首页 / 专利库 / 电子零件及设备 / 模版 / Master for thermal stencil printing and manufacturing method thereof

Master for thermal stencil printing and manufacturing method thereof

阅读:990发布:2024-01-16

专利汇可以提供Master for thermal stencil printing and manufacturing method thereof专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a master and the manufacturing method of the same, which will not loose any boring property by a thermal head as well as characteristics excellent in the quality of an image and reduced in offset, further, which will not be jammed by static electricity in a printing machine or which will not generate any wrinkle on a drum.
SOLUTION: The master for thermal stencil printing, which is provided with at least a porous resin film constituted by applying and drying a fluidized body on a thermoplastic resin film, comprises a conductive substance in the porous resin film and/or a functional thin layer. In this case, a solution containing the conductive substance, which is produced by melting the synthetic resin containing the conductive substance employing a plurality of solvents having different resolving degree with respect to the synthetic resin, is applied to the thermoplastic resin film with a given thickness and is dried.
COPYRIGHT: (C)2002,JPO,下面是Master for thermal stencil printing and manufacturing method thereof专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルム上に、流動体を塗布、乾燥して成る多孔性樹脂膜を少なくとも有する感熱孔版印刷用マスターにおいて、多孔性樹脂膜内及び/又は機能性薄層に導電性物質を含むことを特徴とする感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜との間に機能性薄層を有する請求項1記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項3】 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜、
    又は多孔性樹脂膜と機能性薄層の境界に薄膜を有する請求項1又は2記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項4】 多孔性樹脂膜内の導電性物質が0.5%
    〜15%、機能性薄層内の導電性物質が0.05g/m
    2 〜1.0g/m 2である請求項1〜3のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項5】 導電性物質として導電性顔料を用いた請求項1〜4のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項6】 多孔性樹脂膜に界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項7】 熱可塑性樹脂フィルムを開口面積率20
    %以上に穿孔した場合に通気度が20cm 3 /cm 2・秒〜16.0cm 3 /cm 2・秒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項8】 多孔性樹脂膜の熱可塑性樹脂フィルムとは反対側にインキ通過性支持体として多孔性薄葉紙を貼り合わせたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスター。
  • 【請求項9】 導電性物質を含有する合成樹脂を該合成樹脂に対する溶解度の異なる複数の溶剤を用いて可溶化状態とした、導電性物質を含有する溶液を熱可塑性樹脂フィルム上に一定厚みで塗布し乾燥させることにより、
    請求項1記載の感熱孔版印刷用マスターを製造することを特徴とする感熱孔版印刷用マスターの製造方法。
  • 【請求項10】 導電性物質を含有する溶解した合成樹脂を含む油中水型乳化液を、熱可塑性樹脂フィルム上に一定厚みで塗布し乾燥させることにより、請求項1記載の感熱孔版印刷用マスターを製造することを特徴とする感熱孔版印刷用マスターの製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は感熱孔版印刷用マスター及びその製造方法に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】フィルムにインキ透過性支持体として多孔性薄葉紙などを接着剤で貼り合わせ、且つフィルム表面にサーマルヘッドとのスティック防止のためのスティック防止層を設けたマスターが知られている。 実際上、
    多孔性薄葉紙として麻繊維、合成繊維、木材繊維などを混抄したものにフィルムを接着剤で貼り合わせ且つフィルム表面にスティック防止層を設けたマスターが広く用いられている。

    【0003】しかしこうした従来のマスターには次のような問題があった。 1)繊維の重なった部分とフィルムが接する部分に接着剤が大量に、鳥の掻き状に集積しその部分のサーマルヘッドによる穿孔が行われにくくなる。 またその部分がインキの通過を妨げ、印刷ムラが発生する。 2)繊維自体がインキの通過を妨げ、印刷ムラが発生する。 3)多孔性薄葉紙などが高価であり、またラミネート加工によるロスも大きく、マスターが高価となる。 4)印刷された紙が重なると、インキがその重なった紙の裏面に付着する、裏移りが発生する。

    【0004】こうした点を解決すべく「フィルム」に繊維からなる「インキ支持体」を貼り合わした感熱孔版印刷用マスターについて幾つかの提案がされているが、未だそれらの問題点を充分に解決したものは得られていない。

    【0005】例えば、特開平3−193445号公報には、繊度1デニール以下の極細繊維を用いた支持体が提案されている。 このような特殊な極細繊維を用いれば、
    前記2)、4)の問題点は解決されるが、依然として1)、3)の問題点は残されている。

    【0006】「フィルム」上に樹脂からなる「インキ支持体」を塗布法により形成する例として、特開昭62−
    198459号公報に、フィルム上に実質的に閉じた形状の放射線硬化型耐熱性樹脂パターンをグラビア、オフセット、フレキソ等の印刷法を用いて形成する方法が提案されている。 しかし、この方法では「インキ支持体」
    たる樹脂層の厚さを50μm以下とすることが困難であり、たとえその厚さを30μm程度にできたとしてもその厚さでは、耐熱性樹脂がサーマルヘッドによる穿孔を妨げ、また樹脂層をきれいに穿孔できないことによりにじみやかすれなどの印刷むらが発生するし、さらに、放射線硬化樹脂を用いるには特別に電子線照射装置が必要であり生産性が悪く高価である。

    【0007】また、特開平4−7198号公報には、水分散性ポリマーとコロイダルシリカのような微粒子の混合液をフィルム表面に塗布、乾燥し多孔質層を形成することによって感熱孔版印刷用マスターを製造し、理想科学工業社製の孔版印刷機(プリントゴッコ製版機)を用いて製版し、EPSON社製のインクジェット記録用インク(HG−4800インク)を用いて印刷する方法が開示されているが、この方法により得られる多孔質層は印刷インクの通りが悪く、従来の感熱孔版印刷用インクでは印刷時に十分な濃度が得られず実用的でない。

    【0008】特開昭54−33117号公報には、支持体を用いない実質的に「フィルム」のみからなるマスターが提案されており、これによれば前記1)、2)、
    3)の問題点は解決されるが、その一方で新たな問題を生じさせている。 その一つはフィルムが10μm以下の厚さの場合、そのコシ(stiffness)が弱く、搬送が困難になることである。 この解決方法として、特公平5−
    70595号公報では孔版印刷機の版胴周壁部にフィルムが切断されること無く長尺状のまま巻装され、印刷時には版胴の回転と共にフィルム全体も回転する考えが示されている。 しかしこの方法ではフィルム及び着排版ユニットが印刷時には版胴の回転と共に回転するため、回転のモーメントが大きくなり、また重中心の回転軸からの変異が大きく、これらの解決のために印刷機は重く、大きくしなければならないという問題がある。 他の一つはフィルムが5μm以上の厚さの場合、その熱感度が小さくなりサーマルヘッドによる穿孔が行われにくくなるごとである。

    【0009】本発明者らは前記課題を解決するためにマスターをいろいろな度から検討した結果、多孔膜はインク通過を妨げ、且つサーマルヘッドによる穿孔を妨げるのでなるべくなら存在しないほうが好ましいが、それではマスター自体のコシが弱く、印刷機における搬送に支障をきたすこと、及び、多孔膜は好ましくはフィルムと比較的小さな接点を有しながら、その構成要素はランダムで且つ適当な大きさの孔を形成していれば、インクの通過やサーマルヘッドによる穿孔を阻害しないことを見出し、特開平10−24667号公報及び特開平11
    −235885号公報に開示した発明を完成した。

    【0010】特開平10−24667号公報には、樹脂、その他の良溶媒、貧溶媒を含む流動体をフィルムに塗布、乾燥し、多孔膜を形成したマスターが開示されている。 特開平11−235885号公報に開示された発明には、W/O(油中水滴)型エマルションを主体とした流動体をフィルム上に塗布、乾燥して多孔膜を形成したマスターが開示されている。 前者の流動体は、乾燥過程においてその良溶媒の蒸発による相対的な貧溶媒の増加、液の濃縮などにより樹脂が析出し、乾燥して三次元の網状構造体よりなる多孔膜がフィルム上に形成される。 後者の流動体は乾燥過程において水滴の部分が乾燥して孔となり、多孔膜がフィルム上に形成される。

    【0011】これらのマスターはそれまで知られたマスターより優れており、普通の使用状態では殆ど問題は発生しないが、これらのマスターは現状商品に用いられている和紙タイプの多孔性支持体を用いたマスターに比べ、曲げ剛度が弱く、また、湿度変化によるカールの発生を防ぐために吸水率の低い樹脂を多孔膜の材料として用いているので導電性が低くなっている。 これらは、印刷機内での搬送やドラムヘの巻装に不利な要因であるが、実際に発明者らが低温低湿環境下で製版印刷を行った際、搬送時に発生した静電気の為にマスターが印刷機内壁面に貼りつき、スムーズな搬送、印刷ドラムヘの巻装がなされず、その結果、マスターがドラム上にシワのある状態で巻かれたり、又は巻装途中でジャムが発生し印刷機が停止してしまうことが生じた。 これらの現象は現状商品では発生せず、本発明に関わるような多孔性樹脂膜を有するマスターに多く見られる現象である。

    【0012】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来技術の課題に鑑みてなされたもので、サーマルヘッドによる穿孔性を損なうことなく、優れた画質や、裏移りの少ない特徴を失わず、しかもマスターの印刷機内での静電気によるジャムやドラム上でのシワの無いマスター及びその製造方法を提供することをその目的とする。

    【0013】

    【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらのマスターをいろいろな角度から検討した結果、下記の構成の新規なマスター、及び該マスターの製造方法により前記課題が解決されることを見出し、本発明に到達することができた。 (1)熱可塑性樹脂フィルム上に、流動体を塗布、乾燥して成る多孔性樹脂膜を少なくとも有する感熱孔版印刷用マスターにおいて、多孔性樹脂膜内及び/又は機能性薄層に導電性物質を含むことを特徴とする感熱孔版印刷用マスター。 (2)熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜との間に機能性薄層を有する前記第1の感熱孔版印刷用マスター。 (3)熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜、又は多孔性樹脂膜と機能性薄層の境界に薄膜を有する前記第1又は第2感熱孔版印刷用マスター。 (4)多孔性樹脂膜内の導電性物質が0.5%〜15
    %、機能性薄層内の導電性物質が0.05g/m 2
    1.0g/m 2である前記第1〜第3の感熱孔版印刷用マスター。 (5)導電性物質として導電性顔料を用いた前記第1〜
    第4の感熱孔版印刷用マスター。 (6)多孔性樹脂膜に界面活性剤を含有することを特徴とする前記第1〜第5の感熱孔版印刷用マスター。 (7)熱可塑性樹脂フィルムを開口面積率20%以上に穿孔した場合に通気度が20cm 3 /cm 2・秒〜16.
    0cm 3 /cm 2・秒であることを特徴とする前記第1〜
    第5の感熱孔版印刷用マスター。 (8)多孔性樹脂膜の熱可塑性樹脂フィルムとは反対側にインキ通過性支持体として多孔性薄葉紙を貼り合わせたことを特徴とする前記第1〜第7の感熱孔版印刷用マスター。 (9)導電性物質を含有する合成樹脂を該合成樹脂に対する溶解度の異なる複数の溶剤を用いて可溶化状態とした、導電性物質を含有する溶液を熱可塑性樹脂フィルム上に一定厚みで塗布し乾燥させることにより、前記第1
    の感熱孔版印刷用マスターを製造することを特徴とする感熱孔版印刷用マスターの製造方法。 (10)導電性物質を含有する溶解した合成樹脂を含む油中水型乳化液を、熱可塑性樹脂フィルム上に一定厚みで塗布し乾燥させることにより、前記第1の感熱孔版印刷用マスターを製造することを特徴とする感熱孔版印刷用マスターの製造方法。

    【0014】

    【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 本発明者は流動体を塗布、乾燥してなる多孔性樹脂膜を有するマスターにおいて、その間題の一つであるマスターの静電気による搬送性阻害を、多孔性樹脂膜及び/又は機能性薄層に導電性物質を含有させることによって、前記課題を解決できることを見出した。 マスターの帯電特性に影響するのは主に支持体の材質とフィルム表面に塗布された帯電防止剤である。 フィルム表面の帯電防止剤は従来から用いられており、その効果が認められているが、その量を増やす際には、製版時のサーマルヘッドヘの帯電防止剤の固着、穿孔阻害、サーマルヘッドの腐蝕、サーマルヘッドヘのカス固着などの懸念があり、充分に注意をはらう必要が有る。 また、このフィルム表面に帯電防止剤を塗布する方法では経時で帯電防止機能が低下するという欠点があったが、本発明に関わるマスターでは、従来の方法で問題となってきた、サーマルヘッドの腐食や帯電防止機能の経時劣化がほとんど見られないことが特徴である。

    【0015】本発明の多孔膜に用いられる樹脂は湿度変化によるマスターのカールを防ぐために吸水率の低いものを用いており、多孔膜内に導電性顔料を含まない場合には、フィルムと和紙を貼り合わせた従来のマスターに比べて導電性が低くなっている。

    【0016】まず、多孔膜内に帯電防止剤を含ませた場合について説明する。 この場合、フィルム表面に帯電防止剤を塗布した従来の方式とは異なり、経時的帯電防止能の低下や、サーマルヘッドの腐食といった問題を発生させることなく、マスターの帯電特性が改善された。

    【0017】多孔性樹脂膜内の導電性物質の量は、乾燥後の重量比で多孔性樹脂膜の0.5%〜15%、さらに好ましくは1%〜10%である。 多量に投入した方が帯電防止効果は高い傾向があるが、導電性物質の量を増やすと、多孔膜形成塗布液の多孔膜形成を妨げ、塗布液乾燥により得られる多孔膜の空隙率が低くなることがある。 多孔膜の空隙率が低いと印刷時のインキ通過性を阻害したり、製版時にサーマルヘッドによる穿孔が妨げられたりすることがある。

    【0018】導電性物質としては、全属粉、カーボンブラック、金属繊維、カーボン繊維、全属フレーク、金属化ガラスビーズ、金属化ガラス繊維などの導電性フィラー等の他、導電性エラストマーを用いることもできる。

    【0019】また、多孔性樹脂膜とフィルムの間に、接着強度、カール、マスターの剛度の改良等に効果の有る機能性薄層を設ける場合、この機能性薄層内に導電性物質を含ませることによっても帯電特性が改善されることが確認されている。 本発明で言う機能性薄層の定義としては以下の通りである。 1. 熱可塑性フィルムと多孔性樹脂膜との接着性を向上する薄層。 2. カールを改善する薄層。 3. マスターの剛度を向上させる薄層。 4. マスターをサーマルヘッドにより穿孔する際、穿孔感度を阻害しないか、更には穿孔性を改善する薄層。 5. フィルムの強度を向上する薄層。

    【0020】機能性薄層は主に導電性物質と樹脂材料から成るが、導電性物質としては、多孔性樹脂膜内に含有させる場合と同様に、全属粉、カーボンブラック、金属繊維、カーボン繊維、全属フレーク、金属化ガラスビーズ、金属化ガラス繊維などの導電性フィラー等の他、導電性エラストマーを用いることができる。

    【0021】機能性薄層の一部として熱可塑性樹脂フィルム上に塗布される導電性物質の量は0.05g/m 2
    〜10g/m 2 、さらに好ましくは0.1g/m 2 〜0.
    5g/m 2である。 感熱孔版フィルム上に塗布される導電性物質の量が多いほど帯電防止効果は高いが、導電性物質の塗布量が10g/m 2を超えた場合には機能性薄層が製版時のサーマルヘッドによるフィルムの穿孔を阻害しやすい。 また、0.05g/m 2よりも少ない場合には帯電防止の効果が小さくなる。

    【0022】機能性薄層を構成する樹脂材料としては、
    例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー等のようなビニル系樹脂、ポリブチレン、ナイロン等のポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、(メタ)アクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、これらの共重合体、混合物、変性体などが用いられる。 更に本発明の効果を阻害しない範囲で、各種フィラー、帯電防止剤、スティック防止剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、改質剤などを併用することができる。

    【0023】また、接着性を改善するためにポリイソシアネートを併用することが好ましい。 特に好ましくはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタン樹脂とポリイソシアネートを併用することが好ましい。 サーマルヘッドでの穿孔性を改善するためには軟化点が40℃〜150℃のポリエステルポリオール、
    ポリエーテルポリオール、ポリウレタン樹脂とイソシアネートを併用すると良い。 ここでOH基NCO基のモル比は1/0.1〜1/20であるが必要とする特性に応じて適宜選択すれば良い。 機能性薄層の軟化点を低下させるには軟化点の低い樹脂を使用しても、可塑剤等を添加しても良い。

    【0024】機能性薄層の乾燥後の厚さは0.01μm
    〜20μmが好ましく、さらには0.1μm〜1.0μ
    mがより好ましい。 0.01μmより小さいと接着性、
    コシ、カールに対する改善効果が小さく、2.0μmを超えると熱穿孔感度に悪影響を及ぼす。 機能性薄層の材料、乾燥後の厚さは、熱可塑性樹脂フィルム及び/又は多孔性樹脂膜の材料、乾燥後の厚さを考慮して決定する。 例えばフィルムとして2軸延伸したポリエステル、
    多孔膜としてブチラール樹脂を用いた場合、薄層としてはポリエステル、ポリオールとイソシアネートの反応生成物、イソシアネート重合体などが、これら樹脂を用いることにより、穿孔感度への悪影響を与えない程の少ない付着量で、フィルムや多孔性樹脂膜との十分な接着強度が得られるので好適に用いることができる。

    【0025】前記機能性薄層はフィルム上に多孔膜形成樹脂溶液を塗布する前にプライマーとしてフィルム上に塗布しておくものであるが、これとは別に本発明の多孔性樹脂膜形成用流動液を塗布乾燥して多孔性樹脂膜を形成する際に、フィルムと多孔膜の境界面、又は前記機能性薄膜と多孔膜の境界面に薄膜を形成させることができる。 この薄膜は0.02μm〜2μmの厚さであることが好ましく、その構成成分は多孔性樹脂膜と同等になる。 この薄膜は多孔性樹脂膜とフィルム、あるいは機能性樹脂膜が設けられている場合には多孔性樹脂膜と機能性樹脂膜の接着面積を稼ぎ、剥離強度を向上させる働きがある。 薄膜の厚みが0.02μmより薄い場合には薄膜の強度が不足して接着強度向上の効果が少なく、2μ
    mを超えた場合には感熱孔版印刷用マスターのサーマルヘッドによる穿孔を阻害しやすい。

    【0026】本発明に使用される多孔性樹脂膜は、不定形の棒状、球状、枝状の連結した(和紙のような短い構成単位が絡み合っているものでは無く、印刷などで形成される単純な形状の組み合わせでもない)複雑な3次元構造であり、いわゆる糸瓜に似た構造のもの、あるいはハニカム状、蜂の巣状のものである。

    【0027】このような構造の多孔性樹脂膜の形成方法を例示すると、第一の方法として、特開平10−246
    67号公報に開示されているもの、すなわち、多孔膜を形成する樹脂の良溶媒と貧溶媒がたがいによく溶ける場合に用いられ、樹脂とその樹脂に対する良溶媒と貧溶媒をフィルムに半析出状態で塗布乾燥して形成する。 この樹脂、良溶媒、貧溶媒を含む流動体は乾燥過程において、良溶媒が先に蒸発し、相対的に貧溶媒の増加、樹脂の濃縮等により樹脂が析出し三次元網状構造形成するものである。 この方法では一般的に糸瓜状の多孔性樹脂膜が形成され、エーテルやアセトン等、蒸発の速い溶剤を選択して生産性を高められる。

    【0028】前記多孔膜を構成する樹脂材料としでは、
    例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー等のようなビニル系樹脂、ポリブチレン、ナイロン等のポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、(メタ)アクリル酸エステル、ポリカーボネート及びアセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、アセチルプロピルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。 各樹脂は単独のみならず2種以上を混合して用いてもよい。

    【0029】前記多孔膜の形成、強度、孔径の大きさ、
    コシ等を調節するために、多孔膜中に必要に応じてフィラーなどの添加剤を添加することができる。 ここにおいてフィラーとは顔料、紛体や繊維状物質も含まれる概念である。 その中で特に針状、板状、もしくは繊維状のフィラーが好ましい。 その具体例としては、ケイ酸マグネシウム、セピオライト、チタン酸カリウム、ウオラストナイト、ゾノライト、石膏繊維、等の鉱物系針状フィラー、非酸化物系針状ウイスカ、複酸化物系ウイスカ等の人工鉱物系針状フィラー、マイカ、ガラスフレーク、タルク等の板状フィラー、カーボンファイバー、ポリエステル繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、
    アクリル繊維等の天然又は合成の繊維状フィラーが挙げられる。 顔料としては酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸メチル等の有機ポリマー粒子、カーボンブラック、そして酸化亜鉛、二酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ等の無機顔料が使用できる。 これらの添加剤の添加量としては好ましくは樹脂に対して5%〜200
    %である。 5%未満ではカールが発生しやすくなり、2
    00%を超えると多孔膜の強度が低下することがある。

    【0030】本発明の多孔膜には、本発明の効果を阻害しない範囲で帯電防止剤、スティック防止剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを併用することができる。

    【0031】多孔性樹脂膜の形成方法の第二の例示としては、多孔性樹脂膜を形成する樹脂の良溶媒と貧溶媒がたがいに混ざり合わない場合に用いられ、例えば特開平11−23885号公報に開示されているように、W/
    O型(油中水型)エマルションを主体とした流動体をフィルムに塗布乾燥して形成する方法であり、このW/O
    型エマルションから形成される多孔性樹脂膜は一般的にハニカム状、蜂の巣状の三次元的網状構造を有している。 この第二の方法により形成される多孔膜は、W/O
    型エマルションを主体とする流動体を薄層上に塗布、乾燥して形成されるものであり、主として水の部分が乾燥後、インクが通過する孔となり、溶剤中の樹脂(フィラー、乳化剤等の添加物が含まれていても良い)が構造体となる。

    【0032】樹脂としてはアクリル系、エステル系、ウレタン系、アセタール系、オレフィン系、塩化ビニリデン系、エポキシ系、アミド系、スチレン系、ビニル系、
    セルロース系誘導体及びこれらの変性物、共重合体が用いられ、特にビニルブチラール系、ウレタン系の重合体が好適に用いられる。 混合体としても用いられることは言うまでも無い。

    【0033】多孔膜の形成、強度、孔径の大きさ、コシ等を調節するために、多孔膜中に必要に応じて前期フィラーなどの添加剤を添加することができる。 その中で特に針状、板状、もしくは繊維状のフィラーが好ましい。

    【0034】W/O型エマルションの形成には比較的親油性の強いHLBが2.5〜6の界面活性剤が有効であるが、水相にもHLBが8〜20の界面活性剤を使用するとより安定で均一なW/Oエマルションが得られる。
    高分子界面活性剤の使用も、より安定で均一なエマルションを得る方法の一つである。 また水系にはポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などの増粘剤の添加がエマルションの安定化に有効である。

    【0035】本発明の多孔膜自体の乾燥後付着量は0.
    3g/m 2 〜30g/m 2である。 0.3g/m 2より小さいとインキ付着量が制御されずに印刷物の裏移りが悪くなる。 多孔性樹脂膜の感熱フィルムとは反対側にインキ通過性支持体として多孔性薄葉紙を接着剤などで貼り合わせない場合にはマスター自体のコシが弱くなり扱いが困難なので多孔膜自体の乾燥後付着量は20g/m 2
    以上であることがより好ましい。 一方、付着量が30g
    /m 2を越えるとインクの通過を阻害して画像が悪くなる。

    【0036】多孔性樹脂膜の熱可塑性樹脂フィルムとは反対側にインキ通過性支持体として貼り合わせる多孔性薄葉紙及び接着剤としては従来の感熱孔版印刷用マスターに用いられてきたものを使用することができる。

    【0037】本発明に使用されるフィルムとしては、塩化ビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、ポリプロピレン、ポリエステルなどの従来より感熱孔版印刷用マスターに使用されているフィルム、特に2軸延伸したものが好適に使用できる。 フィルムの厚さは0.5
    μm〜10μm、更に好ましくは10μm〜5.0μm
    である。 0.5μm未満では薄すぎて樹脂液の塗布が困難であり、10μmを越えるとサーマルヘッドでの穿孔が困難となる。

    【0038】本発明のマスターにおいても、多孔膜を形成した「フィルム」の反対面にサーマルヘッドとのスティック防止のためにスティック防止層を設けることができる。 この場合、使用されるスティック防止剤としては、従来の感熱孔版印刷用マスターで一般に使用されているシリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、リン酸エステル系界面活性剤等が使用できる。 静電気の発生を防止するための帯電防止剤が添加されることもある。

    【0039】本発明における「通気度」は穿孔したマスターの空気通過量であり、マスターを印刷に供した場合に、優れた各種印刷特性を得るのに適するマスターのインク通過性を示したものである。 この通気度は次のようにして測定される。 まずマスターのフィルムを特定の条件によりその表面の開口面積率が20%〜80%になるように穿孔する。 このとき薄層も同時に穿孔される。 このサンプルについて、Permeameter(通気度試験機、東洋精機製作所社製)を用いて通気度を測定する。 開口面積率が20%〜80%の任意のサンプルのいずれかの通気度が20cm 3 /cm 2・秒〜160cm 3
    /cm 2・秒であれば、本発明にかかる感熱孔版印刷用マスターとする。

    【0040】例えば開口面積率が65%で通気度が20
    cm 3 /cm 2・秒〜16.0cm 3 /cm 2・秒の範囲に入れば、そのマスターは、ほぼ65%の開口面積でフィルムを穿孔し印刷に供すると、本発明の目的とする印刷特性が得られるものである。 なお、開口面積率を20%
    以上として通気度を測定するとした理由は、20%より小さいと多孔膜の通気度は十分であるとしても、印刷に供した場合にフィルムによってインクの通過が妨げられるためである。

    【0041】穿孔装置としてはPRIPORT VT3
    820(リコー社製:東芝社製サーマルヘッド搭載)を用い、10cm×10cmのベタチャートによる製版を行う。 開口面積率とはマスターのフィルム面での貫通孔の合計面積が、全体の面積に占める割合である。 この測定は次の要領で行う。 即ち光学顕微鏡にて、穿孔されたマスターの拡大写真を撮影し(倍率100倍)、次いで普通紙複写機(リコー社製:イマジオ530)にて拡大コピーする。 OHPフィルムに開口部をマーキングする。 そのOHPフィルムをスキャナー(300DPI・
    256階調)にて読み取り、画像レタッチソフト・Ad
    obePhotoshop2.5Jを用い、2値化する。 その後、画像解析ソフトでマーキングした開口部の面積率を測定する。

    【0042】表面電圧 10℃20%RHの環境下で、各実施例、比較例のマスターを印刷機RicohVT3820で無製版搬送し、
    プラテンローラー(サーマルヘッドにマスタ)を押し付ける役目をするローラー)から排出されたマスターのプラテンローラーから10mmの位置から垂直上方5.0
    mmの位置に米国TREK社Model523ハンディー型表面電圧計を構えてマスターの表面電圧を測定した。 搬送性 10℃20%RHの環境下で各実施例、比較例のマスターを印刷機RicohVT3820で無製版搬送し、ドラムに巻きつけた際、スキューすることなくドラムにまっすぐにまかれるかどうかの試験を行った。 マスターの帯電が大きいと搬送過程において静電気によるマスター同士の貼り付きによって不具合が起こる場合がある。 ○:静電気によるマスターの貼り付きがなく、マスターがドラムに正常に巻きつけられた場合 △:静電気によるマスターの貼り付きが若干見られるものの、ドラムに正常に巻きつけられた場合 ×:静電気によるマスターの貼り付きが原因で、ドラムに対して斜めに巻きつけられた場合 穿孔感度:マスターのフィルム部分がサーマルヘッドによって全く正常に穿孔され穿孔径が大きいものを◎、まったく正常に穿孔されるものを○、穿孔されるが部分的に穿孔径が小さくなるものを△、部分的に穿孔されないものを×で示す。 印刷ムラ:印刷画像を肉眼で観察し、にじみやカスレ、
    濃度ムラがいずれも現行マスター(リコー社製、VT−
    2マスター)よりも優れるものを○、現行マスターを同等のものを△、現行マスターよりも劣るものを×で示す。 裏移り:印刷物を肉眼で観察し、現行マスター(リコー社製、VT−2マスター)よりも優れるものを○、現行マスターを同等のものを△、現行マスターよりも劣るものを×で示す。

    【0043】

    【実施例】次に本発明の感熱孔版印刷用マスターについて実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 なお、以下に示す部はいずれも重量基準である。

    【0044】 実施例1 多孔膜形成用塗布液1 酢酸エチル 36.75 タルク(日本タルク株式会社ミクロエースL−G) 2.4 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS1) 1.9 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS3) 1.3 ソルビタン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ株式会社 SO−15) 0.1 変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社KF6012) 0.1 アクリル系ポリマーO/W型エマルション (ジョンソンポリマー株式会社Joncryl−711) 0.2 導電性カーボン(コロンビヤンカーボン日本株式会社 Conductex975 ultra) 0.3 HEC1%水溶液(和光純薬工業株式会社 ヒドロキシエチルセルロース使用) 25 タルク(日本タルク株式会社ミクロエースL−G)を酢酸エチル中に攪拌分散した後、ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社エスレックKS1及びKS
    3)を溶解した。 さらに、ソルビタン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ株式会社SO−15)、変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社KF6012)、アクリル系ポリマーO/W型エマルション(ジョンソンポリマー株式会社Joncryl−711)を攪拌溶解した。 これに、導電性カーボン(コロンビヤンカーボン日本株式会社Conductex975 ultra)を加えて12時間ボールミル分散した。 この液を攪拌しながらヒドロキシエチルセルロース1%水溶液(和光純薬工業株式会社ヒドロキシエチルセルロース使用)を滴下し、油中水型エマルションを作成した。 これを多孔膜形成塗布液1とした。 続いて、厚さ20μmの2軸延伸ポリエステルフィルム上に多孔膜形成塗布液を塗布、50
    ℃で乾燥し、乾燥後付着量が5.0g/m 2の多孔性樹脂膜を得た。 多孔膜を形成したのと反対面に、熱溶解したフィルムがサーマルヘッドにスティックするのを防止するためと、帯電防止を目的として、シリコーンオイルとノニオン系帯電防止剤の混合物から成るスティック防止液を乾燥後の付着量が0.05g/m 2になるように塗布し、5.0℃で乾燥して感熱孔版印刷用マスターを得た。 乾燥後の多孔性樹脂膜内の導電性物質の割合は4.8%であった。 これを実施例1とする。

    【0045】 実施例2 多孔膜形成用塗布液2 酢酸エチル 36.75 タルク(日本タルク株式会社ミクロエースL−G) 2.4 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS1) 1.9 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS3) 1.3 ソルビタン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ株式会社 SO−15) 0.1 変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社KF6012) 0.1 アクリル系ポリマーO/W型エマルション (ジョンソンポリマー株式会社Joncryl−711) 0.2 導電性カーボン(コロンビヤンカーボン日本株式会社 Conductex975 ultra) 0.03 HEC1%水溶液(和光純薬工業株式会社 ヒドロキシエチルセルロース使用) 25 上記のように導電性カーボンの量を変更した多孔膜形成用塗布液を使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱孔版印刷用マスターを得た。 乾燥後の多孔性樹脂膜内の導電性物質の割合は0.5%であった。 これを実施例2とする。

    【0046】 実施例3 多孔膜形成用塗布液3 酢酸エチル 36.75 タルク(日本タルク株式会社ミクロエースL−G) 2.4 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS1) 1.9 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS3) 1.3 ソルビタン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ株式会社 SO−15) 0.1 変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社KF6012) 0.1 アクリル系ポリマーO/W型エマルション (ジョンソンポリマー株式会社Joncryl−711) 0.2 導電性カーボン(コロンビヤンカーボン日本株式会社 Conductex975 ultra) 1.04 HEC1%水溶液(和光純薬工業株式会社 ヒドロキシエチルセルロース使用) 25 上記のように導電性カーボンの量を変更した多孔膜形成用塗布液を使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱孔版印刷用マスターを得た。 乾燥後の多孔性樹脂膜内の導電性物質の割合は15.0%であった。 これを実施例3とする。

    【0047】 実施例4 多孔膜形成用塗布液4 酢酸エチル 36.75 タルク(日本タルク株式会社ミクロエースL−G) 2.4 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS1) 1.9 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS3) 1.3 ソルビタン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ株式会社 SO−15) 0.1 変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社KF6012) 0.1 アクリル系ポリマーO/W型エマルション (ジョンソンポリマー株式会社Joncryl−711) 0.2 導電性カーボン(コロンビヤンカーボン日本株式会社 Conductex SC ultra) 0.3 HEC1%水溶液(和光純薬工業株式会社 ヒドロキシエチルセルロース使用) 25 上記のように導電性カーボンの種類を変更した多孔膜形成用塗布液を使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱孔版印刷用マスターを得た。 乾燥後の多孔性樹脂膜内の導電性物質の割合は4.8%であった。 これを実施例4とする。

    【0048】 実施例5 導電性カーボン含有アンダーコート液 ポリエステル樹脂30%酢酸エチル溶液 (東洋紡績株式会社バイロン50AS) 25.0 導電性カーボン(コロンビヤンカーボン日本株式会社 Conductex975 ultra) 8.0 酢酸エチル 185 ソルビタン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ株式会社 SO−15) 0.5 ポリエステル樹脂酢酸エチル溶液(東洋紡績株式会社バイロン50AS)を酢酸エチルで希釈し、界面活性剤を溶解した後、導電性カーボンを添加して、ボールミルで12時間分散して導電性カーボン含有アンダーコート液を得た。 多孔膜形成用塗布液5 酢酸エチル 36.75 タルク(日本タルク株式会社ミクロエースL−G) 2.4 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS1) 1.9 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS3) 1.3 ソルビタン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ株式会社 SO−15) 0.1 変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社 KF6012) 0.1 アクリル系ポリマーO/W型エマルション (ジョンソンポリマー株式会社Joncryl−711) 0.2 HECl%水溶液(和光純薬工業株式会社 ヒドロキシエチルセルロース使用) 25 タルク(日本タルク株式会社ミクロエースL−G)を酢酸エチル中に攪拌分散した後、ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社エスレックKS1及びKS
    3)を溶解した。 さらに、ソルビタン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ株式会社SO−15)、変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社KF6012)、アクリル系ポリマーO/W型エマルション(ジョンソンポリマー株式会社Joncryl−711)を攪拌溶解した。 この液を攪拌しながらヒドロキシエチルセルロース1%水溶液(和光純薬工業株式会社ヒドロキシエチルセルロース)を滴下し、油中水型エマルションを作成した。 これを多孔膜形成塗布液5とする。 厚さ2.0μm
    の2軸延伸ポリエステルフィルム上に上記の導電性カーボン含有アンダーコート液を塗布、50℃で乾燥し、導電性物質の付着量が0.05g/m 2である機能性薄層を得た。 さらにその上に多孔膜形成塗布液2を塗布、5
    0℃で乾燥し、乾燥後付着量が5.0g/m 2の多孔性樹脂膜を得た。 多孔膜を形成したのと反対面に、熱溶解したフィルムがサーマルヘッドにスティックするのを防止するためと、帯電防止を目的として、シリコーンオイルとノニオン系帯電防止剤の混合物から成るスティック防止液を乾燥後の付着量が0.05g/m 2になるように塗布し、50℃で乾燥して感熱孔版印刷用マスターを得た。 これを実施例5とする。

    【0049】実施例6 実施例5の導電性カーボン含有アンダーコート液を導電性物質の付着量が0.2g/m 2になるように塗布して機能性薄層を得た以外は実施例5と全く同様にして感熱孔版印刷用マスターを得た。 これを実施例6とする。

    【0050】実施例7 実施例5の導電性カーボン含有アンダーコート液を導電性物質の付着量が1.0g/m 2になるように塗布して機能性薄層を得た以外は実施例5と全く同様にして感熱孔版印刷用マスターを得た。 これを実施例7とする。

    【0051】実施例8 実施例6の方法で導電性物質の付着量が. 0.2g/m
    2の機能性薄層を得た後、実施例1で用いた多孔膜形成塗布液1を塗布、50℃で乾燥し、乾燥後付着量が5.
    0g/m 2の多孔性樹脂膜を得た。 多孔膜を形成したのと反対面に、熱溶解したフィルムがサーマルヘッドにスティックするのを防止するためと、帯電防止を目的として、シリコーンオイルとノニオン系帯電防止剤の混合物から成るスティック防止液を乾燥後の付着量が0.05
    g/m 2になるように塗布し、50℃で乾燥して感熱孔版印刷用マスターを得た。 乾燥後の多孔性樹脂膜内の導電性物質の割合は4.8%であった。 これを実施例8とする。

    【0052】 実施例9 多孔膜形成用塗布液6 ポリビニルブチラール(電気化学工業社製PVB3000−2) 4.0 エチルアルコール 36.0 水 12.0 導電性カーボン(コロンビヤンカーボン日本株式会社 Conductex975 ultra) 0.2 ポリビニルブチラールをエチルアルコールに溶解した後、導電性カーボンを添加し、12時間ボールミル分散した。 この液を攪拌しながら水を滴下し、混合した。 これを多孔膜形成用塗布液6とする。 続いて、厚さ2.0
    μmの2軸延伸ポリエステルフィルム上に多孔膜形成塗布液を塗布、50℃で乾燥し、乾燥後付着量が5.0g
    /m 2の多孔性樹脂膜を得た。 多孔膜を形成したのと反対面に、熱溶解したフィルムがサーマルヘッドにスティックするのを防止するためと、帯電防止を目的として、
    シリコーンオイルとノニオン系帯電防止剤の混合物から成るスティック防止液を乾燥後の付着量が0.05g/
    2になるように塗布し、50℃で乾燥して感熱孔版印刷用マスターを得た。 乾燥後の多孔性樹脂膜内の導電性物質の割合は4.8%であった。 これを実施例9とする。

    【0053】実施例10 厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフィルム上に実施例2の多孔膜形成塗布液2を塗布、50℃で乾燥し、
    乾燥後付着量が2.0g/m 2の多孔性樹脂膜を得た。
    さらにこの多孔膜の上に、接着剤(三洋化成工業株式会社JN15)を1.5g/m 2の割合で塗布した薄葉紙(10g/m 2のPET薄葉紙)を積層させた。 その後、フィルムの、多孔膜を形成したのと反対面に、熱溶解したフィルムがサーマルヘッドにスティックするのを防止するためと、帯電防止を目的として、シリコーンオイルとノニオン系帯電防止剤の混合物から成るスティック防止液を乾燥後の付着量が0.05g/m 2になるように塗布し、50℃で乾燥して感熱孔版印刷用マスターを得た。 乾燥後の多孔性樹脂膜内の導電性物質の割合は0.5%であった。 これを実施例10とする。

    【0054】比較例1 実施例5で用いた多孔膜形成用塗布液5を厚さ2.0μ
    mの2軸延伸ポリエステルフィルム上に、50℃で乾燥し、乾燥後付着量が5.0g/m 2の多孔性樹脂膜を得た。 多孔膜を形成したのと反対面に、熱溶解したフィルムがサーマルヘッドにスティックするのを防止するためと、帯電防止を目的として、シリコーンオイルとノニオン系帯電防止剤の混合物から成るスティック防止液を乾燥後の付着量が0.05g/m 2になるように塗布し、
    50℃で乾燥して感熱孔版印刷用マスターを得た。 これを比較例1とする。

    【0055】比較例2 以下のとおり、多孔膜形成用塗布液の処方で導電性物質の量を1.5とした他は実施例4と同じ方法で感熱孔版印刷用マスターを得た。 これを比較例2とする。 乾燥後の多孔性樹脂膜内の導電性物質の割合は20.3%である。 多孔膜形成用塗布液7 酢酸エチル 36.75 タルク(日本タルク株式会社ミクロエースL−G) 2.4 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS1) 1.9 ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社 エスレックKS3) 1.3 ソルビタン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ株式会社 SO−15) 0.1 変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社KF6012) 0.1 アクリル系ポリマーO/W型エマルション (ジョンソンポリマー株式会社Joncryl−711) 0.2 導電性カーボン(コロンビヤンカーボン日本株式会社 Conductex SC ultra) 1.5 HEC1%水溶液(和光純薬工業株式会社 ヒドロキシエチルセルロース使用) 25

    【0056】比較例3 実施例5の導電性カーボン含有アンダーコート液を導電性物質の付着量が1.2g/m 2になるように塗布して機能性薄層を得た以外は実施例5と全く同様にして感熱孔版印刷用マスターを得た。 これを比較例3とする。

    【0057】 比較例4 多孔膜形成用塗布液8 ポリビニルブチラール(電気化学工業社製PVB3000−2) 4.0 エチルアルコール 36.0 水 14.0 導電性カーボン(コロンビヤンカーボン日本株式会社 Conductex975 ultra) 0.02 ポリビニルブチラールをエチルアルコールに溶解した後、導電性カーボンを添加し、12時間ボールミル分散した。 この液を攪拌しながら水を滴下し、混合した。 これを多孔膜形成用塗布液8とする。 続いて、厚さ2.0
    μmの2軸延伸ポリエステルフィルム上に多孔膜形成塗布液を塗布、50℃で乾燥し、乾燥後付着量が5.0g
    /m 2の多孔性樹脂膜を得た。 多孔膜を形成したのと反対面に、熱溶解したフィルムがサーマルヘッドにスティックするのを防止するためと、帯電防止を目灼として、
    シリコーンオイルとノニオン系帯電防止剤の混合物から成るスティック防止液を乾燥後の付着量が0.05g/
    2になるように塗布し、50℃で乾燥して感熱孔版印刷用マスターを得た。 乾燥後の多孔性樹脂膜内の導電性物質の割合は0.5%であった。 これを比較例4とする。

    【0058】

    【表1】

    導電性物質 975:コロンビヤンカーボン日本株式会社 Conductex 975 ultra SC:コロンビヤンカーボン日本株式会社 Conductex SC ultra 内添量 :多孔性樹脂膜内の導電性物質含有量 機能性薄層:機能性薄層の有無。 有の場合には導電性物質の含有量も表示した

    【0059】

    【表2】

    【0060】実施例1〜3は多孔性樹脂膜中に導電性物質を内添したものである。 すべて、問題なく製版、印刷が可能であるものの、導電性物質含有量が0.5%〜1
    5%の下限である実施例2は、製版搬送時に印刷機内への貼り付きが若干見られ、導電性物質含有量が0.5%
    〜15%の上限である実施例3はサーマルヘッドによる穿孔径が部分的に小さくなっている。 実施例4は実施例1〜3と同様に多孔性樹脂膜中に導電性物質を内添したものであるが、使用した導電性物質の種類が異なっている。 実施例4で使用したc。 nductexSCの単位量あたりの帯電防止効果は実施例1〜3で使用したco
    nductexg/75に比べて弱くなっている。 実施例5〜7は多孔性樹脂膜内には導電性物質を含まず、機能性薄膜内に導電性物質を内添したものである。 すべて、問題なく製版、印刷が可能であるものの、導電性物質含有量が請求項4の下限である実施例5は、製版搬送時に印刷機内への貼り付きが若干見られ、導電性物質含有量が請求項5の上限である実施例7はサーマルヘッドによる穿孔径が部分的に小さくなっている。 実施例8は多孔性樹脂膜と機能性薄膜の両方に導電性物質を含む事例である。 実施例9は請求項9に係るマスター製造方法の事例である。 実施例10は請求項8に係る事例である。

    【0061】比較例1は多孔性樹脂膜と機能性薄膜のどちらにも導電性物質を含まない事例である。 製版搬送時の表面電圧が高く、マスターをドラムに巻く際に斜めになり、シワが発生してしまった。 比較例2は多孔性樹脂膜内に本発明の上限以上の導電性物質を内添したものである。 製版搬送時の表面電圧が低く、搬送性は良好なものの、良好な多孔膜の形成が妨げられており、通気度が低く、印刷画像の悪化も認められた。 比較例3は本発明の上限以上に機能性樹脂膜に導電性物質を内添したものである。 サーマルヘッドによる穿孔が妨けられ部分的に穿孔させない部分が有ったほか、印刷画像にもムラが見られた。 比較例4は多孔性樹脂膜内に導電性物質を内添した通気度の大きいサンプルである。 搬送性は良好であるが、裏移りが悪い。

    【0062】

    【発明の効果】本発明によれば、サーマルヘッドによる穿孔性、優れた画質、裏移りの少ない特徴などを失わずに、印刷機内での静電気によるジャムやドラム上でのシワの発生しないマスターが提供される。 請求項1と4の発明によれば、マスターの製版時のマスターの表面電圧を抑え、低温低湿環境下でもマスターの機械内部への貼り付きが無く、印刷品質を悪化させること無く搬送性が改良される。 従来のフィルム表面に帯電防止材を塗布する方法とは異なり、経時での帯電防止能の低下が無いばかりが、サーマルヘッドの腐食を誘発することも無い。
    また、導電性物質は多孔性樹脂膜形成塗布液に内添し、
    該塗布液と同時に塗工できるので効率が良い。 層内における導電性物質の含有率が低くても高い効果が得られ、
    マスターの高感度、高画質と高導電性を両立しやすい。
    また、多孔性樹脂膜内に導電性物質を含有させる場合、
    マスターは多孔性樹脂膜が黒くなり、白色の現行VT2
    マスターとの差が大きいが、機能性薄膜にのみ導電性顔料を含有させたマスターならば、マスターエンドにある黒色のマークを読み取るという、現行のエンドマーク検知方法が使えるメリットがある。 ただし、前記帯電防止物質を機能性薄膜に投入する方法はマスターの穿孔感度に及ぼす影響が大きいので多孔性樹脂膜内に導電性物質を含有させた場合のマスター並みの帯電防止効果は得られにくい。 請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加え熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜の間に機能性薄層を設けることにより以下のようなことが期待できる。 1. 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜の接着性の向上 2. カールの改善 3. マスターの剛度の向上 4. フィルム強度の向上 請求項3の発明によれば、請求項1及び2の効果に加え、剥離強度の向上の効果を奏する。 請求項5の発明は、導電性物質として導電性顔料を用いれば、塗布液の調合が、ボールミル分散によって容易に行えるので手間がかからず好ましい。 塗工に関しても、導電性物質を含まない多孔性樹脂膜や機能性薄膜と同じ要領で行うことができ、生産性が高い。 請求項6の発明によれば、多孔性樹脂膜形成塗布液に界面活性剤を含有させることによって塗布液の安定性が増し、塗工中の液分離が発生しなくなり、再現性、生産性が著しく向上する。 請求項7の発明によれば、良好なインキ通過性が得られ、印刷に供した際に良好な画像が得られる。 請求項8の発明によれば、フィルム上に流動体を塗布、乾燥してなる多孔性樹脂膜を有する感熱孔版印刷用マスターの弱点である曲げ剛度の低さを容易に改良することができる。 請求項9の発明は、多孔性樹脂膜を形成する樹脂の溶解度の異なる複数の溶剤(良溶媒と貧溶媒)が互いによく溶ける場合に用いられる。 有機溶媒は互いによく溶けることが多いので溶媒の選択肢が広く、結果的に樹脂の選択範囲も広くなる。 また、任意に溶剤の混合比を変更することによって容易に糸瓜状の多孔性樹脂膜が形成される。 更にエーテルやアセトンなど、蒸発の速い溶剤を選択して生産性を高められる。 請求項10の発明は、互いに混ざり合わない良溶媒と貧溶媒を用いる。 請求項9の発明と比べ、樹脂の溶解度に依存しないので温度や湿度の影響を受けにくく、形成される膜形状の再現性が高い。 処方の自由度が高く、多孔性樹脂膜の形成できる範囲が広いので、油相水相の比率や樹脂濃度、樹脂分子量などで塗布液の粘度を9の方法よりも塗布液が高粘度になる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の感熱孔版印刷用マスターの一例の模式断面図である。

    【図2】本発明の感熱孔版印刷用マスターの他の一例の斜視図である。

    【図3】本発明の感熱孔版印刷用マスターの別の一例の模式断面図である。

    【図4】本発明の感熱孔版印刷用マスターの更に別の一例の模式断面図である。

    【符号の説明】

    1 熱可塑性樹脂フィルム 2 多孔性樹脂膜 3 多孔性繊維膜

    高效检索全球专利

    专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

    我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

    申请试用

    分析报告

    专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

    申请试用

    QQ群二维码
    意见反馈