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Quantum computing element and quantum computing unit

阅读:137发布:2021-03-11

专利汇可以提供Quantum computing element and quantum computing unit专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To handle a metal atom (molecule) and an organic compound as one qubit and to eliminate the device for holding an electrode, etc., by including the metal atom or molecule in an organic compound and representing information with the excitation state of a π electron. SOLUTION: The qubit (quantum computing element) is structured having lanthanum included in a spherical shell type carbon cage and can be regarded as a superatom which has a metal as a positive charge nucleus and π electrons on a fullerene as electrons. When the metal-including fullerene is irradiated with a laser beam of a specific wavelength, the excitation state of the π electron of the superatom changes with the irradiation energy. The quantum computing element which use qubits of metal-included fullerene has the contents of operation determined by the natural wavelengths of the respective 8a to 8n and the energies in the ground state and excited state, and the interaction among the qubits at the time of the irradiation with the laser light.,下面是Quantum computing element and quantum computing unit专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】金属原子または分子を、有機化合物によって包含し、パイ電子の励起状態によって情報を表すように構成したことを特徴とする量子演算素子。
  • 【請求項2】金属原子または分子を有機化合物によって包含した量子演算素子を複数有する量子演算素子群、 所望の波長の光を、前記量子演算素子群に照射する照射手段、 を備え、 各量子演算素子ごとにパイ電子を励起する光の波長を選択的に決定するとともに、照射手段による光の波長を選択することにより演算を行うように構成したことを特徴とする量子演算器。
  • 【請求項3】請求項1の量子演算素子または請求項2の量子演算器において、前記有機化合物はフラーレンであることを特徴とするもの。
  • 【請求項4】請求項1の量子演算素子または請求項2の量子演算器において、前記有機化合物はカーボンナノチューブであることを特徴とするもの。
  • 【請求項5】請求項3または4の量子演算器において、 各フラーレンまたはカーボンナノチューブ間を、パイ電子共役系でない有機架橋分子により連結させ、量子力学的相互作用を無くしたことを特徴とする量子演算器。
  • 【請求項6】請求項3または4の量子演算器において、 各フラーレンまたはカーボンナノチューブ間を、パイ電子共役系である有機架橋分子により連結させ、量子力学的相互作用を生じさせるようにしたことを特徴とする量子演算器。
  • 【請求項7】請求項6の量子演算器において、 パイ電子共役系である有機架橋分子によって連結された各フラーレンまたはカーボンナノチューブの、前記有機架橋分子に設けた側鎖によって、各フラーレンまたはカーボンナノチューブ間の量子力学的相互作用の強さを選択するように構成したことを特徴とする量子演算器。
  • 【請求項8】レーザ光の照射により基底状態から励起状態までの連続的な重ね合わせの状態をとりうる量子演算素子を複数個有する量子演算器であって、 各量子演算素子ごとにその状態を変化させるレーザ光の波長を選択的に決定しておき、 状態を変化させたい量子演算素子に対応する波長のレーザ光を照射することにより演算を行うことを特徴とする量子演算器。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】この発明は、量子コンピュータ等に用いる量子演算素子に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】量子コンピュータにおいて、基底状態にある原子を”0”として符号化し、励起状態にある原子を”1”として符号化することが提案されている。 このような1つの原子は、演算器の最小要素として、量子ビット(quantum bit)あるいはキュービット(qubit)と呼ばれている。

    【0003】キュービットとして、図21に示すような装置が具体化されている。 チラク(JIChirac)とゾラー
    (P.Zoller)は、この装置によって、コントロールドノットを実現した。 また、ワインランドら(Winland et al)
    は、この装置によって、エクスクルーシブORを実現した。 この装置は、真空容器中に4つの電極2a〜2dを配置した構造となっている。 この真空容器中にレーザ冷却したWigner結晶を入れ、各電極2a〜2dに高周波電圧を印加し、これによってWigner結晶をイオン4a〜4
    eとして電極2a〜2d間に保持するものである(イオンとラップと呼ばれる)。 このようにしてトラップしたイオン4a〜4eに対し、レーザ光を照射することによって、励起状態を変化させて演算を行う。 なお、励起状態を変化させたいイオンのみを狙ってレーザを照射することにより、演算の制御を行う。 このようにして、量子演算を行うことができる。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の装置には次のような問題があった。

    【0005】第一に、真空容器、レーザ冷却装置等が必要であり、トラップできるイオンの数に比べて装置が大きい。 このため、いまだ実験の域を出ず、実用的な量子演算器とは言い難いという問題があった。

    【0006】第二に、トラップされたイオンに対して狙いをつけてレーザ光を照射しなければならない。 このため、精密な照射制御が必要であり、装置の複雑化を招くという問題があった。

    【0007】第三に、イオンを電極の間の空間に保持する構造であるため、イオンを一定の位置に固定するのが困難である。 このため、特定のイオンに対して正確にレーザ光を照射することが困難であった。 また、イオンの数が増えるほど、イオンを一定の位置に固定することが困難となるので、演算ビット数の数に限界があった。

    【0008】この発明は、上記のような問題を解決して、実用化しうる量子演算器を提供することを目的とする。

    【0009】

    【課題を解決するための手段】請求項1の量子演算素子は、金属原子または分子を、有機化合物によって包含し、パイ電子の励起状態によって情報を表すように構成している。

    【0010】請求項2の量子演算器は、金属原子または分子を有機化合物によって包含した量子演算素子を複数有する量子演算素子群と、所望の波長の光を、前記量子演算素子群に照射する照射手段とを備え、各量子演算素子ごとにパイ電子を励起する光の波長を選択的に決定するとともに、照射手段による光の波長を選択することにより演算を行うように構成したことを特徴としている。

    【0011】請求項3の量子演算素子または量子演算器は、有機化合物がフラーレンであることを特徴としている。

    【0012】請求項4の量子演算素子または量子演算器は、有機化合物がカーボンナノチューブであることを特徴としている。

    【0013】請求項5の量子演算器は、各フラーレンまたはカーボンナノチューブ間を、パイ電子共役系でない有機架橋分子により連結させ、量子学的相互作用を無くしたことを特徴としている。

    【0014】請求項6の量子演算器は、各フラーレンまたはカーボンナノチューブ間を、パイ電子共役系である有機架橋分子により連結させ、量子力学的相互作用を生じさせるようにしたことを特徴としている。

    【0015】請求項7の量子演算器は、パイ電子共役系である有機架橋分子によって連結された各フラーレンまたはカーボンナノチューブの、前記有機架橋分子に設けた側鎖によって、各フラーレンまたはカーボンナノチューブ間の量子力学的相互作用の強さを選択するように構成したことを特徴としている。

    【0016】請求項8の量子演算器は、レーザ光の照射により基底状態から励起状態までの連続的な重ね合わせの状態をとりうる量子演算素子を複数個有する量子演算器であって、各量子演算素子ごとにその状態を変化させるレーザ光の波長を選択的に決定しておき、状態を変化させたい量子演算素子に対応する波長のレーザ光を照射することにより演算を行うことを特徴としている。

    【0017】

    【発明の効果】請求項1の量子演算素子は、金属原子または分子を有機化合物によって包含し、パイ電子の励起状態により情報を表すようにしている。 したがって、金属原子(分子)と有機化合物とをまとめて、1つのキュービットとして扱うことを可能としている。 また、キュービットを物理的に所定の位置に保持できるので、電極等の保持のための装置が必要でない。

    【0018】請求項2の量子演算器は、各量子演算素子ごとにパイ電子を励起する光の波長を選択的に決定するとともに、照射手段による光の波長を選択することにより演算を行うようにしている。 したがって、光の照射位置を変えることなく、必要な素子のみに対して、選択的に演算を行うことができる。 また、波長を変えることにより演算内容を変えることができる。

    【0019】請求項3の量子演算素子または量子演算器は、有機化合物がフラーレンであることを特徴としている。 つまり、フラーレンの中に金属原子または分子を包含することにより固体となっているので、レーザ冷却を行う必要がない。

    【0020】請求項4の量子演算素子または量子演算器は、有機化合物がカーボンナノチューブであることを特徴としている。 つまり、カーボンナノチューブの中に金属原子または分子を包含することにより固体となっているので、レーザ冷却を行う必要がない。

    【0021】請求項7の量子演算器は、パイ電子共役系である有機架橋分子によって連結された各フラーレンまたはカーボンナノチューブの、前記有機架橋分子に設けた側鎖によって、各フラーレンまたはカーボンナノチューブ間の量子力学的相互作用の強さを選択するように構成している。 したがって、量子力学的相互作用に基づく演算を行う量子演算器を容易に形成することができる。

    【0022】請求項8の量子演算器は、各量子演算素子ごとにその状態を変化させるレーザ光の波長を選択的に決定しておき、状態を変化させたい量子演算素子に対応する波長のレーザ光を照射することにより演算を行うようにしている。 したがって、光の照射位置を変えることなく、必要な素子のみに対して、選択的に演算を行うことができる。

    【0023】

    【発明の実施形態】図1に、この発明の一実施形態によるキュービット(量子演算素子)の構造を一例として示す。 球殻状炭素ケージの中にランタンLaが内包された構造となっている。 図1の例では、82個の炭素Cによるケージの中にランタンLaが内包されているので、La@C 82
    と表す。 なお、@は内包を示す記号である。 La@C 82の化学式を図1Aに示し、その構造を図1Bに示す。

    【0024】このLa@C 82は、La 3+ @C 82 3-の電子構造を有する。 また、電子を失いカチオン[La@C 82 ] -になっても、電子を受け取ってアニオン[La@C 82 ] +になっても、
    金属上の電荷は中性のものとほとんど変化せず、電子の授受はフラーレン上で起こる。 つまり、La@C 82は、金属を正電荷核とし、フラーレン上のパイ電子を電子としたスーパーアトムとみなすことができる。

    【0025】金属内包フラーレンLa@C 82に、所定波長のレーザ光を照射すると、図2に示すように、その照射エネルギーに応じて、スーパーアトムのパイ電子の励起状態が変化する。 つまり、照射エネルギーに応じて基底状態と励起状態の間をSin 2で推移する。 したがって、基底状態を励起状態に変化させるため(あるいは励起状態を基底状態に変化させるため)には、この正弦関数の2乗のπ周期に相当するエネルギーのレーザ光(πパルスと呼ぶ)を照射すればよい。

    【0026】なお、金属内包フラーレンLa@C 82の励起状態を変化させるためには、特定の波長のレーザ光を用いなければならない。 つまり、異なる波長のレーザ光では、照射エネルギーに拘わらず、励起状態が変化しない。 このように金属内包フラーレンは、レーザ光に対する波長選択性を有する。 金属内包フラーレンの固有波長(励起状態を変化させうるレーザ光の波長)は、内包金属の種類、内包金属の数、フラーレンの炭素数等の組み合わせによって選択可能である。

    【0027】金属内包フラーレンは、M@C 60として、M=C
    a,Ba,Sr,Na,Uが合成可能であり、また、ScやYなどの3
    族金属元素やGdなどの希土類元素とC 82との組み合わせによっても合成可能である。 また、金属原子または分子が複数個内包されたSc 2 @C 84 ,SC 3 @C 82 ,La 2 @C 80等も合成可能である。 このように、金属内包フラーレンは多くの種類を製造可能であり、それぞれに固有波長が異なるので、多数ビットの量子演算器を得るために好ましい素子である。

    【0028】なお、上記では、金属内包フラーレンについて説明したが、フラーレンの中央部に中空状のグラファイトを配置したカーボンナノチューブの中に金属を内包してもよい(図1C参照)。 金属内包カーボンナノチューブを用いれば、中央部のグラファイトの長さを変えることにより、種々の固有波長を持つものを容易に得ることができる。 なお、金属内包フラーレン、金属内包カーボンナノチューブの製法は、"Laserevapolation meth
    od", RESmalley, Acc Chem. Res. 25,98(1992):"Resi
    stance evapolation method", ASKoch, KCKhemani
    & F.Wudl, J.Org.Chem., 56,4593(1991):"Plasma induc
    tion method", G.Peters & M.Jansen, 31,223(1992)に詳しい。

    【0029】ところで、上記の金属内包フラーレンや金属内包カーボンナノチューブによるキュービットを複数用いれば、量子演算器を構成できる。 この場合、各キュービット間の量子力学的相互作用の度合いは、その連結方法、連結距離等によって設定できる。 たとえば、図1
    Dに示すように、カーボンナノチューブの中に、複数の金属を内包した場合、各金属に対応する各キュービットは、パイ電子共役系によって連結されることとなる。 したがって、各キュービットは、このパイ電子によって、
    量子力学的相互作用を持つこととなる。

    【0030】また、図20Aに示すように、フラーレン100、102(またはカーボンナノチューブ)の間を、パイ電子共役な架橋分子であるカーボンパイプ10
    4等によってつなぐと、量子力学的相互作用を持つ。

    【0031】一方、図20Bに示すように、フラーレン100、102(またはカーボンナノチューブ)の間を、パイ電子共役でない106アルキル鎖等によってつなぐと、量子力学的相互作用を持たない。

    【0032】さらに、図20Aの構造における両キュービット100、102の量子力学的相互作用の強さは、
    架橋分子に側鎖(cl)等を設け、その数によって調整することができる(図20C参照)。

    【0033】次に、上記の量子演算素子を複数用いて構成した量子演算器(量子コンピュータ)について説明する。 まず、レーザ光を照射した場合を除いて、各キュービット間に量子力学的相互作用がないファインマン型の量子コンピュータについて説明し、その後で、レーザ光の照射の有無に拘わらず、各キュービット間に量子力学的相互作用がある量子コンピュータについて説明する。

    【0034】図3に、ファインマン型の量子コンピュータの構造を示す。 基板6(ガラス基板、透明セラミックス等が好ましい)の上に、n個の金属内包フラーレン(および金属内包カーボンナノチューブ)がキュービット8a〜8nとして載置されている。 これらの周囲を、
    有機ポリマー、低融点ガラス等(図示せず)によって固めて、チップとしている。 各キュービット8a〜8n
    は、必要に応じて、円筒状のグラファイトに16よって連結されている。 なお、図3においては、キュービット8a〜8nを一列に直線状に配置しているが、平面的に配置してもよく、また立体的に配置してもよい。 どのように配置するかは、キュービット間の相互作用等との関係から決定すればよい。

    【0035】これらキュービット8a〜8nの上部には、レーザ発光部12、ホモダイン検波回路14が設けられている。 また、これらレーザ発光部12、ホモダイン検波回路14を制御する制御回路10が設けられている。 図4に、レーザ発光部12、ホモダイン検波回路1
    4、制御回路10の詳細を示す。 レーザ発光部12は、
    m個のレーザ発光体12a〜12mを備えている。 各レーザ発光体12a〜12mは、それぞれ異なる波長のレーザ光を、キュービット8a〜8n全体に向けて照射するものである。 なお、各発光体12a〜12mの照射タイミング、照射時間等は、発光制御回路18によって制御される。 ホモダイン検波回路14は、レーザ発光部1
    2から照射された光とキュービット8a〜8nから発せられる光との位相差に対応した電気信号を出力する。 統合制御回路22は、発光制御回路18を制御していずれの発光体12a〜12mを発光するかを決定するとともに、ホモダイン検波回路14からの位相差信号を受ける。 これにより、統合制御回路22は、キュービット8
    a〜8nへの情報の書き込み、演算、読み出しを制御する。

    【0036】この量子コンピュータは、各キュービット8a〜8nの固有波長、基底状態および励起状態におけるエネルギー、照射するレーザ光の波長、レーザ光が照射された場合の各キュービット8a〜8n間の相互作用によって、演算の内容が決定される。 次に、演算内容の設定について説明する。

    【0037】まず、図5Aに示すように、キュービットが1つの場合について説明する。 励起状態を「1」とし、そのエネルギーをE A 1として、基底状態を「0」とし、そのエネルギーをE A 0とする。 このとき、ハミルトニアンHは、下式にて示される。

    【0038】

    【数1】

    【0039】ここで、スピンを考えなければ、ハミルトニアンHは下式となる。

    【0040】

    【数2】

    【0041】基底状態から励起状態にするため(励起状態から基底状態にするため)のエネルギーhυ(πパルス)は、両エネルギーの差に等しいから、次のとおりとなる。

    【0042】

    【数3】

    【0043】ここで、υは、当該キュービットの固有振動数である。 hυのエネルギーを有するレーザ光を照射するごとに、基底状態と励起状態とに交互に変化する。
    なお、基底状態、励起状態におけるエネルギーは、下記のとおりである。

    【0044】

    【数4】

    【0045】

    【数5】

    【0046】上記のように、1つのキュービットに対して、その固有振動数υと等しい波長のレーザ光を、そのエネルギーがhυとなるように時間を制御して照射すれば(πパルスの照射)、NOT演算を行うことができる。
    次に、図5Bに示すように、2つのキュービットA、B
    があり、両キュービット間に相互作用がある場合について説明する。 このような状態は、図3に示すように、円筒状グラファイト16によって連結したキュービット8
    aと8bによって実現できる。

    【0047】この場合のハミルトニアンHは、次式で示される。

    【0048】

    【数6】

    【0049】ここで、V ABは、両キュービット間の相互作用によるエネルギーである。 また、ここで、

    【0050】

    【数7】

    【0051】である。

    【0052】キュービットA、Bがともに基底状態にある場合のエネルギーは、下式で示される。

    【0053】

    【数8】

    【0054】同様に、キュービットAが励起状態、キュービットBが基底状態にある場合のエネルギーは式(9)
    で、キュービットAが基底状態、キュービットBが励起状態にある場合のエネルギーは式(10)で、キュービットA、Bがともに励起状態にある場合のエネルギーは式(1
    1)で表される。

    【0055】

    【数9】

    【0056】

    【数10】

    【0057】

    【数11】

    【0058】ただし、

    【0059】

    【数12】

    【0060】したがって、キュービットA、Bがある状態から他の状態に変化するためのエネルギーは、式(13)
    から式(17)で表される。

    【0061】

    【数13】

    【0062】

    【数14】

    【0063】

    【数15】

    【0064】

    【数16】

    【0065】

    【数17】

    【0066】上記各式から明らかなように、何れかの状態から他の状態に変化させるために必要なエネルギー(波長)は、それぞれ異なっている。 ただし、それぞれの変化は可逆性がある。

    【0067】ここで、式(16)に着目し、この際のエネルギーhυ 1B (周波数υ 1Bのπパルスレーザ光)を用いれば、図6、図7に示すコントロールドノットが実現できる。 図7において、ABはレーザ光照射前のキュービットAおよびBの状態、A'B'はレーザ光照射後のキュービットAおよびBの状態を示す。 ABが「00」の場合(つまり、両キュービットともに基底状態の場合)には、周波数υ ABABのいずれかのレーザ光を照射した場合に、その状態が変化する(式(13)(14)(15)参照)。 したがって、この場合、周波数υ 1Bのレーザ光を照射しても状態は変化しない。 同様に、ABが「01」
    の場合に、周波数υ 1Bのレーザ光を照射しても状態は変化しない。

    【0068】一方、ABが「10」の場合に、周波数υ
    1Bのレーザ光を照射すると、その状態は「11」に変化する(式(16)参照)。 同様に、ABが「11」の場合に、周波数υ 1Bのレーザ光を照射すると、その状態は「10」に変化する(式(16)参照)。 したがって、周波数υ 1Bのレーザ光を用いることにより、図7に示すように、キュービットAをコントロールビットとした可逆性のあるコントロールノットとしての演算を行うことができる。

    【0069】また、周波数υ A1のレーザ光を用いれば、
    キュービットBをコントロールビットとしたコントロールノットの演算を行うことができる。

    【0070】上記のように、この発明では、周波数を変えることによって、同じキュービットによる演算内容を変えることができる。 したがって、キュービットの数を増やすことにより、あらゆる論理演算が可能である。 以下では、コントロールド・ノットについて説明しているが、アンド、オア等の全ての論理演算が可能である。

    【0071】次に、図5Cに示すように、3つのキュービットA、B、Cがあり、キュービットA、B間、キュービットB、C間およびキュービットC、A間に相互作用がある場合について説明する。

    【0072】この場合のハミルトニアンHは、次式で示される。

    【0073】

    【数18】

    【0074】ここで、V AB V BCは、キュービット間の相互作用によるエネルギーである。 これより、上記と同様にして、下式が得られる(他の場合については省略した)。

    【0075】

    【数19】

    【0076】したがって、エネルギーhυ 11Cのレーザ光を照射することにより、キュービットA、Bをコントロールビットとするコントロールドコントロールドノットの演算を行うことができる(図8、図9参照)。

    【0077】次に、図5Cに示す3つのキュービットA、B、Cを用いて、半加算器としての演算を行う場合について説明する。 半加算器は、図10に示すように、
    コントロールド・コントロールド・ノットとコントロールト゛・ノットによって実現できる。 この半加算器の入力は、AとBである。 なお、Cは「0」としておく。

    【0078】A、B、Cに所望の値の置数を行うためには、次のようにする。 まず、キュービットA、B、Cを冷却し、基底状態(つまり「0」)とする。 次に、A、
    B、Cを所望の値とするためのエネルギーhυ ABC ijkを有するレーザ光を照射する(図11A参照)。 次に、コントロールド・コントロールド・ノットの演算を行う。
    これは、前述のように、hυ C 111のエネルギーを有するレーザ光を照射すればよい。 次に、hυ B 110 +hυ B 111のエネルギーを有するレーザ光を照射して、コントロールド・ノットを行う。 上記の結果、キュービットBにSU
    Mが、キュービットCにCARRYがあらわれる。 キュービットAには、最初に置数した内容がそのままあらわれる。 なお、この半加算器は、上記と逆の演算処理を行うことにより、演算結果から入力置数を得ることができる(可逆性がある)。

    【0079】上記半加算器における、A、Bの全ての置数についての演算過程を、図12に示す。

    【0080】次に、前加算器のための構造を、図13に示す。 ここでは、互いに相互作用のある4つのキュービットA、B、C、Dを用いている。 このような構造は、
    たとえば、図14Aに示すように、立方体の頂点上にキュービットA、B、C、Dを配置し、図14Bに示すように、それぞれのキュービットA、B、C、Dを円筒状グラファイト16で連結することにより実現できる。

    【0081】上記のハミルトニアンは、下式によって表される。

    【0082】

    【数20】

    【0083】上記のような4つのキュービットを用いて、図15に示すような全加算器の演算を行うことができる。 なお、この全加算器の入力は、A、B、Cであり、Dは常に「0」としておく。

    【0084】図13に示すような全加算器を図16に示すように連結すれば、演算器を構成することができる。
    これのハミルトニアンを下式に示す。

    【0085】

    【数21】

    【0086】また、この演算器によって、5+3を実行した場合の、動作過程を図17に示す。 「5」は、キュービットA(1)、A(2)、A(3)に置数する。 「3」は、
    キュービットC(1)、C(2)に置数する。 ここで、エネルギーhυ (1,2)を照射することにより、キュービットD
    (1)からキュービットB(2)へデータを転送(コピー)している。 演算結果は、C(1)、C(2)、C(3)、C(4)に現れる。

    【0087】なお、最終的な結果の読み出しは、読み出したいキュービットの固有振動数のレーザ光であって、
    πパルスの半分のパルス面積を有するレーザ光を照射することにより行う。 これにより、当該キュービットが励起状態にあれば、照射したレーザ光と同じ位相のレーザ光をキュービットが放出する。 また、基底状態にあれば、πだけ位相のずれたレーザ光をキュービットが放出する。 したがって、図3に示すように、ホモダイン検波回路14により位相差を検出して、当該キュービットの状態(つまり「0」か「1」かの情報)を知ることができる。

    【0088】上記の実施形態では、キュービットに置数する情報を励起状態か基底状態かの2情報としたが、α
    πパルス(αは任意の実数)を照射することにより、基底状態から励起状態にわたる任意の重ね合わされた状態としてもよい。 これにより、ディジタル演算だけでなく、アナログ演算を行うことができる。 この場合、最終結果の読み出しにおいては、位相差の大きさを得ることにより、重ね合わせの度合いを得ることができる。

    【0089】次に、レーザ光の照射の有無に拘わらず、
    各キュービット間に量子力学的相互作用がある量子コンピュータについて説明する。 このような量子コンピュータは、キュービット間の量子力学的相互作用によって自動的に演算を進めていく。

    【0090】たとえば、図18に示すように、入り口が1つ、出口が3つある迷路(迷路の詳細は省略している)があるとする。 この迷路の、どの出口が入り口に通じているのか、さらに、どの出口までが距離が一番近いか、を演算するような場合に有効である。

    【0091】迷路の各コーナー、分岐点ごとにキュービットを配置する。 なお、少なくとも、入り口に対応するキュービットA、出口αに対応するキュービットX、出口βに対応するキュービットY、出口γに対応するキュービットZ、その他のキュービット群は、ことなる固有振動数を有するようにしておくことが好ましい。 配置した、各キュービット間を、迷路の距離に反比例する相互作用を持って連結する。 つまり、距離の短いものほど、
    相互作用を大きくする。 なお、迷路上で直接つながっていないコーナー、分岐点同士は、キュービット間に相互作用を持たせない(キュービットAとF参照)。

    【0092】以上のようにして準備した後、全キュービットを冷却して基底状態とする。 次に、入り口に対応するキュービットAのみを励起状態とするよう、レーザ光を照射する。 キュービットAの励起状態は、相互作用により、隣接するキュービットに影響を与え、これを励起状態にする。 これが繰り返されて、励起状態が順次伝達されていく。 また、その伝達速度は、相互作用の大きさに比例する。

    【0093】したがって、出口に対応するキュービットX、Y、Zのうち、どれが一番早く励起状態に変わるかを観察することにより、一番近い出口を知ることができる。 また、励起状態に変わらないキュービットに対応する出口は、入り口につながっていないことを知ることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】この発明の一実施形態によるキュービットの構造を示す図である。

    【図2】照射エネルギーと基底状態、励起状態との関係を示す図である。

    【図3】この発明の一実施形態による量子演算器の構成を示す図である。

    【図4】図3の量子演算器のブロック図である。

    【図5】キュービットの連結例を示す図である。

    【図6】コントロールト゛ノットを記号化して示す図である。

    【図7】コントロールドノットの真理値表である。

    【図8】コントロールト゛・コントロールド・ノットを記号化して示す図である。

    【図9】コントロールド・コントロールド・ノットの真理値表である。

    【図10】半加算器を記号化して示す図である。

    【図11】図5Cに示すキュービットによって、図10
    の半加算器を実現するためのレーザ光の照射処理を示す図である。

    【図12】図11に示す各レーザ光の照射に対応して、
    キュービットの状態変化を示す図である。

    【図13】4つのキュービットが互いに相互作用を有して連結されている場合を示す図である。

    【図14】図13のような構成を得るための、キュービットの構造の一例を示す図である。

    【図15】全加算器を記号化して示す図である。

    【図16】図15の全加算器を連結して構成した演算器である。

    【図17】図16の演算器の動作過程を示す図である。

    【図18】1つの入口と3つの出口のある迷路を示す図である。

    【図19】図18の迷路の解を得るために構成したキュービットを示す図である。

    【図20】キュービット間の量子力学的相互作用の選択を説明するための図である。

    【図21】従来のイオントラップ型の量子演算器を示す図である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 秀実 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 鎌田 賢司 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 太田 浩二 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内

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