首页 / 专利库 / 土壤科学 / 植物量 / イソプレノイド含有植物の組織培養用培地、及びそれを用いた発根促進方法、並びにイソプレノイド含有植物の植物体の生産方法

イソプレノイド含有植物の組織培養用培地、及びそれを用いた発根促進方法、並びにイソプレノイド含有植物の植物体の生産方法

阅读:1发布:2021-06-17

专利汇可以提供イソプレノイド含有植物の組織培養用培地、及びそれを用いた発根促進方法、並びにイソプレノイド含有植物の植物体の生産方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】イソプレノイド含有 植物 の組織培養用培地、及びそれを用いた発根促進方法、並びにイソプレノイド含有植物の植物体の生産方法を提供する。 【解決手段】イソプレノイド含有植物の組織培養用培地として、WPM(Woody Plant medium)培地を用いる。当該培地には、糖、ビタミン類、及びアミノ酸よりなる群より選択される少なくとも1種を配合することができる。 【選択図】なし,下面是イソプレノイド含有植物の組織培養用培地、及びそれを用いた発根促進方法、並びにイソプレノイド含有植物の植物体の生産方法专利的具体信息内容。

イソプレノイド含有植物の組織培養に用いられるWPM(Woody Plant medium)培地。前記WPM培地が糖、ビタミン類、及びアミノ酸よりなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載する培地。前記イソプレノイド含有植物がマメ科カンゾウ属植物である請求項1または2に記載する培地。請求項1〜3のいずれかに記載の培地を用いてイソプレノイド含有植物の生長点を含む近傍組織を培養する工程を有する、当該植物の植物体の生産方法。請求項1〜3のいずれかに記載の培地を用いてイソプレノイド含有植物の生長点を含む近傍組織を培養する工程を有する、当該植物の発根促進方法。発根を促進するとともに、根重量の増加を促進させる方法である、請求項5に記載する発根促進方法。

说明书全文

本発明は、イソプレノイド含有植物の組織培養用培地、及びそれを用いた発根促進方法、並びにイソプレノイド含有植物の植物体の生産方法に関する。

従来より、多くの薬理作用を有する生薬成分としてグリチルリチン、グリチルレチン酸、ギンセノシド、及び大豆サポニンなどのイソプレノイドが知られている。これらは通常、例えばマメ科カンゾウ属植物やウコギ科トチバニンジン属植物などの薬用植物を原料として用いて製造される。しかし、通常の栽培方法やその条件では、所定量の生薬成分を含む植物を採取するまでには長期間の栽培期間を要するという問題がある。例えばカンゾウ属植物の場合、その地下部にグリチルリチンが日本薬局方の規定量含まれるように栽培することは非常に難しく、そのためには4〜5年の栽培期間を要している。これを解決するための方法として、カンゾウ属植物の根部に予めもしくは生育の過程で絞り拘束機構による絞り拘束を施し、根部にストレスを与え続けることで根に含まれるグリチルリチン量を増加させる方法が試みられている(例えば、特許文献1参照。)。このように、従来より、より効率的に所定量の生薬成分を含む植物を安定して栽培し採取する方法が求められている。

また生薬成分の安定的な製造と供給を目的として、従来から植物の栽培に代えて、植物の組織培養についても研究されている。例えば、安定したグリチルリチンの生産を目的として、その生産原料となるカンゾウ属植物の不定根培養方法(特許文献2)、及び腋芽を用いた組織培養方法(特許文献3、非特許文献1等参照)が提案されている。

特開2012−170344号公報

特開平1−291725号公報

特開平4−11824号公報

Plant Tissue Culture Letters, 12(2), 145-149(1995)

上記の背景に鑑み、本発明はイソプレノイドを含む植物(イソプレノイド含有植物)について、その組織培養に好適に使用される培地、特に発根を促進し発根率を向上することができる培地を提供することを目的とする。

本発明者らは、前記目的を解決すべき鋭意検討したところ、イソプレノイド含有植物、特にマメ科カンゾウ属植物の組織培養用培地として、従来、木本(樹木)の組織培養に使用されているものの、草本の組織培養には使用されていないWPM(Woody Plant medium)培地を用いることで、発根率を格段に上げることができることを見出した。具体的には、後述する実験例に示すように、従来より草本の組織培養に使用されているMS培地を使用する場合と比較して、WPM培地を使用することで、発根率が格段に高まり、さらに植物ホルモンであるオーキシンを使用することなく、発根率を100%若しくは100%近くまで向上させることが可能になることを見出した。 本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、下記の実施形態を有する。

(I)イソプレノイド含有植物の組織培養に用いられる培地 (I−1)イソプレノイド含有植物の組織培養に用いられるWPM培地。 当該発明は、イソプレノイド含有植物を組織培養するためのWPM培地の使用、またはイソプレノイド含有植物の組織培養用培地を製造するためのWPM培地の使用とも言い換えることができる。 (I−2)前記WPM培地が、さらに糖を含有するものである、(I−1)に記載の培地。 (I−3)前記糖が単糖及び二糖からなる群より選択される少なくとも一種、好ましくはショ糖またはトレハロースである、(I−2)に記載の培地。 (I−4)前記WPM培地が、さらにビタミン類を含有するものである、(I−1)〜(I−3)のいずれかに記載に記載する培地。 (I−5)前記ビタミン類が、ビタミンB群より選択される少なくとも一種である、(I−4)に記載の培地。 (I−6)前記WPM培地が、さらにアミノ酸を含有するものである、(I−1)〜(I−5)のいずれかに記載する培地。 (I−7)前記アミノ酸がタンパク質構成アミノ酸、好ましくはグリシン、グルタミン及びアスパラギンからなる群より選択される少なくとも1種である、(I−6)に記載の培地。 (I−8)前記WPM培地が、さらに固形化剤を含有するものである、(I−1)〜(I−7)のいずれかに記載の培地。 (I−9)前記固形化剤が、ゲランガム(ゲルライト、ファイタゲル、ジェランガム)、ネイティブジェランガム、寒天、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、デンプン、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、及びタマリンドガムからなる群より選ばれる少なくとも一種である、(I−8)に記載の培地。 (I−10)イソプレノイド含有植物の組織培養における発根率を向上させるために使用される培地である、(I−1)〜(I−9)のいずれかに記載の培地。 (I−11)植物ホルモン、好ましくはオーキシンを実質的に含有していない、(I−1)〜(I−10)のいずれかに記載の培地。 (I−12)前記イソプレノイド含有植物が、マメ科カンゾウ属、バラ科マルメロ属、ナシ属、ナナカマド属、サンザシ属、シャリントウ属、ニガキ科ニガキ属、ミカン科キハダ属、ウコギ科オタネニンジン属、オモダカ科サジオモダカ属、マチン科マチン属、トウダイグサ科トウダイグサ属、イネ科イネ属、オオムギ属、チガヤ属、アブラナ科アブラナ属、キンポウゲ科サラシナショウマ属、フタバガキ科サラノキ属、HOPEA属、マメ科ルピナス属、カバノキ科カバノキ属、クロウメモドキ科ナツメ属、カンラン科カンラン属、シソ科ウツボグサ属、ツツジ科アルクトスタフィロス属、オオバコ科オオバコ属、モチノキ科モチノキ属、リンドウ科リンドウ属、フトモモ科フトモモ属、キキョウ科キキョウ属、ヒメハギ科ヒメハギ属、セリ科ミシマサイコ属、ツバキ科ツバキ属、ミカン科キハダ属、またはゴシュユ属からなる群より選択される少なくとも1つに属するトリテルペン含有植物である、(I−10)または(I−11)に記載する。 (I−13)前記イソプレノイド含有植物が、マメ科カンゾウ属、マメ科マメ属、マメ科アカシア属、マメ科ゲンゲ属、ウコギ科トチバニンジン属、ウコギ科ウコギ属、ウコギ科タラノキ属、アケビ科アケビ属植物、キク科シオン属、キキョウ科キキョウ属、ヒメハギ科ヒメハギ属、ユリ科アマドコロ属、ユリ科シオデ属、ツバキ科ツバキ属、セリ科ミシマサイコ属、ナデシコ科ドウカンソウ属、ナデシコ科サボンソウ属、トチノキ科トチノキ属、イネ科カラスムギ属、キョウチクトウ科ギムネマ属、及びウリ科アマチャズル属からなる群より選択される少なくとも1つに属するトリテルペン配糖体含有植物である、(I−10)または(I−11)に記載する培地。 (I−14)前記イソプレノイド含有植物がマメ科カンゾウ属植物である(I−1)〜(I−13)のいずれかに記載の培地。

(II)イソプレノイド含有植物の植物体の生産方法 (II−1)(I−1)〜(I−14)のいずれかに記載の培地を用いてイソプレノイド含有植物の組織を培養する工程を有する、当該植物の植物体の生産方法。 (II−2)前記組織がイソプレノイド含有植物の生長点を含む近傍組織である(II−1)に記載の生産方法。 (II−3)前記イソプレノイド含有植物がマメ科カンゾウ属に属する植物である(II−1)または(II−2)に記載する生産方法。

(III)イソプレノイド含有植物の発根促進方法 (III−1)(I−1)〜(I−14)のいずれかに記載の培地を用いてイソプレノイド含有植物の組織を培養する工程を有する、当該植物の発根促進方法。 (III−2)前記組織がイソプレノイド含有植物の生長点を含む近傍組織である(III−1)に記載の発根促進方法。 (III−3)前記イソプレノイド含有植物がマメ科カンゾウ属に属する植物である(III−1)または(III−2)に記載する発根促進方法。 (III−4)発根を促進するとともに、根重量の増加を促進させる方法である、(III−1)〜(III−3)のいずれかに記載する発根促進方法。

本発明のイソプレノイド含有植物の組織培養用WPM培地(本発明培地)によれば、従来発根率が低かった組織片培養イソプレノイド含有植物について、組織片からの発根率を格段に向上することができる。また糖、ビタミン類及びアミノ酸よりなる群より選択される少なくとも1種を含有する本発明培地によれば、発根率の向上に加えて、発根した根の成長を促し、根重量の増加を促進することが可能である。その結果、イソプレノイドの製造原料として有用なイソプレノイド含有植物(成形)を効率良く製造することが可能になる。さらに本発明培地には植物ホルモンであるオーキシンを配合する必要がないため、本発明培地によればイソプレノイド含有植物体に植物ホルモンが蓄積する危険性はなく、人体や環境に安全なイソプレノイドの製造原料としてイソプレノイド含有植物を生産し提供することができる。

実験例6において、マメ科カンゾウ属植物の組織片(苗条)を2週間培養した後に採取した植物体の外観を示す写真である。向かって左端から、培地No.6−1(WPM培地)、培地No.6−3(WPM培地+アミノ酸+ビタミン類)、培地No.6−2(WPM培地+糖)及び培地No.6−4(WPM培地+糖+アミノ酸+ビタミン類)でそれぞれ培養し、2週間経過した時点における植物体を示す。

(I)イソプレノイド含有植物の組織培養用培地 (1)イソプレノイド含有植物 本発明が対象とする植物は、その植物体の少なくとも一部位にスクワレンを前駆体とするイソプレノイド含有する植物である。具体的には、植物の生育過程において植物体の少なくとも一部位にイソプレノイドが生成されて含有(貯蔵・蓄積)するものである。つまり当該植物はイソプレノイド産生植物であるといえるが、本発明では当該植物をイソプレノイド含有植物と称する。

ここで、スクワレンを前駆体とするイソプレノイドには、トリテルペノイドおよびステロイドが含まれる。トリテルペノイドには、トリテルペン配糖体およびトリテルペンが含まれ、ステロイドには、ステロイド配糖体(ステロイドサポニンとも称される)が含まれる。

ここでトリテルペン配糖体としては、グリチルリチン、その塩(グリチルリチン酸二カリウムなど)、バッカロシドB(vaccaroside B)、アベナシンA‐1(avenacin A-1)、大豆サポニン、ギンセノシド、ウラルサポニン、チクセツサポニン、エレウテロシドA、アケボシド、プラティコジン、セネギン、オンジサポニン、サイコサポニン、テアサポニン、アスターサポニン、シビリコシド、スミラックスサポニン、エスチン、アラロシド、アストラガロシド、ギムネマ酸、ギベノサイドが挙げられる。ここでギンセノシドには、ギンセノシドRb1及びギンセノシドRb2等のギンセノシドRb群;ギンセノシドRg1及びギンセノシドRg2等のギンセノシドRg群;ギンセノシドRe;ギンセノシドRa;ギンセノシドRc;ギンセノシドRd;ギンセノシドRk1;ギンセノシドRo等が含まれる。制限されないものの、ギンセノシドとして好ましくはギンセノシドRb群及びギンセノシドRg群であり、より好ましくはギンセノシドRb1及びRg1である。また大豆サポニンには、例えば大豆サポニンAa、大豆サポニンβg等が含まれる。ウラルサポニンには、ウラルサポニンB、ウラルサポニンM−Y等が含まれる。チクセツサポニンには、チクセツサポニンIb、チクセツサポニンIV(アラロシドA)、チクセツサポニンIVa、チクセツサポニンV等が含まれる。アケボシドには、アケボシドStb、アケボシドStc、アケボシドStd、アケボシドStf、アケボシドSth、アケボシドSte、アケボシドStj等が含まれる。プラティコジンには、プラティコジンA、プラティコジンC、プラティコジンD、プラティコジンD2等が含まれる。セネギンは、オンジサポニンともよばれ、セネギンには、セネギンII、セネギンIII(オンジサポニンB)、セネギンIV(オンジサポニンA)等が含まれる。サイコサポニンには、サイコサポニンE、サイコサポニンF、サイコサポニンG等が含まれる。テアサポニンには、A1、A2、A3、A4、A5、B2、C1、E1等が含まれる。シビリコシドには、シビリコシドA、B等が含まれる。スミラックスサポニンには、スミラックスサポニンA−C等が含まれる。アストラガロシドには、アストラガロシドI、II、III、IV等が含まれる。

本発明が対象とするイソプレノイド含有植物のうち、トリテルペン配糖体含有植物は、前述するトリテルペン配糖体の少なくとも1種を生成し含有するものであり、任意の2種以上を含有するものであってもよい。これらのトリテルペン配糖体含有植物としては、制限されないものの、例えば地下部にトリテルペン配糖体を含有するマメ科カンゾウ属、マメ科マメ属、マメ科アカシア属、マメ科ゲンゲ属、ウコギ科トチバニンジン属、ウコギ科ウコギ属、ウコギ科タラノキ属、アケビ科アケビ属、キク科シオン属、キキョウ科キキョウ属、ヒメハギ科ヒメハギ属、ユリ科アマドコロ属、ユリ科シオデ属、ツバキ科ツバキ属、セリ科ミシマサイコ属、ナデシコ科ドウカンソウ属、ナデシコ科サボンソウ属、トチノキ科トチノキ属、イネ科カラスムギ属、キョウチクトウ科ギムネマ属、ウリ科アマチャズル属またはヒユ科フダンソウ属に属する植物、特に薬用植物を挙げることができる。

ここでマメ科カンゾウ属(Glycyrrhiza)に属する植物は、地下部(根およびストロン)にトリテルペン配糖体(主にグリチルリチン)を少なくとも含有するものであればよい。かかる植物としては、例えばウラルカンゾウ(学名「G. uralensis」)、スペインカンゾウ(学名「G. glabra」)、チョウカカンゾウ(新疆甘草、学名「G. inflata」)、ロシアカンゾウ(学名「G. echinata」)、学名「G. acanthocarpa」、学名「G. aspera」、学名「G. astragalina」、学名「G. bucharica」、学名「G. eglandulosa」、学名「G. foetida」、学名「G. foetidissima」、学名「G. gontscharovii」、学名「G. iconica」、学名「G. korshinskyi」、学名「G. lepidota」、学名「G. pallidiflora」、学名「G. squamulosa」、学名「G. triphylla」、学名「G. yunnanensis」、並びにこれらカンゾウ属植物の変種または亜種が知られている。好ましくは、入手容易性等の点から、ウラルカンゾウ、スペインカンゾウ、チョウカカンゾウ、及びロシアカンゾウである。なかでも好ましくはウラルカンゾウ、及びスペインカンゾウである。カンゾウ属植物の地下部に含まれるトリテルペン配糖体としては、前述するグリチルリチン、グリチルリチン酸二カリウム、3−モノグルクロニルグリチルレチン酸、バッカロシドB(vaccaroside B)、アベナシンA‐1(AVENACIN a-1)、大豆サポニン;ウラルサポニンが挙げられる。好ましくはグリチルリチン、グリチルリチン酸二カリウム、3−モノグルクロニルグリチルレチン酸であり、より好ましくはグリチルリチンである。なお、カンゾウ属植物の地下部には、後述するトリテルペンのうち、グリチルレチン酸、グラブリン酸、リキリチン酸も含まれている。好ましくは、グリチルレチン酸が含まれる。

またウコギ科(Araliaceae)トチバニンジン属(Panax)に属する植物には、オタネニンジン(Panax ginseng C.A.Mey)(別名:朝鮮人参または高麗人参)、アメリカニンジン(Panax quinquefolius L.)(別名:西洋ニンジン、花旗参)、サンシチニンジン(Panax notoginseng Berk.)(別名:田七人参)、トチバニンジン(Panax japonicus)(別名:竹節人参)等が含まれる。ウコギ科トチバニンジン属植物の根に含まれるトリテルペン配糖体としては、トリテルペン系サポニンであるギンセノシドが挙げられる。ギンセノシドの種類は前述の通りである。好ましくはギンセノシドRb1及びギンセノシドRb2等のギンセノシドRb群;及びギンセノシドRg1及びギンセノシドRg2等のギンセノシドRg群であり、より好ましくはギンセノシドRb1及びギンセノシドRg1である。これらのギンセノシドRb1やRg1を多く含む点で、好ましくはオタネニンジン、アメリカニンジン、サンシチニンジンであり、より好ましくはオタネニンジンである。トチバニンジンは、トリテルペン配糖体として、さらにチクセツサポニンを含む。チクセツサポニンの種類は前述の通りである。

トリテルペンとしては、ウルサン型トリテルペン(例えばαアミリン、トルメンティック酸、コロソリン酸、ウルソール酸)、プロトスタン型トリテルペン(例えばアリソール、ヘルボリン酸、フシジン酸)、ラノスタン型トリテルペノイド(例えばラノステロール、エブリコ酸、ポリポレン酸、ツムロシン酸、パキマ酸、シクロアルテノール、シミシフゲノール、シミゲノール)、ダマラン型トリテルペン(例えばダマレンジオール、プロトパナキサジオール、プロトパナキサトリオール、)、ユーファン-ティルカラン型トリテルペン(例えばユーホール、ユーホルボール、エレモール酸、エレモン酸)、ルパン型トリテルペン(ルペオール、ベツリン、ベツリン酸)、リモニン型トリテルペン(例えばリモニン、エボドール、ルタエビン、オバクノン)、クァッシン型トリテルペン(例えばクァッシノイド、ブルセアンチン)、オレアナン型トリテルペン(例えばマスリン酸)、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソウルス−12−エン−28−オイック酸、β−アミリン、オレアノール酸、フペンジック酸、ヘラゲニン、プラティコディゲニン、ポリガラシン酸、プレセネゲニン、サイコゲニン、チャサポゲノール、リキリチン酸、グラブリン酸、グリチルレチン酸、及びこれらの塩が挙げられる。ここでアリソールには、アリソールA、B、Cおよびこれらのモノアセテート等が含まれる。ポリポレン酸にはポリポレン酸A,C等が含まれる。ダマレンジオールには、ダマレンジオール、ダマレンジオールI,II等が含まれる。サイコゲニンには、サイコゲニンE,F,G等が含まれる。チャサポゲノールには、テアサポゲノールA,B,C,D,E等が含まれる。クァッシノイドにはクァッシン(ニガキラクトンD),ネオクァッシン、ニガキラクトンA〜N(Dを除く)、ピクラシンA、C,F、ニガキヘミアセタールA,B,C等が含まれる。好ましくはグリチルレチン酸である。

本発明が対象とするイソプレノイド含有植物のうち、トリテルペン含有植物は、前述するトリテルペンの少なくとも1種を生成し含有するものであり、任意の2種以上を含有するものであってもよい。これらのトリテルペン含有植物としては、制限されないものの、例えば、マメ科カンゾウ属、バラ科マルメロ属、ナシ属、ナナカマド属、サンザシ属、シャリントウ属、ニガキ科ニガキ属、ミカン科キハダ属、ウコギ科オタネニンジン属、オモダカ科サジオモダカ属、マチン科マチン属、トウダイグサ科トウダイグサ属、イネ科イネ属、オオムギ属、チガヤ属、アブラナ科アブラナ属、キンポウゲ科サラシナショウマ属、フタバガキ科サラノキ属、HOPEA属、マメ科ルピナス属、カンゾウ属、カバノキ科カバノキ属、クロウメモドキ科ナツメ属、カンラン科カンラン属、シソ科ウツボグサ属、ツツジ科アルクトスタフィロス属、オオバコ科オオバコ属、モチノキ科モチノキ属、リンドウ科リンドウ属、フトモモ科フトモモ属、キキョウ科キキョウ属、ヒメハギ科ヒメハギ属、セリ科ミシマサイコ属、ツバキ科ツバキ属、ミカン科キハダ属、またはゴシュユ属に属する植物が挙げられる。好ましくはマメ科カンゾウ属である。

ステロイド配糖体としては、プレグナン配糖体、エクジステロン、イノコステロン、ストロファンチン、スミラックスサポニン、ヘレブリン、ジオスシン、オフィオポゴニン、スミラゲニン配糖体、ジギトニン、ギトニン、サルササポニン、ジギトキシン、ラナトシド、ギトキシン、ギタロキシン、コンバラトキシン、シラレン及びチモサポニンが挙げられる。プレグナン配糖体には、コンズランゴグリコシドA,A1,A0,B0,C,C0,C1,D1、コンズランゴゲニンA,Cなどが含まれる。ストロファンチンには、G−ストロファンチン(ウアバイン)、K−ストロファンチン等が含まれる。スミラックスサポニンには、スミラックスサポニンA,B,C等が含まれる。オフィオポゴニンには、オフィオポゴニンA〜D、B’〜D’等が含まれる。ラナトシドには、ラナトシドA,B,C等が含まれる。チモサポニンには、チモサポニンA−III等が含まれる。

本発明が対象とするイソプレノイド含有植物のうち、ステロイド配糖体含有植物は、前述するステロイド配糖体の少なくとも1種を生成し含有するものであり、任意の2種以上を含有するものであってもよい。これらのステロイド配糖体含有植物としては、制限されないものの、例えば、ガガイモ科キジョラン属、ヒユ科イノコズチ属、キョウチクトウ科ストロファンツス属、キンポウゲ科オウレン属、ヤマノイモノ科ヤマノイモ属、ヒガンバナ科リュウゼツラン属、ユリ科シオデ属、ハナスゲ属、ジャノヒゲ属、ショウジョウバカマ属、ハラン属、ゴマノハグサ科ジギタリス属、またはナス科ウィザニア属に属する植物が挙げられる。

イソプレノイドを含有する部位(好ましくは蓄積部位)としては、イソプレノイド含有植物の種類に応じて、葉、茎、花、果実、種子(以上、「シュート系」と総称する)、及び根(主根、側根)(以上、「根系」と総称する)を挙げることができる。例えば、マメ科カンゾウ属植物におけるグリチルリチン含有部位(蓄積部位)は根系(好ましくは主根)及びストロンである。ストロンは茎(シュート系)であるが、根際から地表に近い地中を横に這う地下茎であるため、ここでは根(主根、側根)とストロンを包括的に「地下部」と総称する。ウコギ科トチバニンジン属植物におけるギンセノシド含有部位(蓄積部位)は根系、好ましくは主根である。

つまり、各イソプレノイド含有植物について、イソプレノイドを生成若しくは蓄積する部位の生育(組織増殖)を促進することで、結果としてイソプレノイド含量を増加させることができ、より多くのイソプレノイドを含む植物の植物体またはその部位を得ることができる。例えば、マメ科カンゾウ属植物やウコギ科トチバニンジン属植物については、イソプレノイドを含有する地下部の生長を促進することで(発根の促進または/および根重量増加の促進を含む)、短い栽培期間で効率的にイソプレノイドを多く含有する植物の植物体またはその部位を得ることができるようになる。

(2)組織培養用培地 イソプレノイド含有植物の組織培養用培地(以下、単に「本発明培地」と称する)には、下記表1に記載する成分を含有するWPM(Woody Plant medium)培地を基本培地として用いることができる。WPM培地は、本発明とは対象が異なる木本(樹木)植物の器官やカルスを培養するための基本培地として従来より使用されており、その組成及び調製方法はそれに従うことができる。

イソプレノイド含有植物の組織培養には、上記成分からなるWPM培地をそのまま使用することができる。また、WPM培地にさらに糖、ビタミン類及びアミノ酸よりなる群から選択される少なくとも一種の補助因子を配合してなるWPM培地を使用することもできる。後述するように、かかる補助因子は発根後の根の生長、特に根重量の増加を促進するうえで有用である。この点から補助因子として最も好ましくは糖であり、次いで好ましくはビタミン類、及びそれに続いて好ましくはアミノ酸である。これらの補助因子は一種単独でWPM培地に添加配合して用いられてもよいが、2種以上を組み合わせてWPM培地に配合することもできる。前述するように、好ましくは糖及びビタミン類であり、より好ましくは糖である。

ここで糖としては、組織培養において炭素源として用いられるものであり、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限されない。例えば、グルコース、マンノース、リボース、アラビノース、ガラクトース、及びフルクトース等の単糖;ショ糖、マルトース、メリビオース、トレハロース、セロビオース、及びラクトース等の二糖;ラフィノース等のオリゴ糖;ソルビトール等の糖アルコールを挙げることができる。これらの糖は、一種単独、または二種以上を任意に組み合わせて、WPM培地に添加配合して用いることができる。好ましくは単糖または二糖であり、より好ましくはショ糖やトレハロース等の二糖である。ショ糖及びトレハロースは単独または組み合わせて用いることもでき、またショ糖または/及びトレハロースに他の糖を組み合わせてWPM培地に添加配合することもできる。WPM培地に配合する糖の割合(総量)は、本発明の効果を妨げないことを限度として制限されないものの、最終培地100質量%あたり、通常0より多く5質量%以下の範囲を挙げることができる。好ましくは0.01〜3質量%である。また発根率向上に加えて、根重量の増加を促進するうえで有効な糖含有量として、最終培地100質量%あたり0.1〜3質量%、好ましくは0.5〜3質量%を挙げることができる。

補助因子として用いるビタミン類には、ビタミン及び酵素補助因子が含まれる。ビタミン及び酵素補因子としては、組織培養に使用され、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限されない。例えば、ビタミンとしては、ビタミンB1(チアミン及びその塩)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ニコチン酸、ニコチン酸アミド[ナイアシンアミド])、ビタミンB5(パントテン酸、及びその塩)、ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、及びこれらの塩)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、及びこれらの塩)、イノシトール(myo−イノシトール、及びその異性体)(以上、ビタミンB群);ビタミンC(アスコルビン酸);ビタミンA(レチノール、β−カロテン、α−カロテン、β−クリプトキサンチン);ビタミンD(コレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール);ビタミンK(フィロキノン、メナキノン)等が挙げられる。また上記ビタミン以外の酵素補助因子としては、PABA(p−アミノ安息香酸)、コリンまたはホスホリルコリンの塩(塩化コリン、クエン酸二素コリン等)が挙げられる。これらのビタミン類は、一種単独、または二種以上を任意に組み合わせて、WPM培地に添加配合して用いることができる。好ましいビタミン類は水溶性のビタミン類であり、より好ましくは、ビタミンB1、ビタミンB3、ビタミンB6、及びイノシトール等のビタミンB群である。WPM培地に配合するビタミン類の割合(総量)は、本発明の効果を妨げないことを限度として制限されないものの、最終培地100質量%あたり、通常0より多く0.1質量%以下の範囲を挙げることができる。好ましくは0.001〜0.05質量%である。

補助因子として用いるアミノ酸としても、組織培養に使用され、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限されない。例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リシン、δ−ヒドロキシリシン、アルギニン、システイン、シスチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリン、及び4−ヒドロキシプロリンからなる群より選択される少なくとも一種のタンパク質構成アミノ酸を挙げることができる。好ましくはアスパラギンやグルタミンといったモノアミノジカルボン酸アミド、及びグリシンを挙げることができる。モノアミノジカルボン酸アミドとしてより好ましくはグルタミンである。これらのアミノ酸は一種単独で、または二種以上を任意に組み合わせて、WPM培地に添加配合して用いることもできる。WPM培地に配合するアミノ酸の割合(総量)は、本発明の効果を妨げないことを限度として制限されないものの、最終培地あたり、通常0より多く100mg/L以下の範囲を挙げることができる。好ましくは5〜50mg/Lである。また発根率向上に加えて、根重量の増加を促進するうえで有効なアミノ酸の含有量として、最終培地あたり5〜20mg/Lを挙げることができる。

本発明培地は、液状であっても、半固体状であっても、また固体状であってもよい。液状の場合、組織片を物理的に固定できれば良い。半固体状または固体状の場合、特に静置培養(例えば試験管培養)で使用する場合、本発明培地は、前記WPM培地に加えて、固形化剤を含有するものであってもよい。この場合、本発明培地は、さらに、前述する糖、ビタミン類及びアミン酸よりなる群から選択される少なくとも一種を含有するものであってもよい。ここで固形化剤としては、組織培養に使用される培地の固形化剤として使用されるものであって、本発明の効果を妨げないものであればよく、特に制限されない。例えば、ゲランガム(ゲルライト、ファイタゲル、ジェランガム)、ネイティブジェランガム、寒天、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、デンプン、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、及びタマリンドガムからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。これらの固形化剤は一種単独でWPM培地に添加配合して用いても良いし、二種以上を任意に組み合わせて、WPM培地に添加配合して用いることもできる。好ましくはゲランガム及び寒天である。WPM培地に配合する固形化剤の割合は、固形化剤の種類や調製する培地の硬さ等に応じて適宜設定することができる。制限されないものの、最終培地100質量%あたり、通常0より多く1質量%以下の範囲を挙げることができる。好ましくは0.5質量%以下であり、より好ましくは0.4質量%以下である。なお、これらの固形化剤を用いる場合、固形化剤の種類に応じてリチウム、ナトリウム若しくはカリウム等の一価カチオン、またはカルシウム、マグネシウム若しくはバリウム等の二価カチオンを併せて配合することが好ましい。

本発明培地は植物ホルモンを含有するものであってもよいが、配合する場合、人体や環境に対する影響を考慮して、その量は微量であることが好ましい。ここで植物ホルモンとしては、オーキシン、ジベレリン、ブラシノステロイド、エチレン、及びサイトカイニン等を挙げることができる。ここでオーキシンとしては、インドール−3−酢酸(IAA)、インドール−3−酪酸、ナフタレン酢酸(NAA)、ナフトキシ酢酸、フェニル酢酸、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、及び2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸を挙げることができる。これらは一種単独でWPM培地に添加配合して用いても良いし、二種以上を任意に組み合わせて、WPM培地に添加配合して用いることもできる。WPM培地に配合する植物ホルモン、特にオーキシンの割合(総量)は、最終培地100質量%あたり、0〜0.005mg/L未満、好ましくは0〜0.002mg/L未満、より好ましくは0〜0.001mg/L未満である。後述する実験例に示すように、前述する本発明培地によれば、植物ホルモンを配合しなくても、イソプレノイド含有植物の発根率を格段に向上することができるし、むしろ発根率の向上において植物ホルモンはマイナスに作用する場合がある。このため本発明培地は、発根効率及び人体と環境に対する影響の両面から、より好ましくは植物ホルモンを含有しないものである。

(II)イソプレノイド含有植物の発根促進方法、及び植物体の生産方法 前述する本発明培地を用いてイソプレノイド含有植物の組織片を培養することで、後述する実験例に示すように、イソプレノイド含有植物の発根を促進し、発根率を向上することができる。その結果、より効率的にイソプレノイド含有植物の成形を生産することが可能になる。

培養に使用する組織片としては、例えばカルスからの器官分化あるいは無菌播種などによって得られた無菌化植物の生長点を含む近傍組織(生長点(「成長点」ともいう)及びその近傍組織)を挙げることができる。当該生長点を含む組織としては、例えば茎頂組織、腋芽組織、茎頂及び/または腋芽を含む茎、根頭部、胚、ストロン様組織および生長点を含む培養物(多芽体、苗条原基、再分化したカルス等)を挙げることができる。好ましくは無菌化されたイソプレノイド含有植物から分離された茎頂または腋芽のいずれか少なくとも1種を1つ以上含む組織片である。前記茎頂及び/または腋芽を含む組織片はイソプレノイド含有植物の茎より切断等の適宜手段によって採取することができ、茎と葉または葉の一部を残すように調製する。組織片の培地への置床は、組織片における茎頂や腋芽の出芽方向が培地よりも上方を向くようにして組織片の茎の部分を、殺菌処理などにより無菌化された本発明培地に挿しつけて行う。

斯くして調製される組織片の培養は、培地として本発明培地を使用する以外は、通常の組織培養で使用される方法及び条件を用いて行うことができる。具体的には、培養容器内に調製した本発明培地に挿し付けた組織片を、大気圧条件下、無菌状態を維持した状態で培養する。制限されないものの、温度条件としては通常15〜30℃、培養室または培養庫の湿度条件としては通常30〜70RH%を挙げることができる。明暗条件としては、制限されないものの、典型的には10〜20時間の明期/4〜14時間の暗期を挙げることができる。明期の照度条件としては、制限されないものの1500〜10000ルクスの範囲を挙げることができ、明期の間、その照度範囲で連続して照明することができる。また培養方法は、静置培養であっても、振とう培養であってもよく、培養に使用する組織片に応じて適宜選択できる。

このように本発明培地を用いて前述する操作及び条件で培養を行うことにより、発根を促進することができ、高い割合で発根させることが可能になる。つまりこれら一連の培養操作により、組織片から発根したイソプレノイド含有植物の植物体を短期間で安定的に取得することができる。また、このように本発明培地を用いた培養により、イソプレノイド含有植物について根重量の多い植物体を短期間で安定的に得ることが可能になる。この場合、前述するように、本発明培地として補助因子を配合したWPM培地を用いることが好ましい。後述する実験例に示すように、イソプレノイド含有植物が特にマメ科カンゾウ属植物の場合、組織片を本発明培地に置床した後、2週間程度培養することで、安定的に発根させることができ、さらに2〜4週間程度の培養により、順化生育及び育苗に向けて植え替え可能な状態の植物体を得ることができる。

本発明培地を用いた培養方法によって得られるイソプレノイド含有植物の植物体(発根した組織片)は培地より取り出した後、根についた培地を流水等で除去し、バーミキュライトやロックウールなどの支持体に根を痛めないようにして植え付け、適当な順化条件下で一定期間生育させた後、土壌に移植して慣用方法に従って通常の栽培(育苗)を行うと健全な植物体(成形)として生育させることかできる。

以上、本明細書において、「含有する」という用語は「から本質的になる」及び「からなる」という用語を包含するものとして用いられる。

以下にIP含有植物の一例としてマメ科カンゾウ属植物を用いた実験例に基づいて、本発明をさらに詳しく説明する。但し、本発明はこれらの実験例に限定されるものではない。なお、下記の実験例における工程、処理、又は操作は、特に言及がない場合、室温及び大気圧条件下で実施される。室温は10〜40℃の範囲内の温度を意味する。

実験例1 マメ科カンゾウ属植物の発根促進 マメ科カンゾウ属植物(ウラルカンゾウ)の種子から調製した腋芽(茎頂含む)を、種々の培地を用いて培養し、発根率を比較した。

(1)実験方法 ウラルカンゾウの種子を、試験管内の培地に無菌状態で播種して、クローン増殖した組織培養苗を得た。組織培養苗の調製は、具体的には以下のとおり行った。 1.ウラルカンゾウの種子を10倍希釈したアンチホルミンに5分浸漬して種子表面を殺菌した後、滅菌水で3回すすぐ。 2.表面殺菌した種子を試験管内の培地(MS培地またはWPM(Woody Plant Medium)培地)上に静置(24±1℃、16時間日長3000〜6000lux、暗期8時間)し、発芽させる。 3.発芽後、2〜4週間程度培養し成長した腋芽または/および茎頂を有する組織片(苗条の地上部の一部)を無菌的に切取り、これを検体として、表4に記載する培地1−1〜1−5に挿しつけて培養する。培養は、24±1℃、16時間日長3000〜6000lux、暗期8時間の条件で1ヶ月間行う。

表4に記載する基本培地のうち、ビタミン含有MS培地(Murashige-Skoog培地)は、通常草本植物の組織培養に汎用されているMS培地に、ムラシゲ・スクーグビタミン粉末(シグマアルドリッチ)を添加したものである。これを基本培地とする培地No.1−1は、M.Kohjyouma らの論文(非特許文献1)に使用されている培地であり、本発明培地に対する比較培地(比較例)として用いた。一方、培地No.1−2〜1−5で使用するアミノ酸及びビタミン類含有WPM培地は、通常木本(樹木)植物の組織培養に使用されるWPM培地に、グリシン(アミノ酸)、並びにmyo−イノシトール、ニコチン酸、塩酸ピリドキシン及び塩酸チアミン(以上、ビタミン類)を配合したものであり、Duchefa社の「McCown Woody Plant medium including vitamins」を用いた。なお、WPM培地は、通常、草本植物の組織培養には使用されない。WPM培地の組成を表2に、アミノ酸及びビタミン類含有WPM培地(McCown Woody Plant medium including vitamins)の組成を表3にそれぞれ示す。

培養から1ヶ月間後、各検体について目視により発根の有無を確認し、下記式により発根率を算出した。 [数1] 発根率(%)=(発根した検体数/検体総数)×100

(2)実験結果 結果を表4に併せて示す。

表4に示すように、ベースとする基本培地として、ビタミン含有MS培地(培地No.1−1)ではなく、アミノ酸及びビタミン類含有WPM培地(培地No.1−2〜1−5)を用いて培養することで、植物ホルモンの一種であるオーキシン(1−ナフタレン酢酸)の配合の有無に関わらず、カンゾウ属植物の組織培養での発根が促進され発根率が高くなることが確認された。特にその効果は、アミノ酸及びビタミン類含有WPM培地に、さらにグルタミン(アミノ酸)等の窒素源やショ糖等の炭素源を添加することで有意に認められた。またアミノ酸及びビタミン類含有WPM培地に、前記窒素源や炭素源に加えて固形化剤を添加し、固体培地とすることで、オーキシンを配合することなく、発根が促進され、発根率を格段に向上させることができることが確認された。このことから、従来の方法では発根率が低かったカンゾウ属植物の組織培養での発根率を、基本培地としてWPM培地を用いることで、オーキシンを使用することなく向上させることができる。またこの方法は、培養にオーキシン等の植物ホルモンを使用しなくてよいため、本発明の培地を用いた培養方法によれば、植物体内への植物ホルモンの蓄積がなく、安全な生薬及び甘味料原料としてカンゾウ属植物を製造することが可能になる。

実験例2 マメ科カンゾウ属植物の発根促進効果 ベースとする基本培地として表2に記載するWPM培地を用いて、これにアミノ酸または/および炭素源を配合してイソプレノイド含有植物の組織培養用培地を調製した(表5)。これに、実験例1と同様の方法でマメ科カンゾウ属植物(ウラルカンゾウ)の種子から調製した腋芽または/および茎頂を含む組織片(苗条)を挿し付け、実験例1と同様に培養して、培養から2週間後、各検体について目視により発根の有無を確認し、実験例1と同様にして発根率を評価比較した。

結果を表5に示す。

この結果から、組織培養培地としてWPM培地(培地No.2−1)を用いることで、実験例1で評価したビタミン含有MS培地(培地No.1−1)を用いる場合と比べて格段にカンゾウ属植物の組織培養での発根率が向上することが判明した。さらにその効果は、WPM培地に炭素源として糖を配合しても、さらに糖(ショ糖)0.1〜3質量%に加えて窒素源(アミノ酸)を配合しても安定して維持されることが確認された(培地No.2−2〜2−5)。また、培地No.2−6の処方においてショ糖濃度を5質量%にすると発根率がやや低下する傾向が認められた。このことから、ショ糖濃度の上限は5質量%を限度として3質量%程度までが好ましいと考えられる。なお、培地へのオーキシンの配合(培地No.2−7)は、カンゾウ属植物の組織培養での発根率をむしろ低下させる傾向が認められた。

実験例3 マメ科カンゾウ属植物の発根促進効果 ベースとする基本培地として表3に記載するアミノ酸及びビタミン類含有WPM培地を用いて、これにアミノ酸または/および炭素源を配合してイソプレノイド含有植物の組織培養用培地を調製した(表6)。これに、実験例1と同様の方法でマメ科カンゾウ属植物(ウラルカンゾウ)の種子から調製した腋芽または/および茎頂を含む組織片(苗条)を挿し付け、実験例1と同様にして培養して、培養から2週間後、各検体について目視により発根の有無を確認し、実験例1と同様にして発根率を評価比較した。

結果を表6に示す。

この結果から、アミノ酸及びビタミン類含有WPM培地(培地No.3−1)を用いることで、実験例1で評価したビタミン含有MS培地(培地No.1−1)を用いる場合と比べて格段にカンゾウ属植物の組織培養での発根率が向上することが判明した。さらにその効果は、アミノ酸及びビタミン類含有WPM培地に窒素源(アミノ酸)に加えて、炭素源として糖(ショ糖)を0.1〜3質量%の範囲で配合しても安定に維持されることが確認された(培地No.3−2〜3−5)。また、実験例2と同様に、培地No.3−5の処方においてショ糖濃度を5質量%にすると発根率がやや低下する傾向が認められた。このことからも、ショ糖濃度の上限は5質量%を限度として3質量%程度までが好ましいと考えられる。なお、培地へのオーキシンの配合(培地No.3−6)は、カンゾウ属植物の組織培養での発根率をむしろ低下させる傾向が認められた。

これらの結果は、基本培地としてWPM培地を用いた実験例2(表5)の結果を同じであり、このことから、「アミノ酸及びビタミン類含有WPM培地」に含まれているビタミン類はカンゾウ属植物の組織培養での発根率にはあまり影響を与えないものと考えられる。

実験例4 マメ科カンゾウ属植物の発根促進効果 ベースとする基本培地として表3に記載するアミノ酸及びビタミン類含有WPM培地を用いて、これにアミノ酸または/および炭素源を配合してイソプレノイド含有植物の組織培養用培地を調製した(表7)。これに、実験例1と同様の方法でマメ科カンゾウ属植物(ウラルカンゾウ)の種子から調製した腋芽または/および茎頂を含む組織片(苗条)を挿し付け、実験例1と同様にして培養して、培養から1ヶ月間後、各検体について目視により発根の有無を確認し、実験例1と同様にして発根率を評価比較した。

結果を表7に示す。

この結果から、アミノ酸及びビタミン類含有WPM培地に炭素源(ショ糖)を配合した培地(培地No.4−1)を用いても、アミノ酸及びビタミン類含有WPM培地(No.3−1)と同様に、カンゾウ属植物の組織培養での発根率が格段に向上することが判明した。さらにその効果は、アミノ酸及びビタミン類含有WPM培地に炭素源(ショ糖)に加えて、窒素源としてアミノ酸(グルタミン)を1〜100mg/Lもの範囲で配合しても(培地No.4−2〜4−5)安定して維持されることが確認された。

実験例5 マメ科カンゾウ属植物の発根促進効果 ベースとする基本培地として表2に記載するWPM培地または表3に記載するアミノ酸及びビタミン類含有WPM培地を用いて、これにアミノ酸または/および炭素源を配合してイソプレノイド含有植物の組織培養用培地を調製した(表8)。これに、実験例1と同様の方法でマメ科カンゾウ属植物(ウラルカンゾウ)の種子から調製した腋芽および/または茎頂を含む組織片(苗条)を挿し付け、実験例1と同様にして培養して、培養から1ヶ月間後、各検体について目視により発根の有無を確認し、実験例1と同様にして発根率を評価比較した。

結果を表8に示す。

この結果から、炭素源としてショ糖に代えてトレハロースを用いても、また窒素源(アミノ酸)としてグルタミンに代えてグリシンまたはアスパラギンを用いても、同様にカンゾウ属植物の組織培養での発根率が有意に向上することが確認された。

実験例6 マメ科カンゾウ属植物の根重量増加促進効果 ベースとする基本培地として表2に記載するWPM培地または表3に記載するアミノ酸及びビタミン類含有WPM培地を用いて、これにアミノ酸または/および炭素源を配合してイソプレノイド含有植物の組織培養用培地(No.6−1〜6−4)を調製した(表9)。なお、これらの培地のうち、培地No.6−1は培地No.2−1(実験例2)、培地No.6−2は培地No.2−2(実験例2)、培地No.6−3は培地No.3−1(実験例3)、培地No.6−4は培地No.3−4(実験例3)及び培地No.4−3(実験例4)と同じものであり、いずれもマメ科カンゾウ属植物(ウラルカンゾウ)の培養組織の2週間の培養で100%発根が認められた培地である。これに、実験例1と同様の方法でマメ科カンゾウ属植物(ウラルカンゾウ)の種子から調製した腋芽および/または茎頂を含む組織片(苗条)を挿し付け、実験例1と同様にして2週間培養した。培養後、発根した組織片を培地から引き抜き、蒸留水で2回洗浄した後、各検体の全体像を写真に撮るとともに(図1)、各検体を根部と地上部とに分けて、長さと重さ(総湿重量)を測定した。

結果を表9に示す。

この結果から、根部及び地上部のいずれの重量も、培地No.6−4(WPM培地+糖+ビタミン類+アミノ酸)>培地No.6−2(WPM培地+糖)>培地No.6−3(WPM培地+ビタミン類)>培地No.6−1(WPM培地+アミノ酸)の順で、重いことが確認された。これらの結果から、イソプレノイド含有植物の組織培養用培地として、WPM培地を用いることで当該植物組織の発根を促進することができるとともに、WPM培地に糖、ビタミン類、及びアミノ酸からなる群より選択される少なくとも1つを配合することで、根部の重量の増加を促進することもできることが確認された。特に根部重量の増加促進効果は、糖>ビタミン類>アミノ酸の順で高いことがうかがわれた。

実験例7 マメ科カンゾウ属植物の発根率及び根重量増加促進効果 実験例1及び6の実験を、ウラルカンゾウに代えてスペインカンゾウ、チョウカカンゾウ、及びロシアカンゾウを用いて同様に行うことで、同様の結果を得ることができた。このことから、本発明培地は、地下部にグリチルリチン等のトリテルペン配糖体を含有するウラルカンゾウ、スペインカンゾウ、チョウカカンゾウ、及びロシアカンゾウ等のマメ科カンゾウ属植物の組織培養時における発根促進(発根率向上)または/及び根重量の増加促進に有用である。

高效检索全球专利

专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

申请试用

分析报告

专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

申请试用

QQ群二维码
意见反馈