金属薄板のコーティングのための多段ポリマー分散液の使用

申请号 JP2015515500 申请日 2013-06-04 公开(公告)号 JP2015526536A 公开(公告)日 2015-09-10
申请人 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se; ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se; 发明人 ヤーンス エッケハート; ヤーンス エッケハート; ハンス−ユルゲン デヌー; デヌー ハンス−ユルゲン; ロラー ゼバスティアン; ロラー ゼバスティアン; クーレク アレクサンダー; クーレク アレクサンダー;
摘要 本発明は、軟質相と硬質相とを有し、かつ硬質相の軟質相に対する段階比が25〜95質量%対75〜5質量%であり、第一段階としての軟質相のガラス転移 温度 (Tg)が、−30〜0℃であり、かつ第二段階としての硬質相のガラス転移温度(Tg)が、20〜60℃であり、一般式(I)で示され、式中、可変部は、以下の意味を有する:nは、0〜2であり、R1、R2、R3は、互いに独立して、 水 素またはメチル基であり、Xは、OもしくはNHであり、Yは、H、アルカリ金属、NH4である、少なくとも1種のモノマーを含有する、ラジカル開始型の水性乳化重合によって得られる水性多段ポリマー分散液の、 金属薄板 のコーティングのための使用に関する。
权利要求

軟質相と硬質相とを有し、かつ硬質相の軟質相に対する段階比が25〜95質量%対75〜5質量%であり、第一段階としての軟質相のガラス転移温度(Tg)が、−30〜0℃であり、かつ第二段階としての硬質相のガラス転移温度(Tg)が、20〜60℃であり、一般式I [式中、可変部は、以下の意味を有する: nは、0〜2であり、 R1、R2、R3は、互いに独立して、素またはメチル基であり、 Xは、OもしくはNHであり、 Yは、H、アルカリ金属、NH4である]の少なくとも1種のモノマーを含有する、ラジカル開始型の水性乳化重合によって得られる水性多段ポリマー分散液の、金属薄板のコーティングのための使用。型出しされた金属屋根構成部材のコーティングのための、請求項1に記載の水性ポリマー分散液の使用。ベースコートおよび/またはトップコートが前記水性ポリマー分散液を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の水性ポリマー分散液の使用。硬質相の軟質相に対する段階比が25〜95:75〜5であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の水性ポリマー分散液の使用。第一段階のポリマーは、 (i)第一段階および第二段階で重合されるべき全モノマーの100質量部に対して5〜50質量%の量で使用され、 (ii)少なくとも80質量%で99質量%までが、C1〜C10−アルキル(メタ)アクリレート、α,β−不飽和C3〜C6−カルボン酸のアミドおよびヒドロキシアルキルエステル、およびこれらのモノマーの混合物からなる群から選択される主モノマーから構成されており、かつ (iii)少なくとも0.1質量%で5質量%までが、好ましくは、 − 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS) − メタクリル酸−(3’−スルホプロピル)エステル − アクリル酸−(3’−スルホプロピル)エステル − メタクリル酸−(2’−スルホエチル)エステル の群から選択されるモノマーIから構成されている、 コポリマーであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の水性ポリマー分散液の使用。請求項1から5までのいずれか1項に記載の水性多段ポリマー分散液を含有する金属薄板。前記金属薄板が粒状化されていることを特徴とする、請求項6に記載の金属薄板。前記薄板が、アルミニウム製、亜鉛製、銅製または鋼製であることを特徴とする、請求項6または7に記載の金属薄板。前記金属薄板が、型出しされた金属屋根構成部材であることを特徴とする、請求項6から8までのいずれか1項に記載の金属薄板。前記薄板が、屋根葺きのために、または壁装材として使用されることを特徴とする、請求項6から8までのいずれか1項に記載の金属薄板。ベースコートおよび/またはトップコートが、本発明によるポリマー分散液を含有することを特徴とする、請求項6から10までのいずれか1項に記載の金属薄板。粒状化された金属薄板のコーティング方法であって、表面を、本発明によるポリマー分散液を含む、100〜800μmの厚さのペイント層でコーティングし、前記のまだ湿ったペイント層に粒状物をちりばめ、そして前記粒状物層を、本発明によるポリマー分散液を含む第二のペイント層または透明なクリアーコートでコーティングすることを特徴とする方法。粒状化されていない金属薄板のコーティング方法であって、表面を、本発明によるポリマー分散液を含む、100〜800μmの厚さのペイント層でコーティングすることを特徴とする方法。

说明书全文

本発明は、軟質相と硬質相とを有し、かつ硬質相の軟質相に対する段階比が25〜95質量%対75〜5質量%であり、第一段階としての軟質相のガラス転移温度(Tg)が、−30〜0℃であり、かつ第二段階としての硬質相のガラス転移温度(Tg)が、20〜60℃であり、一般式I

[式中、可変部は、以下の意味を有する: nは、0〜2であり、 R1、R2、R3は、互いに独立して、素またはメチル基であり、 Xは、OもしくはNHであり、 Yは、H、アルカリ金属、NH4である]の少なくとも1種のモノマーを含有する、ラジカル開始型の水性乳化重合によって得られる水性多段ポリマー分散液の、金属薄板のコーティングのための使用に関する。

更に、本発明は、本発明によるポリマー分散液を含む金属薄板、ならびにコーティングされた金属薄板の製造方法に関する。

先行技術の水性ポリマー分散液は、コーティング剤におけるバインダーとして、特にまた屋根葺き(Dacheindeckung)のための金属薄板のコーティングのために、および壁装材(Wandverkleidung)としての金属薄板のコーティングのために使用される。これらの建材としての金属薄板は、例えばアルミニウム、亜鉛、銅または鋼板からなり、前記材料には、有機バインダーおよび防食顔料、例えばリン酸亜鉛、三リン酸アルミニウム、オルトリン酸亜鉛水和物、オルトリン酸亜鉛アルミニウム水和物、オルトリン酸亜鉛モリブデン水和物、オルトリン酸亜鉛アルミニウムモリブデン水和物、オルトリン酸ケイ酸亜鉛カルシウムストロンチウムアルミニウム水和物などからなる防食プライマーが設けられている。しばしば、これらの薄板は、いわゆるコイルコーティング法で製造される。この方法では、ローラからの金属薄板に、防食プライマーが施され、乾燥もしくは硬化され、その後に再びほぼエンドレスに巻取られる。こうしてコーティングされたコイルから、裁断機と曲げ加工機によって、屋根および壁の構造物のための金属薄板に変形される。

その際、これらの金属薄板には、もう一度、耐候性の仕上げコーティングが施されることがある。

前記薄板は、予め切断された金属板からも形成でき、コーティングすることもできる。

形成された金属薄板は、他の視覚的外観のために粒状化表面を伴って使用することもできる。この表面は、他の視覚的印象に加えて、降雨に際しての騒音緩和にも役立つ。更に、落が避けられる。製造のためには、準備した(プライマーを有するおよび有さない)コイルシートが相応の屋根構成部材へと冷間成形される。引き続き、その表面は、100〜800μmの厚さのペイント層でコーティングされる。このまだ湿ったペイントコーティングへと直接、粒状物がちりばめられる。付着しない材料は気流で吹き払われる。前記粒状物層は、引き続いてすぐに第二のペイント層または透明なクリアーコートで固定される。引き続き、最終乾燥プロセスは高められた温度で行われる。前記コーティングのためには、操業中の耐候性と堅牢性に加えて建築現場での加工要求も重要である。それには、乾燥条件でも湿った条件でも前記金属薄板上に前記コーティングが付着することが該当する。建築現場で敷設する際の前記構成部材の適合は、とりわけ曲げ特性の試験で試験される。この場合、前記構成部材は乾式に−10℃〜180℃で曲げられる。また、前記加工は、ニードル試験ならびに他の機械的応印加によってシミュレートされる。

これらの試験において前記コーティングが剥離するか、または特に曲げ領域に亀裂が生ずるという欠点がある。同様に、コーティングの一部、すなわち仕上げコーティング、粒状物もしくは第一のペイントコーティングの一部が離れること、または下地から完全に剥がれることが回避されるべきである。

可塑剤の添加による、より高い温度での前記コーティングの高められた粘着性は欠点である。それにより、屋外領域において汚れの付着の増加をもたらし、その結果、藻類と苔が激しく生い茂ることになる。同様に、前記コーティングの感水性が高められる。更なる問題となりうるのは、内容物が浸出することである。

上述の不利な特性の回避のためには、前記防食性金属薄板には、しばしばコーティングが施される。このために、今日では一般に、皮膜形成成分として水性ポリマー分散液を含む水性コーティング系が使用される。今日の先行技術において、一般に、スチレン−アクリレート、ビニルアセテートのホモポリマーおよびコポリマーまたは純粋なアクリレートからなるファサードペイント用の水性ポリマー分散液をベースとする一段バインダーは、粒状物の固体化のためのペイント調合物において使用される(例えばDE 21 64 256を参照)。それを用いて得られるコーティングは、しかしながら、低温で180°まで曲げたときに低い付着性と弾性という欠点を回避できなかった。10〜35℃のガラス転移温度(Tg)を有する前記バインダーは、従って、該配合物に皮膜形成助剤と可塑剤を添加することによって皮膜形成される。該可塑剤は、低温での、例えば−10℃での可撓性を高めるので、亀裂形成または下地からの剥離をすることなく180°まで薄板を曲げることを可能にする。

EP 623 659は、多段ポリマー分散液とコーティング剤におけるその使用を開示している。しかし、そこに開示される分散液は、一般式Iのモノマーを含有せず、金属薄板のコーティングも記載していない。

先行技術に開示される多段ポリマーのいずれも、一般式Iのモノマーを含有せず、金属薄板のコーティングのために使用されていない。

先行技術のコーティングにおける一段バインダーは、良好な耐ブロッキング性を達成するためにしばしば硬質すぎるため、溶媒または皮膜形成助剤を用いずには配合できないという欠点を有する。これらのコーティングは、屋外の環境に晒したときに容易に亀裂が入り、かつ光沢が無くなり、従ってあまり良好な耐候性を示さない。

例えばEP 623 659に記載されるような先行技術の二段バインダーは、確かにその硬質相分によって満足のいく耐ブロッキング性を示すが、その耐候性は、要求を満たすものではない。

従って、本発明の基礎となる課題は、バインダーならびにコーティング剤、特に粒状化された、および粒状化されていない、アルミニウムまたは鋼板などの金属薄板をコーティングするためのバインダーならびにコーティング剤であって、高められた耐候性を示し、更に優れた耐ブロッキング性と、優れた付着性および弾性の点で優れたバインダーならびにコーティング剤を提供することであった。

驚くべきことに、軟質相と硬質相とを有し、かつ硬質相の軟質相に対する段階比が25〜95質量%対75〜5質量%(ポリマー質量に対する)であり、第一段階としての軟質相のガラス転移温度が、−30〜0℃であり、かつ第二段階としての硬質相のガラス転移温度が、20〜60℃であり、一般式I

[式中、可変部は、以下の意味を有する: nは、0〜2であり、 R1、R2、R3は、互いに独立して、水素またはメチル基であり、 Xは、OもしくはNHであり、 Yは、H、アルカリ金属、NH4である]の少なくとも1種のモノマーを含有する、ラジカル開始型の水性乳化重合によって得られる多段ポリマー分散液が、高められた耐候性と同時に、優れた付着性および弾性を有するコーティングをもたらすことが判明した。

本発明によるバインダー型によって、あらゆる試験条件において可塑剤を追加で使用することなく、それに伴う欠点も有さずに最適に向上された付着が可能である。本発明によるバインダーを使用したコーティングは、より良好な付着性を示し、かつより高い温度で機械的応力印加に対してあまり傷みやすくない。低温でかつ湿った条件下での試験では、付着性について利点が示される。同様に、耐候性および堅牢性が改善されている。

基材としては、アルミニウム、亜鉛、銅もしくは鋼からなる金属薄板ならびに工業的に前処理された「コイル」または平面のもしくは予備成形された金属薄板の形のそれらの結果物または裁断された金属薄板条片が該当する。改善された耐候性は、非常に良好な皮膜形成性(低いMFT)と同時に、比較的高い皮膜硬度に起因し、かつ例えばクリヤコートもしくは顔料が加えられるのが少ないコーティングの場合には紫外線/水による負荷(例えばサンテスト/キセノテストまたは屋外曝露)の後に高められた光沢保持、またはより多く顔料が加えられたコーティングにおいては良好な色調安定性(保色性)が明らかである。良好な耐候性の他に、前記系は、優れた耐ブロッキング性と、優れた付着性および弾性を示す。

金属薄板は、粒状化して、または「粒状化せずに」使用することができる。

本発明によるコーティングは、浸漬、吹き付け、ローラ塗布もしくは刷毛塗りによって、またはいわゆるキャストカーテン(Giessvorhang)もしくは「カーテンコーター」によって塗布できる。

型出しされた金属屋根構成部材の製造のためには、準備した(プライマーを有するおよび有さない)コイルシートが相応の屋根構成部材へと冷間成形される。引き続き、その表面は、本発明によるポリマー分散液を含む、100〜800μmの厚さのペイント層でコーティングされる。更に、そのペイント層には、充填剤(炭酸カルシウム、ケイ酸塩など)、顔料(酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラックなど)および添加剤、例えば湿潤剤、抑泡剤、増粘剤を添加してよい。粒状化された金属薄板の製造のためには、このまだ湿ったペイントコーティングへと直接的に粒状物をちりばめることができる。付着しない材料は気流で吹き払われる。前記粒状物は、通常はケイ酸塩系材料であって、用途に応じて顔料でコーティングされている。

前記粒状物層は、引き続いてすぐに、本発明によるバインダーを含む、第二のペイント層または透明なクリアーコート(150〜180g/m2)で固定される。

前記クリアーコートは、本発明によるポリマー分散液を含有してよいが、または高い紫外線安定性を有する純粋なアクリレートであってもよい。

引き続き、最終乾燥プロセスは高められた温度(空気循環をさせて、空気循環をさせずに、50〜90℃)で行われる。

コーティングと乾燥の後に、それらの薄板は、大抵はなおも温かい状態で互いに重ねられる。

つまり、本発明によるポリマー分散液は、プライマー塗布された金属上の粒状物を結合する第一のペイント層である、いわゆるベースコートで使用できるが、または第二のペイントコーティングにおいても、あるいは紫外線安定なトップコート(クリアーコート)においても使用できる。

好ましくは、本発明により使用される水性多段ポリマー分散液とは、第一段階としての軟質相が−30〜0℃の、好ましくは−20〜0℃のTgを有し、かつ第二段階としての硬質相が20〜60℃の、好ましくは30〜50℃のTgを有し、かつ硬質相の軟質相に対する段階比が25〜95:75〜5である水性ポリマー分散液を表す。

本発明による粒状化された、または粒状化されていない金属薄板とは、アルミニウム、亜鉛、銅または鋼からなる薄板を表す。前記金属薄板は、屋根成形部材へと成形され、上記の方法でコーティングすることができる。

更に、本発明は、本発明によりコーティングされた金属薄板の製造方法に関する。

本発明の更なる対象は、粒状化された、または粒状化されていない金属薄板であって、本発明による水性ポリマー分散液でコーティングされている前記薄板である。

本発明により使用されるポリマー分散液は、エチレン性不飽和化合物(モノマー)のラジカル乳化重合によって得られる。第一段階において、ポリマーは、少なくとも1種のモノマーIならびに場合により、少なくとも1つの酸基を有するモノマーを、第一段階および第二段階のモノマーの全量に対して、0.1質量部の量で、好ましくは0.5〜2.5質量部の量で含むモノマーから製造される。

第一段階で使用される酸モノマーは、酸基を有さないモノマーと共重合されうる。第一段階のポリマーは、好ましくは、少なくとも40質量%の以下に詳細に定義される非イオン性の主モノマーと、エチレン性不飽和酸モノマーから選択される第二のモノマー種から形成される。第一段階のポリマーは、更に、任意に、他のモノマー、好ましくは非イオン性モノマーから形成されていてよい。第一段階のポリマーは、第一段階の全モノマーに対して、好ましくは少なくとも40質量%が、特に60〜99質量%が、または80〜98質量%が、主モノマーから構成されており、前記主モノマーは、C1〜C20−アルキル(メタ)アクリレート、20個までの炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステル、20までの炭素原子を有するビニル芳香族化合物、エチレン性不飽和ニトリル、ビニルハロゲン化物、1〜10個の炭素原子を含むアルコールのビニルエーテル、2〜8個の炭素原子と1つもしくは2つの二重結合を有する脂肪族炭化水素ならびにこれらのモノマーの混合物からなる群から選択される。第一段階のポリマーのための主モノマーは、例えばC1〜C10−アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートである。特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合物も好適である。1〜20個の炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えばビニルラウレート、ビニルステアレート、ビニルプロピオネート、バーサチック酸ビニルエステルおよびビニルアセテートである。ビニル芳香族化合物としては、ビニルトルエン、α−およびパラ−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレンおよび好ましくはスチレンが該当する。ニトリルのための例は、アクリルニトリルおよびメタクリルニトリルである。ビニルハロゲン化物は、塩素、フッ素もしくは臭素で置換されたエチレン性不飽和化合物、好ましくは塩化ビニルおよび塩化ビニリデンである。ビニルエーテルとして挙げられるのは、例えばビニルメチルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルである。好ましくは、1〜4個の炭素原子を含むアルコールのビニルエーテルが使用される。4〜8個の炭素原子と2つのオレフィン性二重結合を有する炭化水素としては、ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレンが挙げられる。第一段階のポリマーのための主モノマーとしては、C1〜C10−アルキルアクリレート、C1〜C10−アルキルメタクリレート、20個までの炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステルならびにこれらのモノマーの混合物、特にC1〜C8−アルキルアクリレートおよびC1〜C8−アルキルメタクリレートならびにビニルエステルが好ましい。2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレートおよびスチレンが殊に好ましい。

第一段階のポリマーは、更に場合により、該第一段階の全モノマーに対して、0.1質量%の、特に0.5〜2.5質量%のエチレン性不飽和酸モノマーを含む。エチレン性不飽和酸モノマーは、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホン酸およびビニルホスホン酸である。エチレン性不飽和カルボン酸としては、好ましくは、3〜6個の炭素原子を分子中に有するα,β−モノエチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸が使用される。そのための例は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ビニル乳酸および2−カルボキシエチルアクリレートである。エチレン性不飽和スルホン酸としては、例えばビニルスルホン酸またはスチレンスルホン酸が適している。アクリル酸およびメタクリル酸またはそれらの混合物が好ましい。

更に、第一段階のモノマーとしては、α,β−不飽和C3〜C6−カルボン酸のアミドおよびヒドロキシアルキルエステル、特に好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたは1,4−ブタンジオールモノアクリレートが使用できる。前記モノマーは、単独で、または、例えば酸およびアミドの組み合わせで使用することもできる。

更に、第一段階のモノマーとしては、一般式Iのモノマーが使用される。前記モノマーとは、例えば − 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS) − メタクリル酸−(3’−スルホプロピル)エステル − アクリル酸−(3’−スルホプロピル)エステル − メタクリル酸−(2’−スルホエチル)エステル を表す。

一般式Iのモノマーのアルカリ金属塩としては、特にナトリウム塩、アンモニウム塩およびカリウム金属塩が適している。

好ましい一実施形態においては、第一段階のポリマーは、 (i)第一段階および第二段階で重合されるべき全モノマーの100質量部に対して5〜50質量%の量で使用され、 (ii)少なくとも80質量%で99質量%までが、C1〜C10−アルキル(メタ)アクリレート、α,β−不飽和C3〜C6−カルボン酸のアミドおよびヒドロキシアルキルエステル、特に好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたは1,4−ブタンジオールモノアクリレートおよびこれらのモノマーの混合物、特にn−ブチルアクリレート、メチルメタクリレートおよびアクリルアミドからなる群から選択される主モノマーから構成されており、かつ (iii)少なくとも0.1質量%で5質量%までが、好ましくは、 − 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS) − メタクリル酸−(3’−スルホプロピル)エステル − アクリル酸−(3’−スルホプロピル)エステル − メタクリル酸−(2’−スルホエチル)エステル の群から選択されるモノマーIから構成されている、コポリマーである。

本発明の好ましい一実施形態においては、第一段階の重合は、シードラテックスの存在下で行われる。シードラテックスは、好ましくは20〜40nmの平均粒径を有する微細なポリマー粒子の水性分散液である。シードラテックスは、第一段階および第二段階の全モノマー量に対して、好ましくは0.05〜5質量%の量で、特に好ましくは0.1〜3質量%の量で使用される。例えばポリスチレンをベースとするラテックスまたはポリメチルメタクリレートをベースとするラテックスが適している。好ましい1つのシードラテックスは、ポリスチレンシードである。

第二段階の重合に使用されるモノマーは、第二段階のモノマーの全量に対して、好ましくは少なくとも60質量%が、好ましくは少なくとも80質量%が、例えば80〜100質量%が、特に好ましくは少なくとも95質量%が、以下に記載される1種以上の主モノマーから構成される。前記主モノマーは、C1〜C20−アルキル(メタ)アクリレート、20個までの炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステル、20個までの炭素原子を有するビニル芳香族化合物、エチレン性不飽和ニトリル、ビニルハロゲン化物、1〜10個の炭素原子を含むアルコールのビニルエーテル、2〜8個の炭素原子と1つもしくは2つの二重結合を有する脂肪族炭化水素またはこれらのモノマーの混合物からなる群から選択される。

挙げられるのは、例えばC1〜C10−アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、エチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートである。特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合物も好適である。1〜20個の炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えばビニルラウレート、ビニルステアレート、ビニルプロピオネート、バーサチック酸ビニルエステルおよびビニルアセテートである。ビニル芳香族化合物としては、ビニルトルエン、α−およびパラ−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレンおよび好ましくはスチレンが該当する。ニトリルのための例は、アクリルニトリルおよびメタクリルニトリルである。ビニルハロゲン化物は、塩素、フッ素もしくは臭素で置換されたエチレン性不飽和化合物、好ましくは塩化ビニルおよび塩化ビニリデンである。ビニルエーテルとして挙げられるのは、例えばビニルメチルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルである。1〜4個の炭素原子を含むアルコールのビニルエーテルが好ましい。4〜8個の炭素原子と2つのオレフィン性二重結合を有する炭化水素としては、ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレンが挙げられる。

第二段階の重合のための主モノマーとして好ましいのは、C1〜C10−アルキルアクリレートおよびC1〜C10−アルキルメタクリレート、特にC1〜C8−アルキルアクリレートおよびC1〜C10−アルキルメタクリレートならびにビニル芳香族化合物、特にスチレンおよびそれらの混合物である。メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、スチレン、ビニルアセテートならびにこれらのモノマーの混合物が殊に好ましい。

主モノマーの他に、第二段階の重合のためのモノマーは、他のモノマー、例えばカルボン酸基、スルホン酸基もしくはホスホン酸基を有するモノマーを含んでよい。カルボン酸基が好ましい。挙げられるのは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸またはフマル酸である。更なるモノマーは、例えばまたヒドロキシル基を含むモノマー、例えばC1〜C10−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートならびに(メタ)アクリルアミドである。他のモノマーとしては、更に、フェニルオキシエチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アミノ(メタ)アクリレート、例えば2−アミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。他のモノマーとしては、また架橋性モノマーが挙げられる。

第二段階のポリマーは、更に場合により、該第二段階の全モノマーに対して、0.1質量%の、特に0.5〜2.5質量%のエチレン性不飽和酸モノマーを含む。エチレン性不飽和酸モノマーは、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホン酸およびビニルホスホン酸である。エチレン性不飽和カルボン酸としては、好ましくは、3〜6個の炭素原子を分子中に有するα,β−モノエチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸が使用される。そのための例は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ビニル乳酸および2−カルボキシエチルアクリレートである。エチレン性不飽和スルホン酸としては、例えばビニルスルホン酸またはスチレンスルホン酸が適している。アクリル酸およびメタクリル酸およびそれらの混合物が好ましい。

更に、第二段階のモノマーとしては、α,β−不飽和C3〜C6−カルボン酸のアミドおよびヒドロキシアルキルエステル、特に好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたは1,4−ブタンジオールモノアクリレートが使用できる。前記モノマーは、単独で、または、例えば酸およびアミドの組み合わせで使用することもできる。

更に、第二段階のモノマーとしては、同様に、一般式Iのモノマーが使用される。前記モノマーとは、例えば − 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS) − メタクリル酸−(3’−スルホプロピル)エステル − アクリル酸−(3’−スルホプロピル)エステル − メタクリル酸−(2’−スルホエチル)エステル を表す。

一般式Iのモノマーのアルカリ金属塩としては、特にナトリウム塩、アンモニウム塩およびカリウム金属塩が適している。

特に、第二段階の重合のためのモノマーは、少なくとも60質量%が、特に好ましくは少なくとも80質量%が、例えば60〜99質量%が、殊に好ましくは少なくとも95質量%が、少なくとも1種のC1〜C20−アルキルアクリレート、少なくとも1種のC1〜C20−アルキルメタクリレート、その混合物またはそれと少なくとも1種の、α,β−不飽和C3〜C6−カルボン酸のアミドおよびヒドロキシアルキルエステル、特に好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートもしくは1,4−ブタンジオールモノアクリレートから選択される他のモノマーとの混合物から選択される。

第一段階の重合のモノマーは、第一段階のモノマーから製造されるポリマーについて計算されるガラス転移温度が−30℃〜0℃であり、かつ第二段階のモノマーから製造されるポリマーについて計算されるガラス転移温度が20℃〜60℃であるように選択される。

モノマーの種類および量の狙い通りの変更によって、当業者には、本発明によれば、ポリマーが所望の範囲のガラス転移温度を有する水性ポリマー組成物を製造することは可能である。手引きはFox式によって可能である。Fox(T.G. Fox, Bull. Am. Phys. Soc. 1956 [Ser. II] 1, 123頁およびウールマンの工業化学事典、第19巻、第18頁、第4版、Chemie出版、Weinheim、1980年)によれば、混合ポリマーのガラス転移温度を計算するためには、良好な近似において 1/Tg=x1/Tg1+x2/Tg2+…xn/Tgn [式中、x1、x2、…xnは、モノマー1、2、…nの質量分率を意味し、かつTg1、Tg2、…Tgnは、それぞれ前記モノマー1、2、…nのうち1つだけから構成されたポリマーのガラス転移温度(ケルビン度)を意味する]に当てはまる。殆どのモノマーのホモポリマーについてのTg値は知られており、かつウールマンの工業化学事典(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry), 第5冊、A21巻、第169頁、VCH Weinheim, 1992に挙げられており、ホモポリマーのガラス転移温度についての更なる起源は、例えばJ. Brandrup, E.H. Immergut, Polymer Handbook, 第1版、J. Wiley, New York 1966, 第2版、J.Wiley, New York 1975、および第3版、J. Wiley, New York 1989である。エチルアクリレートについては、−13℃の値が使用される。

実際のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(ASTM D 3418-08、いわゆる「中点温度」)によって測定できる。

第一段階で使用されるモノマーの量の、第二段階で使用されるモノマーの量に対する質量比は、25〜95:75〜5、好ましくは5:95〜50:50である。

本発明によるポリマー分散液の製造に際しては、上述のモノマーに加えて、少なくとも1種の架橋剤を使用できる。架橋機能を有するモノマーは、少なくとも2つの重合可能なエチレン性不飽和の非共役二重結合を分子中に有する化合物である。架橋は、また例えば、官能基であって、それに相補的な官能基と化学的な架橋反応をしうる官能基によって行うこともできる。その際、それらの相補的な基が2つエマルジョンポリマーに結合されていてよいが、架橋のために、エマルジョンポリマーの官能基と化学的な架橋反応をすることができる架橋剤を使用することもできる。

好適な架橋剤は、例えば少なくとも二価のアルコールのアクリルエステル、メタクリルエステル、アリルエーテルもしくはビニルエーテルである。基礎を成すアルコールのOH基は、その際、完全にもしくは部分的にエーテル化もしくはエステル化されていてよいが、該架橋剤は、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含む。

基礎を成すアルコールのための例は、二価のアルコール、例えば1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ブテ−2−エン−1,4−ジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、2,5−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリン酸−ネオペンチルグリコールモノエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、3−チアペンタン−1,5−ジオールならびにそれぞれ200〜10000の分子量を有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラヒドロフランである。エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドのホモポリマーの他に、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドからなるブロックコポリマーまたはエチレンオキシド基およびプロピレンオキシド基を組み込んで含むコポリマーを使用することもできる。2つより多くのOH基を有する基礎を成すアルコールのための例は、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリトール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、シアヌル酸、ソルビタン、糖類、サッカロース、グルコース、マンノースである。もちろん、多価アルコールは、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとの反応の後に、相応のエトキシレートもしくはプロポキシレートとして使用できる。多価アルコールは、また、まずはエピクロロヒドリンとの反応によって相応のグリシジルエーテルに変換することもできる。

更なる好適な架橋剤は、一価の不飽和のアルコールと、エチレン性不飽和C3〜C6−カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸もしくはフマル酸とのビニルエステルまたはエステルである。かかるアルコールのための例は、アリルアルコール、1−ブテン−3−オール、5−ヘキセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、9−デセン−1−オール、ジシクロペンテニルアルコール、10−ウンデセン−1−オール、ケイ皮アルコール、シトロネロール、クロチルアルコールまたはシス−9−オクタデセン−1−オールである。しかしながらまた、一価の不飽和アルコールを、多価カルボン酸、例えばマロン酸、酒石酸、トリメリト酸、フタル酸、テレフタル酸、クエン酸もしくはコハク酸でエステル化してもよい。好ましい架橋剤は、アリルメタクリレートである。

更なる好適な架橋剤は、不飽和カルボン酸の、例えばオレイン酸、クロトン酸、ケイ皮酸もしくは10−ウンデセン酸の、前記の多価アルコールとのエステルである。

架橋剤として好適なのは、更に、直鎖状もしくは分枝鎖状の、線状もしくは環状の、脂肪族もしくは芳香族の炭化水素であって、少なくとも2つの二重結合を有し、該二重結合は、脂肪族炭化水素の場合には共役であってはならない前記炭化水素、例えばジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、トリビニルシクロヘキサンまたは200〜20000の分子量を有するポリブタジエンである。

架橋剤としては、更に、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミドおよび少なくとも二価のアミンのN−アリルアミンが適している。かかるアミンは、例えば1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,12−ドデカンジアミン、ピペラジン、ジエチレントリアミンまたはイソホロンジアミンである。同様に好適なのは、アリルアミンと不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸または上記のような少なくとも二価のカルボン酸とからのアミドである。

更に、トリアリルアミンおよびトリアリルモノアルキルアンモニウム塩、例えばトリアリルメチルアンモニウムクロリドまたはトリアリルメチルアンモニウムメチル硫酸塩が架橋剤として適している。

また、尿素誘導体、少なくとも二価のアミド、シアヌレートまたはウレタンの、例えば尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素または酒石酸ジアミドのN−ビニル化合物、例えばN,N’−ジビニルエチレン尿素またはN,N’−ジビニルプロピレン尿素が好適である。

更なる好適な架橋剤は、ジビニルジオキサン、テトラアリルシランまたはテトラビニルシランである。もちろん、上述の化合物の混合物も使用できる。好ましくは、水溶性架橋剤が使用される。

更に、架橋性モノマーには、エチレン性不飽和二重結合の他に、反応性官能基、例えば添加される架橋剤と反応しうるアルデヒド基、ケト基またはオキシラン基を有するモノマーが該当する。好ましくは、該官能基は、ケト基またはアルデヒド基である。ケト基またはアルデヒド基は、好ましくは、ケト基またはアルデヒド基を有する共重合可能なエチレン性不飽和化合物を前記ポリマーに共重合させることによって結合される。好適なかかる化合物は、アクロレイン、メタクロレイン、1〜20個の、好ましくは1〜10個の炭素原子をアルキル基中に有するビニルアルキルケトン、ホルミルスチレン、1もしくは2個のケト基もしくはアルデヒド基あるいは1個のアルデヒド基およびケト基をアルキル基中に有し、該アルキル基が、好ましくは全体で3〜10個の炭素原子を含む(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えばDE-A-2722097に記載されるような(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナールである。更に、例えばUS-A-4226007、DE-A-2061213またはDE-A-2207209から公知のN−オキソアルキル(メタ)アクリルアミドも適している。特に、アセトアセチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートおよび特にジアセトンアクリルアミドが好ましい。前記架橋剤は、好ましくは、少なくとも2個の官能基、特に2〜5個の官能基を有し、該官能基がポリマーの官能基、特にケト基またはアルデヒド基と架橋反応しうるものである化合物である。それには、例えばヒドラジド基、ヒドロキシルアミン基またはオキシムエーテル基またはアミノ基が、ケト基もしくはアルデヒド基の架橋のための官能基として挙げられる。ヒドラジド基を有する好適な化合物は、例えば分子量500g/モルまでを有するポリカルボン酸ヒドラジドである。特に好ましいヒドラジド化合物は、好ましくは2〜10個の炭素原子を有するジカルボン酸ジヒドラジドである。それには、例えばシュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドおよび/またはイソフタル酸ジヒドラジドが挙げられる。特に関心が持たれるのは、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドおよびイソフタル酸ジヒドラジドである。ヒドロキシルアミン基またはオキシムエーテル基を有する好適な化合物は、例えばWO 93/25588に挙げられている。

第一段階の重合にも、第二段階の重合にも、またその後にも使用できる更なる好適な架橋剤は、例えばアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)エチレン尿素、N−(2−アクリロイルオキシエチル)エチレン尿素、2−アセトアセトキシエチルアクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタクリレートまたはジアセトンアクリルアミドである。

架橋性成分は、重合のために使用されるモノマー(架橋剤を含む)の全質量に対して、好ましくは0.0005〜5質量%、好ましくは0.001〜2.5質量%、特に0.01〜1.5質量%の量で使用される。前記架橋剤は、第一段階だけでも、第二段階だけでも、または両方の段階でも使用できる。

モノマー混合物M)のラジカル重合は、少なくとも1種の調節剤の存在下に行うことができる。調節剤は、重合のために使用されるモノマーの全質量に対して、好ましくは、0.0005〜5質量%の、特に好ましくは0.001〜2.5質量%の、特に0.01〜1.5質量%の使用量で使用される。

調節剤(重合調節剤)とは、一般に、高い移動速度定数を有する化合物を呼ぶ。調節剤は連鎖移動反応を促進し、それにより、総反応速度に影響を及ぼすことなく、得られるポリマーの重合度の低下をもたらす。該調節剤では、1つ以上の連鎖移動反応をもたらしうる分子中の官能基の数に応じて、一官能性調節剤、二官能性調節剤または多官能性調節剤の間で区別できる。好適な調節剤は、例えば、K. C. BergerおよびG. Brandrupによって、J. Brandrup, E. H. Immergut, Polymer Handbook, 第3版, John Wiley & Sons, New York, 1989, II/81 - II/141頁に詳細に記載されている。

調節剤としては、例えばアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒドが適している。

更にまた、調節剤として、ギ酸、その塩またはエステル、例えばギ酸アンモニウム、2,5−ジフェニル−1−ヘキセン、ヒドロキシルアンモニウム硫酸塩およびヒドロキシルアンモニウムリン酸塩を使用することもできる。

更なる好適な調節剤は、ハロゲン化合物、例えばアルキルハロゲン化物、例えばテトラクロロメタン、クロロホルム、ブロモトリクロロメタン、ブロモホルム、アリルブロミドおよびベンジル化合物、例えば塩化ベンジルまたは臭化ベンジルである。

更なる好適な調節剤は、アリル化合物、例えばアリルアルコール、官能化されたアリルエーテル、例えばアリルエトキシレート、アルキルアリルエーテルまたはグリセリンモノアリルエーテルである。

好ましくは、調節剤として、硫黄を結合された形で含む化合物が使用される。

この種の化合物は、例えば無機の亜硫酸水素塩、二亜硫酸塩および亜ジチオン酸塩または有機硫化物、二硫化物、多硫化物、スルホキシドおよびスルホンである。それには、ジ−n−ブチルスルフィド、ジ−n−オクチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、チオジグリコール、エチルチオエタノール、ジイソプロピルジスルフィド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−n−ヘキシルジスルフィド、ジアセチルジスルフィド、ジエタノールスルフィド、ジ−t−ブチルトリスルフィド、ジメチルスルホキシド、ジアルキルスルフィド、ジアルキルジスルフィドおよび/またはジアリールスルフィドが挙げられる。

重合調節剤として好適なのは、更に、チオール(硫黄をSH基の形で含む化合物、メルカプタンとも呼ばれる)である。調節剤としては、一官能性の、二官能性の、および多官能性のメルカプタン、メルカプトアルコール、および/またはメルカプトカルボン酸が好ましい。これらの化合物のための例は、アリルチオグリコレート、エチルチオグリコレート、システイン、2−メルカプトエタノール、1,3−メルカプトプロパノール、3−メルカプトプロパン−1,2−ジオール、1,4−メルカプトブタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオグリセリン、チオ酢酸、チオ尿素およびアルキルメルカプタン、例えばn−ブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンまたはt−あるいはn−ドデシルメルカプタンである。

2つの硫黄を結合された形で含む二官能性の調節剤のための例は、二官能性のチオール、例えばジメルカプトプロパンスルホン酸(ナトリウム塩)、ジメルカプトコハク酸、ジメルカプト−1−プロパノール、ジメルカプトエタン、ジメルカプトプロパン、ジメルカプトブタン、ジメルカプトペンタン、ジメルカプトヘキサン、エチレングリコール−ビス−チオグリコレートおよびブタンジオールビスチオグリコレートである。多官能性の調節剤のための例は、2つより多くの硫黄原子を結合された形で含む化合物である。そのための例は、三官能性の、および/または四官能性のメルカプタンである。

挙げられる全ての調節剤は、個別に、または互いに組み合わせて使用することができる。特定の一実施形態は、調節剤を添加することなくラジカル乳化重合によって製造されるポリマー分散液に関する。

ポリマーの製造のためには、前記モノマーは、ラジカルを形成する開始剤を用いて重合させることができる。

ラジカル重合のための開始剤としては、このために慣用のペルオキソ化合物および/またはアゾ化合物が、例えばアルカリ金属もしくはアンモニウムペルオキソ二硫酸塩、ジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、スクシニルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルピバレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルマレイネート、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルバメート、ビス(o−トルオイル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルイソブチレート、t−ブチルペルアセテート、ジ−t−アミルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2,2’−アゾ−ビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドまたは2,2’−アゾ−ビス(2−メチル−ブチロニトリル)が使用される。これらの開始剤の混合物も好適である。

開始剤としては、還元/酸化(=レドックス)開始剤系も使用できる。前記レドックス開始剤系は、少なくとも1種の大抵は無機の還元剤と、無機もしくは有機の酸化剤とからなる。酸化成分は、例えば既に上述した乳化重合用の開始剤である。還元成分は、例えば亜硫酸のアルカリ金属塩、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸のアルカリ金属塩、例えば二亜硫酸ナトリウム、脂肪族アルデヒドおよびケトンの二亜硫酸付加化合物、例えば二亜硫酸アセトンまたはヒドロキシメタンスルフィン酸もしくはその塩またはアスコルビン酸などの還元剤である。レドックス開始剤系は、可溶性の金属化合物であって、その金属成分が複数の価数段階で存在しうる化合物を併用して使用できる。通常のレドックス開始剤系は、例えばアスコルビン酸/硫酸鉄(II)/ペルオキソ二硫酸ナトリウム、t−ブチルヒドロペルオキシド/二亜硫酸ナトリウム、t−ブチルヒドロペルオキシド/Naヒドロキシメタンスルフィン酸である。個々の成分、例えば還元成分は、混合物であってもよい、例えばヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩と二亜硫酸ナトリウムとの混合物であってもよい。

開始剤の量は、一般に、重合されるべき全てのモノマーに対して、一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。また、複数の種々の開始剤も、乳化重合で使用することもできる。

ポリマー分散液の製造は、通常は、少なくとも1種の界面活性化合物の存在下で行われる。好適な保護コロイドの詳細な説明は、Houben-Weyl、有機化学の手法(Methoden der organischen Chemie)、XIV/1巻、巨大分子物質(Makromolekulare Stoffe)、Georg Thieme出版、Stuttgart, 1961、411頁〜420頁に見られる。好適な乳化剤は、Houben-Weyl、有機化学の手法(Methoden der organischen Chemie)、14/1巻、巨大分子物質(Makromolekulare Stoffe)、Georg Thieme出版、Stuttgart, 1961、192〜208頁にも見られる。

乳化剤としては、アニオン性乳化剤も、カチオン性乳化剤も、非イオン性乳化剤もいずれも好適である。好ましくは、界面活性物質としては、その相対分子量が、通常保護コロイドのそれを下回る乳化剤が使用される。

有用な非イオン性乳化剤は、芳香脂肪族もしくは脂肪族の非イオン性乳化剤、例えばエトキシル化されたモノアルキルフェノール、ジアルキルフェノールおよびトリアルキルフェノール(EO度:3〜50、アルキル基:C4〜C10)、長鎖アルコールのエトキシレート(EO度:3〜100、アルキル基:C8〜C36)ならびにポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド−ホモポリマーおよびコポリマーである。これらは、前記アルキレンオキシド単位を、ランダム分布で、またはブロック形で重合導入して含みうる。例えばEO/POブロックコポリマーが非常に好適である。好ましくは、長鎖アルカノールのエトキシレート(アルキル基C1〜C30、平均エトキシル化度5〜100)が使用され、なかでも特に好ましくは、直鎖状C12〜C20−アルキル基を有し、10〜50の平均エトキシル化度を有するエトキシレートならびにエトキシル化されたモノアルキルフェノールが使用される。

好適なアニオン性乳化剤は、例えばアルキルスルフェート(アルキル基:C8〜C22)の、エトキシル化されたアルカノールの硫酸半エステル(EO度:2〜50、アルキル基:C12〜C18)の、およびエトキシル化されたアルキルフェノールの硫酸半エステル(EO度:3〜50、アルキル基:C4〜C9)の、アルキルスルホン酸(アルキル基:C12〜C18)の、ならびにアルキルアリールスルホン酸(アルキル基:C9〜C18)のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。更なる好適な乳化剤は、Houben-Weyl、有機化学の手法(Methoden der organischen Chemie)、XIV/1巻、巨大分子物質(Makromolekulare Stoffe)、Georg-Thieme出版、Stuttgart, 1961、192〜208頁に見られる。アニオン性乳化剤としては、同様に、ビス(フェニルスルホン酸)エーテルまたはそれらのアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩であって、1つのまたは2つの芳香環に1つのC4〜C24−アルキル基を有するものが適している。これらの化合物は、一般に公知であり、例えばUS-A-4,269,749から公知であり、かつ市販されており、例えばDowfax(登録商標)2A1(Dow Chemical Company)として市販されている。

好適なカチオン性乳化剤は、好ましくは第四級アンモニウムハロゲン化物、例えばトリメチルセチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドまたはN−C6〜C20−アルキルピリジン、N−C6〜C20−アルキルモルホリンもしくはN−C6〜C20−アルキルイミダゾールの第四級化合物、例えばN−ラウリルピリジニウムクロリドである。

乳化剤の量は、一般に、重合されるべきモノマーに対して、一般に約0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。

好ましくは、第一のポリマーの酸基の中和は、第二段階の重合の間に少なくとも部分的な中和剤の供給によって行われ、その際、中和剤の供給は、好ましくはモノマー供給と並行して行われる。中和剤は、その際、重合されるべきモノマーと一緒の供給において、または別個の供給において添加することができる。全モノマーの供給の後に、好ましくは、少なくとも10%の、好ましくは30〜100%の、もしくは30〜90%の酸当量の中和に必要な量の中和剤が重合容器中に収容されている。

乳化重合は、一般に、30〜130℃で、好ましくは50〜95℃で行われる。重合媒体は、水のみからなっていても、水とそれと混和性の液体、例えばメタノールとの混合物からなっていてもよい。好ましくは水のみが使用される。第一段階の乳化重合は、回分法としても、段階式もしくは勾配式を含む供給法の形でも実施できる。重合に際して、より良好な粒度の調整のために好ましい1種のポリマーシードが初充填される。

前記開始剤をラジカル水性乳化重合の過程で重合容器に添加する仕方および様式は、標準的な専門家に公知である。前記開始剤は、重合容器中に完全に初充填してもよいし、その消費に応じて、ラジカル水性乳化重合の過程で連続的にまたは段階的に投入することができる。詳細には、それは、開始剤系の化学的性質にも、重合温度にも依存する。好ましくは、一部を初充填し、残りは重合帯域の消費に応じて供給される。残留モノマーを除去するために、通常は、本来の乳化重合の完了後にも、すなわち少なくとも95%のモノマーが反応した後に、開始剤が添加される。個々の成分は、供給法において、反応器へと上方から、側方で、または下方から、反応器底部を通じて添加することができる。

乳化重合に際しては、ポリマーの水性分散液は、一般に、15〜75質量%の、好ましくは40〜75質量%の、特に好ましくは50質量%以上の固体含量で得られる。反応器の高い空時収量のためには、できる限り高い固体含量を有する分散液が好ましい。60質量%を上回る固体含量を達成しうるためには、二峰性以上の粒度に調整されることが望ましい。それというのも、そうでなければ粘度が高すぎるものになり、分散液はもはや取り扱うことができないからである。新たな粒子型の生成は、例えばシード(EP 81083)の添加によって、過剰の乳化剤量の添加によって、またはミニエマルジョンの添加によって実施できる。高い固体含量で低い粘度を伴うという更なる利点は、高い固体含量における改善されたコーティング挙動である。1つ以上の新たな粒子型の生成は、任意の時点で実施できる。その時点は、低い粘度のための目標となる粒度分布に従う。

しばしば、重合段階の完了後に得られる水性ポリマー分散液を後処理にかけて残留モノマー含量を減らすことが好ましい。その際、後処理は、化学的に、例えばより効果的なラジカル開始剤系を使用することにより重合反応を完全なものにすることによって(いわゆる後重合)および/または物理的に、例えば水性ポリマー分散液を水蒸気または不活性ガスでストリッピングすることによって行われる。相応の化学的なおよび/または物理的な方法は、当業者によく知られている[例えばEP-A 771 328、DE-A 196 24 299、DE-A 196 21 027、DE-A 197 41 184、DE-A 197 41 187、DE-A 198 05 122、DE-A 198 28 183、DE-A 198 39 199、DE-A 198 40 586および198 47 115を参照]。その際、化学的および物理的な後処理の組み合わせは、未反応のエチレン性不飽和モノマーに加えて、他の妨害となる易揮発性の有機成分(いわゆるVOCs[揮発性有機化合物])も水性ポリマー分散液から除去されるという利点をもたらす。

本発明の一実施形態においては、2つの段階において、シランモノマーが、例えばビニルトリアルコキシシラン、例えばビニルトリメトキシシラン、アルキルビニルジアルコキシシラン、例えばメチルビニルジアルコキシシランまたは(メタ)アクリルオキシアルキルトリアルコキシシラン、例えば(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシランなどのシランモノマーが使用される。これらのシランモノマーは、モノマーの全質量に対して、2質量%までの量で、好ましくは0.05〜1質量%の量で使用できる。

本発明による方法により得られる水性ポリマー分散液は、質量平均粒径Dwを50nm以上で500nm以下の範囲で、好ましくは70nm以上で300nm以下の範囲で、特に好ましくは80nm以上で200nm以下の範囲で有するポリマー粒子を有する。質量平均粒径の測定は、当業者に公知であり、例えば超遠心分析法により行われる。質量平均粒径とは、本願においては、超遠心分析法により測定された質量平均Dw50値を表す(これについては、S.E. Harding et al., Analytical Ultracentrifugation in Biochemistry and Polymer Science, Royal Society of Chemistry, Cambridge, Great Britain 1992, Chapter 10, Analysis of Polymer Dispersions with an Eight-Cell-AUC-Multiplexer: High Resolution Particle Size Distribution and Density Gradient Techniques, W. Maechtle、第147〜175頁を参照)。

更に、本発明による水性ポリマー分散液から、容易に(例えば凍結乾燥または噴霧乾燥)相応のポリマー粉末を得ることができる。これらの本発明により得られるポリマー粉末は、同様に、金属薄板のためのコーティング剤の製造における成分として使用できる。

該水性ポリマー分散液は、通常は、20〜70質量%の、好ましくは40〜65質量%の固体含量を有する。

本発明による分散液は、それ自体でも、添加剤を施しても、屋根葺きのために、および壁装材として用いられる金属薄板のコーティングのために使用される。かかる添加剤は、電磁線の作用下での架橋の目的のための光開始剤としての、芳香族ケトン、例えばDE-A 38 27 975によるベンゾフェノンであってよく、または前記ポリマーがカルボニル基を有するモノマーを重合導入して含む場合にDE-A 39 01 073による水溶性ジヒドラジドであってよい。

更に、本発明によれば、使用される水性調製物は、また、架橋性添加剤を含有してよい。かかる添加剤は、芳香族ケトン、例えば場合によりフェニル環に1つ以上の置換基を有するアルキルフェニルケトン、または光開始剤としてのベンゾフェノンおよび置換ベンゾフェノンであってよい。この目的に適した光開始剤は、例えばDE-A 38 27 975およびEP-A 417 568から公知である。好適な架橋作用を有する化合物は、前記コポリマーがカルボニル基を含むモノマーを重合導入して含む場合には、少なくとも2つのアミノ基を有する水溶性化合物であり、DE-A 39 01 073による脂肪族ジカルボン酸のジヒドラジドである。

本発明の一実施形態においては、前記水性調製物は、顔料含有のおよび/または充填剤含有の調製物の形で使用される。この場合には、前記水性調製物中のコポリマーの全含量は、10〜60質量%の範囲、好ましくは20〜50質量%の範囲であり、助剤の含量は、0.1〜30質量%の、好ましくは0.5〜10質量%の範囲であり、かつ充填剤および/または顔料の含量は、0.1〜60質量%の、特に0.2〜50質量%の範囲である。顔料および/または充填剤の量は、一般に、前記水性調製物中のコポリマー100質量部に対して、0.5〜150質量部である。更に、顔料含有の調製物は、皮膜形成助剤および抑泡剤の他に、好ましくは分散剤もしくは湿潤剤も含有する。

特に、しばしば、前記ポリマーの水性分散液は、顔料が加えられた形で、屋根葺きのために、および壁装材として使用される金属薄板のコーティングのために使用される。

典型的な白色顔料は、例えば二酸化チタン、好ましくはルチル型の二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛またはリトポン(硫化亜鉛+硫酸バリウム)である。装飾目的のためには、前記調製物は、有色顔料、例えば黄色の、赤色の、褐色の、および黒色の酸化鉄、カーボンブラック、黒鉛、亜鉛黄、亜鉛緑、ウルトラマリン、マンガンブラック、アンチモンブラック、マンガンバイオレット、パリスブルーまたはエメラルドグリーンを含有してもよい。

更に、顔料として(しばしば充填剤とも呼ばれる)、例えば硫酸バリウム、タルク、カオリン、長石、霞石閃長岩、雲母、炭酸カルシウム、ドロマイト、石英粉およびそれらの混合物が該当する。

本発明により使用されるクリアーコートおよび顔料が加えられたペイントは、更なる慣用の助剤、例えば湿潤剤、缶内保存剤および皮膜保全剤(Topf- und Filmkonservierungsmittel)、増粘剤、抑泡剤、殺真菌剤、殺藻類剤、レベリング促進剤および凍結防止剤を、自体慣用の量で含有してよい。

一般に、使用される分散剤の量は、ラジカル重合されるモノマーの量に対して、0.5〜6質量%、好ましくは1〜3質量%である。

通常は、保全のために塗工される水性ポリマー調製物の塗布量は、50〜400g/m2(湿式で計算)である。塗布は、自体公知のように吹き付け、へら塗り、ドクターブレード塗布、ローラ塗布またはキャストによって行うことができる。本質的に、本発明による方法は、防食コーティングで事前に下塗りされた粒状化された、または粒状化されていない金属薄板の一層コーティングならびに二層コーティング(ウェット−ウェット)で使用できる。

実施例 1)比較分散液 Tg(理論値)=44℃ 計量供給装置と温度調節装置を備えた重合容器に以下のものを初充填した: 初充填物: 402.1gの、水 13.26gの、C16〜C18−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 8.71gの、ドデシルジフェニルエーテル二スルホン酸ナトリウム塩の45%水溶液。

1つの供給容器において、以下の成分からエマルジョンを製造した: 560.2gの、水 19.89gの、C16〜C18−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 34.85gの、ドデシルジフェニルエーテル二スルホン酸ナトリウム塩の45%水溶液 5.23gの、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の50%水溶液 13.07gの、アクリルアミドの50%水溶液 392.0gの、n−ブチルアクリレート 908.2gの、メチルメタクリレート。

第3の供給容器において以下の供給物を準備した: 供給物3 56.00gの、ペルオキソ二硫酸ナトリウムの7%水溶液。

前記初充填物を、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の50%水溶液を含めずに95℃(外部温度;重合温度90℃、撹拌速度150回転)に加熱した。2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の50%水溶液を添加し、15分間撹拌した。次いで、供給1と供給2を開始した。供給物1は3時間で計量供給し、供給物2は3.5時間で計量供給した。撹拌速度を100rpmに落とし、30分間にわたり後撹拌した。

30分以内で、11.7gの、t−ブチルヒドロペルオキシドの10%水溶液と、9.1gの、ヒドロキシメタンスルフィン酸の10%水溶液を計量供給した。2.61の、5%の過酸化水素水溶液を添加し、10分間にわたり撹拌した。冷却した後に、1.57gの、25%水性NH3で中和し、161.77の水を添加した。2620gの、51.6%の水性分散液が得られた。

2)比較分散液(二段階)(本発明によるモノマーIを含まない): 計量供給装置と温度調節装置を備えた重合容器に以下のものを初充填した: 初充填物: 389.7gの、水 51.07gの、ポリスチレンシードラテックス(水中33%)。

第1の供給容器において、以下の成分からエマルジョンを製造した: 供給物1 323.9gの、水 9.7gの、C16〜C18−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 23.15gの、ナトリウムラウリル−ポリエトキシスルフェートの28%水溶液 9.07gの、アクリル酸の50%水溶液 462.3gの、n−ブチルアクリレート 178.8gの、メチルメタクリレート。

第2の供給容器において、以下の成分からエマルジョンを製造した: 供給物2 320.7gの、水 9.7gの、C16〜C18−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 23.15gの、ナトリウムラウリル−ポリエトキシスルフェートの28%水溶液 10.37gの、アクリルアミドの50%水溶液 9.07gの、アクリル酸の50%水溶液 210.0gの、n−ブチルアクリレート 431.0gの、メチルメタクリレート。

第3の供給容器において以下の供給物を準備した: 供給物3 55.6gの、ペルオキソ二硫酸ナトリウムの7%水溶液。

前記初充填物を、(外部温度:90℃、重合温度:83℃、撹拌速度:150rpm)に加熱した。供給1と供給3を同時に開始した。供給物1は1.5時間で計量供給し、引き続き供給物2は1.5時間で計量供給した。供給物3は3時間で計量供給した。引き続き、30分間にわたり撹拌し、次いで1時間以内で、11.7gの、t−ブチルヒドロペルオキシドの10%水溶液と、9.1gの、ヒドロキシメタンスルフィン酸の10%水溶液を計量供給した。引き続き、55.09gの、2%水性NaOHで中和し、10分間にわたり撹拌し、撹拌速度を100rpmに下げ、冷却した。次いで、2.6gの、5%過酸化水素水溶液と78.78gの水を添加した。2674gの49.9%の分散液が得られた。

3)例示分散液(二段階)、モノマーIを有する本発明によるもの 計量供給装置と温度調節装置を備えた重合容器に以下のものを初充填した: 初充填物: 389.7gの、水 51.07gの、ポリスチレンシードラテックス(水中33%)。

第1の供給容器において、以下の成分からエマルジョンを製造した: 供給物1 323.9gの、水 9.7gの、C16〜C18−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 23.15gの、ナトリウムラウリル−ポリエトキシスルフェートの28%水溶液 9.07gの、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の50%水溶液 462.3gの、n−ブチルアクリレート 178.8gの、メチルメタクリレート。

第2の供給容器において、以下の成分からエマルジョンを製造した: 供給物2 320.7gの、水 9.7gの、C16〜C18−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 23.15gの、ナトリウムラウリル−ポリエトキシスルフェートの28%水溶液 10.37gの、アクリルアミドの50%水溶液 9.07gの、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の50%水溶液 210.0gの、n−ブチルアクリレート 431.0gの、メチルメタクリレート。

第3の供給容器において以下の供給物を準備した: 供給物3 55.6gの、ペルオキソ二硫酸ナトリウムの7%水溶液。

前記初充填物を、(外部温度:90℃、重合温度:83℃、撹拌速度:150rpm)に加熱した。供給1と供給3を同時に開始した。供給物1は1.5時間で計量供給し、引き続き供給物2は1.5時間で計量供給した。供給物3は3時間で計量供給した。引き続き、30分間にわたり撹拌し、次いで1時間以内で、11.7gの、t−ブチルヒドロペルオキシドの10%水溶液と、9.1gの、ヒドロキシメタンスルフィン酸の10%水溶液を計量供給した。引き続き、55.09gの、2%水性NaOHで中和し、10分間にわたり撹拌し、撹拌速度を100rpmに下げ、冷却した。次いで、2.6gの、5%過酸化水素水溶液と78.78gの水を添加した。2674gの49.9%の分散液が得られた。

4)例示分散液(二段階)、モノマーIを有する本発明によるもの、より多くの硬質相 計量供給装置と温度調節装置を備えた重合容器に以下のものを初充填した: 初充填物: 389.7gの、水 51.07gの、ポリスチレンシードラテックス(水中33%)。

第1の供給容器において、以下の成分からエマルジョンを製造した: 供給物1 129.6gの、水 3.89gの、C16〜C18−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 9.26gの、ナトリウムラウリル−ポリエトキシスルフェートの28%水溶液 3.63gの、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の50%水溶液 184.9gの、n−ブチルアクリレート 71.50gの、メチルメタクリレート。

第2の供給容器において、以下の成分からエマルジョンを製造した: 供給物2 515.0gの、水 15.56gの、C16〜C18−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 37.04gの、ナトリウムラウリル−ポリエトキシスルフェートの28%水溶液 10.37gの、アクリルアミドの50%水溶液 14.52gの、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の50%水溶液 336.0gの、n−ブチルアクリレート 689.6gの、メチルメタクリレート。

第3の供給容器において以下の供給物を準備した: 供給物3 55.6gの、ペルオキソ二硫酸ナトリウムの7%水溶液。

前記初充填物を、(外部温度:90℃、重合温度:83℃、撹拌速度:150rpm)に加熱した。供給1と供給3を同時に開始した。供給物1は36分で計量供給し、引き続き供給物2は2時間24分で計量供給した。供給物3は3時間で計量供給した。引き続き、30分間にわたり撹拌し、次いで1時間以内で、11.7gの、t−ブチルヒドロペルオキシドの10%水溶液と、9.1gの、ヒドロキシメタンスルフィン酸の10%水溶液を計量供給した。引き続き、55.09gの、2%水性NaOHで中和し、10分間にわたり撹拌し、撹拌速度を100rpmに下げ、冷却した。次いで、2.6gの、5%過酸化水素水溶液と78.78gの水を添加した。2674gの49.7%の分散液が得られた。

5)例示分散液(二段階)、モノマーIを有する本発明によるもの、調節剤と架橋剤を用いる 計量供給装置と温度調節装置を備えた重合容器に以下のものを初充填した: 初充填物: 389.7gの、水 51.07gの、ポリスチレンシードラテックス(水中33%)。

第1の供給容器において、以下の成分からエマルジョンを製造した: 供給物1 327.2gの、水 9.7gの、C16〜C18−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 23.15gの、ナトリウムラウリル−ポリエトキシスルフェートの28%水溶液 5.19gの、アクリルアミドの50%水溶液 9.07gの、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の50%水溶液 3.24gの、3−メタクリルオキシプロピル−トリメトキシシラン 465.4gの、n−ブチルアクリレート 175.7gの、メチルメタクリレート。

第2の供給容器において、以下の成分からエマルジョンを製造した: 供給物2 331.7gの、水 9.7gの、C16〜C18−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 23.15gの、ナトリウムラウリル−ポリエトキシスルフェートの28%水溶液 5.19gの、アクリルアミドの50%水溶液 9.07gの、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の50%水溶液 7.78gの、t−ドデシルメルカプタン 1.30gの、アリルメタクリレート 3.24gの、3−メタクリルオキシプロピル−トリメトキシシラン 207.5gの、n−ブチルアクリレート 432.2gの、メチルメタクリレート。

第3の供給容器において以下の供給物を準備した: 供給物3 55.6gの、ペルオキソ二硫酸ナトリウムの7%水溶液。

前記初充填物を、(外部温度:90℃、重合温度:83℃、撹拌速度:150rpm)に加熱した。供給1と供給3を同時に開始した。供給物1は1.5時間で計量供給し、引き続き供給物2は1.5時間で計量供給した。供給物3は3時間で計量供給した。引き続き、30分間にわたり撹拌し、次いで1時間以内で、11.7gの、t−ブチルヒドロペルオキシドの10%水溶液と、9.1gの、ヒドロキシメタンスルフィン酸の10%水溶液を計量供給した。引き続き、55.09gの、2%水性NaOHで中和し、10分間にわたり撹拌し、撹拌速度を100rpmに下げ、冷却した。次いで、2.6gの、5%過酸化水素水溶液と69.18gの水を添加した。2703gの49.9%の分散液が得られた。

6)標準、比較分散液、一段階 Tg(理論値)=28℃ 計量供給装置と温度調節装置を備えた重合容器に以下のものを初充填した: 初充填物: 200gの、水 35gの、ポリスチレンシードラテックス(水中33%) 3.4gの、ペルオキソ二硫酸ナトリウムの7%水溶液。

1つの供給容器において、以下の成分からエマルジョンを製造した: 供給物1 269.4gの、水 43.3gの、ラウリル硫酸ナトリウムの15%水溶液 26gの、C12〜C14−脂肪アルコールポリエトキシレートの20%水溶液 19.5gの、アクリル酸 19.5gの、アクリルアミドの50%水溶液 319.3.0gの、n−ブチルアクリレート 294.7gの、スチレン。

第2の供給容器において以下の供給物を準備した: 供給物2 46.00gの、ペルオキソ二硫酸ナトリウムの7%水溶液。

前記初充填物を、95℃(外部温度;重合温度:90℃、撹拌速度:150rpm)に加熱した。5分後に、供給1と供給2を開始し、両者とも2.5時間で計量供給し、30分間にわたり後撹拌した。54gの10%苛性ソーダ液で前記バッチを中和した。

応用技術的試験: 該試験は、第一のペイントコーティングのみを有する薄板と、完全な構成(ペイント層、粒状物および最終コーティング)を有する薄板とで行う。前記コーティングを塗布した後に、エポキシプライマーでコーティングされた鋼板を少なくとも24時間にわたり室温(RT)で硬化させる。引き続き、付着性を室温でかつ24時間の水中貯蔵後に試験する。短時間の乾燥後に、それらのサンプルを−20℃で24時間にわたり凍結させる。次いで、直ちにハンマー衝撃試験と180°での曲げ試験とを行う。

付着性を1〜5のスケールで評価する。その際、1は、目立った点なく最適な付着を表し、5は、他の機械的作用無しに剥離することを表す。曲げ性とハンマー衝撃試験の場合に、亀裂形成とはげ落ちを、同様に1〜5のスケールで評価する。評点1は、ここでは実質的にはげ落ちも亀裂もないことを意味し、評点5は、試験部位での完全な剥離を意味する。

曲げ試験 曲げ試験は、−10℃で行われる。その際、金属薄板は、前記コーティングに関して外側に180°だけ曲げられる。その後に、該コーティングの基材上での付着性を、特に曲げの範囲において評価する。

ハンマー衝撃試験(EN1004bによるノッチ付衝撃曲げ試験に準拠するが、ノッチ無しにハンマーで手動でのみ) ハンマー衝撃試験では、−10℃に冷えた薄板の裏側に鋭利なハンマーで衝撃を与える。その後に、変形した範囲において正面でコーティングの付着性がどの程度良好であるかを試験する。

耐候安定性 金属薄板上での前記ペイントの耐候安定性を調査するために、DIN EN ISO 11341(サイクルA)によるキセノテストを塗装剤について行い、それぞれ500時間後に調査する。このキセノテストにおいて、5×13cmの大きさのコーティングされた複数の金属薄板を、それぞれ交互に102分間にわたり乾式で照らし、18分にわたり照らす一方で、該小板は、微細な水霧で湿らせる。相対空気湿度は50%に調整し、ブラックスタンダード温度は65℃である。照射強さは、300〜400nmの光波長の場合に60Wの紫外光に相当し、または340nmの光波長の場合に0.51W/(m2・nm)に相当する。

損傷基準として、目視できるペイント損傷、例えば亀裂もしくは剥離、色変化および光沢損失などを評価する。ペイント光沢は、光沢計で60°の光沢で耐候試験前後に測定する。

本発明による分散液の応用技術的特性の測定のために、ペイントを以下の処方により製造した: 第1表:配合

前記ペイントを、プライマー塗布された金属薄板に300μmの湿式層厚でドクターブレード塗布した。その薄板はエポキシコーティングで下塗りされていた。該薄板の一部を、乾燥キャビネットで40℃で3時間にわたり、引き続き室温で3日間にわたり乾燥させ、その後に試験する。前記薄板の第二の部分を、更に直接的に加工する。なおも湿ったペイントに粒状物をちりばめ、そしてはたき落とす。その上に直接、架橋される純粋なアクリレート(Acronal(登録商標)8974)をベースとするクリアーコートでのコーティング(130〜180g/m2)を行う。次いで、同様に同じようにして乾燥させる。

耐候性試験 2600時間のキセノテスト後に差は確認できない。その耐候性は、今日の市販の系に匹敵するものである(全系構成について効果的である)。

振り子硬度 試験すべきコーティングをエリクセン社の塗膜アプリケータ(200μm湿式)を用いて38×7cmのガラス板上にドクターブレード塗布した。室温で1日乾燥した後に、あるいは60℃で30分と室温で1日乾燥させた後に、そのガラス板の3つの場所で3つの振り子試験測定値を測定した。その測定は、ケーニッヒ(DIN EN ISO 1522)に従って行った。1日後、4日後、6日後および14日後に測定を実施した。実測結果は、それぞれ3つの測定値の平均値に相当する。前記試験は、新規バインダーを用いると、高い可撓性と良好な付着性にかかわらず、軟質性と粘着性が明らかに低いコーティングを製造できることを示している。

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