断熱成形体を製造する方法

申请号 JP2017552937 申请日 2016-03-31 公开(公告)号 JP2018518436A 公开(公告)日 2018-07-12
申请人 エボニック デグサ ゲーエムベーハー; Evonik Degussa GmbH; 发明人 マティアス ガイスラー; フランク メンツェル;
摘要 親 水 性シリカ含有断熱成形体をアンモニアで処理することを含む、アンモニアで処理された親水性断熱成形体を製造する方法において、断熱成形体をチャンバー内に導入し、かつ差圧Δp≧20mbarになるまでガス状アンモニアを供給する方法。アンモニアで処理された親水性断熱成形体を有機ケイ素化合物で処理することを含む、疎水性シリカ含有断熱成形体を製造する方法。
权利要求

性シリカ含有断熱成形体をアンモニアで処理することを含む、アンモニアで処理された親水性の断熱成形体を製造する方法において、前記断熱成形体をチャンバー内に導入し、かつ差圧Δpが20mbar以上になるまでガス状アンモニアを供給することを特徴とする方法。アンモニアを導入する前のチャンバー内の圧が、大気圧未満であることを特徴とする、請求項1記載の方法。前記親水性の断熱成形体が、水を5質量%まで含有することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。さらに水蒸気をチャンバー内に導入することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。導入された前記親水性の断熱成形体を、ガス状アンモニアの添加時点から、さらに1〜100時間にわたってチャンバー内に放置することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。チャンバー内の温度が、0℃から100℃までの間であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。親水性シリカとして、ヒュームドシリカを用いることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。請求項1から6までのいずれか1項記載の方法によって得られた親水性の断熱成形体を、有機ケイ素化合物で処理することを特徴とする、疎水性シリカ含有断熱成形体を製造する方法。有機ケイ素化合物により処理するために、アンモニアで処理された前記親水性の断熱成形体をチャンバー内に導入し、かつ差圧Δpが20mbarになるまで蒸気状の有機ケイ素化合物をチャンバー内に導入することを特徴とする、請求項8記載の方法。アンモニアで処理された前記親水性の断熱成形体が、水を2質量%以下含有することを特徴とする、請求項9記載の方法。有機ケイ素化合物を導入する前のチャンバー内の圧力が、大気圧未満であることを特徴とする、請求項9または10記載の方法。チャンバー内の温度が、20〜300℃であることを特徴とする、請求項9から11までのいずれか1項記載の方法。有機ケイ素化合物の添加時点から、さらに1分〜1時間にわたって、アンモニアで処理された前記親水性の断熱成形体をチャンバー内に放置することを特徴とする、請求項9から12までのいずれか1項記載の方法。疎水性シリカ含有断熱成形体を製造する方法において、 a)親水性ヒュームドシリカ含有断熱成形体をチャンバー内に導入し、かつ差圧Δpが20mbarになるまでガス状アンモニアを供給することにより、断熱成形体をアンモニアで処理し、 b)続けてこのようにして処理された断熱成形体を、(CH3)3Si−NH−Si(CH3)3で処理してアンモニアを生成させ、 c)このようにして得られたアンモニアを、必要に応じて更なるアンモニアとともに、親水性ヒュームドシリカ含有断熱成形体がその中にある別のチャンバーに供給し、ここで、差圧Δpが20mbarになるまでアンモニアを供給する、 ことを特徴とする方法。

说明书全文

本発明は、断熱成形体を製造する方法に関する。

バインダー不含の断熱成形体は、加圧プロセス後に体積膨張を示す。このような成形体には亀裂が生じ、機械的安定性が失われる。寸法安定性が劣ることに基づき、寸法精度の高い断熱成形体を作製することは困難である。

独国特許出願公開第3305375号明細書(DE-A-3305375)には、バインダー不含の断熱成形体を製造する方法が開示されており、アンモニアの存在下でヒュームドシリカ、乳白剤および無機繊維が混合され、引き続きこの断熱混合物は加圧される。ここでは、アンモニアの添加が加圧前に行われることが重要である。加圧されたシートにガス状アンモニアを加えることは、所望の結果、すなわち、体積膨張の低下につながらないことが明示的に指摘されている。

米国特許第6099749号明細書(US6099749)には、ヒュームドシリカ含有混合物を圧縮する方法が開示されており、この混合物は、液体の不存在下におよびアンモニアを含む蒸気で処理されて、少なくとも0.5質量%の増量が生じ、続けてこのようにして処理された混合物は加圧される。

同様の方法が、国際公開第2004/109026号(WO2004/109026)に開示されている。ここには、ヒュームドシリカ含有断熱混合物を、まずガス状アンモニアで処理し、引き続きこのようにして処理された断熱混合物を加圧されてシートが得られる、断熱成形体を製造する方法が開示されている。この方法では、混合中に、断熱混合物10kg当たり0.1〜50Nlの量でアンモニアが導入される。アンモニアの添加は、混合後であってもよいが、加圧プロセス前に行われる。

ここで意想外にも、加圧後であっても断熱成形体の圧縮強度を向上させることができる方法が判明した。

本発明の対象は、親水性シリカ含有断熱成形体をチャンバー内に導入し、かつ差圧Δpが20mbar以上になるまでガス状アンモニアを供給することによって、親水性シリカ含有断熱成形体をアンモニアによって処理する、アンモニアで処理された親水性断熱成形体を製造する方法である。

断熱成形体は、シート、異形材またはパイプであってもよい。本方法は、断熱シートを製造するのに特に適している。

ここで、Δp=p2−p1が適用され、p1は、ガス状アンモニアの導入前のチャンバー内の圧であり、p2は、ガス状アンモニアの導入が停止されるときのチャンバー内の圧力である。

本発明による方法は、好ましくは、50mbar≦Δp≦5barとなるように実施される。100mbar≦Δp≦500mbarの実施形態が特に好ましい。200mbar≦Δp≦400mbarが極めて好ましい。

本発明の1つの特定の実施形態では、本方法は、ガス状アンモニアを導入する前のチャンバー内の圧力が、大気圧以上になるように実施される。この場合、大気圧≦p1≦10barであるときに有利である。この過圧法によれば、親水性シリカ含有断熱成形体の細孔内にアンモニアが「圧入」される。これにより、同時に進行する、試験体中へのアンモニアの拡散が促進される。大気圧は、約1013mbarである。

ガス状アンモニアを導入する前のチャンバー内の圧力が大気圧未満となるようにプロセスを実施する実施形態では、より好ましい結果が得られる。特に、0.1mbar≦p1<大気圧mbarである場合に有利である。1≦p1≦500mbarの変法が特に好ましい。この特定の実施形態では、真空チャンバー内へのガス状アンモニアの導入が行われる。この負圧プロセスでは、親水性シリカ含有断熱成形体の細孔内にアンモニアが「吸引」され、かつ最適に分散される。

チャンバーには、本発明による方法のために必要な圧力および温度を維持することができるという要求が課されるのみである。

本発明による方法では、親水性シリカ含有断熱成形体が用いられる。一般に、親水性シリカ含有断熱混合物は、1つ以上の工程で、プレス成形用金型に充填され、かつプレスラムを用いて圧縮される。親水性シリカ含有断熱成形体の密度は、通常、30〜500g/l、好ましくは70〜350g/l、特に好ましくは120〜200g/lである。

用いられる親水性シリカ含有断熱成形体は、水を含有していてもよいことが判明した。本発明による方法は、水5質量%までの範囲で何ら不都合なく実施することができる。一般に、0.5〜3質量%の割合の水を有する親水性シリカ含有断熱成形体が用いられる。

水蒸気をチャンバー内に導入することも同様に可能である。その割合は、導入されたガス量および蒸気量の総量を基準として10体積%以下であるべきである。

それに対して、用いられる親水性シリカ含有断熱成形体は、バインダーを含有していないことが望ましい。なぜなら、バインダーは断熱特性に悪影響を及ぼし得るからである。

ガス状アンモニアを添加する時点から、親水性断熱成形体がチャンバー内に放置される継続時間は、とりわけ断熱成形体の組成およびその厚さに依存する。一般に、継続時間は、10分〜100時間、好ましくは0.5〜20時間である。

チャンバー内の適切な温度は同様に、断熱成形体の組成およびその厚さに依存する。最良の結果が期待される温度は、0℃から100℃までの間、好ましくは15℃〜90℃の範囲である。

その後、断熱成形体をさらに熱処理することでアンモニア含分を最小限に抑えることができる。これは、真空下に高温で、例えば1〜80mbarおよび20℃〜90℃の温度で最適に行われる。このようにして処理された断熱成形体は、好ましくは0.1質量%未満、特に好ましくは100ppm未満、極めて好ましくは1〜20ppmのアンモニアを含む。

断熱混合物の主成分は、親水性シリカである。親水性シリカとして、とりわけヒュームドシリカ、沈降シリカおよび/または二酸化ケイ素エーロゲルが考慮される。

最適な結果は、ヒュームドシリカを用いて得られる。ヒュームドシリカのBET表面積は、好ましくは90m2/g以上、特に好ましくは150〜500m2/gである。ヒュームドシリカは、ケイ素化合物、例えばクロロシランの火炎加水分解によって製造される。この方法では、加水分解可能なハロゲン化ケイ素が、水素と酸素含有ガスの燃焼によって形成された火炎と反応させられる。ここで、燃焼炎は、ハロゲン化ケイ素を加水分解するための水および加水分解反応のために十分な熱を提供する。このようにして製造されたシリカは、ヒュームドシリカと呼ばれる。このプロセスではまず内部細孔をほぼ含まない一次粒子が形成される。これらの一次粒子は、プロセス中に溶融して、いわゆる「焼結ネック」を介してアグリゲートとなる。この構造に基づき、熱分解法により製造されたシリカは、理想的な断熱材である。なぜなら、アグリゲート構造は、「焼結ネック」を介した固体伝導性による熱伝達を最小限に抑え、かつ十分に高い多孔度を生じるからである。

このような混合物はさらに、乳白剤、繊維および/または微細な無機添加剤を含んでもよい。典型的な組成は、シリカ45〜95質量%、有利には55〜90質量%、乳白剤5〜30質量%、有利には7〜15質量%、微細な無機添加剤5〜35質量%、有利には10〜30質量%および繊維0〜12質量%、有利には1〜5質量%である。乳白剤は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、イルメナイト、チタン酸鉄、酸化鉄、ケイ酸ジルコニウム、炭化ケイ素、酸化マンガン、グラファイトおよび/またはカーボンブラックであってもよい。乳白剤の粒度は、一般に、0.1μmから25μmまでの間である。炭化ケイ素および酸化チタンの場合、平均粒径d50は、好ましくは1〜10μm、特に好ましくは2〜8μmである。

本発明の文脈において、親水性シリカとは、疎水性の撥水性質を付与する有機基、例えばアルキル基をその表面に持たないシリカを意味する。それよりむしろ、表面にある基は、実質的にまたは完全にSi−OH基およびSi−O−Si基からなるべきである。表面にあるSi−OH基およびSi−O−Si基が、疎水性の撥水性質を材料に付与する有機化合物と少なくとも部分的に反応した場合に、疎水性シリカと呼ぶ。

本発明の更なる対象は、本発明による方法に従ってアンモニアで処理された親水性断熱成形体を有機ケイ素化合物で処理することを含む、疎水性シリカ含有断熱成形体を製造する方法である。

この方法では、アンモニアで処理された親水性断熱成形体が水2質量%以下を含有する場合に有利である。0〜1.5質量%が特に好ましい。

本発明の1つの特定の実施形態では、本発明による方法に従ってアンモニアで処理された親水性断熱成形体を収容するチャンバー内で処理が実施され、かつ差圧Δp≧20mbarになるまで反応条件下で蒸気状の有機ケイ素化合物をチャンバー内に導入する。

有機ケイ素化合物自体は、液状または蒸気状の形態でチャンバー内に導入してよい。例えば噴射によって液状の形態で導入される場合、有機ケイ素化合物は、チャンバー内に存在する条件下で蒸気状の状態に変えられることになる。好ましくは、蒸気状の有機ケイ素化合物が導入される。

Δp=p2−p1であって、p1は、有機ケイ素化合物の導入前のチャンバー内の圧力であり、p2は、有機ケイ素化合物の導入が停止されるときのチャンバー内の圧力である。本発明による方法は、好ましくは50mbar≦Δp≦5bar、特に好ましくは100mbar≦Δp≦500mbar、極めて好ましくは200mbar≦Δp≦400mbarとなるように実施される。

本発明の1つの特定の実施形態では、本方法は、有機ケイ素化合物を導入する前のチャンバー内の圧力が大気圧未満となるように実施される。特に0.1mbar≦p1<大気圧mbarである場合に有利である。1≦p1≦500mbarの変法が特に好ましい。つまり、この特定の実施形態では、真空チャンバー内への有機ケイ素化合物の導入が行われる。この負圧プロセスでは、親水性成形体の細孔内に有機ケイ素化合物が「吸引」され、かつ最適に分散される。

用いられる有機ケイ素化合物は、親水性シリカ含有断熱成形体のシラノール基と反応し、それによって成形体は撥水性を帯びるようになる。

本発明による方法のために、有機ケイ素化合物として、好ましくは、Rn−Si−X4−n、R3Si−Y−SiR3、RnSinOn、(CH3)3−Si−(O−Si(CH3)2)n−OH、HO−Si(CH3)2−(O−Si(CH3)2)n−OH(n=1〜8;R=−H、−CH3、−C2H5;X=−Cl、−Br;−OCH3、−OC2H5、−OC3H8;Y=NH、O)からなる群からの1種以上のオルガノシランを用いることができる。

明示的に、(CH3)3SiCl、(CH3)2SiCl2、CH3SiCl3、(CH3)3SiOC2H5、(CH3)2Si(OC2H5)2、CH3Si(OC2H5)3、(CH3)3SiNHSi(CH3)3、(CH3)3SiOSi(CH3)3、オクタメチルテトラシクロシロキサン、ヘキサメチルトリシクロシロキサンおよび(CH3)3Si(OSi(CH3)2)4OHが挙げられる。好ましくは、(CH3)3SiCl、(CH3)2SiCl2、CH3SiCl3、(CH3)3SiNHSi(CH3)3および(CH3)8Si4O4が用いられる。特に好ましくは、(CH3)3SiNHSi(CH3)3が用いられる。

チャンバー内の温度は、用いられる有機ケイ素化合物に依存して、20℃〜300℃であるべきである。好ましくは、50℃〜200℃の温度が選択される。

有機ケイ素化合物を添加する時点から、アンモニアで処理された親水性断熱成形体がチャンバー内に放置される継続時間は、とりわけ断熱成形体の組成およびその厚さに依存する。一般に、継続時間は、1分〜1時間、好ましくは2〜20分である。

処理の終了後に、場合により生じた過剰の有機ケイ素化合物および反応生成物を、そのときに疎水性の断熱成形体から加熱によって除去することができる。

本発明の1つの特定の実施形態は、(CH3)3SiNHSi(CH3)3による疎水化を実施し、かつ疎水化工程中に形成されたアンモニアを親水性断熱成形体の処理において用いることを含む、疎水性シリカ含有断熱成形体を製造する方法を提供する。 このプロセスは、 a)親水性ヒュームドシリカ含有断熱成形体をチャンバー内に導入し、かつ差圧Δp≧20mbarになるまでガス状アンモニアを供給することにより、前記成形体をアンモニアで処理し、 b)続けてこのようにして処理された断熱成形体を、(CH3)3Si−NH−Si(CH3)3で処理してアンモニアを生成させ、 c)このようにして得られたアンモニアを、必要に応じて更なるアンモニアとともに、親水性ヒュームドシリカ含有断熱成形体が中にある別のチャンバーに供給し、ここで、差圧Δp≧20mbarになるまでアンモニアを供給する、 ことを特徴とする。

実施例 DIN ISO 844:2009およびEN 826:1996に依拠。試験仕様とは異なり、1バールまで負荷をかけ、圧縮値(Stauchung)を評価する。そのほか、試験に先立って試験片を調温することなく、単一測定のみを実施した。

実施例1a(比較例):アエロジル300(ヒュームドシリカ;Evonik Industries;BET表面積300m2/g)76.2質量%、炭化ケイ素(Silcar G14;ESK;d50=2.73μm)19質量%およびガラス繊維(平均繊維直径約9μm;長さ約6mm)5質量%からなる断熱混合物を加圧して断熱シートを形成する。断熱シートは、149g/cm3の密度を有する。

実施例2a(本発明による):70×70×20mmの寸法を有する実施例1aの断熱シートの一部をデシケーターに移す。デシケーター内の圧力を20mbarに下げる。引き続き、圧力が300mbarに上昇するまで十分な蒸気状のアンモニアをデシケーター内に導入する。断熱シートを、それからデシケーター内に2時間置く。密度は変わらない。

実施例2b(本発明による):実施例2aと同様である。断熱シートを、デシケーター内に20時間置く。

実施例2c(本発明による):実施例2aと同様であるが、実施例1aの代わりに実施例1bの断熱シートを使用する。断熱シートを、デシケーター内に100時間置く。

表には、断熱シートの圧縮値を示している。本発明による方法に従って製造された断熱シートの圧縮値は、未処理のシートよりも有意に低いことが判明している。この結果はまた、先行技術で行われていた教示とは対照的に、既に加圧された断熱シートが処理によって硬化され得ることを示す。

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