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All silicon quantum computing element, its manufacturing method and all silicon quantum computer using it

阅读:536发布:2020-10-17

专利汇可以提供All silicon quantum computing element, its manufacturing method and all silicon quantum computer using it专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an all silicon quantum computing element, its manufacturing method and an all silicon quantum computer using it capable of providing a number of qufits much more than a present NMR quantum computer without requiring detection of a single spin or extensive progress of a fine machining technique. SOLUTION: The all silicon quantum computing element is provided with a silicon terrace 6 in a 28 Si isotope wafer not having a nuclear spin, a bridge 3 having an atom chain of linearly grown 29 Si in a step 7 of the terrace 6, a cap layer of 28 Si to be grown, and a ferromagnetic micro magnet (a magnet) deposited in correspondence to the bridge 3. COPYRIGHT: (C)2003,JPO,下面是All silicon quantum computing element, its manufacturing method and all silicon quantum computer using it专利的具体信息内容。

  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 核スピンを持たない 28 Si同位体ウエハ中に、 29 Si核スピンを周期的に配置することを特徴とする全シリコン量子コンピューティング素子。 【請求項2】(a)核スピンを持たない 28 Si同位体ウエハ中にシリコンのテラスと、該テラスの段差に1次元的に成長された 29 Siの原子鎖とを有するブリッジと、
    (b)成長される 28 Siのキャップ層と、(c)前記ブリッジに対応して蒸着される強磁性体のマイクロマグネットとを具備することを特徴とする全シリコン量子コンピューティング素子。 【請求項3】(a)核スピンを持たない 28 Siからなる(−1 −1 2)方向に対して1°傾いた(1 1
    1)基板を用意する工程と、(b)該基板にアニール処理を施す工程と、(c)(1 −1 0)方向に原子レベルで一直線な、テラス構造を作製する工程と、(d)
    28 Siのキャップ層を成長する工程と、(e)上記(a)〜(d)の工程を繰り返すことにより、最終的に10 5個程度の原子鎖を作製する工程とを施すことを特徴とする全シリコン量子コンピューティング素子の製造方法。 【請求項4】 核スピンを持たない 28 Si同位体ウエハ中に、 29 Si核スピンを周期的に配置し、それによって得られる量子ビットを用いることを特徴とする全シリコン量子コンピュータ。 【請求項5】 請求項4記載の全シリコン量子コンピュータにおいて、前記量子ビットの初期化は、光のみを用いた核磁気共鳴と外部からの偏極電子スピン注入を通して実行することを特徴とする全シリコン量子コンピュータ。 【請求項6】 請求項4記載の全シリコン量子コンピュータにおいて、量子演算は、RFパルス照射に基づく核磁気共鳴量子コンピューティングのアルゴリズムに基づくことを特徴とする全シリコン量子コンピュータ。 【請求項7】 請求項4記載の全シリコン量子コンピュータにおいて、スピン情報の読み出しは、シリコン超微細カンチレバーを利用した核磁気力プローブ法を用いることを特徴とする全シリコン量子コンピュータ。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンのみから構成される、現実的な量子コンピューティング素子及びその製造方法とそれを用いた全シリコン量子コンピュータに関するものである。 【0002】 【従来の技術】本発明にかかる参考文献として以下のものを挙げることができる。 【0003】〔参考文献1〕:N. A. Gershen
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    0,19(1992). 量子コンピュータを実現する上での困難は、デコヒーレンスを抑えるために環境からキュビット(qubit)


    を孤立させる必要がある反面、外界との相互作用を通して初期化・ロジック制御・観測を行わなければならないことにある。 【0004】今日まで、もっとも成功している多キュビット・多ゲートの量子計算の実験は「擬純粋」(pse


    udopure)状態を用いた、室温下での溶媒分子の核スピンを用いたNMR量子コンピュータによるものである(参考文献〔1〕)。 【0005】NMRではおよそ10

    18個の分子集団からのアンサンブル平均を測定することにより信号を得るが、この測定によって個々の核スピンの状態はほとんど影響を受けることがない。 このような混合状態に対する操作において、本当に量子もつれ状態(entangl


    ed state)が実現しているかについては議論の余地がある(参考文献〔2〕)が、少なくとも非古典的な時間発展をすることが示されている(参考文献〔3〕)。 【0006】その原理的限界は、初期状態が熱平衡状態であるために、核スピンの分極が極めて小さいことに起因する。 実効的に純粋状態にあるとみなせる核の数、すなわち実効的な信号・雑音比(SNR)は、キュビットの増加につれて指数的に減少し、その結果、NMR量子コンピュータにおいては10キュビットが限界と考えられている(参考文献〔4〕)。 【0007】低温下で半導体中の核スピン1個を1キュビットとして用いるKaneによる提案(参考文献〔5〕)は、溶媒分子NMRにおけるスケーラビリティの問題を解決するものの、同時に単一核スピン検出という新たな問題を生む。 個々の核スピンが、単独で検出できるほどに電子系と相互作用しつつも十分に長いコヒーレンス時間を保つような構造を作製するには、今後の技術的発展を待たねばならないだろう。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、電子を仲介にした初期化を行いながら、NMR量子コンピュータと同様のアンサンブル平均の測定により個々の核スピンに影響を与えない固体NMR量子コンピュータを提案する。 【0009】デバイスは、シリコンのみからなり、電極や不純物添加を必要としない。 キュビットは核スピン1


    /2を持つ同位体

    29 Siからなる原子鎖(atomic


    chain)であり、多数の原子鎖が、核スピンを持たない同位体

    28 Si中に埋め込まれた構造をしている。


    個々の核スピンは、微細加工された強磁性磁石により生じる巨大な磁場勾配により区別される(参考文献〔6〕)。 【0010】磁場と直交する面内にある同一の共鳴周波数を有する核スピンは10

    5個程度あり、ここからのアンサンブル平均が核磁気プローブ法(MRFM)を利用した読み出しを可能にする(参考文献〔7〕,


    〔8〕)。 【0011】シリコンのみからなる量子コンピュータの利点は数多い。 まず、シリコンの結晶成長および微細加工技術が極めて成熟していることが挙げられる。 例えば磁気共鳴力検出のためのMRFM高感度カンチレバーは、高純度シリコンから作製されている。 【0012】また、シリコンの安定同位体は、3種しかなく、天然シリコン中の組成比は、95.33%が核スピンを持たない

    28 Siもしくは

    30 Siであり、残りの4.67%がキュビットに適した核スピン1/2を有する

    29 Siである。 これらの同位体を分離し、同位体単結晶として成長する技術も確立されつつある(参考文献〔9〕)。 【0013】シリコンが有望である別の要因として、光学励起された、スピン偏極した電子の交差緩和に伴う核スピンの分極が挙げられる(参考文献〔10〕)。 【0014】動的核分極には様々な手法があるが、半導体における光ポンピングでは、超微細相互作用によって核分極を可能にする電子がすぐに正孔と再結合して計算中のデコヒーレンスの原因とはならないという点で優れている。 【0015】本発明は、上記状況に鑑みて、単一スピンの検出も微細加工技術の大幅な進展も必要とすることなく、現在のNMR量子コンピュータよりもはるかに大きい数のキュビットを得ることができる全シリコン量子コンピューティング素子及びその製造方法とそれを用いた全シリコン量子コンピュータを提供することを目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、 〔1〕全シリコン量子コンピューティング素子であって、核スピンを持たない

    28 Si同位体ウエハ中に、

    29


    i核スピンを周期的に配置することを特徴とする。 【0017】〔2〕全シリコン量子コンピューティング素子であって、核スピンを持たない

    28 Si同位体ウエハ中にシリコンのテラスと、このテラスの段差に1次元的に成長された

    29 Siの原子鎖とを有するブリッジと、成長される

    28 Siのキャップ層と、前記ブリッジに対応して蒸着される強磁性体のマイクロマグネットとを具備することを特徴とする。 【0018】〔3〕全シリコン量子コンピューティング素子の製造方法であって、核スピンを持たない

    28 Siからなる、(−1 −1 2)方向に対して1°傾いた(11 1)基板を用意する工程と、この基板にアニール処理を施す工程と、(1−1 0)方向に原子レベルで一直線な、テラス構造を作製する工程と、

    28 Siのキャップ層を成長する工程と、上述の処理を繰り返すことにより最終的に10

    5個程度の原子鎖を作製する工程とを施すことを特徴とする。 【0019】〔4〕全シリコン量子コンピュータであって、核スピンを持たない

    28 Si同位体ウエハ中に、

    29


    i核スピンを周期的に配置し、それによって得られる量子ビットを用いることを特徴とする。 【0020】〔5〕上記〔4〕記載の全シリコン量子コンピュータにおいて、前記量子ビットの初期化は、光のみを用いた核磁気共鳴と外部からの偏極電子スピン注入を通して実行することを特徴とする。 【0021】〔6〕上記〔4〕記載の全シリコン量子コンピュータにおいて、量子演算は、RFパルス照射に基づく核磁気共鳴量子コンピューティングのアルゴリズムに基づくことを特徴とする。 【0022】〔7〕上記〔4〕記載の全シリコン量子コンピュータにおいて、スピン情報の読み出しは、シリコン超微細カンチレバーを利用した核磁気力プローブ法を用いることを特徴とする。 【0023】上記したように、本発明は、核スピンを持たない

    28 Si同位体ウエハ中に、

    29 Si核スピンを周期的に配置する。 これは、電極の作製や無理な不純物添加を全く必要とせず、既存のシリコン・ナノテクノロジー技術で十分対応できる。 シリコンウエハ上にモノリシックに作製されるため、現在のシリコンLSI(古典的コンピュータ)との融合が可能であり、非常に高い展開性を有する。 【0024】量子ビットの初期化は、光のみを用いたN


    MR(核磁気共鳴:NuclearMagnetic


    Resonance)と外部からの偏極電子スピン注入を通して実行する。 量子演算には、すでに7量子ビットまでの成功をおさめたRFパルス照射に基づくNMR量子コンピューティングのアルゴリズムを活用する。 スピン情報の読み出しには、シリコン超微細カンチレバーを利用した核磁気力プローブ法を用いる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。 【0026】図1は本発明の実施例を示す全シリコン量子コンピュータの外観図、図2は図1のA部拡大模式図である。 【0027】図1において、1は強磁性体のマイクロマグネット(磁石)、2はシリコン基板、3はそのシリコン基板2のブリッジ、4はオプティカルファイバー、6


    はシリコンのテラス、7は段差、8はその段差7に1次元的に成長された

    29 Siの原子鎖である。 【0028】ここで、ブリッジ3は、長さl=300μ


    m、幅w=4μm、厚さt=0.25μm、強磁性体のマイクロマグネット(磁石)1は、長さL=400μ


    m、幅W=4μm、高さH=10μmであり、∂B

    Z


    ∂z=1.47T/μmの磁場勾配を生み出し、ブリッジ3内の100μm×0.2μmの領域にわたって一様である。 図2においては、シリコンのテラス6と、その段差7に1次元的に成長された

    29 Siの原子鎖8(黒丸)を示している。 【0029】ここに、全シリコン量子コンピューティング素子の製造工程を図3及び図4を用いて説明する。 【0030】(1)まず、図3(a)に示すように、核スピンを持たない

    28 Si11からなる、(−1 −1


    2)方向に1°傾いた(1 1 1)シリコン基板を用意する。 ここでは、X線解析によって(1 1 1)方向を見出し、そこから1°だけ(−1 −1 2)方向に傾いた方向を設定してから、ダイヤモンド刃などで切り出す。 次に、その面を通常のプロセスによって鏡面研磨する。 出来上がった面は、図3(a)に示すように、


    階段状である。 ただし、そのステップは一直線ではない。 【0031】(2)次に、基板にアニール処理を施す。


    例えば、700℃までゆっくりと熱し、1260℃まで一気に加熱し、10秒待った後、1060℃まで1分間で冷し、そこから3秒以内に850℃まで冷やすようにすると、図3(b)に示すようなステップが2万個真っ直ぐになる(参考文献〔12〕)。 【0032】なお、上記(1)及び(2)は、天然のS


    iの処理としては、上記参考文献〔12〕に開示があり、その手法を本発明では、

    28 Si11に用いるようにしている。 【0033】(3)次いで、図4(a)に示すように、


    上記用意したステップが真っ直ぐの

    28 Si11上に

    29


    i12をふりかけると、それらがステップエッジまで拡散して一直線に並ぶ。 【0034】(4)次に、

    29 Si12を一直線にした後、

    28 Si11でキャップする。 図4(b)はキャップの途中を示し、図4(c)でキャップが完成した状態を示している。 【0035】図5はそのシリコンの原子鎖の模式図であり、結晶構造を反映すると、図5に示すような感じで、


    29 Si12が一直線に並ぶことになる。 【0036】要するに、図1及び図2に戻って概略説明すると、まず、スピンを持たない

    28 Siからなる(−1


    −1 2)方向に対して1°傾いた(1 1 1)シリコン基板2を用意する。 【0037】このようなシリコン基板2に適当なアニール処理を施すことにより、(1 −1 0)方向に原子レベルで一直線な、テラス構造を作製することができる(参考文献〔12〕,〔13〕)。 ここで、テラス6の幅の平均は、15nm程度であり、

    29 Siをステップ・


    フロー成長することにより、テラス6端に原子鎖8が形成される。 その後、

    28 Siのキャップ層を15nm成長し、上述の処理を繰り返すことにより、最終的に10

    5


    個程度の原子鎖8を作製する。 ブリッジ3は現在の微細加工技術で十分に作製可能である。 【0038】さらに、強磁性体のマイクロマグネット(磁石)1はブリッジ3からs=2.1μm離れた位置に蒸着される。 【0039】なお、本発明の上記した作製法に類似の作製法が上記参考文献〔5〕のKane型の量子コンピュータに対しても提案されている(参考文献〔11〕)。 【0040】参考文献〔6〕と同様の計算によれば、マイクロマグネット(磁石)1による磁場勾配は、∂B

    z


    /∂z=1.47T/μmであり、これに加えて一様な静磁場B

    0 〜7Tが印加される。 同一の原子鎖8内にある隣接する

    29 Siのz軸方向の間隔は、a=1.9Åであり、磁場勾配による隣り合うキュビット間の共鳴周波数の差は、Δω=aγ∂B

    z /∂z=2π×2kHzとなる。 【0041】信号を生み出すのは、N=10

    5個の原子鎖が埋め込まれたブリッジ3中央の100μm×0.2


    μm程度の微小領域であり、この領域内では、磁場は十分に一様である。 【0042】初期化には、光ポンピング、アルゴリズム冷却(algorithmic cooling)、擬純粋状態の手法を併用する。 円偏光によって励起されたスピン偏極電子との交差緩和を通じて、核は非平衡のスピン温度へ達し、電子が正孔と再結合した後も、T

    I時間はスピンの分極を維持する。 【0043】T

    Iは極めて長く、参考文献〔10〕では200時間にも達する。 低磁場(〜1G)、77Kでの実験(参考文献〔10,14〕)では、シリコンの間接遷移的な性質に起因する電子スピンの分極率と電子の長い再結合時間のために、核スピン分極は0.1%を越えていない。 高磁場(〜10T)、低温(〜1K)ではより大きな核スピン分極が期待される。 光ポンピングによる物理的な冷却過程の後には、SchulmanとVa


    ziraniによって提案されたアルゴリズム冷却(参考文献〔16〕,〔17〕)を行う。 【0044】この方法では、系全体のエントロピーを、


    その部分系に再配分することにより、部分系のみで高い核分極を実現する。 結果として多くのキュビットが捨てられるものの、最終的に初期化されるキュビットは数千にもなり得る。 エントロピー的な限界までこの手続きを行う必要はなく、十分に大きい核分極が得られれば、擬純粋状態の手法を使えばよい。 【0045】原子鎖8内のi番目とj番目のスピンが相互作用するときの双極子ハミルトニアンは、次式で与えられる(参考文献〔18〕)。 【0046】 【数1】 【0047】ここで、r

    ijは原子間の距離であり、θ

    ij


    は2原子がつくるベクトルと印加磁場のなすである。


    原子鎖8内の最近接原子は正確には、(1 −1 0)


    に平行ではなく、図2に示すようにジグザグでcos

    2


    θ

    i,i+1 =2/3を満たす。 このとき、δω≡δω


    i,i+1 =2π×0.4kHzとなる。 上記式(1)のハミルトニアンによる効果は、選択的πパルスを周期的に、例えばi番目の核スピンの共鳴周波数で与えることにより、見かけ上なくすことができる(参考文献〔2


    0〕)。 2キュビット以上を同時にデカップリングすることも、選択的πパルス系列を適当な大きさのアダマール行列にしたがって加えることで実行できる。 2キュビットのゲートを実行するには、その2つを選択的にリカップリングすればよい(参考文献〔21〕)。 【0048】このようなアダマール・パルス系列は、面内の磁場勾配の不均一性によって生ずる不均一な広がり(inhomogeneous broadenin


    g)を打ち消す働きもする。 【0049】巨大な磁場勾配を、MRFMのために用いることは自然な発想と言えるだろう。 磁場勾配によって生ずる力は、F

    z =M

    z ∂B

    z /∂zで与えられる。 【0050】ここで、M

    zは核スピンによる磁化である。 実験は高真空(<10

    -5 torr)、低温(4K)


    で行われ、ブリッジの振動はオプティカルファイバー4


    と干渉計によって監視される(参考文献〔22〕)。 読み出しは周期的断熱反転(cyclic adiaba


    tic inversion)を用いて行われる。 ω

    i


    の共鳴周波数をもつスピンにB

    x =2B

    1 cos{ω

    i


    t−(Ω/ω

    m t)}のRF磁場を照射する。 ここで、


    ω

    mはブリッジ3の固有振動数に近い変調周波数であり、Ωは周波数振幅である。 ただし、ΩはΔωより十分に小さいとする(参考文献〔8〕)。 i番目の平面の磁化のz成分は、周期的断熱反転の結果として生ずるブリッジの振動の位相から得られる。 【0051】また、MRFMの分解能はブリッジの熱的なゆらぎにより制約を受ける(参考文献〔23〕)。 4


    Kにおける単結晶シリコン・カンチレバーの分解能として、5.6×10

    -18 N/√(Hz)と報告されている(参考文献〔24〕)。 【0052】図1に示される構造をもつブリッジ3の熱雑音は、調和振動子モデルに基づきQ値を10

    4として計算すると、1.2×10

    -17 N/√(Hz)程度と見積もられる(参考文献〔25〕)。 また、このモデルからブリッジ3のばね定数kは0.0042N/m程度、


    固有振動数ω

    c /2πは23kHz程度と計算される。


    信号が検出できるか否かは、計算開始時点での分極pに依存する。 擬純粋状態にある核スピン集団の磁化により生ずる力は、 【0053】 【数2】 【0054】と見積もられる(参考文献〔4〕)。 【0055】したがって、この発明で可能なキュビットの数は、上記式(2)において熱雑音によって打ち消されない最大のnとして求めることによって決定できる。


    この結果は、図6に示されている。 【0056】図6は、本発明の実施例を示すキュビットの数に対する分極(実線)とLT

    2 /t

    c (点線)との特性図であり、縦軸は分極度、横軸はキュビット数を示している。 【0057】この図6から明らかなように、分極pが小さいときには、キュビットの数nを増やして指数的に分極pを増大させる必要があるが、分極pが60%を越えた後はn≒(1+p)/(1−p)でスケールできる。 【0058】この発明におけるデコヒーレンスの原因としては、強磁性体中の磁場のゆらぎと熱電流、シリコン中の常磁性不純物、ブリッジの熱振動、スピン間のデカップルできない相互作用などが挙げられる。 【0059】ここでは、最後の二つの原因がもっとも重要と考え、これらについての見積もりを行った。 機械的振動子の熱雑音統計を用いた計算(参考文献〔23〕)


    によると、ブリッジの熱的ゆらぎによるT

    2は、T

    2

    c


    =kω

    c Qa

    2 /Δω

    2

    B Τ≒25sとなる。 正帰還の安定化を行うことにより、この時間スケールは4桁程度改善されると考えられている。 【0060】デコヒーレンスの原因となる双極子相互作用の1つめは、同一の共鳴周波数をもつコピーの核スピンの間の相互作用である。 原子鎖間の平均的な距離は1


    5nmであるので、デコヒーレンス時間はΤ

    2

    h ≒4π


    (15nm)

    3 /γ

    2 ημ

    0 ≒100sと計算される。


    この既に十分に長い時間スケールは、WAHUHAのようなリカップリング・パルス系列を用いることにより更に長くすることができる(参考文献〔20〕)。 【0061】最も問題となるのは、ある核スピンと別の原子鎖内にある異なった共鳴周波数の核スピンの間の相互作用である。 この相互作用は2つのキュビットが、ロジック・ゲートを行うためにリカップルされているときに起こり、エラーの原因となる。 このエラーを見積もるために、あるキュビットと、aを単位として距離mだけ離れた面内のキュビットとのリカップリングを考える。


    最も強い相互作用は、同一原子鎖内の核スピン間で起こり、その頻度は、δω/m

    3程度である。 それ以外の核スピンの相互作用は、デコヒーレンスに寄与し、 【0062】 【数3】 【0063】と表される。 ここで、T

    2は2次のモーメントの平方根の逆数(参考文献〔20〕)として見積もられており、λ

    iはaを単位としたi番目の細線への距離である。 ゲート時間の目安となるδω/m

    3とT

    2m

    r


    の比が図6に示されている。 このF(m)は距離m離れた面間でロジック・ゲートを行うときのおおよその誤り率を表す。 ゲート誤り率を小さくするには、計算は近傍のキュビット間のみで行い、離れたキュビット間の操作はビット・スワッピングにより行えばよい。 【0064】これにより、原子鎖間の相互作用によるゲート誤り率はF(1)≒10

    -6程度にまで減らすことができる。 【0065】この斜めの相互作用は、コンピュータのクロック・スピードにも影響する。 アダマール・パルス系列によってキュビットがデカップルされているとき、そのパルス系列はt

    c =Ln

    2 /δωの周期を持つ。 ここでnはデカップルされるキュビットの数、L/Δωは1


    回のπパルスに要する時間である。 キュビットの数が増えれば、それだけそれらをデカップルするのに時間がかかる。 しかし、キュビットの数が非常に大きくなると、


    原子鎖内の遠くのキュビット間の相互作用は上記式(1)のr

    3

    ijの因子によって無視できるほど小さくなる。 【0066】この場合には、アダマール・パルス系列はある(最適な)l個のキュビットをデカップルするだけで良く、それによるデコヒーレンス時間はT

    2l

    t δω=


    3 〔1+F

    2 (l)〕

    -1/2となる。 よって、T

    2l

    tとそれ以外の全てのデコヒーレンスの過程からくるT

    2

    0を合わせたT

    2 =(1/T

    2

    0 +1/T

    2l

    t

    -1を考えると、クロック・スピードt

    cに対して最適なlを決定することができる。 実効的なゲート回数となるT

    2 /t

    c


    は、それゆえ、はじめはn

    -2で減少するが、nが最適なlを超えるとそれ以降は減少しなくなる。 この様子が図6に示されている。 【0067】図6によると、十分長いT

    2

    0と十分大きい分極pが得られれば、単一スピンの検出も微細加工技術の大幅な進展も必要とすることなく、現在のNMR量子コンピュータよりもはるかに大きい数のキュビットが得られることがわかる。 【0068】なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。 【0069】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、単一スピンの検出も微細加工技術の大幅な進展も必要とすることなく、現在のNMR量子コンピュータよりもはるかに大きい数のキュビットを得ることができる。 例えば、集積化した本発明の量子コンピュータの理論計算を行ったところ、数100量子ビットまでの拡張性が確認された。 【0070】また、電極の作製や無理な不純物添加を全く必要とせず、既存のシリコン・ナノテクノロジー技術で十分対応できる。 【0071】さらに、シリコンウエハ上にモノリシックに作製されるため、現在のシリコンLSI(古典的コンピュータ)との融合が可能であり、非常に高い展開性を有する。

    【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例を示す全シリコン量子コンピュータの外観図である。 【図2】図1のA部拡大模式図(集積化された磁石とブリッジの構造を示す斜視図)である。 【図3】本発明の全シリコン量子コンピューティング素子の製造工程図(その1)である。 【図4】本発明の全シリコン量子コンピューティング素子の製造工程図(その2)である。 【図5】本発明のシリコンの原子鎖の模式図である。 【図6】本発明の実施例を示すキュビットの数に対する分極(実線)とLT 2 /t c (点線)との特性図である。 【符号の説明】 1 強磁性体のマイクロマグネット(磁石) 2 シリコン基板3 ブリッジ4 オプティカルファイバー6 シリコンのテラス7 段差8 29 Siの原子鎖11 28 Si 12 29 Si

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 タディアス ラッド アメリカ合衆国 カリフォルニア州 マウ ンテンビュー レングストーフアベニュー 39 575S (72)発明者 ジョナサン ゴールドマン アメリカ合衆国 カリフォルニア州 スタ ンフォード バーンズコートアパートメン ト 5D 74 (72)発明者 山口 文子 アメリカ合衆国 カリフォルニア州 パロ アルト モッシャーウェイ 116 (72)発明者 阿部 英介 東京都世田谷区等々力1−28−3

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