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Quantum computing unit and quantum cryptographic device

阅读:312发布:2021-03-12

专利汇可以提供Quantum computing unit and quantum cryptographic device专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a quantum computing unit capable of actually computing quantum which is heretofore a mathematical model, shortening the time for calculation, lessening energy consumption and discriminating the quantum from noises. SOLUTION: This quantum computing unit has a single photon forming section 1, an arithmetic section 3, a result detecting section 4 and a deciding section 8. Single photon 5 and an emission signal 7 accompanying the emission of the photon are generated from this single photon forming section 1. The signal is distributed by control from outside in this arithmetic section 3. Whether the photon is outputted from the arithmetic section 3 or not is detected in the result detecting section 4. The signal from the result detecting section 4 and the emission signal from the single photon forming section 1 are collated and processed in the deciding section 8.,下面是Quantum computing unit and quantum cryptographic device专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 単一光子と光子の射出にともなう射出信号とを発生する単一光子生成部と、前記単一光子を複数の経路に分配し、外部からの制御により分配された単一光子を制御する演算部と、前記演算部から光子が出力されるかどうかを検出する結果検出部と、前記結果検出部からの信号と前記単一光子生成部からの射出信号とを処理する判定部とを備えた量子演算装置。
  • 【請求項2】 前記判定部が、前記単一光子生成部からの光子射出にともなう射出信号と前記結果検出部からの信号との同時計数を行うことを特徴とする量子演算装置。
  • 【請求項3】 2光子をほぼ同時に生成する光源と、光源からの光の方向を選択するスリットと、2光子の内一方を検出して射出信号を発生する検出器とを備えることを特徴とする単一光子生成装置。
  • 【請求項4】 ポンプ光源と、ポンプ光源からの光が入射すると、1対のパラメトリック蛍光光子対を発生する非線形結晶と、非線形結晶からのパラメトリック蛍光の波長を選択する波長選択部と、波長選択されたパラメトリック蛍光の光子対のうちの一方を検出して射出信号を発生する検出器とを備えることを特徴とする単一光子生成装置。
  • 【請求項5】 前記単一光子生成部として請求項3記載の単一光子生成装置を用いることを特徴とする請求項1
    記載の量子演算装置。
  • 【請求項6】 前記演算部において、1つまたは複数のビームスプリッタおよびミラーを備え、単一光子をそれぞれ互いに独立した位置の複数の経路に導くことを特徴とする請求項第1項記載の量子演算装置。
  • 【請求項7】 前記演算部において、単一光子を連続した複数の経路に導くことを特徴としする請求項第1項記載の量子演算装置。
  • 【請求項8】 前記演算部において、分配された光子の偏光を制御する偏光制御素子と光子の偏光によって光子の位相を制御する位相制御素子とを備えることを特徴とする請求項第1項記載の量子演算装置
  • 【請求項9】 前記偏光制御素子として、電気光学効果素子を用いることを特徴とする請求項第8項記載の量子演算装置。
  • 【請求項10】 前記演算部において、分配された単一光子の偏光を外部からの制御により回転する偏光制御素子と、偏光状態にしたがい位相を変える位相制御素子と、光子を反射する反射器とを備え、偏光制御素子、位相制御素子を通過した分配された単一光子が、反射器により反射され、再び同じ偏光制御素子を通ることを特徴とする請求項第8項記載の量子演算装置。
  • 【請求項11】 前記演算部において、偏光状態により光子の経路を異ならせる分配器と、偏光制御素子とを備え、偏光状態に従って分かれたそれぞれの経路で別々に偏光を回転させ、再び合流させることにより、偏光を一つの状態に揃える偏光統合装置を備えることを特徴とする請求項第8項記載の量子演算装置。
  • 【請求項12】 前記演算部において、分配された単一光子波動関数の位置についてのフーリエ変換を行う偏光制御素子およびレンズを備えることを特徴とする請求項第1項記載の量子演算装置
  • 【請求項13】 単一光子を射出し、射出にともない信号を発生する単一光子生成部と、外部からの制御により単一光子の偏光を制御し送信する送信部と、送信された単一光子の偏光方向を検出する受信部と、受信部からの信号と、単一光子生成部からの射出信号を受ける同時計数部とを備えることを特徴とする量子暗号装置。
  • 【請求項14】 請求項13項における単一光子生成部として、請求項3記載の単一光子生成装置を備えることを特徴とする量子暗号装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】この発明は、量子演算装置および量子暗号装置に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】量子演算装置は、複数の状態の重ね合わさった波動関数を用い、その複数の状態ごとに波動関数を、外部の入関数に応じて制御することにより、その波動関数によって表されている量子の測定結果から、入力関数についての論理計算を行うものである。

    【0003】これまで数学的なモデルとして研究されてきたが、本発明までは実際に製作可能なものは無かった。 その代表的な数学的モデルとして、Proc.R.Soc.Lon
    d.,A439(1992)pp553、D.Deutsch「Rapid Solution of P
    roblems by Quantum Computation」に示されているものがある。 以下、このモデルについて説明する。

    【0004】演算に用いる波動関数としては、(1)式で示される2つの力学変数をもつものを考える。 すなわち |φ>=|i,j> i=0,...,2N-1, j=0,1 … (1) 入力関数として(2)式で示される、0から2N-1までの2N個のiに対して、0または1の値をとる2Nビット2値関数をf(i)とする。 すなわち f(i)=0,1 i=0,1,...,2N-1 … (2) である。 また、ユニタリー変換として、(3)式で示される次のようなUf,Sを考える。 Uf|i,0> = |i,f(i)> … (3) S|i,a> = (-1) a |i,a>

    【0005】以下、この数学的なモデルの動作を説明する。 まず、状態iについての重ね合わせになっている式(4)で示される波動関数を用意する。

    【0006】

    【数1】

    【0007】この波動関数に対して、式(5)で示されるユニタリー変換Ufを作用させ

    【0008】

    【数2】

    【0009】その後、式(6)で示されるSを作用させる

    【0010】

    【数3】

    【0011】その後、式(7)で示されるUfの逆変換を作用させる。

    【0012】

    【数4】

    【0013】このようにして得られた波動関数|ψ>と、
    元の波動関数|φ>を重ね合わせ、観測を行う。 この観測による、粒子の存在確率Pは式(8)のように表される。

    【0014】

    【数5】

    【0015】上の式の結果から、次のことがわかる。 つまり、一つの量子に対する一回の測定で、もし、粒子を見いだしたならば、存在確率は0ではなく、式から、f
    (i)は、ちょうどN個の0(または1)を含んでいることはない。 また、粒子を見いださなかった場合、存在確率は1ではなく、式から、f(i)は、「全て0または全て1」ではない。 このように、このモデルのような量子演算では、一種の論理演算を、少ない媒体で、高速に行うことができるのである。 量子演算で可能な演算は、このモデルのような簡単な物ばかりではなく、たとえば離散的対数計算や、大きな桁数の因数分解を行えることが、
    現在わかってきている。

    【0016】しかし、これまで実際にこの量子演算が、
    実現されてこなかった理由は、量子演算におけるユニタリー変換を物理的に実現するのが困難であったこと、電子等の量子波を用いた場合、量子演算で用いる重ね合わせ状態を維持することが困難であったこと、および光子を量子波として用いた場合、最終的に観測した信号がノイズであるか有効な結果であるかの判別が困難であったことなどである。

    【0017】一方、同じく量子波を用いた情報通信方法として、量子暗号通信がある。 これは、もし何らかの方法で盗聴が行われた場合、非常に高い確率でそのことを探知することのできる通信方法である。 量子暗号通信について代表的な例として日経サイエンス1992年12
    月号50頁に示された装置を図13によって説明する。
    図13は従来の量子暗号装置の構成図であり、図13において、53は発光ダイオード、54は減衰フィルタ、
    55、56は偏光板、57は検出器、58は入力信号、
    59は選択信号である。

    【0018】つぎに、情報の送受信の方法について説明する。 まず、発光ダイオード53から出た光は、減衰フィルタ54によって減衰され、光強度は光子計数領域まで落とされる。 光子計数領域とは、光の検出器を用いて入射光強度を測定するとき、もはや連続的な出力の強度としては測定されず、その光の周波数に応じた高さのパルスの頻度として測定されるような領域のことである。

    【0019】つぎに、55の偏光板を光子は通過する。
    このとき、送信者は、0または1で表される入力信号に対して、次のどちらかの方法で偏光板55を操作する。
    ここで、偏光板の度は0度から180度で表している。 A:偏光板55を入力値1については0度に、入力値0
    については90度にする。 B:偏光板55を入力値1については45度に、入力値0については135度にする。

    【0020】これらの2つの方法のどちらかを、各ビットごとに無作為に選び、どちらの方法を選んだかを時刻とともに記録しておく。 次に、受信者は、選択信号によって、偏光板56の次のどちらかの状態を、無作為に適宜選択する。 C:0度の状態 D:45度の状態 どちらの状態を選んだかは、時刻とともに記録しておく。 そして、光子を検出した場合には1、検出しなかった場合には0とする。 送信者は、何らかの方法で、どの時刻にAまたはBの方法を用いていたかを受信者に伝える。 受信者は、受信した情報の内、送信者がAを用いていたときにCの方法で検出、またはBの方法を用いていたときにDの方法で検出していたもののみを有効とする。

    【0021】つぎに、盗聴の検出方法について説明する。 送信者は、もとの送信データの一部を受信者に、何らかの方法で伝達する。 受信者は、送られてきたもとのデータの一部と、上記の手順によって有効としたデータとで、対応する部分を比較する。 もし、比較した結果違いが見つかれば、それは、何らかの盗聴者がいたことを示している。 というのは、盗聴者は、盗聴時に、CまたはDのどちらかの方向についての偏光方向を測定する。
    その場合、たとえば送信者がAの方法で0を送信した場合、Dの方法で偏光を検出する場合が、確率0.5で存在する。 この場合、盗聴者による測定の影響で、送信者がAの状態で、0を送ったのか、1を送ったのかはわからなくなる。 このため、受信者が送信者と対応する方法、つまり、送信者がAを用いていたときにCの方法で検出、またはBの方法を用いていたときにDの方法で検出していたものでも、送信者の送った値と受信者の受け取った値が異なってしまう。 この異なる確率は0.5である。 つまり、盗聴者がどのような方法で盗聴を試みても、1つの光子に対する測定ごとに、0.25の確率で盗聴がばれてしまう。

    【0022】

    【発明が解決しようとする課題】量子演算の考え方は、
    以上説明したように、高速でかつ少ないエネルギーにより演算を可能とするものである。 しかし、量子演算の中で数学的に与えられる量子波に対する演算を、実際の物理系としてどのように実現するかは非常に困難な問題であった。 また、演算部分では量子波に減衰および干渉性の消失が殆ど許されないことも大きな困難であった。 それ以外にも、量子演算の特徴は「ひとつの量子」にたいする「一度の測定」によって、外部入力関数についての論理演算、計算が行えることが特徴であるが、測定した結果が、はたしてノイズであるのかそれとも演算部を通ってきた量子波を測定したのかの区別が困難であった。
    この、ノイズとの区別がつかないことの困難性は、上記量子暗号装置においても存在した。 つまり、送信者と受信者での結果の不一致が、ノイズによるものなのか盗聴者によるものなのかを区別できない。 つまり、これまでの量子暗号装置では、ノイズレベル程度の盗聴に対してはまったく無防備であった。

    【0023】この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、単一光子を複数の経路に分割し、その経路ごとに外部入力に応じて単一光子を制御し、その結果を検出することで、量子演算を行うことを目的とする。 その生成部における光子の射出にともなって射出信号を発し、演算部から得られた結果と射出信号とを照らし合わせることで、検出部での結果をノイズから区別することも目的である。

    【0024】この発明の第2の目的は、小型化の可能な、いつ光子が射出されたかがわかる単一光子を生成することである。

    【0025】この発明の第3の目的は、発生頻度のコントロールが容易な、いつ光子が射出されたかがわかる単一光子を生成することである。

    【0026】この発明の第4の目的は、単一光子生成部における光子の射出にともなって射出信号を発し、演算部から得られた結果と射出信号とを照らし合わすことで、検出部での結果をノイズから区別することである。

    【0027】この発明の第5の目的は、量子演算装置の演算部において、独立した複数の経路へと光子を導き、
    量子演算を行うことである。

    【0028】この発明の第6の目的は、量子演算装置の演算部において、連続した複数の経路へと光子を導き、
    量子演算を行うことである。

    【0029】この発明の第7の目的は、光子の偏光状態を制御し、また光子の偏光状態によって自発的に位相を制御することで、量子演算を行うことである。

    【0030】この発明の第8の目的は、量子演算装置の演算部における光子の偏光状態の制御を、散逸無く、かつ高速に行うことである。

    【0031】この発明の第9の目的は、量子演算装置の演算部における、光子の偏光制御を利用した光子の位相制御を、簡単な構成で行うことである。

    【0032】この発明の第10の目的は、量子演算装置の演算部において、縦偏光と横偏光の重ね合わせ状態である光子の偏光を、散逸無しに、どちらか一方の偏光に揃えることである。

    【0033】この発明の第11の目的は、量子演算装置の演算部において、光子の位置についてのフーリエ変換を行うことである。

    【0034】この発明の第12の目的は、量子暗号装置の演算部において、単一光子生成部における光子の射出にともなって射出信号を発し、受信部から得られた結果と射出信号とを照らし合わすことで、検出部での結果をノイズから区別することである。

    【0035】この発明の第13の目的は、通信に適した量の単一光子を用いた、量子暗号通信装置を得ることである。

    【0036】

    【課題を解決するための手段】この発明に係る第1の量子演算装置は、単一光子を射出し、射出にともない射出信号を発生する単一光子生成部と、単一光子を複数の経路に分配し、外部からの制御により分配された単一信号を制御する演算部と、演算部から光子が出力されるかどうかを検出する結果検出部と、結果検出部からの信号と単一光子生成部からの光子射出にともなう信号を処理する判定部を備えたものである。

    【0037】この発明に係る第1の単一光子生成装置は、2光子をほぼ同時に生成する光源と、光源からの光の方向を選択するスリットと、2光子の内一方を検出して射出信号を発生する検出器とを備えたものである。

    【0038】この発明に係る第2の単一光子生成装置は、ポンプ光源と、ポンプ光源からの光が入射すると1
    対のパラメトリック蛍光光子対を発生する非線形結晶と、非線形結晶からのパラメトリック蛍光の波長を選択する波長選択部と、波長選択されたパラメトリック蛍光の光子対のうちの一方を検出して射出信号を発生する検出器とを備えたものである。

    【0039】この発明に係る第2の量子演算装置は、単一光子生成部として上記第1の単一光子生成装置を備えたものである。

    【0040】この発明に係る第3の量子演算装置は、演算部において、単一光子をそれぞれ互いに独立した位置の複数の経路に導くための、1つまたは複数のビームスプリッタ、およびミラーを備えたものである。

    【0041】この発明に係る第4の量子演算装置は、演算部において、単一光子を連続した複数の経路に導く構成を備えたものである。

    【0042】この発明に係る第5の量子演算装置は、演算部において、分配された光子の偏光を制御する偏光制御素子、光子の偏光によって光子の位相を制御する位相制御装置を備えたものである。

    【0043】この発明に係る第6の量子演算装置は、電気光学効果素子を用いた偏光制御素子を、演算部に備えたものである。

    【0044】この発明に係る第7の量子演算装置は、演算部において、分配された単一光子の偏光を外部からの制御により回転する偏光制御素子と、偏光状態にしたがい位相を変える位相制御素子と、光子を反射する反射器とを備え、偏光制御素子、位相制御素子を通過した分配された単一光子が、反射器により反射され、再び同じ偏光制御素子を通る構成を備えたものである。

    【0045】この発明に係る第8の量子演算装置は、演算部において、偏光状態により光子の経路を異ならせる分配器と、どちらか一方の経路に設けた偏光制御素子、
    ならびにそれぞれの経路を合成するための構成を備えたものである。

    【0046】この発明に係る第9の量子演算装置は、演算部において、分配された単一光子波動関数の位置についてのフーリエ変換を行うレンズを備えたものである。

    【0047】この発明に係る第1の量子暗号装置は、単一光子を射出し、射出にともない信号を発生する単一光子生成部と、外部からの制御により単一光子の偏光を制御送信部と、その単一光子を、ある偏光方向に受信する受信部と、受信部からの信号と、単一光子生成部からの射出信号を受ける同時計数部を備えたものである。

    【0048】この発明に係る第2の量子暗号装置は、単一光子生成部として、前記第1の単一光子生成装置を備えたものである。

    【0049】

    【発明の実施の形態】

    実施の形態1. 図1はこの発明の第1の実施の形態の量子演算装置の構成を示すブロック図である。 図において、1は単一光子生成部、5は生成部1から射出される単一光子、2は外部入力信号、3は入射した単一光子5
    を外部入力2に応じて制御をおこなう演算部、4は演算部3から出力される光子を検出する結果検出部、6は単一光子生成部1からの光子の射出にともなって出る射出信号、7は結果検出部からの結果信号、8は射出信号6
    と結果信号7を受ける判定部である。

    【0050】図2は、この発明の第1の実施の形態に係る単一光子生成装置の構成図であり、図1における単一光子生成部1の構成図である。 図において、9はレーザ、18はレーザからのポンプ光、10はスリット、1
    1は非線形結晶、12は非線形結晶からある一定の角度に置かれるスリット、13はスリットからの光路上に置かれるプリズム、5は射出される単一光子、17はレーザ9からの入射光軸上非線形結晶の後に設置されるミラー、14はミラー17によって反射された光を吸収する吸収材、19は参照光子、15は参照光子を受ける検出器、6は射出信号である。

    【0051】図3は、この発明の第1の実施の形態に係る演算部、結果検出部および判定部の構成を示す図であり、図1における演算部3、結果検出部4および判定部8の構成図である。 図において、5は図1における単一光子生成部1から発射された単一光子、28は単一光子の経路上に置かれ経路を分配するビームスプリッタ、2
    0はミラー、21は単一光子の分配された経路上に置かれ外部からの入力信号に接続する偏光制御素子、22は位相制御素子、23は偏光制御素子、24は光路長調整器、25はミラー、26は検出器、6は図1における単一光子生成部からの射出信号、27は同時係数装置である。

    【0052】次に、実施の形態1の動作を、図1、図2
    および図3を参照しながら説明する。 単一光子生成部1
    において、レーザ9からの出力光は、スリット10によってビーム径を適当な値に調整された後、非線形結晶1
    1へと入射する。 入射した光子は、非線形結晶中で、その結晶に固有の確率で、入射した光の周波数と異なる2
    つの光子へと変換される。 この過程はパラメトリック蛍光過程とよばれ、2つの光子はパラメトリック蛍光と呼ばれる。 パラメトリック蛍光過程によって変換された2
    つの光子の周波数の和は、もとの光子の周波数と等しい性質がある。 また、パラメトリック蛍光の射出方向は、
    蛍光の周波数により異なる。 これは、結晶の屈折率の周波数による違いのためである。 また、これらの2つの光子は、同時に生成され非常に相関が強い。

    【0053】パラメトリック蛍光の強度は、入射光の強度に比例する。 このため、レーザ9の出力を調整することにより、パラメトリック蛍光の強度を光子計数領域まで落とすことが可能である。 光子計数領域とは、光の検出器を用いて入射光強度を測定するとき、もはや連続的な出力の強度としては測定されず、その光の周波数に応じた高さのパルスの頻度として測定されるような領域のことである。 これは、光の量子力学的な性質を表している。

    【0054】パラメトリック蛍光のうち、上記の放出角度の周波数依存性を利用して、スリット12およびプリズム13によって、ある一定周波数の蛍光を選び出すことができる。 このとき、パラメトリック蛍光のもう一つの光子が確実に検出されるように、スリット12およびプリズム13を調整する。

    【0055】この実施の形態のように、単一光子5の波長選択にプリズムおよびスリットを用いた場合、下記実施の形態2で述べるような波長選択フィルタを用いた場合に比べて、任意の波長で、任意の帯域を切り出すことができる利点がある。 以上のように構成することで、パラメトリック蛍光のうちの片方の光子である参照光子1
    9を検出器15で測定することにより、単一光子5がいつ射出されたのかを知ることができる。

    【0056】非線形結晶11としては、KDP、ADP、RD
    A、CDA、LiNbO 3 、LiIO 3 、Ba 2 NaNb 5 O 15 、Ag 3 AsS 3 、AgGaS
    2 、KTP、BBOまたはLBOなどを用いることが可能である。

    【0057】検出器15としては、光子計数領域で用いることのできる検出器、たとえば光電子増倍管、ストリークカメラ、フォトダイオードまたはアバランシェフォトダイオード等を用いることができる。 なかでも、Siアバランシェフォトダイオードは、量子効率が0.9と、既存の検出器では最も大きくノイズの低減に非常に有効である。 Siアバランシェフォトダイオードを用いる場合、
    検出回路としてアクティブクエンチング方式が大きなS
    /N比を得ることができた。

    【0058】この実施の形態では、スリット12とプリズム13を調整し、単一光子5の周波数と参照光子19
    の周波数を等しくした。 このことにより、図1における単一光子生成部における参照光子19の検出器15、および結果検出部での光子検出器の特性を等しくすることができ回路構成が簡単になった。

    【0059】また、Siアバランシェフォトダイオードは、光の波長0.7μm付近に最も高い量子効率を持つため、この実施の形態ではレーザ9としてアルゴンイオンレーザの0.351μm単一周波数CWレーザを用いた。 また、非線形結晶としては、KDPを用いた。

    【0060】吸収材には、レーザの周波数は良く吸収し、単一光子として用いる周波数の光を散乱しにくいものを用いた。

    【0061】生成された単一光子は、演算部3へと入射する。 演算部3では、ビームスプリッタ28およびミラー20によって、単一光子5の通り得る経路は複数の経路に分けられる。 このとき、単一光子5は、量子力学的な効果によりどの経路を通るのかを観測されない限りは、全ての経路を同時に通る。 この実施の形態では、光子は初期状態を表す一つの経路16と、演算に利用される4つの経路に分けられる。

    【0062】演算に利用する経路では、その各々の経路で、入力信号に応じて、偏光制御素子21によって偏光が90度回転される。 すなわち、入力信号が0であれば偏光は回転されず、1であれば90度偏光が回転される。 この実施の形態では、演算部の経路数は4であり、
    入力信号のビット数も4である。 偏光の操作を受けた後、位相制御素子22では、その偏光方向に応じて位相が操作される。 この実施の形態では、偏光方向が縦の場合と横の場合で、光路差に半波長分のズレがでるため、
    位相が反転される。 そのあと、偏光制御素子23では、
    ふたたび偏光が、単一光子5と同じ状態に戻される。

    【0063】この実施の形態では、偏光制御素子21および偏光制御素子23として、適当な角度に設置され、
    偏光を90度回転させるだけの電圧で適時制御された電気光学効果素子を用いた。 また、位相制御素子22には2分の1波長板を用いた。

    【0064】光路長調整器24は、各光路の長さを等しくするものである。 これは、単一光子生成部で生成される光子の一次干渉長が有限であるため、各光路の長さの差を、その一次干渉長にくらべて充分に小さくする必要があるからである。

    【0065】ミラー25では、演算に用いられた4つの経路と、光子の初期状態を表す1つの経路が合成される。 合成された単一光子波動関数が、検出器26によって検出される。

    【0066】検出器26には、光電子増倍管、フォトダイオードまたはCCD等の光子計数領域で用いることの可能な検出器を用いることができる。 この実施の形態では、光子検出部6と同じ、Siアバランシェフォトダイオードにアクティブクエンチング回路を組み合わせたものを検出器23として用いた。 これは、量子効率が0.9と大きいため、S/N比を大きくすることができるからである。

    【0067】検出された結果の信号は、図1の単一光子生成部1からの射出信号6とともに、同時計数装置27
    に入力される。 同時計数装置では、射出信号6と検出器26からの信号のうち、非線形結晶11における同一のパラメトリック蛍光過程に由来すると考えられるものだけが出力信号とみなされる。 従って、演算光子の起源を特定でき、背景光の混入を確実に阻止できてS/N比を著しく高めることができる。

    【0068】つぎに、この実施の形態の装置の入力信号に対する演算動作について説明する。 まず、単一光子生成部から射出された単一光子5の偏光は0度とする。 最初のビームスプリッタ28とミラー20によって、単一光子5は分けられる。 「分けられる」というのは、それぞれの経路を通る重ね合わせ状態になるということである。

    【0069】その後、一方の経路はさらに4つの経路へと分かれる。 分かれた後の単一光子波動関数は式(9)
    のように書くことができる。

    【0070】

    【数6】

    【0071】上式中、外部入力により制御を行なうのは第2項の重ね合わせ状態に対してである。 まず、各経路に対応するビットが1か0かによって、次のような操作を、分配された単一光子波動関数に加える。 この実施の形態では、外部入力関数は4ビットの2値関数である。 ・ 0ならば、その経路の偏光は操作しない。 ・ 1ならば、その経路の偏光は、90度回転させる。 つぎに、分配された単一光子波動関数は、位相制御素子22で、次のような制御を受ける。 ・ 偏光が0度であれば、位相は変化しない。 ・ 偏光が90度であれば、位相は反転する。 つぎに、偏光制御素子23によって、偏光はもとの0度へと戻される。 以上の操作の結果、式(9)の第2項は、式(10)のように変化する。

    【0072】

    【数7】

    【0073】最後に、ミラー25によって、分配された単一光子波動関数は重ね合わされる。 光路長調整器24
    を適切に調整すると、検出器位置での検出確率は式(1
    1)のような形で表される。

    【0074】

    【数8】

    【0075】検出器26が2つ存在するのは、上記のように単一光子が演算部に入射したとき、どちらかで必ず検出されるようにするためである。 検出結果は、射出信号6と同時計数装置27によって照合される。 この照合によって、入射した単一光子5の検出器26における測定をノイズの検出結果から区別することができる。

    【0076】この実施の形態の装置により行なわれる入力関数f(x)についての論理演算は、式(12)のようなものである。 この装置に入力される4ビットの2値関数を f(x) x=0,1,2,3, f(x)=0 or 1 … (12) とする。 この場合、同時計数装置27での結果は次のように解釈される。 ○射出信号6に対応して、検出器26の一方が光子を検出した場合→f(x)は、2個0、2個1を含むことはない。 ○射出信号6に対応して、もう一方の検出器26が光子を検出した場合→f(x)は、「4個とも0」ではなく、また「4個とも1」ではない。

    【0077】この実施の形態の装置では、このような一種の論理演算を一つの光子を用いて一度の測定で行うことが可能である。 このため、高速でかつ消費エネルギーの小さな計算機を実現できる。 また、量子計算を遂行するのに光子を用いているため、外場との相互作用が特定できるので情報の保存が容易である。 また、本装置では、光子がいつ演算部に向け発射されたかを検出しているため、検出部でのショットノイズから演算結果の信号を識別することが可能である。 このため、より少ない試行回数で確実な演算が可能である。

    【0078】実施の形態2. 図4は、この発明の第2の実施の形態に係る単一光子生成装置の構成図で、図1における単一光子生成部1の他の例を示す構成図である。
    図において、9はレーザ、29はレーザ光路上に置かれる減衰フィルタ、10はスリット、11は非線形結晶、
    5は単一光子、12はスリット、30は波長選択フィルタ、17は非線形結晶を通過したレーザ光路上に置かれるミラー、14は吸収材、19は参照光子、15は検出器である。

    【0079】図4に従って動作を説明する。 まず、レーザ9からの光は、非線形結晶でのパラメトリック蛍光強度が光子計数領域になるように、減衰フィルタ29によって減衰される。 減衰された光は、スリット10によって適当なビーム径に絞られた後非線形結晶11に入射する。 この実施の形態では、レーザ光強度を減衰フィルタを用いて制御するため、出力の変更が困難なレーザ9に対して有効である。 非線形結晶でのパラメトリック蛍光は、スリット12と波長選択フィルタ30によって、適当な波長の単一光子が選択されて射出される。 そのとき、波長選択フィルタ30を単一光子5側と参照光子1
    9側で適当に組み合わせて、単一光子が射出された場合必ず参照光子が検出器15に入射するように調整する。
    この実施の形態のように、波長選択フィルタを用いて単一光子を生成した場合、プリズムを利用した場合に比べ、単一光子の波長選択が容易である。 なお、その他の例として、実施の形態2のような波長選択フィルタと実施の形態1のようなプリズムとスリットとを適宜組み合わせた単一光子生成部を構成することができる。

    【0080】実施の形態3. 図5は、この発明の第3の実施の形態に係る単一光子生成装置の構成図で、図1における単一光子生成部1の他の例を示す構成図である。
    図において、31は光源、12はスリット、5は単一光子、19は参照光子、15は検出器、32は波長選択フィルタ、6は射出信号である。 光源31としては、カルシウムイオンなどの高速なカスケード緩和過程をもつ物質を用いる。 カスケード緩和とは、第1の緩和に引き続いて第2の緩和がおこる過程である。 このため、第一の光子放出に引き続いて、その光子と相関の大きな第2の光子の放出が起こる。 カルシウムイオンでは、相関が充分大きくそれらの光子は運動量保存則の影響で正反対方向に射出されることが知られている。 カスケード緩和過程によって放出される2光子の内1つの光子は、スリットおよび波長選択フィルタを通じて単一光子として射出される。 そのとき、光源においてほぼ同時刻に逆方向射出される参照光子19を検出器15において検出することにより、いつ単一光子5が射出されたのかを知ることができる。

    【0081】実施の形態4. 図6は、この発明の第4の実施の形態に係る演算部の構成図で、図1における演算部3の他の例を示す構成図であり、図中61はある指定した時間だけ光を反射し、その他の場合は光を反射しないスイッチングミラー、60は光子波束時間分割装置である。 スイッチングミラー61は、縦偏光は透過し、横偏光は反射する偏光依存性のビームスプリッタに、偏光をある一定時間回転させる偏光制御素子を組み合わせることで実現できる。 また、光子波束時間分割装置60
    は、ある時間範囲に局在している光子波束を、ある一定の時間おきのいくつかの波束へと分ける装置である。 この実施の形態では1光子波束は光子波束時間分割装置6
    0を通過することによって、時間間隔τおきに、離れた4つの波束へと分割される。 この装置は、時間的に制御可能な光共振器、またはビームスプリッタと光学遅延器の組合せ等により実現できる。 実施の形態中の光路長調整装置24は、それぞれの経路の光路差が時間にして丁度τおきになり、かつ参照光路の時間に関して4つに分割された光子波束のそれぞれと、ほぼ同時に検出器26
    の直前のビームスプリッタ28に達するように調整する。 また、スイッチングミラー61は、スイッチングミラー61が設置されている演算部の分割された経路の光子波束が通過する時間光を反射し、それ以外は光を反射しないように制御する。 これは、メカニカルにもしくは電気光学素子と偏光依存性ビームスプリッタを組み合わせること等により実現できる。

    【0082】この実施の形態では、同時計数において同時とみなす時間幅は、時間的に分割された後の全体としての光子の時間的な広がりより長くしておく必要がある。 この実施の形態のように構成することにより、検出器の直前のビームスプリッタ28への入射する光軸をすべて同じ軸に載せることができるため、実施の形態1の装置に比べて干渉時の波面の違いが少なくできるため、
    干渉性が向上し、装置を小型化でき、さらに精度の良い演算を実現できる。 また、光軸を同一にしながら調整が可能なため、演算部の組立が容易になる。

    【0083】実施の形態5. 実施の形態1において、図3の偏光制御素子21に電気光学素子を用いた代わりに、他の方法を用いた場合を示す。 図7は、この発明の第5の実施の形態に係る偏光制御素子の構成図で、図3
    における偏光制御素子の他の例を示す構成図である。 図中、34は単一光子の分配された波動関数、21はファラデー効果を用いた偏光制御素子、22は位相制御素子、23はファラデー効果を用いた偏光制御素子である。 単一光子の分配された波動関数について説明する。
    単一光子が分配された経路を通る場合に、それぞれある振幅を持った波動関数として各経路を伝搬する。 単一光子の分配された波動関数34とは、たとえば図3におけるビームスプリッタ28やミラー20によって分配された経路における単一光子波動関数のことである。

    【0084】ファラデー効果は、磁場内の透明物質が旋光性を表す現象で、偏光の回転角度は式(13)により表される。 θ=VHL … (13) ここで、Hは磁場、Lは物質中の通過距離、Vはヴェルデ定数である。

    【0085】この実施の形態の動作を説明する。 偏光制御素子21、23には、入力信号2によって制御可能な磁場がかけられている。 その磁場は、コイル等によって形成される。 この実施の形態では、外部入力が1の時にはちょうど偏光を90度回転させるだけの磁場がかかり、外部入力が0の時には、磁場がかからないようになっている。 単一光子の分配された波動関数34は、上記偏光制御素子21において、外部入力に応じた偏光の操作を受けた後、位相制御素子22において、その偏光状態に応じた位相の変化を受ける。 その後、同じくファラデー効果を用いた偏光制御素子23で、単一光子の分配された波動関数34と同じ偏光に戻される。 この実施の形態では、偏光制御素子にファラデー効果を用いることにより、光子の通過する媒質の選択の自由度が高まり、
    量子散逸の小さな材料を用いることが可能になる。 また、ファラデー効果以外にも、音響光学素子や液晶を用いた偏光コントローラ等を偏光制御素子に用いることも可能である。

    【0086】実施の形態6. 図8はこの発明の第6の実施の形態に係る演算部での偏光および位相の操作の他の例を示す図であり、図3におけるその他の偏光制御素子の構成図である。 図中、34は単一光子の分配された波動関数、37は経路上に置かれたミラー、35は偏光制御素子、22は位相制御素子、36はプリズムである。
    この実施の形態での偏光制御素子としては、電気光学素子を用いた。 後述するように、ファラデー効果を用いた素子は使用できない。 動作について説明する。 単一光子の分配された波動関数34は、ミラー37によって反射され偏光制御素子35へ入射する。 偏光制御素子では、
    入力信号2が0であれば偏光を回転させず、1であれば90度偏光を回転する。 偏光を操作された単一光子の分配された波動関数は、位相制御素子22によって、偏光方向が0度と90度で、その位相差が180度になる。
    その後、プリズム36によって逆方向へと反射される。
    そして、ふたたび偏光制御素子へと入射する。 35は電気光学効果を用いた素子であるため、右向き入射時に偏光を90度回転させるような状態では、左向きに入射する光子の偏光をー90度回転させる。 このため、この実施の形態の場合、2度目の通過時に、偏光は自動的に、
    もとの単一光子の分配された波動関数と同じ状態に戻る。 ファラデー効果を用いた偏光制御素子では、2回の通過時の偏光回転が同一方向となって加算されるため、
    元に戻すことができない。 この実施の形態では、実施の形態1の図3の構成と比較して、部品点数を少なくすることができ、装置のコストの低下、装置の小型化の効果がある。

    【0087】実施の形態7. 図9はこの発明の第7の実施の形態に係る偏光統合装置の構成を示す。 この偏光統合装置は、演算部3での分配された単一光子波動関数に対する偏光操作を行い、入力される光子波動関数の偏光方向を揃えるものである。 図9において、38は分配された単一光子波動関数、39はウォラストンプリズム、
    40は縦偏光成分、41は横偏光成分、42は偏光制御素子、43はミラー、44は光路長調整器である。 この実施の形態の動作を図9に従って説明する。 分配された波動関数は、偏光が縦成分と横成分の適当な重ね合わせ状態であるとする。 そのとき、ウォラストンプリズムで、縦偏光成分成分40と横偏光成分41は分離される。 横偏光成分は、偏光制御素子42によって縦偏光に回転される。 その後、ミラー43、光路長調整器44を経て縦偏光成分と合わされる。 この実施の形態では、偏光が縦成分と横成分の適当な重ね合わせ状態で表されている分配された波動関数を、減衰無く、縦偏光へと変換することができる。 また、演算部での制御によって、分配された単一光子波動関数が、縦偏光と横偏光が混在している状態として得られた場合、強度のみを検知する検出器を用いると、縦偏光、横偏光それぞれに対して干渉部を設け、参照光との干渉をさせる必要があるが、本装置を用いると、混在する偏光方向を1つに揃えることができるので1つの干渉部だけを用いて演算部を構成することができる。

    【0088】実施の形態8. 図10は、この発明の第8
    の実施の形態に係る演算部の構成図で、図1における演算部3の他の例を示す構成図であり、単一光子の経路を連続的に変化するようにしたものである。 図において、
    5は単一光子、28は単一光子経路上に置かれたビームスプリッタ、20はミラー、24は光路長調整器、45
    は凹レンズ、46は凸レンズ、21は偏光制御素子、2
    2は位相制御素子、33はビームスプリッタ、26は検出器である。

    【0089】この実施の形態の動作を図10において説明する。 入射した単一光子5は、ビームスプリッタ28
    において、一つの参照用経路16と、一つの演算用経路に分けられる。 演算用経路では、単一光子は光路長調整器で、参照用経路16との光路差の調整を受ける。 そのあと、凹レンズ45および凸レンズ46によって、連続的な複数の経路へと単一光子波動関数は分配される。 分配された波動関数は、その位置に応じて、偏光制御素子21によって外部からの入力により、偏光を操作される。 すなわち、外部入力2値関数がf(x,y)で表されるとき、偏光制御素子の位置(x,y)において、f(x,y)が1であれば偏光が90度回転され、0であれば偏光は操作を受けない。 その後、位相制御素子において、その各位置での偏光状態の違いに応じて、位相が制御される。 次に、偏光制御素子22で再び単一光子5と同じ偏光に戻され、凸レンズ47および凹レンズ48によって、一つの経路へと合成される。 以上のようにして、入力信号2
    によって制御を受けた、分配された単一光子波動関数は、参照用経路を経た分配された波動関数と重ね合わされ、検出器26によって検出される。

    【0090】単一光子生成部において、非線形光学結晶によって生成された単一光子は、断面にある一定の広がりを持つ経路に分布する。 単一光子の生成される位置は、おもに非線形光学結晶のどの位置でパラメトリック蛍光過程が生じたかによって決まるが、「どの位置で蛍光過程が生じたか」は特定できず、それらの重ね合わせ状態になっている。 そのため、結局、単一光子は経路の断面の位置について、重ね合わせ状態になっている。 単一光子波束は、レンズによって、その位置についての分布の拡大に相当する操作を受ける。 このため、レンズによって広げられた後、任意の広がりの位置についての連続的な重ね合わせ状態を実現することができる。

    【0091】この実施の形態では、連続的な経路へと単一光子を分配するため、多ビットの入力関数に対応することが可能である。 また、一次元の外部入力関数に対しては、凹レンズ45、凸レンズ46、凸レンズ47、凹レンズ48の各々をシリンドリカルレンズで構成すればよい。

    【0092】実施の形態9. 実施の形態8を変形することで、演算部3において、フーリエ変換に相当する操作が可能である。 図11はこの発明の第9の実施の形態に係る演算部の構成図で、図1における演算部3の他の例を示す構成図である。 ここで38は単一光子の分配された波動関数、45は凹レンズ、46は凸レンズ、21は偏光制御素子、47は凸レンズ、48は凸レンズである。

    【0093】この実施の形態の動作を図11に従って説明する。 図11の演算用の経路において、凹レンズ45
    および凸レンズ46によって、連続的な複数の経路に単一光子波動関数は分配される。 分配された単一光子波動関数は、偏光制御素子21によって外部入力関数F(x,y)
    に応じた偏光の分布をもつ。 その後、レンズ47、レンズ48によって、空間的なフーリエ変換が行われる。 行われた後は、各位置において、縦偏光と横偏光の重ね合わせ状態になっている。 この状態は、実施の形態7のような偏光統合装置を用いることで、それぞれの偏光ごとに分離したり、また再び偏光状態を揃えることが可能である。

    【0094】実施の形態10. 図12はこの発明の第1
    0の実施の形態の量子暗号装置の構成図であり、図において、1は単一光子生成部、2は入力信号、5は単一光子、6は射出信号、49は送信部、50は受信部、52
    は同時計数部であるこの実施の形態の動作を、図12に従って説明する。 まず、単一光子生成部1から単一光子5が発射される。 いつ発射されたかは、射出信号6によって、同時計数部へと伝えられる。 単一光子5の偏光は、送信部49において入力信号2に従って操作される。 即ち、光子の偏光を、位相を除いて0度から180
    度で表わすとき A:入力値1については偏光を0度に、入力値0については、偏光を90度にする。 B:入力値1については偏光を45度に、入力値0については、偏光を135度にする。 これらの2つの方法のどちらかを、外部入力の各ビットごとに無作為に選び、どちらの方法を選んだかを時刻とともに記録しておく。 偏光を回転させる方法としては、
    電気光学素子、ファラデー効果素子および液晶素子などを用いることが出来る。

    【0095】次に、受信部50において、受信者は、偏光板を次のどちらかの方向について、無作為に適宜選択する。 C:0度の状態 D:45度の状態 なお、偏光板を用いる代わりに、ウォラストンプリズムを、用いて偏光状態に応じて光子の経路が異なるようにし、それぞれの経路に検出器を設置してもよい。 C、D
    どちらの状態を選んだかは、時刻とともに記録しておく。 光子を検出したかどうかは、受信部50から同時計数部52へと入力される。 同時計数部では、射出信号6
    と受信部50との信号を比較し、受信部50からの出力が、単一光子生成部から射出された光子によるものか、
    それともノイズであるかを判定する。 単一光子生成部から射出された光子を検出した場合には1、検出しなかった場合には0とする。 送信者は、何らかの方法で、どの時刻にAまたはBの方法を用いていたかを受信者に伝える。 受信者は、受信した情報の内、送信者がAを用いていたときにCの方法で検出またはBの方法を用いていたときにDの方法で検出していたもののみを有効とする。

    【0096】実施の形態11. 実施の形態10における単一光子生成部に、実施の形態1の図2または実施の形態2の図4に記載した単一光子生成装置を用いることが出来る。 この場合、レーザ光強度を変化させる、減衰フィルタの減衰率を調整すること等により、容易に、入力信号のビット数に応じた程度の光子を容易に生成することが出来る。 また、量子暗号装置では、光子の単色性は必要でないため、レーザにくり返し回数の高い短パルスレーザを用い、図2におけるスリット12やプリズム1
    3による波長選択性を弱めることもできる。 これにより、高密度の量子暗号通信が可能になる。

    【0097】

    【発明の効果】この発明の第1の量子演算装置によれば、単一光子を射出し、射出にともない信号を発生する単一光子生成部と、単一光子を複数の経路に分配し、外部からの制御により分配された単一信号を制御する演算部と、演算部から光子が出力されるかどうかを検出する結果検出部と、結果検出部からの信号と単一光子生成部からの光子射出にともなう信号を受ける判定部を設けたことにより、数学的モデルであった量子演算を実際に可能にし、計算時間を短縮し、また単一光子により演算が遂行できるため、消費エネルギーを低減する効果がある。 また、単一光子がいつ演算部に入射されたかを知り、それと、結果検出部からの出力を判定することにより、結果検出部の出力が、単一光子生成部からの光子によるものなのか、またはノイズによるものなのかを区別することができるので検出結果のS/N比を著るしく高めることができる。

    【0098】この発明の第1の単一光子生成装置によれば、2光子をほぼ同時に生成する光源と、光源からの光の方向を選択するスリットと、2光子の内一方を検出する検出器とを備えることにより、いつ単一光子が射出されたのかを信号として出力可能とする効果がある。

    【0099】この発明の第2の単一光子生成装置によれば、ポンプ光源と、ポンプ光源からの光が入射する非線形結晶と、非線形結晶からのパラメトリック蛍光の波長を選択する波長選択部と、波長選択されたパラメトリック蛍光の光子対のうちの一方を検出する検出器とを備えることにより、いつ単一光子が射出されたのかを信号として出力可能とする効果がある。

    【0100】この発明の第2の量子演算装置よれば、前記単一光子生成部として前記第2の単一光子生成装置を用いることにより、波長選択性が大きく、また装置構成が容易となる効果がある。

    【0101】この発明の第3の量子演算装置よれば、前記演算部において、1つまたは複数のビームスプリッタ、およびミラーを備え、単一光子をそれぞれ互いに独立した位置の複数の経路に導くことにより、位置を、波動関数の離散的な力学変数として使用できる効果がある。

    【0102】この発明の第4の量子演算装置によれば、
    前記演算部において、単一光子を連続した複数の経路に導くことにより、単一光子の位置を、波動関数の連続的な力学変数として、または非常に多くの基底状態を持つ離散的な力学変数として使用できる効果がある。

    【0103】この発明の第5の量子演算装置によれば、
    前記演算部において、分配された光子の偏光を制御する偏光制御素子、光子の偏光によって光子の位相を制御する位相制御装置を備えることにより、光子の位置と偏光を用いた、外部入力に対する量子演算を行うことの出来る効果がある。

    【0104】この発明の第6の量子演算装置によれば、
    前記偏光制御素子として、電気光学効果を用いることにより、量子散逸が少なく、また高速な時間応答が可能になる。

    【0105】この発明の第7の量子演算装置によれば、
    前記演算部において、分配された単一光子の偏光を外部からの制御により回転する偏光制御素子と、偏光状態にしたがい位相を変える位相制御素子と、光子を反射する反射器とを備え、偏光制御素子、位相制御素子を通過した分配された単一光子が、反射器により反射され、再び同じ偏光制御素子を通るように構成することによって、
    偏光および位相制御部の部品点数を少なくし、コストを下げ、また小型化できる効果がある。

    【0106】この発明の第8の量子演算装置によれば、
    前記演算部において、偏光状態により光子の経路を異ならせる分配器と、偏光制御素子を備え、偏光状態に従って分かれたそれぞれの経路で、別々に偏光を回転させ、
    再び合流させるように構成することにより、光子の量子散逸なしに、偏光を一つの状態にそろえることが出来る。

    【0107】この発明の第9の量子演算装置によれば、
    前記演算部において、分配された単一光子波動関数の位置についてのフーリエ変換を行うレンズを備えることにより、演算部での演算の一部として、フーリエ変換を行うことが可能である。

    【0108】この発明の第1の量子暗算装置によれば、
    単一光子を射出し、射出にともない信号を発生する単一光子生成部と、外部からの制御により単一光子の偏光を制御送信部と、その単一光子を、ある偏光方向に受信する受信部と、受信部からの信号と、単一光子生成部からの射出信号を受ける同時計数部を備えることにより、S
    /N比が大きく、かつ、盗聴されている場合の発見確率が著しく大きくなる効果がある。

    【0109】この発明の第2の量子暗算装置によれば、
    前記第1の量子暗算装置の単一光子生成部として、前記第2の単一光子生成装置を備えることにより、単一光子の頻度を、入力信号に応じて必要量だけを容易に得ることが出来る。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 この発明の第1の実施の形態の量子演算装置の構成を示すブロック図である。

    【図2】 この発明の第1の実施の形態に係る単一光子生成装置の構成図である。

    【図3】 この発明の第1の実施の形態に係る演算部、
    結果検出部および判定部の構成図である。

    【図4】 この発明の第2の実施の形態に係る単一光子生成装置の構成図である。

    【図5】 この発明の第3の実施の形態に係る単一光子生成装置の構成図である。

    【図6】 この発明の第4の実施の形態に係る演算部の構成図である。

    【図7】 この発明の第5の実施の形態に係る偏光制御素子の構成図である。

    【図8】 この発明の第6の実施の形態に係る演算部での偏光制御素子の構成図である。

    【図9】 この発明の第7の実施の形態に係る偏光統合装置の構成図である。

    【図10】 この発明の第8の実施の形態に係る演算部の構成図である。

    【図11】 この発明の第9の実施の形態に係る演算部の構成図である。

    【図12】 この発明の第10の実施の形態の量子暗号装置の構成図である。

    【図13】 従来の量子暗号装置の構成図である。

    【符号の説明】

    1 単一光子生成部、2 入力信号、3 演算部、4
    結果検出部、5 単一光子、6 射出信号、7 結果信号、8 判定部、9 レーザ、10,12 スリット、
    11 非線形結晶、13 プリズム、14 吸収材、1
    5,26 検出器、17,20,25 ミラー、21,
    23 偏光制御素子、22 位相制御素子、24 光路長調整器、27 同時計数回路、28,33 ビームスプリッタ。

    フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G09C 1/00 660 H04L 9/00 691

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