首页 / 专利库 / 温室和苗圃 / 温室 / 暖房 / Cogeneration output utilization system

Cogeneration output utilization system

阅读:622发布:2024-01-25

专利汇可以提供Cogeneration output utilization system专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To supply heat and electric power which are the output of a cogeneration device while appropriately coping with various energy demand on the using customer side. SOLUTION: This cogeneration output utilization system achieves a high capacity to cope with demand, and high energy efficiency, furthermore compact and natural refrigerant adoption by uniting an expander circuit for driving a compressor, and a refrigerating cycle in a system wherein the compressor of the refrigerating cycle is driven by a power source selecting or combining exhaust heat and electric power which are the output of the cogeneration device, and heat and cold are selectively or simultaneously output by the refrigerating cycle. COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT,下面是Cogeneration output utilization system专利的具体信息内容。

  • 冷媒回路を備え、コージェネレイション装置の出力である排熱で加熱して得た高温高圧ガス冷媒を膨張させる膨張機を含む膨張機冷媒回路と、該膨張機の出力により駆動される圧縮機を含む冷凍サイクルにより前記冷媒回路を構成したシステムに於いて、
    前記膨張機冷媒回路における膨張後の冷媒の凝縮熱と前記冷凍サイクルにおける圧縮後の冷媒の凝縮熱の双方から温熱を、前記冷凍サイクルの冷媒の蒸発熱から冷熱を出力するように構成し、温熱と冷熱を同時に出力するモードと、前記冷凍サイクルの回路を切り替えて温熱と冷熱の内一方の熱を室外空気と熱交換させ、他方の熱のみを出力させるモードとを選択できるように構成した事を特徴としたコージェネレイション出力利用システム。
  • 冷媒回路を備え、コージェネレイション装置の出力である排熱で加熱して得た高温高圧ガス冷媒を膨張させる膨張機を含む膨張機冷媒回路と、該膨張機の出力により駆動される圧縮機を含む冷凍サイクルにより前記冷媒回路を構成したシステムに於いて、
    前記膨張機の出力のみで無く、コージェネレイション出力電力又は商用電力を利用した電動モータの出力により前記圧縮機を駆動することも出来るように構成し、 前記膨張機の出力または前記電動モータの出力のいずれかまたはその双方を併せた出力、の内一つを適宜選択して前記圧縮機を駆動し、それにより前記冷凍サイクルを作動できるようにした事を特徴としたコージェネレイション出力利用システム。
  • 請求項2に示した圧縮機駆動方法の内1つを選択し、かつ請求項1に示した温熱と冷熱に関する出力モードの内一つを選択し、それら二つの選択を自由に組み合わせた選択モードで作動する事ができるようにし、その選択モードを必要に応じて変更乃至は継続しつつ作動させる事を特徴としたコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記冷媒回路の作動媒体として臨界点温度が90℃以上であり、60℃における飽和圧力が4.0MPa以下である冷媒を用いるとともに、コージェネレイション排熱搬送流体と前記冷媒との熱交換を行う排熱利用熱交換器に於いて、両流体を対向流の形で流動させ、熱交換を促進させた事を特徴とした請求項1、2、3の何れか1項記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記コージェネレイション装置の排熱出力のみでなく、該コージェネレイション装置の電力出力又は商用電力を前記圧縮機駆動用動力源として利用する目的のため、前記膨張機と前記圧縮機を設置したシェル内にさらに前記電動モータを設置し、前記膨張機は膨張モードと回転してもガスが膨張や圧縮されないレリースモードに切り替えられる様に構成し、また前記電動モータは誘導電動モータを採用して且つ投入電力をオンオフできるよう構成し、前記膨張機のみ、乃至は該膨張機と前記電動モータの双方、乃至は該電動モータのみの何れかの方法を選択して前記圧縮機を駆動するように制御する事を特徴とした請求項2及び3の何れか1項に記載のコージェネレイション出力利用システム
  • 前期冷媒回路を一体の筐体ユニット内に設けて、それを外部と連通しない所謂密閉型閉回路とし、その回路上に設けられた冷媒凝縮熱を放熱する温熱出力熱交喚器と、前記冷媒回路中の前記冷凍サイクル内に設けられ冷媒蒸発熱で冷却する冷熱出力熱交換器とにより温熱及び冷熱を出力させ、それらの熱を非可燃性、非毒性の自然熱媒体である水、炭酸ガス等により、ユニット外に設けた温冷熱を貯留又は利用する機体又は装置まで熱搬送させる事により冷房及び暖房及び給湯及び冷却の何れかまたはそれらを組み合わせて実現する事を特徴とした請求項1、2、3、4及び5の何れか1項に記載のコージェネレイション出力利用システム
  • 前期冷凍サイクルには前記温熱出力熱交喚器、前記冷熱出力熱交換器を設けるとともに双方の熱交換器の冷媒回路上の中間に室外空気と熱交換する空気熱交喚器を設置して、其の前後の制御弁等を制御する事により該空気熱交換器の温度を変更及び調整し、その機能を、外気への放熱、外気からの吸熱、及び熱交換無しの3通りに切り替えて、前記冷凍サイクルの冷却能力、加熱能力を調整可能にし、且つシステムとして夫々冷熱のみ、温熱のみ、温熱と冷熱双方の3通りのモードを切り替えて出力できるようにした事を特徴とする請求項1、2、3、5、6の何れか1項に記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記冷媒回路及びそれを構成する部品、即ちコージェネレイション装置の排熱を膨張機冷媒回路に伝熱する前記排熱利用熱交換器、請求項4、5に記載された前記膨張圧縮機又は電動膨張圧縮機、前記冷媒回路から温熱を出力する前記温熱出力熱交喚器、前記冷凍サイクルに設けられ室外空気と熱交換する前記室外空気熱交喚器、前記冷凍サイクルから冷熱を出力させる前記冷熱出力熱交換器、等全ての部品を一体の冷媒回路として一体の筐体ユニットの内に組み込み、且つ前記冷媒回路全体を一体の材料とそれらのロー付け、熔接による接合部のみによって構成し、即ち機械的結合部を持たない構造とした事を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6及び7の何れか1項に記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記膨張機冷媒回路と前記冷凍サイクル内の循環媒体として同一の冷媒を用い、さらに前記膨張機、前記圧縮機とを一体の軸で連結した状態で前記シェル内に設置し、前記膨張機と前記圧縮機から膨張後と圧縮後のガス冷媒を前記シェル内に夫々吐出させて合流させ、それを一体で前記シェルから外部へ導き、前記温熱出力熱交換器で双方の凝縮熱を放熱させて、温熱出力させた後、液分流器で前記膨張機冷媒回路と前記冷凍サイクルに分流するまでの間を一体の冷媒回路で構成した事を特徴とした請求項4、5、6、7、8の何れか1項に記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記液分流器に於いて、前記冷凍サイクル側に向かう冷媒から冷媒膨張による動力を回収し、且つそれを膨張機冷媒回路側に向かう冷媒を圧力上昇させる動力に利用するために、膨張子及び圧縮子として作動する二つ回転体を連結してハウジング内に保有した構造の膨張圧縮分流器を用い、それにより前記膨張機冷媒回路と前記冷凍サイクルとに分流することを特徴とした請求項9に記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記膨張子、前記圧縮子としての前記回転体を組み込んだ前記液分流器の下流の前記膨張機冷媒回路側の回路に前記液ポンプを設置して、必要により前記圧縮子の圧縮機能を補完すべく作動させる、乃至は、内部に作動する回転体を持たない液分流器を用いて、その下流の前記膨張機冷媒回路側の回路に前記液ポンプを設置して、該液ポンプのみで液冷媒を圧縮作動させる事を特徴とした請求項9、10の何れか1項に記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記冷媒回路の内部を流通する冷媒に地球温暖化係数即ちGWP値が150より小さな、所謂自然冷媒などの冷媒、即ち塩素の含有量がゼロで、フッ素の含有分子量が水素のそれより少ない冷媒で、炭素、水素、窒素等を主構成成分とする冷媒を用いた事を特徴とした請求項4、5、6、7、8、9の何れか1項に記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記膨張機冷媒回路で加熱されて生じた高圧ガス冷媒が自ら膨張して前記膨張機を駆動した後前記シェル内に吐出された冷媒ガスと、前記冷凍サイクル内で前記圧縮機で圧縮されて昇圧された後に前記シェル内に吐出された冷媒ガスが、一緒に前記シェルを出て前記温熱出力熱交換器で凝縮する事により放熱出力した温熱を温水などにより出力させる事を特徴とする請求項5、9の何れか1項記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記膨張機、前記圧縮機が作動する前記シェル内に膨張、圧縮機構を潤滑するために潤滑油を封入し、前記シェル外部から該シェル内底部付近の前記潤滑油に連通した管路を設置し、それにより前記潤滑油を取り出し、一方、前記膨張機冷媒回路の前記液ポンプ入り口部乃至は前記分流器内の液圧縮子の入り口部分に管路の他端部を接続させ、これにより前記シェル内の前記潤滑油を冷媒と一緒に膨張機冷媒回路を循環させ、如かしてこの循環する潤滑油により前記膨張機シリンダを潤滑させる事を特徴とした請求項5、9、13の何れか1項に記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • サイクル冷媒としてイソブタン、プロパン、アンモニア、フロンC2H4F2又はこれら成分が重量比50%以上の混合冷媒を用いたことを特徴とした請求項4、12の何れか1項に記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記システムを制御する制御装置を設け、全体の運転モードの設定制御等を行わせ、その中で少なくとも使用者が電力、給湯、暖房、冷房などの利用優先順位の設定及び、又は、商用電力の時間帯別料金優遇制度に応じて、前記圧縮機駆動方式の前記電動モータによる方式が自動乃至は使用者の希望により選択できるように設定した制御システムを組み込んだ事を特徴とする請求項2、3、8の何れか1項記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記コージェネレイション装置の排熱源の媒体である温熱などを前記排熱利用熱交換器で放熱して温度の下がった後に、前記温熱出力熱交換器にて加熱されて温度の上昇した温熱出力媒体である温水などとさらに熱交換させ、前記温熱出力媒体である温水などをさらに加熱して温度上昇させ、請求項13の合計熱量にさらに加えて熱出力を増加させた事を特徴とした請求項8、13の何れか1項に記載のコージェネレイション出力利用システム。
  • 請求項5に於いて前記シェル内にスクロール翼型又はローリングピストン型膨張機と圧縮機及び前記電動モータを、前記膨張機と該電動モータが前記圧縮機を駆動できる関係に設置する。 しかして前記圧縮機を前記電動モータのみで駆動する場合は、前記膨張機は請求項5のレリース動作、即ち前記膨張機のスクロール型では固定翼全体乃至はそこに設けた開閉通路を移動又は作動させてシリンダ内を外部と連通させ、又ローリングピストン型では高低圧の仕切りブレイドをシリンダ外に押し出して固定して高低圧室の仕切りを開放してしまうなどにより膨張出力機能を無くすよう作動する。 一方前記膨張機のみで駆動する時は前電動モータの回転ロータは空回りとなるように電源回路出力をオフする。 また前記膨張機と前記電動モータの双方で駆動する時は該モータの電源回路を前記膨張機の駆動力を補うために必要な出力となるように回転数と電圧の双方を制御調整する。 以上により前記膨張機のみによる駆動、前記電動モータのみによる駆動、更には両者による駆動の内少なくとも二つを切り替えて運転ができるように構成、作動させる事を特徴とした請求項2、3、4、5の何れか1項に記載されたコージェネレイション出力利用システム。
  • 前記システムに冷媒漏れ検知装置を設け、それが冷媒漏れを検知した時は運転停止、電源遮断などの安全対応施策の実施を請求項15の制御システムに採用し、且つ前記コージェネレイション装置への異常停止などの要求を発する、乃至は非常用電源による警告表示等の制御方式を組み込んだ事を特徴とした請求項4、5、7、9、10、12、15の何れか1項記載のコージェネレイション出力利用システム
  • 说明书全文

    この発明は、コージェネレイション装置の電気と熱の出の利用、適用に関する技術発明であり、その出力を利用する新技術システムを提供しようとするものである。 コージェネレイション装置に於いて、実際に使用される夫々の場所での電気と熱の需要、特に暖房
    、冷房と給湯の各需要に対し昼夜、年間に渡ってなるべく長い時間帯で一致、充足ができるように、その出力を需要の内容に合わせて変換させる事、さらに其の変換時に熱エネルギー出力を必要により増加させ、かつ其の運転エネルギー効率を向上させる事を目指した商品を実現するための技術を提供するものである。

    コージェネレイションシステムはガスエンジン駆動発電、石油エンジン駆動発電、燃料電池発電などが実用化されているが、その原理も異なり、其の詳細の方式、能力も異なったものなど多くの種類がある。 また夫々作動条件が異なり、例えば電力と熱量の出力量とその割合、熱量の排熱温度などが大きく異なるものであり、従って利用側の消費モードに合わせて種類の選定、要望性能にあわせた機器の選定が据え付け前に行われ、実運転時には運転条件と出力利用に関する制御調整等が行われているが、利用者の実際の需要要望に充分に適応できていない。

    実際に、電力出力の方は余剰時は市販電力回路に逆潮流させたり、不足時は配電を受ける事により調整し、他方熱量の方は温タンクに温水を貯めて調整機能を持たせそれを給湯、乃至は冬の暖房に用いたりするのは一般的に行われてそれなりの効果をあげている。 また、冬場の暖房と夏場の冷房の需要をバランスさせて実現するため、吸収式冷凍機等を組み合わせて温熱を冷熱に変換して夏の冷房にも利用するなどの技術開発と実用化が講じられてきている。 しかしながらこの方式では使用開始時の立ち上がりが遅い、装置が大型で家庭用にはコスト面を含め実用化が難しい等の問題があり、実使用が進んでいない。

    現状の方式、技術では上記のエネルギー需給調整可能範囲は極めて小さく、実際の現地での需要変動に対応できていない。 今後、地球的エネルギー問題、環境問題の解決のために一層のコージェネレイションシステムの実用化を加速するには、コージェネレイション装置の出力である電力と熱量のどちらか又は両方を任意に選択して利用ができるようにする、さらには現場の熱需要である暖房、冷房、給湯の消費量の変動と、同じ時間帯におけるこれら熱需要の重なりに広範囲にかつ臨機応変に対応できるようにする事などが求められており、これらを実現する抜本的な需給改善システムで、エネルギー効率が高く、簡単でコンパクトなシステムを提供する、等の新しいシステムとそれを実現する技術の出現が期待されている。

    そこで、発明者は現在のエネルギー変換効率の高いコージェネレイションシステムと低濃度熱エネルギーの有効利用に高い機能を有するヒートポンプ冷凍サイクルを融合させて上記のような要請に答えるための方式とそれを支える基本的な技術を発明し提案しようとするもので、本発明はそのためのコージェネレイションシステムとヒートポンプ冷凍サイクルのトータル融合技術、及びそのシステム構成と制御方式、それを実現する際に使用する冷媒回路と使用冷媒に関する技術である。

    前述したように従来のコージェネレイション装置の出力の利用方式は、設置設計の段階でそのピーク負荷をベースとした基準点での分析、機種選定調整を行うものが殆どである(例えば、非特許文献1参照)。 従って実際の使用時は其の能力と需要は前述した様に多くの時間帯で一致しない。 そこで実際の運転ではその需要と一致させるための制御に関する考案が種々なされている。 (例えば、特許文献1参照) 更には大型のシステムではこの点を改善するため、空調機、冷凍機への熱出力の利用も具体的に考案、報告されている。 (例えば、特許文献2、非特許文献2、3、4)

    しかしながら、上記に示したような従来の技術をベースにした施策では極めて不十分な改善成果しか得られていない。 即ち機種の選定や単なる運転の制御や温水タンク蓄熱などでは一日平均の需要量ベースで基準設定値100%に対し、使用実態にもよるが、せいぜいプラスマイナス30%程度の需要変動幅に対応できるのみで、電力、温水、冷房、暖房などに於ける大幅な、例えば一日平均の需要量ベースで夏冬通してプラスマイナス100%にも及ぶ実際の年間の需要変動幅への対応については其の効果は薄い。 また、夏の冷房需要に対応すべく実用化が進められつつある上記の吸収式冷凍機や、新しく検討され始めたデシカント空調等も、夏と冬の需要バランスの平準化には原理的には効果があるが、効率、コスト、装置の大きさ等の点で実用的で無く、多くの課題を抱えている。

    そこで最近さらに改善を目指した技術が提案されてきている。 (例えば、特許文献4)これは車載用燃料電池の排熱を利用してランキンエンジンを駆動して冷凍サイクルを作動させるものであり、幾つかの要素の改善につながっている。 即ちコージェネレイション装置の排熱を熱源として冷凍サイクルを作動させてより実用的な改善を模索している。 しかしながら、これも可能性のアイデアのみで、これを実現するための具体的な技術、装置の構成原理などがほとんど検討されておらず、如何に実現するかなど多くの課題を抱えている。

    以上のような状況であり、従って現在の所、多くのコージェネレイション装置が設置された場合、電力出力はサイトでの電力需要に充てられ、余剰分は商用電力回路に逆潮流させる方式で売電される。 一方熱出力は大部分は温水熱源として使われ、それが給湯用、乃至は暖房用に利用されている状況であるが、時間帯により熱電比率の供給能力と需要とのギャップは大きい。 現状では冬の厳寒期には暖房用と風呂給湯用の温水は不足し、夏の酷暑時には商用電源によるエアコンによる冷房に頼っており、其の結果コージェネレイション装置の運転効果の実現性は薄れている。 従って今後コージェネレイション装置利用の基本的な利点である所の、電力出力と熱出力の双方をオンサイトでバランス良く利用し、もってトータルの高いエネルギー効率を実現させる、それにより経済的効果をあげ、地球環境的エネルギー消費の削減に貢献し、地球環境的温暖化を和らげる、という理念を実現することが急務である。

    コージェネレイション装置のエネルギー効率は電力と排熱の両方を出力とみなしても、インプットエネルギー全体を100%として、有効出力は約70%前後であり、単独発電装置の35%程度に比べて高い効率ではあるが、それでもやはり残りの30%は無駄に失われている事になる。 本考案対象分野のコージェネレイション利用システムで消費燃料エネルギー比で100%以上の出力エネルギーを取り出せる技術の実現こそが本発明の狙いでもある。

    以上、この分野で現在最も期待される技術分野として、特許文献3には、熱を利用して膨張機さらには圧縮機を駆動する原理が提示されており、また特許文献4に見れるように、排熱を利用して膨張機、圧縮機を駆動し、それにより冷凍サイクルを作動させてヒートポンプ原理により温熱、冷熱を発生させ、需要に合わせたエネルギー変換を達成させる方式が提示されている。 この膨張機を使った方式はコージェネレイション装置の出力エネルギーの利用方式としてエネルギー効率面、出力制御面、将来の製品化と実用性、コスト面で最も優位な方式の一つであると発明者は捉えている。 しかしコージェネレイション出力熱を熱源として冷媒を蒸発させて圧縮機をランキン駆動し、冷凍サイクルを作動させて温冷熱を得るシステムはアイデアとしては存在してもその実用化に向けては殆ど提案も検討もされていない状況と言える。 この最大の理由は、コージェネレイション熱出力温度に比べ、ランキン駆動する冷媒回路の技術は低温度技術であり、その技術領域が異なっていた事、及びランキン駆動する冷媒回路と冷凍サイクルの二つのシステムを連結させる技術が無かった事、従って従来技術で完成させてもシステムが大掛かりになり、実用化出来ないと判断されて来た為と思われる。

    100℃前後のコージェネレイション出力熱を用いて、高効率を得るためになるべく高い温度でランキン駆動サイクルを作動させ、そこに60℃以下の熱分野で使われてきた冷媒システム技術を用い、尚且つそのエネルギーを別の冷媒回路である冷凍サイクルに伝えていく必用があり、かつまた0℃以下にも下がる室外気から熱を汲み上げる技術等と結びつけ、全体をコンパクトでシンプルに構成し、その上で極めて高いエネルギー効率を達成できるシステムを実現しようとするもので、そこには従来に無い発想と技術の達成が必要になる。 具体的には、コージェネレイション出力温度が90℃以下の場合には、冷媒の臨界点温度が1つの重要ポイントとなる。 臨界点温度の低い冷媒ではコージェネレイション出力温度が低くても、熱交換温度が臨界点温度を超えてしまうため、熱交換は冷媒の蒸発領域ではなく顕熱領域で行われるため、温度差をつける必要が生じ、より高い排熱温度熱源が必要になるからで、これが冷媒の選定の1つのキーポイントになる。

    一方、最近では地球温暖化を和らげるため、空調・冷凍・冷蔵などの機器に用いられる冷媒そのものについても根本的な変革が望まれている。 このため、地球温暖化指数であるGWP値の小さな新しい冷媒を用いる事、及び封入冷媒量を少なくする事、さらに封入冷媒が機器の据え付け、使用、廃却過程で大気中に漏れないで回収されるという3つの要素を改善しようとする要求が強まってきている。 冷媒の地球温暖化指数であるGWPの観点からは、従来使われてきた、塩素成分を含むもの及びフッ素成分を多く含む冷媒は除外される。 従って燃え難い、科学的に安定して安全な冷媒は殆どが塩素、フッ素を含むため使用できない可能性が強い。 このため自然冷媒の弱点を商品側で補える技術の出現が急務であるが、未来システムであるコージェネシステムに冷凍サイクルが組み合わされ、作動冷媒を使用する事により成立するこの種の事業領域を対象とした本発明の様な新しいシステム機器には上記要請を叶えるための設計条件を満たす事が前提であると考えている。

    特開2005−16845号公報

    特開2000−274734号公報

    特開平6−137700号公報

    特開2004−60550号公報

    日本建築学会偏「建築の次世代エネルギー源」井上書院 P26、P27 日本建築学界偏「建築の次世代エネルギー偏」井上書院 P50、 図3−9 日本建築学界偏「建築の次世代エネルギー偏」井上書院 P62、 写真4−3 日本建築学界偏「建築の次世代エネルギー偏」井上書院 P20

    コージェネレイション装置の出力は電力と排熱量である。 如かして実際に1つのコージェネレイションシステムを利用するサイトに設置して運転させると、ある時間帯で、電力不足で熱量余剰、又は電力過剰で熱量不足、又は双方が不足、又は双方が過剰、等幾種類もの供給能力と需要とのアンマッチによる不具合等が多くの時間帯で発生し、排熱量が供給過剰の場合はコージェネレイション装置の運転の停止、不足の場合は熱量の使用制限を余儀なくされるなどの不具合が生じ、当初計画したとおりのコージェネレイショシステム全体のエネルギー効率性、便利性を享受できない事が大半である。

    特に、コージェネレイション装置の出力を年間を通じて利用する視点で考えると、給湯や暖房に温熱として利用する以外に、冷却、冷房などに使う冷熱を発生させる方式の実現がコージェネレイション装置の普及、伸張にとって重要な要素となる事がわかる。 これに対して、吸収式冷凍機や高圧冷媒を利用して膨張機で冷凍サイクルを作動させる方式があるが、吸収式では単位熱量当たりのシステム容積が大きく構成が複雑で小型民生用では実用価値が少なく、その割りにエネルギー効率も低く、かつ冷暖房の切り替えに複雑な構造が必要となり、運転開始時の性能立ち上がりに時間がかかるなどの問題があり普及していない。

    また膨張機を利用する方式は基本的には最も優れた解決方法と考えられるが、いまだにアイデア段階で、温熱と冷熱をどの様に発生させ、それをどの様に利用するか、例えば給湯、暖房、冷房を出力できる全体システムにつき具体的な実現方策と構造、制御などに関する具体的な技術が提案されておらず、実用化できていない。 以上の現状に鑑み、何らかの方式で、コージェネレイション装置の出力である電力と排熱を利用して、それを利用するサイトでの種々なエネルギー形態に合わせて変換させる具体的で、実用的な方式を実現できる技術を提供する事がコージェネレイション装置の普及にとって必要とされる。

    そこで、そのための最も可能性の高い方策としてコージェネレイション装置の出力である排熱及び乃至は電力を利用して膨張機を駆動させる方式を取り上げる。 この場合、前述した様に具体的に実現実用化させるための手段、構造、制御などの技術を明確にする事が課題となる。 さらに、膨張機出力により圧縮機を駆動し、それにより冷凍サイクルを作動させて、その結果ヒートポンプ原理により温熱、冷熱を発生させ、それを制御して年間を通しての冷房、暖房、給湯の需要に合わせたエネルギー変換を達成させる方式と組み合わせて、その全体のシステムを具体化、実用化する施策と技術が必要である。 以下、さらに個々の具体的な課題を説明する。

    上記ヒートポンプ冷凍サイクルを作動させる方式に於いて、冷却・冷房需要、乃至は加熱・暖房需要がアンバランスで、最終の温水乃至は冷水の出力が過剰で蓄熱タンクで吸収しきれない時に其の片方の出力を停止して、他方の需要にあった運転を継続するための実用上の具体的な方法の確立が必要である。 即ち出力側の温熱、温水と冷熱、冷水の双方を給湯、暖房、冷房などの実需要に合わせて出力調整する事が実用化には不可欠であるが、その具体的な実現のための技術を発明することが課題である。 例えば、一旦運転停止後日時が経って、コージェネレイション装置を再度運転開始する場合には、しばらくの間、その排熱温度は低く、その間温水温熱冷熱などが充分に出力されない。 この間の需要への対応も1つの課題である。

    最近では、年間を通じて運転される冷房・冷却運転時には、同時に其の冷凍サイクルに於いても排熱(凝縮放熱)が生じるが、それをコージェネレイション熱出力と如何に足し合わせて温熱出力として出力し、エネルギー出力増加と効率向上の効果を産むというさらに一歩進展した成果を達成するシステム技術の考案、確立が課題である。 近年の建物の中で、人の多数集まるところが増え、年間を通じて冷房の需要があり、これと加熱・給湯を同時出力するための技術が発明されれば、コージェネシステムで大きな市場を生み出していく推進力となる。

    上記の課題が達成されれば加熱、給湯、暖房、冷却、冷房などを同時に実現するシステムにおいて、コージェネレイション装置へのインプットエネルギーに対して、この発明の総合利用システムで利用可能出力エネルギーの総和が100%以上を達成する可能性があるが、この原理の明確化、具体的な実現技術施策の提案、其の確かさの裏付けが課題となる。 これに関係する技術はコージェネレイション排熱温度と冷媒の特性との関係が主体となる。 充分高温度の排熱の場合は膨張機出力、それと関連する温冷熱出力特性の点では問題ないが、固体高分子燃料電池のように、80℃を下回る出力温度の場合は冷媒特性、特に臨界点温度などが問題となる。

    以上のシステムを実用化できるコスト、装置の大きさ、長期信頼性、地球環境的安全性を持って実現化できる具体的構想とその具体案を提示する事も課題となる。 特に膨張機の長期信頼性、寿命の確保と、作動回路に利用する作動冷媒の安全性は重要である。 冷媒に関するGWPの観点からは、従来使われてきた塩素成分を含むもの及びフッ素成分を多く含む冷媒は除外される。 従って燃え難い、科学的に安定して安全な冷媒は殆どが塩素、フッ素を多く含むため使用できない可能性が強い。 このため自然冷媒を使用する商品側での自然冷媒の弱点を補える改善が急務であるが、以上のような新しい冷媒使用の条件に沿って、この考案のシステムに取り込む事ができる新しい技術を確立する事が課題となる。

    以上の課題を解決するために一連の解決手段を提示する。 請求項1に示した第一の発明は、コージェネレイション装置の出力である排熱(H1)を本発明の冷凍サイクルを含んだ冷媒回路を作動させるエネルギーとして利用し、かつその冷媒回路から多くの熱利用の形である温熱と冷熱の双方を同時にまたは必用により温熱のみ乃至は冷熱のみを出力できる事が種々の現地サイトでの様々な需要形態に適応する上で重要である。 従って請求項7及び実施例で示すように、冷凍サイクル中に室外空気と熱交換する熱交換器を設け、それを制御弁を切り替える事により蒸発器ないしは凝縮器に切り替える事により何れのモードをも実現できる冷凍サイクル技術が本発明の根幹技術の一つを提示しており、そのための詳細の構成、技術は後述の発明の項にて説明する。

    第二の発明は、第一の発明をさらに展開して、現地サイトでのより広い需要形態に適応しようとするもので、コージェネレイション装置の出力である電力(E1)及び排熱(H1)さらに必要により商用電力を本発明の冷凍サイクルを含む冷媒回路を作動させるエネルギー源として取捨選択して又は組み合わせて利用し、請求項1の冷凍サイクルの切り替えと相乗効果を生むという発明で、この時そのエネルギー源を組み合わせてまたは切り替え、選択して利用できる事が現地のより広範囲の需要形態に適応する上で重要である。 請求項5及び実施例に詳細を示す。 これからわかるように、この技術が本発明の根幹技術の二つ目を提示している。 詳細の構成、技術は後述の発明の項にて説明する。

    第三の発明は第一第二の発明で得られる効果を組み合わせたもので、圧縮機を駆動する方式の選択と温熱出力と冷熱出力を適宜組み合わせた出力モードを組み合わせて選択し、動力源の需給に対応し、温熱、冷熱出力を利用した給湯、暖房、冷却、冷房などの使用者のニーズに対応してシステムを作動させる。 実用上重要な事は、何れの需要形態そして広い需要量範囲に応じて適応できるように出力出来ること、さらにそれを大きなタンクなどによる大容量蓄熱などの手段を講じなくても一定の広範囲の需要モードにあわせてシステムを継続的に作動できるようにする。 この発明が市場での多くの需要形態により適切に適応できるようにするための具体的な根幹技術の一つである。 詳細の構成、技術は後述の発明の項及び実施例にて説明する。 第四の発明は、コージェネレイション排熱が低温度の場合でも、それを有効に利用して冷凍サイクルを作動させるために必要な冷媒特性を提示している。 装置の排熱温度が充分に高く無い時はそれから得られる高圧冷媒の圧力は低くなり、膨張機を駆動する力が不足する。 これを補うため膨張機冷媒回路の冷媒循環流量を増加させると、結果として、コージェネレイション排熱量をその分多量に使用しなければならず、コージェネレイション出力利用システムとしての効率が低下する。

    請求項4はこの効率低下を少なくする技術を二つ提示している。 一つは熱源熱交換器での冷媒温度を臨界点温度より低い温度領域で作動させるもので、即ちそこでの熱移動を冷媒の顕熱域ではなく、潜熱域で行わせるものである。 具体的にはコージェネレイションシステムの排熱温度条件を80℃以上と考えて、80℃近い低温度熱源で、充分に蒸発潜熱で熱交換できる冷媒の条件(即ち臨界点温度が作動温度より10℃高い)を考慮して冷媒を選定すると臨界点温度は90℃以上の冷媒が望ましい。 しかしながら、排熱温度が90℃以上の温度が得られる装置の場合、この臨界点温度が90℃の冷媒では蒸発潜熱での熱交換はできなくなるが、熱源温度が高くなるためそのマイナス要因はカバーでき、臨界点温度の重要性は薄れる。 今一つは熱源熱交換器での熱交換を対向流で行わせて伝熱効率を高め、温度コンタクトファクターを高めるものである。 これは冷媒のその後の膨張行程で安定して作動させるために冷媒自体を過熱しておく必要があるためで、その為には冷媒の出口温度をコージェネレイション排熱源媒体の最も高温度である入り口温度に限りなく近づけることが有効であるからである。

    一方システムの冷媒の最大圧力は冷媒回路全体の構造設計、信頼性の基本であり、それは冷媒回路の構成部材の耐圧材料特性、製造性、材料コストなどから総合的に選定される。
    発明者はそれが10MPa以上では極めて実用性がなくなる事を理解している。 膨張機冷媒回路の膨張前圧力を10MPaの場合、冷媒回路全体のサイクル構成上膨張後圧力は約4MPaと算定される。 一方、本システムの実用上の基準温熱出力温度は給湯器を想定し、60℃であり、これをから温熱出力熱交換器の冷媒凝縮温度を60℃と算定している。 従って使用される冷媒の圧力は、基準温度60℃において4MPa以下である必用がある関係が導かれる。 その具体的な圧力関係の事例を実施例に示す。 第五の発明は第二、第三、第四の発明に於いて、排熱(H1)だけでなく電力(E1)又は商用電力を駆動用エネルギー源として利用するために、膨張圧縮機シェル内にさらに電動モータを設置し、軸を一体に構成するなどによりモータによっても圧縮機を駆動できるように構成する。 如かしてモータで駆動する時は請求項16にあるように膨張機シリンダを開放してレリースさせ、膨張機で駆動する時はモータは空回りさせて逆起電力が発生する事が無い様に誘導電動機を用いる。 以上が第ニ第三第四の発明を実現させるための基本技術の一つである。 詳細の構成、技術は後述の発明の項にて説明する。

    以上のように本システムの出力をサイトの広範囲な熱需要に合わせるため、冷媒回路に温熱出力熱交換器を、冷凍サイクルに冷熱出力熱交換器を設ける事を発明6として提案している。 これを同時に作動させて、例えば冷房、暖房、給湯の需要に対し、その同時に生じる熱需要、更には温熱需要増に対応するものである、この機能の特徴は、従って、請求項13に示された圧縮ガス凝縮熱量(H2)プラス膨張冷媒凝縮熱量(H3)に加えてH2にほぼ等しい冷凍サイクル冷熱量が得られる事になる。 従ってコージェネレイション出力である電力(E1)、排熱(H1)に対し、(H1)がほぼ(H3)に等しい事を考慮してプラス、マイナスすると、この出力利用システムでは、温熱(H3)に加えて温熱(H2)、及び冷熱(=H2)分だけ増加した利用可能熱量を得られる事を意味する。 この結果コージェネレイション装置へのインプットエネルギーに対し本発明の出力利用システムの利用可能出力熱エネルギーの総和はインプットされる排熱量(H1)の3倍の量に達する事も可能となるが、詳細は実施形態の事例で再度検討する。

    このシステムの出力エネルギーは一体のユニット内に設置された密閉型の冷媒回路からユニット内に於いて出力される。 そこからユニット外には水等の、途中で漏れた時も安全でかつ補充などのメンテナンスが容易な自然媒体を用いて熱搬送される。 この明確な技術構想は、一体のユニットに収まった一体の密閉型冷媒回路を発明し、安全で、長期的信頼性が高いシステムを提供する事を目的としている。 現在世界の冷媒安全基準を審議する国際団体では、毒性、可燃性のある自然冷媒の使用基準として、室内空気に接する部分を持つ冷媒回路の場合はその回路に封入できる冷媒量に関する規制を設けている。 即ち自然冷媒の特徴であるところの、燃えやすい冷媒、毒性のある冷媒等の装置封入量には規制があるわけである。 しかしながら、該冷媒回路が室内に開放する乃至は室内空気と接する部分が無く、かつ水等を媒体に使用して室内等へ出力としての温熱、冷熱を運搬する方式はこの規制の影響を受けない。 この完全な安全性を実現する事を本発明の前提条件としており発明8に纏められている。

    請求項6の技術は以上の思想の基に発明されたが、今一つ別の効果の達成を目的としている。 即ち出力である温冷熱が温冷水の形でユニット外に搬出され、ユニット外のタンクに貯蓄された形で蓄熱される。 これにより使用者の需要形態、使用時間の変化に対し、より一層柔軟に対応する事が可能になるという大きな効果を生み出している。 特に冷熱を最も扱いやすい熱媒体である水を利用して容易に蓄熱できる効果は実用上極めて大きい。 一方、本システム外部への熱の搬送は一端CO2などの他の自然媒体を用いる事もある。 これは主に伝熱と熱搬送特性が優れている点を利用するものである。

    最終的な利用者の需要形態は温水、冷水、暖房、冷房であり、それが同時に乃至は選択的に、且つ上記のような蓄熱等に頼らないで、ある能力範囲であれば継続的に供給できるシステムを具体化する技術が求められている。 発明7は、発明6で得られる温熱と冷熱に対し、木目細かくサイトの需要変化に応える為の基本的な方策、とその技術を提案している。 即ち温熱出力熱交喚器と冷熱出力熱交喚器の冷媒回路上の中間に外気と熱交換する熱交喚器を設けて、不要になった温熱又は冷熱の何れかを外気に捨てる方法である。 これにより温熱が過剰な時でも温熱を外気に捨てながら冷熱を得る運転を継続できるし、その逆も可能である。 この発明7による調整機能と併せて発明2、5による電力と排熱の双方を選択利用できる機能、発明6の温熱と冷熱を同時に得て、それを貯留する事ができる機能が合わさって、本当の意味での顧客の広範囲な年間にわたる需要の変化に対し最大限に適応できるコージェネレイション出力利用システムを実現している。

    本発明のコージェネレイション出力利用システムの基本コンセプトは上記の発明1−7に記した機能面と併せて、実用性、据付応用性、安全性、実用化できるコストといった項目が満たされている事が重要である。 このための要検討項目は、1、冷媒回路が一体でコンパクト 2、システムがコンパクトで一体ユニットに収納可能 3、システムとしての制御がユニット内で完結している 4、製造後の出荷試験確認が容易 などである。 従って本発明は以上の項目を満足できる仕様を前提に考えられており、発明8は基本構想に基づいた検討結果として、全機能部品を一体の筐体に組み込んだユニット構造である事を提案しており、冷媒回路の全ての部材を完全密閉構造とする事、それは機械的接合部分を持たないものである事を提示している。

    しかもこの事は以下に述べる発明である自然冷媒の選定、冷媒回路の公正、圧縮機の信頼性確保、システム全体の制御の確立、安全性検知、コージェネレイションシステムとの制御の分離と連携、コスト低減と長期信頼性の確保、等、商品化する上で避けて通れない多くの項目実現の前提条件となる重要な構成要因となるものである。 発明9では膨張機サイクルと圧縮機サイクルに同じ冷媒を使いかつ、膨張機、圧縮機、電動モータを一体の軸として構造を簡略化し、両冷媒サイクルをシェル内の吐出ガススペースから温水出力熱交喚器を通過して両サイクルの分流器までの間一体化した冷媒回路とする発明である。 これは広い温度範囲に使える冷媒と潤滑油の選定、冷凍サイクルの全体構成、冷凍サイクルの冷媒流制御の最適設定等の技術により実現できるもので、全システムユニットの簡略化、コスト削減効果に大きな効果を持つ。

    発明10は請求項9で膨張機冷媒回路と冷凍サイクルが再び分かれる分流点での相互のエネルギー回収技術に関する発明である。 分流後、膨張機冷媒回路側に進んだ液冷媒の圧縮のために、通常は電動液ポンプが使われる。 (請求項11) 一方冷凍サイクル側に進んだ冷媒は電動式冷媒制御弁にて膨張して低圧、低温になり、冷熱出力熱交喚器に送られる。 発明10はこの冷凍サイクル側の膨張エネルギーを膨張機冷媒回路側の液圧縮に利用しようとするもので、そのための一体となった膨張及び圧縮用の回転体を内包した液分流器に関するものである。

    電動液ポンプの動力を使わないで済む分はその電力消費が低減し、かつ冷凍サイクル側の膨張後の冷媒は膨張仕事を回転体に与えた分だけその出口エンタルピーは低下し、その結果冷熱出力熱交喚器に於ける冷却能力は増加する。 その改善効果はともに5%程度のエネルギー効率向上が期待でき、併せて10%にも及ぶ効率向上につながるものである。 同時に現地での種々な運転条件に於いて、膨張機冷媒回路側の液圧縮を最適に行わせるには、膨張圧縮分流器には補助用の電動モータを組み込んで上記回転体の駆動を助けかつ制御するか、または分流器の下流の回路に電動液ポンプを設置してこの液圧縮量を補完、制御させる事が実用上必要であり、発明11として請求項11に提示した。 膨張子と圧縮子を持たない分流器の場合は電動液ポンプにより液圧縮を行う事も同11に示した。

    発明12は発明9と並んで冷媒回路に関する重要な発明で、一体のユニット筐体に収められた冷媒回路構造は密閉型冷媒回路を実現するための前提条件であり、密閉型冷媒回路は自然冷媒採用の前提条件となる。 即ち製造拠点で完全な状態に製造されて、かつ出荷後に必要とされるロー付け乃至は締め付け作業などが無くて、冷媒リークの発生する危険の少ない一体の冷媒回路と請求項19に記載された冷媒漏れ検知機能を実現化できる一体ユニット構造こそが厳しい自然冷媒の使用基準を満足させる前提となる。 GWP値は勿論ゼロが望ましいが、現在最もよく使われているフロン冷媒のGWPは1300〜1700のレベルであり、これでは製品破棄時などでは100%の冷媒回収を行う事が必要で有り、
    ガスリークなどが生じる実態とは相容れない。 GWP150以下という選定は、ユニットが一体型で冷媒回路が密閉式であることを前提とすれば、現場サイトで配管をする現在一般的エアコンの方式での自然冷媒(プロパンなど)使用よりも安全サイドにあると考えている。

    如かしてコージェネレイション装置の高いエネルギー効率を生かした商品に、自然環境と地球に優しい冷媒などの素材、材料を使いこなす事が商品の位置付けを高め、その流通寿命を長くするという大きな効果が期待できる。 勿論自然冷媒採用に於いても、このシステムの商品性確保に適した組成、熱的特性が商品成立のための重要な条件となる。 このため請求項12の仕様が前提となる。

    発明13は温熱出力の最大化を狙い、膨張機冷媒回路における膨張ガス凝縮熱量(H3)と冷凍サイクルにおける圧縮ガス凝縮熱量(H2)を一緒に温熱として同一の温熱出力熱交喚器で出力させるものである。 請求項9に述べた発明9の場合は既に両者の冷媒回路はこの部分で一体化しているので、一体化した冷媒の流れが温水出力熱交換器にてこの足し合わせた熱量分を出力する事になる。 温熱の需要は一般には冬季に消費使用者が増加し、暖房と給湯の需要が重なった時に最大となる事が多く、その時に備えて重要な機能であり、それへの対応策を実現化する上で優れた発明、技術である。

    発明14は膨張機と圧縮機の機構部分の潤滑に関する。 仮に、シェル内を膨張機入り口冷媒である高圧ガスで満たす構造にすれば両者のシリンダへの潤滑油の供給は容易である。 その場合はシェル内の潤滑油は膨張機と圧縮機のシリンダ内部のガス圧力より高圧になるため、膨張機と圧縮機に必要な潤滑油経路を巧みに備えてやれば高圧の潤滑油はその経路を伝って各シリンダ内部まで到達し、必要な部分を潤滑させる事が容易に可能である。 しかしながら、コージェネレイションの排熱はコージェネレイションシステムの方式にも拠るがおよそ80℃―200℃であり、その排熱を利用してできる高圧ガスも80−150℃程度の飽和ガス圧力となり、従って使用する冷媒ガスによっても異なるがその飽和圧力は極めて高圧となり、シェルの構造耐圧力及び装置の安全性からみて採用できない。

    従ってシェル内は膨張機出口冷媒と冷凍機出口冷媒で満たす方式とし、膨張機シリンダへ潤滑油を送り込むためにはその圧力関係から高圧側へ潤滑油を送り込む必要があり、新しい工夫と技術が要る。 如かして潤滑油用の電動オイルポンプを設ける方法も一案であるが、構造、コスト、信頼性からみて得策ではない。 そこで本考案では圧縮機は自前でシェル内で従来既知の方式の潤滑機構を設け、膨張機は膨張サイクルに使われる液ポンプに着目し、その液吸込み部分へ膨張機シェル内の潤滑油を導入して、液ポンプで冷媒とともに昇圧させて冷媒回路で膨張機まで循環させようとするものである。 これによりシェル内から外部に流出する潤滑油量を最小に抑え、また、性能悪化への影響が著しい冷凍サイクル回路を循環する潤滑油量を最小に抑える事ができるからである。

    この時最も重要なポイントは細管で潤滑油を安定して取り出す技術の確立である。 なぜなら、ガス冷媒及び金属粉等が混入した場合には細管内にチョークが起こり潤滑油流量が著しく低下したり、液ポンプと膨張機の金属摺動部に損傷を与える可能性があるからである。 従ってシェル内の潤滑油溜りの底部、即ち油溜り高さの1/3以下の部分から金属粉やガス冷媒の混ざる割合の少ない潤滑油を取り出す必要がある。

    発明15は冷媒回路の冷媒を具体的に選定している。 以上の発明を具体化する為にはそれを実現し易い冷媒を用いる必要があり、請求項4、12を満たす冷媒としてR152a、
    R600a、R290、R717等が該当する。 R600a(イソブタンC4H10、GWP20、臨界点温度133℃、飽和圧力60℃にて0.8MPa)、R290(プロパンC3H8、GWP20、臨界点温度97℃、飽和圧力60℃にて2.0MPa)、R717(アンモニア、NH3、GWP2、臨界点温度132℃、飽和圧力60℃にて2.0MPa)、R152a(低GWPフロンHFC C2H4F2、GWP140、臨界点温度113℃、飽和圧力60℃にて1.3MPa)などが選定される。

    発明16は本発明の出力利用システム全体を制御する方式を提案している。 コージェネレイション装置の運転開始立ち上がり状況と排熱温度と排熱量、それに関連して今後の全システムでの電力と温水及び冷水供給可能量、総エネルギー需要量(電力需要:照明など、排熱需要:給湯など、冷却需要:冷房など)とその予測、現在蓄熱量、等による各エネルギー量の過不足、及び今後の運転モードに伴う総費用の得失等を推測・演算して最適な運転モードを選択する。

    しかして出力利用システムの稼動、停止を制御する。 稼動の場合は出力利用システムでは電力と排熱のどちらの駆動エネルギー源を選択するか、更にはその中で冷凍サイクルに於いて冷却と加熱の同時運転可否判断及び切り替え運転の選択、出力利用システム停止の場合はコージェネレイションシステムの排熱を直接温水として出力させる為の制御、などこれ等の要素全体乃至は其の一部を考察して、利用方式を選択、設定できる制御システムを考えており、さらに使用者が少なくとも電力、給湯、暖房、冷房などの利用優先順位設定及び、又は、商用電力の時間帯別料金に応じ、電力単価の安い時間帯を選択して、モータによる圧縮機駆動方式の優先選択ができるように設定した制御システムを実現する事が使用者の需要形態に適合しようとする本発明のシステムでは最も実用的な技術である。

    発明17では、温熱出力の最大化を狙った今一つの技術を提案している。 コージェネレイション装置からの排熱を搬送する熱媒体を水などの液媒体とし、一旦排熱利用熱交換器で放熱してその大半のエネルギーを失い、その温度は低下する。 それをさらに温熱出力熱交換器の出口温水と熱交換させ、最終加熱熱源である追加放熱(H4)として放熱させ、請求項10の合計熱量(H3+H2)にさらに加えて熱出力を増加させる事を特徴としたコージェネレイション出力利用システムである。 この場合は殆どのケースでコージェネレイション装置の消費エネルギー量以上のエネルギーが、出力利用システムから出力される事が可能になり、高いエネルギー効率を達成する。 実施例図2では排熱媒体を温熱出力熱交換器まで管路を延長させる事例を示している。

    発明18は圧縮機の駆動源を適切に選定することを可能にする技術に関する。 即ち請求項5に於いて一体シェル内にスクロール翼型又はローリングピストン型膨張機と同型圧縮機さらに電動モータを、圧縮機を駆動できる関係に設置する。 しかして圧縮機をモータのみで駆動する場合は、膨張機は請求項5のレリース動作、即ち膨張機のスクロール固定翼全体乃至はそこに設けた開閉通路を移動又は作動させてシリンダ内を外部と連通させ、又ローリングピストンでは高低圧の仕切りブレイドをシリンダ外に押し出して固定して高低圧室の仕切りを開放してしまうなどにより膨張作動を無くす動作を行う。 一方膨張機のみで駆動する時は該電動モータの回転ロータは空回りとなるように電源回路出力をオフする。 また膨張機とモータの双方で駆動する時はモータの電源回路を膨張機の駆動力を補うために必要な出力となるように回転数と電圧を制御する。 以上により膨張機のみによる駆動、モータのみによる駆動、更には両者による駆動を切り替えて運転ができるように構成、作動させる具体的な技術が発明された。

    発明19はこの冷媒のリークに対する安全性を高めるための発明である。 リークした自然冷媒により火災、毒性などの被害が出る前に、微量なリークの発生を検出する機能を請求項16の制御に盛り込むという技術である。

    発明19は本発明の出力利用システムとコージェネレイション装置の夫々の制御の間に、片方のシステムが異常であり運転停止乃至は運転変更する必要があり、もう一方のシステムもそれに連れて緊急に運転停止乃至は運転変更する必要がある場合に備える技術である。 これは冷媒リークの場合も当然包含される。

    本発明の利用分野は、コージェネレイション装置と連携したコージェネレイション出力利用システムである。 その狙いはコージェネレイション装置の出力と利用者側のエネルギー需要とを常に一致バランスさせ、かつ利用できるエネルギー形態に変換して、コージェネレイション装置の運転率を高め、高いエネルギー効率と、電力と熱を両方同時に出力できるという優れた特性を最大限に利用者の利益、利便性に結びつけるものである。 尚且つコンパクトで、簡単なシステムで、地球環境負荷の小さなシステムで、長期信頼性に優れ、実用化に優れたシステムを実現し、現在急速に広がりつつある分散型発電装置の主体となる地域用、業務用、更には家庭用の分散型コージェネレイション装置システムの普及伸張に寄与するものである。

    発明1、2、3、はそのエネルギー形態を変換する基本構想技術を提示しており、上記の効果の原理を示している。 発明4、5、6、7、16はそれを実現するための具体的な方法、技術を提示している。 発明10、11、13、17はエネルギー出力を高め、エネルギー効率を高める具体意的な技術を提示している。 発明9、12、15、は地球環境負荷を低減する新しい冷媒とそのシステム構成を提示している。 発明6、8、9、16は本システムで密閉された冷媒回路とそれを内包する一体でコンパクトなユニッを構成する基幹技術を提示している。 そして発明14、18、19は本システムを安全で長期的に運転使用可能にするための技術を提供している。

    これ等により、上記の目的、乃至は前述した課題は改善達成できている。 従来、以上に述べた様な効果を総合的に持った技術は無く、また個々の改善効果を持った技術はアイデアとしては散見されるが、それを如何に具体化するか、更に全体のシステムを如何に纏め上げるかという技術は発見する事が出来ない。

    従って、本発明のシステムに置ける具体的な効果は、1、コージェネレイション出力である電力と排熱の両方も、又はどちらでも選択して作動エネルギー源として利用できる技術が提示された。 2、コージェネレイション出力を利用する本発明のシステムにより利用者に対し、給湯、暖房、冷房を同時に、又は選択して且つ継続的に利用できる方式と技術が提示された。 3、コージェネレイション出力である電力と排熱量に対し、その排熱量に夫々がほぼ同一熱容量となる温熱と冷熱を上記排熱量にプラスして、冷凍サイクルによって出力できる技術が提示された。 これはコージェネレイション装置のインプットエネルギー100に対し、出力電力30%、排熱量40%とした場合、冷凍サイクル出力温熱40%
    、冷熱35%程度となる。 これらをトータルするとインプットエネルギー100%に対し電力出力も含め145%もの利用可能エネルギーが出力できることになる。 (但し、夏で、充分に冷房能力と給湯の需要があるサイトでの一日を想定)

    このことは集中式発電システム(大規模発電所など)のエネルギー効率が40%以下であることを考慮すると、約3.5倍、さらに従来のコージェネレイションシステムをそのまま利用する現状システムに比較すると約2倍のエネルギー効率が得られる事になる。 本発明は、この高いエネルギー効率を実際に実現するための具体的な方式と技術を提示したものである。

    以上により、本発明は、前記課題を解決し、かつ、コージェネレイションシステムに連結して使用できるエネルギー効率の高い、且つ実用性の高い出力利用システムを実現するための各種技術を発明提示し、その実用化に貢献できるという効果を有するものである。

    以下、本発明の実施形態を、図1〜図5に基づいて説明する。

    図1は本発明の1つの実施形態のシステム概要全体図であり、コージェネレイションシステム(以下システム1と略称する)、及び本発明になるコージェネレイション出力利用システム(以下、出力利用システム2と略称する)の概要、更にはその内外の各構成要素がどの様に作用しているかを、エネルギーを伴った流れを示す冷媒回路と水回路、及び電力系統を明示する事により示している。 図2はその中で出力利用システム2の全体構成と各部分を更に詳細に示したものである。

    図3、4はシステム2の重要構成部品として使われるローリングピストンタイプの電動膨張圧縮機の構造の全体構成図と膨張機部分の水平断面図である。 この膨張機と圧縮機は公知の技術であるが、これを用いてその膨張圧縮機をどの様に利用し作動させるかという本発明になる新しい細部技術と応用システム技術を示そうとするものである。 図5はその内部に、ヘリカルブレイドを円筒状回転体に取り付けた構造の膨張子と圧縮子を設置して、冷媒の膨張による出力を冷媒の圧縮に必要な動力に利用することにより圧縮と膨張を同時に作動させ、全体システムのエネルギー効率を高める機能と、本発明の全体システムを構成するための冷媒分流の機能との両方を担う冷媒分流器の構造を示す。

    システム1が熱電供給システムであるなら如何なる方式でも、本発明の出力利用システム2は組合せが可能であるが、システム1の排熱源能力、排熱源温度、利用者側の需要形態等に併せて出力利用システムは仕様が設定される。 即ちシステム1はガスエンジン発電機でも燃料電池でも良いが、ここでは事例としてマイクロタービン発電装置を考える。 システム1はコージェネレイション燃料3の供給を受けてそれを消費し、交流電力4(E1)と排熱として100
    ℃前後の温水5(熱量H1)を出力するものとする。 電力4はパワーコンディショナ17により電圧と周波数が調整されて商用電源20に系統連結されると同時に、供給回路18
    、21を経て、サイトでの消費電力、例えば照明22、及び出力利用システム2用の電力として供給される。

    出力利用システム2では100℃の温水5の供給を受けて排熱利用熱交喚器にて、ポンプ27から送られてくる高圧の液体イソブタンが蒸発して1.9MPaの高圧、97℃の高温となった同ガスは電動膨張機9内の膨張機23に達し、これを駆動しながら膨張し、その軸シャフト102に動力を与える。 如かして、膨張して圧力が0.78MPaに下がり、同シェル内に吐出されて、冷凍サイクル回路の圧縮機で同一圧力まで圧縮吐出されたガスと合流する。 この時、圧縮されたガスの方が過熱されているため、合流したガスは0
    . 78MPaの飽和温度(55℃)に対し約10℃以上過熱状態(約65℃)になる。

    シェル内で合流したガスは温熱出力熱交喚器12において自ら凝縮して液体になりながら40℃の温水を60℃迄加熱する。 この温水は出力利用システム2の外部にある温水タンクに送られ、給湯、暖房等に利用される。 放熱して液化し、ほぼ飽和温度55℃に冷却された液冷媒、イソブタンは液分流器26にてほぼ50%づつに分流されてその片方が分流器内の圧縮子202により圧縮された後に膨張機冷媒回路7に流れ、排熱利用熱交喚器6に戻り、以下これを繰り返す。 実際には分流器内の圧縮子で充分流量が確保できない場合が多く、下流に設けた電動の圧縮ポンプ27を作動させて圧縮液量を補って、必要な圧縮液量を確保する。 他の事例で、液分流器内に膨張圧縮用の回転体などを組み込んでいない単なる分流器の場合は、分流器の膨張機冷媒回路側の下流に電動液ポンプを設けて電動モータの動力を使って液冷媒を圧縮し巡回させ、冷凍サイクル側に流れる液冷媒は電動式冷媒制御弁28、29乃至は30に於いて膨張する。

    一方冷凍サイクル側は、上記の分流器26の膨張子204に流れたイソブタン液は膨張しながら膨張子を駆動し、その下流の電動式冷媒制御弁29に向かい、出力システム2全体の制御指令(図示せず)により制御された制御弁29で流量調整される。 その結果冷凍サイクルの各部冷媒圧力、温度等が適正状態に制御される。 その後、冷熱出力熱交喚器10へと流れ、冷水11を冷却して蒸発し、圧縮機25に戻り圧縮されてシェル内に吐出され、これを繰り返す。 冷水11は出力利用システム外部に設けられた冷熱タンクに蓄えられ、冷房、冷却、徐湿等に利用される。

    上記冷凍サイクル8には室外空気熱交喚器14が冷媒制御弁29と並列に設置されている。 この熱交換器はファン(図示せず)により送風される室外空気15と熱交換するように構成されている。 如かして温熱出力が過剰で、冷熱出力が不足している時は、ファンが作動され、弁29は閉じられ、弁28は全開され、弁30は冷媒流量等を調整するように制御されて、室外熱交喚器14を凝縮放熱器として作動させて、温熱を室外空気15に放熱させることにより、温熱出力熱交喚器12の出力を大幅に低減させる事が出来る。 この時排熱源利用熱交喚器を出た冷媒は重量基準で50%前後がガス成分となるように制御されるので、液分流器26の手前で、気液分離気34によりこのガス成分は分離されて、冷媒制御弁28、室外熱交換器14に送られてそこで放熱し、液冷媒となる。

    温熱出力が不足し、冷熱出力が過剰、乃至は不要の時は、ファンが作動され、弁29は閉じられ、弁28は冷媒流量等を調整し、弁30は全開されて、熱交換器14を蒸発吸熱器として作動させて、冷熱は室外空気15を冷却する事によって冷熱出力熱交換器の出力を大幅に低減させるか、停止させる事が出来る。 この時は室外空気から熱を吸熱し、その分を温熱出力熱交喚器12にて温熱出力する事になる。 以上が請求項1、3、4、6、7、9、10、11、13の具体的な事例である。

    以上の運転は基本的にシステム1の排熱出力を利用するものであるが、実施例では電動膨張圧縮機9の中に膨張機23、圧縮機25、電動モータ24を一本の軸で駆動できる関係に設置している。 これを用いて排熱熱源5と電力16の双方を選択的乃至は同時に利用できるように構成している。 これは排熱のみを利用する運転モードから、極端な場合、排熱を利用出来ない場合にも出力電力4乃至は商用電源を用いるモード、乃至は双方を利用するモードなど、種々なエネルギー供給モードを利用して対応する事ができるようにするものである。

    従って、排熱出力5が不足したり、その温度が100℃より低下した場合でも温熱と冷熱を出力する必要がある時は、電力16を供給して、冷凍サイクルを充分に稼動させて出力システム2を作動させる事ができる。

    図3、4の電動膨張圧縮機のローリングピストンタイプの事例が示すように、高圧ガス112は高圧ガス供給ライン110から供給され、シャフト102の中心に設けられたシャフト中心経路118を経由して、シャフトのクランク部に設けられた扇型の高圧ガス供給路(クランク)117、ローラ109に設けられたやはり扇型の高圧ガス供給路(ローラー)116が連通してできる経路を通してシリンダ内側の膨張室内に供給される。 クランクが約70度程度回転して、連通路が絶たれ、ガスが供給されなくなった後、膨張シリンダ108内のガスは膨張を続け、シリンダ内容積を拡大しながらクランク及びシャフトを駆動する。 膨張完了後にはシリンダ内から矢印に示された様に、膨張圧縮機9ケース内に吐出される。 この間シャフト102は圧縮機のローラ109を駆動し冷凍サイクル吸込みライン106から、冷熱出力熱交換器にて蒸発した低圧のガスを圧縮シリンダ114内に吸込み、これを膨張圧縮機9のケース内に吐出する事により冷凍サイクルを作動させる。

    仮に排熱温度が100℃より低いコージェネレイションシステムを用いる場合は、イソブタンガスの蒸発圧力は1.9MPaより低くなるため、膨張機の駆動力は低下するから、上記膨張機シリンダのシリンダ内容積を増加させた寸法に設定し、圧縮機シリンダを十分に駆動できるようにする。 これはシステム1の排熱総熱量は同一で、温度が低下した分、温水循環量を増やしているという条件の場合である。

    膨張機23のみにより圧縮機25を駆動する時は、モータ24のロータ103はシャフトと一体に回転するが、誘導電動機タイプのモータ24の電源は停止させており、ロータ103には回転反力が生じる事も無く、空回りする。 逆に、電動モータ24のみで圧縮機25を駆動する時は、膨張機の仕切りブレード115は図の上方に引き上げて固定する。 この結果、膨張機シリンダ内で高低圧の仕切りが取り払われたため、クランクとローラが回転してもガスの膨張などは生じないでローラは空回りとなる。 また、膨張機と電動モータの双方で駆動する時は電動モータの出力電圧と周波数はインバータ制御装置(図示せず)により調整され、最適な作動状態、即ちトータルの駆動力、回転数、トータルな消費エネルギーの最適状態が得られるよう制御される。 このインバータ制御装置が含まれる電源制御装置19はは電源21から供給された電力で作動している。

    他方、膨張機として極めて特性の優れたスクロール型の電動膨張圧縮機についても、蒸発させた高圧ガスによる膨張機駆動に関しては幾つかの関連する考案が提示されているが、以上と同様に、電動モータと膨張機をお互いに補完しあって駆動制御するという技術とそのための具体的な施策が不明瞭であるため従来実現化できないでいたが、軸による連結構造、その作動制御、レリース機能などは上記と同じ考え方である。 以上が請求項2、5、18の具体的な事例である。

    図2から知れるように、本事例の出力利用システム2は一体のユニット内に構成されており、冷媒回路はすべてこの中に収納されている。 かつその外界との出入り作用は排熱源用の温水5、電源制御器用の電源21、冷水出力11、温水出力13、室外空気15及びシステム1との信号ライン(図示せず)のみである。 従って現地での据付工事では冷媒回路に関わる作業は必要がなく、上記水回路、電源回路の接続調整、送風路に関わる作業のみである。

    この簡略化され、一体化された全体のシステムを実現することにより、顧客の年間の熱需給に柔軟に対応できて、且つ極めて高い熱効率のシステムを提供できるだけでなく、出力利用システム全体の一括製造と出荷による高い品質と安いコストを可能にし、現地での据え付け作業安全に課題がある自然冷媒の採用を可能にし、現地据付工事の品質を高め、費用を削減し、且つ長期間の使用に耐えるシステムを実現している。 これが請求項6、8、9、12、15の具体的な事例である。

    図2により熱エネルギーの移動を説明する。 出力利用システム2により出力される温水出力13に与えられた熱エネルギー(H5)は、出力利用システム2が基準運転(電動膨張圧縮機9は膨張機のみで駆動、かつ室外空気ファン15は停止)をする時は、トータル熱量の等式から、コージェネレイション排熱出力(H1)と冷熱出力熱交喚器での冷水出力(C1)の和と成る。 (H5=H1+C1)

    ここで、システム1の排熱出力温度が100℃以上に高温度で、膨張機冷媒回路の冷媒の圧力が高く、従って膨張動力を充分に保有している場合は、温熱出力熱交喚器の冷媒凝縮圧力を圧力比的にほぼ中間点に設定し、膨張機冷媒回路と冷凍サイクルを循環する双方の冷媒流量をほぼ等しくとれば膨張機23の膨張出力仕事と圧縮機25の圧縮仕事がほぼ等しくなり全体システムが成立する。 この時は膨張回路と冷凍サイクルの蒸発熱量に相当する(H1)と(C1)はほぼ等しい熱量となる。 このため結果的に(H5)は(H1)の約2倍の熱量を得る事が出来る。 このときそれらの温度はH1が100℃、H5は60℃を想定している。

    この場合、システム1の出力をそのまま温熱出力として利用する場合の出力湯量と出力利用システム2の出力湯量の比は約4倍になる。 家庭用、オフィス用、店舗用には60℃の温水で充分な場合が多く、システム1から直接出力する場合でも100℃の温水は結局60℃程度に水道水で温度調整される。 従って、互いに等しい温度(60℃)に直して比較すると、使用できる出力湯量の比は約2倍になる。 (H5=2*H1) 即ち、コージェネレイションシステム単独の場合に比べ2倍の加熱量が得られる。 この実施例でわかる通り、本発明は温水と暖房の温熱需要の大きなサイト、及び冷水と冷房の冷熱需要の生じるサイトで有効である。 当然、そんな需要が大きくないサイトの場合には本出力利用システム2はコージェネレイションシステムの運転時間の軽減をもたらし、結果的には燃料消費量を低減できるものである。

    熱出力(H5)を増加させ、さらに熱効率を向上させる方法として、図2に見れるように、排熱源温水出力5を排熱源利用熱交喚器6で放熱した後、更に温熱出力熱交喚器12で放熱する加熱回路32を追加して(H1)の総量を増加させる方法がある。 この方法は又、システムの排熱温度が90℃、更に80℃に低下した時も温熱出力温水温度を目標の60℃に保つ上でも友好である。 さらに分流器26に於いて、冷凍サイクル8へ向かう膨張すべき冷媒の膨張エネルギーを、膨張機回路へ向かう圧縮すべき冷媒の圧縮動力に利用する方法がある。 更にH5を増加させる方法として、冷水出力の減少が許されるなら、室外空気熱交喚器を蒸発器として作動させて、室外空気から熱を受け取る方法がある。

    液冷媒のポンプ(液圧縮機)としては、スクロール式、ローリングピストン式、本事例のヘリカルブレイド式、ギヤ式等の公知のものがある。 本事例では液圧縮機と液膨張機をその内部に合わせ持った分流器26を1つのエネルギー効率向上の切り札となる発明として提案している。 冷凍サイクルに於ける液の膨張過程でその膨張エネルギーを吸収し、膨張後の液ガス冷媒のエンタルピーを低下させて冷凍能力を増大させ、同時にそのエネルギーを膨張機冷媒回路7の液圧縮エネルギーに利用して、液ポンプ27の駆動動力として使われる電動モータの消費電力を低減させる事ができ、一石二鳥のエネルギー効率改善効果が望める。

    分流器26は、その膨張圧縮部の寸法形状設定により分流比率はおよそ決まってしまうことになる。 この実施例の分流器では図5のように圧縮子と膨張子として、シリンダ内壁に外周を接触させながら、自らは回転せずに公転するヘリカル翼付き円筒状ロータを用いている。 それはロータにヘリカル状に成形した連続した溝に樹脂製のヘリカル翼を入れ込んで巻き付けた所謂ヘリカル圧縮機・膨張機を用い、その翼間ピッチ寸法の設定によりその液分流比は50%/50%に設定されている。

    従って、システム1の排熱温度が低下したり、利用システム2の出力冷水温度が低下した場合等は温熱出力温度は低下し、前述の60℃より低くなってしまう。 この出力温度が低下した状態でもこれを維持、継続するには冷媒回路の調整が必用であり、その為には電動液圧縮ポンプ27を作動させ、適正な分流割合となるように圧縮側流量を増加させて冷媒回路の作動状態を調整する。 液圧縮ポンプ27は電動モータで駆動されたギヤポンプで、システム1の排熱温度が90℃以下に低下した場合などに有効に使用される。 以上が請求項10、11、13の具体的な事例である。

    本実施例を具体化する上で二つの課題がある。 膨張機23の潤滑とそれによる故障、磨耗の防止、及び自然冷媒の漏れへの対応である。 膨張機23のシリンダ内部は高圧ガスが内在し、高圧、高温度であることからこれを潤滑する潤滑油の広範囲な温度特性(100℃で動粘度7.0mm/s以上で、流動点が−25℃以下)と、劣化し難い特性が必要である。 とともに、その潤滑油111を如何に高圧状態のシリンダの摺動部分に供給するかが大きな課題である。 構造が簡単で確実な方法として請求項14の技術を発明したもので、その具体例は潤滑油パイプ31の設置によって示される。 これは潤滑油が凝縮器である温水出力熱交喚器12を経由した場合はその凝縮性能の低下をきたすためそれをバイパスさせるという優位点があり、膨張機23は勿論、液圧縮ポンプ27をも潤滑してかつ摺動部分のオイルシール機能により圧縮特性を安定させる効果をも生じ、膨張機冷媒回路7が作動している限り潤滑油は確実に循環される。

    自然冷媒はフロン冷媒と違い地球環境負荷の点では優れているが、身近な問題として圧力が高い、可燃性、爆発性、人体への毒性などにより取り扱い上で基本的な課題がある。 本発明では、出力利用システム2として前術の優位点にもとづいてこれを選択をしており、後述の問題には基本的対応技術を発明してこれにより解決している。 即ち図2の実施例から知れる通り冷媒回路は密閉型であり、システムは一体の筐体ユニットに収納され現地での据付作業での漏れに関する影響は無い構想である。 また電源制御器には請求項19に示される如く、種々な安全監視、非常時の具体的な対応が盛り込まれている。 また、利用側、特に室内側とは分離された室外空間に設置され、温冷熱は水などにより搬送するという基本構想の上に具体化されている。 本発明提案の出力利用システム2の全体概念とその実現に関わる多くの事項は以上の基本技術構想を踏まえた上で組み立てられている。

    本発明の実施形態を利用したコージェネレイション全体システム概要図

    本発明の実施形態を示す出力利用システム概要図

    同システムに使われる電動膨張圧縮機の構造概略図

    同膨張機部分の水平断面構造概略図

    同システムに使われる液分流器の構造概略図

    符号の説明

    1 コージェネレイション装置(システム1)
    2 コージェネレイション出力利用システム(出力利用システム2)
    3 コージェネレイション燃料 4 電気出力5 排熱源温水出力6 排熱利用熱交喚器7 膨張機冷媒回路8 冷凍サイクル9 電動膨張圧縮機10 冷熱出力熱交喚器11 冷水12 温熱出力熱交喚器13 温水14 室外熱交喚器15 室外空気16 モータ電源17 電力変換装置18 出力電力逆潮流ポイント19 電源制御器20 商用ライン電源21 供給電源22 照明灯23 膨張機24 モータ25 圧縮機26 液分流器(膨張子、圧縮子含む)
    27 液ポンプ28 電動式冷媒制御弁(温冷熱出力用)
    29 電動式冷媒制御弁(温熱出力用)
    30 電動式冷媒制御弁(冷熱出力用)
    31 潤滑油パイプ32 加熱回路33 冷媒回路(7及び8から成る)
    101モータステータ102シャフト103モータロータ104吐出管105フレイム106冷凍サイクル吸込み管107シェル108膨張機シリンダ109ローラー110高圧ガス供給ライン111潤滑油112高圧ガス113膨張機圧縮機センターフレイム114圧縮機シリンダ115仕切りブレイド116高圧ガス供給ポイント(ローラ)
    117高圧ガス供給ポイント(クランク)
    201液冷媒入り口202回転体(圧縮子)
    203高圧液出口204回転体(膨張子)
    205低圧冷媒出口206ヘリカルブレイド207シャフト(液分流器)
    208クランク

    高效检索全球专利

    专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

    我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

    申请试用

    分析报告

    专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

    申请试用

    QQ群二维码
    意见反馈