Magnetic sensor and device using the same

阅读:861发布:2021-10-26

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SOLUTION: A sensor element 11 is composed of ferroelectric tunnel junction elements having series-connected junctions 12 composed of a lower ferroelectric metal layer 13, insulation or less 14 and upper ferroelectric metal layer 15 on a substrate 6. The series connection of the high-resistance ferromagnetic tunnel junction elements raise the electric resistance of the sensor element, thereby suppressing the power consumption and reduces the applied voltage to each junction, this allowing the tunnel junction elements to operate at a high magnetoresistance change ratio and low voltage.
COPYRIGHT: (C)1999,JPO,下面是Magnetic sensor and device using the same专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 基板と、 下部強磁性金属層/絶縁層/上部強磁性金属層からなる接合を有する強磁性トンネル接合素子が前記基板上に複数形成され、かつ、前記複数の強磁性トンネル接合素子が直列に接続されることにより電気抵抗値が高抵抗とされた素子からなり、磁界の変化を抵抗の変化に変換するセンサー素子とを具備する磁気センサー。
  • 【請求項2】 前記複数の強磁性トンネル接合素子が前記基板上に並べて配置され、隣接する強磁性トンネル接合素子が、上部強磁性金属層同士又は下部強磁性金属層同士が一体に形成されることにより直列に接続された請求項1に記載の磁気センサー。
  • 【請求項3】 前記複数の強磁性トンネル接合素子が直線状に並べられた請求項2に記載の磁気センサー。
  • 【請求項4】 前記複数の強磁性トンネル接合素子の内の一部の強磁性トンネル接合素子において、上部強磁性金属層と下部強磁性金属層が短絡されることにより、前記センサー素子の電気抵抗値が調整された請求項2又は3に記載の磁気センサー。
  • 【請求項5】 前記複数の強磁性トンネル接合素子が前記基板上に多段に形成され、下段側の接合部の上部強磁性金属層の上に上段の接合部の下部強磁性金属層が成膜されることにより、前記複数の強磁性トンネル接合素子が直列に接続される請求項1に記載の磁気センサー。
  • 【請求項6】 上部強磁性金属層及び下部強磁性金属層の一方の磁化方向を固定した請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の磁気センサー。
  • 【請求項7】 磁場発生用マグネットと、 このマグネットの移動により変化する磁場を検出する位置に配置された請求項1〜6のいずれか1項に記載された磁気センサーとを具備する無接点エンコーダ。
  • 【請求項8】 前記磁気センサーは、4つのセンサー素子が、前記磁場発生用マグネットのマグネットピッチの1/4の間隔で配列され、前記4つのセンサー素子がブリッジ接続されたものである請求項7に記載の無接点エンコーダ。
  • 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項に記載された磁気センサーを具備する磁気ディスク装置用ヘッド。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、磁界の変化を電気抵抗の変化に変換する磁気センサー及び、その磁気センサーを用いた装置に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】従来より、磁界の変化を電気抵抗の変化に変換する磁気センサーとして、電磁変換素子が使用されている。 この電磁変換素子としては、磁性体を利用した磁気抵抗効果素子又は半導体を利用したホール素子がある。 これらの素子によりブリッジ回路を組んで作製された磁気センサーが現在多く商品化されている。

    【0003】磁性体を利用した磁気抵抗効果素子には、
    パーマロイなどの強磁性金属の磁気抵抗効果を用いた素子、又は、強磁性金属と非磁性金属の多層膜又は、磁性グラニュラーを用いた巨大磁気抵抗効果を用いた素子がある(特開昭57−153215号公報参照)。 また、
    ホール素子には、材料にSi又はInSbなどの半導体が用いられている。

    【0004】これらの素子は、金属又は半導体材料で構成されているため、磁気センサーの抵抗値は数Ω〜20
    kΩと低い。 そのため、磁気センサーに流れる電流が大きく、消費電が大きくなる。 消費電力を低減するためには、素子抵抗を高くし、素子に流れる電流を小さくする必要がある。 この素子の抵抗値を大きくする方法としては、素子の長さを長くして、素子抵抗を高くする方法が知られている(特開平8−130338号公報)。 また、素子の抵抗値は、素子幅に反比例するため、素子幅を狭くすることによっても素子抵抗を高くすることができる。

    【0005】しかし、これらの方法は細線を長距離にわたってパターンニングする必要があるため、プロセス上困難であり、抵抗値も数倍にしかならない。 例えば、N
    ONVOLATILE社は、素子幅2μmの磁気抵抗素子をつづら折りにした磁気センサー(大きさ:100μ
    m×100μm)を発表しているが、磁気センサーの抵抗値は10kΩにしかなっていない。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来の磁気センサーは、素子抵抗が小さいため、磁気センサーに流れる電流が大きくなり、消費電力が大きいという問題がある。 これに対し、強磁性トンネル接合素子は、磁気抵抗変化率が高く、また、比抵抗値が磁気抵抗効果素子又はホール素子と比較して高い。 このため、強磁性トンネル接合素子をセンサー素子として使用することが考えられる。

    【0007】図1に、強磁性トンネル接合素子の印加電圧に対する磁気抵抗変化率特性を示す。 この図1に示すように、強磁性トンネル素子の磁気抵抗変化率は、印加電圧の増加に伴って減少する性質がある。 したがって、
    強磁性トンネル接合素子を磁気センサーに使用した場合、磁界の変化により充分な抵抗変化を得るためには、
    低電圧で使用しなければならないという問題が生じる。

    【0008】本発明は、消費電力が少なく、かつ、磁気抵抗変化率が大きい磁気センサーを提供することを目的とするものである。 また、本発明は、高抵抗の磁気センサーを使用した装置を提供することを目的とするものである。

    【0009】

    【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、基板と、下部強磁性金属層/絶縁層/上部強磁性金属層からなる接合を有する強磁性トンネル接合素子が前記基板上に複数形成され、かつ、前記複数の強磁性トンネル接合素子が直列に接続されることにより電気抵抗値が高抵抗とされた素子からなり、磁界の変化を抵抗の変化に変換するセンサー素子とから磁気センサーを構成する。

    【0010】この磁気センサーによれば、直列に接続された各強磁性トンネル接合素子が印加電圧を分圧するので、個々の強磁性トンネル接合素子に印加される電圧が減少する。 したがって、図1から明らかなように、磁気抵抗変化率が高い高性能な磁気センサーを得ることができる。 また、磁気センサーの抵抗値が高抵抗となるため、磁気センサーに流れる電流が小さくなり、消費電力を小さくすることができる。

    【0011】また、本発明においては、強磁性トンネル接合素子の直列接続方法が異なる2つの磁気センサーが提供される。 第1の磁気センサーにおいては、複数の強磁性トンネル接合素子が基板上に並べて配置され、隣接する強磁性トンネル接合素子が、上部強磁性金属層同士又は下部強磁性金属層が一体に形成されることにより直列に接続される。

    【0012】この磁気センサーによれば、上部金属層及び下部金属層の成膜作業と同時に強磁性トンネル接合素子の直列接続が行われるので、作製を効率良く行うことができる。 また、この磁気センサーでは、センサー素子に含まれる強磁性トンネル接合素子の数を余分に作製しておき、上部金属層と下部金属層とを短絡することにより不必要な接合を除去して、抵抗値の調整などを行える。 これにより、磁気センサーの作製上の歩留りを向上させることができる。

    【0013】第2の磁気センサーにおいては、複数の強磁性トンネル接合素子が基板上に多段に形成され、下段側の接合部の上部強磁性金属層の上に上段の接合部の下部強磁性金属層が成膜されることにより、前記複数の強磁性トンネル接合素子が直列に接続される。 この磁気センサーによれば、小面積の磁気センサーを得ることができる。

    【0014】また、本発明においては、この磁気センサーを磁場発生用マグネットと一体に組み合わせて無接点エンコーダを構成することにより、あるいは、この磁気センサーを使用して磁気ディスク装置用ヘッドを構成することにより、高性能、低消費電力な装置を提供することが可能となる。

    【0015】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。 最初に、強磁性トンネル接合素子を直列接続して構成したセンサー素子について説明する。 複数(N個)の強磁性トンネル接合素子を直列接続する手段としては、強磁性トンネル接合素子を多層に重ねる方法と、一般の抵抗の直列つなぎのように複数の強磁性トンネル接合素子を平面上に並べる方法がある。
    なお、以下の説明においては、「強磁性トンネル接合素子」を単に「接合」と呼ぶことがある。

    【0016】図2は、強磁性トンネル接合素子をN層重ねたセンサー素子の断面を示す。 図において、1はセンサー素子で、基板6上に接合2をN層重ねることにより各接合2,2が直列接続される。 なお、この接合についての説明及び接合の作製方法については後述する。 1つの接合2は、下部金属層3、絶縁体層4、上部金属層5
    からなる。 各接合2は、下段の接合の上部金属層5の上に上段の接合の下部金属層3が成膜されることにより直列接続される。

    【0017】この接合をN層重ねたセンサー素子1には、膜厚方向に電流が流されるので、1層の接合2の抵抗値をRとすると、センサー素子1の全体の抵抗値はN
    ×R(Ω)となる。 図3は、強磁性トンネル接合素子をN個直列に並べたセンサー素子の断面を示す。

    【0018】図において、11はセンサー素子で、基板6上に接合12がN個並べて配置される。 1つの接合1
    2は、下部金属層13、絶縁体層14、上部金属層15
    からなる。 隣接する接合12,12間において、下部金属層13及び上部金属層15が一体に形成され、各接合12,12が下部金属層13及び上部金属層15により直列に接続される。 このセンサー素子11によれば、下部金属層13の成膜及び上部金属層15の成膜と同時に、接合の直列接続が行われるので、作製が容易になる。

    【0019】このN個並べたセンサー素子11も、1個の接合12の抵抗値をR(Ω)とすると、センサー素子11全体の抵抗値はN×R(Ω)となる。 ここで、図2
    及び図3に示した接合(強磁性トンネル接合素子)について説明する。 「金属/絶縁体/金属」という構造を持つ接合において、両側の金属間に電圧を印加すると、絶縁体が充分に薄い場合、わずかに電流が流れる。 通常、
    絶縁体は電流を通さないが、絶縁体が充分に薄い場合(数Å〜数十Å)には、量子力学的効果によってごくわずかに電子が透過する確率を持つために電流が流れる。
    この電流のことを「トンネル電流」と言い、この構造を持つ接合を「トンネル接合」と言う。

    【0020】絶縁層には、金属の酸化膜を絶縁障壁として用いるのが通常である。 例えば、アルミニウムの表面層を自然酸化、プラズマ酸化、又は熱酸化などで酸化させて酸化膜を形成する。 酸化条件を調節することで、表面の数Åから数十Åを酸化層とすることができる。 この酸化アルミニウムは絶縁体であるために、トンネル接合の障壁層として用いることができる。 このような接合の特徴として、通常の抵抗と異なり、印加電圧に対する電流が非線形性を持つことから、非線形の素子として用いられてきていた。

    【0021】このトンネル接合の両側の金属を強磁性金属に置き換えた構造は、強磁性トンネル接合と呼ばれる。 強磁性トンネル接合においては、トンネル確率(トンネル抵抗)が、両側の磁性層の磁化状態に依存することが知られている。 つまり、磁場によってトンネル抵抗をコントロールすることができる。 磁化の相対度をθ
    とすると、トンネル抵抗Rは、 R=Rs+0.5ΔR(1−cosθ) (式1) で表される。 すなわち、両磁性層の磁化の角度が揃っているとき(θ=0°)には、トンネル抵抗が小さく、両磁性層の磁化が反対向き(θ=180°)のときには、
    トンネル抵抗が大きくなる。

    【0022】これは、強磁性体内部の電子が分極していることに起因する。 電子は、通常、上向きのスピン状態のもの(アップ電子)と下向きのスピン状態のもの(ダウン電子)が存在するが、通常の非磁性金属内部の電子は、両電子は同数だけ存在するため、全体として磁性を持たない。 一方、強磁性体内部の電子は、アップ電子数(Nup)とダウン電子数(Ndown)が異なるために、全体としてアップ又はダウンの磁性を持つ。

    【0023】電子がトンネルする場合、これらの電子は、それぞれのスピン状態を保ったままトンネルすることが知られている。 したがって、トンネル先の電子状態に空きがあれば、トンネルが可能であるが、トンネル先の電子状態に空きがなければ、電子はトンネル出来ない。 トンネル抵抗の変化率ΔRは、電子源の偏極率とトンネル先の偏極率の積で表される。

    【0024】 ΔR/Rs=2×P1×P2/(1−P1×P2) ここで、P1,P2は両磁性層の分極率であり、 P=2(Nup−Ndown)/(Nup+Ndow
    n) で表される。 分極率Pについては、強磁性金属の種類に依存するが、50%近い値を持つものもあり、その場合、理論的には数十%の抵抗変化率が期待できる。

    【0025】この変化率の値は、異方性磁気抵抗効果(AMR)又は巨大磁気抵抗効果(GMR)よりも大きく、磁気センサーなどへの応用が可能となる。 次に、強磁性トンネル接合素子の作製手順について説明する。 なお、ここでは、1つの接合の作製手順を説明する。 図4
    は、以下の手順で作製されるセンサー素子の接合の断面構造を示す。 図示のセンサー素子21は、基板6の上に形成された1つの接合22からなる。 接合22は、下部金属層23、絶縁層24、上部金属層25から形成される。 下部金属層23は、17.1nmのNiFe層と3.3nmのCo層を有する。 絶縁層24は、1.3n
    mのAl−AlO層を有する。 上部金属層25は、3.
    3nmのCo層と17.1nmのNiFeと45nmのFeMnと8nmのTa層を有する。

    【0026】図5にセンサー素子21の平面図を示す。
    下部金属層23に直交して上部金属層25が形成され、
    下部金属層23と上部金属層25の間に、電流源Iと電圧センサーVが接続される。 電流源Iにより一定電流をセンサー素子21に流した状態で磁界が変化すると抵抗値が変化をして両金属層23,25間に現れる電圧が変化をし、これが電圧センサーVにより測定される。

    【0027】図6はセンサー素子21の作製手順を示す。 図6(1)に示すように、図示の方向に磁場をかけた状態で、基板6上に、ストライプ状のパターンを有するメタルマスク26を介して、NiFeを17nm成膜し、さらに連続してCoを3.3nm成膜する。 この2
    層は、下部金属層23を構成し、磁場に対して自由に磁化が回転する磁性層となる。 なお、CoはNiFeより分極率が大きいので、強磁性トンネル抵抗変化を大きくする目的で挿入している。

    【0028】その後に、(2)に示すように、円形のパターンを有するマスク27を介して1.3nmのAl層29を成膜する。 このAl層29を(3)に示すように表面を自然酸化させて、絶縁層24を成膜する。 自然酸化は、大気中にAl層29を約500時間放置しておくことで行う。 酸化が終了した後、(4)に示すように、
    磁場をかけた状態でマスク27を介して上部金属層25
    の成膜を行う。 ここで、磁場は、上記(1)の磁場の方向と直角方向にかけられる。 また、マスク28は、下部金属層23と直交する方向のストライプ状のパターンを有する。 上部金属層25は、順次、Coを3.3nm、
    NiFeを17nm積層し、磁化方向を固定するための反強磁性層としてFeMnを45nm積層する。 さらにその上部に酸化防止膜として8nmのTaを積層する。

    【0029】図7に、上述の方法で作製された強磁性トンネル接合素子の磁気抵抗効果曲線を示す。 上述の「磁性層/絶縁層/磁性層/反強磁性層」という構造にすると、上部金属層24のNiFe層がFeMn層と交換結合し、反強磁性体に接した磁性層の磁化方向が固定される。 したがって、外部から磁場を印加すると、下部の磁性層のみが磁化回転する。 すると、下部の磁性層と上部の磁性層の磁化の相対角度が変化するために、前述の〔式1〕で示したように、磁場に依存してトンネル抵抗が変化する。

    【0030】図8は、複数の強磁性トンネル接合素子を直列接続したセンサー素子の磁気抵抗曲線を示す。 上部金属層の強磁性層の磁化方向は、下部金属層の磁化方向と直交するようにFeMn膜で固定されているので、上部金属層の磁化方向と同一方向に外部磁界(−H)がかかった場合、上部金属層と下部金属層の磁化方向が平行になる。 このときの2つの磁化方向の相対角度θは0度になるため、前述の〔式1〕より、素子の抵抗値Rは、
    R=Rsとなる。 この時の抵抗値をRLとおく。

    【0031】外部磁界が0の時は、下部金属層の磁化方向は回転し、2つの磁化方向の相対角度θは90度となるため、〔式1〕より抵抗値はR=Rs+0.5ΔRとなる。 この時の抵抗値をR0とおく。 次に、上部金属層の磁化方向と反対方向に外部磁場(+H)がかかったとき、下部金属層の磁化方向は外部磁場の方向に回転する。 このとき、2つの磁化方向の相対角度θは180度となり、〔式1〕より抵抗値はR=Rs+ΔRとなる。
    この時の抵抗値をRHとおく。

    【0032】以上より、外部磁界が−H,0,+Hの時の抵抗値をRL,R0,RHとすると、RL<R0<R
    Hとなる。 したがって、強磁性トンネル接合素子は、外部磁界の変化によりその抵抗値を変化させるので、磁気センサーとして使用することができる。 また、前述の図2及び図3に示したように、強磁性トンネル接合素子を直列接合することにより、電気抵抗値を大きくして、高い電圧で使用し、高い磁気抵抗変化率で使用することが可能となる。

    【0033】本発明の磁気センサーは、無接点エンコーダ、磁気ディスク装置用ヘッドなどの種々の装置に適用可能である。 以下、本発明の磁気センサーを適用した無接点エンコーダについて説明する。 最初に、本例の無接点エンコーダの原理について説明をする。 図9は、測定する磁場発生用ロータリーマグネット30と、センサー素子31〜34の相対位置を示したものである。 なお、
    センサー素子31〜34としては、前述の図3に示した、接合をN個並べたセンサー素子を使用している。 また、図9の(1)〜(4)は、マグネット30が回転した時、マグネット30に対してセンサー素子31〜34
    の相対位置が移動することを示している。

    【0034】マグネット30の1組のSN極の長さ(着磁周期)をλとすると、センサー素子31〜34をλ/
    4間隔で配列する。 このとき、センサー素子31〜34
    の上部金属層の磁化方向は、図示右方向とする。 図10
    に磁気センサーの回路図を示す。 図9の4つのセンサー素子31〜34は、図10に示すようにブリッジ回路とされる。 λ/2間隔で配置されたセンサー素子31と3
    3、32と34が直列に接続されて、電源電圧VとアースGND間に接続される。 各センサー素子の接続点が出力端子VA,VBとされる。

    【0035】ここで、センサー素子が図9(1)の位置にある場合、各センサー部31〜34の抵抗値R1〜R
    4は、R1=RL,R2=R0,R3=RH,R4=R
    0となる。 このときのブリッジ回路の出力端子VA,V
    Bの出力電圧は図10の回路図から、

    【0036】

    【数1】

    【0037】となる。 ここで、

    【0038】

    【数2】

    【0039】とおく。 次に、センサー素子が図9(2)
    のようにλ/4だけ移動すると、各センサー素子31〜
    34の抵抗値は、R1=R0,R2=RH,R3=R
    0,R4=RLとなり、このときの出力端子VA,VB
    の出力電圧は図10の回路図から、

    【0040】

    【数3】

    【0041】となる。 ここで、

    【0042】

    【数4】

    【0043】とおく。 図8で示したように、RL<R0
    <RHの関係があるので、各電圧値VL,V0,VHはVL<V0<VHとなる。 以下、同様にして、センサー素子が図9(3)〜(4)に移動をしていくと、各抵抗R1〜R4及び出力端子VA,VBの出力電圧は図9中に記入したように変化する。

    【0044】図11は、マグネット30が回転して、センサー素子31〜34がマグネット30に対して相対的に移動したときの出力端子VA,VBの出力電圧を示すグラフである。 なお、図11の横軸の(1)〜(4)
    は、図9の(1)〜(4)に相当する。 図11から明らかなように、マグネット30が回転をすると、着磁周期λの移動ごとに、ブリッジ回路の出力端子VA,VBから1つの出力パルスが発生する。

    【0045】次に、無接点エンコーダの具体例について説明する。 図12は磁気センサーの回路を示す。 磁気センサー回路は、4つのセンサー素子31〜34をブリッジ接続したブリッジ回路により構成される。 各センサー素子31〜34は、6個の強磁性トンネル接合素子11
    を直列に接続して構成される。

    【0046】一般に、電池駆動の磁気センサーは、電源電圧として3Vが用いられている。 また、磁気センサーに流れる電流は、電池のリーク電流相当の30μAが望ましい。 したがって、磁気センサーの抵抗値は100k
    Ω程度になるので、各センサー素子31〜34の抵抗値は100kΩ程度になる。 図13は、厚さ13Åの絶縁層を持つ強磁性トンネル接合素子の接合部面積と抵抗値の関係を示す。 強磁性トンネル接合素子の抵抗値は、接合部の面積に反比例する。 仮に、図12のブリッジ回路において、各センサー素子31〜34を1個の接合で作製した場合、接合の抵抗値を100kΩにするためには、図13より、400μm 2が必要になる。 ここで、
    接合の部分の形状を正方形にした場合、素子の形状は2
    0μm×20μmとなる。 しかし、これでは、接合の磁気抵抗変化率は、図1から明らかなように、わずか1%
    しか得られない。

    【0047】この接合の磁気抵抗変化率を大きくするため、本例では、強磁性トンネル接合素子を直列つなぎする。 強磁性トンネル接合素子をメタルマスクを用いて作製する場合、マスクの作製が容易な最小接合面積は50
    μm×50μm(2500μm 2 )程度である。 この場合の抵抗値は、図13より約17kΩである。 磁気センサーのサイズを小さくするために、この最小接合面積の強磁性トンネル接合素子を使って同じ抵抗値(100k
    Ω)を持つブリッジ回路を作るためには、図12に示すように接合を6個直列に接続すれば良い。

    【0048】図12に示すブリッジ回路では、電源電圧が3Vであるため、個々の強磁性トンネル接合素子11
    にかかる電圧は1.5V/6=0.25Vとなり、強磁性トンネル接合素子の磁気抵抗変化率は、図1から明らかなように、約15%に増加する。 図14に、無接点エンコーダの構成を示す。

    【0049】図14において、41は、回転着磁体で、
    直径Dが10mm、軸の直径dが5mmで、その円周上にN極42及びS極43が交互に16組並べられる。 4
    4は、磁気センサーで、その中心が回転着磁体41の中間位置に来るように設置される。 本例では、着磁周期λ
    は約1.5mmとなる。 磁気センサー44の拡大図が同じ図14に示されている。 4つのセンサー素子31〜3
    4が、基板6上に、回転着磁体41のマグネットの直径方向に平行で直線上に、かつ、λ/4間隔で配列される。 本例では、センサー素子31〜34のなす角が約5.6度、中心部の間隔が約0.37mmとなる。

    【0050】図15は、図14の磁気センサー44の作製方法を説明する図である。 なお、ここで使用するセンサー素子は、図3に示した直列接続構造のものである。
    これは、接合が下部層/絶縁層/上部層の3層のみで形成できるので、作製が容易なためである。 また、各センサー素子31〜34を6個の直列つなぎ(接合面積:5
    0μm×50μm)で構成される。

    【0051】まず、マスクを使って、基板6上に、ストライプ状にNiFeを17nm成膜、さらに連続してC
    oを3.3nm成膜して、下部金属層53を形成する。
    この状態を図15(A)に示す。 マスクを交換して、各下部金属層53ごとに、2つの絶縁体層54を成膜する。 この絶縁体層54は、Alを1.3nm成膜して表面を自然酸化させて形成する。 自然酸化は、大気中に約500時間放置しておくことで行う。

    【0052】酸化が終了した後、マスクを交換して、上部金属層55を成膜すると共に、端子56〜59の成膜を行う。 この成膜は、Coを3.3nm、NiFeを1
    7nm、FeMnを45nm積層して行う。 さらにその上部に8nmのTaを積層した。 この成膜が終了した状態を(B)に示す。 この磁気センサー44の等価回路は、前述の図12となる。

    【0053】この磁気センサー44に電池を使って3.
    0V印加したとき、各強磁性トンネル接合素子に加わる電圧は0.25Vであり、図1より、磁気抵抗変化率は15%となる。 また、回転着磁体41を一周させると、
    図9〜11から明らかなように、16個の出力パルスが得られる。 図16は、前述の図2に示した接合をN個重ねて作製したセンサー素子を使った磁気センサーを示す。

    【0054】本例の磁気センサー61は、各センサー素子31〜34ごとに、下部金属層53が1つずつ配置される。 下部金属層と同時に電極57,58が成膜される。 各下部金属層53ごとに、1つの絶縁体層54を成膜し、絶縁体層54の酸化終了後、上部金属層55を成膜する。 これを繰り返して、接合が6層形成されると、
    最上段の上部金属層の成膜と同時に各端子56,59が成膜される。

    【0055】なお、センサー素子31〜34としては、
    図2の接合を複数重ねて作製したものと、図3の接合を複数個並べて作製したものとを組み合わせて作製することも可能である。 図17は、歩留りを改善するため、或いは、作製後に抵抗値を調整できるようにするための調整箇所を設けた磁気センサーを示す。

    【0056】今、磁気センサーが、上述の図14,15
    のように、各センサー素子31〜34ごとに6個の接合を必要とするものとする。 このとき、本例の磁気センサー62においては、各センサー素子31〜34ごとに1
    0個の接合を設ける。 そのため、下部金属層53は、各センサー素子ごとに5個設ける。 その他の点については上述の図14,15と同様である。

    【0057】この磁気センサー62の作製後、接合ごとに抵抗値と抵抗変化率を測定して不良部分を特定する。
    また、各センサー部31〜34の素子の数を6個とするために、不良部分を含んで不必要な接合を4個決定する。 図18は、図17の磁気センサー62において、不必要な接合の下部金属層53と上部金属層55をハンダ63で短絡した状態を示す。 このハンダ63で短絡した接合は、センサー素子31〜34からトリミング(除去)されたこととなる。 したがって、各センサー素子3
    1〜34は、健全な6個の接合から構成することができ、磁気センサーの精度を向上させると共に、作製上の歩留りを改善することができる。

    【0058】

    【発明の効果】本発明によれば、磁気抵抗変化率が高い高性能な磁気センサーを得ることができる。 また、磁気センサーの抵抗値が高抵抗となるため、磁気センサーに流れる電流が小さくなり、消費電力を小さくすることができる。 また、本発明によれば、高性能、低消費電力の磁気センサーを使用した無接点エンコーダを得ることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】強磁性トンネル接合素子の印加電圧に対する磁気抵抗変化率特性を示す図。

    【図2】本発明における、強磁性トンネル接合素子をN
    層重ねたセンサー素子の断面を示す図。

    【図3】本発明における、強磁性トンネル接合素子をN
    個直列に並べたセンサー素子の断面を示す図。

    【図4】強磁性トンネル接合素子の断面構造を示す図。

    【図5】図4の強磁性トンネル接合素子の平面図。

    【図6】図4、図5の強磁性トンネル接合素子の作製手順を示す図。

    【図7】図4の強磁性トンネル接合素子の磁気抵抗効果曲線を示す図。

    【図8】図2及び図3の強磁性トンネル接合素子の磁気抵抗効果曲線を示す図。

    【図9】本発明の無接点エンコーダの原理構成を示す図。

    【図10】図9で使用される磁気センサーの回路を示す図。

    【図11】図10の回路の出力電圧を示すグラフ。

    【図12】図10の回路の具体例を示す図。

    【図13】強磁性トンネル接合素子の接合部分面積と抵抗値との関係を示す図。

    【図14】無接点エンコーダの具体的構成を示す図。

    【図15】図14で使用する磁気センサーの作製手順を示す図。

    【図16】図2のセンサー素子を使用した無接点エンコーダの具体的構成を示す図。

    【図17】本発明における、調整箇所を設けた磁気センサーの構成を示す図。

    【図18】図17の磁気センサーの調整後の状態を示す図。

    【符号の説明】

    1,11,21…センサー素子 2,12,22…接合 3,13,23,53…下部金属層 4,14,24,54…絶縁体層 5,15,25,55…上部金属層 6…基板 26,27,28…マスク 29…Al層 30…マグネット 31〜34…センサー素子 41…回転着磁体 42…N極 43…S極 44…磁気センサー 56〜59…端子 61,62…磁気センサー 63…ハンダ

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