专利汇可以提供Gramineous plant and transduction of symbiotic fungus into gramineous plant专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To obtain a gramineous plant excellent in insect resistance, disease resistance and environmental stress resistance, by separating a symbiotic fungus comprising a filamentous fungus associating with a plant, artificially breeding it, artificially inoculating the fungus into a gramineous plant, to infect the plant with the fungus and efficiently transducing the symbiotic fungus into the gramineous plant. CONSTITUTION: A symbiotic fungus which comprises a filamentous fungus associating with a plant, produces an insect-resistant indole alkaloid and is Acremonium sp., Po-001, Acremonium sp. M-004 or Acremonium sp. M-002 (respectively FERM P-14,798, FERM P-14,799 or FERM P-14,800) is separated and artificially bred. The artificially bred symbiotic fungus is artificially inoculated into a gramineous plant such as Agropyron, etc. The artificially inoculated symbiotic fungus is associated with the gramineous plant and the gramineous plant is infected with the symbiotic fungus to transduce the symbiotic fungus into the gramineous plant.,下面是Gramineous plant and transduction of symbiotic fungus into gramineous plant专利的具体信息内容。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は共生菌を人為的に導入して成るイネ科植物、およびイネ科植物への共生菌の導入方法に関する。 なおここで共生菌は糸状菌から成るものであって、以降エンドファイトと称する。
【0002】
【従来の技術】イネ科植物について、従来から行なわれている育種、栽培方法としては、人工交配法、選抜法、
突然変異法、細胞融合法、遺伝子導入法等が存在する。
近年のバイオテクノロジーの進展によって、これまで1
0年以上要した育種期間は数年に短縮されてきている。
とくに形質転換技術である遺伝子導入法は、アグロバクテリウムによる方法、エレクトロポレーション法、パーティクルガン法等が存在し、多くの作物への応用が実施されている。
【0003】しかし主要穀物が含まれるイネ科においては、上記の遺伝子導入法は効率が非常に低いことが指摘されている。 アグロバクテリウム法では、イネ科植物へのアグロバクテリウムの感染が困難なために、遺伝子導入が非常に難しい。 またエレクトロポレーション法では、イネ科植物のプロトプラストからの再生系の開発が必須であり、再生が可能であったとしても、培養変異等によって、本来の植物の形質を損うことが知られている。
【0004】またパーティクルガン法は、遺伝子をランダムに植物体または培養物に導入するために、与えられた植物がキメラになる場合が多いことが知られている。
【0005】イネ科植物において、細胞融合や遺伝子導入を含む細胞育種法は、煩雑な操作を必要とし、その効率も低いために、実用レベルでの開発に成功した例は非常に少ない。
【0006】ところで自然界に存在する野生の植物の中には、内部共生菌である糸状菌、すなわちエンドファイトが共生している植物が存在する。 植物体の組織中に、
とくに細胞間隙と呼ばれる細胞と細胞との間の間隙で生育している。
【0007】このようなエンドファイトは共生する糸状菌であって、宿主の植物に対して悪影響を及ぼさないばかりか、宿主植物に対して有用な物質を提供し、環境ストレスに対して抵抗性を有する植物を提供するこに貢献している。
【0008】すなわちエンドファイトは共生している植物の耐虫性(Siegelら、1987 Ann.Re
v. Phytopathol、25:293−31
5)、耐病性(Gwinn and Gavin、19
92 Plant Disease 76:911−9
14)、環境ストレス(乾燥等)耐性(Arachev
altaら、1989 Agron. J. 81:8
3−90)、生長促進(Latchら、1985 N.
Z. J. Agric. Res. 28:165−1
68)等を向上させることが公知となっている。 とくにエンドファイトが感染したペレニアルライグラスにおいては、このエンドファイトが生産する忌避物質やアルカロイドによって耐虫性が向上することが知られている。
【0009】またニュージーランドのライチ(Latc
h)らは、ペレニアルライグラスのエンドファイトを収集調査し、家畜に対して毒性が少なく耐虫性に優れたエンドセーフと呼ばれているエンドファイトの探索を試みている。
【0010】しかしこのようなエンドファイトが共生している多くの植物は、有用性に乏しい野生植物であって、エンドファイトの有効性を有用なイネ科植物に導入する必要性が生じている。 そこで主要牧草であるペレニアルライグラスへのエンドファイトの導入がこれまで試みられてきた。 その技術は人工交配法と人工接種法とに大別される。
【0011】人工交配法は、エンドファイトに感染している植物を母親として有用形質を花粉によって導入する方法であるが、従来の方法においては交配の可能な種間、品質間の導入に限定されている。 また人工接種法では、植物体や培養組織に分離培養したエンドファイトを接種感染させる方法である。
【0012】人工接種法は、人工交配法と比較すると、
導入の範囲が拡大されるが、しかしエンドファイトの栽培法、接種時の条件、植物体の条件等の手法的な問題から、ペレニアルライグラスに限定されていた。 また感染効率を向上させるために接種する植物体側の組織にカルスを利用する方法が報告されている。 この手法によれば、カルスからの植物体の再生系の開発が要求されるために、やはりペレニアルライグラスへの導入例に止まっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の細胞育種法においては、煩雑な操作と熟練とを要する一方、形質転換や細胞融合によれば、培養変異等の理由によって、導入形質または導入形質以外の形質に影響を及ぼすために、実用化が困難であった。
【0014】また遺伝子導入法において、遺伝子導入に際し、植物の形質や形態に及ぼす遺伝子が解明されていない場合には、それらの形質を導入することが不可能であった。
【0015】とくに環境ストレス等の複雑な要因に関連する形質は、遺伝子導入法等の手法では、導入することができなかった。 また細胞育種法等によって作出された植物は、多くの場合に種子稔性の低下が認められている。 これはイネ科植物において、種子稔性の低下が収量の低下を招くために致命的な欠陥になる。
【0016】このような現状に鑑みて、エンドファイトを利用した育種法、あるいは形質の改善は、上記の問題を解決するための全く新しい手法である。
【0017】エンドファイトの植物への導入において、
人工交配による方法では、宿主の植物が交配可能な範囲に限定され、一般的には種内の導入に止まざるを得ない。 またエンドファイト側の親(母親)の不要な形質が後代に導入されるために、必ずしも有用な植物になるとは限らない。
【0018】また人工接種法においては、エンドファイトの探索、培養系の検討等から、ペレニアルライグラスに限定されており、他の有用なイネ科植物への応用が全くなされていない。 さらにカルス接種法においては、導入植物の再生系の開発が不可欠である。 また接種時においても、エンドファイトの感染効率を向上させる接種条件が開発されていない。
【0019】エンドファイトの種類において、現在有用なエンドファイトは、ペレニアルライグラス、トールフェスク、メドウフェスクからしか探索されておらず、導入の大きな障害となっている。 とくにこれらのエンドファイトは外来の種であり、日本に在来の植物から、日本の環境に適応したエンドファイトはこれまで発見されていない。
【0020】
【発明の目的】本発明はエンドファイトに感染していないイネ科植物にエンドファイト、とくに耐虫性インドールアルカロイドを生産するエンドファイトを人為的に導入して成るイネ科植物、および該エンドファイトを人工的にイネ科植物に導入する方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、糸状菌から成る共生菌、すなわちエンドファイトに感染しておらず、
あるいはまた感染されたエンドファイトが除去された植物にエンドファイトを人為的に導入して成るイネ科植物に関するものである。 ここでイネ科植物に人為的に導入されるエンドファイトは耐虫性インドールアルカロイドを生産する共生菌である。 なお耐虫性とともに、耐病性、乾燥等の環境ストレス耐性、生長促進性等の性質を有するエンドファイトであることを妨げない。
【0022】このようなエンドファイトは、自然界に生育する植物中に共生するエンドファイトを探索して発見するとともに、少なくとも耐虫性の検定を行ない、検定によって耐虫性が確認されたものを人為的に導入する。
エンドファイトが存在する植物は、自然界に、カヤツリグサ科、イグサ科等に存在することが知られている。
【0023】発明者らによって探索培養されたエンドファイトであって、Acremonium sp. Po
−001、Acremonium sp. M−00
4、またはAcremonium sp. M−002
(生工研寄託菌FERM P−14798、FERM
P−14799、およびFERM P−14800)は何れも耐虫性インドールアルカロイドを生産する共生菌であって、イネ科植物に導入して共生させることができるエンドファイトである。
【0024】またこのようなエンドファイトが導入される植物として、イネ科植物であってしかも有用な植物である次のような植物であってよい。 すなわち、Agro
pyron、Agrostis、Andropogo
n、Anthoxanthum、Arrhenathe
rum、Avena、Brachypodium、Br
omus、Chloris、Cynodon、Dact
ylis、Elymus、Eragrostis、Gl
yceria、Hierochloe、Hordeu
m、Oryza、Panicum、Paspalum、
Phalaris、Phleum、Poa、Setar
ia、Sorghum、Triticum、Zea、Z
oysiaの何れかの属の植物であってよい。 すなわち本発明に係るイネ科植物はこのような属に属するイネ科の植物であって、エンドファイトが人為的に導入されたイネ科植物に関するものである。 ここではその後代も含まれるものである。
【0025】このようなエンドファイトが人為的に導入されるイネ科植物に既にエンドファイトが共生している場合には、そのエンドファイトを除去するとともに、その後に上記の耐虫性インドールアルカロイドを生産するエンドファイト導入させることになる。
【0026】次にイネ科植物への共生菌、すなわちエンドファイトの導入方法について説明すると、この方法は自然界等に存在する植物に共生しているエンドファイトを分離して人工増殖を行ない、人工増殖されたエンドファイトをイネ科植物に人工接種する。 そして接種されたエンドファイトをイネ科植物に共生させて感染させることによりイネ科植物へのエンドファイトの導入が行なわれる。
【0027】ここでエンドファイトを人工接種する工程において、とくにエンドファイトの分生子を用いるようにしてよい。 また生工研に寄託されている上記のエンドファイトの何れかを人工接種するようにしてよい。 またイネ科植物に対するエンドファイトの導入は、必ずしも1種類のエンドファイトである必要はなく、2種類以上のエンドファイトを導入してもよい。
【0028】このようなエンドファイトの導入方法をさらに詳細に説明する。
【0029】段階1 エンドファイトの存在の有無と分離工程 (1)エンドファイトの検出工程 探索等によって採取した植物の葉および葉鞘部分の表皮を剥ぎ、アニリンブリー染色液にて染色し、組織内のエンドファイトを光学顕微鏡下にて検出し、エンドファイトの存在の有無を確認する。
【0030】(2)エンドファイトの分離・培養工程 エンドファイトが確認された植物片を滅菌処理後、エンドファイト分離培地へ置床し、数ケ月間培養を行なう。
【0031】(3)エンドファイトの分離工程 分離されたエンドファイトを宿主によって分類する。 あるいはまた平板培養法を用いて環境条件を変化させた状態で培養を行ない、形態的な部分で分類する。 また液体培養を行ない、形態的な部分で分類する。 またスライドカルチャーを行ない、形態的な部分で分類する。 またP
CR法を用いて、DNAレベルでの分類を行なう。
【0032】段階2 アルカロイドの分析工程 菌単体もしくは植物体との共生下において、エンドファイトから生産されるアルカロイドを分析し、とくに耐虫性の確認を行なう。 なおこのときに併せて耐病性、環境ストレス耐性、生長促進性等についての分析を行なうことを妨げない。
【0033】段階3 エンドファイトの導入工程 分離したエンドファイトを目的あるいは対象とするイネ科植物へ人工的に導入する。 導入に当って対象となる植物に既にエンドファイトが存在する場合には、除去処理を予め行なう。 エンドファイトの導入方法は、植物体に直接接種する方法と、植物体を1度カルス等の未分化の細胞にした後に接種し、カルスから植物体を再生させる方法がある。 これらはエンドファイトの導入の対象となる植物の種類に応じて任意に選択されてよい。
【0034】段階4 導入確認工程 エンドファイトを導入した個体は、外植片を染色液で染色し、光学顕微鏡下において顕境し、さらに酵素免疫測定法を用いてエンドファイトの存在あるいは感染の有無を検出する。
【0035】段階5 エンドファイトおよびエンドファイト導入植物の検定工程 (1)拮抗作用検定工程 in Vitroで対象となる病原菌に対して平板培養法にて対峙培養を行なう。
【0036】(2)耐虫性検定工程 エンドファイトを導入して共生させた植物と、エンドファイトが存在しないかエンドファイトが除去された植物等を用い、虫害の対象となる昆虫を飼育し、人工的に食害試験を行なう。 同時に自然発生による食害の調査をも行なう。
【0037】(3)耐病性検定工程 エンドファイトを導入した植物と、エンドファイトが存在しないか除去された植物とを用い、病害の対象となる病原菌を用い、2種類の植物に対して人為的に病原菌の接種を行なって発病の程度により、病害抵抗性検定を行なう。 同時に自然発生による病害について調査を行なう。
【0038】(4)環境ストレス抵抗性検定工程 エンドファイトを導入した植物とエンドファイトが存在しないかエンドファイトを除去した植物とを用い、人工的に環境条件を変化させ、乾燥などの環境ストレスに対する抵抗性を調査する。
【0039】(5)線虫抵抗性検定工程 エンドファイトを導入した植物と、エンドファイトが存在しないかエンドファイトを除去した植物を用い、線虫による被害の程度を調査する。
【0040】(6)生育量調査工程 エンドファイトを導入した植物とエンドファイトが存在しないかエンドファイトを除去した植物を用い、同一環境条件下での生育量の差を測定する。
【0041】(7)後代を用いた検定工程 エンドファイトが存在する種子を採集し、発芽させ、エンドファイトの存在を確認後、上述の各検定を行なう。
【0042】
(1)エンドファイトの検出 野生イネ科植物であって自生するAgrostis属、
Poa属、Phleum pratenseの種子を播種し、発芽120日以上経過した植物体から次の方法でエンドファイトの検出を行なった。
【0043】上記のそれぞれの植物の葉および葉鞘部分の表皮を剥ぎ、光学顕微鏡下において組織内のエンドファイトの有無の確認を行なった。 この確認はスライドガラスに、乳酸5ml、グリセリン10ml、水5ml、
アニリンブルー水溶液0.02gの染色液を数滴滴下する。 そして葉鞘部分を剥がし、裏面表皮をピンセットで葉脈方向に向って剥いだ。 剥ぎ取った表皮をスライドガラスの上に置き、カバーガラスで覆い、ガスバーナの炎で沸騰させ、光学顕微鏡下において組織を観察した。 この条件でエンドファイトが存在すれば菌糸が青色に呈色するために、これによってエンドファイトの検出が行なわれる。
【0044】図1に示す写真はAgrostis属に共生するエンドファイトであって後述するAcremon
ium sp. M−004(寄託番号FERM P−
14799)を光学顕微鏡によって拡大して観察した写真である。
【0045】(2)エンドファイトの分離 上記の(1)項でエンドファイトが確認されたAgro
stis属、Poa属、Phleum pratens
eの植物体から以下の方法でエンドファイトの分離を行なった。
【0046】植物体からのエンドファイトの分離は、葉および葉鞘部分を水洗後、70%エタノール水溶液に1
0秒間浸漬し、次に2.5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬した後、滅菌水で3回洗浄し、エンドファイト分離培地上に置床し、25℃暗条件下で培養を行なった。
【0047】分離培地は、pH5.6に調整したPDA
(ポテト デキストロース アガー)培地を121℃、
15分で滅菌後、さらに必要であれば100mg/lのカナマイシン硫酸塩を添加し、直径9cmのプラスチックシャーレに20mlずつ分注して使用した。
【0048】置床後約3〜8週間後に外植片から菌糸が分離され、形成されたコロニーを直径が5mmのコルクボーラにて取出し、同PDA培地に移植して増殖を行なった。
【0049】(3)平板培養法による菌叢でのエンドファイトの分類同定 PDA培地へ移植した菌糸は、25℃の暗条件下において培養し、形成される菌叢を調査した。 調査の結果、A
grostis属より分離したエンドファイトは形成された菌叢から3種類のタイプに分類された。 すなわち表面が白色でわた状のコロニーがドーム状に隆起していくタイプ(001)、中央が褐色の粘土状で、外周が白色でわた状のコロニーで培地中に淡白色の物質を拡散しながら増殖し、3種類の中でも増殖が非常に遅いタイプ(002)、さらに前者の中で白色・わた状のコロニーが初めややドーム状に隆起した後、偏平に広がっていくタイプ(004)の3種類であった。
【0050】これらの内PCRを用いたDNAの分析結果から、001と004は同一のものと判断し、Agr
ostis属からは2種類のエンドファイトが分離された。
【0051】Poa属からは1種類のエンドファイトが分離された。 培地上での菌叢は、わた状で黄白色のコロニーを形成していた。
【0052】Phleum pratenseからは1
種類のエンドファイトEpichloё typhin
a(以下E.typhinaという)が分離された。 菌叢は表面が白色で、菌糸は一部束になり、中央からS字を描くように増殖し、分離されたエンドファイトの中で最も増殖が良好であった。
【0053】これらの内Agrostis属より分離した002、004、Poa属より分離したエンドファイトを工業技術院生命工学工業技術研究所へ寄託を行なった。 菌の表示および受託番号は以下に示す通りである。
【0054】Agrostis属より分離したエンドファイト002 Acremonium sp. M−0
02 FERM P−14800 Agrostis属より分離したエンドファイト004
Acremonium sp. M−004 FER
M P−14799 Poa属より分離したエンドファイト Acremon
ium sp. Po−001 FERM P−1479
8 (4)温度による増殖の差 寄託を行なった上記のエンドファイトおよびE. typ
hinaを25℃の暗条件下のPDA培地で2ケ月間培養後、コロニーを直径が5mmのコルクボーラで取出し、PDA培地およびCMA(コーンミールアガー)培地へ移植し、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、
および30℃の温度条件下でそれぞれ2ケ月間培養し、
温度差による菌叢の変化を調査した。 なお条件は総て暗条件下において行なった。
【0055】この結果、総てのエンドファイトは25℃
で最も良好な増殖を示し、30℃の高温下でも比較的良好な増殖を示した。 また5℃以下ではコロニーはほとんど形成されなかった。
【0056】(5)液体増殖培養 FERM P−14798、FERM P−1479
9、FERM P−14800、E. typhinaを25℃暗条件下においてPDA培地で2ケ月間培養後、
コロニーを直径が5mmのコルクボーラで取出し、30
0mlの振とうフラスコにPD(ポテト デキストロース ブロース)培地を100ml入れ、121℃で15
分間滅菌したものに各フラスコに1個ずつ入れ、25℃
で150r. p. m. の往復振とうを行なった。
【0057】この結果総ての菌は1ケ月間でフラスコ一杯に増殖した。 さらにここから1mlずつ取出し、フレッシュなPD培地へ継代し、同条件で培養したところ、
FERM P−14800で培養4日目から分生子を形成し、その形成量は5〜10日でピークに達した。
【0058】(6)スライドカルチャーによる菌糸の状態 スライドガラス上に厚さが2〜3mmのPDA培地を載せ、その上で菌糸を増殖させて菌糸の形態と分生子の形成を調査した。 なおこの培養は25℃、暗条件下において行なった。
【0059】この結果FERM P−14798、FE
RM P−14799、E. typhinaのエンドファイトの菌糸は皆ほぼ直線状に伸長し、しばしば束状集塊を形成しながら増殖するのが確認された。 図2に示す写真はPDA培地上で増殖されたFERM P−147
99の菌糸の顕微鏡写真である。 これに対してFERM
P−14800のエンドファイトは、菌糸が激しく波状にうねりながら伸長し、しばしば束状集塊を形成し、
さらにはそれらがS字状に描くように増殖するのが確認された。
【0060】菌糸は総て無色であって、幅が1〜2μm
で総てに隔壁が観察された。 分生子は、総てのエンドファイトで容易に形成することが可能であった。
【0061】分生子は菌糸の先端あるいは側面より直立した単生のフィアライドの先端に形成され、ほとんどが単生の分生子であった。 図3に示す写真はPDA培地上で形成されたFERM P−14799の菌糸の分生子の顕微鏡写真である。
【0062】分生子の色は総て無色で、細胞数も1細胞性であった。 分生子の形状は、E. typhinaでやや楕円形のものが観察されたものの、ほとんどが腎臓形の形状をなし、大きさは3〜8×1〜3μmであった。
また形成されたフィアライドは総て円筒形で先端に行くに従って細くなり、隔壁により菌糸から区切られていた。
【0063】(7)熱処理によるエンドファイトの除去 エンドファイトが存在する種子から熱処理によってエンドファイトを除去する操作を次のようにして行なった。
【0064】1mlのエッペンドルフチューブに水1m
lを注入し、ドライブロックにて57℃に保温した。 種子をエッペンに10粒ずつ入れ、57℃で5分間処理を行なった。 そして処理後直ちに水に移して冷却した。
【0065】次に必要であれば35℃硫酸で3時間処理した後、70%エタノール水溶液に10秒間浸漬し、次に2.5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬した後、滅菌水で3回洗浄して風乾した。
【0066】(8)酵素免疫測定法(ELISA)によるエンドファイトの検出 種子や植物片から次のような方法によってエンドファイトの検出を行なった。
【0067】植物の外植片の生重量0.5gに緩衝液を入れ、乳鉢で磨砕し、抽出液を得た。 50μlの抽出液をマイクロプレートのウェルへ入れ、室温において30
分間吸着させた。 そして未結合の抗原を洗浄した。
【0068】ウェル内をブロッキング液(3%脱脂粉乳溶液)で満たし、30分後に洗浄した。 また抗エンドファイトのウサギ抗血清(1次抗体)をウェルに加え、室温で60分間反応させた。 そして未結合の抗体を洗浄した。
【0069】希釈した2次抗体(アルカリホスファターゼ標識したヤギ抗ウサギIgG抗体)をウェルに加え、
室温で60分間反応した。 未結合の抗体を洗浄した。 この後基質溶液にウェルを加え、アルカリホスファターゼ反応を起させた。 そして0.5NのNaOHで反応を停止し、405nmで吸光度を測定した。 この結果エンドファイトが存在する種子および植物体には呈色反応があったが、エンドファイト存在しない種子および植物体からは反応が見られなかった。
【0070】(9)植物体を用いた人工接種 分離したエンドファイトの内、FERM P−1479
8、FERM P−14799、FERM P−148
00を用いてサンプルとする種物へ人工接種を行なった。 なおエンドファイトが存在する植物の種子は予め(7)項の方法によってエンドファイトを除去し、一部を(8)項の検出方法で確認した後使用した。
【0071】またここで用いられたサンプルの植物は次の通りである。
【0072】Agrostis属 Agrostis
sp. 、A. stolonifera、A. giga
ntia、A. tenuis Poa属 Poa sp. 、P. pratense 上述のエンドファイトは(5)項の方法によって増殖した後フレッシュなPD培地へ移植し、同条件下で5〜1
2日間培養したものを用いた。 接種はMS(Muras
hige−skoog)培地に3.0%シュークロスと0.7%ゲランガムを加えたMS基本培地において発芽させ、1〜2週間後に植物体もしくは長期培養しているものはランナーおよび分げつ株をメスで切断し、(5)
項で液体培養した菌糸を1ml滴下した。
【0073】これらを25℃および30℃の暗条件下で数週間培養した後、16時間照明下に移すかあるいは直ちに16時間照明下に移して培養し、緑色に生長してきた個体を同組成の培地に移植して1ケ月間培養した。
【0074】それらの個体に対して、(1)項と(8)
項の方法を用いてエンドファイトの導入を確認した結果、FERM P−14798、FERM P−147
99、FERM P−14800は総て植物への導入が確認された。
【0075】また感染効率は25℃よりも30℃の方が明らかに高かった。
【0076】(10)カルスを用いた人工接種 Agrostis属の植物体のカルスの誘導を行なった。 材料としてAgrostis sp. 、A. sto
loniferaを使用し、MS基本培地にAgros
tis sp. 、A. stoloniferaについては2.0mg/lのPIC(ピクロラム)と0.2mg
/lのBAP(6−ベンジルアミノプリン)を添加し、
カルス誘導培地とした。
【0077】MS培地において発芽直後の種子を各カルス誘導培地へ移植し、25℃の暗条件下において2ケ月間培養することにより、再分化能を有するカルスを得た。 なおAgrostis sp. は(7)項の方法を用いて予め感染しているエンドファイトの除去処理を行なった種子を使用した。
【0078】FERM P−14799、FERM P
−14800を用いてAgrostis sp. 、A.
stoloniferaのカルスを利用した人工接種を行なった。 各カルスは上述の誘導培地で誘導したものであって、得られたカルスを植物ホルモン無添加のMS基本培地移植した。
【0079】移植後直ちにカルスをメスで切傷し、
(5)項で増殖させた菌糸を1カルス当り50μl滴下した。 またAgrostis sp. についてはFER
M P−14799とFERM P−14800の2種類のエンドファイトの導入を行なった。
【0080】カルスは25℃および30℃の暗条件下で数週間培養した後に、16時間照明下に移すかあるいは直ちに16時間照明下に移して培養し、再生してできた個体をフレッシュなMS培地に移植し、1ケ月間培養した。 これらの(1)項と(8)項の方法を用いてエンドファイトの導入を確認した結果、FERM P−147
99、FERM P−14800の総てについて菌糸の着色および呈色反応を示し、エンドファイトの導入が確認された。
【0081】また感染効率は25℃より30℃の方が高く、明らかに有意な差であった。 また(9)項の植物体に直接導入する方法と比較しても、感染効率が高かった。
【0082】またFERM P−14799とFERM
P−14800の2種類のエンドファイトの導入を行なって得られた個体の表面に付着したエンドファイトを完全に除去し、(2)項の方法と同様の方法によって分離を行なった結果、FERMP−14799およびFE
RM P−14800の双方のエンドファイトが同一の外植片から分離され、複数のエンドファイトの導入が可能になっている。
【0083】(11)分生子の大量生産 液体培地で分生子の形成が確認されるFERM P−1
4800を用い、分生子の大量生産を行なった。 FER
M P−14800を(5)項と同様の方法によって培養し、フレッシュなPD培地に移植し、分生子の形成能がピークに達する5〜10日後に培養液を20ml取出し、20μmのメッシュを2枚重ねしたもので不要な菌糸を除去し、ろ液を10mlの遠沈管に入れて1000
r. p. m. で10分間遠心分離した。 遠心分離後の上清みを捨てて1mlのPD培地を添加し、分生子懸濁液を得た。
【0084】(12)分生子を用いた接種法 FERM P−14800の分生子懸濁液を(11)項のカルス接種法を用いて、Agrostis sp. 、
A. stoloniferaに人工接種を行なった。 得られた個体を(1)項と(8)項の方法で検定した結果、Agrostis sp. 、A. stolonif
eraともに高頻度にエンドファイト導入個体が確認され、それは菌糸を用いた接触法である(10)項の方法と比較しても有意な差であった。
【0085】(13)対峙培養 FERM P−14799、FERM P−14800
を用い、平板培養条件下において対峙培養を行なった。
対象となる病原菌には、Rhizoctonia so
lani、Gaeumannomyces grami
nis、Sclerotinia homoeocar
pa、Curvularia sp. 、Helmint
hosporium sp. を用いた。
【0086】対峙培養の方法は、直系が9cmの減菌シャーレにPDA培地を入れ、シャーレ中央に直系が5m
mのコルクボーラで抜いたエンドファイトコロニーを1
つ植付け、1ケ月間培養後にコロニー中央から半径3c
mのところに同病原菌のコロニーを植付け、25℃の暗条件下で3週間培養した。
【0087】この結果、FERM P−14799およびFERM P−14800の何れについても、総ての菌に対して一時的に菌の伸長を阻害し、中でもFERM
P−14800に関しては、Rhizoctonia
solani、Curvularia sp. に対して強い拮抗作用を示した。
【0088】(14)植物体からのアルカロイド分析 エンドファイトが存在する試料として、FERM P−
14800をAgrostis sp. に導入した個体MI−14800と、エンドファイトを除去したAgr
ostis sp. の個体MFとを用い、以下の方法でアルカロイドの分析を行なった。
【0089】上記のそれぞれの試料の植物の葉および葉鞘部分を凍結乾燥後、100mgをサンプルとして乳鉢に入れて磨砕し、メタノールとクロロホルムを各1.5
mlずつ加えて混合し、遠沈管へ回収した。 そして18
℃で30分間ゆっくり混合し、n−ヘキサンと水を3m
lずつ加え、30分間撹拌した。 2000r. p. m.
で10分間遠心処理した後、有機層と水層と分取した。
【0090】分取した水層部分は3mlをBioRad
AG2×8とAnalytichem Bond E
lut CBA のカラムで精製し、濃縮後80%メタノールを100μl添加し、メルクのシリカゲル60を使用した薄層プレートに各サンプルを20μlずつ滴下し、展開溶媒として、クロロホルム:メタノール:酢酸:水を20:10:1:1の割合で混合したものを使用し、展開した後にTLC(薄層クロマトグラフ)法により分析を行なった。
【0091】有機層部分は1mlのエッペンドルフチューブにサンプルを200μlで、遠心エバポレータにて一度溶媒を完全に蒸散させた後に、クロロホルムを20
0μl添加し、ペレットを溶解した。 そして2%酒石酸を150μl添加し、10〜15分間混合した。 この後に10000r. p. m. で3分間遠心し、4MのNa
OHでpHをを9〜10に調整した。 そしてクロロホルムを200μl添加し、10〜15分間混合した。 そしてこの後に1000r. p. m. で3分間遠心分離した。
【0092】クロロホルム層を分取し、濃縮した後に薄層プレートにはメルクのシリカゲル60を使用し、各サンプルを20μlずつ添加し、展開溶媒としてクロロホルム:メタノールを9:1の割合で混合したものを使用し、TLC法によって分析を行なった。
【0093】水層および有機層の抽出物は、展開後、U
Vで確認し、Ehrlich試薬(p−ジメチルベンズアルデヒド1.0gを96%エタノールに溶解したもの)Dragendorff試薬を用い、呈色反応とR
f値を測定した。
【0094】この結果MI−14800の水層抽出物はUV下でRf0.43に反応があり、Ehrlich試薬を用いた場合には青紫色のスポットが、Dragen
dorff試薬を用いた場合には、オレンジ色のスポットが同様の位置に確認され、試薬による呈色反応とRf
値とからこれがインドールアルカロイドであることを確認した。
【0095】また有機層抽出物は、UV下でRf0.3
0、0.37、0.52、0.58の4つのスポットに反応があり、Ehrlich試薬を用いた場合に、青紫色のスポットが、Dragendorff試薬を用いた場合にオレンジ色のスポットが同様の位置に確認され、
試薬による呈色反応とRf値とからこれらがインドールアルカロイドであることを確認した。 しかしエンドファイトの存在しないMFでは、Ehrlich試薬、Dr
agendorff試薬を用いた場合に、水層、有機層ともに呈色反応は見られず、これらのインドールアルカロイドは、菌単体もしくは植物との共生下でのみ生産されものであることが確認された。
【0096】(15)シバツトガに対する抵抗性検定 エンドファイトが存在する植物とエンドファイトが存在しない植物を用い、シバツトガに対する抵抗性検定を行なった。 検定の試料として、エンドファイトが存在するものは、FERM P−14800をAgrostis
sp. に導入した個体MI−14800と、FERM
P−14799をAgrostissp. に導入した個体MI−14799と、実生するAgrostis
sp. より得た実生個体MWと、FERM P−148
00をAgrostis stoloniferaに導入した個体PCI−14800と、FERM P−14
799をAgrostis stoloniferaに導入した個体PCI−14799とを用いた。
【0097】これに対してエンドファイトが存在しない試料として、エンドファイトを除去したAgrosti
s sp. の個体MFと、同じくエンドファイトを除去したAgrostis stoloniferaの実生個体PCとを用いた。
【0098】材料の調整を以下の方法によって行なった。 MWおよびPCは種子を70%エタノール水溶液で10秒間浸漬し、次に2.5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬した後に、滅菌水で3回洗浄し、風乾してMS基本培地に移植し、発芽後1ケ月間培養した。
【0099】MI−14799、MI−14800およびPCI−14799、PCI−14800は(10)
項の方法を用いて作製したものを、MS基本培地に移植して1ケ月間培養した。
【0100】MFは(7)項の方法によってエンドファイトを除去した後に、種子を70%エタノール水溶液に10秒間浸漬し、次に2.5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬した後に滅菌水で3回洗浄し、風乾してMS基本培地に移植し、発芽後1ケ月間培養したものを用いた。 なお材料は総て(1)項および(8)項により検定したものを用いている。
【0101】これらの材料を6×6×10cmのプラントボックスに培養土20gと水5mlとを添加し、滅菌後の材料を10個体ずつ植込み、25℃で16時間日長条件下で1週間培養したものを材料2とした。
【0102】シバツトガの卵を70%エタノールに10
秒間浸漬し、滅菌水で3回洗浄し、風乾させたものを材料2の各プラントボックスに約200粒ずつ播いた。
【0103】この結果卵は1週間でふ化し、食害が始まった。 シバツトガの幼虫は初めに材料2の総てを食害したが、エンドファイトが存在するMI−14799、M
I−14800、PCI−14799、PCI−148
00およびMWは食害が止まり、MFおよびPCが3〜
4日で完全に食害されたのに対し、MI−14799、
MI−14800,PCI−14799、PCI−14
800およびMFは総て初期の食害だけであった。 またMWとMI−14799、MI−14800は同様の効果であった。
【0104】(16)スジギリヨトウに対する抵抗性検定 スジギリヨトウの幼虫を各プラントボックスに2匹ずつ入れ、(15)項と同様の方法で調整した材料を用い、
食害に対して調査を行なった。
【0105】この結果、幼虫は直ちに食害を始め、1/
3程度まで食害が進んだ時点でエンドファイトが存在するMI−14799、MI−14800、PCI−14
799、PCI−14800およびMWは食害が止まり、MFおよびPCが2日で完全に食害されたのに対し、MI−14799、MI−14800、PCI−1
4799、PCI−14800およびMWは1/3程度の食害だけであった。
【0106】(17)Rhizoctonia sol
aniに対する抵抗性検定 PDA培地上で2週間培養したRhizoctonia
solaniの菌叢から5mm角のコロニーを切出し(15)項と同様の材料を用い、各プラントボックス当り5片ずつ土中へ埋込み、28℃で16時間日長条件で1ケ月間培養した。
【0107】この結果、エンドファイトの含有しないP
CおよびMFは接種1週間目から葉腐れが始まり、3週間で植物体は完全に枯死したのに対し、エンドファイトを含有するMI−14799、MI−14800、PC
I−14799、PCI−14800およびMWは葉枯れが始まるのが2週間後と遅く、葉の表面に菌糸がクモの巣状に存在するのが観察されるものの、病害の進行も遅く、植物体が完全に枯死することはなく、明らかに有意な差で抵抗性を示した。
【0108】(18)Curvularia sp. に対する抵抗性検定 PDA培地上で1ケ月間培養したCurvularia
sp. の菌叢から表面に形成された分生子をニードルでかき取り、滅菌液に懸濁し、5000〜10000個/mlに濃度を調整し、(15)項と同様の材料を用い、植物体の表面全体に噴霧あるいは塗布し、28℃で16時間日長条件下で1ケ月間培養した。
【0109】この結果総ての植物体で培養4日目から葉先の枯れが見られ始めた。 PC、MFでは葉全体の3/
4程度葉枯れが進行したのに対し、エンドファイトを含有するMI−14799およびPCI−14799では1/3程度で病徴は停止し、MI−14800およびP
CI−14800およびMWにおいては、微少な病斑が形成されるに止まった。
【0110】(19)乾燥に対する抵抗性検定 直径が12cmであって高さが10cmの透明ポットにアルミ箔を施して1cm大の石を3cmの高さに敷き詰め、その上に川砂を7cmの高さに入れたポットに(1
5)項で調整した材料2を1株ずつ分離して植付け、2
5℃16時間照明下で管理した。
【0111】十分に水を与えながら2週間ほど培養し、
完全に根が土壌中に活着したのを確認した後に、ポットの中の水分が抜けるまで監視し、目視により水分がなくなった時点で100mlの水を添加する処理を繰返して1ケ月間行なった。
【0112】この結果エンドファイトが存在しないPC
およびMFでは、始めの水分がなくなった時点でしおれが顕著に現われ、1回目の灌水後も植物体の再生はあまり見られず、2回目の灌水以降はほとんどが枯死した。
【0113】これに対してエンドファイトを含有するM
I−14799、MI−14800、PCI−1479
9、PCI−14800およびMWは、始めの水分が少なくなった時点でエンドファイト感染植物独特の葉が針状に巻く現象を生じ、1ケ月間植物体は緑色の状態で維持され、乾燥に対して明らかに有意な差が得られた。
【0114】(20)温室内ポット検定 直径が12cmで高さが10cmのポットに1cm大の石を約3cmの高さに敷き、その上に川砂を約7cmの高さに入れたポットに(15)項で調整した材料2を1
株ずつ分離し植付け、温室内に移し、順化栽培を行なった。 栽培条件は毎朝の灌水と1ケ月に1度ハイポネックスを500倍で与える処理を同一に行ない、3ケ月後に植物体をポットから取出し、根部に付着した土壌を洗浄し、地上部の草丈と根量、生体重、病害の発生を測定した。
【0115】この結果、Agrostis sp. ではエンドファイトを含有するMI−14799、MI−1
4800、MWは何れもエンドファイトの存在しないM
Fと比較して、草丈、根量、生体重ともに上回り、また分げつも旺盛であり、増殖に対して明らかに有意な差か得られた。
【0116】A. stoloniferaでは、エンドファイトを含有するPCI−14799およびPCI−
14800は、エンドファイトが存在しないPCと比較して草丈、根量、生体重ともに上回り、またランナーの増殖が旺盛な点や、Fusarium spp. による葉枯れや、Curvularia spp. やDrec
hslera spp. による葉枯れ病の発生も明らかに少なかった。
【0117】(21)刈り込みを行なわない圃場検定 (15)項で調整した材料と同様のものを圃場に移植し、生育調査を行なった。 1×1mの区画に各植物を5
株ずつ植付けて刈込み処理は行なわず、4月から9月までの6ケ月間栽培を行なった。
【0118】この結果、Agrostis sp. 、
A. stoloniferaともにエンドファイトが存在しないMF、PCでは、Puccinia spp.
によるサビ病が大量発生したのに対し、エンドファイトを含有するMI−14799、MI−14800、PC
I−14799、PCI−14800およびMWは、少量の夏胞子が観察されたが、病徴が一面に広がることはなかった。 またMFおよびPCで、葉色の悪化した部分の根部から多数のネコブセンチュウが採取されたのに対し、MI−14799、MI−14800、PCI−1
4799、PCI−14800およびMWは、少量のセンチュウが観察されただけであった。
【0119】(22)ターフ化による圃場検定 (15)項で調整した材料と同様のものを30×60c
mのイネ育苗箱に砂とバーミキュライトを混合した土壌を2cmの高さに均一に入れ、各材料ごとに高密度に植付けて定期的に10mmの高さで刈込みを行ない、3ケ月間温室内にて栽培を行なった。
【0120】3ケ月後の育苗箱の苗は圃場に移植し、生育調査を行なった。 1×1mの区画に各育苗苗を5枚ずつ植付けて刈込みと展圧処理を行ない、4月から9月までの6ケ月間栽培を行ない、生育調査を行なった。
【0121】この結果、A. stoloniferaでは、エンドファイトが存在しないPCに5月から6月にかけて、Gaeumannomyces gramin
isによるテイクオールパッチが大量発生し、7月から8月にかけてRhizoctonia solaniによるブラウンパッチと、Sclerotinia ho
moeocarpaによるダラースポットが大量発生したのに対し、エンドファイトを含有するPCI−147
99およびPCI−14800ではこれらの病害による病徴は初期の20cm程度の小さなパッチのみで短期間に回復し、ダラースポットに関してはほとんど病斑が見られないほどに病害の発生に有意な差が見られた。
【0122】またエンドファイトが存在しないPCでは、根部にコガネムシの幼虫による被害がかなり見られたが、PCI−14799およびPCI−14800においては、ターフの根部にはコガネムシの幼虫による被害は観察されなかった。
【0123】Agrostis sp. ではエンドファイトの存在しないMFで、7月から9月にかけてRhi
zoctonia sp. による葉腐病、Curvul
aria spp. 、Helminthosporiu
m spp. による葉枯れ病、Pythium sp
p. による赤焼病、ピシウムブライトが発生したが、エンドファイトを含有するMI−14799、MI−14
800、MWは発生初期の小さなパッチが見られたものの、それらは短期間で消滅し、病害の発生と回復力に有意な差が見られた。
【0124】また7月中旬と9月中旬にシバツトガの自然発生に伴う食害が観察された。 すなわち日没とともにターフ上に無数のシバツトガが産卵のために飛来した。
飛来のピークからおよそ3〜4日目からエンドファイトの存在しないPCおよびMFでシバツトガの幼虫による食害が観察され始め、1週間後にはターフのおよそ2/
3が食害された。
【0125】これに対してエンドファイトに感染したM
I−14799、MI−14800、PCI−1479
9、PCI−14800およびMWは、産卵直後に葉の上に植付けられた卵が確認されたが、その後は食害が全く見られず、シバツトガの食害に対して明らかに有意な差が見られた。
【0126】(23)エンドファイト導入植物の後代を用いた耐虫性検定 エンドファイトの人工接種を行なったMI−1480
0、PCI−14800の種子を回収し、それらを発芽させた後、(1)項と(8)項の方法によってエンドファイトの存在した株を選抜し、(15)項の方法と同様の方法によりシバツトガ対する抵抗検定を行なった。 なお対象区にはMFとPCとを用いた。
【0127】この結果シバツトガの幼虫は始め総ての植物を食害したが、MI−14800およびPCI−14
800の実生個体は食害が止まり、MFとPCが3〜4
日で完全に食害されたのに対し、MI−14800およびPCI−14800の実生個体は初期の食害だけであって、(15)項の結果と同様の結果が得られ、エンドファイト存在により得られる効果は種子を通して後代へ伝搬した場合も同様であることが確認された。
【0128】
【発明の効果】以上のように本発明は、糸状菌から成る共生菌、すなわちエンドファイトが存在しない植物にエンドファイト、とくに耐虫性インドールアルカロイドを生産するエンドファイトを人為的に導入して成るイネ科植物および人工的にイネ科植物に対してエンドファイトを導入するための方法に関するものである。
【0129】従って本発明によれば、イネ科植物に対して人為的に耐虫性を有するインドールアルカロイドを導入させてイネ科植物に対して少なくとも耐虫性を付与することが可能になる。 さらにエンドファイトの人為的な感染によって耐病性と環境ストレス耐性とをも付与することが可能になり、イネ科植物の形質の改善につながることになり、あるいはまた優れた形質を有する有用なイネ科植物を提供できるようになる。
【図1】植物に共生するエンドファイトを染色して観察した顕微鏡写真である。
【図2】PDA培地上で増殖された菌糸の顕微鏡写真である。
【図3】PDA培地上で形成された分生子の顕微鏡写真である。
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