Flame retardant compositions which exhibit excellent thermal stability and flame retardant and their use

申请号 JP2008515763 申请日 2006-06-01 公开(公告)号 JP2008542522A 公开(公告)日 2008-11-27
申请人 アルベマール・コーポレーシヨン; 发明人 ゴーセン,ダニエル・エフ;
摘要 本発明は優れた熱安定性および燃焼遅延性を示す燃焼遅延剤組成物、およびその使用に関する。
权利要求
  • 押し出されたポリスチレン発泡体において熱安定性および燃焼遅延性の効率を増大させる燃焼遅延剤組成物であって、該組成物は (a)該燃焼遅延剤組成物に関し約60〜約95重量%の燃焼遅延剤I、
    (b)該燃焼遅延剤組成物に関し約1〜約40重量%の(i)天然ゼオライト、(ii)合成ゼオライト、(iii)ハロゲン化された芳香族エポキシド、(iv)ハロゲン化されたエポキシオリゴマー,(v)非ハロゲン化エポキシオリゴマー、(vi)ハイドロタルサイト、および(vii)該(i)〜(vi)の混合物から選ばれる成分(A);
    および随時(c)(i)アンチモン化合物;(ii)錫化合物;(iii)モリブデン化合物;(iv)ジルコニウム化合物;(v)硼素化合物;(vi)ハイドロタルサイト;(vi)タルク;(vii)過酸化ジクミル;(viii)ジクミル;(ix)立体障害をもったフェノール性酸化防止剤;(x)光安定剤;および(xi)該(i)〜(x)の混合物から選ばれる相乗作用剤を含んで成っていることを特徴とする燃焼遅延剤組成物。
  • 成分(A)は式(I)
    但し式中Xは独立に塩素または臭素原子を表し、iおよびjはそれぞれ1〜4の整数を表し、nは0.01〜100の範囲の平均の重合度を表し、T およびT は独立に
    から選ばれ、ここで式中Phは置換基をもったまたはもたないハロゲン化されたフェニル基を表し、該環には少なくとも1個の塩素または臭素原子が置換されているものとする、により表されるハロゲン化された芳香族エポキシドから選ばれるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 該ハロゲン化された芳香族エポキシドはハロゲン化されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルから選ばれ、ここでビスフェノールA部分には約2〜約4個のハロゲン原子が置換しており、該ハロゲン原子は塩素、臭素およびそれらの混合物であることを特徴とする請求項2記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 該ハロゲン原子は実質的に全部が臭素原子であることを特徴とする請求項3記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分(A)はハロゲン化されたエポキシオリゴマーから選ばれるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 該ハロゲン化されたエポキシオリゴマーは (a)式(II)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表される臭素化されたエポキシ樹脂、
    (b)式(III)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表されるハロゲン化されたエポキシオリゴマー、
    (c)式(IV)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表されるハロゲン化されたエポキシオリゴマー、
    (d)重合体が一端において封鎖剤を有し、且つ式(V)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂、
    (e)重合体が一端において封鎖剤を有し、且つ式(VI)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂の少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の燃焼遅延剤組成物。
  • (i)アンチモン化合物は三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、およびアンチモン酸ナトリウムから選ばれ、
    (ii)錫化合物は酸化錫および水酸化錫から選ばれ、
    (iii)モリブデン化合物は酸化モリブデンおよびモリブデン酸アンモニウムから選ばれ、
    (iv)ジルコニウム化合物は酸化ジルコニウムおよび水酸化ジルコニウムから選ばれ、
    (v)硼素化合物は硼酸亜鉛およびメタ硼酸バリウムから選ばれることを特徴とする請求項2または6のいずれか一つに記載された燃焼遅延剤組成物。
  • 成分Aは天然産または合成品のゼオライトであることを特徴とする請求項1記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分(A)は非ハロゲン化エポキシオリゴマーであることを特徴とする請求項1記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 該合成品のゼオライトはZeolineおよびゼオライトAから選ばれることを特徴とする請求項8記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 該非ハロゲン化エポキシオリゴマーはBr原子が水素原子によって置き換わっている式(I)〜(VI)を有する化合物から選ばれることを特徴とする請求項9記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 該燃焼遅延剤組成物は該相乗化剤を含んでいることを特徴とする請求項1、2または6のいずれか一つに記載された燃焼遅延剤組成物。
  • 該相乗化剤はジクミルであることを特徴とする請求項12記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分Aは(a)ハイドロタルサイト、(b)式(II)で表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂、および(c)それらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項1記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分Aは(a)ハイドロタルサイト、(b)式(II)で表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂、および(c)それらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項13記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 該相乗化剤は燃焼遅延剤組成物の重量に関し約0.01〜約5重量%の範囲の量で存在していることを特徴とする請求項12記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 該相乗化剤は燃焼遅延剤組成物の重量に関し約0.1〜約0.5重量%の範囲の量で存在していることを特徴とする請求項13記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 相乗化剤対燃焼遅延剤組成物Iの全重量の比は約1:1〜約1:7の範囲にある請求項16記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 相乗化剤対燃焼遅延剤組成物Iの全重量の比は約1:2〜約1:4の範囲にある請求項17記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分(A)は燃焼遅延剤組成物の重量に関し約1〜約25重量%の量で存在することを特徴とする請求項12記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分(A)は燃焼遅延剤組成物の重量に関し約1〜約15重量%の量で存在することを特徴とする請求項12記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分(A)はハイドロタルサイトであり、成分Aは燃焼遅延剤組成物の重量に関し約2〜約6重量%の量で存在することを特徴とする請求項17記載の燃焼遅延剤組成物。
  • (a)燃焼遅延性重合体組成物の重量に関し約50重量%以上の押し出されたポリスチレン発泡体、および (b)(i)燃焼遅延剤組成物の重量に関し約60〜約95重量%の範囲のN−2,3−ジブロモプロピル−4,5−ジブロモヘキサヒドロフタルイミド、
    (ii)燃焼遅延剤組成物の重量に関し約1〜約40重量%の範囲の(i)天然産ゼオライト、(ii)合成品ゼオライト、(iii)ハロゲン化された芳香族エポキシド、(iV)ハロゲン化されたエポキシオリゴマー、(v)非ハロゲン化エポキシオリゴマー、(vi)ハイドロタルサイト、および(vii)該(i)〜(vi)の混合物から選ばれる成分(A)、および随時 (iii)(i)アンチモン化合物;(ii)錫化合物;(iii)モリブデン化合物;(iv)ジルコニウム化合物;(v)硼素化合物;(vi)ハイドロタルサイト;(vi)タルク;(vii)過酸化ジクミル;(viii)ジクミル;(ix)立体障害をもったフェノール性酸化防止剤;(x)光安定剤;および(xi)該(i)〜(x)から選ばれる相乗化剤を含んで成る燃焼遅延性を与える量の燃焼遅延剤組成物を含んで成ることを特徴とする燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該燃焼遅延性重合体組成物は該燃焼遅延性重合体組成物の重量に関し約75重量%以上の押し出されたポリスチレン発泡体を含んで成っていることを特徴とする請求項23記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該燃焼遅延性重合体組成物は該燃焼遅延性重合体組成物の重量に関し約90〜約99.5重量%の押し出されたポリスチレン発泡体を含んで成っていることを特徴とする請求項23記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該燃焼遅延性を与える量は、UL94試験において厚さ1/8インチの試料に対し少なくともV−2の評価を得るか、DIN 4102試験において、厚さ10mmの試料(E
    PSおよびXPS)に対し少なくともB2の評価を得ることができる燃焼遅延性重合体組成物の試験試料を提供するのに十分な燃焼遅延剤組成物の量であることを特徴とする請求項23記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該燃焼遅延性を与える量は燃焼遅延性重合体組成物の全ハロゲン含有量が該燃焼遅延性重合体組成物の量に関し約0.3〜約10重量%の範囲の量を与えるのに必要な量であることを特徴とする請求項23記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該燃焼遅延性を与える量は燃焼遅延性重合体組成物の重量に関し燃焼遅延剤組成物の約0.01〜約50重量%の範囲にあることを特徴とする請求項23記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該燃焼遅延性を与える量は燃焼遅延性重合体組成物の重量に関し燃焼遅延剤組成物の約0.01〜約25重量%の範囲にあることを特徴とする請求項24記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該燃焼遅延性を与える量は燃焼遅延性重合体組成物の重量に関し燃焼遅延剤組成物の約0.5〜約7重量%の範囲にあることを特徴とする請求項24記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該燃焼遅延性重合体組成物はさらにステアリン酸バリウムまたはステアリン酸カルシウムのような押し出し助剤、有機性過酸化物、染料、顔料、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、補強材、金属除去剤または金属失活剤、衝撃変性剤、加工助剤、型抜き助剤、潤滑剤、閉塞防止剤、他の燃焼遅延剤、紫外線安定剤、可塑剤、流動助剤、造核剤、例えば珪酸カルシウムまたはインジゴ等を含んで成ることを特徴とする請求項23記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該燃焼遅延剤組成物の成分(A)は式(I)
    但し式中Xは独立に塩素または臭素原子を表し、iおよびjはそれぞれ1〜4の整数を表し、nは0.01〜100の範囲の平均の重合度を表し、T およびT は独立に
    から選ばれ、ここで式中Phは置換基をもったまたはもたないハロゲン化されたフェニル基を表し、該環には少なくとも1個の塩素または臭素原子が置換されているものとする、により表されるハロゲン化された芳香族エポキシドから選ばれるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項30記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該ハロゲン化された芳香族エポキシドはハロゲン化されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルから選ばれ、ここでビスフェノールA部分には約2〜約4個のハロゲン原子が置換しており、該ハロゲン原子は塩素、臭素およびそれらの混合物であることを特徴とする請求項32記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 成分(A)はハロゲン化されたエポキシオリゴマーから選ばれたエポキシ化合物であり、該ハロゲン化されたエポキシオリゴマーは (a)式(II)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表される臭素化されたエポキシ樹脂、
    (b)式(III)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表されるハロゲン化されたエポキシオリゴマー、
    (c)式(IV)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表されるハロゲン化されたエポキシオリゴマー、
    (d)重合体が一端において封鎖剤を有し、且つ式(V)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂、
    (e)重合体が一端において封鎖剤を有し、且つ式(VI)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂の少なくとも1種であることを特徴とする請求項23記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 成分(A)は天然または合成のゼオライト、或いは非ハロゲン化エポキシオリゴマーであることを特徴とする請求項23記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該非ハロゲン化エポキシオリゴマーはBr原子が水素原子によって置き換えられた式(I)〜(VI)の化合物から選ばれることを特徴とする請求項34記載の燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該燃焼遅延剤組成物は該相乗化剤を含んでいることを特徴とする請求項23、32、または34のいずれか一つに記載された燃焼遅延性重合体組成物。
  • 該相乗化剤はジクミルであることを特徴とする請求項37記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分Aは(a)ハイドロタルサイト、(b)式(II)で表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂、および(c)それらの混合物から選ばれ、成分Aは燃焼遅延剤組成物の重量に関し約1〜約25重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項37記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分Aは(a)ハイドロタルサイト、(b)式(II)で表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂、および(c)それらの混合物から選ばれ、成分Aは燃焼遅延剤組成物の重量に関し約1〜約15重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項38記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 該相乗化剤は燃焼遅延剤組成物Iの重量に関し約0.01〜約5重量%の量で存在することを特徴とする請求項37記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 該相乗化剤は燃焼遅延剤組成物の重量に関し約0.1〜約0.5重量%の量で存在することを特徴とする請求項40記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分Aはハイドロタルサイトであり、成分Aは燃焼遅延剤組成物の重量に関し約2〜約6重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項37記載の燃焼遅延剤組成物。
  • 成分Aはハイドロタルサイトであり、成分Aは燃焼遅延剤組成物の重量に関し約2〜約6重量%の量で存在することを特徴とする請求項38記載の燃焼遅延剤組成物。
  • ポリスチレン、発泡剤、および本発明の燃焼遅延剤組成物を配合して配合された生成物をつくり、配合された生成物をダイス型を通して押し出し、この際該燃焼遅延剤組成物は (a)該燃焼遅延剤組成物に関し約60〜約95重量%のN−2,3−ジブロモプロピル−4,5−ジブロモヘキサヒドロフタルイミド、
    (b)該燃焼遅延剤組成物に関し約1〜約40重量%の(i)天然ゼオライト、(ii)合成ゼオライト、(iii)ハロゲン化された芳香族エポキシド、(iv)ハロゲン化されたエポキシオリゴマー,(v)非ハロゲン化エポキシオリゴマー、(vi)ハイドロタルサイト、および(vii)該(i)〜(vi)の混合物から選ばれる成分(A);
    および随時(c)(i)アンチモン化合物;(ii)錫化合物;(iii)モリブデン化合物;(iv)ジルコニウム化合物;(v)硼素化合物;(vi)ハイドロタルサイト;(vi)タルク;(vii)過酸化ジクミル;(viii)ジクミル;(ix)立体障害をもったフェノール性酸化防止剤;(x)光安定剤;および(xi)該(i)〜(x)から選ばれる相乗作用剤を含んで成っていることを特徴とする型成形された燃焼遅延性ポリスチレン押し出し製品を製造する方法。
  • 該配合された生成物をつくる際、ステアリン酸バリウムまたはステアリン酸カルシウムのような押し出し助剤、有機性過酸化物、染料、顔料、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、補強材、金属除去剤または金属失活剤、衝撃変性剤、加工助剤、型抜き助剤、潤滑剤、閉塞防止剤、他の燃焼遅延剤、紫外線安定剤、可塑剤、流動助剤、造核剤、例えば珪酸カルシウムまたはインジゴ等を使用することを特徴とする請求項45記載の方法。
  • 該燃焼遅延剤組成物の成分(A)は式(I)
    但し式中Xは独立に塩素または臭素原子を表し、iおよびjはそれぞれ1〜4の整数を表し、nは0.01〜100の範囲の平均の重合度を表し、T およびT は独立に
    から選ばれ、ここで式中Phは置換基をもったまたはもたないハロゲン化されたフェニル基を表し、該環には少なくとも1個の塩素または臭素原子が置換されているものとする、により表されるハロゲン化された芳香族エポキシドから選ばれるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  • 該ハロゲン化された芳香族エポキシドはハロゲン化されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルから選ばれ、ここでビスフェノールA部分には約2〜約4個のハロゲン原子が置換しており、該ハロゲン原子は塩素、臭素およびそれらの混合物であることを特徴とする請求項47記載の方法。
  • 成分(A)はハロゲン化されたエポキシオリゴマーから選ばれたエポキシ化合物であり、該ハロゲン化されたエポキシオリゴマーは (a)式(II)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表される臭素化されたエポキシ樹脂、
    (b)式(III)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表されるハロゲン化されたエポキシオリゴマー、
    (c)式(IV)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表されるハロゲン化されたエポキシオリゴマー、
    (d)重合体が一端において封鎖剤を有し、且つ式(V)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂、
    (e)重合体が一端において封鎖剤を有し、且つ式(VI)
    但し式中nは0.5〜100の範囲の平均の重合度を表す、
    によって表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂の少なくとも1種であることを特徴とする請求項45記載の方法。
  • 成分(A)は天然または合成のゼオライト、或いは非ハロゲン化エポキシオリゴマーであることを特徴とする請求項45記載の方法。
  • 該非ハロゲン化エポキシオリゴマーはBr原子が水素原子によって置き換えられた式(I)〜(VI)の化合物から選ばれることを特徴とする請求項49記載の方法。
  • 該燃焼遅延剤組成物は該相乗化剤を含んでいることを特徴とする請求項45、47、または49のいずれか一つに記載された方法。
  • 該相乗化剤はジクミルであることを特徴とする請求項52記載の方法。
  • 成分Aは(a)ハイドロタルサイト、(b)式(II)で表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂、および(c)それらの混合物から選ばれ、成分Aは燃焼遅延剤組成物の重量に関し約1〜約25重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項52記載の方法。
  • 成分Aは(a)ハイドロタルサイト、(b)式(II)で表される臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂、および(c)それらの混合物から選ばれ、成分Aは燃焼遅延剤組成物の重量に関し約1〜約15重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項53記載の方法。
  • 说明书全文

    関連出願に対する参照

    本出願は2005年6月7日出願の米国暫定特許願第60/688,385号および2005年6月7日出願の同第60/688,467号の優先権を請求する。 これらの特許願は引用によりその全文が本明細書に包含される。

    本発明は優れた熱安定性および燃焼遅延性を示す燃焼遅延剤組成物に関する。 特に本発明は、N−2,CASE(F1)−74623−ジブロモプロピル−4,5−ジブロモヘキサヒドロフタルイミド、および1種の燃焼遅延性および熱安定性改善剤を含んで成る燃焼遅延剤組成物およびその使用に関する。

    燃焼遅延性化合物の効果は典型的には二つの重要な特性、即ち(i)燃焼遅延性および(ii)熱安定性によって生じるとされている。 燃焼遅延性化合物の燃焼遅延性は典型的には一般にASTM D2863により測定される制限酸素インデックス(「LOI」、Limiting Oxygen Index)により決定される. LOIの値は酸素/窒素混合物中において或る材料の燃焼をちょうど支えるだけの酸素濃度を与え、LOIが高いほどその化合物の燃焼遅延性は良好である。

    熱安定性は典型的には熱重量分析法(「TGA」)によって測定される。 この分析法では重合体の温度を10℃または20℃ずつ上昇させ、燃焼遅延剤が一定の割合で、即ち5重量%、10重量%等の割合で重量を失う温度を測定する。 TGA試験は比較試験である。 即ち他の燃焼遅延性化合物と比較した場合、同じレベルの重量減を高い温度において生じる燃焼遅延性化合物は、低い温度で生じる燃焼遅延性化合物に対して優れた熱安定性をもつと言われる。

    一般に重合体の工業においては、スチレン含有化合物に対し同様な燃焼遅延性を賦与する現在得られる燃焼遅延性化合物よりも優れた熱安定性をもった燃焼遅延性化合物に対する要求が次第に増加している。 即ち当業界においてはこれらの性質をもった燃焼遅延剤組成物が要望がされている。

    本発明の概要
    本発明は、押し出されたポリスチレン発泡体において熱安定性および燃焼遅延性の効率が増大している燃焼遅延剤組成物であって、該組成物は (a)該燃焼遅延剤組成物に関し約60〜約95重量%のN−2,3−ジブロモプロピル−4,5−ジブロモヘキサヒドロフタルイミド、
    (b)該燃焼遅延剤組成物に関し約1〜約40重量%の(i)天然ゼオライト、(ii)合成ゼオライト、(iii)ハロゲン化された芳香族エポキシド、(iv)ハロゲン化されたエポキシオリゴマー,(v)非ハロゲン化エポキシオリゴマー、(vi)ハイドロタルサイト、および(vii)該(i)〜(vi)の混合物から選ばれる成分(A);
    および随時(c)(i)アンチモン化合物;(ii)錫化合物;(iii)モリブデン化合物;(iv)ジルコニウム化合物;(v)素化合物;(vi)ハイドロタルサイト;(vi)タルク;(vii)過酸化ジクミル;(viii)ジクミル;(ix)立体障害をもったフェノール性酸化防止剤;(x)光安定剤;および(xi)該(i)〜(x)から選ばれる相乗作用剤を含んで成っている。

    また本発明は、燃焼遅延性を与える量の本発明の燃焼遅延剤組成物を含んで成るポリスチレン組成物に関する。

    また本発明は、燃焼遅延性を与える量の本発明の燃焼遅延剤組成物を含む押し出されたポリスチレン発泡体に関する。

    また本発明は、この燃焼遅延性を与えられた押し出されたポリスチレン発泡体からつくられた製品に関する。

    さらに本発明は、発泡剤、および本発明の燃焼遅延剤組成物を配合して配合された生成物をつくり、この配合された生成物をダイス型に通して押し出すことを含んで成る型成形された燃焼遅延性ポリスチレン押し出し製品の製造法に関する。

    本発明の詳細な説明
    本発明は式

    のN−2,3−ジブロモプロピル−4,5−ジブロモヘキサヒドロフタルイミド、その互変異性体、立体異性体、および多形体など、本明細書において総括的に「燃焼遅延剤I」と呼ぶ化合物を約60〜約95重量%、好ましくは約90〜約95重量%の範囲で含んで成る燃焼遅延剤組成物に関する。

    燃焼遅延剤Iはポリスチレンに対し非常に良好な溶解性を示す。 燃焼遅延剤Iはポリスチレン中において、ポリスチレンおよび燃焼遅延剤Iに関し、20℃において約0.5〜約8重量%の範囲の、また40℃において同じ基準で約0.5〜約10重量%の範囲の溶解度を示す。 また燃焼遅延剤Iはポリスチレン発泡体の生成に悪影響を及ぼさない。 このことは、燃焼遅延剤Iの溶解度と組み合わせて考えた場合、大部分の他の燃焼遅延剤に比べ燃焼遅延剤Iをポリスチレンの発泡体に使用するのにいっそう適したものにしている。

    本発明の燃焼遅延剤組成物はまた約1〜約40重量%の(i)天然ゼオライト、(ii)合成ゼオライト、(iii)ハロゲン化された芳香族エポキシド、(iv)ハロゲン化されたエポキシオリゴマー,(v)非ハロゲン化エポキシオリゴマー、(vi)ハイドロタルサイト、および(vii)該(i)〜(vi)の混合物から選ばれた成分(A)を約1〜約40重量%の範囲で含んで成っている。 本発明においては成分Aは二重の機能を行う材料である。 第1にこれはN−2,3−ジブロモプロピル−4,5−ジブロモヘキサヒドロフタルイミドを含む燃焼遅延性組成物に対する熱安定剤として作用する。 第2に燃焼遅延剤組成物に対し付加的な燃焼遅延性効果を賦与する。 成分Aはハイドロタルサイト、ハロゲン化された芳香族エポキシド、ハロゲン化されたエポキシオリゴマー、非ハロゲン化エポキシオリゴマーの少なくとも一つであることが好ましい。 さらに好ましくは成分Aはハロゲン化された芳香族エポキシド、ハロゲン化されたエポキシオリゴマー、および非ハロゲン化エポキシオリゴマーの少なくとも一つである。 もっと好適な具体化例においては、成分Aはハロゲン化された芳香族エポキシド、ハロゲン化されたエポキシオリゴマー、非ハロゲン化エポキシオリゴマー、およびそれらの混合物の少なくとも一つから選ばれる。 最も好適な具体化例においては成分Aはハイドロタルサイトである。

    成分Aは、燃焼遅延剤Iに関し約1〜約25重量%の範囲の量で存在することが好ましい。 他の好適具体化例においては、成分Aは燃焼遅延剤Iに関し約1〜約15重量%、もっと好ましくは約3〜約12重量%の範囲の量で存在している。

    ゼオライト
    本発明に使用するのに適した天然ゼオライトは任意の公知の天然ゼオライトから選ぶことができる。 本発明に使用するのに適した合成ゼオライトは任意の公知の合成ゼオライトから選ぶことができる。 好ましくは合成ゼオライトはPraeon社から市販されているZeoline、またはEZAの商品名でAlbemarle Corporationから市販されているゼオライトAから選ばれる。 本発明を実施するのに使用されるゼオライトAはゼオライトに対して一般化された式M 2/n OAl ySiO wH Oで表すことができる。 ここでMはIAまたはIIA族の元素、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。 ナトリウム・ゼオライトに対しては、この式はNa OAl xSiO yH Oであり、ここでxの値は通常1.85±0.5の範囲に入り、yの値は変化することができ、最大約6までの任意の値であることができる。 平均的にはyの値は約5.1である。 ナトリウム・ゼオライトAに対しては、この式は1.0±0.2Na OAlO 1.85±0.5SiO yH Oと書くことができる。 ここでyの値は最高約6である。 理想的なゼオライトAは式(NaAlSiO 12 27H Oをもっている。

    ハロゲン化された芳香族エポキシド
    本発明に使用するのに適したハロゲン化された芳香族エポキシドは好ましくはハロゲン化されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルであり、ここでビスフェノールA部分には約2〜約4個のハロゲン原子が置換され、ハロゲン原子は塩素および/または臭素である。 ビスフェノールA部分のハロゲン原子は実質的に全部が臭素であることがさらに好ましい。 最も好ましくは、ハロゲン化された芳香族エポキシドは、TBBPAおよびエピクロルヒドランからつくられた臭素化されたエポキシ樹脂であるDainippon Ink & Chemicals製のPraetherm TMシリーズ、好ましくはEP−16、およびResolution Performance Productsから市販されている「EPIKOTE Resin−5203」から選ばれる。

    ハロゲン化された芳香族エポキシオリゴマー
    本発明に使用するのに適したハロゲン化された芳香族エポキシオリゴマーはハロゲン化されたビスフェノールAのエポキシ樹脂であって下記の式(I)によって表されるものである。

    ここでXはハロゲン原子を表し、iおよびjはそれぞれ1〜4の整数を表し、nは0.01〜100、典型的には0.5〜100、好ましくは0.5〜50、もっと好ましくは0.5〜1.5の範囲の重合度を表し、T およびT は独立に且つ好ましくは

    但し式中Phは置換基をもったまたはもたないハロゲン化されたフェニル基を表し、ここで該環には少なくとも1個の塩素または臭素原子が置換しているものとする、を表す。 本発明を制限しないPhの例にはブロモフェニルの単一または混合異性体、ジブロモフェニルの単一または混合異性体、トリブロモフェニルの単一または混合異性体、テトラブロモフェニルの単一または混合異性体、ペンタブロモフェニル、クロロフェニルの単一または混合異性体、ジクロロフェニルの単一または混合異性体、トリクロロフェニルの単一または混合異性体、環に2個の臭素原子が置換したトリルの単一または混合異性体、環に2個の塩素原子が置換したトリルの単一または混合異性体、および環に2個の臭素原子が置換したエチルフェニルの単一または混合異性体が含まれる。 Ph基の中の各ハロゲン原子は好ましくは臭素原子である。 下記の説明から分かるように、Ph以外の端封鎖基を使用することができる。

    本発明に使用するのに適したハロゲン化された芳香族エポキシオリゴマーは典型的には無定形のオリゴマー材料であり、エポキシ当量は500g/当量より大きく、好ましくは800g/当量より大きい。 従って、ヘキサブロモシクロドデカンを安定させるのに使用される米国特許第6,127,558号明細書記載のエポキシ当量が320〜380g/当量の結晶性のテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテルとは異なり、本発明を実施するのに使用されるハロゲン化された芳香族エポキシオリゴマーは、結晶構造を得るために特別な処理を行われていないにもかかわらず極めて効果的であり、エポキシ当量が上記のように非常に低いことを特徴とするものではない。

    本発明に使用するのに適した一群の臭素化されたビスフェノールAエポキシオリゴマーの本発明を限定しない例には、下記式(II)によって表される化合物がある。

    ここでnは平均重合度を表し、0.5〜100、典型的には0.5〜50、好ましくは0.5〜1.5の範囲にある。

    式(II)で表される市販品の本発明を限定しない例には、Bromokem (Far East)Ltd. 製の「F−2300」、「F−2300H」、「F−2400」および「F−2400H」、Dainippon Ink & Chemicals,Incorporated製の「PRATHERM EP−16」、「PRATHERM EP−30」、「PRATHERM EP−100」および「PRATHERM EP−500」、Sakamoto Yakuhin Kogyo Co. ,Ltd. 製の「SR−T1000」、「SR−T2000」、「SR−T5000」および「SR−T20000」、並びにResolution Performance Products製の「EPIKOTE Resin−5112」が含まれる。

    樹脂の各端にあるエポキシ基が封鎖剤で封鎖されているか、一端においてエポキシ基が封鎖されている臭素化されたビスフェノールAエポキシオリゴマーも、本発明においてハロゲン化された芳香族エポキシオリゴマーとして使用するのに適している。 適当な封鎖剤の本発明を限定しない例には、エポキシ基を開環付加させることができる封鎖剤、例えばそれぞれ臭素原子を含んだフェノール、アルコール、カルボン酸、アミン、イソシアネートなどが含まれる。 これらの中で燃焼遅延効果を改善する臭素化されたフェノールが好適である。 その例にはジブロモフェノール、トリブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、ジブロモエチルフェノール、ジブロモプロピルフェノール、ジブロモクレゾール等が含まれる。

    両端においてエポキシ基が封鎖剤により封鎖されている臭素化されたビスフェノールAエポキシオリゴマーの例は下記式(III)および(IV)で表すことができる。

    ここでnは平均の重合度であり、0.5〜100、典型的には0.5〜50、好ましくは0.5〜1.5の範囲にある。

    本発明を限定しない式(III)または(IV)の市販品の例には、Dainippon Ink & Chemicals,Incorporated製の「PRATHERM EC−14」、「PRATHERM EC−20」および「PRATHERM EC−30」、Tohto Chemical Co. ,Ltd. 製の「TB−60」および「TB−62」、Sakamoto Yakuhin Kogyo Co. ,Ltd. 製の「SR−T3040」および「SR−T7040」、Resolution Performance Products製の「EPIKOTE Resin−5203」が含まれる。

    重合体が一端において封鎖剤をもっている臭素化されたビスフェノールAエポキシオリゴマーは下記式(V)および(VI)で表すことができる。

    ここでnは平均の重合度であり、0.5〜100、典型的には0.5〜50、好ましくは0.5〜1.5の範囲にある。

    本発明を限定しない式(V)または(VI)の市販品の例にはDainippon Ink & Chemicals,Incorporated製の「PRATHERM EPC−15F」およびYuka Shell Epoxy Kabushiki Kaisha製の「E5354」が含まれる。

    非ハロゲン化芳香族エポキシオリゴマー
    本発明に使用するのに適した非芳香族エポキシオリゴマーは上記式(I)〜(VI)を有する任意の形をとることができる。 しかし非ハロゲン化エポキシオリゴマーでは、ハロゲン成分は素原子で置き換えられている。 例えばビスフェノールAエポキシオリゴマーは非ハロゲン化エポキシオリゴマーとして本発明に使用するのに適している。 本発明に使用するのに適した非ハロゲン化エポキシオリゴマーの本発明を限定しない例には、ビスフェノールAおよびエピクロロヒドリンからつくられる任意の入手可能なエポキシ樹脂が含まれる。

    ハイドロタルサイト
    本発明に使用するのに適したハイドロタルサイトは天然産および合成品の両方のハイドロタルサイトを含んでいる。 一般に、本発明に使用するのに適したハイドロタルサイトは一般式
    2+ 1−x3+ (OH) (A n−x/n mH
    によって表される。 ここでM 2+はMg 2+ 、Ca 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Zn 2+
    、Cd 2+ 、Pb 2+ 、Sn 2+ 、またはNi 2+から成る群から選ばれ;M 3+はAl 3+ 、B 3+ ;またはBi 3+から選ばれ;A n−はn価の原子価をもつ陰イオンであり、好ましくはOH 、Cl 、Br 、I C1O 、HCO 、CH COO 、C COO 、CO −2 、SO −2 、(COO 、(CHOH) CH OHCOO 、C (COO) −2 、(CH COO) −2 、CH CHOHCO 、SiO −2 、SiO −4 、Fe(CN) −3 、Fe(CN) −4またはHPO −2から成る群から選ばれ;nは約1〜約4の範囲の数であり;xは約0〜約0.5の範囲の数であり;mは約0〜約2の範囲の数である。 好ましくはM 2+はMg 2+ 、またはMgとZnとの固溶体であり、M 3+はAl 3+であり;A n−はCO −2またはSO −2であり、xは0〜0.5の範囲の数であり、mは好ましくは正の値である。

    ハイドロタルサイトの例には、必ずしもこれだけには限定されないが、Al .6MgO. CO .12H O;Mg 4〜5 Al (OH) 13 . CO .3.5H O;4MgO. A12O . CO .9H O;4MgO. Al . CO .6H O;ZnO MgO. Al . CO . wH Oが含まれ、ここでwは8〜9の範囲の数であり、またZnO. 3MgO. Al . CO . wH Oが含まれ、ここでwは5〜6の範囲の数である。

    いくつかの好適なハイドロタルサイトの製造業者によって提供される数種の経験式には、Mg 4〜5 Al (OH) 13 . CO 、Mg 4〜5 Al (OH) 13 . CO .3H O、Mg 4〜5 Al (OH) 13 . CO .3.5H O、およびMg 4〜5 Al (OH) 13 . O 0.2 . (CO 0.8が含まれる。

    上記一般式をもったハイドロタルサイトは市販品として容易に入手できる。 このようなハイドロタルサイトの通常の供給業者には、ALCAMIZER,DHT−4A,DHT−4CおよびDHT−4Vの商品名でハイドロタルサイトを供給しているKyowa Chemical Industry Co. ,Ltd,;およびHysafe 539およびHysafe 530の商品名でハイドロタルサイトを供給しているJ. M. Huber Corporationが含まれる。 本発明の特に好適な具体化例においては、本発明に使用されるハイドロタルサイトはKyowa Chemical Industry Co. ,Ltd. から市販されており、特に好適なものはDHT−4Aハイドロタルサイトである。

    上記のように、好適な一具体化例においては成分Aがハイドロタルサイトである。 この具体化例においては、ハイドロタルサイトは燃焼遅延剤組成物の重量に関し約1〜約25重量%の範囲の量で存在している。 好ましくはハイドロタルサイトは同じ基準で約1〜約15重量%、さらに好ましくは約1〜約10重量%、最も好ましくは約2〜約6重量%の範囲の量で存在している。

    押し出されたポリスチレン発泡体
    本発明の他の具体化例においては、燃焼遅延性を与えられた重合体組成物(flame
    retarded polymer formulation,以下簡単に燃焼遅延性重合体組成物と言う)の重量に関し約50重量%より多い量の押し出されたポリスチレン発泡体、および燃焼遅延性を与える量の本発明の燃焼遅延剤組成物を含んで成る燃焼遅延性重合体組成物が提供される。 好ましくは燃焼遅延性重合体は燃焼遅延性重合体組成物の重量に関し約75重量%より多い量の押し出されたポリスチレン発泡体を、さらに好ましくは同じ基準で約90〜99.5重量%の押し出されたポリスチレン発泡体を含んで成っている。

    本発明の燃焼遅延剤組成物は押し出されたポリスチレン発泡体に使用するのに特に適している。 これらの発泡体の使用に関する本発明を限定しない例には断熱材が含まれる。 本発明に使用するのに適した押し出されたポリスチレン発泡体は当業界に公知の任意の方法によってつくることができ、このような方法の一つは、式
    C=CR−Ar
    のビニル芳香族単量体から押し出されたポリスチレン発泡体をつくる方法である。 上記式中Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基であり、Arは炭素数約6〜約10の芳香族の基(種々のアルキルおよびハロゲンが環に置換した芳香族単位を含む)、例えばスチレン重合体である。 このようなビニル芳香族単量体の本発明を限定しない例には、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、イソプロピルペントトルエン、イソプロピルナフタレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、ビニルアントラセン、ジメチルスチレン類、t−ブチルスチレン、数種のクロロスチレン(例えばモノ−およびジ−クロロ置換体)、および数種のブロモスチレン(例えばモノ−、ジ−およびトリ−ブロモ置換体)が含まれる。 これらの発泡体の本発明を制限しない使用法には断熱材がある。

    本発明の一態様に従えば、単量体はスチレンである。 当業界に公知の塊状重合、溶液重合、懸濁重合、または乳化重合の方法によりポリスチレンは容易につくられる。 重合はフリーラジカルの陽イオン性または陰イオン性重合開始剤の存在下において行うことができる。 適当な重合開始剤の本発明を限定しない例には、過酸化ジt−ブチル、アゾビス(イソブチロニトリル)、過酸化ジベンゾイル、過安息香酸t−ブチル、過酸化ジクミル、過硫酸カリウム、三塩化アルミニウム、三フッ化硼素、エタレート錯体、四塩化チタン、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、クミルカリウム、1,3−トリリチオシクロヘキサン等が含まれる。 スチレン単独での、或いはスチレンと共重合し得る1種またはそれ以上の単量体の存在下における重合に関するこれ以上の詳細点は当業界において公知である。

    本発明に使用されるポリスチレンは典型的には少なくとも約1,000の分子量をもっている。 或る具体化例においては、ポリスチレンは少なくとも約50,000の分子量をもっている。 他の具体化例においては、ポリスチレンは少なくとも約150,000〜約500,000の範囲の分子量をもっている。 しかし、適当な場合または望ましい場合には、これよりも高い分子量のポリスチレンを使用することができることを注目すべきである。

    燃焼遅延剤組成物
    上記のように、本発明の燃焼遅延性重合体組成物は燃焼遅延性を与える量の本発明の燃焼遅延剤組成物を含んで成っている。 燃焼遅延性を与える量とは一般に1/8インチの厚さの試料についてUL94試験を行った場合少なくともV−2の評点を得るか、或いは厚さ10mmの試料(EPSおよびXPS)に対しDIN4102の試験を行った場合少なくともB2の評点を得ることができる試験試料を提供するのに十分な量を意味する。 大部分の場合、燃焼遅延性を与える量は、燃焼遅延性重合体組成物の重量に関し約0.3〜約10重量%、好ましくは燃焼遅延性重合体組成物の重量に関し約0.5〜約6重量%の範囲のハロゲン含量を与えるのに十分な量である。 一般にこの量は燃焼遅延性重合体組成物の重量に関し燃焼遅延剤組成物の約0.01〜約50重量%、好ましくは同じ基準で約0.01〜約25重量%、さらに好ましくは約0.5〜約7重量%である。 最も好ましくは燃焼遅延性を与える量は同じ基準で燃焼遅延剤組成物の約1〜約5重量%である。 しかし或る具体化例においては、燃焼遅延性を与える量は同じ基準で燃焼遅延剤組成物の約3〜約4重量%の範囲である。

    燃焼遅延性重合体組成物
    本発明の燃焼遅延性重合体組成物は公知の任意の工程または方法でつくることができる。 例示的な一方法は、押し出し機中でポリスチレン樹脂を熔融する方法である。 熔融した樹脂を混合機、例えばスタッド(stud)でローターに連結された内部表面をもつ、ハウジングの内部に収納されたスタッド付きのローターを有する回転混合機に移す。 熔融した樹脂および揮発性の発泡剤またはブローイング剤を混合機の入口端に供給し、出口端からゲルとして取り出す。 この流れは一般的に軸方法を向いている。 混合機からゲルを冷却器に通し、次いで冷却されたゲルをダイス型に通して一般的に矩形の形をした板を押し出す。 本発明に使用するのに適した押し出されたポリスチレン発泡体をつくるのに適した方法の本発明を限定しない例は、米国特許第5,011,866号明細書;同第3,704,083号明細書;および同第5,011,866号明細書に見出だすことができる。 これらの特許は引用により全文が本明細書に包含される。 適当な方法の他の例は米国特許第2,450,436号明細書;同第2,669,751号明細書;同第2,740,157号明細書;同第2,769,804号明細書;同第3,072,584号明細書;および同第3,215,647号明細書に見出だすことができる。 これらの特許はすべて引用により全文が本明細書に包含される。

    本発明の押し出されたポリスチレン発泡体を製造するために、しばしばブローイング剤とも呼ばれる多様な種類の公知の発泡剤を使用することができる。 適当な発泡剤の本発明を限定しない例は米国特許第3,960,792号明細書に見出だすことができる。 この特許は引用により全文が本明細書に包含される。 一般的に述べれば、揮発性の炭素含有化学物質がこの目的に対して最も広く使用される。 これらの中には例えばエタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブチレン、イソブタン、ペンタン、ネオペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、およびそれらの混合物を含む脂肪族炭化水素、塩化メチル、クロロジフルオロメタン、ブロモクロロジフルオロメタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、sym−テトラクロロジフルオロエタン、1,2,2−トリクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、sym−ジクロロテトラフルオロエタンのような揮発性のハロゲン化炭素および/またはハロゲン化炭化水素;テトラメチルシラン、エチルトリメチルシラン、イソプロピルトリメチルシラン、およびn−プロピルトリメチルシランのような揮発性のテトラアルキルシラン;およびこれらの材料の混合物のような材料が含まれる。 好適なフッ素含有発泡剤の一つは、その報告された望ましい環境的な性質のために、HFC−152a(FORMACEL Z−2,E.I.duPont de Nemours and Co.製)として知られている1,1−ジフルオロエタンである。 水を含んだ植物性材料、例えば微粉末のトウモロコシの穂軸も発泡剤として使用することができる。 米国特許第4,559,367号明細書に記載されているように、このような植物性材料は充填剤として作用することもできる。 二酸化炭素は発泡剤として、或いは発泡剤の少なくとも一つの成分として使用することができる。 二酸化炭素を発泡剤として使用する本発明を限定しない例は米国特許第5,006,566号明細書;同第5,189,071号明細書;同第5,189,072号明細書;および同第5,380,767号明細書に記載されている。 これらの特許は引用により全文が本明細書に包含される。 他の適当な発泡剤の本発明を限定しない例には、二酸化炭素を含みまたは含まない窒素、アルゴン、および水がある。 必要に応じ、このような発泡剤または発泡剤混合物は適当な揮発性をもったアルコール、炭化水素、またはエーテルと混合することができる。 例えば米国特許第6,420,442号明細書参照。 この特許は引用により全文が本明細書に包含される。

    相乗化剤
    本発明の燃焼遅延剤組成物は大部分の用途に適しているが、或る用途においてはその燃焼遅延性の効果をさらに増強することが望ましい。 この点に関し、燃焼遅延剤組成物は随時当業界に公知の燃焼遅延性相乗化剤を含んでいることができ、従って燃焼遅延剤組成物を燃焼遅延性重合体組成物に使用する場合、燃焼遅延性重合体組成物はまた随時相乗化剤を含んで成っているであろう。 適当な燃焼遅延性相乗化剤の本発明を限定しない例には、(i)アンチモン化合物、例えば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、およびアンチモン酸ナトリウム、(ii)錫化合物、例えば酸化錫および水酸化錫、(iii)モリブデン化合物、例えば酸化モリブデン、およびアンモニウムモリブデン、(iv)ジルコニウム化合物、例えば酸化ジルコニウムおよび水酸化ジルコニウム、(v)硼素化合物、例えば硼酸亜鉛、およびメタ硼酸バリウム、(vi)過酸化ジクミル、および(vii)ジクミルが含まれる。 燃焼遅延性相乗化剤として使用できる他の成分には、タルク、立体障害をもったフェノール性酸化防止剤、および光安定剤が含まれる。 N−2,3−ジブロモプロピル−4,5−ジブロモヘキサヒドロフタルイミド成分に対する随時加えられる燃焼遅延性相乗化剤の割合は適宜であり、任意の与えられた状況の要求に応じて変化させることができる。

    相乗化剤対燃焼遅延剤Iの全量の割合は典型的には約1:1〜約1:7の範囲である。 好ましくは相乗化剤はこの比が約1:2〜約1:4の範囲で使用される。

    好適具体化例においては、燃焼遅延剤組成物は随時加えられる相乗化剤を含んで成っている。 特に好適な具体化例においては、燃焼遅延剤組成物は随時加えられる相乗化剤として少なくともジクミルを含んで成っている。 或る具体化例においては、燃焼遅延剤組成物は相乗化剤としてジクミルだけを含んで成っている。 本発明においては、相乗化剤としてジクミルを使用すると、特にハイドロタルサイトが存在する場合、他の組み合わせおよび他の相乗化剤だけを使用した場合に比べ、制限酸素インデックスについて優れた結果が得られることが見出だされた。

    理論によって拘束されることを望むものではないが、このことは、特にジクミルとハイドロタルサイト、好ましくは合成ハイドロタルサイト、さらに好ましくはDHT−4Aとの組み合わせを使用することによって達成される予想外の相乗化効果によるものであると考えられる。

    一般に、相乗化剤は燃焼遅延剤組成物の重量に関し約0.01〜約5重量%の範囲の量で存在することができる。 好ましくは,相乗化剤は同じ基準で約0.05〜約3重量%の範囲の量で存在し、さらに好ましくは相乗化剤は同じ基準で約0.1〜約1重量%の範囲の量で存在している。 最も好適な具体化例においては、相乗化剤は同じ基準で約0.1〜約0.5重量%の範囲の量で存在している。

    他の随時使用される添加物
    本発明の燃焼遅延剤組成物および燃焼遅延性重合体組成物に使用するのに適した他の添加物の本発明を限定しない例には、押し出し助剤、例えばステアリン酸バリウムまたはステアリン酸カルシウム、有機性過酸化物、染料、顔料、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、補強材、金属除去剤または金属失活剤、衝撃変性剤、加工助剤、型抜き助剤、潤滑剤、閉塞防止剤、他の燃焼遅延剤、紫外線安定剤、可塑剤、流動助剤等が含まれる。 必要に応じ造核剤、例えば珪酸カルシウムまたはインジゴを燃焼遅延性重合体組成物に含めることもできる。 他の随時加えられる添加物は通常のものであり、任意の与えられた状況の要求に適合して変えることができる。

    随時またはその他の方法で加える燃焼遅延性重合体組成物の種々の成分を、押し出す前にポリスチレンと調合する方法は本発明に対してあまり重要ではなく、適当な技術、方法または工程は公知である。 例えば湿式法または乾式法により燃焼遅延剤組成物を押し出されたポリスチレン発泡体に混入することができる。 乾式法の本発明を限定しない例には、燃焼遅延剤組成物を押し出されたポリスチレン発泡体のペレットと混合し、次に膨張したポリスチレン発泡体を熔融させるのに十分な高温においてこの混合物を押し出す方法が含まれる。 湿式法の本発明を限定しない例には、燃焼遅延剤組成物の溶液を押し出されたポリスチレン発泡体の熔融した樹脂と混合する方法が含まれる。 さらに、燃焼遅延性重合体組成物は通常の配合装置、例えば二重スクリュー押し出し機、Brabender混合機、または同様な装置を使用することにより製造することができる。 また本発明の燃焼遅延性重合体組成物の個々の成分を別々に押し出されたポリスチレン発泡体に加えることもできる。 しかし本発明の予備成形された燃焼遅延剤組成物を押し出されたポリスチレン発泡体と配合することが好ましい。

    上記説明は本発明のいくつかの具体化例に関するものである。 当業界の専門家には認識されているように、本発明の精神を実施するために同様に効果のある他の方法を工夫することもできよう。 また本発明の好適な具体化例においては、本明細書で説明された範囲はすべて任意の低い方の量から任意の高い方の量に亙る範囲を含むものであることに注目すべきである。 例えば相乗化剤の量は約0.5〜約3重量%の範囲の量から約0.05〜約1重量%、約3〜約5重量%の量等を含むことができる。 下記実施例は本発明を例示するが、本発明をいかなる方法においても限定するものではない。

    実施例

    本実施例および下記実施例で「FR」と呼ばれるN−2,3−ジブロモプロピル−4,5−ジブロモヘキサヒドロフタルイミド、即ち燃焼遅延剤IをFRの重量に関し5または10重量%の種々の公知熱安定剤と配合し、燃焼遅延剤組成物をつくった。 これらの燃焼遅延剤組成物のいくつかは本発明の組成物、例えばEP−16、ゼオライトA、および臭素化されていないエポキシオリゴマーを含む組成物であり、いくつかは本発明の組成物ではなかった。 次にこの燃焼遅延剤組成物の熱安定性を動的熱重量(「TGA」)分析法によって測定した。 次に本発明の燃焼遅延剤組成物の熱安定性を本発明によらない燃焼遅延剤組成物の熱安定性と比較した。 TGAの測定結果は下記表1に含まれている。

    本明細書において使用されるEP−16はDainippon Ink & Chemicals,Incorporatedから市販されている臭素化されたビスフェノールAエポキシ樹脂を意味し、DGETBBPAはテトラブロモビスフェノールAを、またTSPPはポリ燐酸四ナトリウムを意味する。 DBTMはマレイン酸ジブチル錫を、DHT
    4AはMipsui製のハイドロタルサイトを意味する。 臭素化されていないエポキシオリゴマー(「non Br EO」)はAldrichから40545−0のカタログ番号で市販されている。

    TGA試験を行うために約(10)μgの燃焼遅延剤組成物を70μlのアルミナの坩堝の中に蓋をせずに入れた。 この坩堝を100%窒素の不活性雰囲気の中に入れ、坩堝の温度を毎分10℃の割合で30℃の初期温度から最終温度の750℃に達するまで上昇させた。 表1に示されているように、種々の燃焼遅延剤組成物が一定の割合で重量を減少する温度を測定し、記録した。

    表1から分かるように、両方ともよく知られた熱安定剤であるDBTMおよびDHT 4A(ハイドロタルサイト)を含んだ燃焼遅延剤組成物は、予想外にもFRに比べ熱安定性の改善を示さなかった。 しかし、DGETPPA、EP−16、TSPP、臭素化されていないエポキシオリゴマー、およびゼオライトAを含む組成物はFRに比べ熱安定性の改善を示す。

    下記表2に示されているように、この実施例ではFRを2.5または5重量%のハロゲン化された芳香族エポキシオリゴマー(EP−16)、および2.5重量%または5重量%のハイドロタルサイト(DHT−4A)と配合し、本発明の燃焼遅延剤組成物のハイドロタルサイトおよびハロゲン化された芳香族エポキシオリゴマーの種々の濃度がTGA分析に及ぼす効果を試験した。 ここですべての重量%はFRの重量を基準とした値である。

    TGA試験を行うために約(10)μgの燃焼遅延剤組成物を70μlのアルミナの坩堝の中に蓋をせずに入れた。 この坩堝を100%窒素の不活性雰囲気の中に入れ、坩堝の温度を毎分10℃の割合で30℃の初期温度から最終温度の750℃に達するまで上昇させた。 表2に示されているように、種々の燃焼遅延剤組成物が一定の割合で重量を減少する温度を測定し、記録した。

    表2から分かるように、5重量%のハロゲン化芳香族エポキシオリゴマーおよび5重量%のハイドロタルサイトは、FRだけの場合に比べ、改善された熱安定性を与える。 しかし本発明においては予想外にも、ハロゲン化された芳香族エポキシオリゴマーの濃度が低い方が、即ち2.5重量%の場合の方が、FRだけの場合、および燃焼遅延剤組成物が5重量%のハロゲン化された芳香族エポキシオリゴマーを含んで成っている場合に比べ、改善された熱安定性を与えることが見出された。

    次に本発明の種々の燃焼遅延性重合体組成物の燃焼遅延性を解析した。 燃焼遅延性重合体組成物の燃焼遅延性は、ASTM D2863に従って測定した制限酸素インデックス(「LOI」)によって決定した。 LOIの値は、材料の燃焼をちょうど支えるだけの酸素/窒素混合物中における酸素の濃度を与える。 LOIの値が高いほど燃焼遅延性重合体組成物の燃焼遅延能は良好である。

    試験した燃焼遅延性重合体組成物の含量を、該燃焼遅延性重合体組成物のLOIと共に表3および4に示す。 これらの燃焼遅延性重合体組成物は、ポリスチレン発泡体の用途に通常使用されるスチレン重合体で商品名Styron 678EのDow Chemical Corporation製のスチレン重合体を実施例1の燃焼遅延剤組成物と組み合わせることにより得られた。

    また、対照の燃焼遅延性重合体組成物として、Albemarle Corporation製の燃焼遅延剤組成物であるHP900をStyron 678Eと、また5重量%のTSPPおよびStyron 678Eと配合した。

    表2、表3、並びに添付図面から分かるように、燃焼遅延性重合体組成物がEP−16、ゼオライトA、または臭素化されていないエポキシオリゴマーと共にFRを含んでいる場合(本発明の燃焼遅延剤組成物)、燃焼遅延性を付与された重合体組成物の燃焼遅延性は改善される。 また、表1に示されているように、燃焼遅延剤組成物の熱安定性も同様に改善される。

    TSPPは公知の熱安定性/燃焼遅延性改善剤である。 例えば燃焼遅延性重合体組成物が燃焼遅延剤組成物としてHP900および5重量%のTSPPを含んでいる場合、Styron 678EおよびHP900だけを含んだ燃焼遅延性重合体組成物に比べて燃焼遅延性が改善される。 しかし極めて予想外なことには、燃焼遅延性重合体組成物がTSPPおよびFRを含む燃焼遅延剤組成物を含んでいる場合、FRを含有した燃焼遅延性重合体組成物はFRだけを含む組成物よりも低いFR燃焼遅延性を示す。 即ちTSPPはFRの燃焼遅延性に対して拮抗作用をもっている。 しかし、TSPPおよびFRを含む燃焼遅延剤組成物は表1に示されているように改善された熱安定性を示す。 このように、FRの燃焼遅延性および熱安定性の両方を改善するには、或る種の公知の熱安定剤/燃焼遅延剤だけが適していることは予想外なことである。

    DHT 4A(ハイドロタルサイト)も公知の熱安定性/燃焼遅延性改善剤である。 従って、FR/DHT 4A(ハイドロタルサイト)燃焼遅延剤組成物を含む燃焼遅延性重合体組成物は改善された燃焼遅延性を示すが、表1に示されているようにこの燃焼遅延剤組成物の熱安定性が減少することは予想外のことである。 この場合も予想外にも、FRの燃焼遅延性および熱安定性の両方を改善するのに適しているのは、或る種の公知の熱安定剤/燃焼遅延剤だけであることが示されている。

    このように本発明においては、燃焼遅延剤/熱安定剤として通常使用されている材料の中で或る種の材料だけがN−2,3−ジブロモプロピル−4,5−ジブロモヘキサヒドロフタルイミドを含む燃焼遅延剤配合物の燃焼遅延性および熱安定性の両方を改善し、同時に燃焼遅延剤を含む燃焼遅延性重合体組成物の熱安定性を改善するのに使用できることが見出された。 同様に本発明においては予想外にも、ハイドロタルサイト(DHT 4A)またはTSPPのようなもっと普通に使用されている燃焼遅延性/熱安定性改善剤の或るものはこの利点を与えることはなく、或る場合には所望の性質、即ち熱安定性および/または燃焼遅延性に悪影響を与えることが示された。

    本実施例においては、ハイドロタルサイト、ジクミル、およびこれら二つの化合物の組み合わせの濃度の変化が本発明の種々の燃焼遅延性重合体組成物の燃焼遅延性に与える効果を解析した。 この場合も燃焼遅延性重合体組成物の燃焼遅延性は、ASTM D2863に従って測定された制限酸素インデックス(「LOI」)によって決定した。

    試験した燃焼遅延性重合体組成物の含量を、該燃焼遅延性重合体組成物のLOIと共に下記表5に示す。 これらの燃焼遅延性重合体組成物は、ポリスチレン発泡体の用途に通常使用されるスチレン重合体である商品名Styron 680のDow Chemical Corporation製のスチレン重合体を、CCDFBP Dicumyl(Peroxid Chemie GMBH製のジクミル−2,3−ジメチル,2,3−ジフェニルブタン、CAS # 1889−67−4の商品名)およびハイドロタルサイト、DHT−4Aと組み合わせることにより得られた。

    表5の中のすべての成分の量は燃焼遅延性重合体組成物の全重量に関する重量%で与えられていることに注意すべきである。

    表5に示されているように、燃焼遅延性重合体組成物の中のハイドロタルサイトが増加するにつれて、燃焼遅延性重合体組成物のLOIは増加し始めるが、次いで減少する。 事実、このレベルが0.3重量%より多くなると、燃焼遅延性重合体組成物のLOIはFRだけを含む燃焼遅延性重合体組成物のLOIよりも実際に悪くなる。 従って本発明によれば、好適なハイドロタルサイトの量が存在することが見出された。

    さらに本発明によれば、ハイドロタルサイトとジクミルとを組み合わせると、FRだけの場合、および同じ量のハイドロタルサイトを含む燃焼遅延性重合体組成物の場合に比べてLOIが改善されることが見出された。 また本発明によれば、この改善はハイドロタルサイトとジクミルとの間で相乗作用が存在するためであるとすることができる。

    本発明の燃焼遅延性重合体組成物の酸素インデックス(「LOI」)、即ち燃焼遅延効率を比較したグラフ。

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