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Method for bending metal plate with linear heating

阅读:710发布:2021-12-24

专利汇可以提供Method for bending metal plate with linear heating专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To operate the bending of a metal plate with a linear heating even without depending upon a skillful engineer.
CONSTITUTION: After the geometrical information of an initial shape and a target shape is inputted (step 1), the mesh division of a finite element method of the initial shape is made (step 2), and the divided shape is mapped on the target shape (step 3). The initial shape is forcibly and elastically deformed to the target shape, and a target intrinsic strain in each element is obtained (step 4). A generating intrinsic strain is realized with plural heating lines from the target intrinsic strain (step 5). The stationary relation in a heating condition and the generating intrinsic strain is obtained and when the heating condition is given, the generating intrinsic strain can be obtained (step 6). The bending is executed by applying the generating intrinsic strain on the target shape with the heating method obtained with the step 5 and the step 6 (steps 7, 8, 9).
COPYRIGHT: (C)1994,JPO&Japio,下面是Method for bending metal plate with linear heating专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 金属板を初期形状から最終の目的形状に曲げ加工するために、先ず、初期形状と目的形状の幾何学情報をインプットし、初期形状に基づいて有限要素法のメッシュ分割を行って、その分割形状を目的形状の上に写像し、次いで、初期形状から目的形状まで強制的に変形させて目的固有歪分布を計算し、得られた目的固有歪分布を複数の加熱線によって生成される生成固有歪で表現すると共に、このとき加熱装置と被加工材の組合わせに対する加熱条件と生成固有歪との定量的関係を相似則を導入して求めるようにし、次に、各要素内での上記加熱線を連結して板全体の加熱線の位置、方向、加熱条件を定めて表示した後、加熱条件が与えられたときに求められた生成固有歪を初期形状に付与することによって曲り形状の確認のための線形シミュレーションを行った上で、金属板の曲げ加工を行うことを特徴とする線状加熱による金属板の曲げ加工方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は船舶、橋梁、その他の金属製構造物の曲面状部材を平板状の素材あるいはプレス等の一次加工を施された初期形状から目的曲面形状へ仕上げるために用いる線状加熱による金属板の曲げ加工方法に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】一般に船舶、橋梁等に用いられる金属板の曲げ加工を行う場合は、線状加熱により行われている場合が多い。 この線状加熱による曲げ加工は、平板状素材あるいはプレスで一次加工された形状の金属板の所定の位置に線状加熱を施し、生じた塑性歪による板の面内収縮や変形を利用して目的とする三次元形状を作り出すものである。

    【0003】上記線状加熱による曲げ加工では、面内収縮量や角変形量が線状加熱の加熱位置、方向、加熱条件によって決定されるため、これらの加熱位置、方向、加熱条件が重要である。

    【0004】現状の加工現場では、初期形状から目的形状へ強制変形させる計算によって得られる目的固有歪分布に着目した理論的なアプローチに基づく技術は存在せず、複数個の曲げ型板を金属板上に仮配置することで目的形状とのずれを検知しながら熟練者の勘や技能によって加熱位置、方向、加熱条件を決めているのが実状である。

    【0005】しかしながら、近年では、これら熟練者の高齢化とこれに伴う作業従事者の減少等の問題が顕著になって来ている。

    【0006】そのため、最近、かかる状況に鑑み、熟練を要する線状加熱作業を特別な技能を要せずに実施できて処理能を向上させることができるような線状加熱による板の曲げ加工方法が提案され且つ特許出願されている(特願平3−237948号)。

    【0007】上記最近提案された方法は、有限要素法(FEM)の弾性解析に基づいて線状加熱線の位置、方向及び生成固有歪(集中的な歪分布)を決定するようにしたもので、図21に示す如く、先ず、初期形状と最終成形形状に関する幾何学情報のインプット(ステップI)をした後、初期形状に対応したFEMのメッシュ分割を行う(ステップII)。 次いで、加熱位置及び方向の決定として、初期形状から最終形状まで強制的に弾性変形させ、その過程で生じる歪を計算した後、計算された歪を面内成分と、曲げ成分に分離し、それぞれの主歪分布をグラフィック画面に表示する(ステップIII )。 次に、面内の歪分布に注目し、圧縮の主歪が大きい領域を加熱領域に選び、加熱の方向は主歪の方向に直角の方向とし(ステップIV)、又、曲げ歪の分布に注目し、曲げ歪の絶対値が大きい領域を加熱領域に加え、加熱の方向は歪の絶対値が最大である主方向に直角の方向とする(ステップV)。

    【0008】次に、生成すべき固有歪の大きさを決めるために、加熱領域に属する要素の剛性を残りの部分よりも小さくした強制変形FEM弾性解析を再度実施し、加熱領域に集中した歪の値から生成固有歪の値を算定する(ステップVI)。 しかる後に、これらの計算に基づき線状加熱を施して固有歪を発生させることによって所定の最終形状に加工する(ステップVII )ものである。

    【0009】

    【発明が解決しようとする課題】上記最近提案され且つ出願されている方法の場合、線状加熱による板の曲げ加工が容易に行えるため、熟練者の勘に頼らなくても実施可能という利点があるが、 加熱方法の策定において、ステップIVとステップV
    で目的固有歪を純粋な面内成分と曲げ成分とに分離することによって加熱線の方向や生成固有歪の大きさを近似的に定めているので、現実に用いられるガス炎や高周波誘導加熱による加熱器によっては、純粋な面内収縮や曲げを達成することは不可能であり、どのような加熱条件を選定したとしても必ず一定比率の面内歪成分と曲げ歪成分の両者を含んでいる。 そのために、面内成分優位と曲げ成分優位の2つの加熱条件を選定したとしても正しい加熱線方向や目的固有歪状態を実現することが難しいと考えられる。 図22の(イ)から(ロ)のように強制変形FEM
    弾性解析を行う場合には、一般に、目的固有歪の面内成分は、図22(ハ)に示すように収縮歪だけでなく、伸び歪も現われることがある。 又、固有歪の大きさを決めるための加熱部の剛性を低くした強制変形FEM弾性解析においても同様に伸び歪が表われることがある。 線状加熱による曲げ加工は、加熱部に生ずる圧縮塑性歪を利用して加工する方法であり、図22(ハ)の下部に見られる伸び歪(←→印)を付与することができない。 よって、目的形状に線状加熱だけによって加工することができるためには、上記のFEM計算結果がすべて収縮歪(→←印)となっていなければならない。 同図22
    (ハ)において少なくとも伸び歪の部分に限定して、あるいは、全体として一様な収縮歪を加える必要がある。
    このことは、目的形状を縮めること、あるいは初期形状を大きくすることに対応している。 同様に、ある量の曲げ歪を片側からの加熱によって達成するためには、ある程度の面内縮みが伴うことは避けられない。 これらの余分の収縮によって、仕上った目的形状は面内の寸法不足となる。 このことは定性的には従来から知られているが、これらを定量的に補償することが出来ないので、現状では予め経験則に基づいた十分な余裕をとっておいた上で、最終的な切り揃えの余分の作業や、場合によっては寸法不足を生じるおそれが考えられる。 線状加熱を行った場合には、加熱線と直角方向の収縮歪だけでなく、加熱線方向の収縮歪も割合は少ないが必ず伴うことがよく知られており、両方向の生成固有歪を考慮した上で目的固有歪分布を正確に実現させることが難しいと考えられる。 又、加熱条件と生成固有歪との定量的関係については、最近提案され出願された方法では言及されていないので、現状の現場技術である、曲げ型板と初期形状から経験と勘で推測される各部必要変形量を発生させるであろう加熱条件を、経験をベースに選択し実施する方法が採用されているが、多段の推測を経験と勘をベースに積み重ねる結果として、難しいこと、誤差、バラツキが大きいこと、出来る人が限られること、習得に時間がかかること、等の問題がある。

    【0010】そこで、本発明は、上述した最近提案され且つ出願されている線状加熱による板の曲げ加工方法を更に進めて上述した問題点をなくし、目的形状が与えられると素人でも実施できると共に、希望する加熱条件だけで目的固有歪を実現できるようにしようとするものである。

    【0011】

    【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、金属板を初期形状から最終の目的形状に曲げ加工するために、先ず初期形状と目的形状の幾何学情報をインプットし、初期形状に基づいて有限要素法のメッシュ分割を行って、その分割形状を目的形状の上に写像し、次いで、初期形状から目的形状まで強制的に変形させて目的固有歪分布を計算し、得られた目的固有歪分布を複数の加熱線によって生成される生成固有歪で表現すると共に、このとき加熱装置と被加工材の組合わせに対する加熱条件と生成固有歪との定量的関係を相似則を導入して求めるようにし、次に、各要素内での上記加熱線を連結して板全体の加熱線の位置、方向、加熱条件を定めて表示した後、加熱条件が与えられたときに求められた生成固有歪を初期形状に付与することによって曲り形状の確認のための線形シミュレーションを行った上で、金属板の曲げ加工を行う方法とする。

    【0012】

    【作用】金属板を初期形状から目的形状に強制的に弾性変形させて各要素内の目的固有歪分布を求めてから、この目的固有歪分布を複数の加熱線による生成固有歪として表現させ、又、相似則を導入して求められた定量的関係に基づいて生成固有歪が与えられると、それに対応した加熱条件を求めるようにすることから、この生成固有歪を初期形状に付与させることにより目的形状の達成具合を事前に予測するとともに、求められた溶接条件での複数の加熱線による加熱を行えばよく、熟練技術者に頼らなくてもよくなる。

    【0013】

    【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。

    【0014】図1は任意の周辺形状をした平板あるいは任意曲面を初期形状とする鋼板あるいは鋼以外の金属板を、目的形状(別の任意の周辺形状及び曲面形状)に曲げ加工する本発明の方法を示すフローチャートで、初期形状と目的形状に関する幾何学情報のインプット(ステップ1)をした後、金属板Pの初期形状に基づいて図2
    (イ)の如く、有限要素法(FEM)のメッシュ分割を行い(ステップ2)、その分割形状を、初期形状を目的形状に写像する適切な写像方法によって図2(ロ)に示すように金属板Pの目的形状の上に写像(ステップ3)。 次いで、初期形状における各要素節点位置を目的形状における対応する各要素節点位置にFEM計算よって強制的に弾性変形させ、各要素内での歪分布(目的固有歪分布)を計算する(ステップ4)。 このとき、強制的に変形させるときの写像法の適切な選択により、加工法に適合した目的固有歪分布が得られ、写像法と加工法に付随した縮み代を定めることが可能となる。

    【0015】次に、加熱方法の策定として、上記ステップ4で求められた要素内での目的固有歪分布を複数の加熱線によって生成される集中的な歪分布(生成固有歪)
    で近似的に表現する(ステップ5)ようにする。 この場合、上記ステップ5で目的固有歪分布を生成固有歪で実現する際に、与えられた加熱器(ガス炎、高周波誘導加熱器、レーザ光等)と被加工材の組合わせに対して、加熱条件(単位時間当りの入熱量、移動速度等)と生成固有歪との定量的関係が必要となるので、この関係を求めておくようにする(ステップ6)。 この加熱条件と生成固有歪との定量的関係は、一般には実験データを蓄積するか、あるいは熱弾塑性FEM解析により入熱条件(入熱分布又は時系列的に変化する温度分布)を与えたときの金属板上の生成固有歪を計算することによって得られる。 本発明の特徴とするところは、実証実験によりその妥当性が確認された熱弾塑性FEMプログラムを用いて上記加熱条件と生成固有歪との関係を計算するに際して、後述するように、線状加熱による熱弾塑性変形問題について成立する相似則とそれから導かれる支配パラメータを用いた効率的な計算方法を開発したことと、計算された結果をそれらのパラメータで一般化した形で整理することにより加熱条件が与えられたときの生成固有歪を効率よく求めることができる手段を提供したことである。

    【0016】次に、上記各要素内での加熱線を連結することによって板全体の加熱線の位置、方向と加熱条件を定めて表示(ステップ7)した後、ステップ5とステップ6で求められた加熱条件が与えられたときの生成固有歪を初期形状に付与することによって、曲り形状の線形シミュレーションを行い確認を行う(ステップ8)。 しかる後、ステップ6で定められた加熱方法に従って手動あるいはNC制御の加熱器を用いた線状加熱を行う(ステップ9)。

    【0017】上記ステップ1からステップ9までの手順で求められた加熱方法で金属板に生成固有歪を与えることによって目的形状に曲げ加工することができるようにする。

    【0018】以下、詳述する。

    【0019】ステップ1〜ステップ3は、図21のステップI、IIに相当するものである。

    【0020】ステップ4では強制的に変形させるときの写像法の適切な選択により加工法に適した目的固有歪分布が得られ、写像法と加工法に付随した縮み代を定めることができるが、この曲げ加工において必要となる縮み代を定量的に求める方法について最も簡単な例を示すと、先ず、面内伸び歪の部分をなくすために、たとえば、図3に示す金属板Pのx、y両方向の最大伸び歪と絶対値の等しい収縮歪を板全体、すなわち、全要素に対して均一に加えるようにする。 この均一に加えるということは、縮み代を考慮しない場合の初期形状から目的形状への写像法に対して、ある特定の修正を加えたことに相当する。 これにより、この場合の縮み代は、加えた均一歪に板の長さを乗ずることによって図3に示すように各辺に沿って一様な形で簡単に算定される。 又、曲げに伴う縮みについては、選定した加熱条件での曲げ成分比をαとすると、最大曲げ歪に板の長さのα倍を乗じたものが縮み代となる(同じく均一に収縮歪を与えた場合)。 全体の縮み代は、板の縦横方向に同様の操作を行うことによって求められる。 すなわち、 Δl =ε mx max +αε bx max Δl =ε my max +αε by max次に、ステップ5の加熱方法を策定する場合、目的固有歪を実現させるために、金属板Pの目的固有歪分布を要素内では6個の独立な成分(上面の面内歪ε xu 、ε yu
    γ xyuと下面の面内歪ε xl 、ε yl 、γ xyl )で表現し、
    次に、1本の線状加熱による生成固有歪を図4(イ)
    (ロ)の金属板Pに示すような加熱線aと直角方向の面内収縮量δ m (=(δ mu +δ ml )/2)と角変形量φ
    (又はα=(δ u −δ l )/(δ u +δ l )で表わされる曲げ成分比)とで集約する。 これにより上記の6個の歪成分は、複数の加熱線の適切な配置あるいは加熱条件の調整によって実現できる。 すなわち、6個の目的固有歪成分から複数の加熱線の配置、方向、加熱条件特性値を定めるべき6個の条件式が得られ、それらから、たとえば、2種類の生成固有歪の特性値が与えられたときの加熱線の間隔や方向を定めることができる。 なお、上記においては、1本の線状加熱による生成固有歪をδ mとαなる2個の特性値で表現して説明を行ったが、これに対して、加熱線方向の収縮変形と同等な変形を起すに必要な等価外力P Lと等価モーメントM Lを加えた合計4
    個の特性値で生成固有歪を集約し、上記と同様の手法で行えば、加熱によって生ずる加熱方向の収縮の影響を考慮して加熱線の配置、方向、あるいは加熱条件に対応した生成固有歪特性値を定めることができる。

    【0021】今、上記複数の加熱線について、一実施例として、2本の加熱線で目的固有歪を実現する場合、すなわち、図5に示すような或る要素内の目的固有歪の6
    成分(上面の面内歪ε xu 、ε yu 、γ xyuと下面の面内歪ε xl 、ε yl 、γ xyl )を異なった特性値を有する2本の加熱線a,bで実現する場合を説明する。 それぞれの加熱線a,bを表わすためにS,Lの添字を用いると、2
    個の加熱条件による4個の生成固有歪の特性値(δ mS
    δ mL 、α S 、α L )、2本の加熱線a,bがx軸とそれぞれなす角度θ S 、θ L 、2本の加熱線a,bの加熱線間隔d S 、d Lを合計した8個のパラメータで加熱方法を定めることができる。 目的固有歪を実現するためには、下のような6個の条件式が課せられる(ただし、2
    本とも上面加熱の場合)。

    【0022】 ε xu =−δ mS /d S (1+α S ) sin 2 θ S −δ mL /d L (1+α L ) sin 2 θ L (1-1) ε yu =−δ mS /d S (1+α S ) cos 2 θ S −δ mL /d L (1+α L ) cos 2 θ L (1-2) γ xyu =−δ mS /d S (1+α S )sin2θ S −δ mL /d L (1+α L )sin2θ L (1-3) ε xl =−δ mS /d S (1−α S ) sin 2 θ S −δ mL /d L (1−α L ) sin 2 θ L (1-4) ε yl =−δ mS /d S (1−α S ) cos 2 θ S −δ mL /d L (1−α L ) cos 2 θ L (1-5) γ xyl =−δ mS /d S (1−α S )sin2θ S −δ mL /d L (1−α L )sin2θ L (1-6) したがって、8個のパラメータのうち2個のパラメータは自由に選べるから、予め特定の値に指定しておいても残りの6個のパラメータを上記の6個の条件式が満たされるように選ぶことによって目的固有歪を実現することができる。

    【0023】上記した8個のパラメータが全部決まると、要素内での具体的な加熱方法が決まることになる。
    このようにしてたとえば、図6に示すように16個のすべての要素について加熱条件が定まると、これらを連続あるいは断続的に繰り返し加熱することによって板全体を目的形状に仕上げることができる。 更に、δ mS 、δ mL
    やα S 、α Lの大きさを加熱条件を変えることによって調節すれば、加熱間隔d S 、d Lをせばめたきめ細かな滑らかな曲げ加工から、簡単な粗曲げ加工までを行うことができる。

    【0024】本実施例においては、たとえば、2種類の加熱装置を用いるとして、図5において一方の加熱はガス炎による線状加熱(添字Sで示す)で行い、他方の加熱は別の器具(添字Lで示す)を用いるものとする。 別の器具の方は加熱条件が固定されているか、あるいは生成固有歪の特性値データが特定の加熱条件でしか得られていないものとする。 したがって、8個のパラメータのうちのδ mLとα Lは予め指定しなければならない。 この場合には、目的固有歪状態を達成するためには前記の6
    個の条件式(1-1) 〜(1-6) から残りの6個のパラメータθ L 、d L 、θ S 、d S 、δ mS 、α Sが求まる。 このうち、δ mSとα Sはガス炎の加熱条件から決るものであるから、たとえば、図14と図15を用いて求まったδ mS 、α Sになるような加熱条件Q、vを定めることができる。

    【0025】次に、図7は複数の加熱線で目的固有歪を実現する場合の他の実施例として、異なった3本の加熱線a,b,cで目的固有歪を実現する場合を示す。 加熱方法は、12個のパラメータで決められ、12個のうちの6個のパラメータは予め自由に設定しておくことができることになる。

    【0026】この実施例の場合には、たとえば、3本の加熱線a,b,cによる生成固有歪の特性値δ mS
    δ mM 、δ mL 、α S 、α M 、α Lが装置の運転条件から固定されている場合でも、3本の加熱線方向θ S 、θ M
    θ Lと加熱線間隔d S 、d M 、d Lを6個の条件式を満たすように正しく選ぶことによって目的固有歪を達成することができる。

    【0027】図8は複数の加熱線で目的固有歪を実現する場合の更に他の実施例として、4本の加熱線a,b,
    c,dで目的固有歪を実現する場合を示す。

    【0028】この場合、多くの実施方法が考えられるが、一例として、加熱線aとbの2種類の加熱条件を設定し、それぞれの条件に対して各2本の加熱線(それらは互に固定角ψ S 、ψ Lでそれぞれ交差するものとする)が付随すると考えると、加熱方法は、δ mS 、δ mL
    α S 、α L 、θ S 、θ L 、d S1 、d S2 、d L1 、d L2の1
    0個のパラメータで決まり、10個のうちの4個のパラメータは予め自由に設定しておくことができることになる。

    【0029】この実施例では、たとえば、一方の加熱条件に対応する生成固有歪の特性値δ mL 、α Lが指定され、その条件で1本だけは指定された方向θ Lと間隔d
    L1で施工することになっているものとすると、残りのパラメータδ mS 、α S 、θ S 、d S1 、d S2 、d L2を6個の条件式を満たすように正しく選ぶことによって達成できる。

    【0030】次に、ステップ6の加熱条件と生成固有歪との定量的関係を求める具体的な実施例を説明する。 (A) 加熱条件を与えて生成固有歪を求める場合 投入熱量Q=3115cal /sec のガス炎を用いて熱源移動速度v=15mm/sec で板厚h=16mmの板を線状加熱した際のδ mとαを求める例を示す。 この場合、鋼の材料物性値として下記のものを用いるようにする。

    【0031】λ=0.0160cal/mm・sec ・℃ Cp=0.098cal/g ・℃ ρ=0.00782g/mm 3熱侵入係数p、熱拡散係数kを求めると、 p=(λCpρ) 1/2 =0.0035cal/mm 2・℃ k=λ/Cpρ=20.9mm 2 /sec 但し、λ:金属板の熱伝導率 Cp:金属板の比熱 ρ:金属板の比重 よって、相似則を支配するパラメータβ、ζは、 β=Q/(P 2 vh 31/2 =4.4×10 3 ζ=(vh/k) 1/2 =3.4 である。 βは熱源により加熱された板の表面の最高温度に比例するパラメータ、ζは熱源移動速度に対応するパラメータである。

    【0032】パラメータβ、ζによる角変形量の変化を示す図14、パラメータβ、ζによる面内横収縮量の変化を示す図15から、これらのパラメータβ、ζに対する角変形φと横収縮δ mを読みとると、 φ=0.005 rad δ m =0.001mm となることがわかる。 角変形成分比αは、 α=φh/2δ m =40 となる。

    【0033】移動熱源による熱弾塑性変形の相似則を導入すると、対象となる板の形状と熱源の幅が幾何学的相似で、且つ金属板の材質は同一で熱的、力学的性質も同じであることを前提にしたとき、上記パラメータβ、ζ
    が同じであれば、相似化された時間と位置における温度分布が一致し、相似の変形が起ることがわかる。

    【0034】相似則の適用例として、図9(イ)(ロ)
    に示す2つのケースについて具体的な数値を設定した計算結果を表1に比較する。

    【0035】

    【表1】

    なお、この例では、図にみるとおり軸対称の熱源が示してあるが、加熱源としてはさまざまな方法が考えられる。 ここで提案する方法は、それらの熱源形状にも対応して活用することができる。

    【0036】ここでは、図9(イ)の板厚8mm、幅30
    0mm、長さ300mmのモデルをM8、図9(ロ)の板厚16mm、幅600mm、長さ600mmのモデルをM16と呼ぶ。

    【0037】表1からわかるように、幾何学的形状が2
    倍の場合、相似の変形を発生させるためには、入熱量Q
    は2倍、熱源移動速度vは 1/2倍でなくてはならないことがわかる。

    【0038】図10、図11はM8、M16の各板の加熱線上、板長さ方向の中央での横断面位置、板表面及び裏面で起る熱源移動に伴う温度履歴を示している。

    【0039】グラフの縦軸は該部温度を示す。 グラフの横軸は標準化された相対時間であるが、同時に板長さ方向の位置に対応しており、τ=0.5は板長さ方向(図8のY方向)の中央、τ=1.0は終端に当る。 β、ζ
    が等しいM8、M16では対応する位置での温度が一致していることがわかる。

    【0040】図12はM8、M16の加熱線上板長さ方向の中央での横断面における熱源移動に伴う角変形の履歴を示すものである。 縦軸は変形角度(ラジアン)、横軸は図10、図11の場合と同じである。

    【0041】図13はM8、M16の加熱線上板長さ方向中央での横断面における板幅方向の収縮変形の履歴を示すものである。

    【0042】図12、図13において、熱源移動速度が速い場合(ζ=4.4)と遅い場合(ζ=1.9)の時間に伴う変化の様子及び変形量そのものの違いが明確によみとれる。

    【0043】図14はβ及びζを変えて行ったシリーズ計算結果を整理したグラフである。

    【0044】βを3.2×10 3 (板表面での最高温度約445℃に相当) 4.4×10 3 (板表面での最高温度約615℃に相当) 5.7×10 3 (板表面での最高温度約785℃に相当)に選んでいる。

    【0045】縦軸は角度変形量(ラジアン)、横軸はζ
    (熱源移動速度に対応)、βが大きいほど(表面温度が高いほど)角変形量が大きいことがわかる。

    【0046】点線はQ/v(単位長さ当り入熱量)が等しい点を結んだものである。 これにより単位長さ当り入熱量が同じでも入熱速度が違うと変形量が異なることがわかる。

    【0047】図15は板の加熱線上長さ方向中央での横断面における横方向の縮み量とパラメータの関係を表わしている。

    【0048】縦軸は縮み量、横軸は図14と同じ、点線も図14と同じである。

    【0049】図16は図15と同一横断面上の幅方向中心位置における幅方向収縮歪とパラメータの関係を表わしている。 曲げ歪量については、板表面と板厚中央における塑性歪の差によって表現してある。 図16は図13
    と図14に示された傾向を統一して読みとれる図と考えてよい。

    【0050】図17は図9のような軸対称の加熱源を考え、その分布の集中度合いを変化させたときの曲り変形(ラジアン)及び横収縮(mm)の関係を表わしたものである。 加熱を板表面からの強制熱流束qとして与えると想定し、qを次のような軸対称ガウス分布

    【0051】

    【数1】

    但し、r:熱源中心からの距離 qmax :熱源中心での熱流束 とした場合のκを横軸としてとっている。 この場合は、


    κはq(r)のひろがり加減を表わしκが大きいほど集中し、小さいほど散漫となる。

    【0052】なお、qとQの関係は、 Q=πqmax /κ である。

    【0053】このグラフより入熱量も加熱速度も同じ場合でも熱源の入熱分布パターンが異なると変形のおき方が異なる。 すなわち、曲げ加工の効率が大幅に変るという重要な知見が与えられる。 (B) 最高温度を指定して生成固有歪を求める場合 (A) と同じガス炎、板厚の条件で最高温度を500℃以下に押えた加熱を行うための熱源移動速度を求め、そのときの生成固有歪の特性値を求める。 前述のように、温度場はβとζの2つのパラメータによって特徴づけられる。 図18はβ及びζを系統的に変化させた温度分布の計算結果をもとにして、板表面の最高温度T smaxを縦軸にとって整理したものである。 (A) の場合では、v
    =15mm/sec として、β=4.4×10 3 、ζ=3.
    4であった。 このときの最高温度は図18より約600
    ℃であることがわかる。 最高温度を500℃に下げるためには、vを増してβを下げる必要がある。 同図からζ
    >3.0の領域ではT smaxはζにほとんど依存しないことがわかるので、βのみを調整すればよい。 v=2
    2.6mm/sec とすればβ=3.7×10 3となり、T
    smax =500℃となることがわかる。 このときのζ
    は、

    【0054】

    【数2】

    となる。 図14、図15にこれらのζ、βの値を適用すると、角変形φ=2×10

    -3 rad 、横収縮δ

    m =0.5


    ×10

    -3 mm程度となる。 (C) 生成固有歪から加熱条件を求める場合 加熱方法を策定する際に、何らかの理由で生成固有歪の特性値が動かせないことがある(たとえば、加熱方法策定法の第1の実施例におけるδ

    mS 、α

    S )。 この場合に、どのような加熱条件(Q、v)で加熱したらよいかを知ることができる。 板厚が16mmの場合に生成固有歪の特性値が、δ

    m =10×10

    -3 mm、α=7.2に指定されたとする。 角変形φは、 φ=2αδ

    m /h=9×10

    -3 (rad.) となる。

    【0055】図14を再掲した図19において、角変形が9×10 -3 rad となるような横軸に平行な線を引く。
    同様に図15を再掲した図20において、横収縮量が1
    0×10 -3 mmとなる横軸に平行な線を引く。 ζの値を変えながら、縦軸に平行な線を種々引いてみて、横線と縦線の交点でβが図19と図20とで一致するようなζ位置を探す。 結局、ζ=2.1とすると、両図における交点でのβの値が等しくなり、β=5.2×10 3程度となる。

    【0056】

    【数3】

    よって、2805cal/sec の強さのガス炎で5.8mm/


    sec の移動速度で線状加熱すれば、所要のδ

    m =10×


    10

    -3 mm、α=7.2が達成されることになる。

    【0057】上記のようにしてステップ5、ステップ6
    で求められた加熱方法での加熱による生成固有歪を、ステップ8で初期形状に付与させ、曲り形状の線形シミュレーションを行い確認を行うようにして、金属板を曲げ加工すると、求められた加熱方法で生成固有歪が与えられることによって目的形状に曲げ加工することができる。

    【0058】

    【発明の効果】以上述べた如く、本発明の線状加熱による金属板の曲げ加工方法によれば、次のような優れた効果を奏し得る。 (i) 各要素内での目的固有歪分布を計算して、求められた要素内での目的固有歪分布を、複数の加熱線によって生成される生成固有歪で表現するようにしているので、
    一般には、目的形状あるいは目的固有歪から加熱方法を定める場合、通常は逆問題となり、種々の加熱方法を与えた時の変形状態あるいは生成固有歪のデータを予め十分多く蓄えておいた上で、その中から最も目的に合う加熱方法を探し出すという手順をとらねばならないが、この点本発明によれば、目的形状が与えられたならば、図1に示すフローに従って曲げ加工方法を素人でも見つけ出せるという効果を有し、又、この加熱方法を定めるプロセスを採用したとしても、要素内で与えるべき生成固有歪の特性値が規定された場合には、図14、図15で与えられたような加熱条件と生成固有歪の関係を与えるデータバンクが必要であるが、このことに対しても本発明では、加熱線の数を増やしてやることによって、希望する加熱条件(たとえば、生成固有歪の特性値が予めわかっている加熱条件)だけで目的固有歪を実現することが可能になった。 (ii)具体的な加熱条件によって発生する固有歪は、曲げ成分と面内成分を同時に含むため、必要とする生成固有歪を得る(すなわち、曲げ成分と面内成分のそれぞれを求める値に合致させる)には、結果を知って原因を求める逆問題を解かねばならないという問題があり、この問題を解くに当ってはどのような変形、すなわち、生成固有歪を要求されても、必ず対応する効率のよい加熱条件を取り出せる必要があるが、本発明では、加熱条件と生成固有歪との定量的関係が広い範囲にわたって与えられるので、生成固有歪が与えられたときの適切な加熱条件が求められて最適加熱装置を設計できる。 更に、相似則を導入したことにより、種々の加熱条件に対する生成固有歪を求めようとする場合、小さい寸法のモデル実験で大型対象物の推測が可能であること、計算結果の応用範囲が広がること、全体をカバーする定量データを蓄積するための計算量、実験量を大幅に減らすことができること、等の効果が得られる。 (iii) 上記(i) (ii)により、従来試行錯誤の要素を多く含んだ複雑な現象であるために熟練した技術者に頼らざるを得なかった線状加熱曲げ加工法について、装置化あるいは最適加工法の選択が可能になった。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の方法の実施例を示すフローチャートである。

    【図2】初期形状から目的形状への写像と強制変形を示すもので、(イ)はFEMメッシュ分割の図、(ロ)は目的形状の上に写像した状態図である。

    【図3】縮み代のとり方の一例を示す図である。

    【図4】1本の加熱線により線状加熱したときの状態を示すもので、(イ)は板の斜視図、(ロ)は生成固有歪量を示す(イ)の断面図である。

    【図5】2本の異った加熱条件の加熱線で目的固有歪を実現する場合の例を示す図である。

    【図6】図5の場合の要素毎の加熱線連結の模式図である。

    【図7】3本のそれぞれ異なった加熱条件の加熱線で目的固有歪を実現する場合の例を示す図である。

    【図8】加熱条件が2種類でそれらに対応する加熱線がそれぞれ2本の場合の図5、図7に対応する図である。

    【図9】相似則の適用例を示すもので、(イ)はモデルM8の斜視図、(ロ)はモデルM16の斜視図である。

    【図10】パラメータζ=4.4の場合のモデルM8とM16の対応する位置での温度履歴の比較を示す図である。

    【図11】パラメータζ=1.9の場合のモデルM8とM16の対応する位置での温度履歴の比較を示す図である。

    【図12】モデルM8とM16の対応する位置での角変形の時間的変化の比較を示す図である。

    【図13】モデルM8とM16の対応する断面での面内横収縮量の時間的変化を示す図である。

    【図14】パラメータβ、ζによる角変形量の変化を示す図である。

    【図15】パラメータβ、ζによる面内横収縮量の変化を示す図である。

    【図16】中央断面における塑性歪のパラメータβ、ζ
    による変化を示す図である。

    【図17】熱源の広がりが変形に及ぼす影響を示す図である。

    【図18】最高温度のパラメータβ、ζによる変化を示す図である。

    【図19】角変形とパラメータζからのβの読みとりを示す図である。

    【図20】横収縮とパラメータζからのβの読みとりを示す図である。

    【図21】最近出願されている線状加熱による板の曲げ加工方法の実施例を示すフローチャートである。

    【図22】初期形状から目的形状に強制変形させたときの面内歪成分を示すもので、(イ)は初期形状を示す図、(ロ)は目的形状を示す図、(ハ)は面内主歪ベクトル図である。

    【符号の説明】

    1 ステップ1 2 ステップ2 3 ステップ3 4 ステップ4 5 ステップ5 6 ステップ6 7 ステップ7 8 ステップ8 9 ステップ9 a 加熱線 b 加熱線 c 加熱線 d 加熱線 P 金属板

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根木 勲 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 上田 幸雄 大阪府茨木市美穂ケ丘11−1 大阪大学溶 接工学研究所内 (72)発明者 村川 英一 大阪府茨木市美穂ケ丘11−1 大阪大学溶 接工学研究所内 (72)発明者 ラシュワン・アーメド・モハメド 大阪府茨木市美穂ケ丘11−1 大阪大学溶 接工学研究所内 (72)発明者 奥本 泰久 広島県東広島市高屋うめの辺1番 近畿大 学工学部内

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