【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、リラックス・リフレッシュシステムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、使用者が自分でマッサージ量を調整でき、また背もたれの傾斜角度を調整することができる椅子式のマッサージ機がある。 また音響や映像でリラックス状態に導いた後、リフレッシュ状態に導くシステムがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしこれらのマッサージ機やリフレッシュシステムは使用者のリラックス度合に応じてマーッサージ量を調整したり、背もたれの傾斜角度を自動的に調整したり、或いはリラクス度合に応じた映像を写し出し、また音響を再生するものでなく、
最適なリラックス状態からリフレッシュさせることはできなかった。

【０００４】本発明は上述の問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは使用者をリラックス度合に応じて速やかに最適なリラックス状態に導くとともに、リフレッシュさせることができるリラックス・リフレッシュシステムを提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、請求項１記載の発明は、使用者が座る椅子本体の背もたれに内蔵されたマッサージ機構と、背もたれの傾斜角度を可変するリクライニング機構とからからなるマッサージ機を備えるとともに、使用者の身体に取り付けて脈拍、体温、皮膚電気抵抗等のリラックス状態検知要素を検知するボディセンサと、このボディセンサの検知信号によって判断される使用者のリラックス度合に応じて上記マッサージ機のマッサージ機構及びリクライニング機構を制御し、マッサージ量及び背もたれの角度を可変する制御手段とを備えたものである。

【０００６】請求項２記載の発明は、使用者の顔面に装着されるゴーグル型のディスプレィと、音響再生手段と、使用者の身体に取り付けて脈拍、体温、皮膚電気抵抗等のリラックス状態検知要素を検知するボディセンサと、このボディセンサの検知信号によって判断される使用者のリラックス度合に応じて使用者をリラックス状態やリフレッシュ状態に誘う映像及び音響の信号を生成して、これら映像信号及び音響信号を上記ディスプレイと音響再生手段と再生させる制御手段とを備えたものである。

【０００７】請求項３記載の発明は、使用者が座る椅子本体の背もたれもに内蔵されたマッサージ機構と、背もたれの傾斜角度を可変するリクライニング機構とからなるマッサージ機を備えるとともに、使用者の身体に取り付けて脈拍、体温、皮膚電気抵抗等のリラックス状態検知要素を検知するボディセンサと、使用者の顔面に装着されるゴーグル型のディスプレィと、音響再生手段と、
ボディセンサの検知信号によって判断される使用者のリラックス度合に応じて使用者をリラックス状態やリフレッシュ状態に誘う映像及び音響の信号を生成し、これら映像信号及び音響信号を上記ディスプレイと音響再生手段と再生させる制御手段と、ボディセンサの検知信号によって判断される使用者のリラックス度合に応じて上記マッサージ機のマッサージ機構及びリクライニング機構を制御してマッサージ量及び背もたれの角度を可変する制御手段とを備えたものである。

【０００８】

【作用】而して請求項１記載の発明の構成によれば、使用者のリラックス度合を、ボディセンサにより検知した制御手段はその検知したリラックス度合に応じ、速やかに最適なリラックス状態に導くとともに、リフレッシュさせることができるようにマッサージ量と背もたれの傾斜角度を可変制御することができる。

【０００９】また請求項２記載の発明の構成によれば、
使用者のリラックス度合に応じて映像と音響とによる視聴覚によって使用者を速やかに最適なリラックス状態に導くとともに、リフレッシュさせることができる。 更に請求項３記載の発明の構成によれば、請求項１の発明の作用と請求項２の発明の作用との相乗によって、より使用者を速やかに最適なリラックスな状態に導くとともに、リフレッシュさせることができる。

【００１０】

【実施例】以下本発明を実施例により説明する。 図１は一実施例の全体構成を示しており、マッサージ機１は、
椅子本体１０の背もたれ１１に周知のもみマッサージ機構（図示せず）を内蔵し、背もたれ１１の前面に突出してもみ玉１２、１２の駆動により椅子本体１０に座っている使用者Ｍにマッサージを行なうようになっており、
もみ玉１２、１２は背もたれ１０の高さ方向に移動させて使用者の被施療部位に合わせることができ、またマッサージ量はもみ玉１２、１２の駆動を制御することにより可変できる。 一方背もたれ１１はリクライニング機構（図示せず）によりその傾斜角度を可変できる。 これらリクライニング機構及びマッサージ機構の制御はマッサージ機コントローラ２からの制御信号により行なわれ、
マッサージ機コントローラ２の動作はシステムの全体を制御する制御用コンピュータ３により制御される。

【００１１】制御用コンピュータ３は上記のマッサージ機コントローラ２の制御を行なう場合、使用者Ｍの身体、例えば手首や指に取り付けて脈拍、体温、皮膚電気抵抗等のリラックス状態検知要素を検知するボディセンサ５の検知信号をボディセンサユニット４を通して取り込んで使用者Ｍのリラックス度合を計測し、この計測したリラックス度合に基づいてマッサージ機制御ソフトウェアＰＧ ₁によりマッサージ量及びリクライニング量を求め、この求めた結果により上記マッサージ機コントラーラ２に制御データを与えてマッサージ機構及びリクライニング機構を制御する。

【００１２】また制御用コンピュータ３は上記のマッサージ機の制御を行なう機能以外に疑似体験システムの中枢を為すもので、上記ボディセンサ５のデータによる使用者Ｍのリラックス状態に応じて、使用者を最適なリラックス状態に導くためのストーリに基づいた体験パータンのＣＧ映像信号及び音響信号を生成する機能と、使用者Ｍの頭部に取り付けられる磁気センサ６により検知される頭部の位置と方向との信号を磁気センサユニット７
を通じて取込み、この頭部の位置と方向の検知信号により上記生成するＣＧ映像信号及び音響信号を変化させる機能とを有する。 尚これらの機能の働きはリラックス・
リフレッショ疑似体験用ソフトウェアＰＧ ₂に基づくものである。 また各ユニット７、８、４は制御用コンピュータ３のＩ／Ｏインターフェースを構成するものである。

【００１３】上記体験パターンは上記マッサージ量及びリクライニング量をも含むもので、実施例では表１のような構成となっている。

【００１４】

【表１】

【００１５】上記生成されたＣＧ映像信号及び音響信号はディスプレイユニット８を通じて、ゴーグル型のディスプレイ９に送られるようになっており、使用者Ｍはこのゴーグル型ディスプレイ９を顔面に装着し、ディスプレイ９に映し出されるＣＧ映像と、ディスプレイ９に装着されたスピーカやヘッドホンから再生される音響により自分がＣＧ映像内に実存するような疑似体験感が得られ、この疑似体験感によりリラックス状態に速やかに導かれ、またリフレッシュされることになる。

【００１６】次に本実施例システムの動作を図２に示すフローチャートにより説明する。 まず使用者Ｍがディスプレイ９、磁気センサ６、ボディセンサ５を装着して、
椅子本体１０に座りシステムをスタートさせると、制御用コンピュータ３は先ず体験パターンＡを選択して、宇宙空間を漂うＣＧ映像信号を生成するとともに、クラシック音楽をに対応する音響信号を生成し、この映像信号と音響信号とをディスプレィユニッット８を通じてディスプレィ６に送って再生させる。 使用者ＭはこれらＣＧ
映像と音響とで宇宙空間に自分が漂う気分に誘われる。
そしてマッサージコントーラ２を通じてマッサージ機構に対して首筋を弱く揉む制御信号を与え、且つ背もたれ１１の傾斜角度、つまりリクライニング角度を４５度に設定する制御信号をリクライニング機構に与える。 そのため使用者Ｍは快いマッサージ感覚に浸ることになり、
最適なリラックス状態に入ることになる。

【００１７】つまり体験パータンＡは生体の覚醒度を落とし、リラックス状態にもっていくためのパターンとなっている。 さて本実施例では体験パータンＡの実行中、
例えば皮膚電気抵抗を測定するセンサからなるボディセンサ５より皮膚電気抵抗値を測定しており、制御用コンピュータ３はボディセンサユニット４を通じて取り込んだ皮膚抵抗の微分値Ｒを求め、更にこの微分値Ｒがリラックス度合を規定する閾値Ｒ ₀を超えているか否かのチェックを行い、超えていない場合にはストーリを変更して体験パターンＡの体験時間を延長する。

【００１８】また超えている場合には体験パターンＢに基づくＣＧ映像信号及び音響信号の生成と、マッサージ機１の制御を行なう。 この体験パターンＢはリラックス状態を持続させるためのもので、制御用コンピュータ３
は宇宙で静止し、星が緩やかにまたたくＣＧ映像信号を生成するとともに、断続的な流れ星の音響信号を生成し、またマッサージ機構を止め、また背もたれ１１を９
０度（水平）に傾ける。

【００１９】さて体験パターンＢが終了すると後、制御用コンピュータ３は体験パターンＣに基づくＣＧ映像信号及び音響信号の生成と、マッサージ機１の制御に移行する。 この体験パターンＣはリラックス状態から覚醒させ、生体活動度を向上させるパターンであり、宇宙から地球へ急降下し、大地がぐんぐんと迫ってくるＣＧ映像信号と、耳をつく風の音、ジェットエンジン音等覚醒させる音響信号とを制御用コンピュータ３は生成し、またマッサージ機構を背筋伸ばしと、たたき効果が得られるように制御する。

【００２０】この体験パターンＣの実行中に、制御用コンピュータ３は再びボディセンサユニット４を通じて取り込んだ皮膚抵抗の微分値Ｒを求め、この微分値Ｒがリフレッシュ度合を規定する閾値Ｒｆを超えているか否かのチェックを行い、超えていなければストーリを変えて体験パターンＣの体験時間を延長する。 また超えている場合には体験パターンＤを開始する。 この体験パターンＤは覚醒状態を持続させるためのパターンであって、この体験パターンＤでは制御用コンピュータ３は地球上を高速ジェットコースタで巡回するＣＧ映像信号を生成し、またハードロック音楽に対する音響信号を生成し、
マッサージ機に対しては背中から首筋にかけて強く揉むように制御し、更に背もたれ１１の傾斜角度を０度にする。

【００２１】この体験パターンＤが終了すると、使用者Ｍはリフレッシュされて完全覚醒された状態となる。 使用者Ｍが体験中に頭部を動かすと、その動きに制御用コンピュータ３は生成するＣＧ映像信号を変化させて使用者Ｍの視線方向のＣＧ映像がディスプレイ９に映し出されるようにし、そのため使用者ＭはＣＧ映像の中に存在する気分を味わうことになる。

【００２２】尚図３は体験時の覚醒状態の時間的変化を示す。

【００２３】

【発明の効果】請求項１記載の発明は、使用者が座る椅子本体の背もたれに内蔵されたマッサージ機構と、背もたれの傾斜角度を可変するリクライニング機構とからからなるマッサージ機を備えるとともに、使用者の身体に取り付けて脈拍、体温、皮膚電気抵抗等のリラックス状態検知要素を検知するボディセンサと、このボディセンサの検知信号によって判断される使用者のリラックス度合に応じて上記マッサージ機のマッサージ機構及びリクライニング機構を制御し、マッサージ量及び背もたれの角度を可変する制御手段とを備えたので、使用者のリラックス度合に応じてマッサージ量と背もたれの傾斜角度を可変制御することにより、使用者を速やかに最適なリラックス状態に導き且つリフレッシュさせることができるという効果がある。

【００２４】また請求項２記載の発明は、使用者の顔面に装着されるゴーグル型のディスプレィと、音響再生手段と、使用者の身体に取り付けて脈拍、体温、皮膚電気抵抗等のリラックス状態検知要素を検知するボディセンサと、このボディセンサの検知信号によって判断される使用者のリラックス度合に応じて使用者をリラックス状態やリフレッシュ状態に誘う映像及び音響の信号を生成して、これら映像信号及び音響信号を上記ディスプレイと音響再生手段と再生させる制御手段とを備えているので、使用者のリラックス度合に応じた映像と音響とによる視聴覚によって使用者を速やかにリラックス状態に導くことができ、その結果最適な状態で使用者の心身をリフレッシュすることができるという効果がある。

【００２５】更に請求項３記載の発明は、使用者が座る椅子本体の背もたれもに内蔵されたマッサージ機構と、
背もたれの傾斜角度を可変するリクライニング機構とからなるマッサージ機を備えるとともに、使用者の身体に取り付けて脈拍、体温、皮膚電気抵抗等のリラックス状態検知要素を検知するボディセンサと、使用者の顔面に装着されるゴーグル型のディスプレィと、音響再生手段と、ボディセンサの検知信号によって判断される使用者のリラックス度合に応じて使用者をリラックス状態やリフレッシュ状態に誘う映像及び音響の信号を生成し、これら映像信号及び音響信号を上記ディスプレイと音響再生手段と再生させる制御手段と、ボディセンサの検知信号によって判断される使用者のリラックス度合に応じて上記マッサージ機のマッサージ機構及びリクライニング機構を制御してマッサージ量及び背もたれの角度を可変する制御手段とを備えたので、請求項１の発明の作用と請求項２の発明の作用との相乗によって、より使用者をより速やかにリラックスな状態に導いた後、リフレッシュさせることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す回路構成図である。

【図２】同上の動作説明用フローチャートである。

【図３】同上の覚醒状態の時間的変化を示すグラフでる。

【符号の説明】

１ マッサージ機 ３ 制御用コンピュータ ５ ボディセンサ ９ ディスプレイ １１ 背もたれ