Method for producing a porous ceramic product

申请号 JP3319392 申请日 1992-02-20 公开(公告)号 JP3444361B2 公开(公告)日 2003-09-08
申请人 株式会社村田製作所; 发明人 誠治 神波; 洋 鷹木;
摘要
权利要求
  • (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 セラミック原料を仮焼してなる仮焼済みセラミック粉末と、前記セラミック原料を有機物によって凝集粒子化してなる未焼成セラミック粉末とを混合した後、所定形状に成形したうえで焼成することを特徴とする多孔質セラミック製品の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、多孔質セラミック製品の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、母相であるセラミック中に気孔が分散されてなる多孔質セラミック製品は、例えば、
    マイクロ波誘電体などのようなエレクトロニクス部品として用いられており、このような多孔質セラミック製品における気孔形成用材料としてはセラミック原料の焼結温度以下で分解するセルロース樹脂などのような有機単体物を用いるのが一般的となっている。 すなわち、この種の多孔質セラミック製品の製造にあたっては、まず、
    所定の組成となるように予め調質されたセラミック原料を用意し、このセラミック原料に対して有機単体物である粉末状のセルロース樹脂と酢酸ビニル系バインダとを加えて混合することによってスラリー(泥しょう)を得た後、このスラリーを基板状などのような所定形状として成形したうえ、その成形体を空気雰囲気中で焼成する手順が採用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したような多孔質セラミック製品の製造方法には、つぎのような不都合があった。 すなわち、セラミック原料の焼結温度は1000℃以上であることが多いのに対し、セルロース樹脂などの有機単体物は、300ないし400℃の温度下で炭化した後、400ないし900℃の温度下で分解するのが通常である。 したがって、従来例方法においては、有機単体物の分解に伴って気孔が形成された後になってセラミック原料の焼結が始まることになるため、いったん形成された気孔がセラミック原料の焼結時における粒成長によって潰れたり、消滅したりすることが起こる。 その結果、多孔質セラミック製品における気孔率が小さくなったり、気孔径が揃わないことになってしまう。 【0004】また、セラミック原料の比重よりも有機単体物の比重の方が軽いため、セラミック原料に有機単体物を加えたうえで十二分に混合したにも拘わらず、ドクターブレード法などを採用してスラリーの成形を行った場合には、セラミック原料中で有機単体物が浮き上がってしまうことになる。 そのため、成形体中における有機単体物の分散が不均一となる結果、母相であるセラミック中における気孔の分散が不均一となってしまう。 【0005】本発明は、このような不都合に鑑みて創案されたものであって、気孔率を大きくすると同時に、気孔径を揃えることができる多孔質セラミック製品の製造方法を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明にかかる多孔質セラミック製品の製造方法は、このような目的を達成するために、セラミック原料を仮焼してなる仮焼済みセラミック粉末と、前記セラミック原料をバインダや樹脂などの有機物によって凝集粒子化してなる未焼成セラミック粉末とを混合した後、所定形状に成形したうえで焼成することを特徴とするものである。 すなわち、この方法においては、未焼成セラミック粉末が気孔形成用材料として機能することになり、セラミック原料を凝集粒子化した有機物が分解することによって気孔が形成されることになる。 【0007】 【作用】上記構成によれば、仮焼済みセラミック粉末及び未焼成セラミック粉末が同質のセラミック原料からなるものであるため、両者の比重は相等しくなり、これらを混合しても両者が分離することは起こり得ない。 また、この製造方法における仮焼済みセラミック粉末及び未焼成セラミック粉末の焼結は同時に行われることになり、この未焼成セラミック粉末はセラミック原料を凝集粒子化していた有機物の分解によって形成された気孔を内包しながら焼結によって粒成長することになる。 【0008】 【実施例】以下、本発明にかかる多孔質セラミック製品の製造方法について説明する。 なお、この実施例においては、多孔質セラミック製品がマイクロ波誘電体として有名なBaTi 49からなるものであるとしている。 【0009】まず、純度が99%以上で平均粒径が1μ
    mとされたBaCO 3と、純度が99%以上で平均粒径が1μmとされたTiO 2とを所要量ずつ用意し、これらの各々をBaCO 3 /TiO 2 =1/4のモル比となるように秤量した後、エチルアルコールを加えたうえで湿式混合することによってスラリー(泥しょう)を得る。
    そして、このようにして得られたスラリーを乾燥させたうえで乾式粉砕することにより、所定の組成となるように調質されたセラミック原料としての混合粉末を得た後、得られた混合粉末を二分する。 【0010】つぎに、二分したうちの一方の混合粉末を空気雰囲気中において1150℃の温度下で2時間にわたって仮焼することにより、BaTi 49粉末、すなわち、仮焼済みセラミック粉末を得る。 また、二分したうちの他方の混合粉末100gに対してPVB(ポリビニルブチラール)系バインダ3gを加えたうえ、エチルアルコールを用いて湿式混合した後、得られたスラリーを乾燥させたうえで乾式粉砕することによって平均粒径が1.5μm程度とされた未焼成セラミック粉末を得る。
    すなわち、このとき得られた未焼成セラミック粉末は、
    セラミック原料を有機物であるPVB系バインダによって凝集粒子化したものとなっている。 なお、セラミック原料の凝集粒子化に際して用いられる有機物がPVB系バインダに限られるものではなく、アクリル系バインダのような樹脂であってもよいことは勿論である。 【0011】さらに、仮焼済みセラミック粉末であるB
    aTi 49粉末75g及び未焼成セラミック粉末25g
    に対し、酢酸ビニル系バインダ7g,可塑剤2g,分散剤1g及び純70ccを加えたうえで湿式混合することによってスラリーを得た後、ドクターブレード法を採用してスラリーの成形を行うことによって厚み100μ
    mとされたグリーン(生)シートを形成する。 そして、
    このようにして形成された複数枚のグリーンシートを互いに重ね合わせたうえで加圧することによってブロック体とした後、ダイヤモンドカッターなどを用いてブロック体を切断することにより、例えば、長さ20mm×幅10mm×厚み5mmの大きさとされた成形体を得る。 【0012】引き続き、昇降温速度が200℃/hr
    で、かつ、焼成温度が1230℃の条件とされた空気もしくはN 2雰囲気中において成形体のそれぞれを2時間にわたって焼成することにより、焼結体である多孔質セラミック製品を得る。 そして、この実施例においては、
    空気雰囲気中で焼成された多孔質セラミック製品を特性試験用の試料Aとし、また、N 2雰囲気中で焼成された多孔質セラミック製品を試料Bとする。 【0013】つぎに、本実施例方法と従来例方法との対比を行うべく、気孔形成用材料としての有機単体物、すなわち、平均粒径が15μmとされた粉末状のセルロース樹脂を用意する。 そして、用意したセルロース樹脂を本実施例と同様に調質されたセラミック原料に加えた後、同一の条件下で混合し、かつ、成形したうえで焼成することによって焼結体である多孔質セラミック製品を得る。 そして、これらの多孔質セラミック製品のうち、
    空気雰囲気中で焼成されたものを試料Cとし、また、N
    2雰囲気中で焼成された多孔質セラミック製品を試料D
    とする。 【0014】その後、このようにして得られた試料A〜
    Dのそれぞれにおける気孔率及び平均気孔径を測定したところ、表1で示すような測定結果が得られた。 なお、
    この表1におけるD50はD50以下の粒子径を有する粒子が全体の50%、D90はD90以下の粒子径を有する粒子が全体の90%を占めることを意味している。 【0015】 【表1】

    【0016】そして、この表1における気孔率及び平均気孔径D50を比較すると、従来例方法によって製造された試料C,Dの気孔率に比べ、本実施例方法によって製造された試料A,Bにおける気孔率の方が大きくなっていることが分かる。 また、同時に、平均気孔径D50


    及びD90それぞれの比較により、試料C,Dにおけるよりも試料A,Bにおける気孔径の方がブロードとなっており、気孔の分布状態が均一となっていることが理解される。 【0017】ところで、以上の説明においては、多孔質セラミック製品がBaTi

    4

    9からなるものであり、セラミック原料としてBaCO

    3及びTiO

    2を用いるとしているが、これらに限定されるものではなく、セラミック原料は、セラミック構成元素の酸化物,炭酸塩,窒化物,炭化物,化物などのいずれであってもよい。 例えば、チタンを例にとれば、TiN,TiC,TiB

    2などである。 また、成形体焼成時における雰囲気が空気もしくはN

    2のみに限定されることはなく、必要に応じてO

    2 ,CO

    2 ,Arなどやこれらの混合ガスを用いることは勿論である。 【0018】 【発明の効果】以上説明したように、本発明方法においては、セラミック原料を仮焼してなる仮焼済みセラミック粉末と、同質のセラミック原料をバインダや樹脂などの有機物によって凝集粒子化されて気孔形成用材料となる未焼成セラミック粉末とを用いて多孔質セラミック製品を製造することとしている。 したがって、比重の相等しい仮焼済みセラミック粉末と未焼成セラミック粉末とを混合しても両者が分離することは起こり得ず、また、


    未焼成セラミック粉末がセラミック原料を凝集粒子化していた有機物の分解によって形成された気孔を内包しながら粒成長することになる。 【0019】その結果、本発明方法によれば、多孔質セラミック製品における気孔率を大きくすると同時に、気孔径を揃えることができるという効果が得られる。 そして、このようにして製造された多孔質セラミック製品をエレクトロニクス部品として用いる場合には、その耐熱衝撃性の向上のみならず、比表面積の増大や電気的特性の改善などを図ることが可能となる。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−8779(JP,A) 特開 昭64−72979(JP,A) 特開 平1−167281(JP,A) 特開 平3−215374(JP,A)

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