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New inps gene derived from plant belonging to genus nicrotiana

阅读:369发布:2021-10-01

专利汇可以提供New inps gene derived from plant belonging to genus nicrotiana专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a new gene derived from genus Nicotiana having a function of giving a salt stress resistance to plants, and having a specific DNA sequence and encoding proteins having inositol-1-phosphate synthetase activity.
SOLUTION: This new INPS gene derived from genus Nicotiana has a DNA sequence described in the formula or a sequence in which one or some DNA are substituted, deleted, inserted or added and encoding a protein practically having the inositol-1-phosphate synthetase(INPS) activity, having a function affording activity for water stress resistance to a plant, and capable of improving the salt stress resistance of the plants by controlling an expression of this gene. This DNA is obtained by extracting an entire RNA from a chloroplast system of Nicotiana paniculata, separating an mRNA and preparing a cDNA library using the mRNA as a template, and screening this in a differential screening method.
COPYRIGHT: (C)1999,JPO,下面是New inps gene derived from plant belonging to genus nicrotiana专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 Nicotiana属植物由来であるINPS遺伝子。
  • 【請求項2】 配列番号:1記載のDNA配列又は該配列において1又は数個のDNAが置換、欠失、挿入又は付加され、かつ実質的にINPS活性を有するタンパクをコードするDNA。
  • 【請求項3】 配列番号:1記載のDNA配列。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、塩ストレス若くは乾燥ストレス等の分ストレスに耐性活性を有するDNA
    に関する。 さらに詳しくは、遺伝子工学技術を用いた塩ストレス若くは乾燥ストレス等の水分ストレスに耐性活性を有するNicotiana属由来のDNAに関する。

    【0002】

    【従来の技術】植物は通常の育成環境下においても、常にストレスを受けている。 このようなストレスには、
    塩、乾燥、高温、低温、強光、空気汚染等のさまざまなものが含まれるが、農業生産の観点から最も問題となっているのは、塩害や乾燥による塩ストレスである。 塩害は元々塩分の高い地域のみならず、潅漑を行なうことによりそれまで問題の無かった農地においても発生し問題になっている。 現在、全耕地の10%以上が何らかの塩害を受けていると言われている。 また、人口増加に追いつくための食料生産増加を行うには、現在では塩害などによる耕作不適当土壌とされている土地での農業生産が必要になるとの見方もある。

    【0003】また、乾燥ストレスは天候不順による干ばつなどにより生じる。 アメリカでは数年おきに、干ばつによる農業物生産高の低下が起こっている。 したがって、このような塩ストレスに耐性を有する植物を見い出すことは、将来起こりうると考えられる食料危機等を考慮すると非常に重要なことである。

    【0004】我々は、Nicotiana属の植物について、塩および乾燥ストレス耐性のスクリーニングを行い (Plan
    t Physiology (1995), 108, 106)、 Nicotiana excelsi
    orおよびNicotiana paniculataを塩ストレス耐性種として選抜した(育種学雑誌、第46巻、別冊2号、188
    ページ)。 その耐性程度は、海水の約半分の塩濃度(25
    0mM NaCl)溶液を灌水しても生育が可能な程である。 これまでに国内外で行われてきた、いわゆる耐塩性植物についての研究から、耐塩性植物を、非ストレス条件から塩ストレス条件に移すと新たな遺伝子の発現が誘発され、これらの遺伝子の産物が塩ストレス耐性に役立っていることが知られている。

    【0005】Nicotiana属植物から塩ストレス耐性遺伝子を単離したという報告も存在する(Nelson et al. (1
    992) Plant Molecular Biology, vol. 19, 577-588, Yu
    n etal. (1996) Plant Physiology, vol. 111, 1219-12
    25)が、これらの報告はNicotiana属植物におけるINPS
    遺伝子の存在に関するものではなく、INPS遺伝子を単離したという報告はなかった。

    【0006】従来から、植物にはINPS遺伝子が存在することが知られている。 INPS(イノシトール-1-リン酸合成酵素(Inositol monophosphate synthase))は、グルコース-6-リン酸(D-glucose 6-phosphate)からイノシトール-1-リン酸(1L-myo-inositol 1-phosphate)
    を合成するという作用を有するものである。 上記INPS遺伝子は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、マツバギク(Mesembryanthemum crystallinum)等が知られており、Ishitaniらの報告(Ishitani et al.(1996)
    Plant Journal, vol.9, 537-548)には塩生植物のマツバギクにおいて、塩ストレスによりINPS遺伝子が誘導される旨の記載がある。 一方、非塩生植物のシロイヌナズナでは誘導されない。 マツバギクではINPSにより合成されるイノシトールは、ピニトール合成系を介して最終的にピニトールという適合溶質として機能する糖アルコールになる。 しかしながら、マツバギクには存在するINPS
    より下流にあるピニトール合成系がシロイヌナズナでは欠如しており、イノシトールからピニトールが産生されないことから、INPS自体が塩ストレスに誘導されないと考えられる。 この報告に基づいて、今回Nicotiana pani
    culataで観察された現象をみると、後述のごとく塩ストレスによりINPSが産生されることより、 Nicotiana pan
    iculataではINPSが塩ストレス耐性に役立っている可能性が強いと考えられる。 Nicotiana paniculataにおいても、INPSより下流にあるピニトール合成系は欠如していると考えられているため、イノシトールの生産量を増加させることで、塩ストレスに対する耐性を改良することができると思われる。 しかしながら、Nicotiana属植物に関してはINPS遺伝子は、知られておらず、また単離もされていなかった。

    【0007】

    【発明が解決しようとする課題】上述したように、塩ストレスに対して耐性を有する植物を見い出すことは緊急の課題であるが、このような塩ストレス耐性を有する植物を得る方法として、遺伝子操作等により植物の水分含量をコントロールすることによる方法がある。 一般的には、植物体の水分含量を増加させる、すなわち、水分保持能を増加させることにより水分ストレス耐性を有する植物を得ることができると考えられている。 従って、
    本発明は塩ストレスに対して耐性を有する遺伝子を見い出すことを課題とする。 更に詳しくは、遺伝子操作等により本発明は塩ストレスに対して耐性を有する遺伝子を見い出し、それを用いて植物の水分ストレス耐性を改良することを課題とする。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】本願発明者らは、Nicoti
    ana属植物のうち、塩ストレス耐性種であるNicotianapa
    niculataから、塩ストレスにより誘導される新規なINPS
    遺伝子を見い出し、その遺伝子を単離した。 上記の事実から、今回得られた遺伝子がコードするINPS遺伝子は、
    植物に水分ストレス耐性を付与する機能があると考えられる。 そこで、この遺伝子の発現を制御することにより、植物の塩ストレス耐性を改良する事ができる。 さらに、栽培植物は常に水分ストレスを受けるおそれにさらされているため、植物のストレス状況をすばやく関知することは、その後の対策のために有用である。 そこで、
    当遺伝子の発現状況をモニターする事により、植物にかかるストレス状況を知ることができる。

    【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、植物由来の塩ストレス耐性の遺伝子を植物に導入して、当該植物の水分含量を調節する方法を提案し、これにより塩ストレス耐性植物を得ることを目的としてなされたものである。

    【0010】より具体的には、本発明は、 (1) Nicotiana属植物由来であるINPS遺伝子。 (2) 配列番号:1記載のDNA配列又は該配列において1又は数個のDNAが置換、欠失、挿入又は付加され、
    かつ実質的にINPS活性を有するタンパクをコードするDN
    A。 (3) 配列番号:1記載のDNA配列。

    【0011】ここで、「塩ストレス」とは、土壌中の塩化ナトリム濃度が上昇し、植物の生育にとって不利となることを意味する。 「塩ストレス耐性」とは、上記塩ストレスに対する抵抗性を意味する。 「実質的にINPS活性を有する」とは、塩ストレスに対し実質的にINPS活性を有する意味である。

    【0012】以下、本発明についてさらに詳しく説明する。 本発明は、植物の水分含量をコントロールするために植物にNicotiana属由来のINPS遺伝子を導入することを特徴とするものである。 まず、植物を塩ストレス環境下にさらし、その環境下において新たに産生した遺伝子を取り出し、配列を解析することにより本発明遺伝子を導き出した。 本発明に用いられるNicotiana属由来のINP
    S遺伝子は、植物体にセンス方向に導入されてもよく、
    またアンチセンス方向に導入されてもよい。 本発明においては、水分ストレス条件下において植物の水分保持能力を増大させる目的の場合は、センス方向に導入することが好ましいが、ストレスの性質によっては植物の代謝変化を抑えることにより、影響を低減できる場合もあり、このような場合は、アンチセンス方向に導入することが好ましい。

    【0013】一方、アンチセンス方向に導入する場合は、形質転換植物を作出しようとする種と導入する遺伝子の由来の種とが近縁であるほど好ましく、特に好ましくは同種のものである。 なお、アンチセンス方向に導入する場合は必ずしも全体を導入する必要はなく、一部を用いた場合でも十分な効果が示される場合もある。 したがって、本発明において遺伝子をアンチセンス方向に導入する場合は、少なくともその一部が導入することを必要とするものである。 本発明に用いられる発現プロモーターとしては、転写力が強く全細胞で発現されるもの(35S、19S、nosなど)、光に反応するもの(rbcなど)、温度に反応するもの(hspなど)、ホルモンに反応するもの、そして組織特異的に反応するもの等、従来より知られているものであれば特に限定されないが、特に好ましくは35Sプロモーターなどの強力なものが挙げられる。

    【0014】本発明において、センス方向もしくはアンチセンス方向のINPS遺伝子を形質転換する植物に導入する方法としては、特別な方法を用いる必要はなく、通常植物を形質転換する際に用いられる方法であれば如何なる方法も用いることができる。 例えば、遺伝子銃を用いた形質転換方法、エレクトロポレーション法、アグロバクテリウム属菌を用いたリーフディスク法等が挙げられるが、好ましくはアグロバクテリウム属菌を用いたリーフディスク法を用いる場合であり、以下これについて説明する。

    【0015】センス方向もしくはアンチセンス方向のIN
    PS遺伝子を適当な植物発現ベクターに挿入し、このベクターをアグロバクテリウム属菌に導入する。 次に、形質転換しようとする植物の無菌葉から採取したリーフディスクを、前記のアグロバクテリウム菌の培養液に浸漬した後、カルスを形成させ、形質転換が生じたもののみを選抜することにより形質転換植物を得ることができる。

    【0016】アグロバクテリウム菌への形質転換を行うに際して、必要に応じて別の宿主を形質転換させ、後にアグロバクテリウム菌に所望のベクターを導入させることもできる。 前記の別の宿主として例えば、細菌(エシェリキア属菌、バチルス属菌)、酵母(サッカロマイセス属、ピキア属など)、動物細胞、昆虫細胞など、好ましくは大腸菌(DH5,HB101等)が例示されるが、これらに限定されるものではない。

    【0017】INPS遺伝子を導入した宿主を検出するには、レポーター遺伝子を導入したベクターを宿主細胞(アグロバクテリウム菌)に導入することにより達成される。 レポーター遺伝子をプラスミドベクター、ファージベクター、レトロウイルスベクター等のベクターに導入し、細胞を形質転換して、あるいはインビトロパッケージング後、宿主細胞に形質移入(トランスフェクト)
    することによりレポーター遺伝子を安定に保持した形質転換細胞を作製する。

    【0018】ここで用いられるプラスミドベクターとしては、宿主細胞内で複製保持されるものであれば特に制限されず、また用いられるファージベクターとしても宿主細胞内で増殖できるものであればよい。 常法的に用いられるベクターとしてpUC119、λgt10、λgt11、pBlues
    cript、λZAP II、λZAP XR等が例示される。

    【0019】プラスミドにcDNAを組み込む方法としては、例えば、「Maniatis,T.ら,モレキュラークローニング,ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular Clonin
    g,A Laboratory Manual, second edition)、Cold Spri
    ng Harbor Laboratory, 1.53(1989)」に記載の方法などが挙げられる。 また、ファージベクターにcDNAを組み込む方法としては、Hyunh,TVらの方法(Hyunh,TV,DNA
    Cloning,a practical approach,1,49(1985))などが挙げられる。 簡便には、市販のライゲーションキット(例えば、宝酒造製等)を用いることもできる。 このようにして得られる組換えプラスミドやファージベクターは、
    原核細胞(例えば、E.coli HB101,DH5またはMC1061/P3
    等)及び/または真核細胞(J774.1、PU5-1.8、RAW264.
    7、ST2)の各種の適当な宿主細胞に導入する。

    【0020】プラスミドを宿主細胞に導入する方法としては、「Maniatis,T.ら,モレキュラークローニング,ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular Cloning,A La
    boratory Manual, second edition),Cold Spring Harb
    or Laboratory, 1.74(1989)」に記載の塩化カルシウム法または塩化カルシウム/塩化ルビジウム法、エレクトロポレーション法、エレクトロインジェクション法、PE
    Gなどの化学的な処理による方法、遺伝子銃などを用いる方法などが挙げられる。 また、ファージベクターを宿主細胞に導入する方法としてはファージDNAをインビトロパッケージングした後、増殖させた宿主細胞に導入する方法等が例示される。 インビトロパッケージングは、
    市販のインビトロパッケージングキット(例えば、ストラタジーン社製、アマシャム社製等)を用いることによって簡便に行うことができる。

    【0021】ベクターは、簡便には当業界において入手可能な組換え用ベクター(プラスミドDNAおよびバクテリアファージDNA)に所望の遺伝子を常法により連結することによって調製することができる。 用いられるベクターとしては、具体的には、大腸菌由来のプラスミドとして、例えば、pBR322、pBR325、pUC12、pUC13などが、
    酵母由来プラスミドとして、例えば、pSH19、pSH15などが、枯草菌由来プラスミドとして、例えば、pUB110、pT
    P5、pC194などが例示されるがこれらに制限されない。
    また、ファージとしてはλファージなどのバクテリオファージが、さらにレトロウイルス、ワクシニヤウイルス、核多体ウイルスなどの動物や昆虫のウイルス[pVL
    1393(インビトロゲン社製)]などが例示されるがこれらに制限されない。

    【0022】所望のタンパク質を生産する目的においては、特に、発現ベクターが有用である。 発現ベクターとしては、原核細胞および/または真核細胞の各種の宿主細胞中で所望の遺伝子を発現し、所望のタンパク質を生産する機能を有するものであれば特に制限はないが、例えば、大腸菌(pGEX-5X-1)、またはSV-40由来の発現ベクターなどが好ましい。

    【0023】アグロバクテリウム菌へ形質転換する前の宿主細胞として細菌、特に大腸菌を用いる場合、一般に発現ベクターは少なくとも、プロモーター−オペレーター領域、開始コドン、所望の遺伝子、終止コドンおよび複製可能単位から構成される。 宿主細胞としてアグロバクテリウム菌を用いる場合には、一般に発現ベクターは少なくとも、プロモーター、開始コドン、所望の遺伝子、終止コドンを含んでいることが好ましい。 またシグナルペプチドをコードするDNA、エンハンサー配列、所望遺伝子の5'側および3'側の非翻訳領域、スプライシング接合部、ポリアデニレーション部位、選択マーカー領域または複製可能単位などを適宜含んでいてもよい。
    また、目的に応じて通常用いられる遺伝子増幅遺伝子(マーカー)を含んでいてもよい。

    【0024】本発明の遺伝子に使用するベクターにおいて、好適な開始コドンとしては、メチオニンコドン(AT
    G)が例示される。 また、終止コドンとしては、常用の終止コドン(例えば、TAG,TGAなど)が例示される。

    【0025】複製可能単位とは、宿主細胞中でその全DN
    A配列を複製することができる能力をもつDNAをいい、天然のプラスミド、人工的に修飾されたプラスミド(天然のプラスミドから調製されたDNAフラグメント)および合成プラスミド等が含まれる。 好適なプラスミドとしては、E. coliではプラスミドpBR322、もしくはその人工的修飾物(pBR322を適当な制限酵素で処理して得られる
    DNAフラグメント)が、酵母では酵母2μプラスミド、もしくは酵母染色体DNAが、また哺乳動物細胞ではプラスミドpRSVneo ATCC 37198、プラスミドpSV2dhfr ATCC 37
    145、プラスミドpdBPV-MMTneo ATCC 37224、プラスミド
    pSV2neo ATCC 37149、プラスミドpME18S等があげられる。

    【0026】エンハンサー配列、ポリアデニレーション部位およびスプライシング接合部位については、例えば、それぞれSV40に由来するもの等、当業者において通常使用されるものを用いることができる。 遺伝子増幅遺伝子としては、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、グルタミン酸合成酵素遺伝子、アデノシンデアミナーゼ遺伝子、オルニチンデカルボキシラーゼ遺伝子、ヒグロマイシン−B−ホスホトランスフェラーゼ遺伝子、
    アスパルラートトランスカルバミラーゼ遺伝子等を例示することができる。

    【0027】発現ベクターは、少なくとも、上述のプロモーター、開始コドン、所望の遺伝子、終止コドン、およびターミネーター領域を連続的かつ環状に適当な複製可能単位に連結することによって調製することができる。 またこの際、所望により制限酵素での消化やT4DNA
    リガーゼを用いるライゲーション等の常法により適当な
    DNAフラグメント(例えば、リンカー、他のレストリクションサイトなど)を用いることができる。

    【0028】また、形質転換植物の選抜は、カルス形成させる培地に適当な抗生物質を添加し、その耐性の有無により行うことができる。 この場合、選択マーカーとしては、通常使用されるものを常法により用いることができる。 例えばテトラサイクリン、アンピシリン、またはカナマイシンもしくはネオマイシン等の抗生物質耐性遺伝子などが例示される。 このとき、ベクターにはカリウムチャンネル遺伝子の他、培地に添加された抗生物質耐性の遺伝子を導入することが好ましい。

    【0029】上記のごとく調整した宿主細胞からの所望タンパクの産生確認試験は、以下のように行えばよい。
    つまり、上記のごとく調整した宿主細胞には、上記ベクターの所望遺伝子部位にレポーター遺伝子を導入し、宿主細胞からレポーターとなるタンパクを産生させ、そのタンパクを検出すればよい。

    【0030】ここで、所望遺伝子部位に用いるレポーター遺伝子としては、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-グルクロニダーゼ(GU
    S)、ルシフェラーゼ遺伝子、β-ガラクトシダーゼ、グリーンフルオレッセンスプロテイン(GFP)、エクオリン、β-ラクタマーゼなどが挙げられる。

    【0031】なお、アグロバクテリウム菌による形質転換方法は双子葉植物のみならず、単子葉植物にも適用することができる(WO94/00977号公報)。

    【0032】本発明により形質転換される植物、すなわち本発明により植物体の水分含量をコントロールされる植物としては、特に限定されるものではないが、ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、トマト、イネ及びタバコ等が挙げられる。 本発明において形質転換された植物の水分含量を測定する方法としては、種々の方法が考えられる。 その一方法としては、例えば、所定の大きさまで育成した植物を人工気象機等によりストレス環境下で一定期間育成する。 そして、植物体地上部を収穫し生重量を測定し、さらにこれらの植物を60℃で数日間乾燥させた後に乾燥重量を測定する。 この生重量と乾燥重量の比により水分含量を測定する方法等が挙げられる。

    【0033】

    【実施例】[実施例1] <植物材料の生育> Nicotiana paniculataは、温室内で培養土に播種し発芽させた。 本葉4枚程度まで生育した時点で、バーミキュライトとハイドロボールの混合物(体積比1:1)を詰めた、直径約10cmの黒色ビニールポットに移植した。 その後は、人工気象機内に移し(12時間日長、摂氏23℃、相対湿度70%)、1日あたり100mLの1/4希釈ホーグランド溶液を灌水した。 塩ストレス処理区植物には、250mM塩化ナトリウムを含む1/4
    希釈ホーグランド溶液を1日100mL灌水した。

    【0034】[実施例2] <mRNA の抽出> Nicotiana paniculata緑葉組織からの全RNA抽出はOstre
    mらの方法(Ostrem etal., Plant Physiology 84,1270-
    1275(1987))に従って行ったが、実施にあたり以下の点を改良した。 1)磨砕した植物体を抽出用緩衝液とフェノールと共に行なう振盪を氷上で1時間行った。 2)遠心後の上清をクロロホルムと共に行う振盪を氷上で行った。 poly(A)+-RNAの精製はQuickPrep mRNA puri
    fication Kit(Pharmacia社製)を使用し、製造者の手引き書に従って行った。

    【0035】[実施例3] < Nicotiana paniculata IN
    PS cDNAの単離> ストレスをかけたNicotiana paniculata緑葉cDNAライブラリーの作製は、実施例2でストレス処理をした植物から抽出、精製したpoly(A)+RNAを鋳型として、ZAP-cDNA
    Synthesis Kit(Stratagene社製)、クローニングベクターにはUni-ZAP XR(Stratagene社製)を使用して行った。 宿主細胞として XLI-Blueを使用した。 cDNAライブラリーのスクリーニングは、ディファレンシャルスクリーニング法により行った。 以下にその詳細な手順を述べる。

    【0036】スクリーニングを行うための溶菌プラークは、Stratagene社の手引き書に従って行った。 プラークが出現した寒天培地からのプラークリフトはナイロン膜のHybond N+(Amersham 社製)を用いた。 一枚の寒天培地から2回ずつプラークリフトを行った。 こうして作製したスクリーニング用ナイロン膜の変性は、Amersham社の手引き書に従って行った。 スクリーニングに用いた32
    P標識プローブは以下のようにして作製した。 実施例2
    で得たpoly(A)+RNA 50-100ngを30μlの滅菌水に溶解して、プライマー(宝酒造)1μlを加え、65℃で10分間置いた。 その後室温まで冷却し、そこにRNse阻害剤を1
    μl、MMLV逆転写酵素添付の5X緩衝液(宝酒造)を5μ
    l、dATP・dGTP・dTTP溶液(各10mM)を5μl 、32P-dCTP
    (Amersham 社)を1μl(10μCi)、蒸留水を6μl加え、よく混合した後に、 MMLV逆転写酵素(宝酒造)を1
    μl加えた。 この反応液を37℃で1時間反応させた後にスピンカラムを用いて、遊離の32P-dCTPを除いた。 プローブは、ストレス処理した植物と、ストレス処理していないコントロール植物から調製したpoly(A)+RNAについて、それぞれ作製した。 2組作製したナイロン膜のうち1組をコントロールプローブで、もう1組をストレスプローブを用いてハイブリダイゼーションを行った。 ハイブリダイゼーションは製造者の手引き書に記載されている標準的な条件で16時間行なった。 洗浄は、300 mM N
    aCl、30 mM trisodium citrate、0.1% SDSを用いて65
    ℃で20分間2回行い、続いて75 mM NaCl、7.5 mM trisod
    ium citrate、0.1% SDSを用いて65 ℃で20分間 2回行った。 コントロール区とストレス処理区の結果を比較し、
    ストレス処理区で強いシグナルを示す陽性クローンを得た。 得られたクローンに含まれる挿入cDNA断片は、Stra
    tagene社の手引き書に従って行って、pBluescriptプラスミドにサブクローニングした。

    【0037】得られた陽性クローンの塩基配列決定は、
    DNAシーケンサーModel 373A(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、反応にはTaq Dye Terminator Cyc
    le Sequencing Kit(アプライドバイオシステムズ社製)を使い、製造者の手引き書に従って行った。 得られた塩基配列の解析は、GENETYX-MAC ver.8(ソフトウェア開発)により行った。 その結果、配列表1に示すcDN
    A、NpINPS1を得た。

    【0038】[実施例4] <塩ストレスによるINPS 転写産物蓄積量変化の解析> 実施例1に述べた方法で塩ストレス処理したN. panicul
    ataから、経時的に全RNAを抽出、精製してRNAゲルブロット法により該当遺伝子の発現を調べた。 全RNAの抽出は実施例2に述べた手法を用い、ストレス処理開始後0
    時間、8時間、1日、3日目に行った。 抽出した全RNA
    をLiCl処理により精製した後、バーノンらの方法に従ってホルムアルデヒドゲルにより電気泳動を行った(Vern
    on and Bohnert, EMBO Journal 11: 2077-2085(199
    2))。 RNAは1レーンあたり5μg用いた。 電気泳動後、
    RNAをナイロン膜(HybondN+、Amersham社製)に転写し、製造者の手引き書に従ってハイブリダイゼーションを行った。 32P-dCTPで標識したプローブは、RediprimeT
    M DNA labelling system(Amersham社製)を用いて、製造者の手引き書に従って行った。 反応終了後、遊離の32
    P-dCTPをスピンカラムを用いて取り除き、ハイブリダイゼーションに使用した。 ハイブリダイゼーション溶液には、0.25MNa2HPO4 (pH 7.2)、7% SDSを含む溶液を用いて、65℃で終夜行った。 ハイブリダーイゼーション終了後の洗浄は、300 mM NaCl、30 mM trisodium citrate、
    0.1% SDSを用いて65 ℃で20分間2回行い、続いて75 mM
    NaCl、7.5 mM trisodium citrate、0.1% SDSを用いて65
    ℃で20分間 2回行った。 洗浄後、ナイロン膜を乾燥させ、イメージングプレート(富士写真フィルム株式会社)に密着させて感光した。 その後、そのイメージングプレートをバイオイメージアナライザーBAS100(富士写真フィルム株式会社)により解析して、ナイロン膜に残る放射線エネルギーの分布を画像化させた。 その結果、
    図1に示すような発現パターンを得た。

    【0039】図1においてRNA産生量が多い程黒く写ることから、1日目及び3日目のコントロール及びストレスを比較するとコントロールよりもストレス状況下の方がRNA産生量が多いことがわかる。 RNA産生量が多いということは、即ち遺伝子産物産生量が多いということを意味する。

    【0040】

    【発明の効果】上記の事実から、今回得られた遺伝子がコードするINPSは、植物に水分ストレス耐性を付与する機能があると考えられる。 そこで、この遺伝子の発現を制御することにより、植物の塩ストレス耐性を改良する事ができる。 さらに、栽培植物は常に水分ストレスを受けるおそれにさらされているため、植物のストレス状況をすばやく関知することは、その後の対策のために有用である。 そこで、当遺伝子の発現状況をモニターする事により、植物にかかるストレス状況を知ることができる。

    【0041】

    【配列表】

    【0042】配列番号:1 配列の長さ:1950 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:Nicotiana paniculata 性質:INPSのcDNA (NpINPS1) 配列の特徴 92-1703 CDS 1 CTTAGCCTTAAAGTATACTCATAGCGTGTTCTTCTCTTTGTTTGTTACAAAACCTCTTTC 60 61 CCCTTCGATACTTTAGAAAAGTTTCCTCAAAATGTTTATTGAGAATTTTAAGGTTGAGAG 120 MetPheIleGluAsnPheLysValGluSer 121 CCCCAACGTTAAGTACACCGAAAGTGAAATTCACTCTGTCTATGATTATCAAACCACTGA 180 ProAsnValLysTyrThrGluSerGluIleHisSerValTyrAspTyrGlnThrThrGlu 181 GTTAGTTCATGATGAGAAAAATGGGACATATCAATGGACCGTCAAGCCTAAGACTGTCAA 240 LeuValHisAspGluLysAsnGlyThrTyrGlnTrpThrValLysProLysThrValLys 241 ATATGAGTTCAAGACTGATGTTCATGTTCCCAAATTAGGGGTTATGCTTGTTGGATGGGG 300 TyrGluPheLysThrAspValHisValProLysLeuGlyValMetLeuValGlyTrpGly 301 TGGAAACAATGGTTCAACCTTGACCGGTGGTGTTATTGCTAACAGAGAAGGAATTTCATG 360 GlyAsnAsnGlySerThrLeuThrGlyGlyValIleAlaAsnArgGluGlyIleSerTrp 361 GGCCACCAAAGATAAGGTGCAACAAGCCAATTACTTTGGCTCTCTTACTCAGGCTTCTAC 420 AlaThrLysAspLysValGlnGlnAlaAsnTyrPheGlySerLeuThrGlnAlaSerThr 421 TATTCGAGTTGGGTCTTTCAATGGAGAAGAGATCTATGCTCCATTTAAAAGCCTCCTTCC 480 IleArgValGlySerPheAsnGlyGluGluIleTyrAlaProPheLysSerLeuLeuPro 481 AATGGTCAATCCAGATGACGTAGTGTTTGGAGGATGGGACATCAGCGACATGAATTTAGC 540 MetValAsnProAspAspValValPheGlyGlyTrpAspIleSerAspMetAsnLeuAla 541 AGATGCCATGGCCAGGGCTAAGGTATTTGATATTGATCTACAAAAGCAGTTGAgGCCCTA 600 AspAlaMetAlaArgAlaLysValPheAspIleAspLeuGlnLysGlnLeuArgProTyr 601 CATGGAATCTATGGTCCCACTCCCTGGTATCTATGACCCTGATTTCATTGCTGCTAACCA 660 MetGluSerMetValProLeuProGlyIleTyrAspProAspPheIleAlaAlaAsnGln 661 AGGGTCACGTGCCAACAACGTGATCAAAGGAACCAAGAAAGAACAAATTGATCAAATCAT 720 GlySerArgAlaAsnAsnValIleLysGlyThrLysLysGluGlnIleAspGlnIleIle 721 TAAGGATATTAGGGAGTTTAAGGAAAAGAACAAAGTGGACAAGGTGGTAGTATTGTGGAC 780 LysAspIleArgGluPheLysGluLysAsnLysValAspLysValValValLeuTrpThr 781 TGCTAACACTGAAAGATACAGTAATGTGGTTGTTGGACTTAATGACACTATGGAAAACCT 840 AlaAsnThrGluArgTyrSerAsnValValValGlyLeuAsnAspThrMetGluAsnLeu 841 CTTTGCTTCTGTGGACAGAAATGAAGCTGAAATATCTCCTTCCACTTTGTATGCTATTGC 900 PheAlaSerValAspArgAsnGluAlaGluIleSerProSerThrLeuTyrAlaIleAla 901 CTGCATTCTTGAAAATGTGCCTTTTATTAATGGAAGCCCCCAGAACACCTTTGTCCCAGG 960 CysIleLeuGluAsnValProPheIleAsnGlySerProGlnAsnThrPheValProGly 961 CCTCATTGATTTGGCCATCAAGAAGAACACATTGATTGGTGGTGATGACTTTAAGAGTGG 1020 LeuIleAspLeuAlaIleLysLysAsnThrLeuIleGlyGlyAspAspPheLysSerGly 1021 TCAAACCAAAATGAAGTCAGTGCTGGTTGATTTCCTTGTTGGAGCTGGTATTAAGCCAAC 1080 GlnThrLysMetLysSerValLeuValAspPheLeuValGlyAlaGlyIleLysProThr 1081 ATCAATTGTGAGCTACAACCATTTGGGTAACAATGATGGAATGAATCTGTCTGCCCcTCA 1140 SerIleValSerTyrAsnHisLeuGlyAsnAsnAspGlyMetAsnLeuSerAlaProGln 1141 AACTTTCCGGTCAAAGGAGATCTCGAAAAGTAATGTTGTTGATGACATGGTTTCAAGCAA 1200 ThrPheArgSerLysGluIleSerLysSerAsnValValAspAspMetValSerSerAsn 1201 TGCCATCCTTTATGAGCCTGGAGAGCACCCTGACCATGTTGTTGTGATTAAGTATGTGCC 1260 AlaIleLeuTyrGluProGlyGluHisProAspHisValValValIleLysTyrValPro 1261 ATATGTGGGAGACAGCAAGAgGGCAATGGATGAGTACACATCTGAGATTTTCATGGGGGG 1320 TyrValGlyAspSerLysArgAlaMetAspGluTyrThrSerGluIlePheMetGlyGly 1321 AAAGAACACCATTGTTTTGCACAATACTTGTGAgGATTCACTTTTAGCTGCTCCAATTAT 1380 LysAsnThrIleValLeuHisAsnThrCysGluAspSerLeuLeuAlaAlaProIleIle 1381 ATTGGATTTGGTCCTTCTTGCTGAACTCAGTACCCGCATTCAGCTCAAAGCTGAAGGAGA 1440 LeuAspLeuValLeuLeuAlaGluLeuSerThrArgIleGlnLeuLysAlaGluGlyGlu 1441 gGGTaAGTTCCACTCCTTCCACCCCGTGGcTACTATCcTCAGCTACCTTACCAAgGcTCc 1500 GlyLysPheHisSerPheHisProValAlaThrIleLeuSerTyrLeuThrLysAlaPro 1501 TCTGGTACCACCAGGTACACCAGTGGTGAATGCACTCTCAAAGCAGAGGGCAATGCTTGA 1560 LeuValProProGlyThrProValValAsnAlaLeuSerLysGlnArgAlaMetLeuGlu 1561 GAACATATTGAGGGCTTGTGTTGGACTTGCACCAGAGAACAACATGATTCTGGAATACAA 1620 AsnIleLeuArgAlaCysValGlyLeuAlaProGluAsnAsnMetIleLeuGluTyrLys 1621 ATGAAGATCCATTTCCCTAAGAAGGGAAAGGACTCAAGAAGCTGTACGGCAGAAGAACCA 1680 ***ArgSerIleSerLeuArgArgGluArgThrGlnGluAlaValArgGlnLysAsnHis 1681 TAATGGTCTTTCTTTTCTTTAGTATTTGTAATCTTCATCTTTCATTAGTACTATGATTAG 1740 AsnGlyLeuSerPheLeu*** 1741 CTAAATGTCGGCAACCCTTCGAGGTATAGCTGTTTTGTAATGGCAGGCCAAGTTGAATGT 1800 1801 CATTATAATTTCTTTGTTGTCTTTGTATGTTAGCCTTCTATTTACAAGGTTGTATCCGTG 1860 1861 TTGCTCTTTCTCATTTAGAGCTAGCAACGCTTTTCTCTAATGGAAATACAATGTGTAGTC 1920 1921 CTTTAGACGTTAAAAAAAAAAAAAAAAAAA 1950

    【0043】

    【図面の簡単な説明】

    【図1】INPS遺伝子のRNAゲルブロット解析を行った図である。

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