Cementitious arc-resistant material and its manufacturing method

申请号 JP12290992 申请日 1992-04-17 公开(公告)号 JP2617853B2 公开(公告)日 1997-06-04
申请人 ニチアス株式会社; 发明人 和雄 久保田; 正秋 加山; 泰通 向田;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 チョップドストランド状ガラス繊維5〜
    15重量%、マイカ5〜15重量%、高融点充填材0〜
    20重量%を含有し、マトリックス部分がベーマイトとアルミン酸カルシウム水和物からなり、密度が1.8〜
    2.5g/cm 3であることを特徴とするセメント質耐アーク材。
  • 【請求項2】 アルミナセメントに最終製品の重量基準で5〜15%のチョップドストランド状ガラス繊維、5
    〜15%のマイカ粉末、0〜20%の高融点充填材、および水を加えて混合し、得られたスラリー状混合物を脱水成形し、得られた成形体をオートクレーブ中で加熱処理してアルミナセメントよりベーマイトおよびアルミン酸カルシウム水和物を生成させることを特徴とするセメント質耐アーク材の製造法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は石綿を含まないセメント質耐アーク材およびその製造法に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】JIS C2210に規定されている電気絶縁用セメント板は、ポルトランドセメントを結合剤として石綿を成形することにより製造されるものであって、従来、耐アーク材や電気絶縁材として使われてきた。 しかしながら、石綿は人体に有害であるため、石綿を含まない代替品が望まれている。

    【0003】従来提案された石綿を含まない代替品の例としては、特開昭61−109205号の、パルプ2〜
    5%とタルクおよびポルトランドセメントを脱成形し、得られた成形物をオートクレーブ中で加熱処理したものがある。 この材料は、機械的強度と切削加工性が優れているが耐アーク性は十分でなく、また、加熱されたときパルプの燃焼臭を発生するという欠点がある。 また、特開昭48−40000号公報にはコージライトとアルミナセメントおよび水の混合物を成形後加熱することによって製造される耐アーク材が提案されているが、
    この材料は、機械的強度が小さく、耐衝撃性も十分でない。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、耐アーク性に優れ、実用上十分な機械的強度および耐衝撃性を有し、切削加工性も良好な、石綿を含まない耐アーク材およびその製造法を提供することを目的としている。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発明は、チョップドストランド状ガラス繊維5〜15重量%、マイカ5〜15重量%、高融点充填材0〜20重量%を含有し、マトリックス部分がベーマイトとアルミン酸カルシウム水和物からなり、密度が1.8〜2.5g/cm
    3であることを特徴とする、セメント質の耐アーク材を提供するものである。

    【0006】本発明はまた、上記耐アーク材の製造法、
    すなわち、アルミナセメントに最終製品の重量基準で5
    〜15%のチョップドストランド状ガラス繊維、5〜1
    5%のマイカ粉末、0〜20%の高融点充填材、および水を加えて混合し、得られたスラリー状混合物を脱水成形し、得られた成形体をオートクレーブ中で加熱処理してアルミナセメントよりベーマイトおよびアルミン酸カルシウム水和物を生成させることを特徴とするセメント質耐アーク材の製造法を提供するものである。

    【0007】

    【作用】本発明の耐アーク材において、マトリックスを構成するベーマイトは約500℃以上に加熱されると脱水分解して高融点のγ−アルミナになるが、このときの寸法変化や強度低下は、ポルトランドセメント水和物やアルミナセメントの常温での水和生成物に含まれているギブサイトなどの場合に比べるとずっと小さい。 また、
    ベーマイトとアルミン酸カルシウム水和物からなるマトリックス部分(好ましくは重量比で1:1〜2のベーマイトとアルミン酸カルシウム水和物からなるもの)は、
    緻密で、電気アークの高温にさらされたときの劣化が少ない。

    【0008】本発明の耐アーク材が含有するチョップドストランド状ガラス繊維は、上記マトリックスと強固に結合した状態で均一に分散しており、耐アーク材を機械的強度と耐衝撃性のすぐれたものとしている。 また、電気アークにさらされたときの熱衝撃による亀裂の発生およびその伝播を防ぐ作用をする。 また、マトリックスと結合したマイカ粒子は、そのへき解性に基づき、切削加工時に生じる亀裂をその発生部位に留どめ、大きな亀裂となって伝播するのを防ぐなど、切削加工性を良くする。

    【0009】高融点充填材たとえばジルコン、コーディライト、コランダム等の粉末は、適量を存在させると耐アークを向上させる。 しかしながら、過剰添加は機械的強度の低下を招く。 上述の組成を有する本発明の耐アーク材は、密度を1.9〜2.4g/cm 3とすることが望ましく、これは、機械加工性を確保しながら十分な強度を得るのに必要である。

    【0010】次に、本発明によるこの耐アーク材の製造法を説明する。 原料のアルミナ質セメントとしては、高アルミナセメント(Al 23約73重量%、CaO約26
    重量%)またはJIS1号アルミナセメント(Al 23
    約54重量%、CaO約37重量%)の大部分が使用可能であるが、アルミナ含有量の少ないもの、特にAl 2
    3含有量が約49重量%のJIS2号アルミナセメントも、アルミナヒューム等の活性アルミナを配合して重量比1:1ないし1:2のベーマイトとアルミン酸カルシウム水和物を生成し得るように組成を調整すれば使用可能である。

    【0011】チョップドストランド状ガラス繊維としては、集束本数約10〜300本、繊維長約6〜10mmのものが適当であり、ガラス繊維自体は耐アルカリ性のものであることが必要である。 チョップドストランドは解繊せずに使用し、なるべくそのまま製品中に導入されるようにする。 単繊維状の解繊繊維は、製品中に十分量を均一に混合することが難しく、補強効果が確実でない。

    【0012】アルミナセメント、マイカ、高融点無機質充填材、チョップドストランド状ガラス繊維等の固形原料は、水を加える前によく混合する。 この段階で、成形性を良くするため、木材パルプを耐アーク性に悪影響のない範囲で、すなわち約2%以下の少量を、加えてもよい。

    【0013】得られた混合物にさらに水を加えて撹拌する。 このとき、混和水に酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等をアルミナセメントに対して約0.5〜4重量%添加しておくと、理由は定かでないが顕著な凝集作用が現れ、それにより、多量の木材パルプを配合しておかなくても脱水成形工程におけるアルミナセメント等粉体原料の漏出がなくなって製品品質の均一性と歩留まりが向上する。 また、これらの有機酸塩はアルミナセメントの硬化反応の遅延剤でもあるため、硬化反応が開始するまでの時間が長くなって成形工程の管理が容易になる。

    【0014】原料混合物のスラリーには、さらにシリコーンオイル等の撥水剤を添加してもよく、それにより、
    製品の吸水性、吸湿性を低くして耐アーク性の安定性を向上させることができる。 適量の水を加えてスラリー状にした原料混合物は、十分撹拌して均一に混合する。 上記凝集作用のある凝結遅延剤を添加した場合は、撹拌を続けると数分で凝集状態が形成され、撹拌抵抗が増加する(ストーマー粘度計による粘度は約10,000センチポイズ以上になる。上記凝集作用がある有機酸塩を添加しなかった場合は、30分撹拌後も粘度は300センチポイズ前後である。)。 前述のように、この状態になったものは成形性が良いので、粘度が約20,000〜
    60,000センチポイズになるまで撹拌してから成形するのが有利である。

    【0015】成形は脱水プレス成形法により行う。 プレス成形圧は、最終的に密度が1.8〜2.5g/cm 3の製品が得られるように調整する。

    【0016】得られた成形体中では、アルミナセメントから生成したアルミン酸カルシウム水和物およびギブサイトが、少量の未水和アルミナセメントとともにマトリックスを形成している。 この成形体を次いでオートクレーブ中で加熱処理し、マトリックスをベーマイトとアルミン酸カルシウム水和物からなるものに変換する。 この変換に要する処理条件は、温度約130〜200℃、加熱時間約3〜7時間であり、温度が高いほど加熱時間は短くて済む。 変換が十分に進行するとギブサイトは消失し、ベーマイトとアルミン酸カルシウム水和物が約1:
    1.5の重量比で生成する。 処理による成形体の見掛けの体積変化はほとんどないが、組成変化により、緻密化が起こる。

    【0017】製品は、切断、穿孔、ワニス処理など、適宜加工を施して、耐アーク材としての使用に供する。

    【0018】

    【実施例】

    実施例1 高アルミナ質アルミナセメント(Al 23約73%,Ca
    O約26%)64重量部、マイカ粉末(平均粒径300
    μm)10重量部、チョップドストランド状耐アルカリ性ガラス繊維(繊維長約8mm,集束本数約200本)、
    10重量部、アルミナ粉末(平均粒径約20μm)16
    重量部、酒石酸ナトリウムカリウム2重量部、および水75重量部を10分間撹拌混合し、粘度が40,000
    センチポイズのスラリーを得た。 次いで、得られたスラリーを厚さ10mmの板状に脱水プレス成形した。 プレス成形型枠からの成形材料の漏れは僅かであり、成形は円滑に行われた。 得られた成形体はオートクレーブに移し、180℃で9時間加熱処理した。 X線回折試験の結果、製品のマトリックス部分は重量比1:1.5のベーマイトとアルミン酸カルシウム水和物からなるものであることが確認された。

    【0019】比較例1(石綿使用従来品) ポルトランドセメント60重量部およびクリソタイル石綿40重量部を150重量部の水と混合し、厚さ10mm
    の板状に脱水プレス成形した後、オートクレーブ中9kg
    f/cm 2で7時間蒸気養生した。

    【0020】比較例2(従来の無石綿品) ポルトランドセメント50重量部、ケイ石粉末、シリカフラワー、ワラストナイト、マイカ、タルク各10重量部およびパルプ3重量部を200重量部の水と混合し、
    厚さ10mmの板状に脱水プレス成形後、オートクレーブ中9kgf/cm 2で7時間蒸気養生処理した。 上記実施例1、比較例1,2で得られた製品の特性値を表1に示す。 なお、耐アーク性は下記の方法で試験した。

    【0021】耐アーク性試験法:板状試験体の表面から2.5mmの高さの位置に直径6mmのカーボン電極をそれぞれ垂直から45°傾けたV字状配置で先端を2.5mm
    離して対向させ、10Ωの抵抗器を接続して100vの交流電圧を印加する。 電流8.5〜9Aで6分間アークを飛ばした後、アークによる試験体損傷部分の直径と深さを測定し、併せて亀裂の有無を調べる。

    【0022】表1から明らかなように、本発明の耐アーク材は耐アーク性試験の結果、損傷部の径と深さが共に小さく、亀裂の発生もなく、良好な耐アーク性を示した。 また、曲げ強さは比較例に比べるとやや小さいが、
    実用上十分な強さであり、その他の特性も良好であった。

    【0023】 表1 実施例1 比較例1 比較例2密度(g/cm 3 ) 2.2 1.9 1.8 曲げ強さ(kgf/cm 2 ) 250 460 300 シャルピー衝撃値(kgf・cm/cm 2 ) 5.0 3.0 3.0 耐アーク性 損傷部の径(mm) 8 12 20 損傷部深さ(mm) 0.6 1.0 1.2 亀裂 なし なし なし 切削加工性 良好 良好 良好

    【0024】実施例2,3;比較例3,4 ガラス繊維配合量を変更したほかは実施例1と同様にして耐アーク材を製造した。 各例におけるガラス繊維配合量および製品の特性値を表2に示す。

    【0025】 表2 比較例3 実施例2 実施例3 比較例4ガラス繊維配合量(重量部) 0 5 15 20 密度(g/cm 3 ) 2.4 2.3 2.1 2.0 曲げ強さ(kgf/cm 2 ) 250 260 230 170 シャルピー衝撃値(kgf・cm/cm 2 ) 1.9 3.0 6.0 5.5 耐アーク性 損傷部の径(mm) 7 7 10 12 損傷部深さ(mm) 0.5 0.5 0.8 1.0 亀裂 有り なし なし なし 切削加工性 良好 良好 良好 良好

    【0026】実施例4,5;比較例5,6 マイカ配合量を変更したほかは実施例1と同様にして耐アーク材を製造した。 各例におけるマイカ配合量および製品の特性値を表3に示す。

    【0027】 表3 比較例5 実施例4 実施例5 比較例6マイカ配合量(重量部) 0 5 15 20 密度(g/cm 3 ) 2.3 2.3 2.2 2.0 曲げ強さ(kgf/cm 2 ) 300 270 220 150 シャルピー衝撃値(kgf・cm/cm 2 ) 5.0 5.0 5.0 4.0 耐アーク性 損傷部の径(mm) 7 7 8 9 損傷部深さ(mm) 0.5 0.5 0.6 0.7 亀裂 なし なし なし なし 切削加工性 不良 良好 良好 良好

    【0028】実施例6,7;比較例7 オートクレーブ処理温度を変更したほかは実施例1と同様にして耐アーク材を製造した。 各例におけるオートクレーブ処理温度および製品の特性値を表4に示す。 比較例7製品はオートクレーブ処理温度が低かったことによるギブサイトの残存が認められ、それにより耐アーク性の悪いものとなった。

    【0029】 表4 比較例7 実施例6 実施例7オートクレーブ処理温度(℃) 120 130 200 密度(g/cm 3 ) 2.3 2.2 2.2 曲げ強さ(kgf/cm 2 ) 260 250 250 シャルピー衝撃値(kgf・cm/cm 2 ) 6.0 6.0 4.0 耐アーク性 損傷部の径(mm) 8 8 8 損傷部深さ(mm) 0.6 0.6 0.6 亀裂 有り なし なし 切削加工性 良好 良好 良好

    【0030】

    【発明の効果】本発明によれば、耐アーク性に優れ、実用上十分な機械的強度および耐衝撃性を有し、且つ切削加工性も良好な、セメント質耐アーク材が提供される。
    また、本発明の耐アーク材は、耐熱性、耐熱衝撃性、および電気絶縁性も優れているので、耐アーク材としての用途以外にも、断熱材や電気絶縁材として幅広い用途が期待される。

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