ディスクロール及びその基材

申请号 JP2011077941 申请日 2011-03-31 公开(公告)号 JP5637915B2 公开(公告)日 2014-12-10
申请人 ニチアス株式会社; 发明人 渡辺 和久; 和久 渡辺; 中山 正章; 正章 中山; 修 堀内; 修 堀内;
摘要
权利要求
  • 45μm以上のショットが 2重量%以下の、アルミナ40重量%以上60重量%以下とシリカ40重量%以上60重量%以下を含むアルミナシリケート繊維20〜 35重量%と、
    木節粘土10〜30重量%と、
    ベントナイト2〜20重量%と、
    マイカ20〜40重量%とを含むディスクロール用基材。
  • さらにパルプと澱粉を含む請求項1記載のディスクロール用基材。
  • アルミナ40重量%以上60重量%以下とシリカ40重量%以上60重量%以下を含む粗繊維を脱粒して、45μm以上のショットが5重量%以下のアルミナシリケート繊維を製造し、
    水と、前記アルミナシリケート繊維と、木節粘土と、ベントナイトと、マイカとを混合し、水性スラリーを製造し、
    水性スラリーを型に流し、濾水することにより、シートを製造するディスクロール用基材の製造方法。
  • 請求項1又は2記載の基材を含むディスクロール。
  • ガラス溶融物を請求項4記載のディスクロールを用いて搬送し、
    ガラス溶融物を冷却するガラスの製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、板ガラスの製造に適したディスクロール及びその基材に関する。

    板ガラスは、ガラス溶融物を装置に連続的に供給し、その装置から帯状に流下させて、流下中に冷却して硬化させることにより製造する。 ディスクロールは一対の引張ロールとして機能し、帯状ガラス溶融物を挟持して強制的に下方に送り出すために用いられる。

    ディスクロールは、一般に、ミルボード(板状成形体、基材)をリング状に打ち抜いたディスク材を複数枚、回転軸となるシャフトに嵌挿してロール状の積層物とし、両端に配したフランジを介して全体を加圧して固定したものである。 ディスク材の外周面がガラス溶融物の搬送面として機能する。

    ディスクロールは帯状ガラス溶融物を搬送するものであるから、耐熱性、柔軟性、硬度とともに、ガラス表面を傷めないことが求められ、耐熱性無機繊維、マイカ、粘土を含有させたディスクロール等が知られている(特許文献1〜3)。

    ディスクロールは、通常、濾性のよしあしに応じて、原料の水性スラリーを吸引脱水成形法又は抄造法で製造する。 抄造法ではより大きいシートが製造できるため効率が良いが、濾水性がよくなければならない。

    特表2010−510956

    特開2009−132619

    特開2004−299980

    しかしながら原料となる耐熱性の高いアルミナを70重量%以上含む無機繊維は高価であった。 また、効率よく製造するには、抄造法で製造でき、水性スラリーから濾水する際の濾水時間が短いことが求められていた。
    本発明の目的は、高価な繊維を使用すること無く、効率よく製造できるディスクロール及びその基材を提供することである。

    本発明によれば、以下の無機繊維等が提供される。
    1.45μm以上のショットが5重量%以下の、アルミナ40重量%以上60重量%以下とシリカ40重量%以上60重量%以下を含むアルミナシリケート繊維20〜38重量%と、
    木節粘土10〜30重量%と、
    ベントナイト2〜20重量%と、
    マイカ20〜40重量%とを含むディスクロール用基材。
    2. さらにパルプと澱粉を含む1記載のディスクロール用基材。
    3. アルミナ40重量%以上60重量%以下とシリカ40重量%以上60重量%以下を含む粗繊維を脱粒して、45μm以上のショットが5重量%以下のアルミナシリケート繊維を製造し、
    水と、前記アルミナシリケート繊維と、木節粘土と、ベントナイトと、マイカとを混合し、水性スラリーを製造し、
    水性スラリーを型に流し、濾水することにより、シートを製造するディスクロール用基材の製造方法。
    4.1又は2記載の基材を含むディスクロール。
    5. ガラス溶融物を4記載のディスクロールを用いて搬送し、
    ガラス溶融物を冷却するガラスの製造方法。

    本発明によれば、高価な繊維を使用すること無く、効率よく製造できるディスクロール及びその基材を提供することができる。

    ディスクロールを用いたガラスの製造方法の一例を示す図である。

    本発明のディスクロール用基材は、セラミック繊維(アルミナシリケート繊維)、木節粘土、ベントナイト及びマイカを含む。

    セラミック繊維は、20〜38重量%、好ましくは25〜38重量%、より好ましくは25〜35重量%含む。 セラミック繊維が20重量%未満では耐熱性が低くなり、セラミック繊維が38重量%超では空隙量が増えるため、耐磨耗性が悪化する可能性がある。

    本発明に用いるセラミック繊維は、アルミナ40重量%以上60重量%以下、好ましくは45重量%以上55重量%以下含む。 また、セラミック繊維は、シリカ40重量%以上60重量%以下、好ましくは45重量%以上55重量%以下含む。 繊維は1種又は2種以上混合して用いてもよい。

    セラミック繊維の平均繊維径は通常2〜5μm程度である。

    原料のセラミック繊維は通常未繊維化物(ショット)を含んでおり、乾式又は湿式の方法で脱粒することによりショットを減らすことができる。

    本発明に用いるセラミック繊維は、45μm以上のショット(未繊維化物)を5重量%以下、好ましくは2重量%以下しか含まない。 ショットの多い繊維を用いて製造したディスクロールは、ガラス表面を傷つける恐れがある。 ショットの大きさは通常45〜5000μm程度である。

    基材は、木節粘土を、10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%含む。 木節粘土をこの範囲で含むと表面潤滑性(平滑性)が良好となる。

    ベントナイトは2〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは3〜15重量%、さらに好ましくは5〜15重量%含む。 ベントナイトを含まないと定着・凝集が不十分で濾水性が悪くなる。 逆にベントナイトが多すぎるとスラリーの性が高くなり濾水性が悪くなる。

    マイカは、ディスク材のシャフトの熱膨張への追従性を高めるために添加する。 ディスク材を嵌挿するシャフトが金属製であるため、高温に晒されるとこのシャフトが熱膨張して軸方向に沿って伸びる。 このとき、ディスク材は金属に比べて熱膨張率が低いためシャフトの伸びに追従することができず、ディスク材同士が剥離してしまう。 一方、マイカは極く薄い層構造をなしており、加熱されると結晶変態を起こすが、その際層方向に膨張する傾向があり、この層方向への膨張によりディスク材のシャフトの熱膨張への追従性が高まる。

    マイカとして、白マイカ(マスコバイト;K Al (Si Al) 20 (OH) )、黒マイカ、金マイカ(プロゴバイト;K Mg (SiAl) 20 (OH) )、パラゴナイト、レピドナイト、フッ素合成マイカ等が使用可能であるが、上記の追従性を考慮すると、白マイカが好ましい。

    基材は、マイカは、20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%含む。 マイカが20重量%未満ではシャフトの熱膨張への追従性が低くなり、40重量%超ではスラリー中に均一に分散させることが困難になり、ディスク基材の物性のバラツキが大きくなることが懸念される。

    本発明の基材は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分のほか、凝集補助剤、有機バインダーを含むことができる。

    有機バインダーとして、有機繊維(パルプ)、澱粉が好ましい。 有機繊維(パルプ)を含むと圧縮特性が発現でき、その量は例えば、2〜10重量%、又は6〜10重量%とすることができる。 また、澱粉を含むとディスク材の強度が発現でき、その量は例えば、1〜10重量%、又は1〜4重量%とすることができる。

    本発明の基材は、無機成分として、セラミック繊維、木節粘土、ベントナイト、マイカを合わせて90重量%以上、95重量%以上、98重量%以上、100重量%とすることができる。

    本発明の基材は、上記の成分を上記の範囲で含むことにより、無機繊維の量が少なくても、耐熱性と強度とがバランス良く保たれたディスクロールが得られる。

    基材は、無機繊維、カオリナイト及びマイカを含む水性スラリーを板状に成形し、乾燥して製造できる。 このとき、抄造法を用いることが効率的で好ましい。 即ち、無機繊維、カオリナイト及びマイカ、必要に応じて凝集補助剤、有機繊維、有機バインダー等を所定量含む水性スラリーを調製し、この水性スラリーを抄造機にて板状に成形し、乾燥することにより基材を得ることができる。 尚、基材の厚さは適宜設定することができ、2〜10mmが一般的である。

    次に、ディスクロールの製造方法に関して説明する。 通常、基材からリング状のディスク材を打ち抜き、このディスク材を複数枚、金属製(例えば鉄製)のシャフトに嵌挿してロール状の積層物とし、両端に配したフランジを介して両端から全体を加圧してディスク材に若干の圧縮を加えた状態でナット等で固定する。 必要により焼成する。 そして、所定のロール径となるようにディスク材の外周面を研削することにより、ディスクロールが得られる。
    ディスクロールの構造にはシャフト全体をディスク材で覆われている仕様のもの、ガラスの接触する部分のみシャフトがディスク材が覆われている仕様のもの、単一の軸を有する仕様のもの等がある。

    例えば、図1に示すように、本発明のディスクロール10を用いて、ガラス溶融物100を挟持して搬送し、ガラス溶融物100を冷却、硬化させてガラスを製造できる。

    実施例1
    [粗セラミック繊維の脱粒]
    アルミナ40〜60重量%、シリカ60〜40重量%含む粗セラミック繊維(ニチアス株式会社製「ファインフレックス バルクファイバー」)を脱粒し、45μm以上のショットが2重量%以下のセラミック繊維を得た。

    ショットの含有率は以下の手順で測定した。
    (i)任意の箇所から100g以上の試料をショットが試料から脱落しないように切り取る。
    (ii)切り取った試料を105〜110℃で1時間乾燥処理したのち、秤量しW とする。
    (iii)試料をシリンダーに入れ、21MPaで加圧粉砕し、シリンダー内をスパチェラを使用し試料をほぐしたのち、再び加圧粉砕する。
    (iv)粉砕した試料をJIS−Z−8801の予備寸法45μmのふるいに移し、流水によって繊維及び細かいショットを洗い流す。
    (v)ふるいに残ったショットをふるいと共に乾燥器を用いて1時間乾燥させる。
    (vi)乾燥器から取り出したふるいを室温まで冷却したのち、ふるいの裏面に付着している細粒を10秒程度ふるいの側面を手で叩いて除去する。
    (vii)ふるい面上に残ったショットを適当な容器に移す。 この際、ショットがふるいに残らないようにふるいブラシで充分払い落とし、分離したショットを秤量しW とする。
    (viii)ショットの含有率は次の式によって求め、小数点以下1桁に丸める。
    ショット含有率 %= W /W ×100

    [ディスクロール用基材の製造]
    上記で脱粒したセラミック繊維30重量%、白マイカ32重量%、木節粘土20重量%、ベントナイト10重量%、パルプ6重量%及び澱粉2重量%である水性スラリーを調製し、抄造法により乾燥後の寸法が200mm×200mm×6mmのディスクロール用基材(ミルボード)を抄造した。
    得られたセラミック繊維含有ディスクロール用基材について、密度を測定した後、下記(1)〜(7)の評価を行った。 結果を表1に示す。

    (1)原板の曲げ試験(曲げ強度及び曲げ弾性率)
    セラミック繊維含有ディスクロール用基材を900℃に維持した加熱炉に3時間保持した後、室温まで自然冷却した。 冷却後の基材から幅30mm、長さ150mm、厚さ6mmの試験片を切り出し、島津製作所製「オートグラフAG−100kND」を用い、JIS K7171に準じて曲げ強度及び曲げ弾性率を評価した。

    (2)充填時の曲げ試験(曲げ強度及び曲げ弾性率)
    セラミック繊維含有ディスクロール用基材から幅30mm、長さ150mmのディスク材を切り出し、このディスク材をステンレス板で挟みこみ、厚さ10mm、密度が1.25g/cm となるように圧縮し、圧縮した状態で900℃に維持した加熱炉に10時間保持した後、室温まで自然冷却した。 冷却後、圧縮を開放したものを測定サンプルとし、島津製作所製「オートグラフAG−100kND」を用い、JIS K7171に準じて曲げ強度及び曲げ弾性率を評価した。

    (3)熱伝導率 セラミック繊維含有ディスクロール用基材から幅50mm、長さ100mmのディスク材を切り出し、このディスク材をSUS板で挟みこみ、厚さ10mm、密度が1.25g/cm となるまで圧縮し、圧縮した状態で900℃に維持した加熱炉に10時間保持した後、室温まで自然冷却した。 冷却後、圧縮力を開放したものを測定サンプルとし、サンプルの表面を、JIS R2618の非定常熱線法に準じて、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業株式会社製)により、室温での熱伝導率を測定した。

    (4)熱膨張係数 セラミック繊維含有ディスクロール用基材から外径60mm内径20mmのディスク材を打ち抜き、ステンレス製のシャフトに長さ100mm、密度1.25g/cm となるようにロールビルドし、900℃に維持した加熱炉に10時間保持した後、室温まで自然冷却した。 冷却後のサンプルを5×5×20mmに切り出し測定サンプルとした。 理学電機工業株式会社製熱機械分析装置「TMA8310」を用いて、空気中で5℃/minの速度で室温から900℃まで昇温し熱膨張係数を測定した。

    (5)圧縮加熱復元率 セラミック繊維含有ディスクロール用基材から幅30mm、長さ50mmのディスク材を切り出し、ステンレス板で挟み込み、厚さ20mm、密度1.35g/cm となるように圧縮し、固定したものをサンプルとした。
    得られたサンプルを600℃で5時間加熱させた後、室温25℃まで冷却し、ディスク材に加わる圧縮力を開放したときの復元した長さを元の長さで除算して復元率を求めた。 また、得られたディスクロールを900℃で10時間加熱させ、上記と同様にして復元率を測定した。

    (6)摩耗試験 セラミック繊維含有ディスクロール用基材から外径80mm内径30mmのディスク材を打ち抜き、直径30mmのステンレス製シャフトに、長さ100mm、充填密度が1.25g/cm になるようにロールビルドし、ディスクロールを作製した。
    このディスクロールのロール面に2mm間隔で幅2mmの溝加工を5本施した直径30mmのステンレス製の軸を接触させた状態で、900℃で5時間回転させた後、室温25℃まで冷却し、ディスクロールのロール表面にできた溝の深さを測定した。

    (7)荷重変形量 セラミック繊維含有ディスクロール用基材から外径60mm内径20mmのディスク材を打ち抜き、直径20mのステンレス製シャフトに長さ100mm、充填密度が1.25g/cm になるようにロールビルドし、ディスクロールを作製した。
    このディスクロールをシャフトの両端を架台で支持し、ディスク材からなるロール面に圧縮子により10kgf/cmの荷重を1mm/分で加え、そのときの荷重変形量(室温)を測定した。
    また、上記ディスクロールを900℃の加熱炉に10時間保持し、加熱炉から取り出した後、室温まで冷却したものについても上記と同様にして荷重変形量(900℃10時間)を測定した。

    表1から、実施例のディスクロールは、高価な繊維を用いること無く、耐熱性、強度、耐磨耗性、柔軟性を有することが分かる。 また、ショットが少ないのでガラス面を傷付けることも少ない。

    実施例2〜4,比較例1,2
    ベントナイトの影響を調べるために、表2に示す組成にした他は、実施例1と同様に、ディスクロール用基材とディスクロールを製造して評価した。 結果を表2に示す。 ベントナイト量30%については原板作製が困難なためロール物性は測定しなかった。

    (1)濾水性 TAPPI式手漉き抄造機による濾水時間で評価した。
    ○:100秒未満、△:100〜200秒、×:200秒以上

    (2)シート外観 ○:良好、△:ムラあり、×:亀裂あり

    (3)加熱収縮率 ディスクロール用基材を幅30mm、長さ150mmに切り出し、900℃で3時間加熱した後、その線方向及び厚さ方向の長さを測定し、下記式に基づいて加熱収縮率を評価した。
    [(加熱前の測定値−加熱後の測定値)/加熱前の測定値]×100

    本発明のディスクロールは、板ガラス、特に液晶用ガラスやプラズマディスプレイ用ガラスの製造に用いることができる。

    10 ディスクロール 100 ガラス溶融物

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