新規キサンテン保護剤

申请号 JP2017557218 申请日 2017-07-24 公开(公告)号 JP6283775B1 公开(公告)日 2018-02-21
申请人 積水メディカル株式会社; 发明人 矢野 真也; 森 利裕; 窪田 秀樹;
摘要 官能基を保護した化合物を固体化又は不溶化させず、反応後の分離、精製を容易ならしめる保護基を開発することにある。 一般式(1) (式中、Yは−OR 17 (ここでR 17 は 水 素 原子 又は活性エステル型保護基を示す)、−NHR 18 (ここで、R 18 は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、アジド、ハロゲン原子、又はメチレン基と一体となったカルボニル基を示し、R 1 〜R 8 のうちの少なくとも1個は式(2) で表される基を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し; R 9 は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し; XはO又はCONR 19 (ここでR 19 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し; Aは式(3)等 (ここで、R 10 、R 11 及びR 12 は、同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し;R 13 は単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R 14 、R 15 及びR 16 はそれぞれ、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す) で表される基を示す) で表されるキサンテン化合物。
权利要求

一般式(1) (式中、Yは−OR17(ここでR17は原子、活性エステル型カルボニル基又は活性エステル型スルホニル基を示す)、−NHR18(ここで、R18は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、アジド、ハロゲン原子、又は=Oを示し、R1〜R8のうちの少なくとも1個は式(2) で表される基を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し; R9は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し; XはO又はCONR19(ここでR19は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し; Aは式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)又は(13) (ここで、R10、R11及びR12は、同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し;R13は単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R14、R15及びR16はそれぞれ、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す) で表される基を示す) で表されるキサンテン化合物。Yが−OR17(ここでR17は水素原子を示す)、−NHR18(ここでR18は水素原子を示す)、又は=Oである請求項1記載のキサンテン化合物。R1〜R8のうち少なくとも1個が式(2)で表される基であり、残余が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である請求項1又は2記載のキサンテン化合物。R9が炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である請求項1〜3のいずれかに記載のキサンテン化合物。R9が炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である請求項1〜4のいずれかに記載のキサンテン化合物。R13が単結合又はメチレン基であり、R14、R15及びR16がメチレン基である 請求項1〜5のいずれかに記載のキサンテン化合物。請求項1〜6のいずれかに記載のキサンテン化合物からなるカルボキシ基、水酸基、ジオール基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基の保護剤。

说明书全文

本発明は、カルボキシ基、酸基、ジオール基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基等の保護剤として有用な新規キサンテン化合物に関する。

ペプチド合成や種々の化合物の合成において、カルボキシ基、水酸基、ジオール基、アミノ基、アミド基やメルカプト基等の官能基を保護して反応させる必要が生じることがある。そのような保護基としては、簡便な方法により保護ができ、かつ穏和な条件で脱離できるものが望まれる。例えば、カルボキシ基の保護基としては、ベンジルエステル(Bn)、tert−ブチルエステル等が知られている。また、最近、ベンジルアルコール系化合物やジフェニルメタン系化合物が保護基として有用であることが報告されている(特許文献1、2)。

国際公開第2012/029794号パンフレット

国際公開第2010/113939号パンフレット

しかしながら、従来の保護基で官能基を保護した化合物は、析出しやすい欠点があった。特にペプチド合成においては有機溶媒にも不溶になってしまうため、反応後の化合物の分離、精製が困難になることがしばしばであった。この分離、精製の困難性は、縮合反応が連続して行なわれるペプチド合成においては大きな問題であった。

従って、本発明の課題は、官能基を保護した化合物の有機溶媒への溶解性を向上させることで、反応後の分離、精製を固体化又は不溶化することなく容易ならしめる保護基を提供することにある。

そこで本発明者は、キサンテン化合物の置換基について種々検討した結果、キサンテン化合物のベンゼン環にオキシアルキレン基を介し末端にトリアルキルシリルオキシ基を開発した。本キサンテン化合物を用いて官能基を保護した化合物が有機溶媒中で析出しにくく、液−液相分離の操作により分離精製が容易であり、当該化合物が保護剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。

すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔12〕を提供するものである。

〔1〕一般式(1)

(式中、Yは−OR17(ここでR17は水素原子又は活性エステル型保護基を示す)、−NHR18(ここで、R18は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、アジド、ハロゲン原子、又はメチレン基と一体となったカルボニル基を示し、R1〜R8のうちの少なくとも1個は式(2)

で表される基を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し; R9は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し; XはO又はCONR19(ここでR19は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し; Aは式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)

(ここで、R10、R11及びR12は、同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し;R13は単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R14、R15及びR16はそれぞれ、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す) で表される基を示す) で表されるキサンテン化合物。 〔2〕Yが−OR17(ここでR17は水素原子又は活性エステル型保護基を示す)、−NHR18(ここで、R18は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、アジド又はハロゲン原子である〔1〕記載のキサンテン化合物。 〔3〕Yが−OR17(ここでR17は水素原子又は活性エステル型保護基を示す)、−NHR18(ここで、R18は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)を示す〔1〕記載のキサンテン化合物。 〔4〕Yが−OR17(ここでR17は水素原子を示す)、−NHR18(ここでR18は水素原子を示す)、又はメチレン基と一体となったカルボニル基である〔1〕記載のキサンテン化合物。 〔5〕Yが−OR17(ここでR17は水素原子を示す)、又は−NHR18(ここで、R18は水素原子を示す)を示す〔1〕記載のキサンテン化合物。 〔6〕R1〜R8のうち少なくとも1個が式(2)で表される基であり、残余が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のキサンテン化合物。 〔7〕R9が炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のキサンテン化合物。 〔8〕R9が炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のキサンテン化合物。 〔9〕R13が単結合又はメチレン基であり、R14、R15及びR16がメチレン基である〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のキサンテン化合物。 〔10〕〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のキサンテン化合物からなるカルボキシ基、水酸基、ジオール基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基の保護剤。 〔11〕〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のキサンテン化合物からなるカルボキシ基、水酸基、ジオール基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基の保護剤を用いて行う化合物の製造法。 〔12〕〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のキサンテン化合物からなるカルボキシ基、水酸基、ジオール基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基の保護剤を用いて行うペプチドの製造法。

本発明のキサンテン化合物(1)を用いて官能基を保護した化合物は、液状になりやすく、また溶媒への溶解性が向上するため、液−液相分離等の操作により、縮合反応後の分離、精製が容易である。 医薬、農薬等様々な化学物質の製造工程において、原料や中間体の不溶化、固化が支障となっている場合、原料や中間体化合物に本発明のキサンテン化合物(1)を結合させることで、これらの溶解性を向上させ、これらの問題点を解決することができる。

シクロペンチルメチルエーテル(CPME)に対する溶解度測定結果を示す。

一般式(1)で表される本発明のキサンテン化合物は、R1〜R8の少なくとも1個が式(2)の構造を有する点に特徴がある。かかる構造を有することにより、このキサンテン化合物(1)を用いて保護した化合物が液状になりやすく、また溶媒への溶解性が顕著に向上する。

一般式(1)中、Yは−OR17(ここでR17は水素原子又は活性エステル型保護基を示す)、−NHR18(ここで、R18は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、アジド、ハロゲン原子、又はメチレン基と一体となったカルボニル基を示す。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子が挙げられる。 活性エステル型保護基としては、活性エステル型カルボニル基、活性エステル型スルホニル基が挙げられる。活性エステル型カルボニル基としては、カルボニルオキシコハク酸イミド、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等が挙げられ、より好ましくはカルボニルオキシコハク酸イミド等が挙げられる。 活性エステル型スルホニル基としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられ、より好ましくはC1−C6アルキルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等が挙げられる。

Yとしては、−OR17(ここでR17は水素原子又は活性エステル型保護基を示す)、−NHR18(ここで、R18は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、アジド又はハロゲン原子が好ましい。 また、Yとしては、−OR17(ここでR17は水素原子又は活性エステル型保護基を示す)又は−NHR18(ここで、R18は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)がより好ましい。 Yとしては、−OR17(ここでR17は水素原子を示す)、又は−NHR18(ここでR18は水素原子を示す)がさらに好ましい。

本発明のキサンテン化合物は、R1〜R8のうち、少なくとも1個が式(2)で示される基を示すが、このうち1〜2個が式(2)で示される基であることが好ましい。

残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。ここで、R1〜R8で示される残余のハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、このうちフッ素原子、塩素原子が好ましく、また残余の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基等が挙げられ、このうち、メトキシ基が好ましい。また、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、このうちメチル基が好ましい。

R9は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。当該アルキレン基の炭素数は、本発明キサンテン化合物(1)を結合させた化合物の溶媒への溶解度を向上させる点から、2以上が好ましく、6以上が好ましく、8以上がさらに好ましく、また16以下が好ましく、14以下がより好ましく、12以下がさらに好ましい。 当該アルキレン基のうち、炭素数2以上16以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数6以上16以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基がより好ましく、炭素数8以上14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数8以上12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基がさらに好ましい。当該アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ナノメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、テトラデカメチレン基等が挙げられる。

XはO又はCONR19を示す。 ここでR19は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、水素原子が好ましい。

Aは、式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)で示される基を示す。R10、R11及びR12は、同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。ここで炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。このうち、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、tert−ブチル、イソプロピル基がさらに好ましい。 置換基を有していてもよいアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、具体的には炭素数1〜3のアルキル基が置換してもよいフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。このうち、フェニル基がさらに好ましい。

R13は、単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基が挙げられるが、このうち単結合が特に好ましい。

R14、R15及びR16は、それぞれ炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基が挙げられるが、メチレン基が特に好ましい。

一般式(1)において、Yが−OR17(ここでR17は水素原子を示す)、又は−NHR18(ここでR18は水素原子を示す)であり;R1〜R8のうち少なくとも1個、好ましくは1〜2個が式(2)で示される基であり、残余が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり;R9が炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり;R13が単結合又はメチレン基であり;R14、R15及びR16がメチレン基である化合物がより好ましい。 また、一般式(2)において、R9が炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり;XはO又はCONHであり;Aは、式(3)又は(13)で示される基であり;R10、R11及びR12は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基であり;R13は単結合であり;R14、R15及びR16はメチレン基である化合物がより好ましい。

式(1)におけるY及びR1〜R8が置換した構造としては、例えば次の構造が好ましい。

(式中、R3b及びR7bは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Y、A、X及びR9は前記と同じ)

本発明のキサンテン化合物(1)としては、次の(a)〜(e)が挙げられる。

(a)TIPS2型−PP保護剤

(式中、Yは−OR17(ここでR17は水素原子を示す)、又は−NHR18(ここでR18は水素原子を示す)を示し、Raは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)

(b)TIPS3型−P保護剤

(式中、Y及びRaは(a)と同様である。)

(c)TIPS4型−PP保護剤

(式中、Y及びRaは(a)と同様である。)

(d)TIPS6型−PP保護剤

(式中、Y及びRaは(a)と同様である。)

(e)TBDPS2型−PP保護剤

(式中、Y及びRaは(a)と同様である。)

本発明のキサンテン化合物(1)は、例えば次の反応式に従って製造することができる。

(式中、Halはハロゲン原子を示し、R1a〜R8aのうち少なくとも1個は水酸基を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Bはメルカプト基を有するアミノ酸誘導体を示し、Zは−CONH−基を有する化合物を示し、R1〜R8、X、及びAは前記と同じ)

シリルオキシ化アルキルハライド(14)とキサンテン化合物(15)とを反応させて、シリルオキシ化キサンテン化合物(16)を得、次いでカルボニル基をヒドロキシ基に変換し、−CONH2基を有する化合物と反応させて、化合物(17)が得られる。次いで化合物(17)の保護基を脱保護して化合物(1b)が得られる。また、ヒドロキシ基を有するキサンテン化合物(1a)にメルカプト基を有するアミノ酸又はメルカプト基を有するアミノ酸誘導体と反応させることにより、化合物(18)が得られる。

原料であるシリルオキシ化アルキルハライド(14)は、例えばハロゲン化アルコールとシリル化剤とを塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。化合物(14)中のハロゲン原子としては、臭素原子等が挙げられる。

上記反応に用いられるシリル化剤としては、塩化トリイソプロピルシリル(TIPSCl)、臭化トリイソプロピルシリル、ヨウ化トリイソプロピルシリル、メタンスルホニルトリイソプロピルシリル、トリフルオロメタンスルホニルイソプロピルシリル、p−トルエンスルホニルトリイソプロピルシリル、tert−ブチルジフェニルクロロシラン(TBDPSCl)、tert−ブチルジメチルクロロシラン(TBSCl)等が挙げられる。 塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、ジアザビシクロノネン(DBN)、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N、N−ジメチルアニリン、ピリジン、2、6−ルチジン、DMAP、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、Na2CO3、NaHCO3、NaH、NaNH2、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基が挙げられる。 溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。 反応は、例えば0℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。

シリルオキシ化アルキルハライド(14)とキサンテン化合物(15)との反応は、塩基の存在下に行うのが好ましい。

上記反応に用いられる塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N、N−ジメチルアニリン、ピリジン、2、6−ルチジン、DMAP、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基が挙げられる。 溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。 反応は、例えば40℃〜150℃で1時間〜24時間行えばよい。

式(16)の化合物のカルボニル基をヒドロキシ基に変換する方法としては、還元剤を用いて還元する手段が挙げられる。 還元剤としては、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムが挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば0℃〜90℃で1時間〜120時間行うのが好ましい。

式(1a)の化合物と−CONH2基を有する化合物との反応は、酸触媒下で、−CONH2基を有する化合物と反応させる方法が好ましい。 −CONH2基を有する化合物としては、Fmoc−NH2、エチルカルバメート、イソプロピルカルバメート、AcNH2、HCONH2、Cbz−NH2、CF3CONH2、Fmoc−アミノ酸−NH2等が挙げられる。酸触媒としてはトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、塩酸、硫酸等の酸が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜150℃で0.5時間〜48時間行えばよい。

式(17)の化合物から化合物(1b)を得るには、化合物(17)を塩基で処理する方法が望ましい。 塩基としてはジエチルアミン、ピペリジン、ジメチルアミン、DBU、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば0℃〜150℃で0.5時間〜48時間行えばよい。

式(1a)とメルカプト基を有するアミノ酸誘導体の反応は、酸触媒下で、メルカプト基を有するアミノ酸又はメルカプト基を有するアミノ酸誘導体と反応させる方法が好ましい。 メルカプト基を有するアミノ酸としては、Cysteine、homocysteine、mercaptonorvaline、mercaptonorleucine等が挙げられる。メルカプト基を有するアミノ酸誘導体としては、これらのアミノ酸のN末端がN−メチル化された化合物、及びこれらのアミノ酸のN末端がベンジルオキシカルボニル(Cbz又はZ)基、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、アセチル(Ac)基、ベンジル基、アリル基、アリルオキシカルボニル(Aloc)基、2−ニトロベンゼンスルホニル(Ns)基、2、4−ジニトロベンゼンスルホニル(DNs)基、4−ニトロベンゼンスルホニル(Nos)基等で保護された化合物、及びアミノ酸C末端がアミド基、メチルエステル基、エチルエステル基、tert−ブチルエステル基、ベンジルエステル基、アリルエステル基等で保護された化合物、及びこれらの保護基でN末端とC末端の両方が保護された化合物、及びこれらに対応するD−アミノ酸化合物等が挙げられる。 酸触媒としてはトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、塩酸、硫酸等の酸が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜150℃で0.5時間〜24時間行えばよい。

本発明のキサンテン化合物(1)は、カルボキシ基、水酸基、ジオール基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基等の官能基の保護剤として使用できる。本発明のキサンテン化合物(1)でカルボキシ基、水酸基、ジオール基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基を保護された化合物は、液状性、溶媒に対する溶解性が高いという特徴を有する。従って、本発明のキサンテン化合物(1)を保護剤として用いて官能基を保護した化合物は、有機溶媒に溶解され易く、液−液相分離等の操作により分離精製が容易となる。また、本発明化合物で使用された保護基は、酸や接触還元等により容易に脱離することができる。

本発明のキサンテン化合物(1)で保護できる化合物としては、カルボキシ基、水酸基、ジオール基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基を有する化合物であればよく、例えばアミノ酸、ペプチド、糖化合物、タンパク質、核酸化合物、その他種々の医薬品化合物、農薬化合物、その他、種々のポリマー、デンドリマー化合物等が挙げられる。

本発明のキサンテン化合物(1)を保護剤として用いるペプチドの合成法は、例えば次の工程(1)〜(4)を含む製法である。このペプチド合成法は、各工程で得られる保護ペプチドの分離を液−液分離することができることから、工業的に特に有利である。 また、必要に応じて、途中工程で中間体化合物を溶液から一旦単離して、精製した後、次工程に供することもできることから、工業的に更に有利である。 (1)本発明のキサンテン化合物(1)を、可溶性溶媒中、N−保護アミノ酸又はN−保護ペプチドのC末端カルボキシ基と縮合させて、本発明のキサンテン化合物(1)でC末端が保護されたN−保護C−保護アミノ酸又はN−保護C−保護ペプチドを得る。若しくは、本発明のキサンテン化合物(1)を、可溶性溶媒中、N−保護アミノ酸又はN−保護ペプチドのC末端アミド基と反応させて、本発明のキサンテン化合物(1)でC末端が保護されたN−保護C−保護アミノ酸又はN−保護C−保護ペプチドを得る。 (2)得られたN−保護C−保護アミノ酸又はN−保護C−保護ペプチドのN末端の保護基を除去して、C−保護アミノ酸又はC−保護ペプチドを得る。 (3)得られたC−保護アミノ酸又はC−保護ペプチドのN末端に、N−保護アミノ酸又はN−保護ペプチドを縮合させて、N−保護C−保護ペプチドを得る。 (4)得られたN−保護C−保護ペプチドのN末端の保護基及びC末端の保護基を除去して、目的のペプチドを得る。 可溶性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、4−メチルテトラヒドロピラン、ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル等のエステル類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。また、これらの可溶性溶媒にアセトニトリル等のニトリル類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類等の溶媒を混合してもよい。 縮合剤としては、COMU、HATU、HBTU、HCTU、TATU、TBTU、TCTU、TOTU、TDBTU、DEPBT、WSCI、WCSI・HCl、DCC、DIC、CDI、PyAop、PyBop、T3P、DMT−MM等が挙げられる。 縮合補助剤としては、Oxyma、HOAt、HOBt、HOOBt、HOCt、HOSu、HONb、HOPht等が挙げられる。 縮合反応に用いる塩基としては、DIPEA、N−メチルモルホリン、2,4,6−トリメチルピリジン、DMAP等が挙げられる。 縮合反応は、例えば0℃〜40℃で10分〜24時間行えばよい。 N末端の保護基、C末端の保護基の除去剤としては、ジエチルアミン、ピペリジン、ジメチルアミン、DBU、DABCO、トリエチルアミン、モルホリン、炭酸ナトリウム、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の塩基、またはこれらの混合物、あるいは、酢酸、ギ酸、塩酸、硫酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ヘキサフルオロイソプロパノール等の酸、またはこれらの混合物が挙げられる。 N末の保護基の除去は、例えば0℃〜40℃で5分〜24時間行えばよい。 C末の保護基の除去は、例えば0℃〜40℃で30分〜24時間行えばよい。

次に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。

実施例1 TIPS2−Xtn−OHの合成

(以下、Br−(CH2)11−OTIPS、TIPS2−Xtn−C=O、TIPS2−Xtn−OHは図中の構造を示すこととする。)

実施例(1−a) Br−(CH2)11−OTIPS 8.10g(19.9mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン2.02g(8.8mmol)、炭酸カリウム4.39g(31.8mmol)をDMF58.9mLに懸濁し、85℃に加熱し、2時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン124mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン59mLを加え、DMF59mLで分液洗浄した。前記のへプタンとDMFによる分液洗浄を、さらに1回行った。得られたヘプタン層に、ヘプタン59mLを加え、1N塩酸59mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液59mLで1回、水59mLで2回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン59mLを加え、DMF59mLで1回、アセトニトリル59mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=70:1→0:100)で精製し、TIPS2−Xtn−C=O 7.85gを得た。

1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.02−1.08(m,42H),1.24−1.41(m,24H),1.43−1.58(m,8H),1.77−1.88(m,4H),3.67(t,4H),4.06(t,4H),6.83(d,2H),6.91(dd,2H),8.22(d,2H) 13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.2(6C),18.2(12C),26.0(2C),26.1(2C),29.2−29.8(12C),33.2(2C),63.6(2C),68.8(2C),100.8(2C),113.4(2C),115.8(2C),128.2(2C),158.2(2C),164.4(2C),175.7

実施例(1−b) TIPS2−Xtn−C=O 0.30g(0.34mmol)をTHF(無水)2.3mL、メタノール0.45mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム39mg(1.02mmol)を添加し、55℃に加熱し、1時間40分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム39mg(1.02mmol)、メタノール0.62mLを添加し、55℃で30分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム78mg(2.04mmol)を添加し、55℃で30分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム39mg(1.02mmol)、メタノール0.40mLを添加し、55℃で30分撹拌した。アセトン1.2mL、CPMEを7.5mL加え、水2.3mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液2.3mLで1回、水2.3mLで2回洗浄し、有機層を減圧下で濃縮した。得られた残渣をヘプタン7.5mLに溶解し、DMF3.8mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン3.8mLを加え、アセトニトリル3.8mLで分液洗浄した。前記のへプタンとアセトニトリルによる分液洗浄を、さらに1回行った後、ヘプタン層を減圧下で濃縮し、TIPS2−Xtn−OH 0.32gを得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.12−1.16(m,42H),1.24−1.49(m,28H),1.57−1.68(m,9H),3.65−3.72(m,8H),5.57(d,1H),6.77(dd,2H),6.86(d,2H),7.40(d,2H) 13C−NMR(100MHz,Benzene−d6)δ12.8(6C),18.7(12C),26.7(2C),26.8(2C),29.8−30.5(12C),33.9(2C),63.3,64.1(2C),68.6(2C),102.0(2C),111.9(2C),116.8(2C),131.5(2C),152.5(2C),160.9(2C)

実施例2 TIPS2−Xtn−NH2の合成

(以下、TIPS2−Xtn−NHFmoc、TIPS2−Xtn−NH2は図中の構造を示すこととする。

実施例(2−a) TIPS2−Xtn−C=O 21.8g(24.8mmol)をTHF(無水)180mL、メタノール18mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム7.5g(198mmol)を添加し、35℃に加熱し、10分撹拌した。さらにメタノール18mLを添加し、35℃で1時間攪拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム3.7g(99.0mmol)、メタノール18mLを添加し、35℃で20時間30分撹拌した。アセトン446mLを添加し、反応溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をトルエン540mLに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液360mLで4回洗浄した。得られた有機層をトルエン18mLで希釈し、無水硫酸ナトリウム153gを加え、充分撹拌した後濾過し、トルエン90mLで濾物を洗浄し、TIPS2−Xtn−OHを含むトルエン溶液を得た。

実施例(2−b) 前工程で得たトルエン溶液にFmoc−NH27.11g(29.7mmol)、酢酸82.5mLを加え、50℃に加熱し、30分撹拌した。反応溶液を5℃に冷却した後、トルエンを194mL加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液648mLで3回、水648mLで2回洗浄し、有機層を減圧下で濃縮し、TIPS2−Xtn−NHFmocを含む混合物を得た。

実施例(2−c) 前工程で得た混合物を、THF248mLに溶解し、DBU 13.3mL(89.1mmol)を添加し、室温で30分撹拌した。反応溶液を5℃に冷却し、1N塩酸59.4mLで反応を停止し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をヘプタン500mLに溶解し、アセトニトリル500mLで5回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=18.75:1.25:1→0:19:1)で精製し、TIPS2−Xtn−NH2 8.86gを得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.12−1.16(m,42H),1.24−1.40(m,24H),1.40−1.50(m,4H),1.56−1.68(m,10H),3.65−3.74(m,8H),4.76(s,1H),6.78(dd,2H),6.86(d,2H),7.25(d,2H) 13C−NMR(100MHz,Benzene−d6)δ12.8(6C),18.7(12C),26.7(2C),26.8(2C),30.0−30.5(12C),33.9(2C),46.8,64.1(2C),68.5(2C),102.1(2C),111.6(2C),119.0(2C),130.6(2C),152.6(2C),160.3(2C)

実施例3 TIPS2−Xtn−OH(C8)の合成

(以下、Br−(CH2)8−OTIPS、TIPS2−Xtn−C=O(C8)、TIPS2−Xtn−OH(C8)は図中の構造を示すこととする。)

実施例(3−a) Br−(CH2)8−OTIPS 1.49g(4.07mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.41g(1.81mmol)、炭酸カリウム0.90g(6.52mmol)をDMF12.1mLに懸濁し、85℃に加熱し、2時間30分撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン25.3mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン12.1mLを加え、DMF12.1mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン12.1mLを加え、1N塩酸12.1mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液12.1mLで1回、水12.1mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン12.1mLを加え、アセトニトリル12.1mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=80:1→0:100)で精製し、TIPS2−Xtn−C=O(C8)1.29gを得た。

1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.02−1.08(m,42H),1.33−1.44(m,12H),1.44−1.60(m,8H),1.79−1.89(m,4H),3.68(t,4H),4.06(t,4H),6.83(d,2H),6.91(dd,2H),8.22(d,2H) 13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.2(6C),18.2(12C),25.9(2C),26.1(2C),29.1(2C),29.5(4C),33.1(2C),63.6(2C),68.8(2C),100.8(2C),113.3(2C),115.8(2C),128.2(2C),158.2(2C),164.4(2C),175.7 ESIMS MH+ 797.5

実施例(3−b) TIPS2−Xtn−C=O(C8) 0.73g(0.91mmol)をTHF(無水)6.6mL、メタノール0.66mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム0.28g(7.30mmol)を添加し、35℃に加熱し、10分撹拌した。さらにメタノール0.66mLを添加し、35℃で50分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム0.14g(3.65mmol)、メタノール0.66mLを添加し、35℃で18時間30分撹拌した。アセトン16.4mL、ヘキサンを66.3mL加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液36.5mLで4回した。得られたヘキサン層にヘキサン3.3mL、無水硫酸ナトリウム5.1gを加え、充分撹拌した後濾過し、ヘキサン3.3mLで濾物を洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して、TIPS2−Xtn−OH(C8)0.72gを得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.12−1.16(m,42H),1.22−1.37(m,12H),1.37−1.45(m,4H),1.52−1.66(m,9H),3.67(t,8H),5.57(d,1H),6.76(dd,2H),6.85(d,2H),7.40(d,2H) 13C−NMR(100MHz,Benzene−d6)δ12.8(6C),18.7(12C),26.6(2C),26.7(2C),29.9(2C),30.1(2C),30.2(2C),33.8(2C),63.4,64.1(2C),68.5(2C),102.0(2C),111.9(2C),116.8(2C),131.5(2C),152.5(2C),160.9(2C) ESIMS MNa+ 821.5

実施例4 TBDPS2−Xtn−OHの合成

(以下、Br−(CH2)11−OTBDPS、TBDPS2−Xtn−C=O、TBDPS2−Xtn−OHは図中の構造を示すこととする。)

実施例(4−a) Br−(CH2)11−OTBDPS 1.16g(2.38mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.24g(1.06mmol)、炭酸カリウム0.53g(3.80mmol)をDMF7.0mLに懸濁し、85℃に加熱し、3時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン14.8mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン7.0mLを加え、アセトニトリル7.0mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン7.0mLを加え、1N塩酸7.0mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液7.0mLで1回、水7.0mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン7.0mLを加え、アセトニトリル7.0mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=80:1→0:100)で精製し、TBDPS2−Xtn−C=O 0.67gを得た。

1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.05(s,18H),1.24−1.42(m,24H),1.42−1.63(m,8H),1.77−1.89(m,4H),3.66(t,4H),4.07(t,4H),6.84(d,2H),6.92(dd,2H),7.30−7.44(m,12H),7.60−7.70(m,8H),8.23(d,2H) 13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ19.4(2C),25.9(2C),26.1(2C),27.0(6C),29.2−29.7(12C),32.7(2C),64.2(2C),68.8(2C),100.8(2C),113.4(2C),115.8(2C),127.7(8C),128.3(2C),129.6(4C),134.3(4C),135.7(8C),158.2(2C),164.4(2C),175.7 ESIMS MNa+ 1067.5

実施例(4−b) TBDPS2−Xtn−C=O 0.33g(0.32mmol)をTHF(無水)2.3mL、メタノール0.23mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム95mg(2.52mmol)を添加し、35℃に加熱し、10分撹拌した。さらにメタノール0.23mLを添加し、35℃で50分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム48mg(1.26mmol)、メタノール0.23mLを添加し、35℃で18時間30分撹拌した後、室温まで冷却し、49時間30分撹拌した。アセトン5.7mL、ヘキサンを22.9mL加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液12.6mLで4回した。得られたヘキサン層にヘキサン1.2mL、無水硫酸ナトリウム2.3gを加え、充分撹拌した後濾過し、ヘキサン1.2mLで濾物を洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して、TBDPS2−Xtn−OH 0.31gを得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.20(s,18H),1.22−1.29(m,24H),1.31−1.43(m,4H),1.53−1.69(m,9H),3.65−3.73(m,8H),5.57(d,1H),6.77(dd,2H),6.85(d,2H),7.21−7.27(m,12H),7.40(d,2H),7.77−7.83(m,8H) ESIMS MNa+ 1069.2

実施例5 TIPS2−Xtn−OH(C14)の合成

(以下、Br−(CH2)14−OTIPS、TIPS2−Xtn−C=O(C14)、TIPS2−Xtn−OH(C14)は図中の構造を示すこととする。)

実施例(5−a) Br−(CH2)14−OTIPS 1.53g(3.34mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.34g(1.51mmol)、炭酸カリウム0.75g(5.43mmol)をDMF10.1mLに懸濁し、85℃に加熱し、3時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン21.1mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン10.1mLを加え、DMF10.1mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン10.1mLを加え、1N塩酸10.1mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液10.1mLで1回、水10.1mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン10.1mLを加え、アセトニトリル10.1mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮し、TIPS2−Xtn−C=O(C14)1.34gを得た。

1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.04−1.08(m,42H),1.23−1.42(m,40H),1.43−1.58(m,4H),1.79−1.89(m,4H),3.66(t,4H),4.06(t,4H),6.83(d,2H),6.91(dd,2H),8.22(d,2H) ESIMS MH+ 965.8

実施例(5−b) TIPS2−Xtn−OH(C8)と同様の方法で、TIPS2−Xtn−OH(C14)を得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.12−1.16(m,42H),1.23−1.49(m,40H),1.57−1.69(m,9H),3.66−3.73(m,8H),5.57(d,1H),6.77(dd,2H),6.86(d,2H),7.40(d,2H) ESIMS MNa+ 990.2

実施例6 TIPS2−Xtn−OH(C8OC2)の合成

(以下、Br−(CH2)8−O−(CH2)2−OTIPS、TIPS2−Xtn−C=O(C8OC2)、TIPS2−Xtn−OH(C8OC2)は図中の構造を示すこととする。)

実施例(6−a) Br−(CH2)8−O−(CH2)2−OTIPS 0.95g(2.31mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.23g(1.03mmol)、炭酸カリウム0.57g(4.11mmol)をDMF6.8mLに懸濁し、85℃に加熱し、2時間40分撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン14.4mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン6.8mLを加え、DMF6.8mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン6.8mLを加え、1N塩酸6.8mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液6.8mLで1回、水6.8mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン6.8mLを加え、アセトニトリル6.8mLで分液洗浄した。前記のヘプタンとアセトニトリルによる分液洗浄をさらに一回行い、ヘプタン層を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=40:1→0:100)で精製し、TIPS2−Xtn−C=O(C8OC2)0.24gを得た。

1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.03−1.07(m,42H),1.25−1.43(m,12H),1.43−1.53(m,4H),1.53−1.62(m,4H),1.77−1.89(m,4H),3.48(t,4H),3.52(t,4H),3.83(t,4H),4.06(t,4H),6.82(d,2H),6.91(dd,2H),8.21(d,2H) ESIMS MH+ 885.6

実施例(6−b) TIPS2−Xtn−OH(C8)と同様の方法で、TIPS2−Xtn−OH(C8OC2)を得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.11−1.15(m,42H),1.20−1.29(m,8H),1.29−1.42(m,8H),1.54−1.66(m,9H),3.39(t,4H),3.49(t,4H),3.68(t,4H),3.83(t,4H),5.58(d,1H),6.76(dd,2H),6.85(d,2H),7.41(d,2H) ESIMS MNa+ 909.8

実施例7 TIPS2−Xtn−OH(C10−CONH−C2)の合成

(以下、Br−(CH2)10−CONH−(CH2)2−OTIPS、TIPS2−Xtn−C=O(C10−CONH−C2)、TIPS2−Xtn−OH(C10−CONH−C2)は図中の構造を示すこととする。)

実施例(7−a) Br−(CH2)10−CONH−(CH2)2−OTIPS 1.63g(3.50mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.29g(1.25mmol)、炭酸カリウム0.69g(5.00mmol)をDMF8.3mLに懸濁し、115℃に加熱し、2時間撹拌した。反応溶液を濾過した。濾液に水25mLを添加し、スラリー洗浄し、沈澱物を濾取した。前記の水によるスラリー洗浄、濾取をさらに一回行った。得られた沈澱物にアセトニトリル25mLを添加し、スラリー洗浄し、沈澱物を濾取した。前記のアセトニトリルによるスラリー洗浄、濾取をさらに一回行った。得られた沈澱物を減圧下で乾燥し、TIPS2−Xtn−C=O(C10−CONH−C2)0.99gを得た。

1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.03−1.08(m,42H),1.25−1.42(m,20H),1.43−1.53(m,4H),1.56−1.68(m,4H),1.79−1.88(m,4H),2.18(t,4H),3.40(q,4H),3.76(t,4H),4.06(t,4H),5.89(t,2H),6.83(d,2H),6.91(dd,2H),8.21(d,2H) ESIMS MNa+ 1017.7

実施例(7−b) TIPS2−Xtn−C=O(C10−CONH−C2)0.21g(0.21mmol)をTHF(無水)1.5mL、メタノール0.15mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム64mg(1.69mmol)を添加し、35℃に加熱し、10分撹拌した。さらにメタノール0.15mLを添加し、35℃で50分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム32mg(0.84mmol)、メタノール0.15mLを添加し、35℃で21時間10分撹拌した。アセトン3.8mL、酢酸エチル15.3mLを加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液8.4mLで4回した。得られた有機層に酢酸エチル0.8mL、無水硫酸ナトリウム1.47gを加え、充分撹拌した後濾過し、酢酸エチル0.8mLで濾物を洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して、TIPS2−Xtn−OH(C10−CONH−C2)0.21gを得た。

ESIMS MNa+ 1019.6

実施例8 TIPS3−Xtn−NH2の合成

(以下、Br−(CH2)10−CONH−C(CH2OTIPS)3、TIPS3−Xtn−C=O、TIPS3−Xtn−OH、TIPS3−Xtn−NHFmoc、TIPS3−Xtn−NH2は図中の構造を示すこととする。)

実施例(8−a) Br−(CH2)10−CONH−C(CH2OTIPS)3 9.01g(10.8mmol)、3−ヒドロキサンテン−9−オン2.86g(12.9mmol)、炭酸カリウム2.69g(19.4mmol)をDMF72mLに懸濁し、120℃に加熱し、5時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン151mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン72mL、DMF72mLを加え、分液洗浄した。さらにDMF72mLを加え、分液洗浄を2回行った。得られたヘプタン層に、水72mLで1回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、TIPS3−Xtn−C=O 5.68gを得た。

1H−NMR(400MHz,CDCl31H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.02−1.08(m,63H),1.24−1.39(m,10H),1.44−1.62(m,4H),1.85(quin.,2H),2.09(t,2H),4.04(s,6H),4.08(t,2H),5.75(s,1H),6.87(d,1H),6.94(dd,1H),7.37(t,1H),7.45(d,1H),7.66−7.72(m,1H),8.24(d,1H),8.33(dd,1H)

実施例(8−b) TIPS3−Xtn−C=O 0.70g(0.73mmol)をTHF(無水)4.0mL、メタノール0.8mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム0.22g(5.81mmol)を添加し、35℃に加熱し、4時間撹拌した。アセトン0.86mLを加え反応を停止し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をトルエン13mLに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液3.9mLで2回、水3.9mLで2回分液洗浄し、TIPS3−Xtn−OHを含むトルエン溶液を得た。

実施例(8−c) 前工程で得たトルエン溶液に、9−フルオレニルメチルカルバメート0.21g(0.87mmol)、酢酸0.42mL、モレキュラーシーブス4Å1.72gを添加し、50℃で3時間30分撹拌した。反応溶液を濾過し、トルエン10mLで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液40mLで1回、30mLで1回、水20mLで1回分液洗浄した。溶液を減圧下で濃縮し、TIPS3−Xtn−NHFmocを含む混合物を得た。

実施例(8−d) 前工程で得た混合物をTHF6.9mLに溶解し、DBU0.15mL(1.03mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣をヘプタン21.0mLに溶解させ、DMF7.0mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン7.0mL、DMF7.0mMを加え、分液洗浄を2回行った。ヘプタン層にヘプタンを7.0mL加え、50%含水アセトニトリル7.0mLで分液洗浄した。前記のへプタンと50%含水アセトニトリルによる分液洗浄を、さらに1回行った。得られたヘプタン層にヘプタン7.0mLを加え、アセトニトリル7.0mLで分液洗浄した。前記のへプタンとアセトニトリルによる分液洗浄を、さらに1回行った後、ヘプタン層を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=17.8:1.2:1→0:19:1)で精製し、TIPS3−Xtn−NH20.44gを得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.14−1.18(m,63H),1.22−1.40(m,14H),1.63(quin.,2H),1.75(quin.,2H),2.20(t,2H),3.69(t,2H),4.43(s,6H),4.70(s,1H),5.91(s,1H),6.78(dd,1H),6.82(d,1H),6.93(td,1H),7.04(td,1H),7.14(dd,1H),7.22(d,1H),7.28(dd,1H)

実施例9 TIPS3−Xtn−OH(6−OMe)の合成

(以下、TIPS3−Xtn−C=O(6−OMe)、TIPS3−Xtn−OH(6−OMe)は図中の構造を示すこととする。)

実施例(9−a) Br−(CH2)10−CONH−C(CH2OTIPS)3 0.40g(0.48mmol)、3−ヒドロキシ−6−メトキシキサントン0.22g(0.91mmol)、炭酸カリウム0.20g(1.43mmol)をDMF3.2mLに懸濁し、115℃に加熱し、3時間20分撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン4.8mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン2.4mLを加え、DMF2.4mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン2.4mLを加え、1N塩酸2.4mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液2.4mLで1回、水2.4mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン2.4mLを加え、アセトニトリル2.4mLで分液洗浄した。前記のヘプタンとアセトニトリルによる分液洗浄をさらに一回行い、ヘプタン層を減圧下で濃縮して、TIPS3−Xtn−C=O(6−OMe)0.27gを得た。

1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.00−1.07(m,63H),1.20−1.40(m,10H),1.48(quin.,2H),1.57(quin.,2H),1.84(quin.,2H),2.09(t,2H),3.92(s,3H),4.02−4.09(m,8H),5.75(s,1H),6.84(dd,2H),6.89−6.94(m,2H),8.20−8.25(m,2H) ESIMS MH+ 998.8

実施例(9−b) TIPS2−Xtn−OH(C8)と同様の方法で、TIPS3−Xtn−OH(6−OMe)を得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.15−1.19(m,63H),1.20−1.41(m,12H),1.55−1.80(m,5H),2.19(t,2H),3.30(s,3H),3.70(t,2H),4.42(s,6H),5.56(d,1H),5.91(s,1H),6.68(dd,1H),6.75−6.80(m,2H),6.85(d,1H),7.36−7.43(m,2H) ESIMS MNa+ 1022.7

実施例10 TIPS4−Xtn−OH(C10−CONH−CH(CH2)2)の合成

(以下、Br−(CH2)10−CONH−CH(CH2−OTIPS)2、TIPS4−Xtn−C=O(C10−CONH−CH(CH2)2)、TIPS4−Xtn−OH(C10−CONH−CH(CH2)2)は図中の構造を示すこととする。)

実施例(10−a) Br−(CH2)10−CONH−CH(CH2−OTIPS)2 1.53g(2.35mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.19g(0.84mmol)、炭酸カリウム0.47g(3.36mmol)をDMF5.6mLに懸濁し、115℃に加熱し、3時間30分撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン11.8mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン5.6mLを加え、DMF5.6mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン5.6mLを加え、1N塩酸5.6mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液5.6mLで1回、水5.6mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン5.6mLを加え、アセトニトリル5.6mLで分液洗浄した。前記のヘプタンとアセトニトリルによる分液洗浄をさらに一回行った。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、TIPS4−Xtn−C=O(C10−CONH−CH(CH2)2)0.74gを得た。

1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.04−1.08(m,84H),1.22−1.42(m,20H),1.43−1.52(m,4H),1.56−1.66(m,4H),1.79−1.88(m,4H),2.16(t,4H),3.64−3.70(m,4H),3.86−3.91(m,4H),3.94−4.04(m,2H),4.06(t,4H),5.84(d,2H),6.83(d,2H),6.91(dd,2H),8.22(d,2H) ESIMS MH+ 1367.9

実施例(10−b) TIPS2−Xtn−OH(C8)と同様の方法で、TIPS4−Xtn−OH(C10−CONH−CH(CH2)2)を得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.10−1.15(m,84H),1.20−1.41(m,24H),1.60−1.73(m,9H),2.03(t,4H),3.68−3.77(m,8H),4.01−4.07(m,4H),4.27−4.36(m,2H),5.61(d,1H),5.71(d,2H),6.78(dd,2H),6.87(d,2H),7.44(d,2H) ESIMS MNa+ 1391.7

実施例11 TIPS6−Xtn−NH2の合成

(以下、TIPS6−Xtn−C=O、TIPS6−Xtn−OH、TIPS6−Xtn−NHFmoc、TIPS6−Xtn−NH2は図中の構造を示すこととする。)

実施例(11−a) Br−(CH2)10−CONH−C(CH2OTIPS)3 8.18g(9.77mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.68g(3.00mmol)、炭酸カリウム1.50g(10.9mmol)をDMF20.0mLに懸濁し、90℃に加熱し、9.5時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン42mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン20mLを加え、DMF20mLで分液洗浄した。前記のへプタンとDMFによる分液洗浄を、さらに1回行った。得られたヘプタン層に、ヘプタン20mLを加え、1N塩酸20mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液20mLで1回、水20mLで2回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン20mLを加え、DMF20mLで1回、アセトニトリル20mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=35:1→10:1)で精製し、TIPS6−Xtn−C=O 4.13gを得た。

1H−NMR(400MHz,Chloroform−d1)δ1.00−1.12(m,126H),1.25−1.37(m,20H),1.47(quin,4H),1.57(quin,4H),1.83(quin,4H),2.08(t,4H),4.03(s,12H),4.05(t,4H),5.74(s,2H),6.82(dd,2H),6.88−6.92(m,2H),8.21(dd,2H)

実施例(11−b) TIPS6−Xtn−C=O 3.00g(1.72mmol)をTHF(無水)12.5mL、メタノール3.8mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム0.79g(20.8mmol)を添加し、室温で15時間撹拌した。アセトン47.0mLを加え反応を停止し、減圧下で濃縮し、残渣をトルエン37.6mLで溶解させ、5%炭酸水素ナトリウム水溶液25.1mLで分液洗浄した。さらに5%炭酸水素ナトリウム水溶液25.1mLで3回洗浄し、TIPS6−Xtn−OHを含む混合物のトルエン溶液を得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.07−1.13(m,126H),1.14−1.26(m,20H),1.34−1.37(m,4H),1.58(quin,4H),1.68(quin,4H),2.13(t,4H),3.64(t,4H),4.36(s,12H),5.52−5.55(d,1H),5.85(s,2H),6.72(dd,2H),6.80(d,2H),7.37(d,2H)

実施例(11−c) 前工程で得たトルエン溶液に、9−フルオレニルメチルカルバメート0.50g(2.10mmol)、酢酸5.74mL、モレキュラーシーブス4Å0.49gを添加し、室温で6時間撹拌した。反応溶液を5℃に冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液45.1mL加え、30分間攪拌した。反応溶液を濾過し、濾物をトルエン13.5mLで洗浄し、濾液を分液した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液45.1mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液45.1mLで1回、水45.1mLで2回洗浄し、有機層を減圧下で濃縮し、TIPS2−Xtn−NHFmocを含む混合物を得た。

実施例(11−d) 前工程で得た混合物をTHF12.7mLに溶解し、DBU 0.69mL(4.58mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応溶液を5℃に冷却し、1N塩酸3.1mLで反応を停止し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をヘプタン25.5mLに溶解し、アセトニトリル25.5mLで6回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=18.75:1.25:1→0:19:1)で精製し、TIPS6−Xtn−NH2 1.37gを得た。

1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.06−1.14(m,126H),1.14−1.19(m,20H),1.25−1.32(m,4H),1.58(quin,4H),1.69(quin,4H),2.13(t,4H),3.65(t,4H),4.37(s,12H),4.69(s,1H),5.84(s,2H),6.73(dd,2H),6.81(d,2H),7.19(d,2H)

実施例12 Fmoc−Cys(TIPS2−Xtn)−NH2の合成と脱保護

(以下、Fmoc-L-Cys−NH2、Fmoc−Cys(TIPS2−Xtn)−NH2は図中の構造を示すこととする。)

実施例(12−a) TIPS2−Xtn−C=O 0.10g(0.12mmol)をTHF(無水)0.83mL、メタノール83μLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム35mg(0.92mmol)を添加し、35℃に加熱し、10分撹拌した。さらにメタノール83μLを添加し、35℃で50分攪拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム17mg(0.46mmol)、メタノール83μLを添加し、35℃で20時間45分撹拌した。アセトン2.0mLを添加し、反応溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をトルエン2.5mLに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液1.7mLで4回洗浄した。得られた有機層をトルエン0.1mLで希釈し、無水硫酸ナトリウム0.71gを加え、充分撹拌した後濾過し、トルエン0.4mLで濾物を洗浄し、TIPS2−Xtn−OHを含むトルエン溶液を得た。

実施例(12−b) 前工程で得たトルエン溶液にFmoc−L−Csy−NH2 43mg(0.13mmol)、モレキュラーシーブス4Å39mg、酢酸0.38mLを添加し、25℃で1時間30分撹拌した。反応溶液を5℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液4.5mLを加え、反応を停止した。トルエン3.0mLを加え、分液し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液4.5mLで2回、水3.0mLで1回分液洗浄し、有機層を減圧下で濃縮した。 得られた残渣にメタノール 3.1mL添加し、5℃に冷却後、スラリー洗浄し、沈澱物を濾取した。前記のメタノールによるスラリー洗浄、濾取をさらに2回行った。得られた沈澱物をヘプタン30mLとCPME4.5mLの混合溶媒に溶解し、アセトニトリル30mLで3回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮し、Fmoc−Cys(TIPS2−Xtn)−NH2 76mgを得た。 ESIMS MNa+ 1229.8

実施例(12−c) Fmoc−Cys(TIPS2−Xtn)−NH2 57mg(0.05mmol)をジクロロメタン 0.76mLに溶解し、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール 47μL(0.29mmol)、トリイソプロピルシラン47μL(0.22mmol)、トリフルオロ酢酸94μL(1.23mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣を5℃に冷却したジイソプロピルエーテル3.8mLに滴下し、沈澱物を濾取した。このジイソプロピルエーテルによるスラリー洗浄、濾過をさらに3回行い、沈殿物を濾取した。沈澱物を減圧下で乾燥し、Fmoc−L−Cys−NH2 9mgを得た。 ESIMS MNa+ 364.9

実施例13 ペプチド化合物に対する溶解度向上性能の確認 本発明におけるキサンテン保護剤で保護した化合物の溶解度を測定した結果を図1に示す。 モデルとして使用したペプチド:H−Phe−Leu−NH2 H−Phe−Leu−NH2、H−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)を合成し、25℃でCPME(シクロペンチルメチルエーテル)にそれぞれの化合物を飽和させ、その溶解度を測定した。 その結果、TIPS型保護剤の結合していないH−Phe−Leu−NH2がCPMEにわずか0.5mMしか溶解しないのに比べ、TIPS2−Xtn−NH2を結合した場合、586mMと約1100倍以上溶解度が向上した。その結果を図1に示す。この結果から、キサンテン保護剤で誘導体化することで、ペプチドの溶解度が著しく向上することが確認できた。なお、H−Phe−Leu−NH2とH−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)は下記の構造を示すこととする。

実施例(13−a) H−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)の合成

TIPS2−Xtn−NH2 1.67g(1.89mmol)をCPME 18.9mLに溶解し、DMF 8.1mL、DIPEA 1.32mL(7.55mmol)、Fmoc−Leu−OH 1.00g(2.83mmol)、(ヒドロキシイミノ)シアノ酢酸エチル(Oxyma) 0.40g(2.83mmol)、 (1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩(COMU) 1.21g(2.83mmol)を加え、室温で50分撹拌した。TIPS2−Xtn−NH2の消失を確認後、2−(2−アミノエトキシ)エタノール 112μL(1.13mmol)を加え、室温で15分撹拌した。反応溶液にDMSO 18.9mLに溶解した3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム4.04g(22.6mmol)を添加し、DMSO 1.9mL、DBU2.12mL(14.2mmol)を加え、40分撹拌した。Fmoc−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)の消失を確認後、5℃に冷却した後、4M CPME/HCl 3.72mL(14.9mmol)を滴下し、室温まで昇温し、CPME0.8mL、20%食塩水80mL、10%炭酸ナトリウム水溶液68mLを加え、分液洗浄した。得られた有機相にDMSO 0.6mL、DMF 0.6mL、50%リン酸水素二カリウム水溶液 23mLを加え、分液洗浄し、H−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)を含む混合液を得た。なお、Fmoc−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)とH−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)は下記の構造を示すこととする。

得られた混合液に対し、CPME 3.4mL、DMF11.3mL、DIPEA 1.31mL(7.55mmol)、Fmoc−Phe−OH 1.10g(2.83mmol)、Oxyma 0.40g(2.83mmol)、COMU 1.21g(2.83mmol)を加え、室温で50分撹拌した。H−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)の消失を確認後、2−(2−アミノエトキシ)エタノール 112μL(1.13mmol)を加え、室温で15分撹拌した。反応溶液にDMSO 18.9mLに溶解した3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム4.04g(22.6mmol)を添加し、5℃に冷却した後、DMSO 1.9mL、DBU2.12mL(14.2mmol)を加え、35分撹拌した。Fmoc−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)の消失を確認後、4M CPME/HCl 3.72mL(14.9mmol)を滴下し、室温まで昇温し、CPME0.9mL、20%食塩水 88mL、10%炭酸ナトリウム水溶液 75mLを加え、分液洗浄した。得られた有機相にDMSO 0.8mL、DMF 0.8mL、50%リン酸水素二カリウム水溶液 31mLを加え、分液洗浄した。溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、ヘプタン66mLに溶解し、アセトニトリル28mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮し、得られた残渣を減圧下で乾燥し、H−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)1.75gを得た。 ESIMS MNa+ 1164.8 なお、Fmoc−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)は下記の構造を示す。

実施例(13−b) H−Phe−Leu−NH2の合成

H−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)209mg(0.18mmol)をジクロロメタン3.23mLに溶解し、トリフルオロエタノール0.37mL(5.10mmol)、トリフルオロ酢酸73μL(0.96mmol)を添加し、室温で1時間10分撹拌した。H−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)の消失を確認後、反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣を5℃に冷却したジイソプロピルエーテル18.8mLに滴下し、5℃、3000rpmで4分間遠心分離し、デカンテーションにより上精を除去することで沈殿物を得た。このジイソプロピルエーテルによるスラリー洗浄、遠心分離、デカンテーションをさらに3回行い、沈殿物を得た。沈澱物を減圧下で乾燥し、H−Phe−Leu−NH2 49mgを得た。 ESIMS MH+ 278.0

以上の結果から、本発明のキサンテン保護剤を用いて官能基を保護された化合物は、有機溶媒に対する溶解度が大幅に向上することがわかった。

QQ群二维码
意见反馈