹脂膜を少なくとも有する感熱孔版印刷用マスターにおいて、
    マスターの巻き方向にフィルム面に凹凸を設けたことを特徴とする。 本発明の第2は、半径2μmのヘッドを使用し、荷重0.7mNでフィルム側から測定したマスターの巻き方向に直角な方向の凹凸高低差の平均が3〜1
    0μmである上記第1の感熱孔版印刷用マスターである。 本発明の第3は、王研式平滑度測定器で測定したフィルム側の平滑度が10000秒以上である上記第1又は第2の感熱孔版印刷用マスターである。 本発明の第4
    は、フィルム面凸部の平均間隔が平均凹凸高低差の40
    〜1000倍である上記第1〜第3の感熱孔版印刷用マスターである。 本発明の第5は、多孔性樹脂膜構成樹脂がポリビニルブチラールを含有する樹脂である上記第1
    〜第4の感熱孔版印刷用マスターである。

    【0014】本発明の感熱孔版印刷用マスターは、熱可塑性樹脂フィルム上に、流動体を塗布、乾燥してなる多孔性樹脂膜を少なくとも有し、マスターの巻き方向にフィルム面に凹凸を設けたことを特徴とする。

    【0015】本発明の感熱孔版印刷用マスターでは、半径2μmのヘッドを使用し、荷重0.7mNでフィルム側から測定したマスター横方向(マスターの巻き方向に直角な方向)の凹凸高低差の平均が、3〜10μmであることが好ましい。 前記凹凸が3μm未満の場合には貼り付き抑制効果が小さく、搬送性の改善効果が十分に得られない。 また10μmを超える場合にはマスターの平滑性が低くなり製版時のサーマルヘッドヘの密着性が低くなり正常な穿孔が妨げられる。

    【0016】本発明のマスターは上述のようにフィルム面に凹凸を有するが、王研式平滑度測定器で測定した平滑度は凹凸を有しない場合に比ベて殆ど低くなっていない。 通常フィルム面に平均10μmもの凹凸高低差が有る場合には平滑度が低く、サーマルヘッドによる穿孔には適さないが、本発明のマスターは可撓性があり、上下からの圧力によってマスターの多孔性樹脂膜は容易に変形しフィルム表面の凹凸を吸収する。 この結果、フィルム面の平滑性が一時的に増し、高い平滑度を記録する。
    このようなマスターは製版の際には、サーマルヘッドとプラテンローラーの間の圧力により良好な穿孔感度のために十分な平滑性を得ることができる。 なお通常印刷機でのサーマルヘッドとプラテンローラーの間の圧力は通常12〜22N/cm 2である。

    【0017】本発明のマスターにおける凹凸の形成方法を説明する。 上記で述べたような凹凸が形成できればその方法は問わないが、その例として下記2方法を示す。
    第1の方法は、乾燥時の樹脂の収縮を利用してフィルム面に凹凸を形成させる方法である。 図1の塗工機の塗布部で多孔性樹脂膜形成用塗布液をフィルムに塗布し、乾燥部で乾燥しロール状に巻き取る。 このとき乾燥ボックス内で塗布液が乾燥し多孔性樹脂膜を形成する過程で収縮する。 塗工機上でのフィルムの進行方向にはテンションがかかっているために凹凸は形成されないが、フィルム上で進行方向と直角の方向にはテンションが働いていないので塗布液乾燥の過程でフィルム面に凹凸が形成される。 凹凸の高低差は樹脂の種類、塗布液の処方、ラインスピード、乾燥ボックスの温度や風量、フィルムテンションなど様々な因子で制御されるが、中でも樹脂の種類はフィルム表面の凹凸形状に多大な影響を与える。 樹脂の種類によって凹凸の形状は大きく変化するが樹脂の種類は製版時のフィルム面の平滑化や多孔性樹脂膜形状などに与える影響が大きいので慎重に選定しなければならない。

    【0018】第2の方法は、第1の方法と同様に図1の塗工機の塗布部で多孔性樹脂膜形成用塗布液をフィルムに塗布し、乾燥部で乾燥しロール状に巻き取る方法である。 このとき乾燥部のローラーに溝を設けておき、搬送時にフィルムがこの溝にならうようにする。 フィルムが溝にならった状態で乾燥するのでフィルム面には溝にならって凸部が形成される。 溝の幅や深さはフィルムの厚さや塗布液の粘度、狙いの凹凸高低差、形状、間隔などによって適宜変更される。 樹脂の種類や塗布液の処方によってはフィルムがローラーの溝にならいにくく狙いの凹凸を形成できない場合がある。 本発明者らの実験では特にポリビニルブチラール樹脂を用いた場合にはフィルム面に凹凸を形成しながらも、製版時には上下からの圧力によって高い平滑性を持ち良好な穿孔感度を有するマスターが生産しやすいことがわかった。

    【0019】さらに本発明者らは特に多孔性樹脂膜構成樹脂としてポリビニルブチラールが所望の特性、すなわちマスターのフィルム表面に凹凸を作り搬送性、貼り付きを改善した上で、製版時にはプラテン圧により平滑性が時的に向上し、良好な穿孔感度を有する特徴を達成するために適していることを見出した。 ポリビニルブチラールを使用して形成した多孔性樹脂膜は可撓性に富んでいて搬送時には曲げ剛度を高くし、製版時には平滑になるという特性を持つだけでなく、製造時に凹凸の高低差の制御を行いやすく生産性に優れている。

    【0020】フィルム側の凸部頂点の平均間隔は高低差平均の40〜1000倍が好ましい。 40倍未満だとプラテン圧による十分な平滑性の確保が難しくなり、穿孔感度が低くなる。 また1000倍を超えるとマスターに凹凸を設けたことによる効果が小さくなり、十分な効果が得られなくなってしまう。 具体的にはフィルム側の凹凸平均高低差が5μmならば凹凸の平均ピッチ(凸部の頂点の平均間隔)は200〜5000μmが好ましい。

    【0021】フィルム 本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、
    ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン又はその共重合体など従来公知のものが用いられるが、穿孔感度の点からポリエステルフィルムが特に好ましく用いられる。 ポリエステルフィルムに用いられるポリエステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートとシクロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等を挙げることができる。
    穿孔感度を向上するために特に好ましくは、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとの共重合体、
    ヘキサメチレンテレフタレートとシクロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等を挙げることができる。

    【0022】本発明における熱可塑性樹脂フィルムには必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合することができる。 さらには必要に応じて易滑性を付与することもできる。 易滑性付与方法としては特に制限はないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式あるいは乾式シリカなどの無機粒子、アクリル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子等を配合する方法、内部粒子による方法、界面活性剤を塗布する方法等がある。

    【0023】本発明における熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、通常好ましくは0.1〜5.0μmであり、更に好ましくは0.1〜3.0μmである。 厚さが5.0μ
    mを超えると穿孔性を低下する場合があり、0.1μm
    より薄いと製膜安定性が悪化したり、耐刷性が低下する場合がある。

    【0024】多孔性樹脂膜 本発明における多孔性樹脂膜は、膜の内部及び表面に多数の空隙を持つ構造を有するものであれば良く、該空隙がインキの通過性の点から多孔性膜内において厚さ方向に連続構造であるものが望ましい。 本発明において、多孔性樹脂膜の平均孔径は、一般に2〜50μm、望ましくは5〜30μmである。 平均孔径が2μmに満たない場合には、インキ通過性が悪い。 そのため、十分なインキ通過量を得るために低粘度インキを用いれば、画像にじみや印刷中に印刷ドラムの側部や巻装されているマスターの後端から印刷インキがしみ出す現象が発生する。
    また、多孔質樹脂膜内の空膜率が低くなることが多く、
    サーマルヘッドによる穿孔を阻害しやすくなる。 一方、
    平均孔径が50μmを超える場合には、多孔性樹脂膜によるインキの抑制効果が低くなり、印刷時に印刷ドラムとフィルムの間のインキが過剰に押し出され、裏汚れやにじみ等の不具合が発生する。 即ち、平均孔径は小さすぎても大きすぎても良好な印刷品質が得られない。 特に、多孔性樹脂膜内の空隙の平均孔径が20μm以下である場合、多孔性樹脂膜層が厚い程印刷インキが通りにくくなるので、この層の厚みによってインキの印刷用紙への転写量を制御することができる。 そして、層の厚さが不均一であると印刷むらを生じることがあるので、厚みは均一であることが望ましい。

    【0025】本発明の多孔性樹脂膜の厚みは、2〜10
    0μm、望ましくは5〜50μmである。 5μmに満たない場合は、サーマルヘッドによる穿孔後に穿孔蔀の背後に多孔性樹膜が残りにくく、インキ転写量が制御されずに印刷物の裏汚れが発生しやすい。 また多孔性樹脂膜のインキ転写量抑制効果は膜が厚いほど大きく、印刷時の紙へのインキ転写量は多孔性樹脂膜の厚みによって調節できる。 多孔性樹脂膜の密度は、通常0.01〜1g
    /cm 3で、望ましくは0.1〜0.7g/cm 3である。 密度が0.01g/cm 3未満だと膜の強度が不足し、また膜自体も壊れやすい。 1g/cm 3を超えるとインキ通過性が悪くなる。

    【0026】多孔性樹脂膜の付着量は、0.1〜35g
    /m 2 、望ましくは0.5〜25g/m 2 、特に1〜11
    g/m 2が望ましい。 付着量の増大はインキの通過を妨げて画質を悪くし、0.1g/m 2未満ではインキ転写量の樹御が困難となり、逆に35g/m 2を超えるとインキの通過を妨げて画像を悪くする。

    【0027】多孔性樹脂膜の可撓性は樹脂の分子量や可塑剤の添加量などで調整することもできるが、可撓性を増すと多孔性樹脂膜の強度が低下し耐刷性などの問題が起こりやすくなり、逆に膜の強度を向上させるために可撓性を上げると製版時の平滑性が悪くなり穿孔に不具合が出る。 また、製造時の凹凸制御のしやすさは樹脂の種類の影響が大きいので樹脂の選定は重要である。

    【0028】多孔性樹脂膜を構成する樹脂材料としては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー等のようなビニル系樹脂、ポリブチレン、ナイロン等のポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、(メタ)アクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、アセチルプロピルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられるが、
    中でも特に好ましいのは前述したとおりポリビニルブチラールである。 各樹脂は2種以上を混合して用いても良い。

    【0029】多孔性樹脂膜の形成、強度、孔径の大きさ等を調節するために、多孔性樹脂膜中に必要に応じてフィラーなどの添加剤を添加することが望ましい。 ここにおいてフィラーとは顔料、粉体や繊維状物質も含まれる概念である。 その中で特に針状のフィラーが好ましい。
    その具体例としては、ケイ酸マグネシウム、セビオライト、チタン酸カリウム、ウオラストナイト、ゾノトライト、石膏繊維等の鉱物系針状フィラー、非酸化物系針状ウイスカ、酸化物系ウイスカ、複酸化物系ウイスカ等の人工鉱物系針状フィラー、マイカ、ガラスフレーク、タルク等の板状フィラーが挙げられる。 顔料としては無機のみならず有機の顔料、あるいはポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸メチル等の有機ポリマー粒子そして酸化亜鉛、二酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ等が使用可能である。 これら添加剤の添加量としては好ましくは樹脂に対して5〜200%である。 5%未満では添加剤を加えることによる曲げ剛度が高くならない。 逆に200%を超えるとフィルムとの接着性が悪くなる。 本発明の多孔性樹脂膜には、本発明の効果を阻害しない範囲内で帯電防止剤、スティック防止剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを併用することができる。

    【0030】次に、本発明の感熱孔版印刷用マスターの多孔性樹脂膜形成方法について説明する。 第1の多孔性樹脂膜の形成方法(析出法)は、樹脂を良溶媒と貧溶媒との混合溶媒中に溶解及び/又は分散して得た塗工液を塗布し乾燥過程で多孔質膜を形成するものである。 この時、良溶媒は相対的に貧溶媒より低温で蒸発しやすい組み合わせが必要である。 良溶媒と貧溶媒をそれぞれ一種ずつ用いる場合には、良溶媒の沸点は相対的に貧溶媒の沸点より低くなければならない。 良溶媒と貧溶媒の選定は任意であるが、一般には沸点差が15〜40℃である場合に所望の特性を持つ多孔性樹脂膜が形成されやすい。 沸点差が10℃未満の場合には、両溶媒の蒸発時間差が小さく、形成される膜が多孔性構造になりにくい。
    貧溶媒の沸点が高すぎる場合には、乾燥に時間がかかり生産性に劣るため、貧溶媒の沸点は150℃以下であることが望ましい。

    【0031】塗布液中の樹脂濃度は使用する材料によって異なるが5〜30%である。 5%未満では開口径が大きくなり過ぎたり、多孔性樹脂膜の厚みのむらが生じたりしやすい。 逆に、30%を超えると多孔性樹脂膜が形成されにくく、あるいは形成されても孔径が小さくなり所望の特性は得られにくい。 多孔性樹脂膜の平均孔径の大きさは雰囲気中の貧溶媒の影響を受け、一般にその良溶媒に対する割合が高いほど凝結量が多くなり、平均孔径は大きくなる。 貧溶媒の添加比率は樹脂溶媒により異なるので実験により適宜決定する必要がある。 一般的に、貧溶媒の添加量が多くなるに従い多孔質樹脂膜の孔径が大きくなる。 貧溶媒の添加量が多すぎると樹脂が析出し塗布液が不安定になる。

    【0032】第2の多孔性樹脂膜の形成方法(エマルション法)としては、特開平11−235885号公報にて開示されている、W/O型エマルションを主体とする流動体を薄層上に塗布、乾燥して形成されるものであり、主として水の部分が乾燥後にインクが通過する孔となり、溶剤中の樹脂(フィラー、乳化剤等の添加物が含まれていてもよい)が構造体となる方法である。 この方法においても多孔膜の形成、強度、孔径の大きさ、コシ等を調節するために、多孔膜中に必要に応じて、前記フィラーなどの添加剤を添加することができる。 その中で特に針状、板状、もしくは繊維状のフィラーが好ましい。

    【0033】W/O型エマルションの形成には比較的親油性の強い、HLB(Hydrophiric-Lyophiric Balanc
    e)が4〜6の界面活性剤が有効であるが、水層にもH
    LBが8〜20の界面活性剤を使用するとより安定で均一なW/Oエマルションが得られる。 高分子界面活性剤の使用も、より安定で均一なエマルションを得る方法の一つである。 また水系にはポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の増粘剤の添加がエマルションの安定化に有効である。 ただし、本発明の多孔性樹脂膜の形成方法は上記に例示した方法に限定されるものではない。

    【0034】本発明の多孔性樹脂膜形成用塗布液の熱可塑性樹脂フィルムヘの塗布方式としてはブレード、トランスファーロール、ワイヤーバー、リバースロール、グラビア、ダイ等の従来一般的に用いられている塗布方式が使用でき、特に限定されるものではない。

    【0035】本発明の感熱孔版印刷用マスターは、フィルムのサーマルヘッドに接触すベき片面に穿孔時の融着を防止するため、シリコーンオイル、シリコーン系樹脂、フッソ樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、耐熱剤、酸化防止剤、有機粒子、無機粒子、顔料、分散助剤、防腐剤、消泡剤等からなる薄層を設けるとが望ましい。 該融着防止の薄層の厚みは好ましくは0.005〜0.4μ
    m、より好ましくは0.01〜0.4μmである。

    【0036】本発明の感熱孔版印刷用マスターにおいて融着防止の薄層を設ける方法は特に限定されないが、
    水、溶剤等に希釈した溶液をロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、バーコーター等を用いて塗布し、乾燥するのが好ましい。

    【0037】以下に本発明で採用する特性の測定方法を示す。 フィルム面凹凸平均高低差フィルム面の凹凸平均高低差は、表面粗さ計SEF−30D((株)小坂研究所製)を用いて測定した。 半径2μmのヘッドを使用し、荷重0.7mN、送り速度0.1mm/secの条件で測定し凹凸高低差の平均値を算出した。 平滑度 王研式平滑度計(熊谷理機工業社製)を用いて測定した。 印刷性の評価 作成したマスターを(株)リコー製”プリポートJP4
    000”(サーマルヘッド解像度400dpi)に供給してサーマルヘッド式製版方式により、50mm×50
    mmの黒ベタを有する原稿を用い製版、標準速度で10
    0枚印刷した。

    【0038】搬送性:上記のとおり、印刷機上で製版、
    印刷を行う際に、問題なく搬送できたものを○、搬送時に機内への貼り付き等が原因でシワが発生し、画像に影響の出たものを×、シワは発生したが画像上には影響の無かったものは△として評価した。 穿孔感度:マスターのフィルム部分がサーマルヘッドによって全く正常に穿孔され穿孔径が大きいものを◎、まったく正常に穿孔されるものを○、穿孔されるが部分的に穿孔径が小さくなるものを△、部分的に穿孔されないものを×で示す。 画質(白抜け):該印刷物を目視判定により、黒ベタで白抜けの殆ど無いものを○、白抜けが目立つものを×、
    ○と×の中間程度で実用上なんとか使用できるレベルのものを△として評価した。

    【0039】

    【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは無い。 本実施例では、熱可塑性樹脂フィルムの上に、多孔性樹脂膜を積層したマスターを用いたが、補強のため、多孔性掛脂膜の上に繊維からなる多孔性繊維膜を更に積層しても良い。 また、実施例における各材料の使用量は、重量部である。

    【0040】

    【実施例】 多孔膜形成用塗布液 樹脂 3.2 タルク(日本タルク株式会社ミクロエースH) 2.4 ソルビタン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ株式会社 SO−15)0.4 以上を酢酸エチルに溶解、分散、これを撹拌しながら、
    水(HEC1%溶液)をゆっくり添加して白濁した多孔膜形成塗布液を得た。 酢酸エチルと水(HEC1%溶液)の比率は酢酸エチル1.4に対して水(HEC1%
    溶液)が1.0とし、塗布液の固形分濃度は10%とした。 樹脂として、実施例6、比較例5以外はポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックB
    HS)、実施例6、比較例5はポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社エスレックKS−3)を用いた。 得られた塗布液を20℃、50%RHの雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフィルム上に図1に示したダイコーターで乾燥付着量が5g/m 2
    になるように、塗布、乾燥し多孔性樹脂膜を形成しロール状に巻き取った。 ローラー1の仕様(溝の深さやピッチ)は表1に示したとおりである。 溝深が0μmのものは表面に溝が無い通常のローラーである。 ローラー1に溝有のものを用いる場合にはフィルムがローラーの溝によくならうようにフィルムテンションを高めにしている。 ローラー1が溝有の場合、溝形状は全て図2のように90度の開度のものを用いた。

    【0041】 融着防止剤塗布液処方 シリコーンオイル(信越化学工業社製SF8422) 0.5 界面活性剤(第一工業製業社製プライサーフA208) 0.5 トルエン 100.0 次いで以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔性樹脂膜と反対側の面にバーコーターを用いて塗布、乾燥し本発明の感熱孔版印刷用マスターを得た。 作成した感熱孔版印刷用マスターを前記した評価方法にて評価を行った。 結果を表2に示す。

    【0042】

    【表1】

    【0043】

    【表2】

    【0044】前表2において、フィルム面凹凸高低差、
    凹凸ピッチ/高低差及び平滑度は、以下に定義されるものである。 フィルム面凹凸高低差(μm):フィルム面の横方向平均凹凸高低差 凹凸ピッチ/高低差:フィルム面凸部の横方向平均間隔(ピッチ)を平均高低差で割った値 平滑度:フィルム面の平滑度

    【0045】前表2から以下のように評価される。 実施例1:狙い通りのスジを形成。 平滑度が高く印刷性良好。 実施例2:高低差が小さく穿孔感度、画像が優れるがマスターにシワが発生。 実施例3:高低差が大きく搬送性が良い。 比較例1:高低差が小さく穿孔感度、画像が優れるが画像にシワが発生。 比較例2:高低差が大きく搬送性が良い。 実施例4:溝有ローラー使用。 ピッチ狭く平滑性低い。 実施例5:ピッチが広めで平滑性が高い。 比較例3:ピッチ狭く平滑性低い。 比較例4:ピッチが広く搬送性に難有り。 実施例6:KS−3は溝にならいにくい上に平滑度が低め。 比較例5:KS−3で溝有ローラーを使用しないと凹凸が殆ど無く搬送性が悪い。

    【0046】

    【発明の効果】請求項1の発明によれば、印刷機内への貼り付きの無い搬送性の良好なマスターが得られる。 請求項2の発明によれば、良好な搬送性を得るのに十分な貼り付きにくさと良好な穿孔感度を有するマスターが得られる。 請求項3の発明によれば、搬送時にはフィルム面の平滑性が低く機内への貼り付きが無く、製版時にはプラテンローラーとサーマルヘッドの間の圧によって高い平滑性が確保され、優れた搬送性と穿孔感度を両立できるマスターが得られる。 請求項4の発明によれば、製版時のフィルム面平滑性向上が妨げられず良好な穿孔感度と良好な搬送性を両立するマスターが得られる。 請求項5の発明によれば、フィルム面の凹凸が乾燥ボックス内のローラーの溝にならいやすく、本発明のマスターの良好な生産性が得られる。 また、得られる多孔性樹脂膜の可撓性が良好で優れた搬送性と穿孔感度が両立できる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の感熱孔版印刷用マスターの作成に用いたダイコーターの概略図である。

    【図2】図1のローラー1の中心を通り、回転軸に平行な断面図である。

    【図3】本発明の感熱孔版印刷用マスターの一例の模式断面図である。

    【符号の説明】

    1 熱可塑性樹脂フィルム 2 多孔性樹脂膜 3 フィラー 4 フィルム面凸部

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67:00 C08L 67:00 Fターム(参考) 2H114 AB23 AB24 AB25 BA06 BA10 DA47 DA49 DA51 DA56 DA61 EA02 EA07 FA01 FA06 4F006 AA35 AB20 AB54 BA01 BA09 CA01 4F074 AA44 AC36 CB31 CB32 CB47 CC04Y CC08Z DA20 DA59

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