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系二次電池機能層用組成物およびその製造方法、非水系二次電池用機能層、並びに、非水系二次電池

阅读:1059发布:2020-07-03

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非導電性粒子と、結着材とを含む非系二次電池機能層用組成物であって、 前記非導電性粒子は、密度が4g/cm3以上7g/cm3以下であり、且つ、体積平均粒子径が0.5μm以上1.0μm以下である非導電性無機粒子Aと、密度が4g/cm3以上7g/cm3以下であり、且つ、体積平均粒子径が前記非導電性無機粒子Aよりも小さい非導電性無機粒子Bとを混合してなる混合物を含み、 前記混合物中の前記非導電性無機粒子Aの割合が50質量%以上90質量%以下であり、 前記非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する前記非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比が0.05倍以上0.6倍以下である、非水系二次電池機能層用組成物。前記非導電性粒子100質量部当たり、前記結着材を1質量部以上20質量部以下の割合で含有する、請求項1に記載の非水系二次電池機能層用組成物。前記非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径が0.05μm超0.3μm未満である、請求項1または2に記載の非水系二次電池機能層用組成物。ポリアクリルアミドを更に含有する、請求項1〜3の何れかに記載の非水系二次電池機能層用組成物。請求項1〜4の何れかに記載の非水系二次電池機能層用組成物を用いて形成した、非水系二次電池用機能層。厚みが0.5μm以上2μm以下である、請求項5に記載の非水系二次電池用機能層。密度が2.0g/cm3以上3.0g/cm3以下である、請求項5または6に記載の非水系二次電池用機能層。請求項5〜7の何れかに記載の非水系二次電池用機能層を備える、非水系二次電池。非導電性粒子と、結着材とを含む非水系二次電池機能層用組成物の製造方法であって、 密度が4g/cm3以上7g/cm3以下であり、且つ、体積平均粒子径が0.5μm以上1.0μm以下である非導電性無機粒子Aと、密度が4g/cm3以上7g/cm3以下であり、且つ、体積平均粒子径が前記非導電性無機粒子Aよりも小さい非導電性無機粒子Bと、結着材とを、前記非導電性無機粒子Aおよび前記非導電性無機粒子Bの合計に対する前記非導電性無機粒子Aの割合が50質量%以上90質量%以下となるように混合する工程を含み、 前記非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する前記非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比が0.05倍以上0.6倍以下である、非水系二次電池機能層用組成物の製造方法。

说明书全文

本発明は、非系二次電池機能層用組成物、非水系二次電池用機能層および非水系二次電池、並びに、非水系二次電池機能層用組成物の製造方法に関するものである。

リチウムイオン二次電池などの非水系二次電池(以下、単に「二次電池」と略記する場合がある。)は、小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電が可能という特性があり、幅広い用途に使用されている。そして、非水系二次電池は、一般に、正極、負極、および、正極と負極とを隔離して正極と負極との間の短絡を防ぐセパレータなどの電池部材を備えている。

ここで、二次電池においては、電池部材に所望の性能(例えば、耐熱性や強度など)を付与する機能層を備えた電池部材が使用されている。具体的には、例えば、セパレータ基材上に機能層を形成してなるセパレータや、集電体上に電極合材層を設けてなる電極基材の上に機能層を形成してなる電極が、電池部材として使用されている。また、電池部材の耐熱性や強度などを向上させ得る機能層としては、非導電性粒子をバインダー(結着材)で結着して形成した多孔膜層よりなる機能層が用いられている。

そして、近年、二次電池の更なる高性能化を目的として、機能層の改良が盛んに行われている(例えば、特許文献1参照)。 具体的には、例えば特許文献1では、耐熱性に加えて熱寸法安定性や突刺強度等にも優れるセパレータを提供し得る機能層として、粒子径が0.01〜0.05μmの範囲と0.1〜1.0μmの範囲とのそれぞれに粒度分布の極大値を少なくとも一つずつ有する無機フィラー(非導電性粒子)と、耐熱性樹脂(結着材)とを含むスラリー組成物を用いて形成した耐熱性多孔質層が提案されている。

特開2010−123383号公報

しかし、上記従来のスラリー組成物を用いて形成した耐熱性多孔質層よりなる機能層には、ピール強度が十分ではなく、また、ガーレー値(透気抵抗度)が高い(即ち、イオン伝導性が低い)ため二次電池の低温出特性が低下するという問題があった。

また、近年では、二次電池の更なる高容量化などの観点から、機能層を薄厚化することが求められている。そのため、上記従来のスラリー組成物を用いて形成した耐熱性多孔質層よりなる機能層には、電池部材に対する耐熱性や強度の付与といった保護機能を確保しつつ機能層を更に薄厚化するという点において改善の余地があった。

そこで、本発明は、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る非水系二次電池用機能層を形成することができる非水系二次電池機能層用組成物を提供することを目的とする。 また、本発明は、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る非水系二次電池用機能層を提供することを目的とする。 更に、本発明は、低温出力特性などの電池特性に優れる非水系二次電池を提供することを目的とする。

本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、機能層の形成に用いる非導電性粒子として、所定の密度および体積平均粒子径を有する非導電性無機粒子Aと、所定の密度を有する非導電性無機粒子Bとを所定の比率で併用し、更に、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比の大きさを所定の範囲内とすることにより、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る非水系二次電池用機能層を形成し得ることを見出し、本発明を完成させた。

即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、非導電性粒子と、結着材とを含む非水系二次電池機能層用組成物であって、前記非導電性粒子は、密度が4g/cm3以上7g/cm3以下であり、且つ、体積平均粒子径が0.5μm以上1.0μm以下である非導電性無機粒子Aと、密度が4g/cm3以上7g/cm3以下であり、且つ、体積平均粒子径が前記非導電性無機粒子Aよりも小さい非導電性無機粒子Bとを混合してなる混合物を含み、前記混合物中の前記非導電性無機粒子Aの割合が50質量%以上90質量%以下であり、前記非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する前記非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比が0.05倍以上0.6倍以下であることを特徴とする。このように、所定の密度および体積平均粒子径を有する非導電性無機粒子Aと、所定の密度を有する非導電性無機粒子Bとを所定の比率で併用し、更に、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比の大きさを所定の範囲内とすれば、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る非水系二次電池用機能層を形成することができる非水系二次電池機能層用組成物が得られる。 なお、本発明において、「非導電性無機粒子の密度」とは、気相置換法を用いて温度25℃で測定した真密度を指す。また、本発明において、「非導電性無機粒子の体積平均粒子径」とは、JIS Z8828に準拠し、動的光散乱法にて測定した粒子径分布(体積基準)において、小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径(D50)を指す。

ここで、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、前記非導電性粒子100質量部当たり、前記結着材を1質量部以上20質量部以下の割合で含有することが好ましい。非導電性粒子100質量部当たりの結着材の含有量を1質量部以上20質量部以下とすれば、非水系二次電池用機能層のピール強度を更に高めることができると共に、非水系二次電池用機能層を用いた非水系二次電池の低温出力特性を更に向上させることができる。

そして、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、前記非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径が0.05μm以上0.3μm未満であることが好ましい。非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径が0.05μm以上0.3μm未満であれば、非水系二次電池用機能層のピール強度および保護機能を更に高めることができる。

更に、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、ポリアクリルアミドを更に含有することが好ましい。ポリアクリルアミドを含有すれば、非水系二次電池機能層用組成物の塗工性を向上させることができると共に、非水系二次電池用機能層を備える二次電池に優れた高温サイクル特性を発揮させることができる。

また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の非水系二次電池用機能層は、上述した非水系二次電池機能層用組成物の何れかを用いて形成したものであることを特徴とする。このように、本発明の非水系二次電池機能層用組成物を使用すれば、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る非水系二次電池用機能層を形成することができる。

ここで、本発明の非水系二次電池用機能層は、厚みが0.5μm以上2μm以下であることが好ましい。非水系二次電池用機能層の厚みが0.5μm以上2μm以下であれば、非水系二次電池用機能層を十分に薄厚化しつつ、保護機能を更に高めることができると共に、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。 なお、本発明において、「非水系二次電池用機能層の厚み」とは、非水系二次電池用機能層の任意の10箇所において測定した層厚の平均値を指す。

また、本発明の非水系二次電池用機能層は、密度が2.0g/cm3以上3.0g/cm3以下であることが好ましい。非水系二次電池用機能層の密度が2.0g/cm3以上3.0g/cm3以下であれば、保護機能を更に高めることができると共に、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。 なお、本発明において、「非水系二次電池用機能層の密度」は、単位面積当たりの非水系二次電池用機能層の質量を非水系二次電池用機能層の厚みで割ることにより求めることができる。

また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の非水系二次電池は、上述した非水系二次電池用機能層の何れかを備えることを特徴とする。このように、本発明の非水系二次電池用機能層を使用すれば、低温出力特性などの電池特性に優れる非水系二次電池が得られる。

更に、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の非水系二次電池機能層用組成物の製造方法は、非導電性粒子と、結着材とを含む非水系二次電池機能層用組成物の製造方法であって、密度が4g/cm3以上7g/cm3以下であり、且つ、体積平均粒子径が0.5μm以上1.0μm以下である非導電性無機粒子Aと、密度が4g/cm3以上7g/cm3以下であり、且つ、体積平均粒子径が前記非導電性無機粒子Aよりも小さい非導電性無機粒子Bと、結着材とを、前記非導電性無機粒子Aおよび前記非導電性無機粒子Bの合計に対する前記非導電性無機粒子Aの割合が50質量%以上90質量%以下となるように混合する工程を含み、前記非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する前記非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比が0.05倍以上0.6倍以下であることを特徴とする。このように、所定の非導電性無機粒子Aと、所定の非導電性無機粒子Bと、結着材とを所定の割合で混合すれば、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る非水系二次電池用機能層を形成することができる非水系二次電池機能層用組成物が得られる。

本発明によれば、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る非水系二次電池用機能層を形成することができる非水系二次電池機能層用組成物を提供することができる。 また、本発明によれば、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る非水系二次電池用機能層を提供することができる。 更に、本発明によれば、低温出力特性などの電池特性に優れる非水系二次電池を提供することができる。

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。 ここで、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、例えば本発明の非水系二次電池機能層用組成物の製造方法を用いて製造することができ、本発明の非水系二次電池用機能層を調製する際の材料として用いられる。そして、本発明の非水系二次電池用機能層は、本発明の非水系二次電池機能層用組成物を用いて形成される。また、本発明の非水系二次電池は、少なくとも本発明の非水系二次電池用機能層を備えるものである。

(非水系二次電池機能層用組成物) 本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、非導電性粒子と、結着材とを含有し、任意に、添加剤などを更に含有する。また、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、水などを分散媒としたスラリー組成物でありうる。そして、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、非導電性粒子が、密度が4g/cm3以上7g/cm3以下であり、且つ、体積平均粒子径が0.5μm以上1.0μm以下である非導電性無機粒子Aと、密度が4g/cm3以上7g/cm3以下であり、且つ、体積平均粒子径が非導電性無機粒子Aよりも小さい非導電性無機粒子Bとを混合してなる混合物を含むことを特徴とする。また、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、混合物中の非導電性無機粒子Aの割合が50質量%以上90質量%以下であることを特徴とする。更に、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比が0.05倍以上0.6倍以下であることを特徴とする。

そして、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、所定の密度および体積平均粒子径を有する非導電性無機粒子Aと、所定の密度を有する非導電性無機粒子Bとを所定の比率で併用し、更に、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比の大きさを所定の範囲内としているので、当該機能層用組成物を用いて形成される機能層は、優れたピール強度および保護機能を発揮することができると共に、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。

<非導電性粒子> ここで、本発明の非水系二次電池機能層用組成物に含有される非導電性粒子は、非導電性無機粒子Aと、体積平均粒子径が非導電性無機粒子Aよりも小さい非導電性無機粒子Bとを混合してなる混合物を含む。そして、機能層用組成物は、非導電性無機粒子Aと、体積平均粒子径が非導電性無機粒子Aよりも小さい非導電性無機粒子Bとを非導電性粒子として含んでいるので、機能層内での非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bの配置を高密度配置とし、形成される機能層の密度を高めることができる。従って、機能層を例えば2μm以下まで薄厚化した場合であっても、機能層の保護機能(機能層を設けた電池部材に耐熱性や強度などを付与する機能)を確保することができる。 なお、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、既知の非導電性有機粒子や、非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子B以外の既知の非導電性無機粒子を非導電性粒子として含有していてもよいが、非導電性粒子は、非導電性無機粒子Aと非導電性無機粒子Bとを混合してなる混合物のみからなることが好ましい。また、非導電性無機粒子Aと非導電性無機粒子Bとの混合は、非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bを結着材や任意の添加剤と混合して機能層用組成物を調製する前に行ってもよいし、結着材や任意の添加剤と混合して機能層用組成物を調製する際に行ってもよい。

[非導電性無機粒子A] ここで、非導電性無機粒子Aとしては、非水系二次電池の使用環境下で安定に存在し、電気化学的に安定である無機材料からなる粒子が好ましい。このような観点から非導電性無機粒子Aの好ましい例を挙げると、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化アルミニウムの水和物(ベーマイト(AlOOH)、ギブサイト(Al(OH)3)、酸化ケイ素、酸化マグネシウム(マグネシア)、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン(チタニア)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物等の酸化物の粒子;窒化アルミニウム、窒化ホウ素等の窒化物の粒子;シリコン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶の粒子;硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性イオン結晶の粒子;タルク、モンモリロナイト等の粘土微粒子;などが挙げられる。これらの中でも、非導電性無機粒子Aとしては、硫酸バリウム粒子、チタン酸バリウム粒子が好ましく、硫酸バリウム粒子がより好ましい。また、これらの粒子は、必要に応じて元素置換、表面処理、固溶体化等が施されていてもよい。

−密度− そして、非導電性無機粒子Aの密度は、4g/cm3以上7g/cm3以下であることが必要であり、4.05g/cm3以上であることが好ましく、4.10g/cm3以上であることがより好ましく、6.5g/cm3以下であることが好ましく、6.0g/cm3以下であることがより好ましく、5.0g/cm3以下であることが更に好ましい。非導電性無機粒子Aの密度が4g/cm3以上であれば、機能層の密度を高め、機能層の保護機能を十分に向上させることができる。また、非導電性無機粒子Aの密度が7g/cm3以下であれば、機能層用組成物の分散性および塗工性を高めて機能層の保護機能を十分に向上させることができると共に、機能層用組成物を用いて形成した機能層を備える二次電池の低温出力特性が低下するのを抑制することができる。

−体積平均粒子径− また、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径は、非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径よりも大きい。そして、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径は、0.5μm以上1.0μm以下であることが必要であり、0.55μm以上であることが好ましく、0.6μm以上であることがより好ましく、0.9μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましい。非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径が0.5μm以上であれば、機能層のガーレー値が上昇する(即ち、イオン伝導性が低下する)のを抑制し、機能層を備える二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。また、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径が1.0μm以下であれば、機能層の薄厚化が可能になると共に、機能層内での非導電性無機粒子Aの配置を高密度配置として機能層の密度を高め、機能層を薄厚化した場合であっても機能層の保護機能を確保することができる。

−粒子径分布− なお、非導電性無機粒子Aは、特に限定されることなく、動的光散乱法で測定した体積基準の粒子径分布が、ピークまたはショルダーを1つのみ有することが好ましく、正規分布であることがより好ましい。そして、ピークまたはショルダーは、0.5μm以上の範囲に存在することが好ましく、0.55μm以上の範囲に存在することがより好ましく、0.6μm以上の範囲に存在することが更に好ましく、1.0μm以下の範囲に存在することが好ましく、0.9μm以下の範囲に存在することがより好ましく、0.8μm以下の範囲に存在することが更に好ましい。

−含有量− そして、非導電性無機粒子Aと非導電性無機粒子Bとを混合してなる混合物(100質量%)中の非導電性無機粒子Aの割合は、50質量%以上90質量%以下であることが必要であり、55質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、85質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。混合物中の非導電性無機粒子Aの割合が50質量%以上であれば、体積平均粒子径の小さい非導電性無機粒子Bの割合が多くなり過ぎて機能層のガーレー値が上昇する(即ち、イオン伝導性が低下する)のを抑制し、機能層を備える二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。また、混合物中の非導電性無機粒子Aの割合が50質量%以上であれば、機能層用組成物の粘度が上昇するのを抑制することができるので、機能層の密度を高めることができ、機能層の保護機能を十分に高めることができる。更に、非導電性無機粒子Bの凝集を抑制できるので、機能層が均一となり、機能層のピール強度が高まる。また、混合物中の非導電性無機粒子Aの割合が90質量%以下であれば、体積平均粒子径の大きい非導電性無機粒子Aの割合が多くなり過ぎて機能層の薄厚化が困難になるのを防止することができると共に、機能層内での非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bの配置を高密度配置として機能層の保護機能を十分に高めることができる。

[非導電性無機粒子B] また、非導電性無機粒子Bとしては、上述した非導電性無機粒子Aと同様の無機材料からなる粒子を用いることができる。中でも、非導電性無機粒子Bとしては、硫酸バリウム粒子、チタン酸バリウム粒子が好ましく、硫酸バリウム粒子がより好ましい。

−密度− そして、非導電性無機粒子Bの密度は、4g/cm3以上7g/cm3以下であることが必要であり、4.05g/cm3以上であることが好ましく、4.10g/cm3以上であることがより好ましく、6.5g/cm3以下であることが好ましく、6.0g/cm3以下であることがより好ましく、5.0g/cm3以下であることが更に好ましい。非導電性無機粒子Bの密度が4g/cm3以上であれば、機能層の密度を高め、機能層の保護機能を十分に向上させることができる。また、非導電性無機粒子Bの密度が7g/cm3以下であれば、機能層用組成物の分散性および塗工性を高めて機能層の保護機能を十分に向上させることができると共に、機能層用組成物を用いて形成した機能層を備える二次電池の低温出力特性が低下するのを抑制することができる。

−体積平均粒子径− また、非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径は、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径よりも小さい。そして、非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径は、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径の0.05倍以上0.6倍以下であることが必要であり、0.1倍以上であることが好ましく、0.2倍以上であることがより好ましく、0.55倍以下であることが好ましく、0.45倍以下であることがより好ましい。上述した性状の非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bを併用するに当たり、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比を0.05倍以上とすれば、機能層のガーレー値が上昇する(即ち、イオン伝導性が低下する)のを抑制し、機能層を備える二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。更に、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比を0.05倍以上とすれば、機能層用組成物の分散性が低下するのを抑制することができると共に、当該機能層用組成物を用いて形成した機能層のピール強度が低下するのを抑制することができる。また、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比を0.6倍以下とすれば、機能層の薄厚化が可能になると共に、機能層内での非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bの配置を高密度配置として機能層の保護機能を十分に高めることができる。従って、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比を上記範囲内とすれば、機能層を適度に高密度化して、機能層の保護機能の確保および薄厚化を可能にしつつ、機能層のピール強度の低下および二次電池の低温出力特性の低下を抑制することができる。

そして、非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径は、0.05μm以上であることが好ましく、0.05μm超であることがより好ましく、0.08μm以上であることが更に好ましく、0.1μm以上であることが特に好ましく、0.3μm未満であることが好ましく、0.28μm以下であることがより好ましい。非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径が0.05μm以上であれば、機能層用組成物の分散性が低下するのを抑制することができると共に、当該機能層用組成物を用いて形成した機能層のピール強度を十分に高めることができる。また、機能層のガーレー値が上昇する(即ち、イオン伝導性が低下する)のを抑制し、機能層を備える二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。更に、非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径が、0.3μm未満であれば、機能層の薄厚化が可能になると共に、機能層内での非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bの配置を高密度配置として機能層の密度を高め、機能層を薄厚化した場合であっても機能層の保護機能を確保することができる。

−粒子径分布− なお、非導電性無機粒子Bは、特に限定されることなく、動的光散乱法で測定した体積基準の粒子径分布が、ピークまたはショルダーを1つのみ有することが好ましく、正規分布であることがより好ましい。そして、ピークまたはショルダーは、0.05μm以上の範囲に存在することが好ましく、0.05μm超の範囲に存在することがより好ましく、0.08μm以上の範囲に存在することが更に好ましく、0.1μm以上の範囲に存在することが特に好ましく、0.3μm未満の範囲に存在することが好ましく、0.28μm以下の範囲に存在することがより好ましい。

[混合物の性状] そして、上述した非導電性無機粒子Aと、上述した非導電性無機粒子Bとを混合してなる混合物は、特に限定されることなく、密度が、通常4g/cm3以上7g/cm3以下であり、好ましくは4.05g/cm3以上であり、また、好ましくは6.5g/cm3以下であり、より好ましくは6.0g/cm3以下であり、更に好ましくは5.0g/cm3以下である。 また、混合物は、特に限定されることなく、動的光散乱法で測定した体積基準の粒子径分布が、ピークまたはショルダーを2つ有することが好ましい。そして、混合物の粒子径分布がピークまたはショルダーを2つ有する場合、通常、小粒子径側のピークまたはショルダーは主として非導電性無機粒子Bに由来するピークまたはショルダーであり、大粒子径側のピークまたはショルダーは主として非導電性無機粒子Aに由来するピークまたはショルダーである。

<結着材> また、本発明の非水系二次電池機能層用組成物に含有される結着材としては、特に限定されることなく、既知の結着材、例えば、熱可塑性エラストマーが挙げられる。そして、熱可塑性エラストマーとしては、共役ジエン系重合体およびアクリル系重合体が好ましく、アクリル系重合体がより好ましい。 ここで、共役ジエン系重合体とは、共役ジエン単量体単位を含む重合体を指す。そして、共役ジエン系重合体の具体例としては、特に限定されることなく、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)などの芳香族ビニル単量体単位および脂肪族共役ジエン単量体単位を含む共重合体、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム(NBR)(アクリロニトリル単位およびブタジエン単位を含む共重合体)、並びに、それらの水素化物などが挙げられる。 また、アクリル系重合体とは、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含む重合体を指す。ここで、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を形成し得る(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることができる。なお、本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。 これらの結着材は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。

そして、結着材として好ましく使用し得るアクリル系重合体は、(メタ)アクリロニトリル単量体単位を含むことがさらに好ましい。これにより、機能層の強度を高めることができる。なお、本発明において、(メタ)アクリロニトリルとは、アクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリルを意味する。

[ガラス転移温度] また、結着材として用いられる重合体のガラス転移温度は、好ましくは50℃以下であり、より好ましくは0℃以下であり、更に好ましくは−10℃以下である。重合体のガラス転移温度が50℃以下であれば、十分に高い接着性を発揮し、機能層に含まれる成分が機能層から脱落するのを十分に抑制すると共に機能層のピール強度を十分に高めることができる。なお、結着材として用いられる重合体のガラス転移温度は、通常、−50℃以上である。そして、重合体のガラス転移温度は、JIS K7121に従って測定することができる。

[体積平均粒子径] 更に、結着材として用いられる重合体が粒子状の重合体である場合、重合体の体積平均粒子径は、好ましくは50nm以上であり、より好ましくは100nm以上であり、更に好ましくは150nm以上であり、好ましくは500nm以下であり、より好ましくは450nm以下であり、更に好ましくは400nm以下である。結着材の体積平均粒子径を50nm以上にすることにより、結着材の分散性を高めることができると共に、機能層中で結着材が密に充填されて機能層のガーレー値が上昇し、二次電池の低温出力特性が低下するのを抑制することができる。また、結着材の体積平均粒子径を500nm以下にすることにより、機能層のピール強度を高めることができる。

[含有量] そして、非水系二次電池機能層用組成物中の結着材の含有量は、非導電性粒子100質量部当たり、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることが更に好ましく、20質量部以下であることが好ましく、18質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましい。非導電性粒子100質量部当たりの結着材の含有量を1質量部以上にすることにより、非導電性粒子が機能層から脱落するのを十分に防止するとともに、機能層のピール強度を高めることができる。また、非導電性粒子100質量部当たりの結着材の含有量を20質量部以下にすることにより、機能層のイオン伝導性が低下するのを抑制し、二次電池の低温出力特性が低下するのを抑制することができる。

なお、結着材として使用し得る上述した重合体の製造方法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが挙げられる。中でも、水中で重合をすることができ、粒子状の重合体を含む水分散液をそのまま非水系二次電池機能層用組成物の材料として好適に使用できるので、乳化重合法および懸濁重合法が好ましい。

<添加剤> 非水系二次電池機能層用組成物は、上述した成分以外にも、任意のその他の成分を含んでいてもよい。前記その他の成分は、電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られず、公知のものを使用することができる。また、これらのその他の成分は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。 前記その他の成分としては、例えば、分散剤、粘度調整剤、濡れ剤などの既知の添加剤が挙げられる。

[分散剤] なお、分散剤としては、特に限定されることなく、ポリカルボン酸ナトリウムやポリカルボン酸アンモニウムを用いることができる。 そして、分散剤の使用量は、非導電性粒子100質量部当たり、0.1質量部以上とすることが好ましく、0.5質量部以上とすることがより好ましく、1.0質量部以上とすることが更に好ましく、4質量部以下とすることが好ましく、3.5質量部以下とすることがより好ましく、3.3質量部以下とすることが更に好ましい。分散剤の使用量を上記範囲内とすれば、機能層用組成物の分散性と塗工性とを十分に向上させることができる。

[粘度調整剤] また、粘度調整剤としては、特に限定されることなく、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、ポリアクリル酸、並びに、ポリアクリルアミド等の水溶性重合体を用いることができる。中でも、粘度調整剤としては、ポリアクリルアミドが好ましい。粘度調整剤としてポリアクリルアミドを使用すれば、機能層用組成物の塗工性を向上させることができる。また、粘度調整剤としてポリアクリルアミドを使用すれば、機能層の残存水分量の低減および耐熱収縮性の向上を達成すると共に、機能層にハロゲン等の不純物の捕捉能を付与することができるので、機能層を備える二次電池に優れた高温サイクル特性を発揮させることができる。 そして、粘度調整剤の使用量は、非導電性粒子100質量部当たり、0.1質量部以上とすることが好ましく、1質量部以上とすることがより好ましく、3質量部以下とすることが好ましく、2.5質量部以下とすることがより好ましい。粘度調整剤の使用量を上記範囲内とすれば、機能層用組成物の分散性および塗工性を十分に向上させることができると共に、機能層のピール強度を高めることができる。

[濡れ剤] 更に、濡れ剤としては、特に限定されることなく、ノニオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤を用いることができる。中でも、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合などのノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。 そして、濡れ剤の使用量は、非導電性粒子100質量部当たり、0.05質量部以上とすることが好ましく、0.1質量部以上とすることがより好ましく、0.15質量部以上とすることが更に好ましく、2質量部以下とすることが好ましく、1.5質量部以下とすることがより好ましく、1質量部以下とすることが更に好ましい。濡れ剤の使用量を上記範囲内とすれば、機能層用組成物の塗工性を十分に向上させることができると共に、機能層用組成物を用いて形成した機能層を備える二次電池の低温出力特性を十分に向上させることができる。

<非水系二次電池機能層用組成物の性状> そして、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、固形分濃度が35質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。機能層用組成物の固形分濃度が上記範囲内であれば、非導電性粒子の分散性を確保しつつ固形分濃度を高めることができる。 また、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、回転数60rpmでの粘度が10mPa・s以上110mPa・s以下であることが好ましく、回転数6rpmでの粘度が30mPa・s以上120mPa・s以下であることが好ましい。機能層用組成物の粘度が上記範囲内であれば、機能層用組成物の塗工性を十分に向上させることができると共に、機能層のピール強度を高めることができる。なお、本発明において、「非水系二次電池機能層用組成物の粘度」は、温度25℃においてB型粘度計により測定することができる。

(非水系二次電池機能層用組成物の製造方法) 上述した本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、特に限定されることなく、上述した非導電性粒子と、結着材と、必要に応じて用いられる任意の添加剤とを、水などの分散媒の存在下で混合して得ることができる。具体的には、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、上述した性状を有する非導電性無機粒子Aと、上述した性状を有する非導電性無機粒子Bと、上述した結着材と、任意の添加剤とを、非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bの合計に対する非導電性無機粒子Aの割合が50質量%以上90質量%以下となるように混合する工程を含む本発明の非水系二次電池機能層用組成物の製造方法により、得ることができる。

ここで、上述した成分の混合方法は特に制限されないが、各成分を効率よく分散させるべく、混合装置として分散機を用いて混合を行うことが好ましい。そして、分散機は、上記成分を均一に分散および混合できる装置が好ましい。分散機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどが挙げられる。 また、上述した成分の混合順序も特に制限はされず、例えば、予め混合しておいた非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bの混合物と、上述した結着材と、任意の添加剤とを混合して機能層用組成物を調製しても良いし、非導電性無機粒子Aと、非導電性無機粒子Bと、上述した結着材と、任意の添加剤との全てを一緒に混合して機能層用組成物を調製しても良いし、非導電性無機粒子Aと、非導電性無機粒子Bと、任意の添加剤の一部とを一緒に混合した後、上述した結着材と、残りの添加剤とを添加して更に混合することにより機能層用組成物を調製しても良い。

(非水系二次電池用機能層) 本発明の非水系二次電池用機能層は、上述した非水系二次電池機能層用組成物から形成されたものであり、例えば、上述した機能層用組成物を適切な基材の表面に塗布して塗膜を形成した後、形成した塗膜を乾燥することにより、形成することができる。 そして、本発明の非水系二次電池用機能層は、上述した非水系二次電池機能層用組成物を用いて形成しているので、優れたピール強度および保護機能を発揮することができると共に、当該機能層を備える二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。

<基材> ここで、機能層用組成物を塗布する基材に制限は無く、例えば離型基材の表面に機能層用組成物の塗膜を形成し、その塗膜を乾燥して機能層を形成し、機能層から離型基材を剥がすようにしてもよい。このように、離型基材から剥がされた機能層を自立膜として二次電池の電池部材の形成に用いることもできる。具体的には、離型基材から剥がした機能層をセパレータ基材の上に積層して機能層を備えるセパレータを形成してもよいし、離型基材から剥がした機能層を電極基材の上に積層して機能層を備える電極を形成してもよい。 しかし、機能層を剥がす工程を省略して電池部材の製造効率を高める観点からは、基材としてセパレータ基材または電極基材を用いることが好ましい。セパレータ基材および電極基材上に設けられた機能層は、セパレータおよび電極の耐熱性や強度などを向上させる保護層として好適に使用することができる。

[セパレータ基材] セパレータ基材としては、特に限定されないが、有機セパレータ基材などの既知のセパレータ基材が挙げられる。有機セパレータ基材は、有機材料からなる多孔性部材であり、有機セパレータ基材の例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などを含む微多孔膜または不織布などが挙げられ、強度に優れることからポリエチレン製の微多孔膜や不織布が好ましい。なお、セパレータ基材の厚さは、任意の厚さとすることができ、好ましくは5μm以上30μm以下であり、より好ましくは5μm以上20μm以下であり、更に好ましくは5μm以上18μm以下である。セパレータ基材の厚さが5μm以上であれば、十分な安全性が得られる。また、セパレータ基材の厚さが30μm以下であれば、イオン伝導性が低下するのを抑制し、二次電池の低温出力特性が低下するのを抑制することができると共に、セパレータ基材の熱収縮力が大きくなるのを抑制して耐熱性を高めることができる。

[電極基材] 電極基材(正極基材および負極基材)としては、特に限定されないが、集電体上に電極合材層が形成された電極基材が挙げられる。 ここで、集電体、電極合材層中の電極活物質(正極活物質、負極活物質)および電極合材層用結着材(正極合材層用結着材、負極合材層用結着材)、並びに、集電体上への電極合材層の形成方法は、既知のものを用いることができ、例えば特開2013−145763号公報に記載のものを用いることができる。

<非水系二次電池用機能層の形成方法> 上述したセパレータ基材、電極基材などの基材上に機能層を形成する方法としては、以下の方法が挙げられる。 1)本発明の非水系二次電池機能層用組成物をセパレータ基材または電極基材の表面(電極基材の場合は電極合材層側の表面、以下同じ)に塗布し、次いで乾燥する方法; 2)本発明の非水系二次電池機能層用組成物にセパレータ基材または電極基材を浸漬後、これを乾燥する方法; 3)本発明の非水系二次電池機能層用組成物を離型基材上に塗布し、乾燥して機能層を製造し、得られた機能層をセパレータ基材または電極基材の表面に転写する方法; これらの中でも、前記1)の方法が、機能層の層厚制御をしやすいことから特に好ましい。前記1)の方法は、詳細には、機能層用組成物を基材上に塗布する工程(塗布工程)、基材上に塗布された機能層用組成物を乾燥させて機能層を形成する工程(機能層形成工程)を含む。

[塗布工程] そして、塗布工程において、機能層用組成物を基材上に塗布する方法としては、特に制限は無く、例えば、ドクターブレード法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。

[機能層形成工程] また、機能層形成工程において、基材上の機能層用組成物を乾燥する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができ、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。乾燥条件は特に限定されないが、乾燥温度は好ましくは50〜150℃で、乾燥時間は好ましくは5〜30分である。

<機能層の厚み> そして、本発明の非水系二次電池機能層用組成物を用いて形成される機能層の厚みは、0.5μm以上2μm以下であることが好ましく、0.5μm以上2μm未満であることがより好ましく、0.5μm以上1.5μm以下であることが更に好ましく、0.5μm以上1.2μm以下であることが特に好ましい。機能層の厚みが0.5μm以上であれば、保護機能を更に高めることができるので、機能層を設けた電池部材の耐熱性や強度を更に向上させることができる。また、機能層の厚みが2μm以下であれば、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。更に、機能層を設けた電池部材を薄厚化して二次電池の高容量化を達成することができる。なお、本発明の非水系二次電池用機能層は、上述した性状を有する非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bを特定の割合で混合してなる混合物を含む非水系二次電池機能層用組成物を用いて形成されているので、薄厚化した場合であっても保護機能を十分に確保しつつ二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。

<機能層の密度> また、本発明の非水系二次電池機能層用組成物を用いて形成される機能層の密度は、2.0g/cm3以上3.0g/cm3以下であることが好ましく、2.05g/cm3以上3.0g/cm3以下であることがより好ましく、2.1g/cm3以上3.0g/cm3以下であることが更に好ましい。機能層の密度が2.0g/cm3以上であれば、機能層の保護機能を更に高めることができるので、機能層を設けた電池部材の耐熱性や強度を更に向上させることができる。特に、機能層の密度が2.0g/cm3以上であれば、機能層を薄厚化した場合であっても保護機能を十分に確保することができる。また、機能層の密度が3.0g/cm3以下であれば、機能層のイオン伝導性が低下するのを抑制して、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる。

(機能層を備える電池部材) 本発明の機能層を備える電池部材(セパレータおよび電極)は、本発明の効果を著しく損なわない限り、セパレータ基材または電極基材と、本発明の機能層との他に、上述した本発明の機能層以外の構成要素を備えていてもよい。

ここで、本発明の機能層以外の構成要素としては、本発明の機能層に該当しないものであれば特に限定されることなく、本発明の機能層上に設けられて電池部材同士の接着に用いられる接着層などが挙げられる。

(非水系二次電池) 本発明の非水系二次電池は、上述した本発明の非水系二次電池用機能層を備えるものである。より具体的には、本発明の非水系二次電池は、正極、負極、セパレータ、および電解液を備え、上述した非水系二次電池用機能層が、電池部材である正極、負極およびセパレータの少なくとも一つに含まれる。そして、本発明の非水系二次電池は、本発明の非水系二次電池機能層用組成物から得られる機能層を備えているので、優れた電池特性(例えば、低温出力特性)を発揮する。

<正極、負極およびセパレータ> 本発明の二次電池に用いる正極、負極およびセパレータは、少なくとも一つが本発明の機能層を含む。具体的には、機能層を有する正極および負極としては、集電体上に電極合材層を形成してなる電極基材の上に本発明の機能層を設けてなる電極を用いることができる。また、機能層を有するセパレータとしては、セパレータ基材の上に本発明の機能層を設けてなるセパレータを用いることができる。なお、電極基材およびセパレータ基材としては、「非水系二次電池用機能層」の項で挙げたものと同様のものを用いることができる。 また、機能層を有さない正極、負極およびセパレータとしては、特に限定されることなく、上述した電極基材よりなる電極および上述したセパレータ基材よりなるセパレータを用いることができる。

<電解液> 電解液としては、通常、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。支持電解質としては、例えば、リチウムイオン二次電池においてはリチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。なかでも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すので、LiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。なお、電解質は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。通常は、解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなる傾向があるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。

電解液に使用する有機溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、例えばリチウムイオン二次電池においては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチルカーボネート(MEC)等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチル等のエステル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物類;などが好適に用いられる。また、これらの溶媒の混合液を用いてもよい。中でも、誘電率が高く、安定な電位領域が広いので、カーボネート類が好ましい。通常、用いる溶媒の粘度が低いほどリチウムイオン伝導度が高くなる傾向があるので、溶媒の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。 なお、電解液中の電解質の濃度は適宜調整することができる。また、電解液には、既知の添加剤を添加してもよい。

(非水系二次電池の製造方法) 上述した本発明の非水系二次電池は、例えば、正極と負極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを必要に応じて、巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口することで製造することができる。なお、正極、負極、セパレータのうち、少なくとも一つの部材を機能層付きの部材とする。また、電池容器には、必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をしてもよい。電池の形状は、例えば、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、形、扁平型など、何れであってもよい。

以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。 また、複数種類の単量体を共重合して製造される重合体において、ある単量体を重合して形成される構造単位の前記重合体における割合は、別に断らない限り、通常は、その重合体の重合に用いる全単量体に占める当該ある単量体の比率(仕込み比)と一致する。 実施例および比較例において、非導電性無機粒子の密度および体積平均粒子径、結着材のガラス転移温度および体積平均粒子径、機能層用組成物の粘度、機能層の厚み、密度およびピール強度、セパレータの耐熱性、並びに、二次電池の低温出力特性は、下記の方法で測定および評価した。

<非導電性無機粒子の密度> 乾式密度計(島津製作所社製、製品名「アキュピック1330」)を使用し、気相置換法により温度25℃における真密度を測定した。なお、気体としてはヘリウムガスを使用した。 <非導電性無機粒子および結着材の体積平均粒子径> 水分散液を濃度2質量%のヘキサメタリン酸水溶液で1000倍に希釈し、出力300Wで2分間超音波を照射した後、動的光散乱式粒子径分析装置(スペクトリス株式会社製、製品名「ゼータサイザーナノ」)を用いて粒子径分布(体積基準)を測定した。そして、測定された粒子径分布において、小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径を体積平均粒子径(D50)とした。 <結着材のガラス転移温度> 示差熱分析測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、製品名「EXSTAR DSC6220」)を用い、JIS K7121に従ってDSC曲線を測定した。具体的には、乾燥させた測定試料10mgをアルミパンに計量し、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲−100℃〜500℃の間で、昇温速度10℃/分、常温常湿下で、DSC曲線を測定した。この昇温過程で、微分信号(DDSC)が0.05mW/分/mg以上となるDSC曲線の吸熱ピークが出る直前のベースラインと、吸熱ピーク後に最初に現れる変曲点でのDSC曲線の接線との交点から、ガラス転移温度を求めた。 <機能層用組成物の粘度> B型粘度計(東機産業株式会社製、製品名「TVB−10M」)を使用し、温度25℃において、回転数6rpmにおける粘度および回転数60rpmにおける粘度を測定した。 <機能層の厚み> 高精度デジタル測長機(株式会社ミツトヨ製、製品名「ライトマチックVL−50−B」)を使用し、作製した機能層付きセパレータの任意の10箇所において機能層の層厚を測定し、測定した層厚の平均値を算出して機能層の厚みとした。 <機能層の密度> 作製した機能層付きセパレータおよび機能層を形成する前のセパレータ基材から12cm×12cmの測定用試料を切り出し、それぞれの質量を測定して単位面積当たりの機能層の質量を求めた。そして、単位面積当たりの機能層の質量を機能層の厚みで割ることにより、機能層の密度を算出した。 <機能層のピール強度> 作製した機能層付きセパレータから長さ100mm、幅10mmの長方形の試験片を切り出した。また、予め試験台にセロハンテープを固定した。このセロハンテープとしては、JIS Z1522に規定されるものを用いた。 そして、セパレータから切り出した試験片を、機能層を下にしてセロハンテープに貼り付けた。その後、セパレータの一端を垂直方向に引張り速度100mm/分で引っ張って剥がしたときの応力を測定した。測定を3回行い、測定した応力の平均値を求めて、これを機能層のピール強度とした。そして、以下の基準で評価した。 A:ピール強度が100N/m以上 B:ピール強度が80N/m以上100N/m未満 C:ピール強度が60N/m以上80N/m未満 D:ピール強度が60N/m未満 <セパレータの耐熱性> 作製したセパレータを、12cm×12cmの正方形に切り出し、かかる正方形の内部に1辺が10cmの正方形を描いて試験片とした。そして、試験片を150℃の恒温槽に入れて1時間放置した後、内部に描いた正方形の面積変化(={(放置前の正方形の面積−放置後の正方形の面積)/放置前の正方形の面積}×100%)を熱収縮率として求め、以下の基準で評価した。この熱収縮率が小さいほど、機能層の保護機能が高く、機能層を有するセパレータの耐熱収縮性が優れていることを示す。 A:熱収縮率が5%未満 B:熱収縮率が5%以上10%未満 C:熱収縮率が10%以上20%未満 D:熱収縮率が20%以上30%未満 E:熱収縮率が30%以上 <二次電池の低温出力特性> 製造した放電容量1000mAhの捲回型リチウムイオン二次電池を、25℃の環境下で24時間静置させた後、25℃の環境下において、4.35V、0.1Cの充電レートで5時間の充電の操作を行い、その時の電圧V0を測定した。その後、−10℃の環境下で、1Cの放電レートにて放電の操作を行い、放電開始15秒後の電圧V1を測定した。そして、電圧変化ΔV(=V0−V1)を求め、以下の基準で評価した。この電圧変化ΔVが小さいほど、二次電池が低温出力特性に優れていることを示す。 A:電圧変化ΔVが500mV以下 B:電圧変化ΔVが500mV超700mV以下 C:電圧変化ΔVが700mV超900mV以下 D:電圧変化ΔVが900mV超

(実施例1) <結着材の調製> 撹拌機を備えた反応器に、イオン交換水70部、乳化剤としてのラウリル硫酸ナトリウム(花王ケミカル社製、製品名「エマール(登録商標)2F」)0.15部、および、重合開始剤としてのペルオキソ二硫酸アンモニウム0.5部を、それぞれ供給し、気相部を窒素ガスで置換し、60℃に昇温した。 一方、別の容器で、イオン交換水50部、分散剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、並びに、アクリル酸ブチル93.8部、メタクリル酸2.0部、N−メチロールアクリルアミド1.2部、アクリロニトリル2.0部およびアリルグリシジルエーテル1.0部を混合して単量体混合物を得た。この単量体混合物を4時間かけて前記反応器に連続的に添加して重合を行った。添加中は60℃で反応を行った。添加終了後、更に70℃で3時間撹拌して反応を終了し、粒子状の重合体からなる結着材を含む水分散液を製造した。 そして、得られた結着材の体積平均粒子径およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。 <機能層用組成物の調製> 非導電性無機粒子Aとしての硫酸バリウム粒子(密度:4.4g/cm3、比表面積:3.0m2/g、体積平均粒子径:0.70μm)を70部と、非導電性無機粒子Bとしての硫酸バリウム粒子(密度:4.1g/cm3、比表面積:12.5g/m2、体積平均粒子径:0.27μm)を30部と、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム塩2.5部とに対し、固形分濃度が50質量%となるように水を添加し、分散装置(アシザワファインテック製、製品名「LMZ−015」)を用いて分散させた。なお、分散は、直径0.4mmビーズを使用し、周速6m/秒、流量0.3L/分にて行った。その後、得られた分散液に、粘度調整剤としてのポリアクリルアミドの水溶液(固形分濃度:15質量%)を固形分相当で1.5部添加して混合した。次いで、結着材の水分散液を固形分相当で5部、および、濡れ剤としてのエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体0.2部を、それぞれ添加し、固形分濃度が40質量%となるように水を添加して混合し、スラリー状の機能層用組成物を得た。 そして、得られた機能層用組成物の粘度を測定した。結果を表1に示す。 <セパレータの作製> 湿式法により製造された、幅250mm、長さ1000m、厚さ12μmの単層のポリエチレン製のセパレータ基材(ガーレー値:155秒/100cc)を準備した。そして、セパレータ基材の上に、機能層用組成物を、乾燥後の厚さが1.0μmになるようにグラビアコーターを用いて20m/分の速度で塗布し、次いで50℃の乾燥炉で乾燥して機能層(多孔膜層)を有する機能層付きセパレータを作製し、これを巻き取った。 そして、機能層の厚み、密度およびピール強度を測定すると共に、得られたセパレータの耐熱性を評価した。結果を表1に示す。 <負極の作製> 攪拌機付き5MPa耐圧容器に、1,3−ブタジエン33部、イタコン酸3.5部、スチレン63.5部、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4部、イオン交換水150部および重合開始剤としての過硫酸カリウム0.5部を入れ、十分に攪拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で冷却し、反応を停止して、粒子状結着材(SBR)を含む混合物を得た。そして、粒子状結着材を含む混合物に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整した後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。その後、30℃以下まで冷却し、粒子状結着材を含む水分散液を得た。 次に、負極活物質としての人造黒鉛(体積平均粒子径:15.6μm)100部、粘度調整剤としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(日本製紙社製、製品名「MAC350HC」)の2%水溶液を固形分相当で1部、および、固形分濃度が68%になる量のイオン交換水を25℃で60分間混合した。更に、イオン交換水で固形分濃度を62%に調整した後、25℃で15分間混合した。得られた混合液に、粒子状結着材を固形分相当で1.5部とイオン交換水とを入れ、最終固形分濃度が52%となるように調整し、さらに10分間混合した。得られた混合液を減圧下で脱泡処理して、流動性の良い二次電池負極用スラリー組成物を得た。 そして、得られた負極用スラリー組成物を、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmの銅箔の上に、乾燥後の膜厚が150μm程度になるように塗布し、乾燥させた。この乾燥は、銅箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して、プレス前の負極原反を得た。このプレス前の負極原反をロールプレスで圧延して、負極合材層の厚みが80μmのプレス後の負極を得た。 <正極の作製> 正極活物質としてのLiCoO2(体積平均粒子径:12μm)100部、導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業社製、製品名「HS−100」)2部、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、製品名「#7208」)を固形分相当で2部、および、N−メチルピロリドンを混合し、固形分濃度を70%とした。これらをプラネタリーミキサーにより混合し、正極用スラリー組成物を得た。 得られた正極用スラリー組成物を、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmのアルミ箔の上に、乾燥後の膜厚が150μm程度になるように塗布し、乾燥させた。この乾燥は、アルミ箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して、プレス前の正極原反を得た。このプレス前の正極原反をロールプレスで圧延して、正極合材層の厚みが80μmのプレス後の正極を得た。 <二次電池の製造> 得られたプレス後の正極を49cm×5cmに切り出して正極合材層側の表面が上側になるように置き、その上に120cm×5.5cmに切り出した機能層付きセパレータを、正極合材層と機能層とが対向し、且つ、正極がセパレータの長手方向左側に位置するように配置した。さらに、上記で得られたプレス後の負極を、50cm×5.2cmに切り出し、これをセパレータ上に、負極合材層側の表面がセパレータに向かい合うように、かつ、負極がセパレータの長手方向右側に位置するように配置した。これを捲回機により、セパレータの長手方向の真ん中を中心に捲回し、捲回体を得た。この捲回体を60℃、0.5MPaでプレスし、扁平体とし、電池の外装としてのアルミ包材外装で包み、電解液(溶媒:エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート/ビニレンカーボネート(体積混合比)=68.5/30/1.5、電解質:濃度1MのLiPF6)を空気が残らないように注入し、更に、アルミ包材外装の開口を密封するために、150℃のヒートシールをしてアルミ包材外装を閉口した。その後、捲回体と外装体であるアルミ包材外装とを60℃、0.5MPaでプレスし、非水系二次電池として放電容量1000mAhの捲回型リチウムイオン二次電池を製造した。 得られたリチウムイオン二次電池について、低温出力特性を評価した。結果を表1に示す。

(実施例2〜3) 機能層用組成物の調製時に、非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bの配合量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、結着材、機能層用組成物、セパレータ、負極、正極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。

(実施例4〜5) 機能層用組成物の調製時に、非導電性無機粒子Aとして、実施例4では硫酸バリウム粒子(密度:4.4g/cm3、比表面積:2.1m2/g、体積平均粒子径:0.90μm)を使用し、実施例5では硫酸バリウム粒子(密度:4.4g/cm3、比表面積:8.3m2/g、体積平均粒子径:0.50μm)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、結着材、機能層用組成物、セパレータ、負極、正極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。

(実施例6〜7) 機能層用組成物の調製時に、非導電性無機粒子Bとして、実施例6では硫酸バリウム粒子(密度:4.1g/cm3、比表面積:15.0m2/g、体積平均粒子径:0.17μm)を使用し、実施例7では硫酸バリウム粒子(密度:4.1g/cm3、比表面積:20.0m2/g、体積平均粒子径:0.06μm)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、結着材、機能層用組成物、セパレータ、負極、正極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。

(実施例8) 機能層用組成物の調製時に、非導電性無機粒子Aとして、チタン酸バリウム粒子(密度:6.02g/cm3、比表面積:2.3m2/g、体積平均粒子径:0.50μm)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、結着材、機能層用組成物、セパレータ、負極、正極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。

(実施例9〜10) 機能層用組成物の調製時に、結着材の配合量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、結着材、機能層用組成物、セパレータ、負極、正極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。

(比較例1〜2) 機能層用組成物の調製時に、非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bの配合量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、結着材、機能層用組成物、セパレータ、負極、正極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。

(比較例3) 機能層用組成物の調製時に、非導電性無機粒子Aとして、窒化ジルコニウム粒子(密度:7.09g/cm3、比表面積:1.4m2/g、体積平均粒子径:0.5μm)を使用し、非導電性無機粒子Bとして、窒化ジルコニウム粒子(密度:7.09g/cm3、比表面積:50m2/g、体積平均粒子径:0.05μm)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、結着材、機能層用組成物、セパレータ、負極、正極および二次電池を製造しようとしたところ、機能層用組成物の分散性および流動性が悪く、機能層用組成物の評価、並びに、セパレータおよび二次電池の製造ができなかった。

(比較例4) 機能層用組成物の調製時に、非導電性無機粒子Bとして、硫酸バリウム粒子(密度:4.0g/cm3、比表面積:74m2/g、体積平均粒子径:0.03μm)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、結着材、機能層用組成物、セパレータ、負極、正極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。

(比較例5) 機能層用組成物の調製時に、非導電性無機粒子Aとして、アルミナ粒子(密度:3.94g/m2、比表面積:4.0m2/g、体積平均粒子径:0.6μm)を使用し、非導電性無機粒子Bとして、アルミナ粒子(密度:3.94g/m3、比表面積:6.1m2/g、体積平均粒子径:0.3μm)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、結着材、機能層用組成物、セパレータ、負極、正極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。

表1より、所定の密度および体積平均粒子径を有する非導電性無機粒子Aと、所定の密度を有する非導電性無機粒子Bとを所定の比率で併用し、更に、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比の大きさを所定の範囲内とした実施例1〜10では、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る機能層を薄厚で形成できることが分かる。 また、表1より、所定の密度および体積平均粒子径を有する非導電性無機粒子Aの割合が少なすぎる比較例1では、二次電池の低温出力特性が低下してしまい、所定の密度および体積平均粒子径を有する非導電性無機粒子Aの割合が多すぎる比較例2では、機能層の保護機能が低下してしまうことが分かる。更に、表1より、非導電性無機粒子A,Bの密度が高すぎる比較例3では、機能層用組成物の分散性が悪化し、機能層を形成できないことが分かる。また、表1より、非導電性無機粒子Aの体積平均粒子径に対する非導電性無機粒子Bの体積平均粒子径の比が小さすぎる比較例4では、機能層のピール強度および二次電池の低温出力特性が低下してしまうことが分かる。更に、表1より、所定の密度を有さない非導電性無機粒子Aおよび非導電性無機粒子Bを使用した比較例5では、機能層の保護機能が低下してしまうことが分かる。

本発明によれば、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る非水系二次電池用機能層を形成することができる非水系二次電池機能層用組成物を提供することができる。 また、本発明によれば、優れたピール強度および保護機能を有し、且つ、二次電池に優れた低温出力特性を発揮させ得る非水系二次電池用機能層を提供することができる。 更に、本発明によれば、低温出力特性などの電池特性に優れる非水系二次電池を提供することができる。

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