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Magnon mediation type solid nmr quantum computer

阅读:463发布:2020-10-18

专利汇可以提供Magnon mediation type solid nmr quantum computer专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a multiple-cubit type quantum computer that can select a cubit, can perform an arbitrary rotary gate operation, can switch a control NOT gate, and does not require any complex decoupling operation in a quantum computer using a solid nuclear magnetic resonance system using a magnetic field gradient.
SOLUTION: The quantum computer using the solid nuclear magnetic resonance system using the magnetic field gradient has a cubit where a nuclear spin I is set to every point of a plurality of lattice points in a low-dimensional magnetic body 1, selects the NMR frequency of electromagnetic waves 7 for performing the arbitrary rotary gate operation to a desired cubit, selects the frequency of microwaves 4 for generating magnon 5 between desired cubits, and then selects the NMR frequency of the electromagnetic waves 7 for performing the control NOT gate operation between desired cubits.
COPYRIGHT: (C)2003,JPO,下面是Magnon mediation type solid nmr quantum computer专利的具体信息内容。

  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 磁場勾配を用いた固体核磁気共鳴システムを用いる量子計算機において、低次元磁性体の複数の格子点毎の原子に核スピンを設定した複数のキュビットを有し、 この複数のキュビットにNMR周波数を選択した電磁波を照射して、所望のキュビットに所望の回転ゲート操作を行い、 上記複数のキュビットに、周波数を選択したマイクロ波を照射して所望のキュビットの組のキュビット間にマグノンを生起し、このマグノンを介して一方のキュビットの核スピンに依存して他方のキュビットの状態を変化させる制御NOTゲート操作を、NMR周波数を選択した電磁波を照射して行うことを特徴とする、マグノン媒介型固体NMR量子計算機。 【請求項2】 前記マイクロ波の周波数は、前記磁場勾配と前記低次元磁性体の量子多体効果とに基づくスピンギャップ・エネルギーに対応することを特徴とする、請求項1に記載のマグノン媒介型固体NMR量子計算機。 【請求項3】 前記相互作用は、Suhl−Nakam
    ura相互作用であることを特徴とする、請求項1に記載のマグノン媒介型固体NMR量子計算機。 【請求項4】 前記低次元磁性体は、1次元反強磁性体であることを特徴とする、請求項1に記載のマグノン媒介型固体NMR量子計算機。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のマグノン媒介型固体NMR量子計算機において、低次元磁性体からなる量子スピン鎖を平行に複数集積したフィルムと核スピンの無い半導体とを交互に多段に積層し、半導体のバンドギャップエネルギーに相当する円偏光を照射して全てのキュビットを初期化することを特徴とする、マグノン媒介型固体NMR量子計算機。 【請求項6】 前記核スピンの無い半導体は、 28 Siであることを特徴とする、請求項5に記載のマグノン媒介型固体NMR量子計算機。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、マグノンを媒介とした新規の動作原理に基づく固体NMR(核磁気共鳴)量子計算機に関する。 【0002】 【従来の技術】量子計算機は、超並列計算が可能なことから、古典計算機が10年かかる因数分解を1秒以内でできると言われている(文献:数理科学(サイエンス社)10(1998)p16参照)。 因数分解の困難さは、現在の通信暗号システムの基本原理となっており、
    この前提が崩れれば「暗号」概念のパラダイムシフトを引き起こすと考えられている。 量子計算機の概念は極めて原理的であり、それ故、量子計算機を実現するためのシステムは種々可能である。 このため、量子計算機の実現は、多くの物質科学分野において主要な研究テーマになっている。 それらのシステムの中でも核スピン・システムは、外系からの独立性が高いこと、及びNMR技術で培われた優れた制御・測定技術が使用できることから最も実現可能性の高いシステムである。 事実、世界最初の量子計算機は溶液NMRシステムによって実現された。 この量子計算機は2−キュビット(量子ビット)ではあるが量子計算を実証した(文献:Phy.Rev.
    Lett. 80,3408(1998)、J. Che
    m. Phys. . 109,1648(1998)参照)。 【0003】しかしながら、実用的な計算を行うためには制御可能キュビットが多い量子計算機、すなわち、多キュビット量子計算機が必要であるが、溶液NMRシステムによる量子計算機は利用できるキュビット数が一つの分子中における異なる核の数によって制限を受けるため、キュビット数を増やすことが困難である。 キュビット数を増やすために、磁場勾配を用いた固体NMRシステムによる量子計算機が提案された(文献:Appl.
    Phys. A68,1(1999)参照)。 磁場勾配を用いた固体NMRシステムは、固体を構成する原子の核スピンをキュビットとし、核スピン間の磁気双極子相互作用を利用したものであり、磁場勾配によるNMR周波数の違いを利用してキュビットの選択を行うものである。 この磁場勾配を用いた固体NMRシステムの提案は、実用上幾つかの欠点を有しているが、多ビット量子計算機を実現するためには極めて魅的なシステムである。 【0004】量子計算には、単キュビット操作である任意の回転ゲートと、キュビット間操作である制御NOT
    ゲートとが必要であることが知られている。 量子計算機を実現する上で極めて重要な課題は、制御NOTゲートの実現方法である。 制御NOTゲートとは、対象とするキュビットの論理状態が、制御キュビットの論理状態に依存して変化するゲートである。 対象及び制御の二つのキュビットがキュビット間の相互作用を通じて互いに結合し上記の状態遷移を起こすことができる量子システムの設計は、量子計算機の設計上極めて重要である(文献:Phys.Rev.A62,22304(200
    0)参照)。 【0005】制御NOTゲートのキュビット間相互作用は、デコヒーレンス時間内の適切な時間内に論理計算が完了するように十分強いことが必要である。 従来の磁場勾配を用いた固体NMRシステムにおいては、キュビット間の相互作用が核スピン間の磁気双極子相互作用であり、磁気双極子相互作用は作用距離が短いので、核スピン同士を格子間隔程度に近づけることが必要である。 核スピン同士を格子間隔程度に近づければ、適切な時間内に論理計算を完了することができる。 【0006】しかしながら同時に、核スピン同士が近い場合には、対象キュビットまたは制御キュビット以外の膨大な数の他の核スピン間との磁気双極子相互作用が発生し、これらの相互作用をデカップリングするために複雑なデカップリング操作が必要になり、多キュビットの場合にはデカップリングが極めて困難になる。 デカップリングとはキュビット間の不必要な相互作用を零にする操作であり、NMRでは、原子核間の双極子相互作用の時間平均を零にするために特殊なNMRパルス系列を印加する。 物質の種類毎に異なった複雑なNMRパルス列を印加する必要がある(文献:R.R.Ernst a
    nd G. Bodenhausen and A. Wo
    kaun,“Principles of Nucle
    ar Magnetic Resonance in
    One and Two Dimensions”In
    ternational Series of Mon
    ographs on Chemistry−14,O
    xford University Press 19
    87,Oxford,Section4.2、C. P.
    Slichter,“Principles of N
    uclear Magnetism”Springer
    Series of Solid−State Sc
    ience,Springer Verlag,198
    9 Berlin,Chapter7−20,邦訳「磁気共鳴の原理」益田義賀訳シュプリンガーフェアラーク東京1998年7−20章、参照)。 【0007】また、制御NOTゲートの操作は必要な時期に必要な時間行うことが要求されるから、必要なときに核スピン同士の相互作用を生じさせ、また、終了させることができるキュビット間相互作用、すなわち、スイッチング可能なキュビット間相互作用が必要である。 従来の磁場勾配を用いた固体NMRシステムでは、このようなスイッチング可能なキュビット間相互作用が提案されていない。 【0008】また、特定のキュビットの任意の回転ゲート、あるいは特定のキュビット間の制御NOTゲートを操作できることが必要であり、このためには、特定のキュビットを選択できることが必要である。 従来の磁場勾配を用いた固体NMRシステムでは、核スピン間隔が格子定数距離であるため、磁場勾配中に配列したキュビット間のNMR周波数の差が極めて小さく選択困難である。 選択可能な磁場勾配は1T/μm以上であり、この磁場勾配を実現することは現状の技術では極めて困難である。 【0009】このように、最も実現性の高い多キュビット量子計算機として磁場勾配を用いた固体核磁気共鳴システムが提案されているが、キュビットを選択できないこと、制御NOTゲートをスイッチングができないこと、また、複雑なデカップリング操作を必要とするR
    J、と言った課題がある。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】上記課題に鑑み本発明は、磁場勾配を用いた固体核磁気共鳴システムを用いる量子計算機において、キュビットを選択して、かつ、スイッチング可能に、任意の回転ゲート操作及び制御NO
    Tゲート操作ができ、また、複雑なデカップリング操作を必要としない多キュビット量子計算機を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のマグノン媒介型固体NMR量子計算機は、
    磁場勾配を用いた固体核磁気共鳴システムを用いる量子計算機において、低次元磁性体の複数の格子点毎の原子に核スピンを設定した複数のキュビットを有し、複数のキュビットにNMR周波数を選択した電磁波を照射して、所望のキュビットに所望の回転ゲート操作を行い、
    複数のキュビットに、周波数を選択したマイクロ波を照射して所望のキュビット間にマグノンを生起し、マグノンを介して所望のキュビット間に核スピン相互作用を励起し、核スピン相互作用により一方のキュビットの核スピンに依存して他方のキュビットの状態を変化させる制御NOTゲート操作を、NMR周波数を選択した電磁波を照射して行うことを特徴とする。 この場合、マイクロ波の周波数は、磁場勾配と低次元磁性体の量子多体効果に基づくスピンギャップ・エネルギーに対応することが好ましい。 また、前記核スピン相互作用はSuhl−N
    akamura相互作用であることを特徴とする。 低次元磁性体は好ましくは1次元反強磁性体である。 【0012】この構成によれば、マグノンを媒介とするSuhl−Nakamura相互作用が長距離相互作用であるからキュビット間隔を大きくすることができる。
    キュビット間隔を大きくすることができるから、磁場勾配中のキュビットのNMR選択が可能になる。 そして、
    キュビットを選択できるから、キュビットを選択して任意の回転ゲートを操作できる。 また、低次元磁性体は、
    好ましくは1次元反強磁性体であるから、量子多体効果によるスピンギャップが発生する物質が存在する。 スピンギャップを有する磁性体に磁場勾配を印加すれば、スピンギャップ・エネルギーに磁場依存性が生じ、照射するマイクロ波の周波数を選択することによって、選択したキュビット間にマグノンを生成できる。 選択したキュビット間にマグノンを生成できるから、選択したキュビット間にマグノンを媒介とするSuhl−Nakamu
    ra相互作用が生じる。 そして、Suhl−Nakam
    ura相互作用によって、選択した2つのキュビットの一方のキュビットの核スピンの状態に依存して、他方のキュビットのNMR周波数が変化するから、NMR周波数を選択した電磁波を照射して制御NOTゲートをスイッチング可能に操作できる。 また、外系からの独立性が高く、デカップリング操作を必要としない。 従って、多キュビット量子計算機を実現することができる。 【0013】さらに、請求項1〜5のいずれかに記載のマグノン媒介型固体NMR量子計算機において、低次元磁性体からなる量子スピン鎖を平行に複数集積したフィルムと核スピンの無い半導体とを交互に多段に積層し、
    半導体のバンドギャップエネルギーに相当する円偏光を照射して全てのキュビットを初期化することを特徴とする。 前記半導体は、好ましくは28 Siである。 【0014】この構成によれば、同一の磁場強度に対応するキュビットが複数存在するので読み出し時のNMR
    信号が大きくなり、キュビットの状態を容易に読み出すことができる。 また、半導体のバンドギャップエネルギーに相当する円偏光、例えば円偏光レーザーを照射するので、円偏光による半導体の励起自由電子が特定の方向にスピン偏極し、このスピン偏極がフィルムの量子スピン鎖の核スピン全てに転写される。 従って、量子計算機の初期化が容易に確実に行える。 また、円偏光の照射を停止すれば、励起自由電子は速やかに価電子帯に緩和し半導体の電子スピンは消滅するので、量子計算に影響を及ぼすことがない。 したがって、本発明によれば、実用的な多キュビット量子計算機を実現することができることになる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。 図1〜図4に基づいて本発明の実施の形態を説明する。 図1は、本発明のマグノン媒介型固体核磁気共鳴量子計算機の動作原理を示す図である。 図1において、1次元方向(x)にのみ電子スピンの交換相互作用を有する1次元反強磁性媒体1、すなわち1−D反強磁性媒体1が、z方向の磁場がx方向に勾配を有する磁場勾配H(x)中に配置されている。 図の黒い帯2は電子系2を表し、○(白丸)及び●(黒丸)は、格子点に存在する反強磁性媒体1の原子3を表す。 ●(黒丸)は、核スピンを設定した原子3を表し、
    上向き矢印は、印加磁場方向の核スピン、−1/2、下向き矢印は印加磁場方向と逆向きの核スピン、1/2を表し、2量子状態キュビットである。 ○(白丸)は核スピンが設定されておらず、キュビットとして機能しない。 図に示した例においては、キュビットは、6格子点毎に配置されている。 図1(b),(c)の5は、下記に説明する特定の周波数のマイクロ波4を照射して生起させるマグノン生起に基づく磁場分布を表している。 【0016】本発明の量子計算機は、キュビット間の相互作用にSuhl−Nakamura相互作用(Ph
    y. Rev. 109(1958)606、Prog. T
    heor. Phys. 20(1958)542、参照)
    を用いる。 Suhl−Nakamura相互作用はマグノン5を介した核スピン間の相互作用である。 相互作用エネルギーE SNは、 E SN =W・I N・I N+1 (1)式である。 Wは、相互作用する核間の距離、マグノン5の密度、マグノン5のエネルギー等によって定まる正の定数であり、I N 、I N+1はそれぞれ、N番目のキュビットのz方向の核スピン・ベクトル、N+1番目のキュビットのz方向の核スピン・ベクトルであり、相互作用エネルギーE SNはz方向の核スピン・ベクトルI NとI
    N+1の積に比例する。 マグノン5は、反強磁性相互作用力によって互いに結びついた電子スピンを集団的に励起したものであり、磁気双極子相互作用に比べ、はるかに遠くまで相互作用が及ぶ。 このため、図に示したように、キュビットが数格子距離離れていても相互作用させることができる。 【0017】図2は、磁場勾配H(x)中の1−D反強磁性媒体1の電子のエネルギー状態を示す図である。 図において縦軸はマグノンの励起エネルギーを表し、横軸は磁場勾配H(x)を表すと共に図1のキュビットの配列方向に対応する。 |00>は基底状態の一重項状態をあらわし横軸と重なっている。 |1−1>、|10>、
    及び|11>は、励起状態である3重項状態のそれぞれを表している。 |>中の初めの数値は合成スピンの大きさを示し、第2の数値はスピンのz成分の大きさを示す。 1−D反強磁性媒体1のマグノン励起エネルギー、
    すなわち、1−D反強磁性媒体1の電子のエネルギー状態は、量子多体効果により、|00>の一重項基底状態と|1−1>、|10>、及び|11>の3重項励起状態を有している。 磁場勾配H(x)中では、図に示すように、励起状態の3重項状態は縮退が解け、磁場勾配H
    (x)に依存したエネルギー状態となる。 基底状態|0
    0>と最低励起状態|1−1>との間のエネルギー差をスピンギャップ6と呼ぶ。 スピンギャップ6は、図に示すように、磁場勾配H(x)に依存する。 スピンギャップ6は量子多体効果によって生じるものであり、種々の一次元反強磁性体で見つかっている(文献:Phy.R
    ev. Lett. 35(1975)744、Phy. L
    ett. 93A,(1983)464)、Phy. Re
    v. Lett. 50(1983)1153参照)。 【0018】本発明の量子計算機はスピンギャップ6に対応する温度よりも十分低温で動作させる。 スピンギャップ6に対応する温度よりも十分低温で動作させるので、1−D反強磁性媒体1は基底状態|00>にあり、
    基底状態|00>は合成スピンが0であるから、マグノン5が励起されずキュビット間の相互作用は生じない。
    この状態は図1(a)に対応する。 また、図1に示したように、本発明の量子計算機はキュビット間の距離が大きいので、磁場勾配H(x)中におかれたキュビット間のNMR周波数の差が大きく、NMR周波数を選択した電磁波7を照射することによって、キュビットを選択できる。 従って、スピンギャップ6に対応する温度よりも十分低温で動作させ、特定のキュビットのNMR周波数に対応する周波数を選択し、NMRの時間、及び強度を制御して、特定のキュビットに任意の回転ゲートを操作することができる。 本発明の任意の回転ゲート操作は、
    上記のように、キュビットを選択でき、スイッチング可能であり、またデカップリング操作を必要とせずに行うことができる。 【0019】図2の太線と○(白丸)は、特定のキュビットNとキュビットN+1間の1−D反強磁性媒体の最低励起状態|1−1>を示す。 ○(白丸)で示した最低励起状態|1−1>と基底状態|00>との間のエネルギー差、すなわちスピンギャップ6に相当するマイクロ波4を照射することにより、1−D反強磁性媒体1は基底状態|00>から最低励起状態|1−1>に遷移し、
    特定のキュビットNとキュビットN+1間の1−D反強磁性媒体1に電子スピンが誘起されてマグノン5が生起される。 このように、特定の周波数のマイクロ波4を照射することによって、特定のキュビット間にのみマグノン5を生起することができる。 【0020】マグノン5の生起に基づく磁場分布は、スピン波に基づく磁場H trと、Suhl−Nakamur
    a相互作用に基づく等価的な磁場H SNとによって定まる。 勾配磁場H(x)の方向を正とすれば、図1(b)
    のように全キュビットの核スピンを正方向に設定した場合には、(1)式からSuhl−Nakamura相互作用エネルギーE SNは正となり、E SNが正となるH
    SN (=E SN /γ、γは核磁気回転比)は負となる。 図1
    (b)に示したマグノン5の形状は、マグノン5の生起に基づく磁場分布を上記のH SN <0を考慮して模式的に示したものである。 【0021】同様に、図1(c)に示すように、Nキュビットの核磁気スピンI Nが下向き(負方向)、N+1
    キュビットの核磁気スピンI N+1が上向き(正方向)の場合には、(1)式からSuhl−Nakamura相互作用エネルギーE SNは負となり、Nキュビットの核磁気スピンI Nが下向き、すなわち負方向であるので、N
    キュビットにおけるH SNは負となる。 N+1キュビットのI N+1が上向き、すなわち正方向であるので、N+1
    キュビットにおけるH SNは正となる。 図1(c)に示したマグノン5の形状は、マグノン5の生起に基づく磁場分布を、NキュビットにおいてH SN <0、N+1キュビットにおいてH SN >0を考慮して模式的に示したものである。 【0022】次に、本発明の制御NOTゲートの操作を説明する。 上記に説明したように、特定の周波数のマイクロ波4を照射することによって、特定のキュビットN
    とN+1間にマグノン5を生起する。 マグノン5を介してキュビットNの核スピンI NとキュビットN+1の核スピンI N+1がSuhl−Nakamura相互作用を行う。 Suhl−Nakamura相互作用により、キュビットN+1の核スピンI N+1は、キュビットNの核スピンI Nが作る磁場、H SNを感じる。 上記に説明したように、キュビットNの核スピンI Nが上向きの状態(正方向)のとき、キュビットN+1の核スピンI N+1
    が感じるH SNは下向き(H SN <0)となり、キュビットNの核スピンI Nが下向きの状態(負方向)のとき、H
    SNは上向き(H SN >0)となる。 これにより、キュビットN+1の核スピンI N+1に働く有効磁場H T (=H
    (x)+H SN +H tr )は、核スピンI Nが上向きの状態のとき小さくなり、核スピンI Nが下向きの状態のとき大きくなり、Suhl−Nakamura相互作用が無い場合のNMR周波数より、それぞれ、負側(低周波側)、正側(高周波側)にずれる。 このNMR周波数のずれを利用すると、キュビットN+1に電磁波7を照射することにより、キュビットNのスピン状態に依存してキュビットN+1の状態を、反転あるいは非反転させることができる。 【0023】図3を用いてさらに詳しく説明する。 図3
    は本発明の制御NOT動作の原理を示す図である。 図3
    (a)は対象キュビットN+1の核スピンI N+1の状態を示し、図3(b),(c),(d)はI N+1にNMR
    を操作することを示す図であり、図3(b),(c),
    (d)の上段は制御キュビットNの核スピンI Nが上向きの場合を示し、下段は制御キュビットNの核スピンI
    Nが下向きの場合を示す。 座標軸は静磁場(H(x)+
    tr )を消去する回転座表系である。 はじめに、図3
    (a)に示す対象キュビットN+1の核スピンI
    N+1に、y−z面内での90°回転に相当する周波数の電磁波7を照射して、z方向(磁場方向)に向いていた核スピンI N+1をx−y面内に倒すと、図3(b)に示すように、核スピンI N+1はx−y面内で歳差運動する。 この際、例えば、図1(b)に示すように、制御キュビットNの核スピンI Nが上向き状態であった場合、
    有効磁場H Tが小さいので、核スピンI N+1の歳差運動は磁場H SNが存在しない場合に比べて遅くなり、負方向(時計回り)に歳差運動する。 逆に、図1(c)に示すように、制御キュビットNの核スピンI Nが下向き状態であった場合、有効磁場H Tが大きいので、核スピンI
    N+1の歳差運動は磁場H SNが存在しない場合に比べて速くなり、核スピンI N+1は正方向(反時計回り)に歳差運動する。 この歳差運動のx−y面内での回転がx−
    y面内でそれぞれプラス90度、マイナス90度になった時に、さらに、図3(c)に示すようにx−z面内で核スピンI N+1を90°回転させる電磁波7を照射すると、結果として図3(d)に示すように、制御キュビットNの核スピンI Nの状態に応じて、対象キュビットN
    +1の核スピンI N+1が上向き、または、下向き状態に変化する。 すなわち、キュビットNを制御キュビットとし、キュビットN+1を対象キュビットとすれば、制御キュビットの状態によって対象キュビットを非反転、または反転させたことになり、すなわち、制御NOT操作ができる。 制御NOT操作終了後、マイクロ波4の照射を停止すると、3重項励起状態電子スピンは1重項基底状態に緩和され、マグノンが消滅し、キュビット間は再び遮断される。 本発明の制御NOTゲート操作は、上記のように、キュビットを選択でき、スイッチング可能であり、また、デカップリング操作を必要とせずに行うことができる。 【0024】ところで、上記の構成によれば、多キュビット量子計算が原理的に可能であるが、1本の量子スピン鎖(1−D反強磁性媒体の原子の核スピンからなる鎖)で実現することは感度の点で困難である。 例えば、
    量子計算結果を読み出す場合には、キュビット毎のNM
    R吸収線の測定を必要とするが、わずか一個の原子の核スピンによる吸収を観測することは、雑音に埋もれてしまい測定困難である。 本発明は、以下に示す構成で上記の課題を解決している。 【0025】図4は、本発明の集積型の固体NMR量子計算機の構成を示す図である。 図において、本発明の集積型固体NMR量子計算機は、上記に説明した量子スピン鎖8を量子スピン鎖8間で相互作用が生じない程度離して互いに平行に配列して形成したフィルム9と、核スピンの無い28 Si単結晶10とを交互に多段に積層して構成する。 同一の磁場強度に対応するキュビットが複数存在するようになるので、読み出し時の信号強度が大きくなり、容易に読み出せるようになる。 さらに、フィルム9をSi単結晶10で挟むことによって、フィルム9
    上の全てのキュビットを初期化することが容易になる。
    すなわち、量子計算を開始する前に、Si10のバンドギャップエネルギーに相当する円偏光、例えば円偏光レーザーを集積型の固体NMR量子計算機全体に照射する。 円偏光によって励起されたSi10の自由電子は円偏光の回転方向に依存した特定の方向のスピン偏極を有し、このスピンが、フィルム9の量子スピン鎖の核スピンに転写される(文献:Phys.Rev.Lett.
    20(1968)491、F. Meierand B.
    P. Zakharchenya ed. “Optica
    l Orientation”,Modern Pro
    blems in Condensed Matter
    Sciences,Elsevier Scienc
    ePublishers,Amsterdam198
    4. 参照)。 円偏光の照射を停止すれば、Si10の自由電子は速やかに価電子帯に緩和し、Si10中のスピンは消滅するので、量子計算中のSi10はいわば「静かな傍観者」となり、量子計算に影響を及ぼすことがない。 このようにして、本発明の集積型の固体NMR量子計算機は、同一の磁場強度に対応するキュビットが複数存在するので、感度を高くすることができ、また、円偏光励起による自由電子スピンの偏極を転写するので、全てのキュビットの全ての核スピンを容易に初期化できる。 【0026】なお、上記説明では、 28 Si単結晶を例にとって説明したが、核磁気スピンを有さない他の半導体であっても良い。 【0027】 【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発明によれば、以下の有利な作用効果を奏する。 キュビット間の相互作用にSuhl−Nakamura相互作用を用いるのでキュビット間の距離を離すことができ、磁場勾配中のキュビット毎に任意の回転ゲート操作ができる。 また、量子多体効果によるスピンギャップを用いて選択的にマグノンを励起するので、特定の制御NOTゲートをスイッチング可能に操作できる。 キュビット間に不用な相互作用が無く、デカップリング操作を必要としないから、量子計算機の実用性が高くなる。 量子スピン鎖を集積したフィルムを用いるので、同一キュビットに対応する核スピンが多数存在するようになり、高感度に読み出しができる。 さらに、円偏光励起による半導体自由電子スピン偏極を転写するから、キュビットの初期化が容易になる。 従って、本発明によれば、実用的な多キュビット量子計算機が実現できる。

    【図面の簡単な説明】 【図1】この発明のマグノン媒介型固体核磁気共鳴量子計算機の動作原理を示す図である。 【図2】磁場勾配中の1−D反強磁性媒体のマグノンの励起エネルギー状態を示す図である。 【図3】本発明の制御NOT動作の原理を示す図である。 【図4】本発明の集積型の固体NMR量子計算機の構成を示す図である。 【符号の説明】 1 1−D反強磁性媒体2 電子系3 原子4 マイクロ波5 マグノン6 スピンギャップ7 電磁波8 量子スピン鎖9 フィルム10 28 Si I,I N ,I N+1核スピンベクトルH(x) 磁場勾配

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清 禎 茨城県つくば市千現一丁目2番1号 独立 行政法人物質・材料研究機構内(72)発明者 端 健二郎 茨城県つくば市千現一丁目2番1号 独立 行政法人物質・材料研究機構内(72)発明者 北澤 英明 茨城県つくば市千現一丁目2番1号 独立 行政法人物質・材料研究機構内

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