Disk roll and substrate therefor

申请号 JP2013109457 申请日 2013-05-24 公开(公告)号 JP2014169216A 公开(公告)日 2014-09-18
申请人 Nichias Corp; ニチアス株式会社; 发明人 WATANABE KAZUHISA; MIHARA TETSUYA; SHIRATORI TAICHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a disk roll excellent in balance between abrasion resistance and an outer diameter variation rate without containing mica as an essential component and to provide a substrate therefor.SOLUTION: There is provided a substrate for a disk roll which includes a ceramic fiber, an inorganic binder and scaly silica.
权利要求
  • セラミック繊維と、無機バインダーと、鱗片状シリカを含むディスクロール用基材。
  • 前記鱗片状シリカが、鱗片状シリカが平行的に重なって形成される2次凝集体、又は前記2次凝集体が複数集まって形成される3次凝集体である請求項1記載のディスクロール用基材。
  • 前記セラミック繊維を30〜50重量%、
    前記無機バインダーを5〜50重量%、
    前記鱗片状シリカを5〜50重量%
    含む請求項1又は2記載のディスクロール用基材。
  • 前記無機バインダーが、木節粘土とベントナイトである請求項1〜3のいずれか記載のディスクロール用基材。
  • 前記セラミック繊維が、アルミナ40重量%以上99重量%以下と、シリカ60重量%以下1重量%以上を含む請求項1〜4のいずれか記載のディスクロール用基材。
  • 前記セラミック繊維が、アルミナ70重量%以上80重量%以下と、シリカ30重量%以下20重量%以上を含む請求項1〜5のいずれか記載のディスクロール用基材。
  • さらにパルプと澱粉を含む請求項1〜6のいずれか記載のディスクロール用基材。
  • セラミック繊維と、無機バインダーと、鱗片状シリカを含むスラリーを作製し、
    前記スラリーを成形して、乾燥する請求項1〜7のいずれか記載のディスクロール用基材の製造方法。
  • 請求項1〜7のいずれか記載の基材から製造されたディスクロール。
  • ShoreD硬度が30〜70であり、密度が1.0〜1.5g/cm である請求項9記載のディスクロール。
  • 請求項1〜7のいずれか記載の基材から複数のリング状のディスク材を形成し、
    前記複数のディスク材をシャフトに嵌挿してロール状の積層物とし、
    固定具で、両端から前記積層物を圧縮して固定するディスクロールの製造方法。
  • ガラス溶融物を請求項9又は10記載のディスクロールを用いて搬送し、
    前記ガラス溶融物を冷却するガラスの製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、板ガラスの製造に適したディスクロール及びその基材に関する。

    板ガラスは、ガラス溶融物を装置に連続的に供給し、その装置から帯状に流下させて、流下中に冷却して硬化させることにより製造する。 ディスクロールは一対の引張ロールとして機能し、帯状ガラス溶融物を挟持して強制的に下方に送り出すために用いられる。
    平板形状ガラスは、上記のダウンドロー法の他に、フロート法、ロールアウト法、コルバーン法等により製造することができる。 いずれの製法で作製されたガラス板も、熱によるひずみを取り除くために、徐冷工程を必要とする。 この徐冷工程でガラス板を搬送するため、コロの役割をするディスクロールが用いられる。

    ディスクロールは、一般に、ミルボード(板状成形体、基材)をリング状に打ち抜いたディスク材を複数枚、回転軸となるシャフトに嵌挿してロール状の積層物とし、両端に配したフランジを介して全体を加圧して固定したものである。 ディスク材の外周面がガラス溶融物の搬送面として機能する。

    ディスクロールは長時間帯状ガラス溶融物を搬送するものであるから、耐熱性とともに、耐摩耗性、ガラス表面を傷めない柔軟性、硬度が求められ、耐熱性無機繊維、マイカ、粘土を含有させたディスクロール等が知られている(特許文献1〜3)。 さらに、マイカ以外の充填剤を用いたディスクロールも知られている(特許文献4)。

    特表2010−510956

    特開2009−132619

    特開2004−299980

    特許公報4920118

    しかしながら、マイカはガラスに傷が付き易い恐れがあった。 また、原料の多様性や代替可能性の観点から、マイカを必須成分としないでディスクロールを製造することが求められている。 特許文献4では、アルミナ(球状)等が用いられているが耐摩耗性が悪かった。
    本発明の目的は、マイカを必須成分としないで耐摩耗性と外径変化率のバランスに優れるディスクロール及びその基材を提供することである。

    本発明の一態様によれば、以下のディスクロール用基材等が提供される。
    1. セラミック繊維と、無機バインダーと、鱗片状シリカを含むディスクロール用基材。
    2. 前記鱗片状シリカが、鱗片状シリカが平行的に重なって形成される2次凝集体、又は前記2次凝集体が複数集まって形成される3次凝集体である1記載のディスクロール用基材。
    3. 前記セラミック繊維を30〜50重量%、
    前記無機バインダーを5〜50重量%、
    前記鱗片状シリカを5〜50重量%
    含む1又は2記載のディスクロール用基材。
    4. 前記無機バインダーが、木節粘土とベントナイトである1〜3のいずれか記載のディスクロール用基材。
    5. 前記セラミック繊維が、アルミナ40重量%以上99重量%以下と、シリカ60重量%以下20重量%以上を含む1〜4のいずれか記載のディスクロール用基材。
    6. 前記セラミック繊維が、アルミナ70重量%以上80重量%以下と、シリカ30重量%以下1重量%以上を含む1〜5のいずれか記載のディスクロール用基材。
    7. さらにパルプと澱粉を含む1〜6のいずれか記載のディスクロール用基材。
    8. セラミック繊維と、無機バインダーと、鱗片状シリカを含むスラリーを作製し、
    前記スラリーを成形して、乾燥する1〜7のいずれか記載のディスクロール用基材の製造方法。
    9.1〜7のいずれか記載の基材から製造されたディスクロール。
    10. ShoreD硬度が30〜70であり、密度が1.0〜1.5g/cm である9記載のディスクロール。
    11.1〜7のいずれか記載の基材から複数のリング状のディスク材を形成し、
    前記複数のディスク材をシャフトに嵌挿してロール状の積層物とし、
    固定具で、両端から前記積層物を圧縮して固定するディスクロールの製造方法。
    12. ガラス溶融物を9又は10記載のディスクロールを用いて搬送し、
    前記ガラス溶融物を冷却するガラスの製造方法。

    本発明の他の態様によれば、以下のディスクロール用基材等が提供される。
    1. セラミック繊維と、無機バインダーと、鱗片状アルミナを含むディスクロール用基材。
    2. 前記鱗片状アルミナが、配向して層を形成している1記載のディスクロール用基材。
    3. 前記セラミック繊維を30〜50重量%、
    前記無機バインダーを5〜50重量%、
    前記鱗片状アルミナを5〜50重量%
    含む1又は2記載のディスクロール用基材。
    4. 前記無機バインダーが、木節粘土とベントナイトである1〜3のいずれか記載のディスクロール用基材。
    5. 前記セラミック繊維が、アルミナ40重量%以上99重量%以下と、シリカ60重量%以下1重量%以上を含む1〜4のいずれか記載のディスクロール用基材。
    6. 前記セラミック繊維が、アルミナ70重量%以上80重量%以下と、シリカ30重量%以下20重量%以上を含む1〜5のいずれか記載のディスクロール用基材。
    7. さらにパルプと澱粉を含む1〜6のいずれか記載のディスクロール用基材。
    8. セラミック繊維と、無機バインダーと、鱗片状アルミナを含むスラリーを作製し、
    前記スラリーを成形して、乾燥する1〜7のいずれか記載のディスクロール用基材の製造方法。
    9.1〜7のいずれか記載の基材から製造されたディスクロール。
    10. ShoreD硬度が30〜70であり、密度が1.0〜1.5g/cm である9記載のディスクロール。
    11.1〜7のいずれか記載の基材から複数のリング状のディスク材を形成し、
    前記複数のディスク材をシャフトに嵌挿してロール状の積層物とし、
    固定具で、両端から前記積層物を圧縮して固定するディスクロールの製造方法。
    12. ガラス溶融物を9又は10記載のディスクロールを用いて搬送し、
    前記ガラス溶融物を冷却するガラスの製造方法。

    本発明によれば、マイカを必須成分としないで耐摩耗性と外径変化率のバランスに優れるディスクロール及びその基材を提供することができる。

    本発明で用いることができる鱗片状シリカの2次粒子と3次粒子の概略模式図である。

    ディスクロールを用いたガラスの製造方法の一例を示す図である。

    本発明のディスクロール用基材は、セラミック繊維(アルミナシリケート繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維等)と、無機バインダー、並びに鱗片状シリカ及び鱗片状アルミナから選択される1以上の充填剤を含む。 マイカは含まない。
    鱗片状とは、実質的に板状の形をしていればよく、部分的又は全体的に曲がったり、ねじれたりしていてもよい。

    基材は、セラミック繊維を、好ましくは30〜50重量%、より好ましくは33〜45重量%、より好ましくは35〜43重量%含む。 セラミック繊維が30重量%未満では耐熱性、耐熱衝撃性が低下し、セラミック繊維が50重量%超ではディスク材嵩密度が低くなり嵩高くなることで、作業性が悪くなる恐れがある。

    本発明に用いるセラミック繊維は、通常、アルミナを40重量%以上99重量%以下、好ましくは40重量%以上80重量%以下、より好ましくは70重量%以上80重量%以下、さらに好ましくは70重量%以上75重量%以下含む。 また、セラミック繊維は、通常、シリカを1重量%以上60重量%以下、好ましくは20重量%以上60重量%以下、より好ましくは20重量%以上30重量%以下、さらに好ましくは25重量%以上30重量%以下含む。 アルミナが増えると耐熱性が増す。 繊維は1種又は2種以上混合して用いてもよい。

    基材は、無機バインダーを、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜48重量%、より好ましくは15〜45重量%、さらに好ましくは20〜45重量%含む。 無機バインダーが5重量%未満では十分な耐摩耗性が得られず、50重量%超では生産性が低下する恐れがある。

    無機バインダーとして、木節粘土、ベントナイト、カオリン粘土、コロイダルシリカ、アルミナゾル等が例示されるか、好ましくは木節粘土とベントナイトを共に用いる。 木節粘土を、2〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%含む。 木節粘土をこの範囲で含むと表面潤滑性(平滑性)が良好となる。

    ベントナイトは2〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜25重量%含む。 ベントナイトを含まないと定着・凝集が不十分で濾性が悪くなる。 逆にベントナイトが多すぎるとスラリーの粘性が高くなり濾水性が悪くなる恐れがある。

    本発明は、充填剤として、鱗片状シリカ又は鱗片状アルミナを含む。 鱗片状シリカ及び鱗片状アルミナを共に含んでもよい。 好ましくは鱗片状シリカと鱗片状アルミナ以外の充填剤(シリカ(球状又は非凝集体)、アルミナ(球状)、焼成カオリン、タルク、コーディライト等)は含まない。

    本発明では、鱗片状シリカは、個々の鱗片状シリカが分散している状態で用いてもよいし、集合体又は凝集体として用いてもよい。 本発明で好適に用いる鱗片状シリカは、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し、複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子である。 鱗片状シリカ一次粒子は不規則に重なり合い、この重なりによって多数の間隙(空隙またはポケット)が存在する。 不規則に重なり合うとは、二つの鱗片状粒子の面が完全に重なる場合のみでなく、面の一部と面の一部、面と辺、辺と辺の重なり等種々の空間的配置関係において重なることである。 葉状シリカ2次粒子が、さらに3次元的に凝集して3次粒子を形成してもよい。 図1は、1次粒子、2次粒子と3次粒子の概略模式図である。 3次粒子は不規則に凝集するが、例えば、中心から外に広がるように凝集し、花のように凝集する。 葉状シリカ2次粒子及び3次粒子については、特開2006−143666,特許公報3795671等に記載されている。

    葉状シリカ粒子2次粒子は、薄片1次粒子を基本構成単位とし、1次粒子同士が、互いに面間が平行的に配向して複数枚重なって形成される葉状シリカから実質的になる、積層構造を有する葉状シリカである。

    この薄片1次粒子は、きわめて薄い鱗片状シリカであって、その厚さは、限定されないが通常0.001〜0.1μmである。 かかる薄片1次粒子は、互いに面間が平行的に配向して1枚または複数枚重なった葉状シリカ2次粒子を形成する。 当該2次粒子の厚さは、限定されないが通常0.001〜3μmであり、アスペクト比(厚さに対する葉状シリカ2次粒子(板)の最長長さの比率)は、限定されないが通常少なくとも10、好ましくは30以上、さらに好ましくは50以上のものであり、厚さに対する葉状シリカ2次粒子(板)の最小長さの比は、限定されないが通常少なくとも2、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上を有するような鱗片状のシリカである。 アスペクト比は走査型電子顕微鏡により撮影された充分多数の鱗片状の一次粒子像にスケール等をあてて、厚さ、最長長さ、最小長さを測定することにより求めることができる(平均値)。 なお、当該2次粒子は、通常融着しないで互いに独立して存在している。

    また、葉状シリカ2次粒子の平均粒子径は、限定されないが通常0.001〜30μm、好ましくは0.01〜20μm程度である。 粒子が球形のときは、粒径は直径を表すが、非球形のときは、最大径を表わす。 また、比表面積は、限定されないが通常10〜1000m 2 /g、好ましくは20〜500m 2 /gである。 また、シラノール基は限定されないが通常1000〜10000μmol/g、好ましくは3000〜8000μmol/gである。
    平均粒子径は、コールターカウンタ(例えば、コールターエレクトロニクス社製、MA−II型)等で測定できる。 シラノール基はIRスペクトル(3600〜3700、3400〜3500cm -1 )により求めることができる。
    なお、葉状シリカ2次粒子の厚さ及び長さは、その2次粒子についての平均値を意味する。

    本発明で用いる葉状シリカ2次粒子は、物質としては所謂シリカ−X、シリカ−Yとして知られているものであり、すでに述べたように、微小な鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し、複数枚重なって葉状の形状をなしている粒子である。

    葉状シリカ2次粒子は、活性ケイ酸、シリカゾル、エアロジル、シリカヒドロゲル、シリカゲル(シリカキセロゲル)等を出発物質として、これらをアルカリ金属の存在下で水熱処理する方法により、まず、葉状シリカ2次粒子がさらに3次元的に不規則に重なり合って形成されたシリカ3次凝集体粒子(3次粒子)を生成させ、次いで各種の解砕処理や乾燥等の後処理を行うことによって、当該3次粒子を解砕し、葉状シリカ2次粒子を得るという方法により調製することができる。

    葉状シリカ2次粒子の形態は、水スラリー状、粉体状、有機媒体スラリー状のいずれかの形態を選択して配合されるが、好ましくは、粉体状である。 また、本発明は、3次粒子を用いることができる。

    上記水熱処理は、オートクレーブ等の加熱圧容器中で加熱して行うことができ、温度範囲としては例えば150〜220℃、処理の時間は、例えば3〜50時間程度である。
    得られたシリカ3次凝集体粒子を、固液分離・水洗装置を用いて水洗・固液分離して、さらに水でリパルプし、SiO 2濃度1〜30質量%の水スラリーとし、これを湿式粉砕装置(解砕装置)、例えば湿式ビーズミル、湿式ボールミル、薄膜旋回型高速ミキサーに供給して、シリカ3次凝集体粒子を解砕処理して葉状シリカ2次粒子の水スラリーを得ることができる。 水スラリーを乾燥し粉体が得られる。

    葉状シリカ2次粒子及び3次粒子は、市販のものを適宜使用してもよい。 例えば、AGCエスアイテック社製のサンラブリー等が挙げられる。

    本発明で好適に用いる鱗片状アルミナは、限定されないが、通常、平均厚みが0.01〜1μm、平均粒子径が0.5〜50μm、アスペクト比(厚みに対する粒子径の比率)が5〜500(好ましくは10〜70)であり、その形状から配向して層状になり易い。

    鱗片状アルミナは、限定されないが、α−アルミナを主成分とすることが、化学的安定性等から好ましい。

    鱗片状アルミナ粒子は、例えば特開平6−316413号公報や特開平9−59018号公報に記載の水熱合成法で製造できる。 この水熱合成法では、例えば水酸化アルミニウムに水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸などが結晶制御剤として添加され、これにより肉厚が薄く、従って、アスペクト比(鱗片状粒子の直径/厚み)の大きな粒子が形成され、また、合成条件を設定することで、任意の粒径で且つ粒度分布幅の狭い鱗片状アルミナ粒子が得られる。

    鱗片状アルミナは、市販のものを適宜使用してもよい。 例えば、キンセイマテック社製のセラフ等が挙げられる。

    基材は、充填剤を、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは7〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%、更に鱗片状アルミナについては好ましくは10〜25重量%含む。 充填剤が5重量%未満では組み付け後のロールの表面潤滑性(平滑性)が低下し、50重量%超では基材をリング状に打ち抜く際の打抜性が低下する恐れがある。

    本発明の基材は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分のほか、凝集剤、有機バインダー等を含むことができる。

    有機バインダーとして、有機繊維(パルプ)、澱粉が好ましい。 有機繊維(パルプ)を含むと圧縮特性が発現でき、その量は例えば、2〜10重量%、又は6〜10重量%とすることができる。 また、澱粉を含むとディスク材の強度が発現でき、その量は例えば、1〜10重量%、又は1〜4重量%とすることができる。

    本発明の基材は、無機成分として、セラミック繊維、無機バインダー、無機充填剤を合わせて90重量%以上、95重量%以上、98重量%以上、99重量%以上、100重量%とすることができる。
    また、セラミック繊維、無機バインダー、無機充填剤を合わせて、基材全体の90重量%以上、95重量%以上、98重量%以上、99重量%以上、100重量%とすることができる。

    本発明の基材は、上記の成分を上記の範囲で含むことにより、マイカを含まなくても、耐摩耗性と外径変化率がバランス良く保たれたディスクロールが得られる。 また、加熱収縮率等の耐熱性も実用上問題無い。

    基材は抄造法や、金網等の成形金型の一方の面にスラリーを供給しつつ他方の面から吸引を行う脱水成形法等で製造ができる。 具体的には、セラミック繊維、木節粘土、ベントナイト、充填剤、必要に応じて凝集剤、有機バインダー等を所定量含む水性スラリーを調製し、この水性スラリーを成形し、乾燥することにより基材を得ることができる。 厚さは適宜設定することができ、2〜30mmが一般的である。

    次に、ディスクロールの製造方法に関して説明する。 通常、基材からリング状のディスク材を打ち抜き、このディスク材を複数枚、金属製(例えば鉄製)のシャフトに嵌挿してロール状の積層物とし、両端に配したフランジを介して両端から全体を加圧してディスク材に若干の圧縮を加えた状態でナット等の固定具で固定する。 必要により焼成する。 焼成は、シャフトへの充填前でも充填後でもよいが、充填後が好ましい。 そして、所定のロール径となるようにディスク材の外周面を研削することにより、ディスクロールが得られる。
    ディスクロールの硬度は、通常、30〜70、好ましくは35〜65である。
    充填密度は、通常、1.0〜1.5g/cm 、好ましくは1.1〜1.4g/cm である。

    ディスクロールの構造にはシャフト全体がディスク材で覆われている仕様のもの、ガラスの接触する部分のみシャフトがディスク材で覆われている仕様のもの、単一の軸を有する仕様のもの等がある。

    図2に示すように、本発明のディスクロール10を用いて、ガラス溶融物100を挟持して搬送し、ガラス溶融物100を冷却、硬化させてガラスを製造できる。

    実施例1
    表1に示す配合(重量%)のように、耐火性無機繊維(アルミナ70重量%以上、シリカ30重量%以下のムライト繊維)40重量%、鱗片状シリカ3次凝集体32重量%、木節粘土10重量%、ベントナイト10重量%、パルプ6重量%及び澱粉2重量%を含む水性スラリーを調製し、吸引脱水成形法により乾燥後の寸法が200mm×200mm×6mmのディスクロール用基材(ミルボード)を成形した。
    得られたディスクロール用基材について、下記(1)〜(3)の評価を行った。 結果を表1に示す。

    (1)曲げ強度 ディスクロール用基材を、そのまま又は500℃〜1000℃に維持した加熱炉に3時間保持した後、室温まで自然冷却した。 冷却後の基材から幅30mm、長さ150mmの試験片を切り出し、島津製作所製「オートグラフAG−100kND」を用い、JIS K7171に準じて曲げ強度を評価した。 曲げ強度は耐摩耗性の観点から大きい方が好ましい。 実用的には、用途にもよるが、好ましくは0.4%以上、より好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは1%以上である。

    (2)外径変化率(膨張率)
    ディスクロール用基材から外径60mm内径20mmのディスク材を打ち抜き、直径20mmのステンレス製シャフトに長さ100mm、充填密度が1.35g/cm になるようにロールビルドし、ディスクロールを作製した。
    このディスクロールを、900℃に保持した電気炉に投入し、15時間後に取り出して室温25℃まで急冷した。 そして、この加熱及び急冷のサイクルをディスクロールのクラック又はディスクセパレーションが発生するまで繰り返した。
    上記試験後におけるロールの外径変化率(膨張率)を測定した。 薄板のガラスの製造に用いるので、ロールの外径の変化はガラスの品質(厚み)に影響を与える。 従って、加熱によるロールの外径変化は、小さいほうがよい。
    また、上記試験前のディスク材のShoreD硬度と、クラック後又はディスクセパレーション後(試験後)のディスク材のShoreD硬度をそれぞれ評価した。

    (3)摩耗試験 ディスクロール用基材から外径80mm内径20mmのディスク材を打ち抜き、直径20mmのステンレス製シャフトに、長さ100mm、充填密度が1.35g/cm になるようにロールビルドし、ディスクロールを作製した。
    このディスクロールのロール面に28mm×28mm×120mmの柱のステンレス製の軸を接触させた状態で、室温で1時間回転させた後、ディスクロールのロール表面にできた溝の深さを測定した。 深さは少ない方が好ましい。 実用的には、用途にもよるが、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.8mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下である。

    実施例2−4
    表1に示すように、鱗片状シリカ等の原料の量を変えた他は、実施例1と同様にしてディスクロール用基材とディスクロールを製造して評価した。 結果を表1に示す。

    比較例1,2
    鱗片状シリカの代わりに白マイカ(西日本貿易社製、200C、アスペクト比平均45)又は球状アルミナ(昭和電工社製、A−42−2)を用いた他は、実施例1と同様にしてディスクロール用基材とディスクロールを製造して評価した。 結果を表1に示す。


    実施例5−8
    鱗片状シリカの代わりに鱗片アルミナを用いた。 表2に示すように、鱗片状アルミナ等の原料の量を変えた他は、実施例1と同様にしてディスクロール用基材とディスクロールを製造して評価した。 結果を表2に示す。

    上記結果から、実施例のディスクロールは、耐摩耗性や耐熱性に優れることが分かる。 また、実施例のディスクロールは、比較例1のマイカ配合ロールに比べて、同じ充填密度で高い硬度となる。

    本発明のディスクロールは、板ガラス、特に液晶用ガラスやプラズマディスプレイ用ガラスの製造に用いることができる。

    10 ディスクロール 100 ガラス溶融物

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