セメント接着しスキン付けしたセラミックハニカム構造体の作製方法

申请号 JP2014521636 申请日 2012-06-27 公开(公告)号 JP6031103B2 公开(公告)日 2016-11-24
申请人 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー; 发明人 ポール・シー・ヴォセプカ; ジュン・カイ; アシシュ・コティシュ;
摘要
权利要求

多孔質セラミックハニカム構造にセメント質層を塗布する方法であって、 (a)セラミックハニカムの少なくとも1つの多孔質面にセメント組成物を塗布するステップであって、前記セラミックハニカムは、多孔質壁の交差により定義される複数の軸方向に延在するセルを含有する、ステップと、 (b)前記ハニカムとセメント組成物を焼成するステップとを含み、 前記セメント組成物は、少なくとも1つの無機結合剤、少なくとも1つの無機充填材、キャリアー液、及び有機ポリマー粒子を含有し、前記有機ポリマー粒子は、前記キャリアー液に分散する、25ナノメートルから250ナノメートルまでの大きさを有する、方法。前記セメント組成物は、前記有機ポリマー粒子を1〜5重量%含有し、前記有機ポリマー粒子はラテックス形態で提供され、前記ラテックスは乳化重合の産物であり、前記ラテックスは少なくともpH7である、請求項1に記載の方法。前記セメント層は、前記セラミックハニカム上に外周スキンを形成する、請求項1に記載の方法。

说明书全文

本願は、2011年7月22日に出願した米国仮特許出願第61/510,811号の優先権を主張する。

本発明は、セラミックハニカム構造体を作製する方法に関する。

薄壁およびオープンエンドセルを有するハニカム構造体は、フィルターおよび触媒担体用途に広く使用されている。ハニカム構造体は、粒子(すす粒子など)および/またはエアロゾル液滴をろ過することにより、燃焼ガスを処理するため、またはある排気成分(NOxなど)の穏やかな化合物(N2およびH2Oなど)への転換を触媒する触媒物質のキャリアーとして頻繁に使用される。これらのハニカム構造体は、セル壁が多孔質であり、この構造体を使用する際にこの壁を介してガスが通過するため、しばしば「ウォールフロー」装置と呼ばれる。この流体が、この多孔壁を通過する際に濾過される、および/または、活性触媒物質と接触する。

燃焼ガスを処理するために使用するハニカムは、使用する間は高温であるため、一般にセラミック物質から作製される。

セラミックハニカムは、押出法で作製される。前駆体物質、液体(一般に)、通常は、ポロゲンおよび1つ以上の結合剤の押出可能な混合物を、ダイを介して押し出し、所望のハニカム構造体を有する素地を形成する。その後、この素地を1つ以上のステップで焼成し、セラミックハニカムを形成する。

セメントは、通常、主に2つの理由からハニカムに塗布される。第1に、セラミック「スキン」は、通常、このハニカム構造体の周辺部に塗布される。このことにより、このハニカムの側面からガスが流出することを防ぐ。この「スキン」は、無機結合剤および通常いくつかのセラミックファイバを含むセメント物質を焼成することにより、作製される。第2に、場合によっては、2つ以上のより小さなハニカムをセメント接着してより大きなハニカム構造体を形成する。このことにより、作製することがより簡便であるより小さな断片から、より大きなハニカムを構成することが可能となる。この処理による別の利点として、通常、この方法により作製したハニカムの断片は、1枚のハニカムよりも熱衝撃に抵抗を有する。この「スキン」のようなセメント組成物は、無機結合剤を含み、かつ焼成されてこの接着部を作製する。

スキンまたはセメント塗布工程の間、この結合剤は、毛管作用により、ハニカム構造体の孔を介してこの結合剤が移動し、隣接したセルへと浸透する。このセラミック混合組成物を焼成する際に、このような方法で移動した結合剤は、これらのセルを部分的にまたは完全に阻害する。このことによりいくつか問題が生じる。阻害された、または部分的に阻害されたセルならびにハニカム構造体の全体にわたって圧低下が顕著となる。したがって、フィルターを介してガスに圧力をかけるさらなる作業が必要となる。燃焼エンジン環境では、これが燃料効率の損失となる。

さらに、阻害した、または部分的に阻害したセルにより、いくつかの方法におけるフィルターの熱ロバスト性が低下する可能性がある。この阻害が、影響されるセルを介してガスフローを低減させ、このことにより、局所的に高いまたは低い温度およびフィルターを介したより高い温度の温度勾配となる可能性がある。この阻害した、または部分的に阻害したセルにより、捕捉したすす粒子または他の粒子がフィルターを介して非均一に分散される。さらに、セメント部からハニカム基材に移動する無機結合剤が存在するため、このハニカム基材の弾性係数は局所的に高くなる。このことにより、フィルターの局部での熱衝撃の特性が低減した物質となる。これら全ての要因により、機械的および/または熱的な障害が起こりやすくなる可能性がある。

また、阻害した、または部分的に阻害したセルにおいて必要な再生温度を発現させることがより困難となるため、阻害した、または部分的に阻害したセルの再生効率が低下する。

したがって、ハニカム構造体のセル内への結合剤の移動を低減させる、経済的かつ効率的な方法を見出すことが求められている。

達成されている1つの方法として、ハニカム壁の孔を介した結合剤の移動を阻害する物理的障壁を導入することが挙げられる。この手法により、ポリマーコーティングを、セメント部を適用したハニカム構造体の表面に適用する。続いて、セメント部をポリマーコーティング上に適用し、このセメント部を焼成する際または焼成する前に、このコーティングをバーンオフする。この手法は効果的ではあるが、実行するためにいくつかの追加的な処理ステップ(ポリマーコーティングの使用および乾燥)を必要とし、結果的に生産コストが増加する。より費用の安く効果的な、結合剤の移動を防止する手法が求められている。

本発明は、多孔質セラミックハニカム構造にセメント質層を塗布する方法であって、(a)多孔質壁の交差により定義される複数の軸方向に延在するセルを含有するセラミックハニカムの少なくとも1つの多孔質面にセメント組成物を塗布するステップ、(b)前記ハニカムとセメント組成物を焼成するステップとを含み、前記セメント組成物は、少なくとも1つの無機結合剤、少なくとも1つの無機充填材、キャリアー液、及び前記キャリアー液に分散する約10ナノメートル〜100ミクロンの大きさの有機ポリマー粒子を含有する。

セメント組成物中に少量の有機ポリマー粒子が存在することにより、ハニカム壁の孔を介した無機結合剤の移動が、非常に効果的に低減することが見いだされた。結果として、セルの阻害が起こりにくくなり、この阻害に関連した課題が軽減される。驚くべきことに、この結果により、従来の工程のように、ポリマー層をハニカムに塗布し、セメント組成物を塗布する前に乾燥させる必要がない。代わりに、セメント組成物中にポリマー粒子が存在することにより、結合剤の移動が十分に低減した。結合剤の移動が低減することにより、セルの阻害が起こりにくくなり、同様に、フィルターを介した圧力低下が小さくなり、使用および/または再生されるハニカムの温度勾配が小さくなる。結合剤の移動が低減することにより、ハニカム基材モジュールの弾性係数は、ほとんどまたは全く増加せず、ハニカムの熱衝撃の抵抗性は、著しく悪化するものではない。

このセラミックハニカムは、ハニカム体の全長にわたって軸方向に延在する多重セルを有する点に特徴がある。同様に、このセルは、ハニカムの全長にわたって軸方向に延在する複数の交差する壁により定義される。この壁および交点は、断面形状および寸法と同様にセルの数を画定する。濾過または触媒に多く有用されている典型的なハニカムは、断面(すなわち、このセルの縦方向の延在に対して横切る)領域に25〜1000セル/平方インチ(約4〜150セル/平方センチメートル)を含む。壁の厚さは、通常、0.05〜10mm、好ましくは、0.2〜1mmであるが、これより大きい、または小さい壁厚さを使用してもよい。

このセラミックハニカム壁は多孔質である。この壁の多孔率は、5容量%程度に低く、または90容量%程度に高くてもよい。好ましい多孔率は、少なくとも25容量%、より好ましい多孔率は少なくとも40容量%であり、かつさらにより好ましい多孔率は、少なくとも50容量%である。多孔率を、様々な浸漬または水銀圧入法により測定することができる。この壁孔の体積の容量平均孔直径は、少なくとも5ミクロン、特には、少なくとも10ミクロン、最大50ミクロン、最大35ミクロン、または最大25ミクロンである。「孔直径」(円柱形の孔とみなす)は、水銀圧入法により測定される明確な容量の平均孔直径として本発明に使用される。

このセラミックハニカムは、1枚(すなわち、単一のピースで形成された)であってもよく、またはより小さなハニカムをそれぞれ製造し、その後、共にアセンブルしたアセンブリであってもよい。このようなアセンブリのセラミックセメントは、いくつかの実施形態において、本明細書に記述するような焼成したセメント組成物である。

このセラミックハニカムは、アルミナ、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、オキシ窒化ケイ素、炭窒化ケイ素,ムライト、コーディエライト、βスポジュメン、チタン酸アルミニウム、ストロンチウムケイ酸アルミニウム、またはリチウムケイ酸アルミニウムから作製されてもよい。好ましい実施形態において、セラミックハニカムの少なくとも一部は、ムライト針晶である。いくつかの実施形態において、ムライト針晶のハニカムは、針晶の針状の構造を形成するために、フルオロトパーズを分解した後に残留する少なくとも0.5重量パーセントの残留フッ素を含む。

このセメント組成物は、少なくとも1つの無機結合剤、少なくとも1つの無機充填剤、キャリアー液、およびこのキャリアー液に分散した約10ナノメートル〜100ミクロンの寸法を有する有機ポリマー粒子を含む。

適切な無機結合剤は、このセメント組成物を焼成する際にガラス状の結合層を形成する物質である。コロイドシリカ、コロイドアルミナ、またはコロイドシリカおよびコロイドアルミナの混合物が適切な結合剤とされる。

無機結合剤は、セメント組成物の固体部分の10〜70重量%、好ましくは15〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%から構成される。この組成物の「固体」は、焼結ステップが完了した後に残存する無機物質である。

無機充填剤の粒子は、セメント組成物を焼成する際に結合層を形成しない物質であり、したがって、このセメント組成物の無機結合剤の成分と区別される。焼成ステップの間中、無機充填剤の粒子は本来のまま保持されるが、他の粒子または無機ファイバに対する結合層に結合し得る。

この充填剤の粒子は、非結晶質、部分的に結晶質、または完全に結晶質である。

この無機充填剤の粒子は、ガラスにより囲まれた結晶相を含んでもよい。この充填剤の粒子は、セラミックハニカムの熱膨張係数にほぼ一致する係数を有していてもよい。充填剤の粒子は、たとえば、200℃〜600℃の範囲の温度で、2ppm/℃以下、好ましくは1ppm/℃以下によりセラミックハニカムの平均熱膨張係数と異なる係数を有していてもよい。いくつかの実施形態において、この充填剤の粒子は、セラミックハニカムとして同一の物質であってもよい。

適切な無機充填剤の粒子は、レアアース、ジルコニウム、鉄、ホウ素、およびアルカリ土類などの他の要素をも含んでいてもよいアルミン酸塩、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩を含む。無機充填剤の粒子として使用することのできるアルミン酸塩、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩の例として、アルミナ、ホウケイ酸ガラス、クォーツ、Eガラス、Sガラス、炭化ケイ素、窒化ケイ素,ムライト、コージェライト、ケイ酸アルミナ、アルミナジルコニアケイ酸塩、ストロンチウムケイ酸アルミニウム、リチウムケイ酸アルミニウム、ウォラストナイト、玄武岩、およびチタン酸アルミニウムが挙げられる。

他の適切な無機充填剤の粒子に、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化アルミニウム、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、オキシ窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、コージェライト、βスポジュメンなどが含まれる。

この無機充填剤の粒子は、少なくとも部分的に、100ナノメートル〜20ミクロンの直径および少なくとも10、好ましくは少なくとも20の(最も長い寸法を最も短い寸法で割る)アスペクト比を有したファイバの形体であってもよい。好ましいファイバの直径は、0.5〜10ミクロンである。より好ましいファイバの直径は、3〜10ミクロンである。このような無機ファイバの平均長は、100ミクロン〜130ミリメートルまたはそれ以上の範囲であってもよい。本発明のいくつかの実施形態において、本質的に全てのファイバは、1mm未満の長さである。他の実施形態において、このファイバは、二頂または多頂の長さ分布を有し、このファイバの一部は、100〜1000ミクロンの平均長の短いファイバであり、ファイバの他の一部が少なくとも1ミリメートル、好ましくは1〜100ミリメートル、好ましくは2〜100ミリメートル、さらにより好ましくは5〜30ミリメートルの平均長である長いファイバである。このような実施形態において、好ましくは、長いファイバは、この無機ファイバの総重量の1〜50、より好ましくは3〜30、さらにより好ましくは5〜25重量パーセントから構成される。

有益な無機性ファイバの例として、Unifraxから得られるようなムライトファイバ、Unifraxから得られるようなアルミナジルコニウムケイ酸塩、Saffilから得られるような最大10重量%のケイ酸を含むアルミナファイバ、3Mから得られるようなNextel 312またはNextel 610ファイバなどのγアルミナおよびαアルミナ+ムライトファイバ、3Mから得られるようなNextel 440ファイバなどのγアルミナ+ムライト+非結晶質SiO2ファイバ、3Mから得られるようなNextel 550ファイバなどのγアルミナ+非結晶質SiO2ファイバ、サンゴバンから得られるようなクオーツファイバ、EガラスもしくはSガラス、Mo−SiCから得られるようなホウケイ酸塩ファイバ、Albarrieから得られるような玄武岩ファイバ、Fibertecから得られるようなウォラストナイトファイバなどが挙げられる。

無機充填材粒子は、その代わりにまたはさらに、アスペクト比10未満、好ましくは、2未満の粒子を含み得る。それら無機充填材粒子は、セメント組成物の無機結合剤組成物とは異なり、セメント組成物の無機結合剤組成物を含まない。

無機ファイバ及びアスペクト比の低い無機充填材粒子の混合物が存在し得る。

骨材の無機充填材粒子は、セメントの固体に対し、約30〜90重量%で構成され得る。好ましい量としては、固体に対し50〜85重量%であり、より好ましい量は、固体に対し60〜80重量%である。前述したように、組成物中の「固体」は、焼成ステップの完了後に残る前記無機物質である。多くの場合、固体は、無機充填材粒子及び無機結合剤で構成されるであろう。キャリアー液及び有機物質(有機ポリマー粒子を含む)は、一般的に、焼成ステップの間に、セメントからなくなる。従って、「固体」は、それら物質を多量に含まない。

セメント組成物は、また、キャリアー液をも含む。キャリアー液と無機結合剤との混合物は、無機充填材粒子及び有機パリマー粒子が分散すると、ペーストまたは粘性流体を形成する。セメント組成物が流体または半流体の性質であることにより、容易に塗布及び焼成ステップが完了するまでしっかりと下部のハニカムに接着することが可能となる。キャリアー液は、例えば、水または、無機結合剤、無機充填材粒子及び有機ポリマー粒子に分散性がある場合、有機液体であり得る。適切な有機液体は、アルコール、グリコール、ケトン、エーテル、アルデヒド、エステル、カルボン酸、カルボン酸塩化物、アミド、アミン、ニトリル、ニトロ化合物、硫化物、スルホキシド、及びスルホンなどを含む。脂肪族、不飽和脂肪族(アルケン及びアルキンを含む)および/または芳香族炭化水素を含む炭化水素は、有用なキャリアーである。好ましくは、キャリアー液は、アルコール、水、またはその組み合わせである。アルコールを使用する場合、好ましくは、メタノール、プロパノール、エタノール、またはその組み合わせである。水は、最も好ましいキャリアー液である。

セメント組成物は、結合剤粒子を十分に湿らせ、無機充填材粒子及び有機ポリマー粒子に分散性がある場合、ペーストまたは粘性流体を産する量のキャリアー液を含有する。#6 スピンドル(#6 spindle)を用いて、25℃、5rpmで計測した際の有用なブルックフィールド粘度は、通常、少なくとも約5、10、25、50、75または、100Pa・sちょうどである。セメント組成物は、剪断減粘挙動を示すことがあり、その結果、剪断性が高い場合、その粘性は低下する。セメント組成物におけるキャリアー液(ブレンダおよび/または有機ポリマー粒子とともにもたらされ得る任意のキャリアー液を含む)の総量は、一般的に、組成物全体に対して、約25重量%〜最大約90重量%である。キャリアー液の好ましい量は、組成物全体に対して、40〜70重量%である。

有機ポリマー粒子は、セメント組成物に対し、約0.5〜約85%、好ましくは約1〜10%、より好ましくは、1〜5%で構成される。有機ポリマー粒子は、適宜、少なくとも10ナノメートル、好ましくは少なくとも25ナノメートルの粒子径を有する。有機ポリマー粒子は、好ましくは約100ミクロンほどの大きさであり、より好ましくは約10ミクロンほどの大きさである。特に好ましい粒子径は、約25〜250ナノメートルである。

有機ポリマー粒子は、キャリアー液への分散性があるが、キャリアー液へ溶解しない任意の有機ポリマーのものであり得る。ポリマーは、非架橋型、架橋型、分岐型であり得る。適切なポリマーの例としては、例えば、アクリルエステルおよび/またはメタクリル酸エステルのポリマー及びコポリマー、ヒドロキシアルキルアクリレートおよび/またはメタクリレートのポリマー、アクリルアミドのポリマー及びコポリマー、n−メチロールアクリルアミドのポリマー及びコポリマー、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、シアノスチレン、アセチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、及び他のハロスチレンなどのようなビニル芳香族モノマーのポリマー及びコポリマー、アクリロニトリルのポリマー及びコポリマー、酢酸ビニルのポリマー及びコポリマー、様々なポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、実質的に直鎖状であるポリエチレンなど)、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−高級α−オレフィンコポリマー、及びエチレン−プロピレン抱合ジエンターポリマーを含む様々なポリオレフィン、ブタジエンのポリマー及びコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリウレタン、ポリエレタン−尿素、塩化ビニルおよび/または塩化ビニリデンのポリマー及びコポリマー、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、及びフマル酸など不飽和カルボン酸のポリマー及びコポリマーを含む。

便宜上、有機ポリマー粒子は、ラテックス(すなわち、液相への分散)状態で提供される。このような場合、液相は通常、セメント組成物のキャリアー液の全てまたは一部を形成するであろう。有機ポリマー粒子は、乳化重合工程の産物であり得る。あるいは、有機ポリマー粒子は、溶解分散工程で、または液相への粉末粒子の分散により生成され得る。ラテックスは、分散有機ポリマー粒子に対し、約5〜70重量%、好ましくは30〜65%含有されることが適している。好ましいラテックスは、少なくともpH7、より好ましくはpH8〜最大pH10、好ましくは、約pH9.5までである。

適切なラテックスの例、及びその調整方法の例は、米国特許第3,404116号、米国特許第3,399,080号、米国特許第6,720,385号、及び米国特許第6,753,355号、並びに国際公開公報第01/055237号、国際公開公報第01/088007号、国際公開公報第08/077118号、国際公開公報第07/078536号、及び国際公開公報第09/045731号に記載される。

セメントは、無機結合剤、無機充填材粒子、有機ポリマー粒子、及びキャリアー液に加え、他の有用な成分を含有し得る。有機結合剤または可塑剤は、セメント組成物に所望の流動特性を提供することができ、好ましくはそのために存在する。結合剤は、離散型粒子の形態では存在せず、好ましくはキャリアー液に溶解する。適切な結合剤及び有機可塑剤の例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースエステル、及びカルボキシメチルセルロースなどセルロースエステル、ポリエチレングリコール、脂肪酸、及び脂肪酸エステルなどが含まれる。

他の任意の成分は、「Introduction to the Principles of Ceramic Processing」(J.Reed、John Wiley及びSons、NY、1988)の第10〜12章に記載されるもののような分散剤、解膠剤、凝集剤、消泡剤、潤滑剤及び防腐剤を含む。セメント組成物は、また、1つまたは複数のポロゲンをも含有し得る。ポロゲンは、特に、加熱し、非晶相を形成した後、スキンに空隙を生じさせるため添加される物質である。通常、それらは、分解、蒸発、もしくは、薄層を溶解または形成することなく、加熱ステップまたは焼成ステップにおいて、揮発させる複数の方法で、空隙を残す粒子である。例としては、小麦粉、木粉、カーボン粒子(非晶質又はグラファイト)、ナッツ殻粉、またはこれらの組み合わせが含まれる。

セメント組成物は、前述の成分の単なる混合により、または任意の便宜的な手順で調製することができる。

セメント組成物は、ハニカムにおける少なくとも1つの多孔質面に塗布される。セメント組成の塗布手段は、決定的ではないが、組成物を所望の厚さに塗布することができる任意の適切な方法が適している。セメントは、手動で、または様々な種類の機械装置を用いて塗布され得る。セメント組成物は、減圧下で塗布され得、塗布工程の間、キャリアー液を容易に除去することができる。

セメント組成物が、複数の部分(複数のハニカムなど)をより大きな構造体に取り付ける際、セメントは、任意の便宜的な手段で、取り付けられる部分の1つまたは複数の部分の表面に塗布され、その後、その部分の隣接する表面間に挿入されるセメント組成物とその部分が接合される。焼成の際、乾燥したセメントの継ぎ目がその部分の間に形成され、それらは互いに接着される。

セメント組成物がハニカム(またはハニカムを含有する構造体)上の外面のスキンを形成するために使用されるものである場合、組成物は、ハニカム外面の部分に少なくとも塗布される。通常製造されるセラミックハニカムは、外表面の「スキン」を有し、それは、単に、ハニカム構造の外面セルの外部セル壁であり得る。一般的に、そのようなスキンは、本発明に記載されるように、取り外し可能なスキンを塗布する前に除去されることが好ましい、少なくともハニカムの外面セルの外部壁は除去される。より一般的には、「スキン」の除去は、より一般的な成形工程の一部であり、セラミックハニカムの外部は、その断面形状及び直径を必要な仕様にするため除去される。セラミックハニカムから外面部を除去する前記ステップは、除去ステップが完了した後、ハニカムの外面に残る軸方向に延在するセルの内部を露出させる。その後、セメント組成物は、ハニカムの新たに露出した外面の少なくとも一部に塗布される。

ハニカムの外面は大抵平滑ではなく、多くの場合、ハニカムの外面近辺の軸方向に延在するセルの特定の部分は、セメント組成物がスキンを形成するため塗布される前には、開放されているであろう。セメント組成物は、通常、それら開放されたセルを充填し、やや平滑な外面を形成する手段で塗布されるであろう。従って、通常、スキンの厚さは変化するであろう。この厚さの点において、塗布されたスキンは、少なくとも厚さ1mmであるべきであり、厚さ25mmにもなり得る。

セメント組成物は、ハニカムへ塗布された後、焼成される。焼成ステップは、キャリアー液、有機ポリマー粒子及び他の有機物質(任意のポロゲンを含む)をセメントから除去する。無機結合剤は、焼成ステップの間、結合剤相を形成する。結合剤相は、無機粒子と互いに結合し、塗布されたセメント層を下部のハニカム構造に結合する。

焼成ステップは、少なくとも600℃の温度で行われ、ハニカムが軟化し、劣化する温度よりも低い高温で行うことができる。焼成温度は、少なくとも800℃であり得る、1500℃以上の焼成温度は、通常必要とせず、1200℃以下の焼成温度が好ましい。好ましい焼成方式としては、室温から焼成温度まで20℃/分以下、好ましくは10℃/分以下、より好ましくは5℃/分以下の速度で加熱される。段階的な加熱速度は、熱衝撃の防止の一助、またキャリアー液及び任意の有機物質(ポリマー粒子を含む)を除去する時間の提供の一助ともなる。望ましくは、構造体は、1つまたは複数の中間温度または最大温度で一定期間維持され得る。これは、例えば、キャリアー液、有機ポリマー粒子、有機結合剤および/またはポロゲンを複数の所定の手順で除去するため、いくつかの化学反応への移行を可能にするため、または他の理由のために望ましい。

焼成ステップの間生じ得る化学感応の例としては、セメント組成物の成分からのムライトの生成がある。ムライトの形成は、1つまたは複数のケイ素及びアルミネート原子がセメント組成物中に存在することが必要である。コロイドシリカ及びコロイドアルミニウムは、それぞれ工程ソースであるケイ素及びアルミニウム原子で形成される。コロイドシリカがそれ自体、結合剤相を形成するために使用される場合、セメント組成物は、アルミニウム原子の別の複数のソースを含有しなければならない。前記ソースは、通常、必須であるアンモニウム原子に加え、ケイ素原子を含有し得る無機充填材粒子であり得る。同様に、コロイドアルミナがそれ自体、結合剤相を形成するために使用される場合、セメント組成物は、繰り返しとなるが、通常、無機充填材粒子である、ケイ素原子の別の複数のソースを含有しなければならない。2つ目の場合、無機充填材は、必須とされるケイ素原子に加え、アルミニウム原子を含有しなければならに。それらケイ素及びアルミニウム原子のソースは、焼成ステップの間、ムライトを形成する反応を行うことができる。それらソース物質は、フッ素ソースの存在下、(通常600〜900℃の温度で)加熱される場合、針状ムライトを形成し、フルオロトパーズを形成し得、その後、少なくとも900℃、好ましくは少なくとも1000℃、より好ましくは少なくとも1100℃で加熱され、フルオロトパーズを分解し、針状ムライトを形成する。フッ素ソースは、例えば、SiF4、AlF3、HF、Na2SiF6、NaF、NH4F、フッ化ポリエチレンまたはポリテトラ不ルオロエチレンなどのフッ化ポリマー、針状ムライトハニカムに含有されるフッ素残渣、またはそれらの2つ以上の混合物であり得る。

あるいは、またさらに、焼成ステップは、下部フィルターおよび/または最終部分に必要な他の加熱処理ステップと同時に行われ得る。針状ムライトハニカムは、例えば、いくつかのフッ素残渣を含有しやすい。フッ素の量は、針状ムライトの重量に対し、0.5〜約3重量%で構成され得る。従来の手順において、このフッ素残渣は、好ましくは、空気または酸素存在下で、少なくとも1200℃、好ましくは少なくとも1400℃でハニカムを加熱することにより除去される。本発明の焼成ステップは、針状ムライトハニカムからのフッ素残渣の除去と同時に行なうことができる。

焼成されたセメントは、好ましくは、下部セラミックハニカムよりも著しく低い弾性係数を有する。焼成されたセメントの弾性係数は、例えば、ハニカムにおけるセラミック物質のものに対し、3〜35%の範囲であり得る。このような低係数は、再構築間、ハニカムの加工熱応力を減少させると信じられている。焼成されたセメントの係数は、セメント組成物から8mm×4mm×40mmテストバーを形成し、テストバーを焼成し、ASTM規格C 1259−98、Standard Test Method for Dynamic Young’s Modulus、Shear Modulus、及びPoisson’s Ratio for Advanced Ceramics by Impulse Excitation of Vibrationに準拠したGrindosonic衝撃励起装置を用いて係数を計測することにより評価することができる。

焼成ステップの間、セメント組成物中の有機ポリマー粒子の存在により、下部ハニカム構造の壁へのセメントの浸透を減少させる。言い換えれば、これは、使用時および/または再生時に、フィルターを通る圧力降下及びハニカム内の温度勾配の減少を導き、セル閉塞を減少させる。また、セメント組成物の有機ポリマー粒子の存在により、従来のセメント組成物をセラミックハニカムに塗布し焼成した際観察されることがある熱衝撃抵抗の損失を減少させることも発見されている。

有機ポリマー粒子がそれら利点を提供する機構は、完全には分かっていない。本発明はこの論理に限定する訳ではないが、1つの説明としては、ハニカム構造の壁における孔を閉塞させ、セメント組成物の無機結合剤部分の浸透に対する物理的な障壁を提供することが挙げられる。有機ポリマー粒子は、例えば、一部pHの効果により、一部または全ての無機結合剤粒子に結合、被覆および/または凝集し、それらの移動を阻害し、そのため、セラミックハニカムの孔への浸透力を阻害する。ラテックス体へのポリマー粒子の添加は、セメント組成物の粘度を増加させ、したがって、ハニカム壁の孔へのその浸透を阻止し得る。有機ポリマー粒子は、塗布および/または焼成ステップの間、凝集し、および/または一時的なフィルムを形成し、再び、セメントの孔への流れを完全にまたは部分的に阻害する。有機ポリマー粒子の代わりに、セメント組成物は、それでもなお、ハニカムと強く接着結合を効果的に形成する能力を維持する。

本発明に従い製造されるハニカムは、特に、パワープラント(移動型または定置型)排気ガスから微粒子を除去するための微粒子フィルターとして使用することができる。この種類の特定のアプリケーションは、内燃エンジン、特にディーゼルエンジン用のすすフィルターである。

様々な方法を使用して、セメント組成物を塗布及び焼成する前または後に、機能性物質をハニカムに塗布することができる。機能性物質は、無機物または有機物であり得る。無機機能性物質、特に金属及び金属酸化物は、対象となる多くが、所望の触媒特性、吸着剤としての機能を有する、または複数の必要とする機能を実行するものである。金毒または金属酸化物を組成物体に導入する方法の1つは、ハニカムに金属の塩または酸の溶液を浸透させ、その後、溶媒を加熱またさもなくば除去を行い、必要に応じて、所望の金属または金属酸化物を形成するために塩または酸を焼結またさもなくば分解する方法である。

従って、例えば、アルミナ被覆または別の金属酸化物の被覆は、触媒物質または吸着剤を堆積することができる部分状上に高性能な表面領域を提供するため、塗布されることがある。アルミナは、コロイドアルミナがハニカムに含浸し、続いて乾燥され、通常、含浸体に気体を通すことにより堆積させることができる。この手順は、必要に応じて、所望の量のアルミナを堆積させるため、繰り返される。チタニアなどの他のセラミック被覆は、同一の手段で塗布され得る。

バリウム、白金、パラジウム、銀、及び金などの金属を、ハニカム(好ましくはアルミナまたは他の金属酸化物で被覆される内壁)への、例えば、硝酸白金、塩化金、硝酸ロジウム、テトラアミン硝酸パラジウム、ギ酸バリウムなどの可溶な金属塩の含浸、続いて乾燥及び好ましくは焼結により組成物本体に堆積することができる。特に車両用のパワープラント排気流の触媒による変換は、スキン付ハニカムからこの手段で調製することができる。

様々な無機物質をハニカム構造に堆積させる適切な方法は、例えば、米国特許出願第205/0113249号、国際公開公報第2001045828号に記載される。これら工程は、一般的に、本発明のスキン付ハニカムに関連する。

特に好ましい実施形態では、アルミナ及び白金、アルミナ及びバリウム若しくはアルミナ、バリウム及び白金を1つまたは複数のステップでハニカムに堆積させることができ、すす、Nox化合物、一酸化炭素、及び炭化水素などの粒子を車両エンジンなどのパワープラント排気管から同時に除去することができるフィルターを形成する。

本発明を説明するために以下の実施例を提供するが、これら範囲に限定されることを意図してはいない。全ての割合及びパーセンテージは、特に指定のない限り重量%である。

実施例1 セメント実施例1は、以下のように調製される。ボールミル粉砕をしたケイ酸アルミニウム・ジルコニウムファイバー 39.9%(Unifrax LLC(ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)のFiberfrax Long Staple Fine fiber)コロイダルアルミナ 12.8%(Nyacol Nano technologies,Inc.(メイン州アッシュランド)のAL20SD)、水 38.5%、メチルセルロース1.9%(The Dow Chemical Companyから市販されているMethocel A15LV)ポリエチレングリコール400 1.9%(Alfa Aesar(マサチューセッツ州ワード・ヒル)及び、微細粒子径 45% solids acrylic latex 5.0%(The Dow Chemical CompanyのNeocar 850、約pH8.5)を混合し、均一な混合物を形成する。アセチルラテックスは、アセチルポリマーの分散した70nm粒子に対し、約2.25重量%を混合物に与える。

食紅をセメント実施例1の一部に添加する。色付けされた混合物をその後、セラミックハニカムに被覆する。ハニカムは200セル/平方インチ(31セル/cm2)を有する10セル×10セル×3インチ(7.6cm)針状ムライト(acicular mullite)である。被覆されたセメント層は、空気乾燥し、その後、セメント組成物がハニカム構造に拡散した程度を検査するため、ハニカムは切り開かれる。着色料による赤色化は、セルの幅の約1/2ほどの長さまでハニカム構造内に延在する。

ハニカムの別の同様の(被覆されない)部分への圧力損失を3051 Pressure transmitter (Rosemount,Inc.(ミネソタ州イーデンプレーリー)から市販されている)を使用して、流量100/分の気体流量で計測する。セメント実施例1の一部を、その後、ハニカムの同一部分の外表面に被覆し、被覆されたハニカムは、1100℃で焼成される。被覆し焼成されたハニカムへの圧力損失は、不被覆ハニカムへのものよりも7%だけ高い。

実施例2及び比較試料A セメント実施例2は、以下のように調製される。ボールミル粉砕をしたケイ酸アルミニウム・ジルコニウムファイバー 38.9%(Unifrax LLC(ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)のFiberfrax Long Staple Fine fiber)、コロイダルアルミナ 12.5%(Nyacol Nano technologies,Inc.(メイン州アッシュランド)のAL20SD)、水 37.5%、メチルセルロース1.8%(The Dow Chemical Companyから市販されているMethocel A15LV)、ポリエチレングリコール400 1.8%(Alfa Aesar(マサチューセッツ州ワード・ヒル)及び、微細粒子径 45% solids acrylic latex 7.5%(The Dow Chemical CompanyのNeocar 850)を混合し、均一な混合物を形成する。アクリルラテックスは、アクリルポリマーの分散した70nm粒子に対し、約3.4重量%を混合物に提供する。

食紅を混合物に添加する。着色された混合物はその後、セラミックハニカムを被覆し、実施例1に記載されるように空気乾燥される。その後、ハニカムは、実施例1に記載されるように切り開かれる。事実上、着色料による赤色化のハニカムへの浸透はない。

別のハニカム断片への圧力損失は実施例1に記載されるように計測される。断片はその後、実施例1に記載されるようにセメント組成物で被覆され、焼成され、被覆フィルターへの圧力損失を再度計測する。被覆ハニカムへの圧力損失は、不被覆ハニカムへのものよりも2%だけ高い。

別途、セメント実施例2の一部を、短断面9インチ(22.9cm)、側面及び長さ8インチ(20.4cm)のより大きな平方アッセンブリのセメントナイン(cement nine)3インチ×3インチ×8インチ(7.6cm×7.6cm×22.9cm)ハニカム断片に使用する。これらハニカム断片は、針状ムライト製であり、200セル/平方インチ(31セル/cm2)である。製造されたハニカムは、温度1100度に焼成され、室温まで冷却した後、直径9インチ(22.9cm)の円柱状のハニカムを産するよう機械で製造される。多くのセメント実施例2は、機械で生成されたハニカムの外面に塗布され、スキンを形成する。前記スキンは、1100℃で焼成される。

スキン付ハニカム構造に、その後、構造に熱風を通過させ、加工熱応力を生じさせる熱的台上試験を施す。熱風を100標準立方フィート/分(0.47m3/秒)の速度で構造に吹き込む。気体温度は、気体温度が700℃になるまで、200℃/分の速度で上昇する。差し込まれる熱電対は、外面のスキンで、及びスキンから約10mmの溝でハニカムの温度を計測し、この加熱状態で形成される温度勾配を評価する。この温度差は、64℃である。同様に、差し込まれた熱電対は、形成される温度勾配の別の指針として継ぎ目及び継ぎ目から10mmの溝の温度を計測する。この温度差は、68℃である。この構造への圧力損失は、107Paである。

比較セメント試料Aは、以下の成分を混合することにより調製される。ボールミル粉砕をしたケイ酸アルミニウム・ジルコニウムファイバー42.0%、コロイダルアルミナ 13.5%、水 40.5%、メチルセルロース 2.0%、及びポリエチレングリコール400 2.0%。比較セメント試料Aは、ポリマー粒子を含有しない。

食紅を比較セメント試料Aに添加し、その後着色混合物をセラミックハニカムへ被覆し、前回同様空気乾燥させる。その後、ハニカムを切り開き、着色料による赤色着色は1つのセルの幅の距離よりも大きくハニカムへ浸透しているようである。セメント試料2のものと比較すると、この結果は、有機ポリマー粒子の存在がハニカムの多孔質壁を介したセメント結合剤物質の浸透がかなり顕著に減少することを示す。

同様で別のハニカム断片は、実施例1及び2で記載されるものと同様の手段で比較セメント試料Aの別の部分で被覆される。前述のとおり、圧力損失は、不被覆ハニカム断片及び焼成後の被覆断片で計測される。比較セメント試料Aで被覆されるハニカムへの圧力損失は、不被覆ハニカムへのものよりも13%高い。セメント実施例2で得られる結果と合わせ、この結果は、有機ポリマー粒子の存在が、ハニカム構造への圧力損失の著しい減少を齎すことを示す。

比較セメント試料の別の部分は、断片化されスキン付されたハニカム構造に、前述及びセメント実施例2と同様の手段で使用される。得られたスキン付ハニカム構造は、上述のサーマルベンチテストで評価される。スキンとスキンから10mmの溝との間の温度勾配は87℃であり、継ぎ目と継ぎ目から10mmの溝との間のものは139℃である。それら温度勾配は、セメント実施例2を継ぎ目及びスキンを形成するために使用する場合に観察されるものよりも十分に高い。セメント実施例2におけるラテックスの存在により、断片化され、スキン付けされるハニカム構造で形成される温度勾配は減少するようである。この構造への圧力損失は116Paであり、または継ぎ目及びスキン物質としてセメント実施例2を使用して製造される構造のものよりも約8%高い。

実施例3及び比較試料B セメント実施例3は、以下のように調製される。ボールミル粉砕をしたケイ酸アルミニウム・ジルコニウムファイバー 40.6%(Unifrax LLC(ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)のFiberfrax Long Staple Fine fiber)、コロイダルアルミナ 13.0%(Sasol North America,Inc.(テキサス州ヒューストン)のDispal 14N4−80)、水 39.1%、メチルセルロース 1.9%(The Dow Chemical Companyから市販されているMethocel A15LV)、ポリエチレングリコール400 1.9%(Alfa Aesar(マサチューセッツ州ワード・ヒル)及び、微細粒子径 45% solids acrylic latex 3.5%(The Dow Chemical CompanyのNeocar 850)を混合し、均一な混合物を形成する。アクリルラテックスは、アクリルポリマーの分散した70nm粒子に対し、約1.6重量%を混合物に提供する。

食紅をセメント実施例3の一部に添加する。その後、着色混合物をセラミックハニカムへ被覆し、実施例1に記載されるように空気乾燥させる。その後、ハニカム構造は、実施例1に記載されるように切り開かれる。事実上、着色料によるハニカムへの赤色化の浸透はない。

同一のハニカムの別の断片をセメント実施例3で被覆し、実施例1に記載するように焼成すると、フィルターへの圧力損失は非被覆ハニカムの場合より3%だけ上昇する。

比較セメント試料Bを以下のように調製する。ボールミル粉砕をしたケイ酸アルミニウム・ジルコニウムファイバー 42.0%(Unifrax LLC(ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)のFiberfrax Long Staple Fine fiber)、コロイダルアルミナ 13.5%(Sasol North America,Inc.(テキサス州ヒューストン)のDispal 14N4−80)、水 40.5%、メチルセルロース 2.0%(The Dow Chemical Companyから市販されているMethocel A15LV)、ポリエチレングリコール400 2.0%(Alfa Aesar(マサチューセッツ州ワード・ヒル)を混合し、均一な混合物を形成する。前述のように、食紅を混合物の一部に添加し、その後混合物をセラミックハニカムへ被覆し、空気乾燥させる。赤色着色は、大凡、1つのセルの幅ぐらいまでの距離、ハニカムへ浸透し、ハニカムへの被覆にセメント実施例3を使用する場合に観察されるものよりも実質的に悪化する。

同一のハニカムの別の断片を比較セメント試料Bで被覆し、焼成すると、ハニカムへの圧力損失は、非被覆ハニカムに比べ、約10%上昇する。

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