Activating catalytic solution for electroless plating and non-electrolytic plating method

申请号 JP8672596 申请日 1996-04-09 公开(公告)号 JP3111891B2 公开(公告)日 2000-11-27
申请人 株式会社村田製作所; 发明人 修 加納; 厚生 千田; 育史 吉田;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 シュウ酸亜鉛と銅塩とパラジウム塩とアルカリ溶液とを含む親水性の無電解めっきのための活性化触媒液。
  • 【請求項2】 前記パラジウム塩は塩化パラジウムである、請求項1に記載の無電解めっきのための活性化触媒液。
  • 【請求項3】 前記アルカリ溶液はアンモニア水である、請求項1または2に記載の無電解めっきのための活性化触媒液。
  • 【請求項4】 前記シュウ酸亜鉛の一部が亜鉛塩に置き換えられた、請求項1ないし3のいずれかに記載の無電解めっきのための活性化触媒液。
  • 【請求項5】 前記亜鉛塩は、塩化亜鉛および硫酸亜鉛の少なくとも1つである、請求項4に記載の無電解めっきのための活性化触媒液。
  • 【請求項6】 前記銅塩は、シュウ酸銅、塩化銅および硫酸銅からなる群から選ばれた少なくとも1つである、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の無電解めっきのための活性化触媒液。
  • 【請求項7】 鉛塩とシュウ酸銅とパラジウム塩とアルカリ溶液とを含む親水性の無電解めっきのための活性化触媒液。
  • 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の活性化触媒液を基材上に付与して、基材上に活性化触媒液からなる感光膜を形成し、 前記感光膜に光を照射して金属パラジウムを前記基材上に析出させ、 前記金属パラジウムが析出した前記基材を無電解めっき浴に浸漬し、前記金属パラジウムを活性化触媒として無電解めっきを施す、各工程を備える、無電解めっき方法。
  • 【請求項9】 前記感光膜に光を照射する工程において、前記光は前記感光膜の特定の領域にのみ照射され、
    さらに、前記感光膜における前記光が照射されなかった領域を水または水を主成分とする液体で洗い流す工程を備える、請求項7に記載の無電解めっき方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】この発明は、無電解めっきのための活性化触媒液およびそれを用いた無電解めっき方法に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】たとえば、高周波用コイル、誘電体フィルタ、コンデンサ、ハイブリッドICなどのための導体膜を、アルミナ基板、誘電体セラミック基板、ポリイミド基板、ガラス・エポキシ基板、フェライト基板などの基材上に、所定のパターンをもって形成するのに、無電解めっきが適用されることがある。 無電解めっきを行なう場合、基材表面を活性化する必要があり、この活性化のために活性化触媒液が用いられる。

    【0003】活性化触媒液は、基材上に付与され、それによって、基材上に感光膜が形成される。 このような活性化触媒液は、基材上に付与された後、紫外線またはレーザ光が照射されると、照射された領域においてのみ、
    選択的に活性化が図られ、したがって特定の領域においてのみ選択的に無電解めっきすることが可能になることが注目されている。 このような活性化触媒液によれば、
    フォトリソグラフィ技術を用いて、微細なパターンの導体膜を能率的に基材上に形成できる。

    【0004】従来、上述のことを可能にする活性化触媒液として、たとえば、パラジウムアセチルアセトナートをクロロホルムなどの有機溶剤に溶解したものが用いられている。 このような活性化触媒液は、適宜の基材上に感光膜を形成するように塗布され、この感光膜にフォトマスクを介してレーザ光または紫外線が照射される。 これによって、露光された領域においてのみ、基材上に金属パラジウムが析出する。 その後、フォトマスクが外され、露光されなかった領域の感光膜がクロロホルムなどの有機溶剤で洗い流され、それによって、残された金属パラジウムからなる膜がフォトマスクのパターンに相関するパターンをもって現像される。 そして、この基材を、無電解めっき浴に浸漬すると、金属パラジウムが活性化触媒として働き、基材上に無電解めっき膜が形成される(以下、「第1の従来技術」と言う。)。

    【0005】他方、シュウ酸第二鉄と塩化パラジウムとを酸化カリウム溶液に溶解した、活性化触媒液を用いる選択的な無電解めっき方法が、「ザ・エレクトロケミカル・ソサエティ・プロシーディングズ(The Electroc
    hemical Society Proceedings )」第94−31巻に掲載されたトーマス・エイチ・バウム(Thomas H. Baum)
    等による「テフロンおよびエポキシ系基板の回路形成のための銅の選択的めっき(SELECTIVE PLATING OF COPPE
    R FOR CIRCUITIZATION OF TEFLON AND EPOXY-BASED SUB
    STRATES )」に記載されている(以下、「第2の従来技術」と言う。)。

    【0006】さらに、シュウ酸第二鉄またはシュウ酸ルテニウムのようなシュウ酸塩と塩化パラジウムとアンモニア水とを含む活性化触媒液を用いる選択的な無電解めっき方法が、ヨーロッパ特許出願公開第687,136
    号として公開されている(以下、「第3の従来技術」と言う。)。

    【0007】

    【発明が解決しようとする課題】上述した第1の従来技術では、クロロホルムなどの有機溶剤を現像工程において用いなければならない。 このような有機溶剤は、多量に用いることを安易には行なえず、そのため、露光されなかった感光膜を完全に洗い流すことが比較的困難である。 このように、露光されなかった感光膜が残存すると、以後の無電解めっきによるめっき膜のパターンの鮮明さに欠けるという問題に遭遇する。 また、感光膜を露光するのに、たとえばエキシマレーザのような大きなエネルギの光源が必要で、しかも長い露光時間が必要なため、露光に要するコストが高いという問題も有している。

    【0008】他方、第2または第3の従来技術では、親水性の塩化パラジウムを用いているので、水を用いて現像工程を実施することができる。 したがって、多量の水を用いて、露光されなかった感光膜を完全に洗い流すことが容易である。 しかしながら、この第2の従来技術による感光膜も、露光の感度が低く、長時間の露光が必要である。 また、これを活性化触媒として無電解めっきされた金属膜は、電気伝導度が比較的低くなり、そのため高周波特性が悪くなるという欠点を有している。 また、
    この無電解めっきされた金属膜は、基材に対する密着強度が比較的低いという欠点も有している。 この密着強度を高めるため、基材表面をエッチングするという対策も可能ではあるが、基材の材質によっては、このようなエッチングが困難な場合もある。

    【0009】そこで、この発明の目的は、上述したような第1ないし第3の従来技術の問題を解決し得る、無電解めっきのための活性化触媒液およびそれを用いた無電解めっき方法を提供しようとすることである。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】この発明に係る無電解めっきのための活性化触媒液は、シュウ酸亜鉛と銅塩とパラジウム塩とアルカリ溶液とを含む親水性のものである。 好ましくは、銅塩としては、シュウ酸銅、塩化銅および硫酸銅からなる群から選ばれた少なくとも1つが用いられ、また、パラジウム塩としては、塩化パラジウムが用いられ、また、アルカリ溶液としては、アンモニア水が用いられる。 また、シュウ酸亜鉛の一部が亜鉛塩たとえば塩化亜鉛に置き換えられてもよい。 さらに、このような活性化触媒液の基材上への均一な付与をより容易にするため、たとえばポリビニルアルコールのような親水性バインダ等が活性化触媒液に添加されることもある。

    【0011】この発明の他の局面では、無電解めっきのための活性化触媒液は、塩化亜鉛とシュウ酸銅とパラジウム塩とアルカリ溶液とを含む親水性のものとされる。

    【0012】この発明に係る無電解めっき方法では、上述した活性化触媒液が用いられ、これが基材上に付与され、基材上に活性化触媒液からなる感光膜が形成される。 この感光膜には、光が照射され、これによって金属パラジウムが基材上に析出する。 そして、この金属パラジウムが析出した基材が無電解めっき浴に浸漬されることによって、金属パラジウムを活性化触媒として、無電解めっき膜が基材上に形成される。

    【0013】上述した無電解めっき方法において、感光膜に光を照射するにあたって、たとえば、フォトマスクを介して紫外線等の光を照射したり、レーザ光等の光を走査させたりして、光を感光膜の特定の領域にのみ照射した場合、感光膜における光が照射されなかった領域を水または水を主成分とする液体で洗い流す現像工程をさらに備えることが好ましい。

    【0014】

    【発明の効果】この発明に係る活性化触媒液は、親水性であるので、有機溶剤を用いることなく、無電解めっきのための感光膜を提供することができ、かつ、必要に応じて現像工程を実施することができる。 その結果、活性化触媒液の準備工程から基材上への付与工程および現像工程を経て無電解めっき工程に至るまで、すべて一貫して水系の処理操作とすることができる。

    【0015】したがって、まず、この発明に係る活性化触媒液を用いた無電解めっき方法を安全なものとすることができる。 また、有機溶剤の代わりに水を用いることによるコストダウンが期待できる。 また、現像工程が実施されるとき、この工程において、水による洗浄を適用できるので、多量の水を使用して、光が照射されなかった感光膜を洗い流すことができる。 そのため、不要な感光膜の完全な除去を行なって、めっき膜のパターンの分解能を高めることが容易になる。 したがって、より微細なパターンを形成することが可能となる。 また、現像工程で用いた水が残存していても、それに煩わされることなく、次の無電解めっき工程を直ちに実施することができる。 したがって、無電解めっきのための一連の操作を能率的に進めることができる。

    【0016】また、この発明に係る活性化触媒液は、光に対する感度が高い。 そのため、露光のための紫外線等の光のエネルギが小さくても、あるいは露光時間が短くても、十分な金属パラジウムの析出反応を達成することができる。 たとえば、波長172nmのエキシマランプを用いて、10mmW/cm 2の照度で照射したとき、最適実施例では、5秒という極めて短い露光時間で、金属パラジウムの析出が可能であることが確認されている。
    これに対して、たとえば第1の従来技術では、5分以上の露光時間が析出のために必要である。

    【0017】また、この発明に係る活性化触媒液を用いて実施された無電解めっきによるめっき膜は、基材に対して高い密着高度を有している。 そのため、基材に予めエッチングを施さなくても、十分な密着強度を与えることができるので、エッチングが困難な基材に対しても、
    無電解めっきを適用して、十分な密着強度をもって、めっき膜を形成することができる。

    【0018】また、この発明に係る活性化触媒液を用いて実施された無電解めっきによるめっき膜は、めっき膜を構成する金属本来が有する電気伝導度を維持することができる。 したがって、高周波回路の形成に対しても、
    このめっき膜を問題なく適用することができる。

    【0019】

    【実験例1】試料1〜5に係る活性化触媒液10mlをそれぞれ準備するため、シュウ酸亜鉛〔Zn(COO)
    2・2H 2 O〕、シュウ酸銅〔Cu(COO) 2・1/
    2H 2 O〕および塩化パラジウム〔PdCl 2 〕を以下の表1に示すような組成比をもって2mlのアンモニア水(28%)で溶解した後、8mlの水で希釈し、この混合液を、0.45μmのミリポアフィルターで濾過した。

    【0020】

    【表1】

    【0021】次に、上記試料1〜5に係る活性化触媒液の各々を、1000rpmの回転速度で、30秒間、アルミナ基板上にスピンコートして、感光膜を形成した。
    次いで、石英・クロムフォトマスクを介して、感光膜上に、エキシマランプ(波長:172nm)からの紫外線を、10mmW/cm 2の照度で、30秒間または60秒間照射した後、水洗を行ない、以下の組成を含有する1
    リットルの無電解めっき浴(60℃)に10分間浸漬し、無電解めっきを行なった。

    【0022】 NiSO 4・6H 2 O ………………… 30g 次亜リン酸ソーダ ……………………… 10g 酢酸ソーダ(無水) …………………… 10g このようにして得られた試料1〜5につき、ニッケル無電解めっき膜の析出状態を観察した。 その結果を以下の表2に示す。

    【0023】

    【表2】

    【0024】上記表2に示すように、シュウ酸亜鉛、シュウ酸銅、塩化パラジウムおよびアンモニア水を含む活性化触媒液によれば、紫外線の照射時間を60秒間にすると、試料1〜5のすべてにおいて、ニッケル無電解めっき膜が析出し、また、試料1および2では、早期の析出が可能であった。 また、紫外線の照射時間を30秒間というように短くしても、試料1および2のような組成比とすることにより、ニッケル無電解めっき膜の析出が可能であった。

    【0025】

    【実験例2】上記実験例1の結果に基づき、シュウ酸亜鉛およびシュウ酸銅のより好ましい組成比を見出すため、これらシュウ酸亜鉛およびシュウ酸銅の組成比を、
    以下の表3に示すように、種々に変えた試料6〜11に係る活性化触媒液を、実験例1と同様の方法により、それぞれ用意した。

    【0026】

    【表3】

    【0027】次に、上記試料6〜11に係る活性化触媒液の各々について、実験例1と同様の方法により、スピンコートして感光膜を形成し、次いで、各感光膜上に、
    同様の紫外線を、5秒間、10秒間または25秒間照射した後、水洗を行ない、同様の無電解めっき浴に10分間浸漬し、無電解めっきを行なった。

    【0028】このようにして得られた試料6〜11につき、ニッケル無電解めっき膜の析出状態を観察した。 その結果を以下の表4に示す。

    【0029】

    【表4】

    【0030】上記表4に示すように、紫外線の照射時間を25秒間にすると、試料6〜11のすべてにおいて、
    ニッケル無電解めっき膜が析出し、また、紫外線の照射時間を10秒間にすると、試料7ないし11において、
    ニッケル無電解めっき膜が析出し、また、紫外線の照射時間を5秒間と短くしても、試料8ないし10においては、ニッケル無電解めっき膜の析出が見られた。 このことから、シュウ酸亜鉛およびシュウ酸銅の組成比を選ぶことにより、照射時間をたとえば5秒間というように短くしても、析出が可能であることがわかる。

    【0031】たとえば、試料10の活性化触媒液を用いて、10秒間の紫外線照射を行なって得られた試料では、基板上に、厚み0.3μmで解像度(ライン/スペース)が25μmのNiパターンの形成が確認された。

    【0032】

    【実験例3】上記実験例2では、シュウ酸亜鉛およびシュウ酸銅の組成比を種々に変えたが、この実験例3では、塩化パラジウムの組成比を、以下の表5に示すように、種々に変えた試料12〜16に係る活性化触媒液を、実験例1と同様の方法により、それぞれ用意した。

    【0033】

    【表5】

    【0034】次に、上記試料12〜16に係る活性化触媒液の各々について、実験例1と同様の方法により、スピンコートして感光膜を形成し、次いで、各感光膜上に、同様の紫外線を、10秒間、20秒間または30秒間照射した後、水洗を行ない、同様の無電解めっき浴に10分間浸漬し、無電解めっきを行なった。

    【0035】このようにして得られた試料12〜16につき、ニッケル無電解めっき膜の析出状態を観察した。
    その結果を以下の表6に示す。

    【0036】

    【表6】

    【0037】上記表6に示すように、紫外線の照射時間を30秒間、20秒間、10秒間というように短くなっても、試料12〜16のすべてにおいて、ニッケル無電解めっき膜が析出した。 なお、試料12において照射時間「10秒」、「20秒」、および試料13において照射時間「10秒」とされたものについては、「遅れて析出」と表示されているが、これは、無電解めっき浴に浸漬後、2〜3分してから析出し始めたことを示すもので、10分間の浸漬の結果では、あくまでも良好なニッケル無電解めっき膜の析出が見られた。

    【0038】

    【実験例4】上記実験例1〜3では、銅塩として、シュウ酸銅を用いたが、この実験例4では、塩化銅〔CuC
    2・2H 2 O〕を用いた。 シュウ酸亜鉛、塩化銅および塩化パラジウムを、以下の表7に示すように、種々に変えた試料17〜19に係る活性化触媒液を、実験例1
    と同様の方法により、それぞれ用意した。

    【0039】

    【表7】

    【0040】次に、上記試料17〜19に係る活性化触媒液の各々について、実験例1と同様の方法により、スピンコートして感光膜を形成し、次いで、各感光膜上に、同様の紫外線を、10秒間、20秒間または30秒間照射した後、水洗を行ない、同様の無電解めっき浴に10分間浸漬し、無電解めっきを行なった。

    【0041】このようにして得られた試料17〜19につき、ニッケル無電解めっき膜の析出状態を観察した。
    その結果、紫外線の照射時間を30秒間、20秒間、1
    0秒間というように短くなっても、試料17〜19のすべてにおいて、ニッケル無電解めっき膜が析出した。

    【0042】なお、銅塩として、塩化銅に代えて、硫酸銅を用いた場合でも、同様の結果が得られた。

    【0043】

    【実験例5】この実験例5は、この発明の範囲外に属するものである。

    【0044】この実験例5では、上記実験例4におけるシュウ酸亜鉛に代えて、塩化亜鉛〔ZnCl 2 〕を用い、この塩化亜鉛、塩化銅および塩化パラジウムを、以下の表8に示すように、種々に変えた試料20〜22に係る活性化触媒液を、実験例1と同様の方法により、それぞれ用意した。

    【0045】

    【表8】

    【0046】次に、上記試料20〜22に係る活性化触媒液の各々について、実験例1と同様の方法により、スピンコートして感光膜を形成し、次いで、各感光膜上に、同様の紫外線を、10秒間、20秒間または30秒間照射した後、水洗を行ない、同様の無電解めっき浴に10分間浸漬し、無電解めっきを行なった。

    【0047】このようにして得られた試料20〜22につき、ニッケル無電解めっき膜の析出状態を観察した。
    その結果、紫外線の照射時間を10秒間、20秒間および30秒間としたいずれの場合においても、ニッケル無電解めっき膜は析出しなかった。 この実験例5から、シュウ酸亜鉛が、良好な無電解めっきを実施するために、
    重要な意義を有していることがわかる。

    【0048】

    【実験例6】この実験例6も、この発明の範囲外に属するものである。

    【0049】この実験例6は、上記実験例4における組成に対して、シュウ酸塩ではなくシュウ酸〔HO 2 CC
    2 H・2H 2 O〕を加えたものである。 すなわち、塩化亜鉛、塩化銅、シュウ酸および塩化パラジウムを、以下の表9に示すように、種々に変えた試料23〜25に係る活性化触媒液を、実験例1と同様の方法により、それぞれ用意した。

    【0050】

    【表9】

    【0051】次に、上記試料23〜25に係る活性化触媒液の各々を用いて、実験例1と同様の方法により、スピンコートして感光膜を形成し、次いで、各感光膜上に、同様の紫外線を、10秒間、20秒間または30秒間照射した後、水洗を行ない、同様の無電解めっき浴に10分間浸漬し、無電解めっきを行なった。

    【0052】このようにして得られた試料23〜25につき、ニッケル無電解めっき膜の析出状態を観察した。
    その結果、紫外線の照射時間を10秒間、20秒間および30秒間としたいずれの場合においても、ニッケル無電解めっき膜が析出しなかった。 この実験例6から、たとえシュウ酸と塩化亜鉛とが存在しても、シュウ酸亜鉛が存在しない限り、良好な無電解めっきを実施できないことがわかる。

    【0053】

    【実験例7】この実験例7も、この発明の範囲外に属するものである。

    【0054】この実験例7では、シュウ酸亜鉛は含有するが、銅塩は含有しない。 すなわち、シュウ酸亜鉛および塩化パラジウムを、以下の表10に示すように、種々に変えた試料26〜28に係る活性化触媒液を、実験例1と同様の方法により、それぞれ用意した。

    【0055】

    【表10】

    【0056】次に、上記試料26〜28に係る活性化触媒液の各々について、実験例1と同様の方法により、スピンコートして感光膜を形成し、次いで、各感光膜上に、同様の紫外線を、1分間、3分間または5分間照射した後、水洗を行ない、同様の無電解めっき浴に10分間浸漬し、無電解めっきを行なった。

    【0057】このようにして得られた試料26〜28につき、ニッケル無電解めっき膜の析出状態を観察した。
    その結果、紫外線の照射時間を1分間、3分間、5分間と長くしても、ニッケル無電解めっき膜が析出しなかった。 この実験例6から、たとえシュウ酸亜鉛を含有しても、銅塩を含有しない限り、良好な無電解めっきを実施できないことがわかる。

    【0058】

    【実験例8】この実験例8は、この発明の範囲内に属するものである。

    【0059】この実験例8では、シュウ酸亜鉛は含有しないが、塩化亜鉛を含有し、代わりに、銅塩として、シュウ酸塩でもあるシュウ酸銅を含有している。 すなわち、塩化亜鉛、シュウ酸銅および塩化パラジウムを、以下の表11に示すように、種々に変えた試料29〜31
    に係る活性化触媒液を、実験例1と同様の方法により、
    それぞれ用意した。

    【0060】

    【表11】

    【0061】次に、上記試料29〜31に係る活性化触媒液の各々について、実験例1と同様の方法により、スピンコートして感光膜を形成し、次いで、各感光膜上に、同様の紫外線を、10秒間、20秒間または30秒間照射した後、水洗を行ない、同様の無電解めっき浴に10分間浸漬し、無電解めっきを行なった。

    【0062】このようにして得られた試料29〜31につき、ニッケル無電解めっき膜の析出状態を観察した。
    その結果を以下の表12に示す。

    【0063】

    【表12】

    【0064】上記表12に示すように、紫外線の照射時間を10秒間としたときには、試料29〜31のいずれにおいても、ニッケル無電解めっき膜が析出しなかったが、照射時間を20秒としたときには、試料29において、ニッケル無電解めっき膜が析出し、また、照射時間を30秒としたときには、試料30において、ニッケル無電解めっき膜が析出した。 この実験例8によれば、シュウ酸亜鉛を用いない場合であっても、銅塩としてシュウ酸銅を用いれば、紫外線の照射時間を選ぶことにより、ニッケル無電解めっき膜を析出させ得ることがわかる。

    【0065】さらに、亜鉛塩として、塩化亜鉛に代えて、硫酸亜鉛を用いた場合でも、同様の結果が得られた。

    【0066】

    【他の実施例】この発明の範囲内に属する実験例1〜4
    および8に係る活性化触媒液の組成は、一例にすぎない。 たとえば、シュウ酸亜鉛の含有量は、活性化触媒液10mlにおいて、0.01〜0.30gの範囲で変更することができ、銅塩の含有量は、0.003〜0.0
    5gの範囲で変更することができ、塩化パラジウムの含有量は、0.01〜0.15gの範囲で変更することができ、アンモニア水(28%)の含有量は、1〜5ml
    の範囲で変更することができる。 また、塩化パラジウムに代えて、他の親水性のパラジウム塩、たとえば、パラジウムの硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などを用いることもできる。

    【0067】また、活性化触媒液の基材上への均一な付与をより容易にするため、たとえばポリビニルアルコールのような親水性バインダ等を活性化触媒液に添加してもよい。

    【0068】また、感光膜に照射される光の波長としては、100〜400nmの範囲で変更することができる。

    【0069】また、上述した実験例では、ニッケルの無電解めっきを行なったが、銅、パラジウム、金など、他の金属の無電解めっきを行なう場合にも、この発明を適用することができる。

    【0070】また、無電解めっき処理される基材としては、上述したアルミナ基板に限らず、誘電体セラミック基板、ポリイミド基板、ガラス・エポキシ基板、フェライト基板など、他の基材であってもよい。

    【0071】また、この発明に係る無電解めっき方法は、上述した水洗による現像工程を省略して実施することもできる。 たとえば、感光膜の特定領域のみの選択的露光を行なわず、全領域の露光を行なった場合はもちろん、特定領域のみの選択的露光を行なった場合でも、形成すべきめっき膜の分解能をそれほど高くする必要がないときは、現像工程を省略してもよい。 このように現像工程の省略を可能にするのは、前述の第1の従来技術とは異なり、活性化触媒液が親水性であるためである。

    【0072】また、現像工程が実施される場合、水に代えて、水を主成分とする液体を用いて洗浄することもできる。 さらに、他の液体を用いることを妨げるものではない。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) C23C 18/00 - 18/54

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