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和物を用いたアルミニウムの製造方法

阅读:656发布:2020-05-08

专利汇可以提供和物を用いたアルミニウムの製造方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】ハロゲン化アルミニウム 水 和物からイオン液体法を利用して、従来よりもエネルギー消費量が少なく、かつ安価にアルミニウムを効率的に電析させることができる新たなアルミニウムの製造方法を提供する。 【解決手段】一般式(1)で表されるイオン液体と、ハロゲン化アルミニウム水和物とを含む混合物から、アルミニウム化合物を合成する工程と、アルミニウム化合物をニトリル系の有機溶媒中に溶解させてアルミニウム電解液を作製する工程と、配位子を加えてアルミニウム電解液中に含まれる水和物から水分子を脱水する工程と、アルミニウム電解液中でアノードとカソード間に通電することによりアルミニウムをカソード上に電析する工程と、を含む、アルミニウムの製造方法。 【選択図】なし,下面是和物を用いたアルミニウムの製造方法专利的具体信息内容。

以下の一般式(1): (式(1)中、 Rf1及びRf2は、互いに独立してCF3又はC4F9であり、 Mは、H、アルカリ金属、第四級アンモニウム又はイミダゾリウムである)で表されるパーフルオロアルキルスルホンイミド型又はパーフルオロアルキルスルホンアミド型のイオン液体と、ハロゲン化アルミニウム和物とを含む混合物から、アルミニウムパーフルオロアルキルスルホニルイミド又はアルミニウムパーフルオロアルキルスルホニルアミド由来のアルミニウム化合物を合成する工程と、 前記アルミニウム化合物をニトリル系の有機溶媒中に溶解させてアルミニウム電解液を作製する工程と、 前記アルミニウム電解液中に、リン化合物及びアミド基を有する有機化合物から選択される少なくとも1種の配位子を加えて、前記アルミニウム電解液中に含まれる水和物から水分子を脱水する工程と、 前記脱水する工程後、前記アルミニウム電解液中でアノードとカソード間に通電することによりアルミニウムをカソード上に電析する工程と、 を含むことを特徴とする、アルミニウムの製造方法。前記脱水する工程において、前記少なくとも1種の配位子を加えたアルミニウム電解液を0℃以上100℃以下で撹拌する、請求項1に記載のアルミニウムの製造方法。前記電析する工程において、参照電極として用いたアルミニウムに対する電極電位が−6.0V以上0V未満の定電位電解、又は電流密度が1μmAcm−2以上10000μmAcm−2以下の定電流電解が行われる、請求項1又は2に記載のアルミニウムの製造方法。前記電析する工程において、電解浴の温度が20℃以上100℃以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルミニウムの製造方法。前記一般式(1)中、Rf1及びRf2がCF3である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアルミニウムの製造方法。前記ハロゲン化アルミニウム水和物が、塩化アルミニウム(III)六水和物である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアルミニウムの製造方法。前記リン化合物が、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィンオキシド及びトリブチルホスフェートからなる群から選択される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアルミニウムの製造方法。前記アミド基を有する有機化合物が、N−フェニルアセトアミド、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドからなる群から選択される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアルミニウムの製造方法。

说明书全文

本発明は和物を用いたアルミニウムの製造方法に関し、詳細には、ハロゲン化アルミニウム水和物からイオン液体法によりアルミニウムを効率的に電析させる新たなアルミニウムの製造方法に関する。

一般に、アルミニウムは、ボーキサイトから酸化アルミニウム(アルミナ)を精製し(バイヤー法)、次いで、アルミナを溶解させて電気分解を行うホール・エルー法により製造される。しかしながら、ホール・エルー法では、非常に高い温度でアルミナの電気分解が行われるため、電気分解に膨大な電を必要とし、製造コストが高い。そのため、アルミニウムの製造の省エネルギー化が望まれている。

アルミニウムを低温、特に室温付近で製造する技術として、電解液を使用する電気めっきが広く知られている。しかしながら、アルミニウムは標準電極電位が水素より著しく卑であるため、通常、電解液として水溶液を使用することはできない。そのため、電解液として、溶融塩、有機溶媒といった非水溶液を用いたイオン液体法によるアルミニウムの電析が行われている。

例えば、特許文献1には、無水ハロゲン化アルミニウム(無水AlCl3等)と、ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物との溶融塩浴を用いたアルミニウムの電気めっき方法が記載されている。また、非特許文献1には、無水AlCl3とビストリフルオロメタンスルホニルイミド(H−TFSI)とからアルミニウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(Al(TFSI)3)を合成し、アセトニトリルと合成したAl(TFSI)3とを含む電解液を利用した充電式アルミニウム電池が記載されている。

しかしながら、原料である無水AlCl3は、通常、ホール・エルー法により得られたアルミニウムを塩素ガスと反応させて製造される。そのため、無水AlCl3を原料として、イオン液体法によりアルミニウムを製造する方法では、依然として製造コストが高く、かつ大量のエネルギー(電力)が必要とされる。

無水AlCl3の代替物として、AlCl3・6H2Oが注目されている。水和物であるAlCl3・6H2Oは、ホール・エルー法の前段階であるバイヤー法の中間生成物として得られる水酸化アルミニウムを塩酸と反応させることで製造できる。すなわち、膨大な電力を消費するホール・エルー法を介さずに得ることができる。そのため、イオン液体法において、原料としてAlCl3・6H2Oの使用は、エネルギー消費量がより少なく、かつ安価でアルミニウムの電析を行うことができると期待されている。

しかしながら、従来の溶融塩、有機溶媒といった非水溶媒には、AlCl3・6H2Oが溶解しにくい。また、AlCl3・6H2Oを溶解させることができたとしても、上述のようにアルミニウムの標準電極電位は著しく卑であるため、電解液中に水和物由来の水が存在していた場合、アルミニウムは電析されず、水の電気分解が優先的に生じてしまう。

さらに、AlCl3・6H2O等のハロゲン化アルミニウム水和物は、Alを取り囲むようにH2OがAlに結合し、その周りにClが結合されている構造を有している。一方、Alを取り囲む水分子は電析の障害になり得るため、水和物から水分子をできる限り取り除くことで、より効率的に電析を行うことができる。しかしながら、水分子の脱水のためにハロゲン化アルミニウム水和物等の水分子を有するアルミニウム化合物を加熱しても、H2OとAlとの結合を切断することができず、酸化アルミニウムが形成されてしまう。そのため、電解液中から水和物由来の水分子の除去を可能とし、アルミニウムを効率的に電析させる技術の開発が望まれる。

特開平1−272790号公報

Masanobu Chiku et al., "Journal of the electrochemical society", 164(9) A1841-1844 (2017)

上記事情に鑑み、本発明は、ハロゲン化アルミニウム水和物からイオン液体法を利用して、従来よりもエネルギー消費量が少なく、かつ安価にアルミニウムを効率的に電析させることができる新たなアルミニウムの製造方法を提供することを目的とする。

本発明の態様は、以下の一般式(1):

(式(1)中、 Rf1及びRf2は、互いに独立してCF3又はC4F9であり、 Mは、H、アルカリ金属、第四級アンモニウム又はイミダゾリウムである)で表されるパーフルオロアルキルスルホンイミド型又はパーフルオロアルキルスルホンアミド型のイオン液体と、ハロゲン化アルミニウム水和物とを含む混合物から、アルミニウムパーフルオロアルキルスルホニルイミド又はアルミニウムパーフルオロアルキルスルホニルアミド由来のアルミニウム化合物を合成する工程と、 前記アルミニウム化合物をニトリル系の有機溶媒中に溶解させてアルミニウム電解液を作製する工程と、 前記アルミニウム電解液中に、リン化合物及びアミド基を有する有機化合物から選択される少なくとも1種の配位子を加えて、前記アルミニウム電解液中に含まれる水和物から水分子を脱水する工程と、 前記脱水する工程後、前記アルミニウム電解液中でアノードとカソード間に通電することによりアルミニウムをカソード上に電析する工程と、 を含むことを特徴とする、アルミニウムの製造方法である。

本発明の態様は、前記脱水する工程において、前記少なくとも1種の配位子を加えたアルミニウム電解液を0℃以上100℃以下で撹拌する、アルミニウムの製造方法である。

本発明の態様は、前記電析する工程において、参照電極として用いたアルミニウムに対する電極電位が−6.0V以上0V未満の定電位電解、又は電流密度が1μmAcm−2以上10000μmAcm−2以下の定電流電解が行われる、アルミニウムの製造方法である。

本発明の態様は、前記電析する工程において、電解浴の温度が20℃以上100℃以下である、アルミニウムの製造方法である。

本発明の態様は、前記一般式(1)中、Rf1及びRf2がCF3である、アルミニウムの製造方法である。

本発明の態様は、前記ハロゲン化アルミニウム水和物が塩化アルミニウム(III)六水和物である、アルミニウムの製造方法である。

本発明の態様は、前記リン化合物が、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィンオキシド及びトリブチルホスフェートからなる群から選択される、アルミニウムの製造方法である。

本発明の態様は、前記アミド基を有する有機化合物が、N−フェニルアセトアミド、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドからなる群から選択される、アルミニウムの製造方法である。

本発明により、ハロゲン化アルミニウム水和物からイオン液体法を利用して、アルミニウムを電析させることが可能となる。そのため、従来よりもエネルギー消費量が少なく、かつ安価にアルミニウムを電析可能な新たなアルミニウムの製造方法を提供することができる。また、電解液中から電析の障害になり得る水和物由来の水分子が除去されるため、アルミニウムを効率的に電析させることができる。

以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。

本発明に係るアルミニウムの製造方法は、以下の一般式(1):

(式(1)中、 Rf1及びRf2は、互いに独立してCF3又はC4F9であり、 Mは、H、アルカリ金属、第四級アンモニウム又はイミダゾリウムである)で表されるパーフルオロアルキルスルホンイミド型又はパーフルオロアルキルスルホンアミド型のイオン液体と、ハロゲン化アルミニウム水和物とを含む混合物から、アルミニウムパーフルオロアルキルスルホニルイミド又はアルミニウムパーフルオロアルキルスルホニルアミドのアルミニウム化合物を合成する工程と、 前記アルミニウム化合物をニトリル系有機溶媒中に溶解させてアルミニウム電解液を作製する工程と、 アルミニウム電解液中に、リン化合物及びアミド基を有する有機化合物から選択される少なくとも1種の配位子を加えて、アルミニウム電解液中に含まれる水和物から水分子を脱水する工程と、 脱水する工程後、前記アルミニウム電解液中でアノードとカソード間に通電することによりアルミニウムをカソード上に電析する工程と、を含む。

すなわち、本発明に係るアルミニウムの製造方法では、製造コスト、エネルギーの消費量等の観点から望ましくない原料である無水ハロゲン化アルミニウムに代えて、ハロゲン化アルミニウム水和物が使用されている。そして、ハロゲン化アルミニウム水和物と所定のイオン液体とから特定のアルミニウム化合物を合成し、当該アルミニウム化合物が溶解可能な有機溶媒を用いてアルミニウム電解液が作製されている。これにより、ハロゲン化アルミニウム水和物を用いて作製した電解液による電解反応、すなわち、イオン液体法により室温付近でアルミニウムを電析させることが可能となるため、従来よりもエネルギー消費量が少なく、かつ安価にアルミニウム(以下、単に「Al」ともいう)を製造することができる。また、アルミニウム電解液中に所定の配位子を加えることにより、アルミニウム電解液中に含まれる水和物、例えば、合成されたアルミニウム化合物の水和物、アルミニウム電解液中に残存する未反応のハロゲン化アルミニウム水和物等が有する水分子(H2O配位子)が所定の配位子と置換される。これにより、アルミニウム電解液中に含まれる水和物から電析の障害になり得る水分子が除去されるため、アルミニウムを効率的に電析させることができる。

<アルミニウム化合物の合成> まず、本発明に係るアルミニウムの製造方法において行われるアルミニウム化合物の合成について説明する。アルミニウムパーフルオロアルキルスルホニルイミド又はアルミニウムパーフルオロアルキルスルホニルアミド由来のアルミニウム化合物(以下、単に「Al化合物」ともいう)は、式(1)で表される所定のイオン液体と、ハロゲン化アルミニウム水和物とを混合し、その混合物を加熱することにより、副生成物である、ハロゲン化アルミニウム由来の水分と塩化水素の蒸発を経て合成される。イオン液体とハロゲン化アルミニウム水和物との混合比率は、特に限定されるものではないが、イオン液体:ハロゲン化アルミニウム水和物のモル比が、0.1:1〜10:1であることが好ましく、0.5:1〜5:1であることがより好ましい。また、混合物の加熱温度も特に限定されるものではないが、80℃以上200℃以下が好ましく、100℃以上150℃以下がより好ましい。また、加熱した混合物からさらに不純物を除去すべく、必要に応じて蒸留が行われていてもよい。このような工程を経て、所望とするAl化合物が合成される。このようなAl化合物は、例えば、アルミニウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド等のアルミニウムパーフルオロアルキルスルホニルイミド(アミド)及びその水和物である。

(イオン液体) 本発明において、イオン液体とは、カチオン種とアニオン種との組み合わせからなる液体のイオン性化合物(塩)の総称であり、100℃以下の比較的低温で液相が形成される化合物を意図する。このようなイオン液体は、蒸気圧が非常に低く、SEM等の真空中でも使用可能な場合もある。アニオン種を適切に選定することにより、イオン液体に疎水性を発現させることも可能である。

イオン液体としては、後述するニトリル系の有機溶媒に溶解し、アルミニウム電解液として使用可能な化合物が選定される。具体的には、以下の一般式(1):

(式(1)中、 Rf1及びRf2は、互いに独立してCF3又はC4F9であり、 Mは、H、アルカリ金属、第四級アンモニウム又はイミダゾリウムである)で表されるパーフルオロアルキルスルホンイミド型又はパーフルオロアルキルスルホンアミド型のイオン液体が使用される。このようなイオン液体として、例えば、一般式(1)中、Rf1及びRf2が互いにCF3であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド系、Rf1及びRf2が互いにC4F9であるビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド系、Rf1がCF3であり、Rf2がC4F9であるノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド系のイオン液体等が挙げられる。これらのイオン液体の中でも、一般式(1)中、Rf1及びRf2が互いにCF3であるイオン液体、すなわち、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、「TFSI」ともいう)のアニオンを含むイオン液体が好ましく、カチオンとしてのMが、H、K(カリウム)、Li(リチウム)又はNa(ナトリウム)であるイオン液体、すなわち、HTFSI、KTFSI、LiTFSI又はNaTFSIのイオン液体が特に好ましい。尚、本発明に使用されるイオン液体における「イミド」とは、Rf1及びRf2が互いに同じ構造である場合を意味し、「アミド」とは、Rf1及びRf2が互いに異なる構造である場合を意味する。

(ハロゲン化アルミニウム水和物) ハロゲン化アルミニウム水和物は、例えば、フッ化アルミニウム(III)六水和物(AlF3・6H2O)、塩化アルミニウム(III)六水和物(AlCl3・6H2O)、臭化アルミニウム(III)六水和物(AlBr3・6H2O)、ヨウ化アルミニウム(III)六水和物(AlI3・6H2O)等を使用することができる。このようなハロゲン化アルミニウム水和物と上述したパーフルオロアルキルスルホニルイミド(アミド)型のイオン液体との混合物から合成されるAl化合物が、後述するアルミニウム電解液中のAl源になり得る。ハロゲン化アルミニウム水和物の中でも、安価かつ容易に入手できる点から、塩化アルミニウム(III)六水和物が好ましい。

<アルミニウム電解液の作製> Al化合物を合成後、得られたAl化合物をニトリル系の有機溶媒中に溶解させてアルミニウム電解液(以下、単に「電解液」ともいう)を作製する。電解液中に含まれるAl化合物の量は、ニトリル系の有機溶媒中に十分に溶解することができ、かつ、後述する電析により十分な量のAlを析出することができれば、特に限定されるものではないが、電解液100mlに対して0.1g以上100g以下であることが好ましく、0.5g以上50g以下であることがより好ましい。また、Al化合物は、常温下で撹拌することで溶解することができるが、Al化合物を迅速かつ確実に溶解させるため、例えば40℃〜80℃の加熱処理が施されていてもよい。

(有機溶媒) 有機溶媒は、ハロゲン化アルミニウム水和物と上記の特定のパーフルオロアルキルスルホニルイミド(アミド)型のイオン液体から合成されるAl化合物を溶解し、電解液の溶液として使用可能な点から、ニトリル系の化合物が使用される。このようなニトリル系の化合物として、例えば、アセトニトリル、アクリロニトリル、ベンゾニトリルが好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。

<水分子の脱水> 電解液を作製後、得られた電解液中に、リン化合物及びアミド基を有する有機化合物から選択される少なくとも1種の配位子を加えて、電解液中に含まれる水和物から水分子を脱水する。配位子の添加量は、電解液中に含まれる水和物が有する水分子との置換を可能とし、かつ、後述する電析に影響を与えない程度であれば、特に限定されるものではないが、電解液100mlに対して0.01mol/L以上10mol/L以下であることが好ましく、0.05mol/L以上5mol/L以下であることがより好ましい。また、添加する配位子は、単独であっても、2種以上であってもよい。

電解液中に含まれる水和物から水分子を脱水する際、少なくとも1種の配位子を加えたアルミニウム電解液を0℃以上100℃以下で撹拌することが好ましい。また、この脱水工程をより適切な条件下で行い、その後の電析をより効率的に行えるようにするため、配位子を含むアルミニウム電解液の温度は、20℃以上90℃以下であることがより好ましく、30℃以上70℃以下であることがさらに好ましい。

(配位子) 配位子は、電解液中に含まれる水和物由来の水分子と置換可能であり、かつ、ニトリル系の有機溶媒中に溶解する化合物として、リン化合物及びアミド基を有する有機化合物から選択される。これらの化合物は、Alに対する結合力が水分子より強いため、Alの周囲に存在する水分子と置換してAlを取り囲むように配位することができる。電解液中に含まれる水和物、例えば、合成されたAl化合物の水和物、電解液中に残存する未反応のハロゲン化アルミニウム水和物等が有する水分子と置換される。すなわち、配位子は、Alを取り囲む水分子(H2O配位子)を除去する脱水剤としての機能を有する。

リン化合物は、リン原子(P)を含む化合物の総称であり、例えば、リン酸エステル、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィン酸エステル、ホスフィンオキシド等が挙げられる。リン酸エステルは、モノエステル、ジエステル、トリエステルのいずれであってもよいが、リン酸トリエステルが好ましい。リン酸エステルとしては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のアルキルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等の(アルキル)アリールホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどが挙げられ、特にトリブチルホスフェートが好ましい。ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィン酸エステル、ホスフィンオキシドは、リン原子に結合しているH原子の少なくとも1つが、例えば、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アルコキシ基等の有機基で置換された誘導体であってもよい。これらの中でも、リン化合物は、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィンオキシド及びトリブチルホスフェートからなる群から選択されることが好ましく、特に、ホスフィン酸、ホスフィンオキシド及びトリブチルホスフェートからなる群から選択されることが好ましい。

アミド基を有する有機化合物は、例えば、脂肪族アミド、芳香族アミドが挙げられる。これらのアミドは、第1級アミド、第2級アミド、第3級アミドのいずれであってもよいが、第2級又は第3級アミドが好ましい。第1級アミドとして、例えば、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミド、ブチルアミド、ベンズアミド等が挙げられる。第2級アミドとして、例えば、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N−フェニルホルムアミド、N−フェニルアセトアミド等が挙げられる。第3級アミドとして、例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等が挙げられる。これらの中でも、アミド基を有する有機化合物は、N−フェニルアセトアミド、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドからなる群から選択されることが好ましく、特に、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドから選択されることが好ましい。

<アルミニウムの電析> 電解液を作製した後、当該電解液中でアノードとカソード間に通電する、すなわち電解によりアルミニウムをカソード上に電析する。この電解は、電解液を入れた電解槽を用意し、電解液中にカソードとアノードとを対向させて配置し、両電極間に電圧又は電流或いはその両方を印加し、通電することにより、カソードの表面上にAlを電析させるものである。なお、電析時において、ハロゲン化アルミニウム水和物由来の水分と電析物が反応し、アルミニウム酸化物や水酸化物が電析Alと同時に電析されることも起こり得るが、これらの副生成物が電析される量はごく僅かであり、主としてAlが電析される。

(電析条件) 電析温度、すなわち、電析における電解浴の温度は、20℃以上100℃以下であることが好ましく、20℃以上80℃以下であることがより好ましく、30℃以上70℃以下であることがさらに好ましい。下限値の20℃は室温付近の温度として設定される。一方、電析温度が100℃を超えると、電解液中のニトリル系の有機溶剤の揮発が生じやすくなり、電解液の組成が不安定になりやすい。その結果、電析不良が生じると、Alが析出されにくくなる。

電析は、参照電極として用いたアルミニウムに対する電極電位が−6.0V以上0V未満の定電位電解、又は電流密度が1μmAcm−2以上10000μmAcm−2以下の定電流電解により行われることが好ましい。定電位電解とは、電解液中に浸したアノード又はカソードの一方の電極電位を参照電極に対し一定に保ちながら電解を行う方法である。定電位電解時、電極電位は参照電極としたAl線に対して還元電流が観察された0V vs Al/Al(III)よりも卑な電位域として、好ましくは−4.0V以上0V未満、より好ましくは−2.0V以上−0.7V以下の電極電位に設定される。電極電位が−6.0未満では電析速度が遅過ぎて電析効率の低下を招き、結果として、Alが析出されにくくなる。また、定電流電解とは、電流の値を一定に保ちながら電解を行う方法である。定電流電解時の電流密度は、10μmAcm−2以上10000μmAcm−2以下であることが好ましく、20μmAcm−2以上1000μmAcm−2以下であることがより好ましく、30μmAcm−2以上500μmAcm−2以下であることがさらに好ましく、50μmAcm−2以上300μmAcm−2以下であることが特に好ましい。電流密度が1μmAcm−2未満では、電析速度が遅過ぎて電析効率の低下を招き、Alが析出されにくくなる。一方、電流密度が10000μmAcm−2を超えると、電解浴の分解が生じやすくなり、その結果、Alが析出されにくくなる。

(カソード) 本発明に係るアルミニウムの製造方法において、カソードは、特に限定されるものではない。例えば、白金、金、銅等の金属材料から構成されるカソードを使用して、Alを金属材料上に析出させて回収してもよく、或いは、チタン、ニッケル、ステンレス等の不働態皮膜(酸化被膜)を有する金属材料から構成されるカソードを使用して、Alを不働態皮膜上に析出させ、不働態皮膜とAlとの密着性の低さを利用することにより、析出したAlを連続的に剥離、回収してもよい。また、カソードの材料は金属材料に限定されるものではなく、カーボン、導電性を付与したプラスチック材料等から構成されるカソードを使用してもよい。

(アノード) また、アノードも特に限定されるものではないが、溶解性のアルミニウを使用することにより、電析時に電解液中で消費されるアルミニウム源をアノードから補給することができる。不溶性のアノードとしては、白金、チタン等の純金属の電極、或いは、白金、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、二酸化鉛等の不溶性金属を被覆したチタン電極等が使用可能である。

次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

[実施例1〜40、比較例1〜8] 以下の手順に従って、アルミニウムを製造した。

表1中に示されるイオン液体及びハロゲン化アルミニウム化合物を使用して、イオン液体:ハロゲン化アルミニウム化合物=3:1(モル比)になるように混合した。次いで、得られた混合物を120℃で加熱し、所望のAl源となるアルミニウム化合物を作製した。一例として、実施例1の合成反応式を式(2)、(3)に示す。

AlCl3・6H2O + 3HTFSI → Al(TFSI)3 + 3HCl + 6H2O (2) AlCl3・6H2O + 3HTFSI → Al(TFSI)3・6(H2O) + 3HCl (3)

尚、表1中、比較例2〜4で使用したイオン液体について、EMICは「1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド」を、EMIFSIは「1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド」を、LiBETIは「リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド」をそれぞれ意味する。

<電解液の作製> 表1中に示されるニトリル系の有機溶媒20mlに対して合成したAl化合物2gを溶解し、電解液を作製した。

<水分子の脱水> 電解液中に表1中に示される各配位子を所定量滴下し、ホットスターラーを用いて表1中に示される温度(脱水温度)で加熱撹拌しながら2日間以上保持することで水分子を脱水させた。

カソードにCu板、アノードにグラッシーカーボンを使用し、表1に示される電析条件で定電位電解、定電流電解を行った。電解後にカソードを水洗、乾燥し、カソード上にAlを電析した。

各実施例、比較例において、カソード上に得られた電析物について、以下の評価を行なった。電析条件及び評価結果を表1に示す。

<外観観察> カソード上の電析物を目視で確認し、電析ムラがなく均一にAlが電析された場合を「◎」、電析ムラは観察されるものの電析物を目視で確認できた場合を「○」、目視で電析物は確認できないものの、電解時に電流又は電圧が確認できた場合を「△」、電解時に電流又は電圧も確認されず、Alの電析が行えなかった場合を「×」とした。すなわち、「△」以上の評価であれば、Alが電析可能であると評価した。

得られた電析物をより詳細に分析するため、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)(日本電子株式会社製、商品名:JSM-6010PLUS)と、当該SEMに内蔵されているエネルギー分散形X線分析装置(EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscop)を用いてSEM−EDS分析を行った。Alが顕著に検出された場合を「◎」、Alが検出された場合を「○」、Alが若干検出された場合を「△」、Alが検出されなかった場合を「×」とした。

得られた電析物をより詳細に分析するため、X線回析装置(BRUKER製、商品名:D2 PHASER)を用いてX線回析(XRD:X‐ray diffraction)を行った。Alの強いピークが確認できたものを「◎」、Alのピークが確認できた場合を「○」、Alの弱いピークが確認できた場合を「△」、Alのピークが確認できない場合を「×」とした。

<電析効率> 得られた電析物の重量(回収量)を測定し、理論収量に対する回収量の割合により、電析効率(回収率)を算出した。理論収量はファラデーの法則に基づき、下記式(4)で算出した。回収率が50%以上である場合に、電析効率が高い「〇」と判定し、回収率が50%未満である場合に、電析効率が低い「×」と判定した。

理論収量=(電流密度×成膜面積×成膜時間×Alの原子量)/(Alイオンの価数×ファラデー定数) (4) ・Alの原子量=26.98、 ・イオン価数=3、 ・ファラデー定数=96500[C・mol−1]

<総合評価> 電析効率が「○」であり、残りの外観観察、SEM−EDS、XRDの3項目のうち、全ての項目が「◎」の場合を「◎◎」、「◎」の評価項目が1つまたは2つあり、残りの項目が○である場合を「◎」、「△」の評価項目が1つあり、残りの項目が「○」または「◎」である場合、または、全ての項目が「〇」である場合を「○」、「△」の評価項目が2つ以上あり、残りの項目が「○」または「△」である場合を「△」、「×」の評価項目が1つ以上ある場合を「×」とした。

実施例1〜40では、イオン液体、ハロゲン化アルミニウム化合物及び有機溶媒が本発明で規定する範囲内であったため、電析によりAlを製造可能であった。つまり、実施例1〜40では、製造コスト、エネルギーの消費量等の観点から望ましくない原料である無水ハロゲン化アルミニウムに代えて、ハロゲン化アルミニウム水和物からイオン液体法によりアルミニウムを電析させることが可能であった。その結果、従来よりもエネルギー消費量が少なく、かつ安価にアルミニウムを製造することができた。また、実施例1〜40のいずれにおいても、電析物であるアルミニウムの回収率が高く、アルミニウムを効率的に電析させることができた。さらに、実施例1〜4、12、17〜19、24、25、28〜33、35〜39では、総合評価が「◎」以上であるため、全体的にアルミニウムをより効率的に電析させることができ、特に、総合評価が「◎◎」である実施例1〜4、29〜30、32〜33、36〜37では、アルミニウムをさらに効率的に電析させることができた。

これに対して、比較例1では配位子を使用していないためAlの電析は確認できたものの、電析効率は実施例よりも劣っていた。比較例2〜4ではイオン液体が適当ではないため、比較例5ではハロゲン化アルミニウム水和物を使用しなかったため、比較例6〜7では有機溶媒が適当ではないため、比較例8では配位子が適当ではないため、所望とする電解液が作製できなかった。その結果、Alの電析を行うことができず、Alが製造されなかった。

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