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自閉症および関連障害の治療および予防のための腸管選択的隔離剤

阅读:51发布:2020-05-08

专利汇可以提供自閉症および関連障害の治療および予防のための腸管選択的隔離剤专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本開示は、 微 生物 代謝産物の生体内隔離および排出による神経障害および関連症状の治療のための方法および組成物を記載する。これらの代謝産物は、自閉症およびパーキンソン病などの神経障害、ならびにそのような障害に関連する腸管透過性亢進(腸管壁浸漏)および胃腸併存疾患に関連する。,下面是自閉症および関連障害の治療および予防のための腸管選択的隔離剤专利的具体信息内容。

腸管透過性亢進または腸内細菌叢異常に関連する神経障害の行動症状を有する対象の治療に使用するための隔離剤組成物であって、 前記対象の消化管により非吸収性である多数の生体適合性粒子および/またはポリマーを含み、 前記隔離剤組成物は、前記対象の消化管に存在する少なくとも1つの腸内代謝産物の少なくとも一部に結合して隔離剤−代謝産物複合体を形成し、そうすることで前記隔離剤−代謝産物複合体が前記消化管から除去されるようになり、 前記腸内代謝産物は、前記行動症状の発症または存在に関連する、隔離剤組成物。前記隔離剤組成物は、活性炭粒子、粘土、アパタイトもしくはヒドロキシアパタイト、ベントナイト、カオリン、ペクチン、セルロースポリマー、酢酸セルロースポリマー、酢酸プロピオン酸セルロース、イオン交換樹脂、コレスチラミンポリマー、テトラエチレンペンタミンポリマー、フェノール樹脂、ボロン酸提示ポリマー、カテキン提示ポリマーまたはゼオライトを含む、請求項1に記載の隔離剤組成物。少なくとも500m2/gのブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最小平均比表面積および4000m2/g未満のブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最大平均比表面積を有する球状活性炭粒子を含むAB−2004製剤を含む、請求項1に記載の隔離剤組成物。少なくとも0.005の最小平均粒径および1.5mm未満の最大平均粒径を有する球状活性炭粒子を含むAB−2004製剤を含む、請求項1または3に記載の隔離剤組成物。前記隔離剤組成物が、下部消化管での制御放出のために製剤化される、請求項1から4のいずれか一項に記載の隔離剤組成物。腸管透過性亢進または腸内細菌叢異常に関連する神経障害の行動症状を有する対象を治療する方法であって、 前記対象の消化管に存在する少なくとも1つの腸内代謝産物の少なくとも一部に結合して隔離剤−代謝産物複合体を形成する隔離剤組成物であって、そうすることで前記隔離剤−代謝産物複合体が前記消化管から除去されるようになる隔離剤組成物を前記対象に投与することを含み、 前記腸内代謝産物は、前記行動症状の発症または存在に関連し、 前記隔離剤組成物は、前記対象の消化管により非吸収性である多数の生体適合性粒子を含む、方法。前記神経障害が、自閉症スペクトラム障害、不安障害、パーキンソン病、レット症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、エンジェルマン症候群、ウィリアムズ症候群、筋萎縮性側索硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症、偶発的なレビー小体病、レビー小体変異型アルツハイマー病、多系統萎縮症、純粋自律神経障害を含む)、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。前記行動症状が、振戦、麻痺、運動障害、反復行動、コミュニケーション症、認知障害、常同行動、物理的対象への愛着、失語症、強迫行動、特異なまたは不適切なボディランゲージ、ジェスチャーおよび/または表情および/または感覚運動の問題、他者への関心の欠如、共感の欠如、非言語的な手がかりの把握の困難、タッチ嫌悪、社会化困難、言語発達の遅れ、異常な音声またはピッチ、音声の反復、保持、会話の困難、コミュニケーションのニーズまたは欲求の困難、単純な文または質問の無理解、言語サブテキストの処理の困難、特異な対象への執着、固執、ルーチンまたは環境の変化への不耐性、無器用、姿勢異常、奇妙な動き、特定の対象への魅了、感覚入に対する感覚過敏・鈍麻および臨床的過敏性からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。前記神経障害が自閉症スペクトラム障害であり、前記行動症状が、反復行動、コミュニケーション症、常同行動および臨床的過敏性からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。前記対象が、臨床的不安または不安障害を有しない、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。前記対象が、慢性腎疾患を有しない、請求項6から10のいずれか一項に記載の方法。前記腸内代謝産物が、4−エチルフェノール(4−EP)、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレゾール(PC)、p−クレシル硫酸塩(PCS)、3−インドキシル硫酸塩、3−ヒドロキシインドール、クマル酸、3−(3−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシプロピオン酸(HPHPA)、3−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、3−ヒドロキシ馬尿(3HHA)、3−カルボキシ−4−メチル−5−プロピル−2−フラン酸(CMPF)、3−ヒドロキシフェニル酢酸(3HPA)、4−ヒドロキシフェニル酢酸および2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。前記腸内代謝産物は、4−エチルフェノール(4−EP)、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレゾール(PC)、p−クレシル硫酸塩(PCS)、3−ヒドロキシインドールおよび3−インドキシル硫酸塩からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。前記隔離剤組成物は、活性炭粒子、粘土、アパタイトもしくはヒドロキシアパタイト、ベントナイト、カオリン、ペクチン、セルロースポリマー、酢酸セルロースポリマー、酢酸プロピオン酸セルロース、イオン交換樹脂、コレスチラミンポリマー、テトラエチレンペンタミンポリマー、フェノール樹脂、ボロン酸提示ポリマー、カテキン提示ポリマーまたはゼオライトを含む、請求項6に記載の方法。前記隔離剤組成物は、少なくとも500m2/gのブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最小平均比表面積および4000m2/g未満のブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最大平均比表面積を有する球状活性炭粒子を含むAB−2004製剤を含む、請求項6に記載の方法。前記隔離剤組成物は、少なくとも0.005の最小平均粒径および1.5mm未満の最大平均粒径を有する球状活性炭粒子を含むAB−2004製剤を含む、請求項6または15に記載の方法。治療期間中に前記対象の腸内代謝産物を監視することをさらに含む、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。前記対象の行動の変化を監視することをさらに含む、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。前記組成物を、前記神経障害の行動症状の出現後に投与する、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。前記組成物を、前記神経障害の行動症状の出現前に投与する、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。前記方法を、前記組成物の最初の投与前に特定されたレベルと比較して低下した腸内代謝産物のレベルを維持するために必要に応じて繰り返す、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。所定の投与について、前記組成物が、先に投与された組成物とは異なる、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。前記対象の行動の変化を監視することをさらに含む、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。腸管透過性亢進または腸内細菌叢異常に関連する神経障害の行動症状を有する対象から1つ以上の腸内代謝産物の量を減少させる方法であって、 前記対象の消化管に存在する少なくとも1つの腸内代謝産物の少なくとも一部に結合して隔離剤−代謝産物複合体を形成する隔離剤組成物であって、そうすることで前記隔離剤−代謝産物複合体が前記消化管から除去されるようになる隔離剤組成物を前記対象に投与することを含み、 前記腸内代謝産物は、前記行動症状の発症または存在に関連し、 前記隔離剤組成物は、前記対象の消化管により非吸収性である多数の生体適合性粒子を含む、方法。

说明书全文

関連出願の相互参照 この出願は、2017年3月31日に申請された米国仮出願第62/480,039号の利益を主張し、ここに本明細書の一部を構成するものとして明示的に援用する。

本開示は、自閉症などの神経障害の行動症状と、腸管透過性亢進または腸管壁浸漏を含む関連病状とを治療、阻害または改善する方法に関する。

非吸収性、非消化性、生体適合性ポリマーは、腸管内のコレステロールと遊離リン酸塩の吸着を標的とすることにより、コレステロールと全身リン酸塩レベルを下げるのに使用されてきた。これらの製品は、生体適合性のイオン交換樹脂であり、あまり吸収されず、標的分子を結合した後に胃腸管(GI)から排出される。例えば、コレステロールを下げるために、コレステロール誘導体である胆汁酸を隔離するのにイオン交換樹脂であるコレスチラミンが使用されてきた。さらに、非吸収性、非消化性、生体適合性の活性炭製剤が、中毒および薬物過剰摂取における毒素(例えば、非特許文献1及び2)、ならびに慢性腎疾患の治療における尿毒症毒素(例えば、非特許文献3)の影響を打ち消すために研究されてきた。例えば、慢性腎疾患を患っている対象の透析を遅らせるために活性炭粒子製剤が開発され、利用されてきたが、このアプローチの臨床的有用性は積極的に受け入れられておらず、複数のメタ分析では明確な臨床的利益は示されておらず、米国での後期臨床試験は有効性を証明しそこねていた。

Dillon et al.(1989),Ann.Emerg.Med.18(5):547−52;

Kieslichova et al.(2018),Transplantation Proc.50:192−197

Schulman et al.(2016),BMC Nephrology 17:141

一態様において、本発明は、腸管透過性亢進(もしくは腸管壁浸漏)または腸内細菌叢異常に関連する神経障害の行動症状を有する対象の治療に使用するための隔離剤組成物を提供する。これらの組成物は、対象の消化管により非消化性および非吸収性である多数の生体適合性粒子および/またはポリマーを含む。隔離剤組成物は、対象の消化管に存在する少なくとも1つの腸内代謝産物の少なくとも一部に結合して、共有結合または非共有結合を含み得る隔離剤−代謝産物複合体を形成する。隔離剤−代謝産物複合体の形成の結果として、腸内代謝産物は、消化管の組織と相互作用したり吸収されたりするのではなく、隔離剤組成物と共に消化管から除去されるようになる。隔離剤組成物により結合される腸内代謝産物は、行動症状の発症または存在に関連し、したがって、腸内代謝産物の除去は、行動症状および神経障害の治療に役立つ。

別の態様において、本発明は、腸管透過性亢進または腸内細菌叢異常に関連する神経障害の行動症状を有する対象を治療する方法を提供する。この方法は、対象の消化管に存在する少なくとも1つの腸内代謝産物の少なくとも一部に結合する本発明の隔離剤組成物を対象に投与することを含む。上記のように、隔離剤と代謝産物は、隔離剤−代謝産物複合体を形成し、そうすることで、腸内代謝産物は、消化管の組織と相互作用したり吸収されたりするのではなく、隔離剤組成物と共に消化管から除去されるようになる。腸内代謝産物は、行動症状の発症または存在に関連しているため、隔離剤組成物の結合は、腸内代謝産物の除去を促進し、行動症状および神経障害の治療に役立つ。

別の態様において、本発明は、腸管透過性亢進または腸内細菌叢異常に関連する神経障害の行動症状を有する対象からの1つ以上の腸内代謝産物の量を減少させる方法を提供する。この方法は、対象の消化管に存在する少なくとも1つの腸内代謝産物の少なくとも一部に結合する隔離剤組成物を対象に投与することを含む。上記のように、隔離剤と代謝産物は、隔離剤−代謝産物複合体を形成し、そうすることで、腸内代謝産物は、消化管の組織と相互作用したり吸収されたりするのではなく、隔離剤組成物と共に消化管から除去されるようになる。したがって、行動症状の発症または存在に関連する腸内代謝産物への隔離剤組成物の結合は、腸内代謝産物の除去を促進し、行動症状および神経障害の治療に役立つ。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、隔離剤組成物は、対象の消化管と生体適合性、非消化性および/または非吸収性である多数の粒子を含む。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、隔離剤組成物は、活性炭粒子、粘土、アパタイトもしくはヒドロキシアパタイト、ベントナイト、カオリン、ペクチン、セルロースポリマー、酢酸セルロースポリマー、酢酸プロピオン酸セルロース、イオン交換樹脂、コレスチラミンポリマー、テトラエチレンペンタミンポリマー、フェノール樹脂、ボロン酸提示ポリマー、カテキン提示ポリマーまたはゼオライトを含む。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、隔離剤組成物はAB−2004製剤を含む。本発明のAB−2004組成物は、球状活性炭粒子を含む。いくつかの実施形態では、球状活性炭粒子は、少なくとも500m2/gのブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最小平均比表面積および4000m2/g未満のブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最大平均比表面積を有する。いくつかの実施形態では、球状活性炭粒子は、少なくとも0.005の最小平均粒径および1.5mm未満の最大平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、球状活性炭粒子は、(a)少なくとも500m2/gのブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最小平均比表面積と、4000m2/g未満のブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最大平均比表面積ならびに(b)少なくとも0.005の最小平均粒径および1.5mm未満の最大平均粒径との両方を有する。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、本発明の隔離剤組成物は、下部消化管での制御放出のために製剤化される。そのような組成物は、経口投与または坐剤として投与することができる。

前述の態様のそれぞれにおいて、前述の実施形態のそれぞれでは、神経障害は、自閉症スペクトラム障害、不安障害、パーキンソン病、レット症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、エンジェルマン症候群、ウィリアムズ症候群、筋萎縮性側索硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症、偶発的なレビー小体病、レビー小体変異型アルツハイマー病、多系統萎縮症、純粋自律神経障害を含む)、またはそれらの任意の組合せのいずれかから選択することができる。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、行動症状は、振戦、麻痺、運動障害、反復行動、コミュニケーション症、認知障害、常同行動、物理的対象への愛着、失語症、強迫行動、特異なまたは不適切なボディランゲージ、ジェスチャーおよび/または表情および/または感覚運動の問題、他者への関心の欠如、共感の欠如、非言語的な手がかりの把握の困難、タッチ嫌悪、社会化困難、言語発達の遅れ、異常な音声またはピッチ、音声の反復、保持、会話の困難、コミュニケーションのニーズまたは欲求の困難、単純な文または質問の無理解、言語サブテキストの処理の困難、特異な対象への執着、固執、ルーチンまたは環境の変化への不耐性、無器用、姿勢異常、奇妙な動き、特定の対象への魅了、感覚入に対する感覚過敏・鈍麻および臨床的過敏性から選択される。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、神経障害は、自閉症スペクトラム障害であり、行動症状は、反復行動、コミュニケーション症、常同行動および臨床的過敏性から選択される。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、対象は、臨床的不安または不安障害を有していない。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、対象は、慢性腎臓病を有していない。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、腸内代謝産物は、4−エチルフェノール(4−EP)、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレゾール(PC)、p−クレシル硫酸塩(PCS)、3−インドキシル硫酸塩、3−ヒドロキシインドール、クマル酸、3−(3−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシプロピオン酸(HPHPA)、3−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、3−ヒドロキシ馬尿(3HHA)、3−カルボキシ−4−メチル−5−プロピル−2−フラン酸(CMPF)、3−ヒドロキシフェニル酢酸(3HPA)、4−ヒドロキシフェニル酢酸および2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸から選択される。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、腸内代謝産物は、4−エチルフェノール(4−EP)、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレゾール(PC)、p−クレシル硫酸塩(PCS)、3−ヒドロキシインドールおよび3−インドキシル硫酸塩から選択される。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、治療方法は、治療過程中の対象の腸内代謝産物レベルを監視することを含む。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、治療方法は、対象の行動の変化を監視することを含む。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、治療方法は、神経障害の行動症状の出現後に隔離剤組成物を投与することを含む。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、治療方法は、神経障害の行動症状の出現前に隔離剤組成物を投与することを含む。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、治療方法は、組成物の最初の投与前に特定されたレベルと比較して低下した腸内代謝産物のレベルを維持するために必要に応じて繰り返される。いくつかの実施形態では、所定の投与について、組成物は、先に投与された組成物とは異なる。

前述の態様のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、治療方法は、対象の行動の変化を監視することを含む。

したがって、本明細書に記載されるのは、腸内生物叢の変化に関連する、1つ以上または複数の神経障害、神経障害と併発する腸管壁浸漏、または神経障害とは無関係の腸管壁浸漏の治療、阻害または改善のための方法である。いくつかの実施形態では、方法は、腸内微生物叢の変化に関連する腸内代謝産物を隔離し、この腸内代謝産物を隔離した後に代謝されることなく消化管から除去される組成物を対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、腸内微生物叢の変化に関連する1つ以上の腸内代謝産物の上昇したレベルを有し、腸内微生物叢の変化に関連する障害の症状を有し、腸内微生物叢の変化に関連する障害と診断された、または腸内微生物叢の変化に関連する障害を発症するリスクが高い対象を特定および/または選択するステップを含む。本開示の方法に従って投与される組成物は、活性炭、アパタイトもしくはヒドロキシアパタイト、ベントナイト、カオリン、ペクチン、セルロースポリマー、酢酸セルロースポリマー、酢酸プロピオン酸セルロース、イオン交換樹脂、コレスチラミンポリマー、テトラエチレンペンタミンポリマー、フェノール樹脂、ボロン酸提示ポリマー、カテキン提示ポリマー、ゼオライト、および/もしくはナノ粒子のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを含み得るか、本質的にそれらから成り得るか、またはそれらから成り得る吸着剤、ポリマー、粘土または樹脂を含み得る。本開示の方法に従って投与される組成物は、本明細書においてAB−2004と呼ばれる高表面積活性炭粒子の製剤を含み得るか、本質的にそれらから成り得るか、またはそれらから成り得る。本開示の方法に従って投与される組成物はさらに、下部胃腸管での制御放出のために製剤化され得る。

本開示の方法は、1つ以上または複数の神経障害、例えば、自閉症スペクトラム障害、精神分裂症、不安障害、鬱病、パーキンソン病、レット症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、エンジェルマン症候群、ウィリアムズ症候群、筋萎縮性側索硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症、偶発的なレビー小体病、レビー小体変異型アルツハイマー病、多系統萎縮症、純粋自律神経障害を含む)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せに対処するために適用することができる。

本開示の方法はさらに、前記対象における腸管壁浸漏(腸管透過性亢進)だけでなく、そのような神経障害に関連する腸管壁浸漏症状および/または神経障害に関連しない腸管壁浸漏症状も呈示する神経障害に対処するために適用することができる。

本開示による方法は、微生物代謝産物と微生物代謝産物の宿主代謝産物との両方を含む、腸管透過性亢進(腸管壁浸漏)または腸内細菌叢異常(すなわち、腸内微生物叢の有害な変化)に関連する腸内代謝産物の隔離を促進する。そのような腸内代謝産物には、トリプトファンの代謝から生成されたもの(例えば、セロトニン、5−ヒドロキシインドール酢酸塩、キヌレニン、キヌレン酸塩、アントラニル酸塩、キサンツレン酸塩、キノリン酸塩、ニコチン酸塩、ニコチンアミド、インドール、3−ヒドロキシインドール、3−インドキシル硫酸塩、インドールピルビン酸塩、インドールプロピオン酸塩、インドール酢酸塩、トリプタミン)、チロシンの代謝から生成されたもの(例えば、4−エチルフェノール(4−EP)、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレゾール(PC)、p−クレシル硫酸塩(PCS)、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン)、および安息香酸塩の代謝から生成されたもの(例えば、安息香酸塩、馬尿酸塩、カテコール、カテコール硫酸塩)、ならびにN−アセチルセリン、ベータアラニン、グルタミン、トランスウロカニン酸塩、イミダゾールプロピオン酸塩、フェニルアセチルグリシン、フェノール、フェニル硫酸塩、クマル酸、3−(3−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシプロピオン酸(HPHPA)、3−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、3−ヒドロキシ馬尿酸(3HHA)、3−カルボキシ−4−メチル−5−プロピル−2−フラン酸(CMPF)、3−ヒドロキシフェニル酢酸(3HPA)、3−メチル−2−オキソ吉草酸塩、4−メチル−2−オキソペンタン酸塩、システイン、アルギニン、オルニチン、5−メチルチオアデノシン、グリシルバリン、フィブリノゲン切断ペプチド、3−ホスホグリセリン酸塩、ホスホエノールピルビン酸塩、リボース、キシロース、ドコサペンタエン酸塩(n3 DPA;22:5n3)、ドコサペンタエン酸塩(n6 DPA;22:5n6)、ドコサヘキサエン酸塩(DHA;22:6n3)、ステアリン酸塩、エイコセン酸塩、ジホモリノール酸塩(20:2n6)、アドレン酸塩、13−HODE+9−HODE、オクタデカン二酸塩、12−HETE、ミオイノシトール、1−パルミトイルグリセロホスホエタノールアミン、N−α−アセチル−1−アルギニン、メチルグアニジン、フェニルアセチルグルタミン、インドール−3−酢酸、インドール乳酸塩、1−オレオイルグリセロホスホエタノールアミン、1−ペンタデカノイルグリセロホスホコリン、1−パルミトオレオイルグリセロホスホリコリン、1−ステアロイルグリセロホスホイノシトール、1−パルミトイルプラスメニルエタノールアミン、ビリルビン(E,E)、パントテン酸塩、グリコール酸塩(ヒドロキシ酢酸塩)、エルゴチオネイン、エクオールおよび/もしくはエクオール硫酸塩、またはそれらの任意の組合せも含まれるが、これらに限定されない。

理論に束縛されることなく、いくつかの実施形態では、微生物代謝産物は、チロシンが関与する代謝経路から生じる。いくつかの実施形態では、前記微生物代謝産物はp−クレゾールである。いくつかの実施形態では、前記微生物代謝産物は4−エチルフェノールである。いくつかの実施形態では、前記代謝産物はp−クレゾール硫酸塩である。いくつかの実施形態では、前記微生物代謝産物は4−エチルフェニル硫酸塩である。

理論に束縛されることなく、いくつかの実施形態では、微生物代謝産物は、芳香族もしくはヘテロ芳香族アルコール、または前記芳香族もしくはヘテロ芳香族アルコールの硫酸化もしくはスルホン化から生じるその硫酸塩である。いくつかの実施形態では、芳香族アルコールはp−クレゾールである。いくつかの実施形態では、芳香族アルコールは4−エチルフェノールである。いくつかの実施形態では、芳香族硫酸塩は4−エチルフェニル硫酸塩である。

いくつかの実施形態では、前記芳香族もしくはヘテロ芳香族アルコールまたはその硫酸塩は単環式である。いくつかの実施形態では、前記芳香族もしくはヘテロ芳香族アルコールは、二環式、三環式または多環式である。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族二環式アルコールは3−ヒドロキシインドールである。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族二環式硫酸塩は3−インドキシル硫酸塩である。

「芳香族」、「ヘテロ芳香族」、「アルコール」、「硫酸塩」、「硫酸化」、「スルホン化」、「単環式」、「二環式」および「多環式」という用語は、有機化学、医薬品化学または製薬化学の分野で認められている用語であり、有機化学、医薬品化学、または製薬化学の当業者によりそのように容易に認識されよう。

本明細書で使用される「芳香族」基(または「アリール」基または「アリーレン」基)には、芳香族炭素環系(例えばフェニル)および縮合多環式芳香環系(例えば、ナフチル、ビフェニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフチル)が含まれる。

本明細書で使用される「ヘテロアリール」、「ヘテロ芳香族」または「ヘテロアリーレン」という用語には、単環式環、二環式環および三環式環を含むがこれらに限定されない芳香環系が含まれ、少なくとも1つのヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄を含む5〜12個の原子を有する。本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない例示目的のために:アザインドリル、ベンゾ(b)チエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、フラニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、インドリル、インダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピロロ[2,3−d]ピリミジニル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、キノリニル、キナゾリニル、トリアゾリル、チアゾリル、チオフェニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チエニル、6H−ピロロ[2,3−e][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジニル、6H−イミダゾ[1,5−a]ピロロ[2,3−e]ピラジニル、1,6−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン、3H−3,4,6,8a−テトラアザ−アシンダセニル、3H−イミダゾ[1,2−a]ピロロ[2,3−e]ピラジニル、ピラゾロ[3,4−d]ピロロ[2,3−b]ピリジニル、1,6−ジヒドロ−1,2,5,6−テトラザ−as−インダセニル、3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセニル、6H−3−オキサ−2,5,6−トリアザ−as−インダセニル、3,6−ジヒドロ−2,3,6−テトラアザ−as−インダセニル、1,6−ジヒドロ−ジピロロ[2,3−b;2’3’−d]ピリジニル、6H−3−チア−2,5,6−トリアザ−as−インダセニル、4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−2(3H)−オン、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン、2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン、または6,7−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[5,1−c][1,4]オキサジニルまたは1,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジンが挙げられる。

本開示による方法は、本明細書に開示される隔離剤組成物の少なくとも1つが、1日当たり、毎日または毎日よりも少ない頻度で複数回投与される投薬スケジュールを含み得る。本明細書に記載の方法によれば、開示される組成物の投薬は、2日おき、3日おき、4日おき、5日おき、6日おき、または7日おきに行われ得る。

本明細書に記載の方法によれば、投薬は、対象における自閉症および/または腸管透過性亢進(腸管壁浸漏)を含む関連する病状などの神経障害のうちの1つ以上または複数の症状の出現前、出現と同時または出現後に開始することができる。本明細書に記載の方法はまた、治療過程の前、治療過程中または治療過程後に、対象における1つ以上の微生物代謝産物レベル、行動の変化および/または胃腸症状の変化の監視または測定を組み込むことができる。

本明細書に記載の方法は、神経障害の複数の症状のうちの1つ以上だけでなく、そのような神経障害に関連する腸管壁浸漏症状および/もしくは神経障害に関連しない腸管壁浸漏症状を治療または予防するために、ならびに/または組成物の最初の投与前に特定されたレベルと比較して低下した腸内代謝産物のレベルを維持するために必要に応じて繰り返すことができる。本明細書に記載の方法によるそれぞれの投与について、組成物は、先に投与された組成物と同じであっても、先に投与された組成物と異なってもよい。

いくつかの実施形態では、本明細書で企図される神経障害は、振戦、麻痺、運動障害、反復行動、コミュニケーション症、認知障害、常同行動、物理的対象への愛着、失語症、強迫行動、特異なまたは不適切なボディランゲージ、ジェスチャーおよび/または表情および/または感覚運動の問題、他者への関心の欠如、共感の欠如、非言語的な手がかりの把握の困難、タッチ嫌悪、社会化困難、言語発達の遅れ、異常な音声またはピッチ、音声の反復、保持、会話の困難、コミュニケーションのニーズまたは欲求の困難、単純な文または質問の無理解、言語サブテキストの処理の困難、特異な対象への執着、固執、ルーチンまたは環境の変化への不耐性、無器用、姿勢異常、奇妙な動き、特定の対象への魅了、および感覚入力に対する感覚過敏・鈍麻、臨床的過敏性、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される1つ以上の症状を含む。いくつかの実施形態では、神経障害は、自閉症スペクトラム障害、精神分裂症、不安障害、鬱病、パーキンソン病、レット症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、エンジェルマン症候群、ウィリアムズ症候群、筋萎縮性側索硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症、偶発的なレビー小体病、レビー小体変異型アルツハイマー病、多系統萎縮症、純粋自律神経障害を含む)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、神経障害は、臨床的不安以外の症状を含む自閉症スペクトラム障害を含み得る。いくつかの実施形態では、神経障害は不安障害を含まない。いくつかの実施形態では、神経障害は、臨床的過敏性症状を含む自閉症スペクトラム障害を含み得る。

いくつかの実施形態では、提供される方法はさらに、前記投与後に、振戦、麻痺、運動障害、反復行動、コミュニケーション症、認知障害、常同行動、物理的対象への愛着、失語症、強迫行動、特異なまたは不適切なボディランゲージ、ジェスチャーおよび/または表情および/または感覚運動の問題、他者への関心の欠如、共感の欠如、非言語的な手がかりの把握の困難、タッチ嫌悪、社会化困難、言語発達の遅れ、異常な音声またはピッチ、音声の反復、保持、会話の困難、コミュニケーションのニーズまたは欲求の困難、単純な文または質問の無理解、言語サブテキストの処理の困難、特異な対象への執着、固執、ルーチンまたは環境の変化への不耐性、無器用、姿勢異常、奇妙な動き、特定の対象への魅了、および感覚入力に対する感覚過敏・鈍麻、臨床的過敏性、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される症状の変化を監視することを含み得る。

いくつかの実施形態では、神経障害は自閉症スペクトラム障害を含み、本明細書に記載の方法はさらに、本明細書に記載される組成物の投与後に臨床的不安以外の自閉症スペクトラム障害の症状の改善を監視することを含む。いくつかの実施形態では、自閉症スペクトラム障害の症状は、以下のうちの1つ以上を含む:反復行動、コミュニケーション症、認知障害、社会化困難および過敏性。いくつかの実施形態では、投与される隔離剤組成物は、AB−2004製剤を含む。

4EP+および4EP−の二重定着マウスの尿中4−EPSレベルを示す図である。無菌野生型C57BL/6マウスに4週齢で、4−EPを産生するB.ovatus(バクテロイデス・オバツス)とL.plantarum(ラクトバチルス・プランタルム)の菌株のペアまたは4−EPを産生しないペアのいずれかの強制経口投与により二重定着させた。4−EP産生ペア(4EP+)による定着を伴う生体内での高い4−EPS産生および4−EP非産生ペア(4EP−)による定着を伴う低い4−EPS産生を、AST−120を含むAB−2004製剤を提供する前に、5週齢での尿中の4EPSレベルの測定により実証した。

細菌叢の定着レベルがグループ間で類似していることを示す図である。L.plantarum(左)およびB.ovatus(右)は、4−EPを産生したかどうかや、マウスにAB−2004製剤を提供したかどうかに関係なく、マウスにおける類似の定着レベルを達成した。

図3は、AB−2004製剤の投与により、反復的で不安様の行動が正常化されることを示す図である。(A)反復行動のガラス玉覆い隠し試験。(B)探索行動の高架式十字迷路試験(

*はp<0.05を示し、

**はp<0.01を示す。平均±標準偏差)。

オープンフィールド試験の結果を示す図である。(A)壁区画と中央区画への進入を一つにまとめた合計の割合としての、マウスがオープンフィールドの壁区画に進入した頻度。(B)壁区画における合計期間(秒)。(C)試験中に移動した合計距離(cm)。

直接的な社会的相互作用の3チャンバー試験(three chamber test)の結果を示す図である。(A)4−EPを産生しない(左のバー)および4−EPを産生する(右のバー)細菌叢を有する対照食餌での雄マウスが別のマウスとチャンバーで過ごした時間;ならびに(B)対照食餌(左のバー)およびAB−2004製剤を含む食餌(右のバー)での4−EP産生す細菌叢を有する雄マウスが別のマウスとチャンバーで過ごした時間。(

**p<0.01;平均±平均の標準誤差が示される)。

隔離剤のゼオライト、ベントナイト、セルロース(75K)、セルロース(15K)およびAB−2004製剤による4−EPの吸着の時間経過を示す図である。1時間の時点で、AB−2004製剤とセルロースポリマーの両方が、90%を超える4−EPの隔離を示す。

詳細な説明 健常人と比較して、特定の微生物代謝産物の異常に高い腸内または全身レベルは、自閉症スペクトラム障害、精神分裂症、不安障害、鬱病、パーキンソン病、レット症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、エンジェルマン症候群、ウィリアムズ症候群、筋萎縮性側索硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症、偶発的なレビー小体病、レビー小体変異型アルツハイマー病、多系統萎縮症および/または純粋自律神経障害を含む)などの様々な中枢神経系(CNS)疾患および障害に見ることができる。これらの微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)のレベルの低下は、行動症状もしくは行動状態および/または他の神経学的症状もしくは状態ならびに神経学的な疾患の緩和および/または逆転につながるだろう。理論に束縛されることなく、本開示内で企図されるのは、微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の全身レベルを、そのような微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の全身レベルの上昇に関連する中枢神経系(CNS)疾患または障害を有する対象(例えば、ヒト、哺乳動物または家畜)に、ポリマー、粘土、樹脂、炭素ベースまたは他の化学成分などの非吸収性組成物であって、腸管の微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)を選択的に結合することができるか、または選択的に結合するように構成されており、それにより微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の末梢組織への吸収および/または輸送を緩和、阻害または軽減する組成物を投与または提供することにより、健常人に見合ったレベル(例えば、同等以下)に下げるように構成または設計された方法および組成物である。次いで、代謝産物を含んだ組成物は、対象から糞便で排出され、それにより微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)が永続的に除去され、前記対象における前記CNS症状、疾患および/または障害が改善される。特定の微生物代謝産物(例えば4−エチルフェノール(4−EP)およびp−クレゾール(PC))は、ASDなどの神経発達障害および行動障害と相関していると特定され、その原因であると考えられている。これらの代謝産物は、頻繁にそのような障害に関連する「腸管壁浸漏」併発疾患を通じて全身循環に偶発的に進入していく可能性がある。全身循環に入ると、これらの代謝産物は、関連性のある代謝およびシグナル伝達経路に直接作用して、疾患の進行、システムおよび/または病理に寄与する可能性がある。加えて、代謝産物はさらに、通常の宿主プロセスにより代謝産物を代謝して、同様に有害な神経学的影響を与える可能性のある新しい代謝産物(例えば4−EPSおよびPCS)を作り出す可能性がある。

したがって、以下の実験例に開示されているように、4−EP過剰産生マウスは、操作されたBacteroides ovatusおよびLactobacillus plantarumを含む無菌マウスの3〜5週間の二重定着により実験的に作製した。標準的なマウス行動試験では、これらの4EP過剰産生マウスは、ASD関連の行動および症状を実証することが示された。さらに、これらのマウスにおける4−EPおよび他の代謝産物を結合することができる隔離剤(例えばAB−2004)の投与により、そのようなASD関連の行動および症状を改善できることが示された。これらの結果は驚くべきものであった。以前の研究では、4−EPS(4−EPの宿主硫酸化タイプ)が腹腔内に単回ボーラス注射として提供された場合、無治療の野生型マウスにおいて不安症状が生じたが、自閉症スペクトラム障害の中核症状は何ら生じなかった。

これらの代謝産物を、それらの産生源で、例えば、対象の腸管内で隔離することにより、微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の末梢組織への転流が最小化または除去されるだろう。正味の効果は、対象に及ぼすこれらの代謝産物およびそれらの更なる代謝産物の影響の最小化である。生体適合性ポリマーなどの非吸収性材料またはAB−2004製剤などの活性炭製剤を使用すると、通常の通過および腸からの排出を通じて標的代謝産物が永続的に除去される。

本明細書に記載の方法のいくつかの代替法は、ヒト、哺乳動物または家畜などの対象の腸内微生物叢の変化に関連する神経障害を治療、阻害または改善する方法を含み、前記方法は、前記微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)を隔離する組成物を前記対象に投与または提供することを含み、隔離された腸内代謝産物を有する前記組成物は、代謝されることなく消化管から除去される。いくつかの実施形態では、この方法はさらに、1つ以上の微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の上昇したレベルを有する対象を特定および/または選択するステップを含む。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、前記1つ以上の神経障害に関連する腸管壁浸漏または腸管壁浸漏症状を治療、阻害または改善する方法を含み得る。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、前記1つ以上の神経障害に関連しない腸管壁浸漏または腸管壁浸漏症状を治療、阻害または改善する方法を含み得る。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、腸管壁浸漏または腸管壁浸漏症状に及ぼす影響とは何ら無関係に、1つ以上の神経障害を治療、阻害または改善する方法を含み得る。

本開示の目的のために、以下の定義が提供される。

本明細書で使用される「腸内細菌叢異常」という用語を指す場合、腸管または腸内、特に小腸内のフローラまたは細菌叢の不均衡または不順化を意味する。そのような細菌叢異常は、存在する種/株および/または存在する種/株の相対存在量または割合に関して、腸内または腸管の微生物叢の組成の変化により特徴付けられ、その変化は宿主生物に有害な影響を及ぼす。宿主生物に及ぼす有害な影響は、電解質バランス、バイオフィルム形成、腸管上皮内層により形成された障壁の完全性、または直接的に(例えば毒性またはエフェクターとして)もしくは間接的に(例えば毒素またはエフェクターの前駆物質として)宿主の健康を害する代謝産物の微生物叢の放出における微生物叢媒介変化に起因し得る。

本明細書で使用される「腸管透過性亢進」という用語は、腸管腔と周辺組織との間の腸管上皮内層により形成された障壁の異常に増加した透過性を意味する。そのような透過性亢進は、腸内層の炎症および/または腸管上皮の細胞間の密着結合の障害に起因し、これにより、物質が内腔から周囲組織に通過することが可能になり、そこで一部が腹膜腔および/または全身循環に進入する可能性がある。腸管または腸管腔からのこの物質の漏出のため、腸透過性亢進は、「腸管壁浸漏」または「腸管壁浸漏症候群」と呼ばれることがある。

隔離剤組成物に関して本明細書で使用される「生体適合性」という用語は、隔離剤組成物が局所的または全身的に臨床的に有意な毒性または有害作用を有しないことを意味する。「生体適合性」という用語は、隔離剤組成物が腸内を通る部分的に消化された食物(例えば、糜汁、乳糜、糞便)の通過に影響を及ぼしたり、ある程度の下痢または便秘を誘発したりする可能性を排除しない。

隔離剤組成物に関して本明細書で使用される「難消化性」という用語は、少なくとも50重量%、好ましくは60重量%、70重量%、80重量%、90重量%または95重量%を超える隔離剤組成物がバルク(例えば、粒子状、顆粒状、繊維状)で存在し、直腸から除去されると溶解した形態ではないように、隔離剤組成物が胃腸管の環境における分解に対して実質的に耐性であることを意味する。

隔離剤組成物に関して本明細書で使用される「非吸収性」という用語は、25重量%未満、好ましくは20重量%、15重量%、10重量%、5重量%または1重量%未満の隔離剤組成物が胃腸管上皮により吸収されるように、隔離剤組成物が腸管上皮の内層により実質的に吸収され得ないことを意味する。

代謝産物および症状または障害に関して本明細書で使用される「関連する」という用語は、代謝産物の存在もしくはレベルが、症状もしくは障害の存在もしくは程度と統計的に有意に相関していること(少なくともp<0.05、好ましくはp<0.01またはp<0.001)、および/または代謝産物もしくは代謝産物の反応生成物が、症状または障害の発症、維持もしくは程度に因果的もしくは機械的に関連していることを意味する。

本明細書で使用される「自閉症スペクトラム障害」または「ASD」という用語は、小児期の初期に始まり、社会的相互作用の障害:言語の理解の障害;口頭および書面によるコミュニケーションの障害および遅延;行動、興味および活動の制限された反復的で常同的なパターン;多動性;短い注意スパン;衝動性;攻撃性;自傷行為;ならびに特に幼児ではかんしゃく発作を含む広範な症状を有する神経学的および発達的な障害を意味する。今では、ASDには、以前は異なるものとして特定された障害:自閉症障害、アスペルガー障害および広汎性発達障害(詳細不明)が含まれると理解されている。例えば、The Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition,Washington,D.C.,American Psychiatric Association,1994(「DSM−IV」)を参照されたい。ASDに関連する障害には、レット症候群および小児期崩壊性障害が含まれる。

本明細書で使用される「不安障害」という用語は、心配または恐怖の異常な状態により特徴付けられ、急性ストレス障害、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、広場恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、場面緘黙症または分離不安などの亜型が含まれる。不安の症状は、経験した不安の種類に応じて異なる。「臨床的不安」という用語は、異常に激しくて破壊的な不安レベルを意味し、これは、ストレスに満ちた状況に関連する通常の不安レベルを明らかに上回っている。臨床的不安は、上掲の障害のいずれかに関連し得るか、または自閉症スペクトラム障害(ASD)または統合失調症などの別の神経障害に続発したり、その兆候となったりし得る。一般に、DSM−IVの第393頁〜第444頁を参照されたい。

本明細書で使用される「過敏性」という用語は、不快またはストレスの多い状況に関連する通常の過敏性レベルを明らかに上回っている、容易にイライラしたり、動揺したり、または怒りを誘発する傾向を含む、異常に激しくて破壊的な刺激性レベルを意味する。臨床的過敏性は、全般性不安障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)、心的外傷後ストレス障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、躁鬱病、アルツハイマー病、境界性人格障害、反社会的人格障害および統合失調感情障害を含むがこれらに限定されない障害に関連し得るか、または別の神経障害に続発したり、その兆候となったりし得る。過敏性は、Marcus et al(2009),J.Am.Acad.Child Adolesc.Psychiatry,48(11):1110−1119,およびAman and Singh,Aberrant Behavior Checklist:Manual.East Aurora,NY:Slosson Educational Publications;1986に記載されている異常行動チェックリストを使用して、ヒトで臨床的に測定することができる。

本明細書で使用される「対象」という用語は、ヒトもしくは非ヒト哺乳動物(イヌ、ネコ、ウマ、ロバ、ラバ、ウシ、家畜スイギュウ、ラクダ、ラマ、アルパカ、バイソン、ヤク、ヤギ、ヒツジ、ブタ、エルク、シカ、家畜アンテロープを含むがこれらに限定されない)、または1つ以上の微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の除去のために選択もしくは特定された、または自閉症スペクトラム障害(ASD)、統合失調症、不安障害、鬱病、パーキンソン病、脆弱X症候群、レット症候群、結節性硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症を含む)および/またはアルツハイマー病を含むがこれらに限定されない、腸内微生物叢の変化に関連する神経疾患もしくは神経障害、またはそれらの任意の症状の治療、阻害、改善のために選択または特定された非ヒト霊長類を指す。

「〜有することが疑わしい対象」とは、疾患または状態のうちの1つ以上の臨床指標を示す対象を指す。特定の実施形態では、疾患または状態は、自閉症スペクトラム障害、不安障害、脆弱X症候群、レット症候群、結節性硬化症、強迫性障害、注意欠陥障害および/または統合失調症のうちの1つ以上を含み得る。

「それを必要とする対象」は、1つ以上の微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)を除去または隔離する組成物を必要とするもの、または自閉症スペクトラム障害、不安障害、パーキンソン病、レット症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、エンジェルマン症候群、ウィリアムズ症候群、筋萎縮性側索硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症、偶発的なレビー小体病、レビー小体変異型アルツハイマー病、多系統萎縮症、純粋自律神経障害を含む)、またはそれらの任意の組合せなどの、腸内微生物叢の変化に関連する神経疾患もしくは神経障害の治療、阻害、改善を必要とするものとして選択または特定された対象を指す。

「治療効果」は、疾患または障害の症状のうちの1つ以上を少なくともある程度軽減または緩和し、疾患または障害の治癒を含む。「治癒」とは、活動性疾患の症状が除去されることを意味する。しかしながら、治癒が得られた後でも、疾患の特定の長期的または永続的な影響(例えば組織の損傷)が存在する場合がある。

「改善」とは、状態または疾患のうちの少なくとも1つの指標の重症度の軽減を指す。特定の実施形態では、改善には、状態または疾患のうちの1つ以上の指標の進行の遅延または減速が含まれる。指標の重症度は、当業者に知られている主観的または客観的尺度により決定され得る。

「調節」とは、機能または活性の摂動を指す。特定の実施形態では、調節とは、遺伝子発現の増加を指す。特定の実施形態では、調節とは、遺伝子発現の減少を指す。特定の実施形態では、調節とは、特定のタンパク質の総血清レベルの増加または減少を指す。特定の実施形態では、調節とは、特定のタンパク質の遊離血清レベルの増加または減少を指す。特定の実施形態では、調節とは、特定の非タンパク質因子、例えば代謝産物の総血清レベルの増加または減少を指す。特定の実施形態では、調節とは、特定の非タンパク質因子の遊離血清レベルの増加または減少を指す。特定の実施形態では、調節とは、特定のタンパク質の総生物学的利用能の増加または減少を指す。特定の実施形態では、調節は、特定の非タンパク質因子の総生物学的利用能の増加または減少を指す。

「脂質番号」は、脂肪酸および脂質の構造的特徴を定義するのに使用される、当該技術分野で認められている用語である。例えば、「ドコサペンタエン酸(n3 DPA;22:5n3)」における「22」は、炭素の総数を指す。「5」は、不飽和(二重)結合の総数を指し、「n3」は、最初の不飽和が生じる炭素原子の位置を指し、カルボキシレート基の反対側の端部から数えられる。

隔離剤製剤 いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って投与される組成物は、吸着剤、ポリマー、粘土または樹脂のうちの1つ以上を含み得るか、本質的にそれらから成り得るか、またはそれらから成り得るものであって、前記吸着剤、ポリマー、粘土または樹脂はさらに、活性炭、アパタイトまたはヒドロキシアパタイト、カオリン、ベントナイト、ペクチン、セルロースポリマー、イオン交換樹脂、コレスチラミンポリマー、テトラエチレンペンタミンポリマー、フェノール樹脂、ボロン酸提示ポリマー、カテキン提示ポリマー、ゼオライト、および/もしくはナノ粒子、またはそれらの任意の組合せを含み得る。

いくつかの実施形態では、本開示の方法によれば、投与される隔離剤組成物は、炭素材料または活性炭材料を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。前記炭素材料または活性炭材料は、5〜40nm、25〜100nm、50〜300nm、150〜500nm、300nm〜1μm、0.5μm〜2μm、1μm〜5μm、2.5〜10μm、6〜20μm、15〜50μm、30〜100μm、75〜150μm、100〜300μm、250〜500μm、300〜750μm、600μm〜1mm、もしくは1mmよりも大きい平均粒度、または前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズを有する。いくつかの実施形態では、前記炭素材料または活性炭材料は、300μm〜1mm、1〜3mm、2〜5mm、もしくは5mmを超える粒度、または前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズを有する。前記炭素材料または活性炭材料は、複数の細孔および20m2/g〜5000m2/g、例えば20、50、100、250、500、750、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000m2/gなどの範囲の比表面積、または前述の表面積のいずれか2つにより定義される範囲内の比表面積を有する。比表面積は、例えば、ブルナウアー・エメット・テラーの方法(J.Am.Chem.Soc.(1938),60:309−311)および/または銀ポロシメトリーなどの既知の方法を使用して測定することができる。例えば、ASTM試験方法D3663、D6556およびD4567を参照されたい。これらの各試験を、本明細書の一部を構成するものとして援用する。

前記炭素材料または活性炭材料はさらに、0.1cm3/g〜1.5cm3/g、0.1cm3/g〜0.8cm3/g、0.1cm3/g〜0.7cm3/g、0.1cm3/g〜0.6cm3/g、0.1cm3/g〜0.5cm3/g、0.2cm3/g〜0.8cm3/g、0.2cm3/g〜0.7cm3/g、0.2cm3/g〜0.6cm3/g、0.2cm3/g〜0.5cm3/g、0.3cm3/g〜1cm3/g、0.3cm3/g〜0.9cm3/g、0.3cm3/g〜0.8cm3/g、0.3cm3/g〜0.7cm3/g、0.3cm3/g〜0.6cm3/g、0.3cm3/g〜0.5cm3/gである特定の細孔容積(直径1.7nm〜100nmを有する細孔に基づいて測定される)、または細孔径および比細孔容積を測定するための方法、例えばBarrett,Joyner and Halenda(1951),J.Am.Chem.Soc.73:373−380およびASTM D4222−03(2008)(本明細書では「BJH法」と呼ばれる方法)に記載されている方法(これらは両方とも、本明細書の一部を構成するものとして明示的に援用する)によるか、または水銀ポロシメトリーの方法(例えば、メーカーの指示に従って、例えば、Micromeritics Autopore V 9605 Mercury Porosimeter(Micromeritics Instrument Corp.,Norcross,GA)などの水銀ポロシメーターを使用する)により測定して、前述の値のいずれか2つにより定義される範囲を有し得る。例えば、ASTM 3663、ASTM D−4284−12およびD6761−07(2012)を参照されたい。これらのすべてを、本明細書の一部を構成するものとして援用する。前記炭素材料または活性炭材料はさらに、BJH法および/または水銀ポロシメトリーにより測定して、2nm〜100nmの範囲の平均細孔径を有し得る。より典型的には、炭素材料または活性炭材料は、2〜5nm、3〜9nm、6〜15nm、10nm〜90nmの範囲の平均細孔径、またはBJH法および/もしくは水銀ポロシメトリーにより測定して、前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、平均細孔径は、10nm〜80nm、もしくは10nm〜70nm、もしくは10nm〜60nm、頻繁に10nm〜50nmの範囲にあるか、またはBJH法および/もしくは水銀ポロシメトリーにより測定して、前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズである。いくつかの実施形態では、平均細孔径は、20nm〜100nmの範囲にあるか、またはBJH法および/もしくは水銀ポロシメトリーにより測定して、前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズである。これらの特定の実施形態では、平均細孔径は、20nm〜90nm、もしくは20nm〜80nm、もしくは20nm〜70nm、もしくは20nm〜60nm、もしくは10nm〜50nmの範囲にあるか、またはBJH法および/もしくは水銀ポロシメトリーにより測定して、前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズである。

いくつかの実施形態では、本開示の方法は、AB−2004製剤を含む吸着剤の投与を企図する。本明細書で使用される「AB−2004」または「AB−2004製剤」という用語は、(a)ブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された、少なくとも500m2/g、少なくとも600m2/g、少なくとも700m2/gもしくは少なくとも800m2/gの最小平均比表面積およびブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された、2000m2/g未満、3000m2/g未満もしくは4000m2/g未満の最大平均比表面積、ならびに/またはラングミュアの吸着等温式により測定された、少なくとも500m2/g、少なくとも1000m2/gもしくは少なくとも2000m2/gの最小平均比表面積を有する球状活性炭粒子;ならびに(b)少なくとも0.005mm、少なくとも0.01mm、少なくとも0.05mmの最小平均粒径および1.5mm未満、1mm未満もしくは0.2mm未満の最大平均粒径を有する球状活性炭粒子の製剤を指す。いくつかの実施形態では、AB−2004製剤は、0.5重量%以上の窒素原子を含む活性炭粒子を含む。前記球状活性炭は、炭素源として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または窒素原子を含有するイオン交換樹脂を使用して調製することができる。この場合、前記熱可塑性樹脂またはイオン交換樹脂は、アクリロニトリル、エチルアクリロニトリル、メチルアクリロニトリル、ジフェニルアクリロニトリルおよびクロロアクリロニトリルからなる群から選択されるモノマーを含んでよく、前記熱硬化性樹脂は、メラミンおよび尿素からなる群から選択されるモノマーを含んでよい。前記球状活性炭はさらに表面修飾されていなくてもよく、0.40〜1.00meq/g、0.40meq/g未満(ただしゼロではない)、0.30meq/g未満(ただしゼロではない)の酸性基総含有量および/または0.40〜1.10meq/gの塩基性基の総量を有していてよい。あるいは前記球状活性炭は、例えば酸化により表面修飾することができ、これは、0.1体積%〜50体積%、1体積%〜30体積%または3体積%〜20体積%の酸素を含有する雰囲気中で、300℃〜800℃または320℃〜600℃の温度にて実施することができる。前記球状活性炭はさらに修飾されていてもよいか、あるいは他の手順、例えば還元により表面修飾することができ、これは、800℃〜1200℃または800℃〜1000℃の温度にて実施することができる。

「活性炭」としても知られており、AB−2004製剤を含む非吸収性球状粒子製剤の製造に有用な例示的な炭素/活性炭材料は、株式会社クレハ(日本)、アディティア・ビルラ・グループ(インド)、オリオン・エンジニアド・カーボンズ株式会社(ルクセンブルグ)、アズベリー・グラファイト・ミルズ社(ニュージャージー州アズベリー)、キャボットコーポレーション(マサチューセッツ州ボストン)、コンチネンタル・カーボン・カンパニー(テキサス州ヒューストン)、シド・リチャードソン・カーボン・アンド・エナジー社(テキサス州フォートワース)およびイメリス・グラファイト&カーボン社(スイス)を含む多数のメーカーから入手可能である。これらおよび他のメーカーの様々な活性炭/活性炭製品は、AB−2004製剤で使用したり、AB−2004製剤で使用するために適合または変更したりすることができる。

本発明の特定の球状活性炭AB−2004製剤を含む球状活性炭の製造方法は、米国特許第9,877,987号明細書、米国特許第8,309,130号明細書、米国特許第7,651,974号明細書、米国特許第4,761,284号明細書および米国特許第4,681,764号明細書に見出すことができ、これらの各明細書を、特に球状活性炭組成物の作製方法およびそれにより作製された球状活性炭組成物の開示に関して、ここに本明細書の一部を構成するものとして明示的に援用する。

いくつかの実施形態では、本開示の方法によれば、隔離剤組成物は、アパタイトまたはヒドロキシアパタイトのうちの1つ以上を含み得る。前記アパタイトまたはヒドロキシアパタイトは、5〜40nm、25〜100nm、50〜300nm、150〜500nm、300nm〜1μm、0.5μm〜2μm、1μm〜5μm、2.5〜10μm、6〜20μm、15〜50μm、30〜100μm、75〜150μm、100〜300μm、250〜500μm、300〜750μm、600μm〜1mm、もしくは1mmよりも大きい平均粒度、または前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、前記アパタイトまたはヒドロキシアパタイトは、300μm〜1mm、1〜3mm、2〜5mm、もしくは5mmよりも大きい粒度、または前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズを有し得る。前記アパタイトまたはヒドロキシアパタイトはまた、複数の細孔および20m2/g〜500m2/g、例えば20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475もしくは500m2/gなどの範囲の比表面積、または前述の表面積のいずれか2つにより定義される範囲内の比表面積を有し得る。比表面積は、上記のように、例えば、ブルナウアー・エメット・テラーの方法および/または水銀ポロシメトリーなどの既知の方法を使用して測定することができる。

アパタイトまたはヒドロキシアパタイト隔離剤はさらに、0.1cm3/g〜1.5cm3/g、0.1cm3/g〜0.8cm3/g、0.1cm3/g〜0.7cm3/g、0.1cm3/g〜0.6cm3/g、0.1cm3/g〜0.5cm3/g、0.2cm3/g〜0.8cm3/g、0.2cm3/g〜0.7cm3/g、0.2cm3/g〜0.6cm3/g、0.2cm3/g〜0.5cm3/g、0.3cm3/g〜1cm3/g、0.3cm3/g〜0.9cm3/g、0.3cm3/g〜0.8cm3/g、0.3cm3/g〜0.7cm3/g、0.3cm3/g〜0.6cm3/g、0.3cm3/g〜0.5cm3/gである特定の細孔容積(直径1.7nm〜100nmを有する細孔に基づいて測定される)、または細孔径および比細孔容積を測定するための方法、上記のように、例えばBJH法によるか、または水銀ポロシメトリーにより測定して、前述の値のいずれか2つにより定義される範囲を有し得る。前記アパタイトまたはヒドロキシアパタイト隔離剤はさらに、BJH法および/または水銀ポロシメトリーにより測定して、10nm〜100nmの範囲の平均細孔径を有し得る。より典型的には、アパタイトまたはヒドロキシアパタイト隔離剤は、BJH法および/または水銀ポロシメトリーにより測定して、2nm〜90nmの範囲の平均細孔径を有し得る。いくつかの実施形態では、平均細孔径は、2〜5nm、3〜9nm、6〜15nm、10nm〜80nm、もしくは10nm〜70nm、もしくは10nm〜60nm、頻繁に10nm〜50nmの範囲にあるか、またはBJH法および/もしくは水銀ポロシメトリーにより測定して、前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズである。いくつかの実施形態では、平均細孔径は、BJH法および/もしくは水銀ポロシメトリーにより測定して、20nm〜100nmの範囲にある。これらの特定の実施形態では、平均細孔径は、20nm〜90nm、もしくは20nm〜80nm、もしくは20nm〜70nm、もしくは20nm〜60nm、もしくは10nm〜50nmの範囲にあるか、またはBJH法および/もしくは水銀ポロシメトリーにより測定して、前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズである。アパタイトまたはヒドロキシアパタイト隔離剤の例示的な形態には、粉砕粒子、噴霧乾燥粒子、球状ナノ粒子および球形マイクロ粒子が含まれる。

本開示の方法によるいくつかの実施形態では、隔離剤組成物は、Micro−Cel E(商標)製品(イメリス・グラファイト&カーボン社、ビロニコ、スイス)などの摂取可能な多孔質シリカ化合物(例えばカルシウムシリカ水和物)のうちの1つ以上を含み得るか、本質的にそれらから成り得るか、またはそれらから成り得る。いくつかの実施形態では、本開示の方法によれば、隔離剤組成物は、摂取可能な多孔質シリカ化合物を含む。前記摂取可能な多孔質シリカ化合物は、5〜40nm、25〜100nm、50〜300nm、150〜500nm、300nm〜1μm、0.5μm〜2μm、1μm〜5μm、2.5〜10μm、6〜20μm、15〜50μm、30〜100μm、75〜150μm、100〜300μm、250〜500μm、300〜750μm、600μm〜1mm、もしくは1mmよりも大きい平均粒度、または前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、前記摂取可能な多孔質シリカ化合物は、300μm〜1mm、1〜3mm、2〜5mm、もしくは5mmよりも大きい粒度、または前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズを有し得る。前記摂取可能な多孔質シリカ化合物はまた、複数の細孔および20m2/g〜500m2/g、例えば20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475もしくは500m2/gなどの範囲の比表面積、または前述の表面積のいずれか2つにより定義される範囲内の比表面積を有し得る。比表面積は、上記のように、例えば、ブルナウアー・エメット・テラーの方法および/または水銀ポロシメトリーなどの既知の方法を使用して測定することができる。

前記摂取可能な多孔質シリカ化合物はさらに、0.1cm3/g〜1.5cm3/g、0.1cm3/g〜0.8cm3/g、0.1cm3/g〜0.7cm3/g、0.1cm3/g〜0.6cm3/g、0.1cm3/g〜0.5cm3/g、0.2cm3/g〜0.8cm3/g、0.2cm3/g〜0.7cm3/g、0.2cm3/g〜0.6cm3/g、0.2cm3/g〜0.5cm3/g、0.3cm3/g〜1cm3/g、0.3cm3/g〜0.9cm3/g、0.3cm3/g〜0.8cm3/g、0.3cm3/g〜0.7cm3/g、0.3cm3/g〜0.6cm3/g、0.3cm3/g〜0.5cm3/gである特定の細孔容積(直径1.7nm〜100nmを有する細孔に基づいて測定される)、または細孔径および比細孔容積を測定するための方法、上記のように、例えばBJH法によるか、または水銀ポロシメトリーにより測定して、前述の値のいずれか2つにより定義される範囲を有し得る。前記摂取可能な多孔質シリカ化合物はさらに、BJH法および/または水銀ポロシメトリーにより測定して、2nm〜100nmの範囲の平均細孔径を有し得る。より典型的には、前記摂取可能な多孔質シリカ化合物は、BJH法および/または水銀ポロシメトリーにより測定して、2nm〜90nmの範囲の平均細孔径を有し得る。いくつかの実施形態では、平均細孔径は、2〜5nm、3〜9nm、6〜15nm、10nm〜80nm、もしくは10nm〜70nm、もしくは10nm〜60nm、もしくは10nm〜50nmの範囲にあるか、またはBJH法および/もしくは水銀ポロシメトリーにより測定して、前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズである。いくつかの実施形態では、平均細孔径は、BJH法および/もしくは水銀ポロシメトリーにより測定して、20nm〜100nmの範囲にある。これらの特定の実施形態では、平均細孔径は、20nm〜90nm、もしくは20nm〜80nm、もしくは20nm〜70nm、もしくは20nm〜60nm、もしくは10nm〜50nmの範囲にあるか、またはBJH法および/もしくは水銀ポロシメトリーにより測定して、前述のサイズのいずれか2つにより定義される範囲内のサイズである。例示的な摂取可能な多孔質シリカ化合物は、例えば米国特許第6,666,214号明細書に記載されている。

いくつかの実施形態では、本開示の方法によれば、隔離剤組成物は、1つ以上の摂取可能な炭化水素またはタンパク質ポリマーを含み得る。例示的な摂取可能なポリマーには、グアー、ガム、コンドロイチンベースのポリマー、ポリエチレンオキシドポリマーおよびポリエステル、ポリ乳酸、ポリ乳酸−コ−グリコール酸、セルロース、ニトロセルロース、キチン、キトサン、ポリエチレンオキシド、ポリ(β−ベンジル−L−アスパラテート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリグリコリド、ポリ(DL−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリブチルシアノアクリレート、アルジネート、ポリ(無水アジピン酸)、1,5−ジオキセパン−2−オン、D,L−ジラクチド、ポリ酢酸ビニルフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマー、トリメリテート、ポリ(メタクリル酸)、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂、ポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド;ポリエチレン−コ−酢酸ビニル、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチド−コ−グリコリド、ポリ無水物、および/もしくはポリオルトエステル、および/もしくはポリフルオロアクリル酸、または当業者に知られている他のもの、またはそれらの任意の組合せが含まれるが、これらに限定されない。これらおよび他の多くの薬学的に許容されるポリマーは、ダウ・デュポン(ミシガン州ミッドランド)から入手可能である。

本開示の方法によるいくつかの実施形態では、隔離剤組成物は、1つ以上のセルロースポリマーを含み得る。例示的なセルロースポリマーには、セルロースエーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースエステル、酢酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースおよび/もしくは酢酸プロピオン酸セルロース、または当業者に知られている他のもの、ならびにそれらの任意の組合せが含まれるが、これらに限定されない。例示的なセルロースポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定して、10K、25K、50K、100K、150K、200K、250K、500K、750K、1000K以上、または本明細書に開示される値のいずれか2つにより定義される範囲内の平均分子量を有する酢酸プロピオン酸セルロースを含み得る。

本開示の方法によるいくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の弱塩基アミン含有樹脂および/または海泡石を含み得る。例示的なアミン含有樹脂には、ポリアクリルアミド、キトサン、アミン誘導体化ポリ(メチルアクリレート)、エポキシアミン樹脂、および/もしくは本明細書に開示される任意のポリマーもしくは樹脂のアミン誘導体、またはそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。

本開示の方法によるいくつかの実施形態では、隔離剤組成物は、1つ以上のイオン交換樹脂を含み得るか、本質的にそれから成り得るか、またはそれから成り得る。例示的なイオン交換樹脂には、セルロース、ポリスチレン、アクリル酸エステル、スルホン酸ポリマー、スルホン酸エステル、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリスチレン−ジビニルベンゼン、またはポリフェノール−ホルムアルデヒド、または他の化合物を含み得る。市販のイオン交換樹脂には、Sepharose(登録商標)、Sephadex(登録商標)、Amberlite(登録商標)、Amberlyst(登録商標)またはDowex(登録商標)が含まれるが、これらに限定されない

いくつかの実施形態では、隔離剤組成物は粘土化合物を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、ベントナイト、アルミナ、または当該技術分野で知られている他の粘土化合物を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物はゼオライトを含み得る。いくつかの更なる実施形態では、前記組成物はクリノプチロライトを含み得る。いくつかの実施形態では、前記クリノプチロライトは、(Na,K,Ca)2−3Al3(Al,Si)2Si13O36・12H2Oの一般的な化学量論比を有し得る。

本明細書に開示されるか、または当該技術分野で知られている樹脂、粘土、ポリマー、セルロース誘導体などは、本開示の方法による投与に適するように、従来の手段、例えば架橋またはアミノ化により修飾させることができると当業者により理解される。

いくつかの実施形態では、隔離剤組成物は、複数回投与することができる。いくつかの更なる実施形態では、同じ隔離剤組成物は、毎回投与される。いくつかの更なる実施形態では、後続の投与で投与される隔離剤組成物は、初回投与または以前の任意の投与で投与された隔離剤組成物とは異なり得る。いくつかの実施形態では、隔離剤組成物の最初の投与前に特定されたレベルと比較して低下した腸内代謝産物のレベルを維持するのに必要な期間だけ、本明細書に記載される間隔で更なる投与を用いることができる。

本開示の方法によるいくつかの実施形態では、隔離剤組成物および方法はさらに、例えば、1つ以上の隔離剤を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる組成物の投与前、投与中または投与後に、プロバイオティック組成物またはプロバイオティック組成物の投与を含み得る。いくつかの実施形態では、隔離剤組成物および/または方法は、プレボテーラ種(Prevotella species)、ビフィドバクテリア種(Bifido bacteria species)、パラバクテロイデス種(Parabacteriodes species)(例えば、P.メルダエ、P.ディスタソニス)、フィーカリバクテリウム種(Faecalibacterium species)(例えば、F.プラウスニッツィ)、ユーバクテリウム種(Eubacterium species)、コプロコッカス種(Coprococcus species)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosis)、バクテロイデス・カカエ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・オバツス(Bacteriodes ovatus)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ブルガータス(Bacteroides vulgatus)および/もしくはバクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを含むことができ、これは、1つ以上の隔離剤を含む組成物の投与前、投与中または投与後に投与することができる。いくつかの実施形態では、本開示の方法はさらに、隔離剤組成物の成分としてのプロバイオティック組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、本開示の方法はさらに、隔離組成物に加えてプロバイオティック組成物の投与を含む。

製剤および投与方法 「投与する」とは、医薬品、栄養補助食品または組成物を対象に提供することを指し、医療専門家による投与および自己投与が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩の投与は、経口、腹腔内または直腸内を含むがこれらに限定されない類似の有用性を提供する薬剤の許容される投与様式のいずれかによるものであり得る。経口投与は、好ましい実施形態の主題である組成物を投与する際に慣習的である。しかしながら、いくつかの実施形態では、組成物は、注腸または坐剤などにより直腸内投与される。いくつかの実施形態では、化合物の投与は、例えば、アフェレーシスまたは透析により体外で行われ得る。

「薬剤」という用語には、任意の物質、分子、元素、化合物、実体、またはそれらの組合せが含まれる。それには、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドまたは模倣体、有機小分子、多糖、ポリヌクレオチド、ポリマー、樹脂、有機または無機マイクロ粒子、有機または無機ナノ粒子などが含まれるが、これらに限定されない。天然物、合成化合物、化学化合物、または2つ以上の物質の組合せであり得る。

上記の有用な化合物は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、統合失調症、不安障害、鬱病、パーキンソン病、脆弱X症候群、レット症候群、結節性硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症を含む)および/またはアルツハイマー病などの腸内微生物叢の変化に関連する神経疾患または神経障害の治療、阻害または改善に使用するための医薬組成物および/または栄養補助食品に製剤化することができる。本明細書の一部を構成するものとして援用されるレミントン著「薬学の科学と実践」、第21版、リピンコット・ウィリアムズ&ウィルキンス(2005年)に開示されているような標準的な医薬品および/または栄養補助食品製剤技術が使用される。したがって、いくつかの実施形態には、(a)安全で治療有効量の本明細書に記載される1つ以上の化合物またはその薬学的に許容される塩と、(b)薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤またはそれらの組合せとを含む、本質的にそれらからなるか、またはそれらから本質的になる医薬組成物および/または栄養補助食品組成物が含まれる。

「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」という用語には、あらゆる任意の溶媒、希釈剤、乳化剤、結合剤、緩衝剤、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤など、または医薬製剤の調製に有用であることが当業者に知られている他の任意の化合物が含まれる。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当該技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性成分と適合しない場合を除いて、治療組成物におけるその使用が企図される。補助的な活性成分も組成物中に組み込むことができる。さらに、当該技術分野で通常使用されているような様々なアジュバントを含めることができる。これらおよび他のそのような化合物は、例えば、メルク・アンド・カンパニー(ニュージャージー州ラーウェイ)のMerck Indexのなどの文献に記載されている。医薬組成物に様々な成分を含めることに関する考慮すべき事項は、例えば、Gilman et al.(Eds.)(1990);グッドマン・ギルマン著「薬物治療の基礎と臨床」、第8版、ペルガモン出版社に記載されている。

薬学的に許容される担体またはその成分として機能し得る物質のいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;コーンスターチおよびポテトスターチなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよびメチルセルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムなどの固体滑沢剤;硫酸カルシウム;ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびテオブロマ油などの植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;アルギン酸;TWEENSなどの乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;着色剤;着香剤;錠剤化剤、安定剤;抗酸化剤;保存剤;パイロジェンフリー水;等張食塩水;および/またはリン酸緩衝液、またはそれらの任意の組合せである。

本明細書に記載される組成物は、好ましくは単位剤形で提供される。本明細書で使用される「単位剤形」は、良好な医療慣行に従って、単回投与での対象への投与に適した量の化合物を含有する組成物である。しかしながら、単回または単位剤形の調製は、剤形が1日1回または治療過程ごとに1回投与されることを含意しない。単位剤形は、単回1日用量または分割副用量を含み得るか、本質的にそれから成り得るか、またはそれから成り得るものであって、いくつかの単位剤形は、1日用量を完了するために1日にわたって投与されることになる。本開示によれば、単位剤形は、1日1回よりも多かれ少なかれ頻繁に投与することができ、治療過程中に2回以上投与することができる。そのような剤形は、経口、直腸内、経鼻および/または非経口を含む、それらの製剤と一致する任意の方法で投与することができる。単回投与が特に企図されるが、本明細書に記載の方法に従って投与される組成物は、連続注入として、または埋め込み可能な注入ポンプを介して投与することもできる。

本明細書に記載の方法は、例えば、経口、経鼻または直腸内投与経路などの、多岐にわたる投与経路のための多岐にわたる適切な形態のいずれかを利用することができる。所望される特定の投与経路に応じて、当該技術分野で周知の多岐にわたる薬学的に許容される担体を使用することができる。薬学的に許容される担体には、例えば、固体または液体の充填剤、希釈剤、ヒドロトロープ、界面活性剤およびカプセル封入物質が含まれる。製剤中の1つ以上の化合物の活性を実質的に妨げない任意の薬学的に活性な材料を含めることができる。化合物と併用される担体の量は、化合物の単位用量当たりの投与のための材料の実用的な量を提供するのに十分である。本明細書に記載の方法に有用な剤形を作製するための技術および組成物は、以下の参考文献に記載されており、これらのすべてを、本明細書の一部を構成するものとして援用する:最新薬理学、第4版、第9章および第10章(Banker & Rhodes編、2002年);Lieberman et al.,医薬剤形:錠剤(1989年);アンセル著「医薬剤形入門」、第8版(2004年)。

錠剤、カプセル剤、顆粒および/またはバルク粉末などの固体形態を含む、様々な経口剤形を使用することができる。錠剤は、圧縮、錠剤粉砕、腸溶コーティング、糖コーティング、フィルムコーティングまたは多重圧縮することができ、適切な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、流動誘発剤および融解剤を含有する。液体経口剤形には、適切な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味剤、融解剤、着色剤および/または着香剤、またはそれらの任意の組合せを含有する、非発泡性顆粒から再構成された水溶液、乳濁液、懸濁液、溶液および/または懸濁液、ならびに発泡性顆粒から再構成された発泡性調製物が含まれる。

経口投与のための単位剤形の調製に適した薬学的に許容される担体は、当該技術分野で周知である。錠剤は、典型的には、不活性希釈剤として、薬学的に適合性のある従来のアジュバント、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトースおよび/またはセルロース;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンおよびスクロース;崩壊剤、例えばデンプン、アルギン酸および/またはクロスカルメロース;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースおよび/またはタルクを含む。錠剤は、ポロキサマー、クレモフォール/Kolliphor(登録商標)/Lutrol(登録商標)、もしくはメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの可溶化剤または乳化剤、または当該技術分野で知られている他のもの、またはそれらの任意の組合せを含み得る。二酸化ケイ素などの流動化剤は、粉末混合物の流動特性を改善するのに使用することができる。FD&C色素などの着色剤は、外観のために添加することができる。甘味剤および着香剤、例えばアスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミントおよびフルーツフレーバー、またはそれらの任意の組合せは、チュアブル錠剤のための有用なアジュバントである。カプセル剤は、典型的には、上記で開示される1つ以上の固体希釈剤を含む。担体成分の選択は、風味、費用および貯蔵性などの二次的考察に応じて決まり、当業者により容易に行われ得る。

経口(PO)組成物にはまた、液体溶液、乳濁液または懸濁液が含まれる。そのような組成物の調製に適した薬学的に許容される担体は、当該技術分野で周知である。シロップ、エリキシル、乳濁液および懸濁液のための担体の典型的な成分には、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトールおよび/または水が含まれる。懸濁液については、典型的な懸濁化剤には、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC?591、トラガカントおよび/またはアルギン酸ナトリウムが含まれ、典型的な湿潤剤には、レシチンおよびポリソルベート80が含まれ、典型的な保存剤には、メチルパラベンおよび/もしくは安息香酸ナトリウム、またはそれらの任意の組合せが含まれる。経口液体組成物はまた、上記で開示される甘味剤、着香剤および/または着色剤などの1つ以上の成分を含有し得る。経口組成物はまた、キャンディー、アップルソース、ヨーグルト、ソフトプディング、ゼラチン食品材料、ジュース、乳、大豆もしくはナッツ飲料、増粘飲料もしくはチーズ、またはそれらの任意の組合せなどの食品材料の形態であり得る。

そのような組成物はまた、対象の1つ以上の化合物が、所望の施用の付近の胃腸管において、または所望の作用を長引かせるために様々な時間で放出されるように、従来の方法により、典型的にはpHまたは時間依存性コーティングでコーティングされ得る。胃腸管での放出のための例示的な剤形は、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸ビニルフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルセルロース、Eudragitコーティング、ワックスおよび/もしくはシェラック、または当該技術分野で知られている他の賦形剤のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを組み込むことができる。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の方法に従って投与される組成物は、胃腸管での放出のために製剤化される。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の方法に従って投与される組成物は、下部胃腸管での放出のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、腸溶コーティングされたカプセル、錠剤、ソフトゲルとして提供されるか、または本質的に腸溶カプセルとして提供される。

本明細書に記載される組成物の実際の単位用量は、製剤中の1つ以上の化合物に応じて決まる。いくつかの実施形態では、製剤中の各化合物の量は、1日当たり体重1kgにつき5mg〜500mg以上、1日当たり体重1kgにつき10mg以下〜70mg、50mg〜80mg、1日当たり体重1kgにつき70mg〜120mg、1日当たり体重1kgにつき100mg〜300mg、または1日当たり体重1kgにつき250mg〜500mgであり得る。いくつかの実施形態では、用量は、1日当たり体重1kgにつき100mg、500mg、300mg、200mg、150mg、100mg、50mg、40mg、30mg、25mg、20mg、10mg、7.5mg、6mg、5mg、4mg、3mg、2.5mg、もしくは1mg未満、または前述の量のいずれか2つにより定義される範囲内の量であり得る。いくつかの実施形態では、実際の単位用量は、1日当たり体重1kgにつき5、10、25、50、75、100、150、もしくは200mgであるか、または前述の量のいずれか2つにより定義される範囲内の量である。したがって、例えば、70kgの人への投与の場合、用量範囲は、350mg〜750mg、500mg〜1g、750mg〜2g、1g〜5g、2.5g〜6g、4g〜10g、8g〜20g、15g〜35g、もしくは1g以下〜35g以上、または前述の量のいずれか2つにより定義される範囲内の量である。いくつかの実施形態では、実際の単位用量は6gである。いくつかの実施形態では、実際の単位用量は10gである。いくつかの実施形態では、実際の単位用量は35gである。いくつかの実施形態では、実際の単位用量は1g以下であるがゼロではない。いくつかの実施形態では、実際の単位用量は10g以下であるがゼロではない。いくつかの実施形態では、実際の単位用量は35mg以下であるがゼロではない。

本明細書で使用される「負荷用量」とは、後続の用量よりも高い化合物の初期用量を指す。

本明細書で使用される「維持用量」とは、負荷用量に続く後続用量を指し、負荷用量よりも時間的に遅く発生する。当業者は、維持用量の投与形態または投与様式が、負荷用量に使用されるものとは異なり得ることを認識するであろう。本明細書に開示される実施形態のいずれにおいても、維持用量は、月単位または月に複数回、隔週単位または2週間毎に複数回、週単位または週に複数回、週単位または日に複数回を含む、本明細書で企図される任意の投与スケジュールでの単位剤形の投与を含み得るが、これらに限定されない。本開示内では、投薬休日を維持用量の投薬期間中に組み込むことができると企図される。そのような投薬休日は、負荷用量の投与直後、または維持用量の投与期間中の任意の時点で見出され得る。本明細書で使用される維持用量の投与期間は、治療期間の「維持段階」と呼ばれ得る。

本明細書で使用される「投与様式」とは、1つ以上の化合物が対象に投与される手段を指す。本明細書で使用される「投与様式」は、剤形(例えば、錠剤、粉末、溶解液、懸濁液、乳濁液など)および剤形が対象に適用されるメカニズム(例えば、ピル、溶解液、経口懸濁液などによる経口手段)を含む。本明細書で使用される「投与様式」はまた、化合物が対象に投与される用量、投与量および投与スケジュールを含む。

いくつかの実施形態では、本開示の方法に従って投与される組成物は、食品材料、飲料、もしくは他の摂取可能な品目と共に提供されるか、またはそれらに混合される。いくつかの実施形態では、前記飲料、食品材料もしくは他の摂取可能な品目は、キャンディー、アップルソース、ヨーグルト、ソフトプディング、ゼラチン食品材料、ジュース、牛乳、大豆もしくはナッツ飲料、増粘飲料もしくはチーズのうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを含み得るか、本質的にそれらから成り得るか、またはそれらから成り得る。本開示の方法に従って投与される組成物の組合せを任意の適切な食品または飲料と組み合わせて、組成物の摂取を促進できることが当業者に容易に認識されよう。

一部の代謝産物のレベルは外部刺激に応じて変動することが予想されるため、本開示による方法は、治療の有効性を高めるために、例えば、対象の身体と微生物の両方に関わる健康を維持するように、有害な代謝産物の除去を最適化するか、または有用な代謝産物の除去を制限することにより、本明細書に記載される組成物の投与タイミングを変更または制御することを企図する。いくつかの実施形態では、本開示の方法に従って投与される組成物は、食事または食品材料の他の摂取と同時になど、食品と共に投与することができる。いくつかの更なる実施形態では、本開示の方法に従って投与される組成物は、食事または食品材料の他の摂取の直前または直後に投与することができる。いくつかの更なる実施形態では、本開示の方法に従って投与される組成物は、1〜5分以内、3〜10分以内、6〜15分以内、10〜20分以内、15〜30分以内、20〜45分以内に、または食事もしくは食品材料の他の摂取の前後1時間以内に投与することができる。いくつかの実施形態では、本開示の方法に従って投与される組成物は、食品なしで、食事または食品材料の他の摂取の前後、例えば、1から3時間の間で、2から5時間の間で、4から8時間の間で、6から12時間の間で、9から18時間の間で、12から24時間の間で、または24時間を超えて投与することができる。

本明細書で使用される「治療期間」とは、最初の用量の投与から始まり、最終用量の投与で終わる時間を指し、そのような時間の長さは、治療される対象の症状および健康に関して、神経障害または腸管透過性亢進(腸管壁浸漏)を伴う障害を治療する当業者により決定される。そのような期間は、本明細書に開示されるように、または神経障害および腸管透過性亢進(腸管壁浸漏)を伴う障害を治療する当業者により知られているように、代謝産物のレベルの定期的、散発的、または継続的な監視を参照して決定することができる。

本明細書で使用される「投薬休日」とは、24時間以上の期間を指し、その期間中、対象に用量が投与されないか、減少させた用量が対象に投与される。本明細書で使用される「減少させた用量」とは、対象に投与される1日の総用量よりも少ない用量を指す。

本明細書に開示される方法によれば、血清代謝産物の減少は、対象が一定の時間の投薬において周期的な部分的または完全な減少を経験し、その後に投薬を再開するように投薬スケジュールを調整することにより達成される。いくつかの実施形態では、投薬量は1日から30日間毎日投与され、その後に1日から30日間投薬休日が続く。いくつかの実施形態では、投薬休暇中、用量は投与されない。いくつかの更なる実施形態では、本開示の組成物は、次の用量の投与前に対象の身体から完全に除かれることが許容される。いくつかの他の実施形態では、投薬休暇中、通常の1日用量よりも少ない用量が投与される。いくつかの更なる実施形態では、治療有効量未満の投与された組成物の量は、投薬休暇中に対象内にとどまることが許容される。いくつかの更なる実施形態では、罹患組織における治療レベルを維持するのに十分な投与組成物の量は、対象内にとどまることが許容される。

本開示によれば、投薬スケジュールは、所望の治療効果を達成するように変更することができる。本明細書に開示される実施形態のそれぞれでは、投与スケジュールの変更は、投与される治療プロトコルの期間全体にわたって繰り返され得る。本明細書に開示される実施形態のそれぞれでは、最初の投与量は、最初の投与量に続く投与量と同じであるか、または高くても低くてもよい。本明細書に開示される実施形態のそれぞれでは、負荷用量は、開示された投薬レジメンに先行してよく、投薬休日は、負荷用量の投与に続いても続かなくてもよい。

いくつかの実施形態では、本開示の方法は、本明細書で提供される1つ以上の組成物の毎日または毎日よりも少ない頻度、例えば2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、もしくは7日毎、または前述の時間のいずれか2つにより定義される範囲内の期間での投与を含む。

本開示の方法は、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、不安障害、鬱病、パーキンソン病、レット症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、エンジェルマン症候群、ウィリアムズ症候群、筋萎縮性側索硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症、偶発的なレビー小体病、レビー小体変異型アルツハイマー病、多系統萎縮症、純粋自律神経障害を含む)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを含む1つ以上の神経障害の治療、予防および/または改善に使用することができる。前記障害には、振戦、麻痺、運動障害などの神経障害の診断および治療の分野で知られている身体的症状、ならびに/または腸管透過性亢進(腸管壁浸漏)などの胃腸症状に加えて、コミュニケーション症、認知障害、常同行動、感覚運動の問題、臨床的過敏性および/もしくは不安様行動などの神経障害の臨床診断および治療の分野で知られている行動症状が含まれ得る。したがって、そのような臨床的および/または診断的な評価ならびに決定を使用して、本開示で提供される1つ以上の方法に従って、本明細書に記載される1つ以上の化合物を受け入れる1つ以上の対象を特定および/または選択することができる。本開示の方法には、いくつかの実施形態では、神経障害の診断および治療の分野で知られているように、行動症状、身体症状および/または胃腸症状の監視が含まれ得る。いくつかの実施形態では、本開示による方法は、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、不安障害、鬱病、パーキンソン病、レット症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、エンジェルマン症候群、ウィリアムズ症候群、筋萎縮性側索硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症、偶発的なレビー小体病、レビー小体変異型アルツハイマー病、多系統萎縮症、純粋自律神経障害を含む)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せに関連することが知られている行動症状について対象を監視することを組み込む。いくつかの実施形態では、監視された行動症状は、臨床的不安を含まない。いくつかの更なる実施形態では、本発明による方法は、反復行動、コミュニケーション症、認知障害、常同行動、物理的対象への愛着、失語症、強迫行動、特異なまたは不適切なボディランゲージ、ジェスチャーおよび/または表情および/または感覚運動の問題、他者への関心の欠如、共感の欠如、非言語的な手がかりの把握の困難、タッチ嫌悪、社会化困難、言語発達の遅れ、異常な音声またはピッチ、音声の反復、保持、会話の困難、コミュニケーションのニーズまたは欲求の困難、単純な文または質問の無理解、言語サブテキストの処理の困難、特異な対象への執着、固執、ルーチンまたは環境の変化への不耐性、無器用、姿勢異常、奇妙な動き、特定の対象への魅了、感覚入力に対する感覚過敏・鈍麻、臨床的過敏性、またはそれらの任意の組合せについて対象を監視することを組み込む。また、そのような臨床的および/または診断的な評価ならびに決定を使用して、本開示で提供される1つ以上の方法に従って、本明細書に記載される1つ以上の化合物を受け入れる1つ以上の対象を特定および/または選択することができる。追加の実施形態では、方法は、振戦、麻痺および/もしくは運動障害、または神経障害の診断および治療の分野で当業者に知られている他の症状、またはそれらの任意の組合せについて対象を監視することを組み込むことができる。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、本明細書に開示されるように、または当業者に知られているように、微生物および/または腸内の代謝産物の監視を含み得る。本開示の方法によれば、前記代謝産物は、対象の腸、糞便、尿、血液、唾液、脳脊髄液および/または滑液中で監視することができる。本開示の方法は、治療過程中に対象から取得可能な任意の組織または体液中の前記代謝産物の監視を企図する。また、そのような臨床的および/または診断的な評価ならびに決定を使用して、本開示で提供される1つ以上の方法に従って、本明細書に記載される1つ以上の化合物を受け入れる1つ以上の対象を特定および/または選択することができる。

いくつかの実施形態では、組成物は、腸内透過性亢進(腸管壁浸漏)および/または腸内細菌叢異常に関連する神経障害の上述の症状のうちの1つ以上の発症後の任意の時間に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法による組成物は、前記障害または複数の障害の症状発現前に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法による組成物は、前記障害または複数の障害の症状の発症と同時にまたは発症後に投与される。

本明細書に記載の方法を、以下の実施例によりさらに説明する。

実施例1:4EP産生細菌叢の確立およびAB−2004の投与 胃腸内細菌叢による4EP産生の効果を、宿主により4EPSに変換される4EPを産生する能力のみが異なるように操作された菌株を二重定着させたノトバイオティックマウスを使用して調査した。4−EP、その誘導体4−EPSおよび他の有毒な微生物代謝産物を隔離するAB−2004製剤の効果を、AB−2004をマウスフードに配合し、AB−2004を含まない対照食餌と並行して投与することにより調査したが、その他の点では同一であった。細菌叢およびAB−2004投与による4EP産生の影響を、自閉症スペクトラム障害(ASD)のコア症状および非コア症状を表す反復的、社会的および不安様行動の評価により決定した。

遺伝子操作された菌株を産生するために、p−クマル酸産生のためのBacteroides ovatus遺伝子を、フェノール酸デカルボキシラーゼのためのBacillus subtilis遺伝子と同時にB.ovatus染色体にクローン化して4−ビニルフェノールを産生した。Lactobacillus plantarumが、操作されたB.ovatus菌株により産生された4−ビニルフェノールを4−EPに変換する。4EP産生は不可能であるが、他の点では同一の菌株のペアを産生するために、機能喪失型変異をB.ovatus菌株に導入し、その結果、Lactobacillus plantarumによる4−ビニルフェノール産生と、ひいては4−EP産生を除去した。

5週齢で、マウスに8%(w/w)のAB−2004製剤(AST−120、クレハ株式会社、日本)を含む食餌、またはAB−2004を含まない同一の食餌を与えた。糞便ホモジネートの希釈液を固形培地にプレーティングすることにより、マウスの定着性を定量化し、糞便ホモジネート1mL当たりのコロニー形成単位の類似のレベルがアッセイで産生されたことから(図2)、2つのペアの菌株はマウスを同様のレベルに定着させることを確認した。第1表は、このセクションの図中ラベルでマウスのグループに使用される識別子を説明している。

第1表.図中のマウスグループラベルの説明

ガラス玉覆い隠し試験 ガラス玉覆い隠し試験を使用して、ASDのコア症状である反復行動を評価した。Malkova et al.(Behav Immun.26(4):607−16(2012))により記載されたアッセイで、ガラス玉をケージ内の床敷の上に配置し、試験マウスをケージに入れ、試験期間中にマウスが埋めたガラス玉の数を測定した。図3(a)に示すように、アッセイでは、4−EP産生微生物で二重定着させた対照食餌のマウスは、4−EPを産生しない微生物で二重定着させた対照食餌のマウスよりもかなり多くのガラス玉を埋め、それにより腸内細菌叢による4EP産生に基づく反復行動が実証された。AB−2004の投与により、アッセイでのこの反復行動が正常化された:AB−2004食餌で4−EP産生細菌叢を有するマウスは、対照食餌で4−EP産生細菌叢を有するマウスよりかなり少ないガラス玉を埋める。データは、4−EP、4−EPSおよび/または他の有毒な微生物代謝産物を隔離する物質の投与が、ASDのコア症状の1つである反復行動を減らすのに有益であり得ることを示している。

高架式十字迷路試験 探索行動の高架式十字迷路(EPM)試験を使用して、一般行動と不安様行動を評価した。マウスに、共通の中央プラットフォームから伸びる2本のオープンアームと2本のクローズドアームで構成される高架式十字迷路を5分間探索させた。オープンアームの端部の周りの小さく盛り上がったヘリが、マウスが滑り落ちるのを防ぐのに役立った。オーバーヘッドビデオカメラを使用してセッションを記録し、Ethovisionソフトウェア(Noldus Information Technology、カリフォルニア州サクラメント)を使用してマウスの動きを分析した。迷路の閉じた比較的保護された部分で費やされた時間と、迷路の開いた比較的露出した部分を探索するのに費やされた時間とを不安の測定値として解釈する。図3(b)に示すように、アッセイでは、対照食餌で4−EP産生細菌叢を有するマウスは、4−EPを産生しない細菌叢を含む対照食餌でのマウスよりもEPMのクローズド部分に対してEPMのオープン部分で費やす時間が少なく、それにより腸内細菌叢による4EPの産生に基づく不安様行動が実証された。AB−2004食餌での4−EP産生細菌叢を有するマウスは、AB−2004を欠いた対照食餌での4−EP産生細菌叢を有するマウスよりもEPMのクローズド部分に対してオープン部分で費やす時間がかなり多かったことから、AB−2004製剤の投与により、アッセイでのこれらの不安様行動が正常化された。不安はASDの一般的な非コア症状であり、これらは、4−EP、4−EPSおよび/または他の有毒な微生物代謝産物の隔離剤の投与が、一部ASD患者の不安症状を減らすのに有益であり得ることを示している。

オープンフィールド試験 探索行動のオープンフィールド試験を使用して、一般行動と不安様行動を評価した。オープンフィールド試験では、マウスを50×50cmの白色プレキシガラスボックスで10分間探索させた。オーバーヘッドビデオカメラを使用してセッションを記録し、Ethovisionソフトウェア(Noldus Information Technology、カリフォルニア州サクラメント)を使用して、ボックスの壁区画に対して中央アリーナ(中央四方形、17×17cm)への移動距離、進入回数およびそこで費やされる時間を分析した。4−EP産生細菌叢を定着させた対照食餌のマウスは、アッセイで不安様の表現型を示し、4−EPを産生しない細菌叢を定着させた対照食餌でのマウスと比較して、壁区画に進入する頻度が高く、壁区画でより多くの時間を費やす。アッセイでは、AB−2004食餌で4−EP産生細菌叢を定着させたマウスが壁区画で費やされた時間(図4(B))および壁区画に進入した頻度(図4(A))は、4−EPを産生しない細菌叢を定着させたマウスに類似しており、AB−2004によるこの行動の正常化を示唆している。オープンフィールド試験での総移動距離(図4(C))はすべてのグループで類似しており、フィールドのオープン部分とクローズ部分の探索の違いは、試験中にマウスが移動した距離の違いによるものではないことを示唆している。EPMデータと一致して、これらのデータは、4−EP、その誘導体4−EPSおよび/または他の有毒な微生物代謝産物を隔離する物質の投与が、不安症状に悩んでいるASD患者の不安症状を緩和するのに有益であり得るという追加の証拠を提供する。

直接的な社会的相互作用 3チャンバーの社会的アプローチ試験を使用して、直接的な社会的相互作用を測定した。試験マウスを隣接する3つのチャンバーの中央チャンバーに配置し、隣接する末端チャンバーには新規のオブジェクトを配置し、他方の隣接する末端チャンバーには馴染みのないマウスを配置した。採点の開始前に、試験マウスを装置内で10分間馴化させた。試験マウスは、中央のチャンバーから隣接するそれぞれのチャンバーに開口部を通して通過することができた。試験はビデオで記録し、馴染みのないマウスがいるチャンバー内で試験マウスが費やした時間を手入力で記録した。馴染みのないマウスと過ごす時間が長いほど社交性が高いことを示すのに対し、馴染みのないマウスと過ごす時間が短いほど社交性が低いことを示し、自閉症スペクトラム障害のコア症状である社会的障害と一致している。

図5に示すように、社会的相互作用の3チャンバー試験では、4EP産生細菌叢を二重定着させた雄マウスが、4EPを産生しない微生物を二重定着させた雄マウスよりもチャンバー内で別のマウスと費やした時間がかなり短くなった。アッセイでは、AB−2004製剤(p=0.1071)での処置によるこの社会的障害の改善傾向があった。これらのデータは、4EP、その誘導体、4EPSおよび他の有毒な微生物由来の代謝産物を隔離するAB−2004などの材料のASD患者への投与が、社会的障害などのASDのコア症状の改善に有益であり得ることを示している。

実施例2:隔離剤物質による微生物代謝産物の除去 単一の微生物代謝産物の50mg/mLストック溶液をジメチルスルホキシド(DMSO)中で調製し、DMSOで連続希釈(2:1)して、50、25、12.5、6.25、3.125、1.56および0.78mg/mLの標準溶液を作製した。各DMSO標準溶液(10μL)を脱イオン水(990μL)に希釈して、0.5、0.25、0.125、0.06、0.03、0.015、0.078mg/mLの水溶液(1%DMSO)の標準校正試料を作製した。10μLのDMSOを990μLの蒸留水に添加して盲検試料を調製し、Thermo Scientific NanoDrop(商標)分光光度計を使用して各水性標準溶液のUV吸光度を単一波長で測定し、吸光度の線形範囲を特定して検量線を作成した。

100μLの50mg/mL DMSOストック溶液を9.9mLの脱イオン水に添加することにより、0.5mg/mLの単一微生物代謝産物の溶液を脱イオン水中で調製した。次に、50mg/mLの試験対象の一連の隔離剤物質のうちの1つを添加し、溶液を室温で撹拌した。得られた混合物を0〜≦4時間の時間経過でサンプリングした。各時点で、約1mLの隔離剤混合物をシリンジで取り、ナイロン製シリンジフィルター(0.2μm)に通過させた。各試料を脱イオン水で適切に希釈し、Thermo Scientific(商標)NanoDrop(Fisher Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム)を使用した分析のためにキュベットに移すか、Spectramax i3x(Molecular Devices、カリフォルニア州サンノゼ)を使用した分析のために96ウェル透明ボトムプレートに移すかのいずれかを行った。

様々な代表的な隔離剤物質による4−EPの吸光度は、一般的なプロトコルに従って実施した。各試料のUV吸光度は、分光測光法により270nmで測定した。50mg/mLの代表的な吸着材料剤で2時間処理した後の4−EPの残存%を表2に報告する。

次の意味が適用される:「++++」は、<10%の残存率を指す;「+++」は、10〜30%の残存率を指す;「++」は、31〜70%の残存率を指す;「+」は、71〜90%の残存率を指す;NAは、>90%の残存率または吸収が観察されないことを示す。使用したゼオライトはクリノプチロライトで、一般的な化学量論比が(Na,K,Ca)2−3Al3(Al,Si)2Si13O36・12H2Oである;ベントナイト製剤をBentonaite B.P.(Halewood Chemicals、英国)から製造した;活性炭製剤を260mgの活性炭栄養補助食品製剤サプリメントカプセル(Nature’s Way、ウィスコンシン州グリーンベイ)から製造し、AB−2004製剤をAST−120(クレハ株式会社、日本)から製造した。

第2表:4−EPの吸収

実施例3 様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からの4−EPSの除去は、分光測光法を使用して265nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間提供した後の4−EPSの残存率を第3表に報告する。

第3表:4−エチルフェニル硫酸塩の吸収

実施例4 様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からのp−クレゾールの除去は、分光測光法を使用して260nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間提供した後のp−クレゾールの残存率を第4表に報告する。

第4表:p−クレゾールの吸収

実施例5 様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からのp−クレシル硫酸塩の除去は、分光測光法を使用して260nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間処理した後のp−クレシル硫酸塩の残存率を第5表に報告する。

第5表:p−クレシル硫酸塩の吸収

実施例6 様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からのインドールの除去は、分光測光法を使用して278nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間提供した後のインドールの残存率を第6表に報告する。

第6表:インドールの吸収

実施例7 様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からの3−インドキシル硫酸塩の除去は、分光測光法を使用して260nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間処理した後の3−インドキシル硫酸塩の残存率を第7表に報告する。

第7表:3−インドキシル硫酸塩の吸収

実施例8 様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からの4−ヒドロキシフェニル酢酸の除去は、分光測光法を使用して278nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間処理した後のチロシンの残存率を第8表に報告する。

第8表:4−ヒドロキシフェニル酢酸の吸収

実施例9 様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からの2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸の除去は、分光測光法を使用して278nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間処理した後の2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸の残存率を第9表に報告する。

第9表:2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸の吸収

実施例10 様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からのL−ホモシトルリンの除去は、分光測光法を使用して274nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間処理した後のL−ホモシトルリンの残存率を第10表に報告する。

第10表:L−ホモシトルリンの吸収

実施例11 インドキシル硫酸塩、p−クレシル硫酸塩および4−エチルフェニル硫酸塩をそれぞれpH6.8のリン酸緩衝液に別々に溶解し、様々な時間で撹拌しながらAB−2004に曝露した。様々な時点で、試料を採取し、それぞれの化合物の存在についてアッセイし(以下「毒素」に分類した)、溶液から除去された各化合物の量を計算した。結果を以下の第11表に示し、表中、「活性炭」とは、AB−2004製剤を指す。

第11表

これらの結果は、AB−2004製剤に曝露した場合、各化合物について4時間未満の曝露で最大吸収が起こることを示している。

実施例12 インドキシル硫酸塩、p−クレシル硫酸塩および4−EPを、pH6.8のリン酸緩衝液に同時に溶解し、シミュレートされた代謝産物混合物を作製し、様々な時間で撹拌しながらAB−2004に曝露した。様々な時点で、試料を採取し、それぞれの化合物の存在についてアッセイし(以下「毒素」に分類した)、溶液から除去された各化合物の量を計算した。結果を以下の第12表に示し、表中、「活性炭」とは、AB−2004製剤を指す。

第12表

これらの結果は、AB−2004製剤に曝露した場合、混合溶液中の化合物についても、4時間未満の曝露で最大吸収が起こることを示している。

実施例13 4−エチルフェニル硫酸塩をpH6.8のリン酸緩衝液に溶解し、様々な時間で撹拌しながらAB−2004、酢酸プロピオン酸セルロース(MW 15Kおよび75K)、ベントナイトおよびクリノプチロライトゼオライトに曝露した。様々な時点で、試料を採取し、それぞれの化合物の存在についてアッセイし、溶液から除去された各化合物の割合を計算した。結果を図6に示す。

これらの結果は、セルロースベースの高分子材料が代謝産物4−EPの効果的な隔離剤であるという証拠を提供する。

実施例14:隔離剤による糞便スラリー上清中の微生物代謝産物の除去 AB−2004、ベントナイト、ゼオライト、酢酸プロピオン酸セルロース(Mn約15,000)および活性炭が、ヒト結腸の内腔に見られるものと類似した代謝産物の複雑な混合物から毒素4−エチルフェノール、p−クレゾール、3−インドキシル硫酸塩を吸着する能力を決定するために、ヒト糞便を使用して生体外アッセイを実施した。採集したばかりの糞便を4℃以下に維持した。二酸化炭素5%、水素5%および残分窒素の雰囲気を有する嫌気性チャンバー(AS−580、Anaerobe Systems、カリフォルニア州モーガンヒル)内で、糞便をピペッティングにより氷冷リン酸緩衝生理食塩水に懸濁し、20%(w/v)の糞便スラリーを達成し、固形分を沈降させ、好気性雰囲気および−80℃に移す前に、上清を氷上の円錐形のチューブに移した。後続のすべてのステップは好気的に実施した。凍結したアリコートを氷上で解凍し、21,000xgで3分間遠心分離し、上清を新しいチューブに移し、等量の氷冷リン酸緩衝生理食塩水で希釈した。4−エチルフェノール、p−クレゾールおよび3−インドキシル硫酸塩をジメチルスルホキシド中で25mg/mLにて調製し、糞便スラリー上清の別個のアリコートに2mg/mLの最終濃度まで添加した。スパイクされた糞便スラリー上清を、AB−2004製剤、ベントナイト、ゼオライト、酢酸プロピオン酸セルロース(Mn約15,000)および活性炭からなる隔離剤物質に添加して、35〜59mg/mLの最終的な隔離剤物質を得るが、ただし、活性炭はp−クレゾールに対して98mg/mLで試験した。混合物を、円錐形のチューブ内で激しく混合しながら10℃で4時間750rpmにてインキュベートし、21,000xgで3分間遠心分離した。上清を96ウェルプレートに移し、リン酸緩衝生理食塩水で10倍希釈した後、分光光度計(Spectramax i3x、Molecular Devices、カリフォルニア州サンノゼ)により278nmで吸収を測定することにより代謝産物の濃度を測定した。

各毒素について、それらを4、2、1、0.5および0.25mg/mL(最終)で糞便スラリー上清に添加し、それらをリン酸緩衝生理食塩水で10倍希釈し、278nmでの吸収を測定することにより標準曲線を作成した。試料中のスパイクされた4−エチルフェノール、p−クレゾールおよび3−インドキシル硫酸塩の濃度を、GraphPad Prism 7(GraphPad、カリフォルニア州ラホヤ)を使用した標準曲線からの補間により測定した。隔離剤により除去されたスパイク毒素の割合は、内挿値を隔離剤処理されていないスパイク対照試料の内挿値で除算し、100を乗算することにより計算した。各隔離剤により除去されたスパイク毒素の割合を第13表に示す。

第13表.示された濃度の吸着剤物質で4時間インキュベートした後の糞便スラリー上清中に残存するスパイク毒素の割合。

第13表に示されているように、吸着された毒素の数と各毒素の吸着の程度は、アッセイで試験された材料全体を通して異なった。AB−2004および活性炭は、アッセイでスパイクされた4−エチルフェノール、3−インドキシル硫酸塩およびp−クレゾールのそれぞれ90%超を吸着し、酢酸プロピオン酸セルロースは、スパイクされた4−エチルフェノール65〜90%およびp−クレゾール35〜65%を吸着したが、スパイクされた3−インドキシル硫酸塩に対する吸着率は10%未満であった。ベントナイトは、アッセイでスパイクされた4−エチルフェノール35〜65%およびスパイクされたp−クレゾール10〜35%を吸着し、スパイクされた3−インドキシル硫酸塩に対する吸着率は10%未満であった。ゼオライトは、アッセイでスパイクされた4−エチルフェノール10〜35%を吸着し、スパイクされたp−クレゾールと3−インドキシル硫酸塩に対する吸着率は10%未満であった。したがって、生体外アッセイ内では、異なる材料が様々な毒素に対して異なる親和性を有し、これはヒトの腸内で見られる代謝産物の多様性と組成の一部を再現する。

AB−2004、ベントナイト、ゼオライト、酢酸プロピオン酸セルロース(Mn約15,000)、ヒト結腸の内腔に見られるものと類似した代謝産物の複雑な混合物から毒素4−エチルフェニル硫酸塩およびp−クレシル硫酸塩を吸着する能力を決定するために、ヒト糞便を使用して生体外アッセイを実施した。採集したばかりの糞便を、二酸化炭素5%、水素5%および残分窒素の雰囲気を有する嫌気性チャンバー(AS−580、Anaerobe Systems、カリフォルニア州モーガンヒル)内で4℃以下に維持し、糞便をピペッティングにより氷冷リン酸緩衝生理食塩水に懸濁し、20%(w/v)の糞便スラリーを達成し、固形分を沈降させ、好気性雰囲気および−80℃に移す前に、上清を氷上の円錐形のチューブに移した。後続のすべてのステップは好気的に実施した。凍結したアリコートを氷上で解凍し、21,000xgで3分間遠心分離し、上清を新しいチューブに移した。4−エチルフェニル硫酸塩およびp−クレシル硫酸塩をジメチルスルホキシド中で25mg/mLにて調製し、糞便スラリー上清の別個のアリコートに0.75mg/mLの最終濃度まで3連で添加した。スパイクされた糞便スラリー上清を、AB−2004製剤、ベントナイト、ゼオライトおよび酢酸プロピオン酸セルロース(Mn約75,000)からなる隔離剤物質に添加して、12mg/mLの最終的な隔離剤物質を達成する。混合物を、円錐形のチューブ内で激しく混合しながら室温で1時間1700rpmにてインキュベートし、12,000xgで1分間遠心分離した。上清を新たな円錐形のチューブに移し、サロゲートマトリックス曲線(Charles River、マサチューセッツ州ウスター)に対するLC−MS/MS分析による4−エチルフェニル硫酸塩およびp−クレシル硫酸塩の定量化前に−80℃で凍結した。結果を第14表に示す。

第14表.様々な材料との1時間のインキュベーション後に残存する4−エチルフェニル硫酸塩およびp−クレシル硫酸塩の割合

第14表に見られるように、AB−2004は、試験された材料のいずれかの4−エチルフェニル硫酸塩およびp−クレシル硫酸塩に対する最大親和性を示した。酢酸プロピオン酸セルロースは、アッセイでp−クレシル硫酸塩7〜35%を吸着したが、4−エチルフェニル硫酸塩の吸着7%未満であった。ベントナイトおよびゼオライトは、アッセイで7%未満の4−エチルフェニル硫酸塩およびp−クレシル硫酸塩を吸着した。したがって、試験された材料は、生体外アッセイ内では、4−エチルフェニル硫酸塩およびp−クレシル硫酸塩に対する広範な親和性を示し、これはヒトの腸内で見られる代謝産物の多様性と組成の一部を再現する。

実施例15 ウイルス性二本鎖RNA模倣ポリ(I:C)を妊娠中の母畜に注射することによりマウスのMIAをモデリングすると、ASDに関連するコアコミュニケーション的、社会的および常同的な障害を示す子孫が生まれる。妊娠中のC57BL/6Nマウスに、本明細書の一部を構成するものとして援用されるSmith et al.(2007),J.Neurosci.,27:10695−10702に記載の方法に従って、E12.5日目に生理食塩水または20mg/kgポリ(I:C)を腹腔内注射する。MIA子孫および対照子孫を、有効量のAB−2004製剤で毎日10日間にわたり処置するか、10日間処置しないままにする。子孫は、血液、尿および糞便中の4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルについて監視する。4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルは、未処置のMIA子孫と比べてAB−2004処置されたMIA子孫において減少したことが観察される。処置された子孫は、未処置の子孫および/または健常者と比較して類似、同等または減少したレベルの4−EP、4−EPS、PC、PCS、3−4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩を有することが観察される。

MIA子孫および対照子孫は、次のようにASDの行動症状についても観察される。オープンフィールド探索では、オープンアリーナでの動物の動きをマッピングして、移動と不安を測定する。未処置のMIA子孫は、アリーナの中心への進入とそこで費やされる時間の減少を示し、これは不安様行動を示唆するものである。処置されたMIA子孫と未処置の対照子孫は、アリーナの中心への進入とそこで費やされる時間と一致したまたは同等の量を示す。

プレパルス抑制(PPI)は、低強度の刺激が先行する場合に音響トーンに反応して驚愕反応を抑制する動物の能力を測定する。PPIの欠陥は、感覚運動ゲーティングの障害の尺度であり、自閉症を含むいくつかの神経発達障害で観察される。未処置のMIA子孫はPPIの低下を示す。処置されたMIA子孫と未処置の対照子孫は、正常なPPIを示す。

ガラス玉覆い隠し試験は、マウスが不安に惑わされない自然な埋め隠し行動に繰り返し関与する傾向を測定する。未処置のMIA子孫は、対照と比較して常同化されたガラス玉覆い隠しの増加を示す。処置されたMIA子孫と未処置の対照子孫は、通常の埋め隠し行動を示す。

超音波発声は、様々なタイプやモチーフの呼出しが様々な社会的パラダイムで生成される、マウスによるコミュニケーションの測定に使用される。未処置のMIA子孫は、社会的遭遇に応じて生成される超音波発声の数と期間の減少により示されるように、コミュニケーションの欠陥を示す。処置されたMIA子孫と未処置の対照子孫は、社会的遭遇に応じて生成される超音波発声の正常な数と期間を示す。

3チャンバー社会試験は、社会的相互作用におけるASD関連の障害を測定するのに使用される。未処置のMIA子孫は、社交性、または新規のオブジェクトよりも新規のマウスとの相互作用を好むことと、社会的選好、または馴染みのないマウスよりも馴染みのあるマウスとの相互作用を好むことの両方の欠陥を示す。処置されたMIA子孫と未処置の対照子孫は、通常の社会的相互作用を示す。

いくつかの実施形態では、プレボテーラ種(Prevotella species)、ビフィドバクテリア種(Bifido bacteria species)、パラバクテロイデス種(Parabacteriodes species)(例えば、P.メルダエ、P.ディスタソニス)、フィーカリバクテリウム種(Faecalibacterium species)(例えば、F.プラウスニッツィ)、ユーバクテリウム種(Eubacterium species)、コプロコッカス種(Coprococcus species)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosis)、バクテロイデス・カカエ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・オバツス(Bacteriodes ovatus)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ブルガータス(Bacteroides vulgatus)および/もしくはバクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを含む細菌の接種剤が、隔離剤組成物の投与前、投与中または投与後に投与され、添加された細菌の効果が決定される。

実施例16 糞便試料を、AB−2004製剤またはコレスチラミンによる処置を受けているヒト患者から得る。各試料について、AB−2004製剤またはコレスチラミンを回収し、AB−2004またはコレスチラミンから溶出した化合物をGC−MSまたはMALDI−TOF質量分析法により、本明細書に記載の微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)のいずれかの存在について分析する。次いで、本明細書に記載される微生物代謝産物(および/またはこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の1つ以上をAB−2004またはコレスチラミンから回収し、これにより前記微生物代謝産物(および/またはこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)が生体内でヒトにAB−2004またはコレスチラミンにより結合または隔離されていることが実証される。これらの結果は、本明細書に記載の方法の治療有効性も実証するだろう。

実施例17 MIA子孫は、上記の実施例15で説明したように生じさせる。MIA子孫および対照子孫を、有効量のAB−2004製剤で毎日10日間にわたり処置するか、10日間処置しないままにする。子孫は、血液、尿および糞便中の4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルについて監視する。4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルは、未処置のMIA子孫と比べてAB−2004処置されたMIA子孫において減少したことが観察される。処置された子孫は、未処置の子孫および/または健常者と比較して類似、同等または減少したレベルの4−EP、4−EPS、PC、PCS、3−4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩を有することが観察される。

MIA子孫および対照子孫は、ラクツロースもしくは高MW−PEG(1500もしくは4000kD)などの大きなサイズのオリゴ糖、および/またはマンニトール、L−ラムノースもしくは低MW−PEG(400kD)などの小さな糖、および/または51Cr−EDTAなどの他の難消化性プローブを経口投与することにより、腸管壁浸漏症状についても試験する。前記化合物の投与は、AB−2004または他の隔離剤の投与とは別個に行われる。尿を採集し、そのような分子の存在について監視し、この場合、尿中の試験分子の存在は、腸管壁浸漏の徴候となる。未処置のMIA子孫は、経口投与後の尿中に、かなりの量のラクツロース、高MW−PEG(1500もしくは4000kD)、小さな糖、マンニトール、L−ラムノース、低MW−PEG(400kD)、51Cr−EDTAおよび/または他の難消化性プローブを示す。処置されたMIA子孫と未処置の対照子孫は、経口投与後の尿中に、ラクツロース、高MW−PEG(1500もしくは4000kD)、小さな糖、マンニトール、L−ラムノース、低MW−PEG(400kD)、51Cr−EDTAおよび/または他の難消化性プローブをほとんどまたは全く示さない。

いくつかの実施形態では、プレボテーラ種(Prevotella species)、ビフィドバクテリア種(Bifido bacteria species)、パラバクテロイデス種(Parabacteriodes species)(例えば、P.メルダエ、P.ディスタソニス)、フィーカリバクテリウム種(Faecalibacterium species)(例えば、F.プラウスニッツィ)、ユーバクテリウム種(Eubacterium species)、コプロコッカス種(Coprococcus species)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosis)、バクテロイデス・カカエ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・オバツス(Bacteriodes ovatus)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ブルガータス(Bacteroides vulgatus)および/もしくはバクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを含む細菌の接種剤が、隔離剤組成物の投与前、投与中または投与後に投与され、添加された細菌の効果が決定される。

実施例18 CNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスは、自閉症様行動の遺伝モデルを提供する。例えば、Welberg et al.(2011),Nature Rev.Neurosci.,12:615およびSilverman et al.(2010),Nature Rev.Neurosci.11:490−502を参照されたい。これらの各明細書を、ここに本明細書の一部を構成するものとして明示的に援用する。CNTNAP2−/−、Shank3−/−または遺伝子操作されていない(対照)マウスを、AB−2004製剤または他の隔離剤で毎日10日間にわたり処置するか、10日間処置しないままにする。マウスは、血液および糞便中の4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルについて監視する。4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルは、未処置のCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスと比べてAB−2004処置されたCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスにおいて減少したことが観察される。処置されたマウスは、未処置のマウスおよび/または健常者と比較して類似、同等または減少したレベルの4−EP、4−EPS、PC、PCS、3−4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩を有することが観察される。CNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスおよび対照マウスは、実施例15のようにASDの行動症状についても観察される。

オープンフィールド探索アッセイでは、未処置のCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスは、アリーナの中心への進入とそこで費やされる時間の減少を示し、これは不安様行動を示唆するものである。処置されたCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスおよび未処置の対照マウスは、アリーナの中心への進入とそこで費やされる時間と一致したまたは同等の量を示す。

プレパルス抑制(PPI)アッセイでは、未処置のCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスは、減少したPPIを示す。処置されたCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスおよび未処置の対照マウスは、通常のPPIを示す。

ガラス玉覆い隠しアッセイでは、未処置のCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスは、対照と比較して常同化されたガラス玉覆い隠しの増加を示す。処置されたCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスおよび未処置の対照子孫は、通常の埋め隠し行動を示す。

超音波発声アッセイでは、処置されたCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスおよび未処置の対照マウスは、社会的遭遇に応じて生成される超音波発声の通常の数と期間を示す。

3チャンバー社会試験では、未処置のCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスは、社交性と社会的選好の両方の欠陥を示す。処置されたCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスおよび未処置の対照マウスは、通常の社会的相互作用を示す。

いくつかの実施形態では、プレボテーラ種(Prevotella species)、ビフィドバクテリア種(Bifido bacteria species)、パラバクテロイデス種(Parabacteriodes species)(例えば、P.メルダエ、P.ディスタソニス)、フィーカリバクテリウム種(Faecalibacterium species)(例えば、F.プラウスニッツィ)、ユーバクテリウム種(Eubacterium species)、コプロコッカス種(Coprococcus species)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosis)、バクテロイデス・カカエ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・オバツス(Bacteriodes ovatus)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ブルガータス(Bacteroides vulgatus)および/もしくはバクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを含む細菌の接種剤が、隔離剤組成物の投与前、投与中または投与後に投与され、添加された細菌の効果が決定される。

実施例19 Mecp2−/−または同等のレット症候群のマウスモデルを、AB−2004製剤または他の隔離剤での処置後の行動および/または胃腸症状の改善について評価する。例えば、Shahbazian et al.(2002),Neuron 35:243−254を参照されたい。この文献を、ここに本明細書の一部を構成するものとして援用する。Mecp2−/−または同等のマウスおよび遺伝子操作されていない(対照)マウスを、AB−2004製剤または他の隔離剤で毎日10日間にわたり処置するか、10日間処置しないままにする。マウスは、血液、尿および糞便中の4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルについて監視する。4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルは、未処置のMecp2−/−または同等のマウスと比べてAB−2004処置されたMecp2−/−または同等のマウスにおいて減少したことが観察される。処置されたマウスは、未処置のマウスおよび/または健常者と比較して類似、同等または減少したレベルの4−EP、4−EPS、PC、PCS、3−4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩を有することが観察される。Mecp2−/−または同等のマウスおよび対照マウスは、実施例15のようにASDの行動症状についても観察される。

オープンフィールド探索アッセイでは、未処置のMecp2−/−または同等のマウスは、アリーナの中心への進入とそこで費やされる時間の減少を示すが、糞便のボーラス数、グルーミング時間、およびフィールドの異なるエリアで費やした時間が影響を受けることはない。処置されたMecp2−/−または同等のマウスおよび未処置の対照マウスは、アリーナの中心への進入とそこで費やされる時間と一致したまたは同等の量を示す。未処置のMecp2−/−または同等のマウスは、処置されたMecp2−/−または同等のマウスおよび対照マウスには存在しない活動力欠如、呼吸異常および後肢反射異常表現型も示す。

Mecp2−/−または同等のマウスおよび対照マウスは、ラクツロースもしくは高MW−PEG(1500もしくは4000kD)などの大きなサイズのオリゴ糖、および/またはマンニトール、L−ラムノースもしくは低MW−PEG(400kD)などの小さな糖、および/または51Cr−EDTAなどの他の難消化性プローブを経口投与することにより、腸管壁浸漏症状についても試験する。前記化合物の投与は、AB−2004または他の隔離剤の投与とは別個に行われる。尿を採集し、そのような分子の存在について監視し、この場合、尿中の試験分子の存在は、腸管壁浸漏の徴候となる。未処置のMecp2−/−または同等のマウスは、経口投与後の尿中に、かなりの量のラクツロース、高MW−PEG(1500もしくは4000kD)、小さな糖、マンニトール、L−ラムノース、低MW−PEG(400kD)、51Cr−EDTAおよび/または他の難消化性プローブを示す。処置されたMecp2−/−または同等のマウスおよび未処置の対照マウスは、経口投与後の尿中に、ラクツロース、高MW−PEG(1500もしくは4000kD)、小さな糖、マンニトール、L−ラムノース、低MW−PEG(400kD)、51Cr−EDTAおよび/または他の難消化性プローブをほとんどまたは全く示さない。

いくつかの実施形態では、プレボテーラ種(Prevotella species)、ビフィドバクテリア種(Bifido bacteria species)、パラバクテロイデス種(Parabacteriodes species)(例えば、P.メルダエ、P.ディスタソニス)、フィーカリバクテリウム種(Faecalibacterium species)(例えば、F.プラウスニッツィ)、ユーバクテリウム種(Eubacterium species)、コプロコッカス種(Coprococcus species)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosis)、バクテロイデス・カカエ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・オバツス(Bacteriodes ovatus)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ブルガータス(Bacteroides vulgatus)および/もしくはバクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを含む細菌の接種剤が、隔離剤組成物の投与前、投与中または投与後に投与され、添加された細菌の効果が決定される。

実施例20 4−エチルフェノール(4−EP)(4−EPSの前駆体)を産生する細菌株を予め生成し、これらの菌株をマウスに定着させ、特定の微生物代謝産物の腸内産生で、マウスの不安および関連行動を促進するのに十分であることを示した。不安は4−EPSの注射でも誘発され得る。

動物および投薬 本研究では、3週齢の微生物学的に滅菌(無菌)で通常は定着させた特定の病原体がいない(SPF)C57Bl/6マウスを得る(Jackson Labs,メイン州ハーハーバー)。マウスは最初に4つのグループに分ける:1)特定の病原体がいないマウス;2)無菌マウス;3)4−EPを産生する操作された細菌株を定着させた無菌マウス、あるいは4−EPSを静脈内注射した無菌マウス;4)4−EPを産生しない操作された細菌株を定着させた無菌マウス。各グループをさらに、AB−2004製剤、生理食塩水(ネガティブコントロール)、B.fragilis(ポジティブコントロール)を投与するグループと、処置を行わないグループとに分ける。各試験品に、1日1回または各摂食時に経口投与する。試験品に5週間投与し、その後に行動試験を行う。一部のグループでは、行動試験前に投与を中断し、一部のグループでは、試験期間全体にわたって投与を継続する。

AB−2004製剤(AST−120、クレハ株式会社、日本)を食物または強制飼養で与え、B.fragilisを1.5%重炭酸ナトリウム溶液中1010cfuでリンゴソースプラグまたは強制飼養で投与し、生理食塩水を食物または強制飼養で投与する。AB−2004製剤は、8〜100mg/マウス/用量のレベルで初期投与し、必要に応じて用量を調整する。

行動試験 高架式「プラス」迷路試験では、プラス記号の形をした2つの交差要素を有し、1つの要素はエンクローズドされ、1つの要素は露出させられた装置に動物を配置する。不安の症状を有する動物は、不安のない動物に比べて、迷路の囲まれた領域でより多くの時間を費やす。本研究では、4−EP産生細菌を定着させてAB−2004で処置されたマウス、4−EP産生細菌を定着させてB.fragilisで処置されたマウス、および4−EP産生細菌を定着させていないマウス(特定の病原体がいないマウス、無菌マウスおよび4−EPを産生しない操作された菌株を定着させた無菌マウス)は、未処置のマウスまたは生理食塩水でモック処置された4−EP産生細菌を定着させたマウスと比べて、迷路の囲まれた領域で費やす時間が短く、これはAB−2004またはB.fragilis処置による不安症状の低下を示している。

明暗箱試験では、動物を箱に入れ、そのほとんどは照明され、動物がアクセスすることのできる小さな独立した暗いコンパートメントがある。不安の症状を示すマウスは、不安のない動物に比べて、箱の明るい領域で費やす時間が短い。本研究では、4−EP産生細菌を定着させてAB−2004で処置されたマウス、4−EP産生細菌を定着させてB.fragilisで処置されたマウス、および4−EP産生細菌を定着させていないマウス(特定の病原体がいないマウス、無菌マウスおよび4−EPを産生しない操作された菌株を定着させた無菌マウス)は、未処置のマウスまたは生理食塩水でモック処置された4−EP産生細菌を定着させたマウスと比べて、囲まれた領域で費やす時間が短く、これはAB−2004またはB.fragilis処置による不安症状の低下を示している。

オープンフィールド探索アッセイは、実施例15に記載している。本研究では、4−EP産生細菌を定着させてAB−2004で処置されたマウス、4−EP産生細菌を定着させてB.fragilisで処置されたマウス、および4−EP産生細菌を定着させていないマウス(特定の病原体がいないマウス、無菌マウスおよび4−EPを産生しない操作された菌株を定着させた無菌マウス)は、未処置のマウスまたは生理食塩水でモック処置された4−EP産生細菌を定着させたマウスと比べて、アリーナの中心への進入とそこで費やされる時間がより長く、これはAB−2004またはB.fragilis処置による不安症状の低下を示している。

非行動試験 IL−6、TNF−αなどを含む炎症誘発性マーカーのレベルは、屠殺後の組織で評価する。炎症誘発性マーカーのレベルの上昇は、未処置のマウスまたは生理食塩水でモック処置された4−EP産生細菌を定着させたマウスと比べて、4−EP産生細菌を定着させてAB−2004製剤で処置されたマウス、4−EP産生細菌を定着させてB.fragilisで処置されたマウス、および4−EP産生細菌を定着させていないマウス(特定の病原体がいないマウス、無菌マウスおよび4−EPを産生しない操作された菌株を定着させた無菌マウス)に見られ、これはAB−2004またはB.fragilis処置による炎症反応の低下を示している。

4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、インドールピルビン酸塩、セロトニン、3−ヒドロキシインドールおよびインドキシル硫酸塩を含む主要な微生物代謝産物の血清および尿レベルを、投与中および行動試験前に、隔離の初期指標として監視する。代謝産物レベルをさらに低下させるために、投与量を調整することができる。不安関連代謝産物のレベルの低下は、未処置のマウスまたは生理食塩水でモック処置された4−EP産生細菌を定着させたマウスと比べて、4−EP産生細菌を定着させてAB−2004製剤で処置されたマウス、4−EP産生細菌を定着させてB.fragilisで処置されたマウス、および4−EP産生細菌を定着させていないマウス(特定の病原体がいないマウス、無菌マウスおよび4−EPを産生しない操作された菌株を定着させた無菌マウス)に見られ、これはAB−2004またはB.fragilis処置による代謝産物レベルの低下を示している。

いくつかの実施形態では、プレボテーラ種(Prevotella species)、ビフィドバクテリア種(Bifido bacteria species)、パラバクテロイデス種(Parabacteriodes species)(例えば、P.メルダエ、P.ディスタソニス)、フィーカリバクテリウム種(Faecalibacterium species)(例えば、F.プラウスニッツィ)、ユーバクテリウム種(Eubacterium species)、コプロコッカス種(Coprococcus species)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosis)、バクテロイデス・カカエ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・オバツス(Bacteriodes ovatus)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ブルガータス(Bacteroides vulgatus)および/もしくはバクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組合せを含む細菌の接種剤が、B.fragilisに代えて投与される。

実施例21 4−エチルフェノール(4−EP)、p−クレゾール(PC)、3−ヒドロキシインドール、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレシル硫酸塩(PCS)および3−インドキシル硫酸塩を含む、本明細書に記載の微生物産生代謝産物(またはその宿主修飾体)に関連する1つ以上の腸内代謝産物を産生することが予め特徴付けけられた1つ以上の特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたノトバイオティックマウスで研究した。4−エチルフェノール(4−EP)、p−クレゾール(PC)、3−ヒドロキシインドール、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレシル硫酸塩(PCS)および3−インドキシル硫酸塩を含む、本明細書に記載の微生物産生代謝産物(またはその宿主修飾体)に関連する1つ以上の腸内代謝産物を隔離する材料、AB−2004の効果を、AB−2004をマウスフードに配合し、AB−2004を含まない対照食と並行して投与することにより調査したが、その他の点では同一であった。細菌叢およびAB−2004投与による有毒な微生物代謝産物の影響を、宿主から得られた血清、糞便および/または尿中の有毒な細菌代謝産物のレベルの評価、自閉症スペクトラム障害(ASD)のコア症状および非コア症状を表す反復的、社会的および不安様行動に及ぼす影響、ならびに腸管壁浸漏の尺度として胃腸バリアの完全性に及ぼす影響により決定した。

4週齢で、離乳後、ノトバイオティックマウスに特定の細菌株またはヒト糞便のいずれかを定着させた。5週齢で、マウスに8%(w/w)のAB−2004を含む食餌、またはAB−2004を含まない同一の食餌を与えた。糞便ホモジネートの希釈液を固形培地にプレーティングし、細菌株特異的マーカーを評価することにより、マウスの定着性を確認した。

ガラス玉覆い隠し試験 ガラス玉覆い隠し試験を使用して、ASDのコア症状である反復行動を評価した。Malkova et al.(Behav Immun.26(4):607−16(2012))により記載されたアッセイで、ガラス玉をケージ内の床敷の上に配置し、試験マウスをケージに入れ、試験期間中にマウスが埋めたガラス玉の数を測定した。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させた対照食餌でのマウスは、無菌ノトバイオティックマウスよりもかなり多くのガラス玉を埋め、それにより腸内細菌叢による有毒な細菌代謝産物産生に基づく反復行動が実証された。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスへのAB−2004の投与により、アッセイでのこの反復行動が正常化された。データは、4−EP、PC、3−ヒドロキシインドール、4−EPS、PCSおよび3−インドキシル硫酸塩を隔離する物質の投与が、一部のASD患者におけるASDのコア症状のうちの1つである反復行動を減らすのに有益であり得ることを示している。

高架式十字迷路試験 探索行動の高架式十字迷路(EPM)試験を使用して、一般行動と不安様行動を評価した。マウスに、共通の中央プラットフォームから伸びる2本のオープンアームと2本のクローズドアームで構成される高架式十字迷路を5分間探索させた。オープンアームの端部の周りの小さく盛り上がったヘリが、マウスが滑り落ちるのを防ぐのに役立った。オーバーヘッドビデオカメラを使用してセッションを記録し、Ethovisionソフトウェア(Noldus Information Technology、カリフォルニア州サクラメント)を使用してマウスの動きを分析した。迷路の閉じた比較的保護された部分で費やされた時間と、迷路の開いた比較的露出した部分を探索するのに費やされた時間とを不安の測定値として解釈する。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させた対照食餌でのマウスは、無菌ノトバイオティックマウスよりもEPMのクローズド部分に対してEPMのオープン部分で費やす時間がかなり少ない。それにより腸内細菌叢による有毒な細菌代謝産物産生に基づく不安様行動が実証された。AB−2004製剤の投与により、アッセイでのこれらの不安様行動が正常化された。不安はASDの一般的な非コア症状であり、これらのデータは、4−EP、PC、3−ヒドロキシインドール、4−EPS、PCSおよび3−インドキシル硫酸塩を隔離する物質の投与が、一部のASD患者における不安を減らすのに有益であり得ることを示している。

オープンフィールド試験 探索行動のオープンフィールド試験を使用して、一般行動と不安様行動を評価した。オープンフィールド試験では、マウスを50×50cmの白色プレキシガラスボックスで10分間探索させた。オーバーヘッドビデオカメラを使用してセッションを記録し、Ethovisionソフトウェア(Noldus Information Technology、カリフォルニア州サクラメント)を使用して、ボックスの壁区画に対して中央アリーナ(中央四方形、17×17cm)への移動距離、進入回数およびそこで費やされる時間を分析した。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させた対照食餌でのマウスは、アッセイで不安様の表現型を示し、無菌ノトバイオティックマウスと比較して、試験アリーナ内で費やす時間が短く、試験アリーナの中央を行き交い、壁区画に進入する頻度が高く、壁区画でより多くの時間を費やす。AB−2004製剤の投与により、アッセイでのこれらの不安様行動が正常化された。重要なことに、オープンフィールド試験での総移動距離はすべてのグループで類似しており、フィールドのオープン部分とクローズ部分の探索の違いは、試験中にマウスが移動した距離の違いによるものではないことを示唆している。EPMデータと一致して、これらのデータは、4−EP、PC、3−ヒドロキシインドール、4−EPS、PCSおよび3−インドキシル硫酸塩を隔離する物質の投与が、不安症状に悩んでいるASD患者の不安症状を緩和するのに有益であり得るという追加の証拠を提供する。

直接的な社会的相互作用 3チャンバーの社会的アプローチ試験を使用して、直接的な社会的相互作用を測定した。試験マウスを隣接する3つのチャンバーの中央チャンバーに配置し、隣接する末端チャンバーには新規のオブジェクトを配置し、他方の隣接する末端チャンバーには馴染みのないマウスを配置した。採点の開始前に、試験マウスを装置内で10分間馴化させた。試験マウスは、中央のチャンバーから隣接するそれぞれのチャンバーに開口部を通して通過することができた。試験はビデオで記録し、馴染みのないマウスがいるチャンバー内で試験マウスが費やした時間を手入力で記録した。馴染みのないマウスと過ごす時間が長いほど社交性が高いことを示すのに対し、馴染みのないマウスと過ごす時間が短いほど社交性が低いことを示し、自閉症スペクトラム障害のコア症状である社会的障害と一致している。

社会的相互作用の本試験では、有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させた雄マウスが、雄の無菌ノトバイオティックマウスよりもチャンバー内で別のマウスと費やした時間がかなり短くなった。AB−2004製剤の投与により、アッセイで観察された社会的行動の欠陥が正常化された。これらのデータは、4−EP、PC、3−ヒドロキシインドール、4−EPS、PCSおよび3−インドキシル硫酸塩を隔離するAB−2004などの物質の投与が、社会的障害などのASDのコア症状の改善に有益であり得ることを示している。

感覚ゲーティング プレパルス抑制(PPI)は、低強度の刺激が先行する場合に音響トーンに反応して驚愕反応を抑制する動物の能力を測定する。PPIの欠陥は、感覚運動ゲーティングの障害の尺度であり、自閉症を含むいくつかの神経発達障害で観察される。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスは、無菌ノトバイオティックマウスにおいて観察されたものと比較してPPI応答の低下を示す。AB−2004製剤の投与により、アッセイで観察された感覚ゲーティングの欠陥が正常化された。

社会的コミュニケーション行動 超音波発声は、様々なタイプやモチーフの呼出しが様々な社会的パラダイムで生成される、マウスによるコミュニケーションの測定に使用される。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスは、社会的遭遇に応じて生成される超音波発声の数と期間の減少により示されるように、コミュニケーションの欠陥を示す。AB−2004製剤の投与により、アッセイで観察された社会的コミュニケーション行動の欠陥が正常化された。

社会的相互作用行動 3チャンバー社会試験は、社会的相互作用におけるASD関連の障害を測定するのに使用される。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスは、社交性、または新規のオブジェクトよりも新規のマウスとの相互作用を好むことと、社会的選好、または馴染みのないマウスよりも馴染みのあるマウスとの相互作用を好むことの両方の欠陥を示す。AB−2004製剤の投与により、アッセイで観察された社会的相互作用行動の欠陥が正常化された。

胃腸バリア完全性 有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスは、ラクツロースもしくは高MW−PEG(1500もしくは4000kD)などの大きなサイズのオリゴ糖、および/またはマンニトール、L−ラムノースもしくは低MW−PEG(400kD)などの小さな糖、および/または51Cr−EDTAなどの他の難消化性プローブを経口投与することにより、腸管壁浸漏症状についても試験する。尿、血液および/または糞便試料を採集し、そのような分子の存在について監視し、この場合、尿中の試験分子の存在は、腸管壁浸漏の徴候となる。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスは、経口投与後の尿中に、かなりの量のラクツロース、高MW−PEG(1500もしくは4000kD)、小さな糖、マンニトール、L−ラムノース、低MW−PEG(400kD)、51Cr−EDTAおよび/または他の難消化性プローブを示す。AB−2004製剤の投与により、上昇した尿中レベルのラクツロース、高MW−PEG(1500もしくは4000kD)、小さな糖、マンニトール、L−ラムノース、低MW−PEG(400kD)、51Cr−EDTAおよび/または他の難消化性プローブのうちの1つ以上が正常化され、これは腸管壁浸漏の補正を示している。

血清、尿および糞便 4−エチルフェノール(4−EP)、p−クレゾール(PC)、3−ヒドロキシインドール、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレシル硫酸塩(PCS)、3−インドキシル硫酸塩、インドールピルビン酸塩および/またはセロトニンを含む主要な微生物代謝産物のレベルを、隔離の指標として監視した。代謝産物レベルをさらに低下させるために、投与量を調整することができる。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスでは、AB−2004による処置が、これらの標的代謝産物の1つ以上のレベルを低下させた。

本明細書における実質的に任意の複数および/または単数の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切なように、複数から単数および/または単数から複数へと言い替えることができる。本明細書では、明確にするために、様々な単数/複数の順列を明示的に説明することができる。

一般に、本明細書および特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般に「オープン」用語(例えば、「含む(including)」という用語は、「〜を含むがこれ(ら)に限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は、「〜を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、「〜を含むがこれ(ら)に限定されない(includes but is not limited to)」などと解釈されるべきである)を意図すると当業者に理解されよう。さらに、特定の数の導入されたクレーム記載が意図される場合、そのような意図はクレームに明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことを当業者に理解されよう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲には、クレーム記載を導入するための「少なくとも1つ」および「1つ以上」の導入句の使用を含めることができる。しかしながら、そのような句の使用は、同じクレームに「1つ以上」または「少なくとも1つ」の導入句および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する解釈されるべきである)が含まれる場合でも、不定冠詞「a」または「an」によるクレーム記載の導入が、そのような導入されたクレーム記載を含む任意の特定のクレームを、そのような記載を1つだけ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではない;クレーム記載を導入するのに使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。さらに、特定の数の導入されたクレーム記載が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが当業者に認識されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載の」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびCなどの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、BおよびCの少なくとも1つを有するシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、BおよびCを共に、などを有するシステムが含まれるが、これらに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、A、BまたはCの少なくとも1つを有するシステムには、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、BおよびCを共に、などを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。さらに、2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲または図面のどこにあっても、当該用語の一方、当該用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者に理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」もしくは「B」または「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。

加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループにより説明される場合、当業者には、それにより本開示がまたマーカッシュグループの任意の個別のメンバーまたはメンバーのサブグループにより説明されることが理解されよう。

当業者により理解されるように、文書での説明を用いるなど、あらゆる目的のために、本明細書で開示されたすべての範囲は、そのあらゆる可能な部分範囲および部分範囲の組合せも包含するものである。列挙されたいずれの範囲も、同じ範囲が少なくとも等しい半分、1/3、1/4、1/5、1/10などに分割されることを十分に説明し可能にしていると容易に理解され得る。非限定的な例として、本明細書で述べられる各範囲は、下位の1/3、中間の1/3、上位の1/3などに容易に分割されることができる。また、当業者により理解されるように、「までの」、「少なくとも」などのすべての用語は記載された数を含み、上述のように続いて部分範囲に分割されることができる範囲を指す。最後に、当業者により理解されるように、1つの範囲は各個別の要素を含む。したがって、例えば、1〜3個の項目を有する群は、1、2または3個の項目を有する群を指す。同様に1〜5個の項目を有する群は、1、2、3、4または5個の項目を有する群を指すなどとなる。

本明細書では様々な態様および実施形態が開示されているが、他の態様および実施形態が当業者には明らかであろう。本明細書で開示される様々な態様および実施形態は、例示を目的としており、限定することを意図するものではなく、実際の範囲および趣旨は添付の特許請求の範囲により示される。

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