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Environment monitoring method

阅读:465发布:2024-02-24

专利汇可以提供Environment monitoring method专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To easily and speedily grasp change in manufacture environment of a semiconductor device.
SOLUTION: A silicon wafer is left in a monitor environment, for example, in a manufacturing device, a clean room, etc., as it is for a certain time and the film thickness of an oxide film formed on a silicon wafer surface meanwhile is found (steps S1 to S4). Then an increment in the film thickness in the leaving time is compared with a threshold of an increment in film thickness allowed in a normal monitoring environment; when the threshold is exceeded, it is determined that the monitoring environment is abnormal, and qualitative analysis and quantitative analysis of the silicon wafer are made to examine the cause of the abnormality (steps S5, S6). Change of the monitoring environment can easily and speedily be grasped by using the increment in film thickness of the oxide film formed on the silicon wafer. Further, only when the abnormality is found, detailed analysis is made to lower the analytic cost.
COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT,下面是Environment monitoring method专利的具体信息内容。

  • ウェーハをモニタ環境下に一定時間放置する工程と、
    放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求める工程と、
    を有することを特徴とする環境モニタ方法。
  • 前記モニタ環境下への放置前に、前記ウェーハ表面を還元すると共に水素終端させる工程を有することを特徴とする請求項1記載の環境モニタ方法。
  • 前記モニタ環境下へ放置する前記ウェーハに対して酸化膜の膜厚測定を実施する工程を有し、
    放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求める工程では、放置後の前記ウェーハに対して酸化膜の膜厚測定を実施し、放置前後の酸化膜の膜厚測定結果から、放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境モニタ方法。
  • 放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求める工程では、放置後の前記ウェーハに対して酸化膜の膜厚測定を実施し、放置後の酸化膜の膜厚測定結果により、放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求めることを特徴とする請求項2記載の環境モニタ方法。
  • 前記ウェーハを前記モニタ環境下に放置する時間と、放置することによって前記ウェーハ表面に形成される酸化膜の膜厚との関係に基づき、前記モニタ環境で許容される酸化膜の膜厚増加量を予め設定する工程と、
    放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を、予め設定された前記膜厚増加量と比較し、前記モニタ環境が正常か否かを判定する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の環境モニタ方法。
  • 说明书全文

    本発明は、環境モニタ方法に関し、特に、半導体装置の製造環境をモニタする環境モニタ方法に関する。

    半導体装置製造においては、製品歩留まりに大きく影響し得る製造装置内部やクリーンルーム内の環境を、一定の基準内で清浄に保つことが重要である。
    従来、半導体装置の製造分野では、その製造環境をモニタする方法がいくつか提案されている。 例えば、洗浄液等の液体中に含まれる汚染物質の分析に関し、フッ酸等で処理した後のシリコンウェーハを分析対象の液体中に浸漬し、引き上げたシリコンウェーハ表面の付着物質の分析によってその液体中の汚染物質を分析する方法が提案されている(特許文献1参照)。 また、シリコンウェーハをアニオン溶液に浸漬してその表面にアニオン基を導入し、それをモニタ環境下に置き、静電引で付着した金属汚染物質を分析することによって、そのモニタ環境の汚染度を評価する方法等も提案されている(特許文献2参照)。 また、シリコンウェーハ表面にクリーンルーム大気を強制的に送り込み、その表面にクリーンルーム大気に含まれる汚染物質を多量に短時間で付着させることで、分析の高感度化と時間短縮を図る試み等も行われている(特許文献3参照)。

    シリコンウェーハ表面の付着物質の分析方法としては、例えば、その付着物質が金属である場合、プラズマ発光質量分析(ICP−MS)法を用いることが知られている。 このほか、アルミニウム以外の元素に対して好適な全反射傾向X線分析(TXRF)法、シリコンウェーハに付着した汚染物質を熱処理によって拡散させた後に行うマイクロ波光導電減衰(μ−PCD)法や表面光電圧(SPV)法等も知られている。 また、付着物質が有機物である場合、その分析方法としては、加熱脱離ガスクロマトグラフ質量分析(TD−GC−MS)法、ウェーハ加熱脱離ガスクロマトグラフ質量分析(WTD−GC−MS)法等が知られている。

    特開平11−248693号公報

    特開平10−31009号公報

    特開2000−28596号公報

    しかし、半導体装置製造に利用される液体や空間等の環境をモニタするために、汚染物質をシリコンウェーハ表面に付着させてそれを分析しようとする場合、その分析には、長時間を要したり、多くの工数が必要になったりする。 さらに、分析に高額の費用がかかってしまう場合がある。

    半導体装置を安定して製造するためには、製造装置内部やクリーンルーム内の環境を定期的にモニタする必要があるが、分析に要する時間、工数、費用等の面で、分析を頻繁に行うことが難しい場合がある。 また、分析の時間や工程が長かったり、分析の頻度が少なかったりすると、分析結果の製造ラインへのフィードバックが遅れ、製造装置内部やクリーンルーム内の環境の変化を迅速に把握することも難しくなる。

    このような点に鑑み、半導体装置の製造環境の変化を簡便かつ迅速に把握することのできる環境モニタ方法を提供することを目的とする。

    上記課題を解決するために、次のような環境モニタ方法が提供される。 この環境モニタ方法は、ウェーハをモニタ環境下に一定時間放置する工程、及び放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求める工程を有する。

    この環境モニタ方法では、ウェーハがモニタ環境下に一定時間放置され、その放置によってウェーハ表面に形成される酸化膜の膜厚が求められる。

    開示の環境モニタ方法によれば、モニタ環境の変化を簡便かつ迅速に把握することが可能になる。

    以下、図面を参照して詳細に説明する。
    図1は環境モニタ方法のフローの一例を示す図である。
    ここでは、半導体製造装置内やクリーンルーム内等の環境モニタに、シリコンウェーハを用いる。 環境モニタを行うに当たっては、まず、その環境モニタ用のシリコンウェーハに対し、酸化膜の膜厚測定を実施する(ステップS1)。 この膜厚測定には、例えば、光学的に膜厚を測定するエリプソメータを用いる。

    そして、このステップS1の酸化膜の膜厚測定後、そのシリコンウェーハを半導体製造装置内やクリーンルーム内等のモニタ環境下に一定時間放置する(ステップS2)。 放置されたシリコンウェーハには、そのモニタ環境の大気等により、放置時間に応じた膜厚で、酸化膜(有機物が含有或いは付着した酸化膜を含む)が形成される。 なお、この酸化膜の形成挙動の詳細については後述する。

    シリコンウェーハをモニタ環境下に一定時間放置した後は、その放置後のシリコンウェーハについて、上記同様エリプソメータを用い、酸化膜の膜厚測定を実施する(ステップS3)。

    このステップS3の酸化膜の膜厚測定後は、この膜厚測定結果と、上記ステップS1の膜厚測定結果との差分、即ち、モニタ環境下での放置の間にシリコンウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚(膜厚増加量)を求める(ステップS4)。

    次いで、このステップS4で求められた放置の間の膜厚増加量を用い、そのモニタ環境が正常な状態にあるか否かの判定を行う(ステップS5)。 モニタ環境が正常か否かの判定は、放置の間の膜厚増加量を、予め設定された、そのモニタ環境で許容される膜厚増加量の閾値と比較することによって行う。

    例えば、正常な状態のモニタ環境について、シリコンウェーハの放置時間とその放置の間の膜厚増加量との関係を予め取得しておく。 そして、ステップS1〜S4の処理で実際に得られた一定放置時間での膜厚増加量が、予め取得した関係における、同じ放置時間での膜厚増加量と同じかそれを下回る場合には、そのモニタ環境が正常な状態にあると判定する。 また、上回る場合には、そのモニタ環境が異常な状態にあると判定する。

    このような実測値と閾値との比較により、モニタ環境が正常な状態にあると判定された場合には、環境モニタの処理を終了する。 その後は、同じ又は異なるシリコンウェーハを用い、そのモニタ環境について、引き続きステップS1以降の処理を実施すればよい。

    また、実測値と閾値との比較により、モニタ環境が異常な状態にあると判定された場合には、その実測に用いたシリコンウェーハについて、それに付着している物質の定性分析や定量分析を実施し、その異常の原因を調査する(ステップS6)。

    以上のような処理を、モニタすべき各モニタ環境について、それぞれ実施することができる。
    続いて、上記のような環境モニタ方法に用いるシリコンウェーハについて説明する。

    環境モニタ用のシリコンウェーハとしては、その表面に予め酸化膜(自然酸化膜のほか意図的に形成した酸化膜を含む)が形成されているもの、或いはその表面に存在している酸化膜の全部又は一部を除去したものを用いることができる。 環境モニタ用にいずれの形態のシリコンウェーハを用いる場合にも、ステップS1〜S6の流れに従って環境モニタを実施することができる。

    なお、環境モニタ用に酸化膜を除去したシリコンウェーハを用いる場合、ステップS1の酸化膜の膜厚測定は、必ずしも実施することを要しない。 このようにステップS1の酸化膜の膜厚測定を実施しない場合には、ステップS4の酸化膜の膜厚測定で得られた結果を、そのモニタ環境下での放置の間にシリコンウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚(膜厚増加量)とみなせばよい。

    シリコンウェーハの酸化膜除去は、例えば、素雰囲気での熱処理により行うことができる。 このような水素雰囲気での熱処理を行うことにより、シリコンウェーハ表面の酸化膜が還元して除去され、さらに、そのシリコンウェーハ表面のシリコン結晶が水素原子により終端(水素終端)されるようになる。 熱処理は、例えば、水素20Torr(1Torr=133.322Pa)、1000℃、10秒の条件にて行うことができる。 熱処理条件は、その熱処理前のシリコンウェーハ表面に存在する酸化膜の膜厚(初期膜厚)等に応じ、適宜調整される。

    水素雰囲気での熱処理を行ったシリコンウェーハでは、エリプソメータにより酸化膜の膜厚測定を実施すると、その膜厚値として概ね0.05nm未満の値が得られる。 水素雰囲気での熱処理を行ったシリコンウェーハでは、極小の膜厚値を安定して示し、また、異なるシリコンウェーハ間で得られる膜厚値のばらつきも少ないことから、上記のように、ステップS1の膜厚測定を実施しないようにすることも可能になる。

    ここで、水素雰囲気での熱処理の有無と、それによるその後のシリコンウェーハ表面の酸化膜形成挙動の違いを検討した結果について述べる。
    まず、シリコンウェーハ表面の酸化膜の膜厚が異なる4種類のサンプルa,b,c,dを用意した。

    サンプルaは、20Torrの水素(残りは不活性ガス)を含む雰囲気中、1000℃、10秒の条件で熱処理を行い、酸化膜を還元除去したシリコンウェーハである。 なお、この熱処理後にエリプソメータで測定したサンプルaの酸化膜の初期膜厚は、0.01nmであった。

    サンプルbは、5Torrの酸素(残りは不活性ガス)を含む雰囲気中、900℃、50秒の条件で熱処理を行い、表面に初期膜厚1.0nm(エリプソメータで測定)の酸化膜(熱酸化膜)を形成したシリコンウェーハである。

    サンプルcは、760Torrの酸素雰囲気中、900℃、8秒の条件で熱処理を行い、表面に初期膜厚1.7nm(エリプソメータで測定)の酸化膜を形成したシリコンウェーハである。

    サンプルdは、酸素と水素を8Torr含む(残りは不活性ガス)混合雰囲気中、850℃、30秒の条件で熱処理を行い、表面に初期膜厚3.2nm(エリプソメータで測定)の酸化膜を形成したシリコンウェーハである。

    なお、サンプルa,b,c,dのエリプソメータによる酸化膜の膜厚測定は、波長633nmのヘリウム−ネオンレーザを用い、酸化膜の屈折率は1.462で固定とした。
    このようなサンプルa,b,c,dをそれぞれ、次のような3種類の異なるモニタ環境x,y,zに一定時間放置した。

    モニタ環境xは、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials Institute)規格に準拠したシリコンウェーハ搬送用の容器である、密閉性に優れたFOUP(Front Opening Universal Pod)内である。 サンプルa,b,c,dのシリコンウェーハはそれぞれ、密閉状態のFOUP内に一定時間放置した。

    モニタ環境yは、半導体装置の製造が行われるクリーンルームの出入口付近である。 サンプルa,b,c,dのシリコンウェーハはそれぞれ、開放状態のFOUP内に配置し、クリーンルーム出入口付近に一定時間放置した。

    モニタ環境zは、半導体装置の製造が行われるクリーンルームの中央部付近である。 サンプルa,b,c,dのシリコンウェーハはそれぞれ、開放状態のFOUP内に配置し、クリーンルーム中央部付近に一定時間放置した。

    なお、サンプルa,b,c,dを放置した期間で平均すると、湿度についてはモニタ環境y,zで有意差は認められなかった。 温度についてはモニタ環境yがモニタ環境zよりも0.3℃程度高くなった。

    このようなモニタ環境x,y,zにサンプルa,b,c,dをそれぞれ放置したときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量との関係を、次の図2〜図5に示す。
    図2はサンプルaをモニタ環境x,y,zに放置したときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量との関係を示す図である。 図3はサンプルbをモニタ環境x,y,zに放置したときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量との関係を示す図である。 図4はサンプルcをモニタ環境x,y,zに放置したときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量との関係を示す図である。 図5はサンプルdをモニタ環境x,y,zに放置したときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量との関係を示す図である。

    まず、図3〜図5より、それぞれ初期膜厚が1.0nm,1.7nm,3.2nmの酸化膜を形成したサンプルb,c,dのいずれの場合も、モニタ環境x,zに比べて、外気の流出入の影響を受けやすいモニタ環境yでの膜厚増加量が大きくなる。 FOUP内のモニタ環境xとクリーンルーム中央部付近のモニタ環境zとの間では、膜厚増加量について有意な差は認められない。

    これらのサンプルb,c,dでは、モニタ環境x,y,zのいずれの場合にも、放置時間が短い領域において、酸化膜の膜厚増加が急速である。 その後、酸化膜の膜厚増加の速度は低下し、24時間程度からほぼ飽和する傾向にある。

    予め酸化膜が形成されているサンプルb,c,dでは、その酸化膜の初期膜厚によらず、図3〜図5に示したように、放置時間の経過に伴う酸化膜の膜厚増加傾向は認められる。 但し、モニタ環境x,zのように、異なるモニタ環境の間で、酸化膜の膜厚増加挙動に有意差を見出すことができない場合がある。

    一方、図2に示すように、予め水素雰囲気での熱処理を行っているサンプルaの場合には、モニタ環境x,y,zのいずれの場合にも、放置時間の経過に伴って酸化膜の膜厚増加量が線形的に増加していく傾向が認められる。 このように、サンプルaでの酸化膜の膜厚増加傾向は、図3〜図5に示したサンプルb,c,dでの酸化膜の膜厚増加傾向とは明らかに異なっている。 サンプルaでは、水素雰囲気での熱処理により、シリコンウェーハ表面から酸化膜が還元除去され、さらに、その表面が水素終端されるために、シリコン結晶終端の水素と大気中の酸素との置換に時間を要し、放置したときの急激な酸化が抑えられているものと考えられる。

    さらに、サンプルaでは、放置時間に対する酸化膜の膜厚増加量が、外気の流出入の影響を受けやすいクリーンルーム出入口付近のモニタ環境yで最も大きくなり、次いでクリーンルーム中央部付近のモニタ環境zで大きく、FOUP内のモニタ環境xで最も小さくなる。 このように、サンプルaを用いた場合、異なるモニタ環境x,y,zの酸化膜の膜厚増加量を有意差として区別することができる。 サンプルaでは、モニタ環境x,y,zによる酸化膜の膜厚増加量の違いが明確に現れ、予め酸化膜が形成されているサンプルb,c,dでは不明であったモニタ環境x,zの間の膜厚増加量の違いも明確に現れるようになる。

    環境モニタの際、水素雰囲気で熱処理を行ったシリコンウェーハのサンプルaを用いることにより、異なるモニタ環境x,y,zごとに、放置時間と酸化膜の膜厚増加量との適正な関係を取得することができる。 従って、各モニタ環境x,y,zについて、一定時間の放置の結果形成される酸化膜の膜厚(膜厚増加量)から、それぞれの状態の変化をより適正に評価することが可能になる。

    なお、環境モニタにサンプルb,c,dを用いても、一定のモニタ環境については、その状態の変化を評価することが可能である。
    続いて、サンプルa,b,c,dについてXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)測定を行った結果について述べる。

    図6はXPS測定結果を示す図である。
    XPS測定では、サンプルa,b,c,d表面に所定エネルギーのX線を照射して発生する光電子を検出することで、サンプルa,b,c,dの構成元素とその電子状態を分析する。 シリコンウェーハのシリコンの2p軌道から発生する光電子(低結合エネルギー側(Si−Si結合)のピーク)と、酸化膜のシリコンの2p軌道から発生する光電子(高結合エネルギー側(Si−O結合)のピーク)との強度比からは、酸化膜の膜厚を推定することができる。

    図7はサンプルbのXPS測定結果から得られた酸化膜の膜厚とエリプソメータで測定された酸化膜の膜厚との比較を示す図である。 また、図8はサンプルcのXPS測定結果から得られた酸化膜の膜厚とエリプソメータで測定された酸化膜の膜厚との比較を示す図である。

    なお、XPS測定及びエリプソメータによる膜厚測定は、各モニタ環境x,y,zに一定時間放置した複数のサンプルb,cについて実施している。 図7及び図8には、それぞれの測定の結果得られた膜厚の平均値(Ave(エリプソメータ),Ave(XPS))、最大値(Max(エリプソメータ),Max(XPS))、最小値(Min(エリプソメータ),Min(XPS))を示している。

    サンプルb,cでは、上記の図3及び図4に示したエリプソメータによる酸化膜の膜厚測定結果によれば、モニタ環境x,y,zのうち、モニタ環境yで最も酸化膜の膜厚が厚くなる傾向が見られた。 しかし、図7及び図8に示す測定結果からは、酸化膜の膜厚測定について、エリプソメータ測定により得られる酸化膜の膜厚とXPS測定結果から得られる酸化膜の膜厚との間に明確な相関は認められない。

    一般に、シリコンウェーハ表面の極薄膜を大気に曝し酸化膜をエリプソメータで測定すると、0.005nm/h程度の割合で膜厚増加が観測される。 この増加は、初期膜厚のほか、シリコンウェーハの放置環境にも依存する。 放置環境に影響する因子としては、温度、湿度、無機・有機汚染物質等が考えられる。 この増加量の大部分は、100℃程度の熱をかけたり、レーザ照射を行ったりすると無くなるので、有機物の影響が大きいと認識されている。 上記のXPS測定は、Si−Si結合ピークとSi−O結合ピークの強度比から酸化膜の膜厚を推定するため、その膜厚値にそのような有機物の存在が加味されない。 一方、エリプソメータによる酸化膜の膜厚測定では、光学的に膜厚を測定する手法であるため、そのような有機物の存在も加味された酸化膜の膜厚値が得られる。 このような点が、XPS測定とエリプソメータ測定で得られる膜厚とが一致しない原因のひとつになっていると考えられる。

    このような放置後のシリコンウェーハ表面における有機物の存在を考慮し、同様にXPS測定により、サンプルa,b,c,dの炭素の存在比率を求めた。
    図9はXPS測定結果の一例を示す図である。 また、図10はサンプルa,b,c,dの炭素の存在比率を示す図である。

    図9に示すように、所定のサンプルにX線を照射したときに炭素の1s軌道から発生する光電子の強度は、そのサンプルにおける炭素の存在比率(1.6atom%,4.5atom%)によって変化する。

    この図9のような知見から、XPS測定によれば、炭素の1s軌道から発生する光電子の強度に基づき、サンプルa,b,c,dの炭素存在比率を求めることができる。 求めたサンプルa,b,c,dの炭素存在比率を図10に示す。 炭素存在比率は、サンプルa,b,c,dの構成元素がシリコン、酸素、炭素の3種類であるとして求めている。

    図10に示すように、放置後のサンプルa,b,c,dについて、含有される炭素は、XPS測定によって検出することができる。 図10より、サンプルa,b,c,dそれぞれの炭素存在比率は、モニタ環境xで最も低く、次いでモニタ環境z、そしてモニタ環境yで最も高くなる傾向が認められた。 特に、その傾向はサンプルaで顕著に現れている。 サンプルaでは、放置による膜厚増加量が最も大きいモニタ環境yで明らかに炭素存在比率が高くなっており、その膜厚増加には、酸化のほか、有機物の付着も影響していると言うことができる。

    なお、この図10に示す炭素の存在比率は、絶対量でないため、酸化膜の膜厚が厚くなると、より薄い酸化膜と同量の炭素が含まれていたとしても、その炭素の存在比率は低くなる。 その点で、予め酸化膜が形成されているサンプルb,c,dでは、放置によって付着した炭素の存在を見落としてしまうおそれがあることに留意する必要がある。 サンプルaは、水素雰囲気での熱処理を行って酸化膜を還元除去しているため、その後の放置で付着した炭素の存在をXPS測定で検出しやすいと言える。

    このように、XPS測定では、付着物の同定はできないものの、有機物の存在の可能性については評価することができる。 但し、酸化膜の膜厚によっては精度良く評価することが難しくなる。 また、有機物の存在を考慮して酸化膜の膜厚、さらには放置による膜厚増加量を求めることも難しい。

    一方、酸化膜のエリプソメータによる光学的な膜厚測定では、酸化膜の膜厚や付着している有機物の存在も含めて、簡便に膜厚増加量を求めることができる。 エリプソメータによる膜厚測定は、有機物を含み得るモニタ環境の変化を、そのモニタ環境へのシリコンウェーハの放置による酸化膜の膜厚増加量によって把握しようとするときに用いる手法として好適である。

    以上説明したように、モニタ環境に放置したシリコンウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚増加量を光学的な膜厚測定によって求めることにより、そのモニタ環境の状態の変化を簡便にかつ適正に把握することができる。 環境モニタ用のシリコンウェーハとしては、モニタ環境によらず、水素雰囲気での熱処理を行ったものが好適であるが、予め酸化膜が形成されているシリコンウェーハによっても、一定のモニタ環境では、その状態の変化を把握することが可能である。

    このようにシリコンウェーハを用いた簡便な環境モニタを行うことで、モニタ環境の異常の有無を迅速に把握し、その対策を講じることが可能になる。 そして、モニタ環境の異常が見つかったときに、定性分析や定量分析等、より詳細な分析を行うようにすることで、分析コストを抑えることも可能になる。

    なお、分析には、上記のようなXPS測定のほか、様々な手法を用いることが可能である。 例えば、金属元素を特定するための分析方法としては、ICP−MS法、TXRF法、μ−PCD法、SPV法等を挙げることができる。 また、有機物を特定するための分析方法としては、TD−GC−MS法、WTD−GC−MS法等を挙げることができる。

    次に、上記のような環境モニタ方法の適用例について説明する。
    図11は半導体製造装置の一例の構成概略図である。
    図11に示す半導体製造装置10は、クリーンルーム内に設置される。 この半導体製造装置10は、ウェーハ待機・移載部11、フィルタ設置部12、処理チャンバ13及びFOUP設置部14を有している。

    ウェーハ待機・移載部11は、FOUP設置部14の近傍、及び処理チャンバ13との間に、それぞれシャッタ11a,11bを備えている。 ウェーハ待機・移載部11は、そのシャッタ11aの部分に、ウェーハWが収納されたFOUP20が接続可能になっている。 ウェーハ待機・移載部11には、FOUP20と接続され、FOUP20のシャッタ20a及びウェーハ待機・移載部11のシャッタ11aが開けられているときに、FOUP20との間でロボットアーム(図示せず)によりウェーハWの出し入れが行われるようになっている。

    ウェーハ待機・移載部11は、大気圧であり、パーティクル除去フィルタ(図示せず)を備えたフィルタ設置部12を介して、クリーンルーム大気がダウンフローで流れ込むようになっている。

    処理チャンバ13は、ウェーハ待機・移載部11のシャッタ11bが開けられているときに、ウェーハ待機・移載部11との間でロボットアームによりウェーハWの出し入れが行われるようになっている。

    このような構成を有する半導体製造装置10によるウェーハWの処理の際には、まず、FOUP設置部14に設置されたFOUP20がウェーハ待機・移載部11に接続され、シャッタ11a,20aが開けられる。 そして、そのFOUP20から所定スロットのウェーハWがロボットアームによりウェーハ待機・移載部11へと搬送される。 その後、シャッタ11bが開けられ、ウェーハWは、さらにロボットアームにより処理チャンバ13へと搬送され、シャッタ11bが閉じられた後、そこで処理が行われる。 処理後のウェーハWは、シャッタ11bが開けられた後、ロボットアームによりFOUP20の元のスロットに戻される。 このようにして、FOUP20内のウェーハWについて、次々と処理が行われる。 なお、FOUP20内の全ウェーハWの処理後は、シャッタ11a,20aが閉じられ、FOUP20はシャッタ20aが閉じられた状態で次工程へと搬送される。

    このような半導体製造装置10において、まず、そのフィルタ設置部12に、パーティクル除去フィルタと共に、ケミカルフィルタを設けた場合の効果について調査した。
    ここでは、膜厚1.24nmの酸化膜を形成したシリコンウェーハを用い、このシリコンウェーハを、フィルタ設置部12にケミカルフィルタを設けなかった場合と設けた場合のウェーハ待機・移載部11にそれぞれ一定時間放置した。 一定時間放置の後、放置したシリコンウェーハ面内の異なる9箇所について酸化膜の膜厚測定を実施した。 結果を次の図12に示す。

    図12は酸化膜の膜厚の経時変化を示す図である。 図12には、測定した膜厚の平均値(Ave)、最大値(Max)、最小値(Min)を示している。
    フィルタ設置部12にケミカルフィルタを設けなかった場合には、ウェーハWのウェーハ待機・移載部11への120分の放置で、0.12nmの酸化膜の膜厚増加が認められた。 一方、フィルタ設置部12にケミカルフィルタを設けた場合には、ウェーハWのウェーハ待機・移載部11への120分の放置でも酸化膜の膜厚増加は0.02nm程度であり、膜厚増加量は約1/6に低減された。

    このように、ケミカルフィルタは、ウェーハWの酸化抑制に効果的であるということができる。
    但し、このようなケミカルフィルタは、その設置環境にもよるが、そのフィルタ性能が設置後から次第に劣化していき、一定レベルのフィルタ性能を確保するためには、一般的にその寿命は2年程度とされている。 半導体製造装置10において、設置したケミカルフィルタの劣化が進むと、ウェーハ待機・移載部11のウェーハWや、ウェーハ待機・移載部11と連通しているFOUP20内のウェーハWが酸化し、処理チャンバ13で所望の処理が行えないといったことが起こり得る。 また、処理チャンバ13で処理後のウェーハWがFOUP20に戻された後に酸化してしまうといったことも起こり得る。

    そこで、このようなケミカルフィルタの劣化がウェーハ待機・移載部11内の環境に及ぼす影響について検討した。
    まず、半導体製造装置10を用い、フィルタ設置部12に設置から2年経過したケミカルフィルタを設けている場合と、設置から半年未満のケミカルフィルタを設けている場合のそれぞれについて、25枚のシリコンウェーハの水素雰囲気での熱処理を連続的に行った。

    即ち、まず、25枚のシリコンウェーハを収納したFOUP20をウェーハ待機・移載部11に接続し、シャッタ11a,20aを開ける。 そのFOUP20から、所定スロットのシリコンウェーハを、ウェーハ待機・移載部11、処理チャンバ13へと順に搬送し、そこで水素雰囲気での熱処理を行う。 そして、その熱処理後のシリコンウェーハを、処理チャンバ13からFOUP20の元のスロットへと搬送する。 次いで、FOUP20内の別のスロットのシリコンウェーハについて、同様に水素雰囲気での熱処理を行い、熱処理後は、そのシリコンウェーハを元のスロットに戻す。 このようにして、FOUP20内のシリコンウェーハについて、次々と水素雰囲気での熱処理を行っていき、全シリコンウェーハの熱処理後、シャッタ11a,20aを閉じる。

    この熱処理の間、ウェーハ待機・移載部11にはフィルタ設置部12を介してクリーンルームの大気が流入している。 そして、上記のような手順で熱処理を行った場合には、その熱処理の順番が早かったシリコンウェーハほど、クリーンルームの大気が流入するウェーハ待機・移載部11と連通状態にあるFOUP20内に長く放置されることになる。

    上記のような25枚のシリコンウェーハの熱処理には、103分程度を要した。 そして、25枚のシリコンウェーハの熱処理を行った後、直ちにシリコンウェーハの酸化膜の膜厚測定を実施した。 膜厚測定は、熱処理の順番が1〜5,10,15,20,22〜25番目だったシリコンウェーハについて実施した。 また、各シリコンウェーハについて、その面内の異なる9箇所の膜厚測定を実施した。 結果を次の図13に示す。

    図13は膜厚測定結果を示す図である。 図13には、半導体製造装置10のケミカルフィルタが設置から半年未満の場合と2年経過している場合のそれぞれの熱処理後に測定した膜厚の平均値(Ave(半年未満),Ave(2年経過))、最大値(Max(半年未満),Max(2年経過))、最小値(Min(半年未満),Min(2年経過))を示している。

    図13より、フィルタ設置部12に設置から2年経過したケミカルフィルタを設けている半導体製造装置10を用いた場合には、水素雰囲気での熱処理の順番が早かったものほど酸化膜の膜厚が厚くなる傾向が認められる。 これは、設置から2年経過したケミカルフィルタでは、そのフィルタ性能が劣化しており、さらに、上記のように熱処理の順番が早かったシリコンウェーハほどクリーンルーム大気に長く曝されるようになるためである。

    一方、図13より、フィルタ設置部12に設置から半年未満のケミカルフィルタを設けている半導体製造装置10を用いた場合には、熱処理の順番と酸化膜の膜厚との間に、一定の傾向は認められない。 ケミカルフィルタが一定レベルのフィルタ性能を維持していれば、熱処理の順番が早かったシリコンウェーハでも、ケミカルフィルタを通過したクリーンルーム大気に多少曝されても、酸化膜の形成は抑えられるようになる。

    なお、図13に示したように、いずれのケミカルフィルタを用いた場合にも、熱処理の順番が遅かったシリコンウェーハの酸化膜の膜厚は同程度であることから、この熱処理による還元能力の差は同程度であるということができる。

    このように、ケミカルフィルタの劣化は、ウェーハ待機・移載部11内の環境を変化させる。 換言すれば、ウェーハ待機・移載部11内の環境の変化をモニタすることにより、フィルタ設置部12のケミカルフィルタが劣化しているか否かを評価することが可能になる。

    例えば、半導体製造装置10がウェーハWに対して成膜処理等の所定の処理を行うものである場合、モニタ環境であるウェーハ待機・移載部11内の適当な場所に、水素雰囲気で熱処理を行ったシリコンウェーハを環境モニタ用に配置しておく。 例えば、横置きに、即ちフィルタ設置部12からのクリーンルーム大気がそのシリコンウェーハ表面に概ね法線方向から衝突するような位置に、配置する。 そして、所定の日数、月数、年数、或いは所定の処理回数等、一定時間の経過(放置)後に、そのシリコンウェーハの酸化膜の膜厚測定を実施し、その一定時間での膜厚増加量を求め、その膜厚増加量に基づいてケミカルフィルタの劣化の程度を評価する。

    評価にあたっては、例えば、図13のようなデータや、図2のような放置時間と膜厚増加量との関係等を用い、ケミカルフィルタが一定レベルのフィルタ性能を維持している場合に一定時間の放置で許容される酸化膜の膜厚増加量の値(閾値)を予め設定しておく。 そして、ウェーハ待機・移載部11内に設置して一定時間経過後のシリコンウェーハについて実測した酸化膜の膜厚増加量を、予め設定した膜厚増加量の閾値と比較する。 膜厚増加量の実測値が閾値を上回る場合には、モニタ環境であるウェーハ待機・移載部11内が正常な状態になく、即ちケミカルフィルタが劣化していると判定することができる。

    ケミカルフィルタの劣化が認められた場合には、半導体製造装置10のケミカルフィルタを交換する等の対策を講じるようにすればよい。
    なお、環境モニタ用のシリコンウェーハとしては、例示した水素雰囲気で熱処理を行ったもののほか、予め所定膜厚の酸化膜を形成したものを用いることも可能であり、同様にしてケミカルフィルタの劣化の程度を評価することが可能である。

    また、環境モニタ用のシリコンウェーハは、ウェーハ待機・移載部11内に、横置きのほか、縦置きで配置しても構わない。 その場合は、閾値設定に当たり、環境モニタ用のシリコンウェーハと同条件で配置したシリコンウェーハについて、モニタ環境が正常であるときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量の関係を取得しておけばよい。

    また、シリコンウェーハの酸化膜の膜厚測定を実施する場合には、その面内の複数箇所の膜厚測定を実施すると、酸化膜の膜厚の面内分布が得られるため、その面内分布から、大気の流れや不純物の流れ等を推定することも可能になる。

    ここではウェーハ待機・移載部11内に環境モニタ用のシリコンウェーハを設置する場合を例示したが、このような環境モニタ用のシリコンウェーハは、FOUP20内や、クリーンルームへの大気供給を行っている部分等にも設置可能である。 いずれに環境モニタ用のシリコンウェーハを設置する場合でも、その設置場所に正常時に放置したときの酸化膜の膜厚増加傾向に関する情報を予め取得しておき、その情報を基に閾値を設定しておく。 そして、そのシリコンウェーハの一定時間の放置による膜厚増加量の実測値を、設定した閾値と比較し、そのシリコンウェーハの設置環境が正常な状態にあるか否かを判定すればよい。

    続いて、上記のようなケミカルフィルタを備える半導体製造装置10を用いた半導体装置の製造方法の具体例について説明する。
    図14は素子分離絶縁膜形成工程の要部断面模式図、図15は第1シリコン酸化膜形成工程の要部断面模式図、図16は第2シリコン酸化膜形成工程の要部断面模式図、図17は窒化処理工程の要部断面模式図、図18はゲート加工工程の要部断面模式図、図19は不純物拡散領域及びサイドウォール絶縁膜形成工程の要部断面模式図である。

    まず、図14に示すように、ウェット洗浄後のシリコンウェーハ(シリコン基板)30に、STI(Shallow Trench Isolation)法を用い、第1,第2素子領域40,50を画定する素子分離絶縁膜31を形成する。

    次いで、温度800℃のパイロジェニック酸化を行い、図15に示すように、シリコン基板30の第1素子領域40上に第1シリコン酸化膜41を形成する。 さらに、温度900℃の熱酸化を行い、図16に示すように、シリコン基板30の第2素子領域50上に第2シリコン酸化膜51を、例えば膜厚1nmで形成する。 この第2シリコン酸化膜51の形成時には、先に形成した第1シリコン酸化膜41も酸化されて厚くなる。 第2シリコン酸化膜51形成後の第1シリコン酸化膜41の膜厚は、例えば7nmとする。

    これら第1,第2シリコン酸化膜41,51の形成には、上記の半導体製造装置10のような構成を有する薄膜形成装置を用いることができる。 即ち、上記の例に従い、FOUPからシリコン基板30をウェーハ待機・移載部、処理チャンバへと順に搬送し、そこで第1シリコン酸化膜41の形成、又は第2シリコン酸化膜51の形成を行う。 そして、第1シリコン酸化膜41の形成後、又は第2シリコン酸化膜51の形成後、そのシリコン基板30を元のFOUPに戻す。

    このような薄膜形成装置を用いた薄い第1,第2シリコン酸化膜41,51の形成においては、処理チャンバ外でのシリコン基板30の僅かな酸化や有機物付着でも、第1,第2シリコン酸化膜41,51の形成自体、或いはそれ以後の工程やデバイス性能に影響し得る。 そこで、ケミカルフィルタを通してウェーハ待機・移載部にクリーンルーム大気を流入させるようにし、さらに、ウェーハ待機・移載部には、上記のように、予め水素雰囲気で熱処理を行ったシリコンウェーハを環境モニタ用に設置しておく。 そして、一定時間後のそのシリコンウェーハについて酸化膜の膜厚測定を実施し、その測定結果を所定の閾値と比較することで、フィルタ設置部のケミカルフィルタの劣化の程度を評価する。

    一定時間放置後のシリコンウェーハの膜厚測定結果からケミカルフィルタの劣化が認められたときには、ケミカルフィルタの交換等の措置を講じ、所定膜厚の第1,第2シリコン酸化膜41,51を安定して形成する。

    第1,第2シリコン酸化膜41,51の形成後は、プラズマ窒化処理を行うことにより、図17に示すように、第1,第2シリコン酸化膜41,51をそれぞれ第1,第2シリコン酸窒化膜41a,51aに変化させる。 プラズマ窒化処理は、例えば、RF電力を500Wとして窒素プラズマを励起し、室温、20mTorrの条件で、第1,第2シリコン酸化膜41,51に活性窒素を導入することで行う。

    プラズマ窒化処理後には、ポストアニール処理を行う。 ポストアニール処理では、例えば、1000℃程度の減圧酸素雰囲気中での酸化アニール(RTO)と、1050℃程度の窒素雰囲気中での急速昇温アニール(RTA)とを続けて行う。 その後、そのシリコン基板30を冷却する。

    ポストアニール処理後は、全面にポリシリコンを堆積し、エッチングにより所定をゲート加工を行うことで、図18に示すように、第1,第2シリコン酸窒化膜41a,51aからなるゲート絶縁膜、及びポリシリコンからなる第1,第2ゲート電極42,52を形成する。

    第1,第2ゲート電極42,52の形成後は、図19に示すように、第1,第2低濃度不純物拡散領域(エクステンション領域)43,53、サイドウォール絶縁膜44,54、及び第1,第2高濃度不純物拡散領域45,55を順に形成する。

    これにより、シリコン基板30に2種類のMOSトランジスタが形成される。 その後は、常法に従い、必要な層間絶縁膜や配線等の形成を行い、半導体装置を完成させるようにすればよい。

    なお、ここでは上記のケミカルフィルタを備えた半導体製造装置10のような構成を、第1,第2シリコン酸化膜41,51を形成する薄膜形成装置に適用した場合について例示した。 このほか、上記の半導体製造装置10のような構成は、他の工程で用いる装置にも同様に適用することが可能であり、また、同様にして環境モニタを行うことが可能である。

    例えば、上記製造方法におけるポストアニール処理には、上記の半導体製造装置10のような構成を有する熱処理装置を用いることができる。 その場合、上記の例に従い、FOUPからシリコン基板30をウェーハ待機・移載部、処理チャンバへと順に搬送し、そこでポストアニール処理を行い、処理後、シリコン基板30を元のFOUPに戻す。 ウェーハ待機・移載部には、環境モニタ用のシリコンウェーハを設置しておき、一定時間後のそのシリコンウェーハの酸化膜の膜厚測定結果を所定の閾値と比較することで、フィルタ設置部のケミカルフィルタの劣化の程度を評価する。

    このほか、上記の半導体製造装置10のような構成は、ウェット洗浄を行う洗浄装置、ポリシリコンや絶縁膜の形成を行う成膜装置、ゲート加工を行うエッチング装置等にも同様に適用可能である。

    なお、以上の説明では、環境モニタ用のシリコンウェーハに予め酸化膜を形成する場合の形成方法として熱酸化法を例示したが、このほか、ウェット酸化により所定膜厚の酸化膜を形成するようにしてもよい。 ウェット酸化には、例えば、アンモニアと過酸化水素を含有する水溶液(SC1)や、塩酸と過酸化水素を含有する水溶液(SC2)等を用いることが可能である。

    また、以上の説明では、水素雰囲気での熱処理によってシリコンウェーハ表面の酸化膜除去と表面の水素終端を行う方法を例示したが、フッ酸溶液等を用いたウェット処理によってそのような酸化膜除去と水素終端を行うようにしてもよい。

    ところで、環境モニタ用のシリコンウェーハを半導体製造装置内に放置するような場合には、その後の膜厚測定に際し、そのモニタ環境と異なる雰囲気に曝すことなく、FOUP等の密閉性に優れた容器に収納できるようにしておくことが好ましい。 その場合は、その容器ごとエリプソメータ等の膜厚測定用の装置まで運び、そこで容器を開放してシリコンウェーハを取り出し、膜厚測定を実施するようにすればよい。

    環境モニタ用のシリコンウェーハをクリーンルーム内の適所に放置するような場合には、開放状態のFOUP内に配置した状態で放置し、その後の膜厚測定に際し、FOUPを密閉状態にして膜厚測定用の装置まで運び、そこで膜厚測定を実施するようにすればよい。

    環境モニタ用のシリコンウェーハを半導体製造装置内に配置する場合やFOUP等の容器内に配置する場合には、その配置の仕方にも留意する。 例えば、環境モニタ用のシリコンウェーハ表面が、半導体製造装置内の大気の流れ方向に対して垂直或いは平行になるように配置する。 また、FOUP等の容器内に配置する場合には、その容器内における位置や、その容器内に収納される別のシリコンウェーハとの配置関係(間隔)等によって容器内の大気の流れが変わる可能性があるため、それらを考慮して配置する。 いずれの配置とする場合でも、閾値設定に当たっては、環境モニタ用のシリコンウェーハと同条件で配置したシリコンウェーハについて、モニタ環境が正常であるときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量の関係を取得しておけばよい。

    以上説明した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
    (付記1) ウェーハをモニタ環境下に一定時間放置する工程と、
    放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求める工程と、
    を有することを特徴とする環境モニタ方法。

    (付記2) 前記モニタ環境下への放置前に、前記ウェーハ表面を還元すると共に水素終端させる工程を有することを特徴とする付記1記載の環境モニタ方法。
    (付記3) 前記ウェーハを水素雰囲気で熱処理することによって前記ウェーハ表面を還元すると共に水素終端させることを特徴とする付記2記載の環境モニタ方法。

    (付記4) 前記モニタ環境下へ放置する前記ウェーハに対して酸化膜の膜厚測定を実施する工程を有し、
    放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求める工程では、放置後の前記ウェーハに対して酸化膜の膜厚測定を実施し、放置前後の酸化膜の膜厚測定結果から、放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求めることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の環境モニタ方法。

    (付記5) 放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求める工程では、放置後の前記ウェーハに対して酸化膜の膜厚測定を実施し、放置後の酸化膜の膜厚測定結果により、放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を求めることを特徴とする付記2又は3に記載の環境モニタ方法。

    (付記6) 前記ウェーハに対し、エリプソメータを用いて酸化膜の膜厚測定を実施することを特徴とする付記4又は5に記載の環境モニタ方法。
    (付記7) 前記ウェーハを前記モニタ環境下に放置する時間と、放置することによって前記ウェーハ表面に形成される酸化膜の膜厚との関係に基づき、前記モニタ環境で許容される酸化膜の膜厚増加量を予め設定する工程と、
    放置することによって前記ウェーハ表面に形成された酸化膜の膜厚を、予め設定された前記膜厚増加量と比較し、前記モニタ環境が正常か否かを判定する工程と、
    を有することを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の環境モニタ方法。

    (付記8) 前記環境モニタが異常と判定された場合に、前記ウェーハについて定性分析又は定量分析を行うことを特徴とする付記7記載の環境モニタ方法。
    (付記9) 前記モニタ環境は、クリーンルーム内の空間であることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の環境モニタ方法。

    (付記10) 前記モニタ環境は、半導体製造装置内の空間であることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の環境モニタ方法。
    (付記11) 前記ウェーハは、シリコンウェーハであることを特徴とする付記1から10のいずれかに記載の環境モニタ方法。

    環境モニタ方法のフローの一例を示す図である。

    サンプルaをモニタ環境x,y,zに放置したときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量との関係を示す図である。

    サンプルbをモニタ環境x,y,zに放置したときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量との関係を示す図である。

    サンプルcをモニタ環境x,y,zに放置したときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量との関係を示す図である。

    サンプルdをモニタ環境x,y,zに放置したときの放置時間と酸化膜の膜厚増加量との関係を示す図である。

    XPS測定結果を示す図である。

    サンプルbのXPS測定結果から得られた酸化膜の膜厚とエリプソメータで測定された酸化膜の膜厚との比較を示す図である。

    サンプルcのXPS測定結果から得られた酸化膜の膜厚とエリプソメータで測定された酸化膜の膜厚との比較を示す図である。

    XPS測定結果の一例を示す図である。

    サンプルa,b,c,dの炭素の存在比率を示す図である。

    半導体製造装置の一例の構成概略図である。

    酸化膜の膜厚の経時変化を示す図である。

    膜厚測定結果を示す図である。

    素子分離絶縁膜形成工程の要部断面模式図である。

    第1シリコン酸化膜形成工程の要部断面模式図である。

    第2シリコン酸化膜形成工程の要部断面模式図である。

    窒化処理工程の要部断面模式図である。

    ゲート加工工程の要部断面模式図である。

    不純物拡散領域及びサイドウォール絶縁膜形成工程の要部断面模式図である。

    符号の説明

    10 半導体製造装置 11 ウェーハ待機・移載部 11a,11b,20a シャッタ 12 フィルタ設置部 13 処理チャンバ 14 FOUP設置部 20 FOUP
    30 シリコン基板 31 素子分離絶縁膜 40,50 第1,第2素子領域 41,51 第1,第2シリコン酸化膜 41a,51a 第1,第2シリコン酸窒化膜 42,52 第1,第2ゲート電極 43,53 第1,第2低濃度不純物拡散領域 44,54 サイドウォール絶縁膜 45,55 第1,第2高濃度不純物拡散領域

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