Stoneware tile

申请号 JP2010170076 申请日 2010-07-29 公开(公告)号 JP2012031586A 公开(公告)日 2012-02-16
申请人 Toto Ltd; Toto株式会社; 发明人 TANAKA NORIYUKI; KANAZAWA YUKIO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a stoneware tile capable of keeping, for a relatively long time, the temperature decline of a tile surface when water is sprinkled in the state that sunlight shines down upon a veranda, a terrace or the like for a long time especially in summer.SOLUTION: The stoneware tile is obtained by burning, the tile has through-holes which are thin and long in a plate thickness direction, and the volume of pores formed by the through-hole near the center inside the tile is larger than the volume of pores formed by the through-hole near the surface of the tile. Even when the tile is utilized on a veranda floor or a terrace floor whose surface temperature is to be elevated to 50°C or higher in summer, the surface temperature is effectively lowered by sprinkling water and the lowered state is maintained for a long time.
权利要求
  • 焼成により得られるせっ器質タイルであって、
    前記タイルは板厚方向に細長形状の貫通孔を有し、
    前記タイルの表面で観察される前記貫通孔が作る気孔断面積よりも、タイル内部の中央の前記貫通孔が作る気孔断面積の方が大であることを特徴とする、せっ器質タイル。
  • 前記貫通孔の細長形状の気孔の幅が、10μm以上40μm以下である、請求項1に記載のせっ器質タイル。
  • 前記タイルの水銀圧入法による細孔表面積が0.1m /g以上0.5m /g以下である、請求項1又は2に記載のせっ器質タイル。
  • 前記タイルの煮沸法による吸水率が5%以上15%以下である、請求項1乃至3いずれか一項に記載のせっ器質タイル。
  • 前記タイルに250Wの赤外線ランプを60分照射したときの保水量を照射前後の重量変化で除した値が0.35以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のせっ器質タイル。
  • 表面温度27℃の前記タイルに250Wの赤外線ランプを照射したときの、50℃到達時間が50分以上である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のせっ器質タイル。
  • 前記タイルに250Wの赤外線ランプを60分照射したときの、照射前に対する照射後の水保持率が0.26以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のせっ器質タイル。
  • 前記タイルに250Wの赤外線ランプを60分照射したときの蒸発潜熱が1300kcal以上である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のせっ器質タイル。
  • 前記タイルの水銀圧入法による気孔の小さいほうから10%径が2.2μm以下、0.2μm以上である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のせっ器質タイル。
  • 焼成により焼失して気孔を生じさせる成分または焼成により発泡して気孔を生じさせる成分を含まない素地を焼成して得ることができる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のせっ器質タイル。
  • ベランダ用床タイル又はテラス用床タイルとして用いられる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のせっ器質タイル。
  • 太陽が長時間照りつけている状態で打ち水をした場合に温度が低下する状態を1時間以上持続させる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のせっ器質タイルのベランダ床又はテラス床における使用。
  • 说明书全文

    本発明は、特に夏期のベランダ、テラス等に太陽が長時間照りつけている状態で打ちをしたときに表面温度が低下する状態を長く維持できるタイルに関する。

    従来より、多孔質セラミックを用いた壁体などに水を掛けることで、冷却効果が得られることが知られている。 このような多孔質セラミックを得る方法として、発泡材(気孔付与材)を入れる方法(例えば、特許文献1(特開2005−348631号)や、セラミック自体に発泡性の原料を用いる方法(例えば、特許文献2(特開2003−184199号))が知られている。すなわち、セラミック原料に、何らかの気孔に対応する成分を加えることで多孔質セラミックを得ている。

    特許文献1(特開2005−348631号)では、例えば、発泡材(気孔付与材)として、紙製品の切断の際に生じる紙屑で、粒径が0.5〜2mm程度の微細なもの、あるいは鋸屑のような木屑、火発電所からの廃棄物である石炭屑(フライアッシュ)等を使用し、その部分を発泡させて気孔を得ている。

    特許文献2(特開2003−184199号)では、それ自体発泡性の原料としてバーミキュライトを主体とした発泡セラミックス焼結体が利用されている。

    特開2005−348631号

    特開2003−184199号

    本発明者らは、今般、焼成により得られる陶磁器質タイルの構成として、板厚方向に貫通孔を有し、貫通孔の形状は細長形状であり、前記タイルの表面で観察される前記貫通孔が作る気孔断面積よりも、タイル内部の中央の前記貫通孔が作る気孔断面積の方が大であるようにすることで、特に夏期のベランダ、テラス等に太陽が長時間照りつけている状態で打ち水時のタイル表面の温度低下を比較的長く保持できる、との知見を得た。

    すなわち、本発明の目的は、特に夏期のベランダ、テラス等に太陽が長時間照りつけている状態で打ち水時のタイル表面の温度低下を比較的長く保持できるせっ器質タイルを提供することである。

    そして、本発明によるせっ器質タイルは、焼成により得られる陶磁器質タイルの構成として、板厚方向に貫通孔を有し、貫通孔の形状は細長形状であり、 前記タイルの表面で観察される前記貫通孔が作る気孔断面積よりも、タイル内部の中央の前記貫通孔が作る気孔断面積の方が大であるようにした陶磁器質タイルである。

    本発明によれば、特に夏期のベランダ、テラス等に太陽が長時間照りつけている状態における打ち水時のタイル表面の温度低下を比較的長く保持できるせっ器質タイルが提供される。

    実施例1で得たせっ器質タイルの断面の顕微鏡写真である。

    比較例1で得たせっ器質タイルの断面の顕微鏡写真である。

    実施例1で得たせっ器質タイルの表面の顕微鏡写真である。

    陶磁器質タイル
    本発明による陶磁器質タイルは、打ち水時のタイル表面の温度低下を比較的長く保持できる。 本発明によるタイルの上述のような意外な効果が得られる理由は定かではないが、それは以下の通りと考えられる。 しかし、以下の説明はあくまで仮説であり、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。

    従来の発泡タイルでは発泡ガス成分が焼成によりタイル外部へ抜けていくときに、ガス化は特定の昇温温度域で生じるために発泡材のサイズに応じた気孔が表面に向けて形成される。 その際にその逃げ道を構成する素地成分は圧縮されるために逆に逃げ道以外の部分は焼結されやすくなる。 そうしてこのようなタイルでは、表面に、発泡材に由来する孤立した大きな気孔と、焼結が進行している部分に対応する水が入り込みにくい非常に小さな気孔や閉気孔しかない緻密な部分が生じる。 このような構成だと打ち水後の気化に寄与する気孔は孤立した大きな気孔のみとなり、気孔率の大きな割には高い気化潜熱を確保できない。 また気孔の内部構造と外部構造の差がほとんどないために、比較的早く打ち水効果が消失してしまう。 それに対して、本発明によるせっ器質タイルにあっては、貫通孔を有し、焼成体内部の気孔が大きく(すなわち細孔表面積が小さい)、かつ焼成体表面の気孔は細長形状に狭くなるように構成されているので、打ち水に寄与しうる気孔の比率が増加するとともに、内部に比較的長く保水される状態を維持することが可能となる。 その結果、打ち水時のタイル表面の温度低下を比較的長く保持できるようになる。

    本発明の好ましい形態によれば、前記貫通孔の細長形状の気孔の幅は、10μm以上40μm以下であるようにする。 気孔の幅が10μm以上であることで充分な気化量を確保でき、40μm以下であることで毛細管力により内部に一定時間保水される。

    本発明の好ましい形態によれば、前記タイルの水銀圧入法による細孔表面積が0.1m /g以上0.5m /g以下である。 細孔表面積がこの範囲にあることで、打ち水効果の保持に寄与しうる気孔の比率を増加させることができる。 より具体的には、0.1m /g以上であることで打ち水がタイル板厚方向下方に速やかに透水してしまう現象を有効に防止でき、0.5m /g以下であることで貫通孔における焼成体内部の気孔径を十分大きな状態にできる。

    本発明の好ましい形態によれば、充分な保水量を確保する観点から、前記タイルの煮沸法による吸水率は5%以上15%以下であるようにする。

    本発明の好ましい形態によれば、前記タイルに250Wの赤外線ランプを60分照射したときの保水量(重量)を照射前後の重量変化で除した値が0.35以上0.50以下であるようにする。 上記値を0.35以上とすることで、夏場に表面温度が50℃以上まで上昇するようなベランダ床やテラス床で利用される場合に、本発明によるタイルは、その表面の温度を打ち水により低めた状態を比較的長く維持することができる。 また、上記値を0.50以下とすることで、夏場に表面温度が50℃以上まで上昇するようなベランダ床やテラス床で利用される場合に、本発明によるタイルは、その表面の温度を打ち水により効果的に低下させることができる。

    本発明の好ましい形態によれば、表面温度27℃の前記タイルに250Wの赤外線ランプを照射したときの、50℃到達時間が50分以上であるようにする。 これにより、夏場に表面温度が50℃以上まで上昇するようなベランダ床やテラス床で利用される場合に、本発明によるタイルは、打ち水により表面温度を効果的に下げ、かつ下げた状態を比較的長く維持することができる。

    本発明の好ましい形態によれば、前記タイルに250Wの赤外線ランプを60分照射したときの、照射前に対する照射後の水保持率が0.26以上であるようにする。 ここで、照射後の水保持率とは、照射後の保水量(重量)を照射前の保水量(重量)で除した値である。 上記値が0.26以上であることで、夏場に表面温度が50℃以上まで上昇するようなベランダ床やテラス床で利用される場合に、本発明によるタイルは、その表面の温度を打ち水により低めた状態を比較的長く維持できる。 また、上記値が0.40以下であることで、夏場に表面温度が50℃以上まで上昇するようなベランダ床やテラス床で利用される場合に、本発明によるタイルは、その表面の温度を打ち水により効果的に低下させることができる。

    本発明の好ましい形態によれば、前記タイルに250Wの赤外線ランプを60分照射後蒸発潜熱の照射前の蒸発潜熱に対する比を0.25以上0.40以下にする。 ここで、蒸発潜熱は、保水重量とタイル表面温度から算出した。 尚、100℃の水の蒸発熱は539g/calとした。 上記値を0.25以上とすることで、夏場に表面温度が50℃以上まで上昇するベランダ床やテラス床で利用される場合に、本発明によるタイルは、その表面の温度を打ち水により低めた状態を比較的長く維持することができる。 また、上記値を0.25以下とすることで、夏場に表面温度が50℃以上まで上昇するベランダ床やテラス床で利用される場合に、本発明によるタイルは、その表面の温度を打ち水により効果的に低下させることができる。

    本発明の好ましい形態によれば、水銀圧入法による気孔の小さいほうから10%径が2.2μm以下、0.2μm以上である。 ここでいう気孔の小さいほうから10%径とは、全気孔のうち径の小さなものから順にみたときに、気孔全体のうち体積で10%の位置に存在する気孔の径、という意味である。 水銀圧入法による気孔の小さいほうから10%径が2.2μm以下であることで、保水と気化のバランスが取れた多孔構造となり、ベランダ床やテラス床で利用されるタイル表面の温度を打ち水により効果的に低下させつつその温度を打ち水により低めた状態を比較的長く維持できる。 また、水銀圧入法による気孔の小さいほうから10%径が0.2μm以上、より好ましくは0.3μm、最も好ましくは0.5μm以上であることで、上記双方の効果に寄与しない微細気孔量を最小限に止めることができる。

    上述してきた本発明のタイルは、特にベランダやテラスで好適に利用できる。 特にその床タイルとして利用すると、本発明の効果をより充分に享受できる。

    タイルの製法
    本発明のタイルの製法は、例えば、焼成化度の異なる複数の素地(せっ器質素地と磁器質素地)を均一に混合した素地に、必要に応じてシャモットを配合した素地を成形し、焼成により焼失して気孔を生じさせる成分または焼成により発泡して気孔を生じさせる成分、例えばクリンカアッシュまたはフライアッシュ等の気孔付与剤は実質的に配合せずに焼成することで得られる。 また、上述の本発明によるタイルが好ましくは持つ物性、例えば細孔表面積が0.1m /g以上0.5m /g以下、焼成温度吸水率を5%以上15%以下、水銀圧入法による気孔のメジアン径が2〜10μmであり、かつ水銀圧入法による気孔の小さいほうから10%径が1μm以上、水銀圧入法による細孔表面積S(m /g)と、前記タイルの水銀圧入法による細孔体積(cc/g)との比S/Vの値を10以下とすることは、それぞれ上記原料配合を調整し、または焼成条件を選定することにより達成できる。

    実施例1.
    せっ器質杯土45質量部、磁器質杯土45質量部、シャモット10質量部からなる原料素地をプレス成型してタイル生成形体を作製後、ローラハースキルン中で1200〜1300℃で焼成することにより試料を得た。

    比較例1.
    せっ器質杯土35質量部、磁器質杯土40質量部、シャモット10質量部、クリンカアッシュ15質量部からなる原料素地をプレス成型してタイル生成形体を作製後、ローラハースキルン中で1200〜1300℃で焼成することにより試料を得た。

    得られた試料について、ポロシメータ(水銀圧入法)により、細孔表面積S(m /g)、気孔のメジアン径D50(μm)、気孔の小さいほうから10%径D10(μm)、細孔体積V(cc/g)、細孔表面積S(m /g)と前記タイルの水銀圧入法による細孔体積(cc/g)との比S/V(m /cc)を求めた。 結果を表1に示す。

    さらに実施例1および比較例1の試料の断面を電子顕微鏡で観察した。 その電子顕微鏡写真は図1および図2に示されるとおりであった。 図1では、表面および内部で細長い気孔が多く観察され、かつ内部に大きな気孔が多数存在するのが観察された。 それに対して、図2では独立した大きな円い気孔も観察された。

    さらに、実施例1の試料の表面を電子顕微鏡で観察した。 その電子顕微鏡写真は図3に示されるとおりであった。 図1と図3との比較により、実施例1では板部表面よりも中央部のほうが断面観察される気孔体積が増加していることがわかる。

    また、実施例1について、試料表面にロートを接着し、乾燥後赤インクを80ml注入する浸透試験を行ったところ、2日後に試料裏面から赤インクの滴下が観察され、貫通孔があることが判明した。 また、比較例1についても同様の試験を行ったが、2日後の試料裏面からの赤インクの滴下は確認されなかった。

    また、実施例1および比較例1の100タイルを80℃の乾燥器に入れその後30分、水に浸漬させた。 その時のタイル表面の温度は、各々27℃であった。

    その後、浸漬させた各試料を湿度40%の条件下で250Wの赤外線ランプで60分照射し、それぞれの試料で表面温度を測定したところ、実施例1は49℃であり、比較例1では58℃となり、両者には開きが認められた。

    さらに、この条件で、保水量(重量)を照射前後の重量変化で除した値は、実施例1では0.42であり、比較例1では0.33であった。

    さらに、この条件での、60分照射後の水保持率は、実施例1では0.30であり、比較例1では0.25であった。 ここで、照射後の水保持率とは、照射後の保水量(重量)を照射前の保水量(重量)で除した値である。

    さらに、この条件での、250Wの赤外線ランプを60分照射後蒸発潜熱の照射前の蒸発潜熱に対する比は、実施例1では0.28であり、比較例1では0.23であった。 ここで、蒸発潜熱は、保水重量とタイル表面温度から算出した。 なお、100℃の水の蒸発熱は539g/calとした。

    また、浸漬させた各試料を湿度40%の条件下で250Wの赤外線ランプで120分照射し、それぞれの試料で表面温度を測定した場合も、実施例1は57℃であり、比較例1では64℃となり、両者には開きが認められた。

    また、浸漬させた各試料を湿度40%の条件下で250Wの赤外線ランプで照射し、それぞれの試料で表面温度が50℃となる時間を測定したところ、実施例1は65分であり、比較例1では40分となり、両者には開きが認められた。

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