Production of ultra-low thermal expansion cordierite structure

申请号 JP2000586654 申请日 1999-11-30 公开(公告)号 JP2002531370A 公开(公告)日 2002-09-24
申请人 コーニング インコーポレイテッド; 发明人 エム ビール,ダグラス; エイ マーケル,グレゴリー;
摘要 (57)【要約】 コージエライトの主結晶相を示し、重量パーセントで表して、49-53%のSiO
2 、33-38%のAl
2 O
3 、および12-16%のMgOの分析 酸化 物組成を有し、約25℃から約800℃までの 温度 範囲に亘る約4.0×10
-7 /℃以下の熱膨張係数および約0.92以上の横I比を示す焼結セラミック製品が開示されている。 マグネシウム供給源、SiO
2 形成供給源および(a)約5m
2 /gより大きい表面積を有する、クレーを含まないAl
2 O
3 形成供給源;または(b)クレーが全無機混合物の約30重量%以下を構成し、Al
2 O
3 形成原料が約40m
2 /gより大きい表面積を有する、クレーとAl
2 O
3 形成供給源との組合せ:のいずれかの追加成分を含有する可塑化可能な原料を調製する工程を含む焼結コージエライトセラミック製品を製造する方法も開示されている。 その混合物は、所望の形状の未焼成基体に成形され、その後乾燥され、上述したCTEおよびI比の特徴を有する構造体を形成するのに十分な時間に亘り十分な温度で焼成される。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 重量で少なくとも約93%のコージエライトを含み、重量パーセントで表して、約49-53%のSiO 2 、約33-38%のAl 23 、および約12-16%
    のMgOから実質的になる焼結相組成を有し、約25℃から約800℃までの温度範囲に亘る少なくとも1つの方向で約4.0×10 -7 /℃以下の熱膨張係数および約0.9
    2以上の横I比を示すことを特徴とするセラミック製品。
  • 【請求項2】 約25℃から約800℃までの温度範囲に亘る約3.0×10 -7 /℃以下の熱膨張係数を示すことを特徴とする請求項1記載のセラミック製品。
  • 【請求項3】 少なくとも約0.93の横I比を示すことを特徴とする請求項1
    記載のセラミック製品。
  • 【請求項4】 約0.41未満の軸I比を示すことを特徴とする請求項1記載のセラミック製品。
  • 【請求項5】 前記セラミック製品がハニカム形状からなることを特徴とする請求項1記載のセラミック製品。
  • 【請求項6】 前記セラミック製品が約15%より大きい多孔率を示すことを特徴とする請求項1記載のセラミック製品。
  • 【請求項7】 主相としてコージエライトを有するセラミック体を製造する方法であって、 原料を選択して、重量パーセントで表して、約49-53%のSiO 2 、約33-38%
    のAl 23 、および約12-16%のMgOから実質的になる化学組成を有する可塑化可能な無機原料混合物を形成し、ここで、該混合物が、0.75よりも大きいモルホロジーインデックスを有する板状タルクから構成されるマグネシウム供給源および結晶質または非晶質シリカいずれかから構成されるSiO 2形成供給源並びに以下の2つの追加の成分の内の1つからなり: (a) 約5m 2 /gより大きい表面積を有する実質的にクレーを含まないAl 23
    形成供給源; (b) クレーが全無機混合物の約30重量%以下を構成し、Al 23形成供給源が約40m 2 /gより大きい表面積を示す、該クレーと該Al 23形成供給源との組合せ、 水を含む有機結合剤系を前記無機混合物に加え、該混合物を混練し、その後、
    未焼成体を形成し、 該未焼成体を乾燥させ、その後、該未焼成体を1380℃から1450℃までの温度とある時間で焼成して、約0.92以上の横I比および約25℃から約800℃までの温度範囲に亘る約4.0×10 -7 /℃以下の熱膨張係数を示す、少なくとも93%のコージエライトを有する焼結セラミック体を得る、 各工程を含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項8】 成分(a)の前記Al 23形成供給源が、約1μm以下のメジアン粒径を有する高反応性αアルミナまたはアルミニウム三水和物から構成されることを特徴とする請求項7記載の方法。
  • 【請求項9】 成分(b)の前記Al 23形成供給源が、約1μm以下のメジアン粒径を有する遷移アルミナおよびアルミニウムオキシヒドロキシドからなる群より選択されることを特徴とする請求項7記載の方法。
  • 【請求項10】 前記セラミック体の熱膨張係数が約3.0×10 -7 /℃以下であることを特徴とする請求項7記載の方法。
  • 【請求項11】 前記未焼成体がハニカムモノリスであることを特徴とする請求項7記載の方法。
  • 【請求項12】 前記有機結合剤系が、メチルセルロース、メチルセルロース誘導体、およびそれらの組合せからなる群より選択されるセルロースエーテル結合剤成分と、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸およびそれらの組合せからなる群から選択される界面活性剤成分と、水からなる溶剤とを含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
  • 【請求項13】 前記無機原料混合物が、無機物を100重量部としたときに、約0.2から2重量部の前記界面活性剤成分、約2.5から5重量部の前記セルロースエーテル結合剤成分、および約20から50重量部の前記水を含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 本出願は、Beall等による、「超低熱膨張コージエライト構造体の製造」と題する、1998年12月7日に出願された米国仮特許出願第60/111,192号の恩典を主張する。

    【0002】 発明の背景 1. 発明の分野 本発明は、触媒担体として使用するためのコージエライトセラミック体、特に、自動車の排気ガスを精製するための触媒担体として使用する、超低熱膨張のコージエライト体、およびそのコージエライト構造体の製造方法に関する。

    【0003】 2. 関連技術の説明 炭化素ガス、ガソリンまたはディーゼル燃料のような炭化水素燃料を利用する内燃機関系により放出される排気ガスにより、環境が酷く汚染されることがある。 これらの排気ガスにおける多くの汚染物の中には炭化水素および酸素含有化合物があり、後者には、窒素酸化物(NO x )および一酸化炭素(CO)が含まれる。 自動車産業では、長年に亘り、自動車のエンジン系からのガス状排気物の量を減少させる試みが行われており、触媒コンバータを備えた最初の自動車は19
    70年代中頃に導入された。

    【0004】 一般的にハニカム体の形態にあるコージエライト基体は、1つにはコージエライトセラミックの高い耐熱衝撃性のために、自動車に搭載する触媒コンバータ用の触媒的に活性な成分を支持するための基体として使用するのに長い間好まれてきた。 耐熱衝撃性は熱膨張係数に反比例する。 すなわち、低熱膨張のハニカムが、良好な耐熱衝撃性を有し、使用中に遭遇する広い温度変動に耐えることができる。 コージエライト体の熱膨張係数は、コージエライト結晶が無作為に方向付けられている多結晶性コージエライト体については、25℃−800℃の範囲において約18×10 -7 /℃であることが一般に知られている。

    【0005】 クレーおよびタルクのようなマグネシウム、アルミナおよびシリカの供給源を含有する鉱物バッチからコージエライト(2MgO・2Al 23・5SiO 2
    セラミックを製造することがよく知られている。 そのようなプロセスが米国特許第2,684,919号に記載されている。 米国特許第3,885,977号には、クレー/タルクバッチから、バッチを押し出し、その押出物を焼成して、少なくとも1つの軸に沿って非常に低い膨張係数を有するセラミックを提供することにより、耐熱衝撃性のコージエライトハニカムセラミックを製造することが開示されている。 さらに、この文献には、ハニカムウェブの平面においてコージエライト結晶をc結晶軸に方向付け、その結果、5.5×10 -7 /℃ほど熱膨張値が低くなるという原理が記載されている。

    【0006】 製造業者は、引き続き、触媒担体としての利用性を向上させるためにコージエライト基体の特徴を最適化するように働きかけている。 特に、製造業者は、コージエライト基体の耐熱衝撃性および強度を最適化するように引き続き努している。 以下の特許の各々は、耐熱衝撃性または熱膨張係数(CTE)および/または強度が改良されたセラミックハニカムの製造に関する。

    【0007】 米国特許第4,434,117号(イノグチ等)には、板状タルク粒子および他のセラミック材料の非板状粒子からなる原料混合物を使用し、その後、板状タルク粒子に平板配向を与えるように混合されたバッチを非均衡的に形成し、次いで、乾燥させ、焼成して、成形セラミック体を得ることが開示されている。 イノグチ等の文献において形成されたセラミック体は、7.0×10 -7 /℃ほど低い熱膨張係数を示した。

    【0008】 米国特許第5,144,643号(Beall等)には、所望のコージエライト体を形成する特定の原料を選択する工程を含むコージエライト体の製造方法が開示されている。 特に、これらの原料の選択は、どのようなクレーまたはタルクも含むべきではなく、それぞれ、15マイクロメートルおよび8マイクロメートル以下の粒径を有するMgO生成成分およびAl 23生成成分を含むべきである。 原料は互いに混合され、その後、乾燥され、上述したコージエライト体を形成するのに十分な時間に亘り十分な温度で焼成される。 このBeall等の文献により形成されたセラミック体は、約25℃から約1000℃までで約9×10 -7 /℃未満の熱膨張係数を示した。

    【0009】 最後に、米国特許第5,258,150号(Merkel等)には、板状タルク、0-48%の小板型すなわち離層クレーおよび3μmから8μmまで、または3μm未満の平均粒径を有する酸化アルミニウム生成成分を含むある選択された原料を含む原料バッチ混合物を含むコージエライト体を形成する方法が開示されている。 この方法は、前記原料を結合剤系と混合し、その混合物を押し出して未焼成体を形成し、その後、この未焼成体を少なくとも1390℃の温度で焼成して、焼結コージエライト体を得る各工程を含む。 このMerkelの文献により形成されたセラミック体は、約
    25℃から約1000℃までの約4×10 -7 /℃未満の熱膨張係数、約42%より大きい多孔率および約5-40μmの間のメジアン細孔直径を示した。 しかしながら、これらのセラミック体は、約0.91以下のI比を示すものとしてそこに開示されている。

    【0010】 そのようなセラミックは、先に存在するプロセスを用いて製造された押出コージエライトセラミックよりも熱膨張係数の特性において改良されているが、特に、セラミックの強度を無視できないほど減少させずに、この熱膨張特性をさらに改良することが望ましいであろう。 壁がより薄く、より高いセル密度および増大した触媒転化効率を有し、より低い背圧を生じるコージエライトハニカム触媒担体を製造しようとする動きの結果として、コージエライトハニカムの製造において、強度が益々重要な検討事項となってきた。

    【0011】 したがって、本発明の主な目的は、超低膨張と組み合わされて適切な強度を示す改良コージエライトセラミック、およびその製造方法を提供することにある。

    【0012】 発明の概要 本発明は、コージエライトから構成される主結晶相を有し、超低熱膨張および予測されたよりも高い強度を示す焼結セラミック基体およびそのセラミック基体の製造方法を提供する。

    【0013】 具体的には、本発明の焼結セラミック製品は、コージエライトの主結晶相を示し、重量パーセントで表して、49-53%のSiO 2 、33-38%のAl 23 、および1
    2-16%のMgOの分析酸化物組成を有し、約25℃から約800℃までの温度範囲に亘る約4.0×10 -7 /℃以下の少なくとも1つの方向における熱膨張係数および約0
    .92以上の横I比を示す。

    【0014】 本発明はまた、焼結コージエライトセラミック製品を製造する方法であって、
    マグネシウム供給源、SiO 2形成供給源および(a)約5m 2 /gより大きい表面積を有する、クレーを含まないAl 23形成供給源;または(b)クレーが全無機混合物の約30重量%以下を構成し、Al 23形成供給源が約40m 2 /gより大きい表面積を有する、クレーとAl 23形成供給源との組合せ:のいずれかの追加成分を含有する可塑化可能な原料混合物を調製する工程を含む方法にも関する。 このマグネシウム供給源は、約0.75より大きいモルホロジーインデックス(morpho
    logy index)を有する板状タルクから構成される。 約5m 2 /gより大きい表面積を有するAl 23形成供給源は、好ましくは、約1μm以下のメジアン粒径を有する反応性アルミナまたは水酸化アルミニウムから構成され、一方で、約40m 2
    /gより大きい表面積を有するAl 23形成供給源は、約1μm以下のメジアン粒径を有する「遷移」アルミナまたはアルミニウムオキシヒドロキシドから構成され、ここで、メジアン粒径は、沈降技法を用いた粒径分析器により測定される。 その後、前記混合物は、所望の形状の未焼成基体に成形され、その後乾燥され、上述したCTEおよびI比の特徴を有する構造体を形成するのに十分な時間に亘り十分な温度で焼成される。

    【0015】 発明の詳細な説明 本発明は、コージエライトの主結晶相を示すセラミック製品、並びにアルミニウム、マグネシウムおよびケイ素の特定の供給源を含む低クレー原料またはクレーを含まない原料いずれかの選択された組合せを用いてこれらの製品を製造する方法に関する。 具体的には、本発明のセラミック製品は、分析酸化物基準で、約
    49-53重量%のSiO 2 、約33-38重量%のAl 23 、および約12-16重量%のMg
    Oから実質的になる焼結セラミック製品を形成するように各々が選択された相対量の原料から構成される可塑化可能なバッチ混合物から形成される。

    【0016】 前述したように、このバッチ混合物に特定のマグネシウム形成原料およびアルミナ形成原料を用いることにより、ここに記載された混合物により、超低膨張係数(CTE)および高横I比の特性の組合せを有する、コージエライトの主結晶相により特徴付けられる焼結セラミック製品が得られることが分かった。 具体的には、本発明のセラミック体は、25℃から800℃までの約4.0×10 -7 /℃以下のC
    TEおよび約0.92以上の横I比により特徴付けられる。 好ましくは、本発明のコージエライト体により示されるCTEは、25℃から800℃までで約3.0×10 -7 /℃
    以下である。 このコージエライトセラミック体はさらに、低CTEであるとすると、少なくとも約2400psi(約16.5×10 6 Pa)の比較的高い強度により特徴付けられる。

    【0017】 本発明によれば、上述したセラミック製品の調製に使用するための可塑化可能な混合物が提供され、その混合物は、SiO 2形成供給源、約0.75より大きいモルホロジーインデックスを有する板状タルクから構成されるマグネシウム供給源および以下の追加成分の内の1つ:(a)約5m 2 /gより大きい表面積を有する、
    クレーを含まないAl 23形成供給源;または(b)クレーが全無機混合物の約30
    重量%以下を構成し、Al 23形成供給源が約40m 2 /gより大きい表面積を有する、クレーとAl 23形成供給源との組合せ:を含む。

    【0018】 シリカ形成供給源は、溶融SiO 2 ;コロイドシリカ;石英またはクリストバライトのような結晶質シリカ、または実質的にアルカリを含まない低アルミナゼオライトを含むシリカ原料から構成される。 さらに、シリカ形成供給源は、加熱されたときに、遊離シリカを形成する化合物、例えば、ケイ酸またはケイ素有機金属化合物を含んでも差し支えない。

    【0019】 Al 23形成供給源は、本発明の目的に関しては、加熱されるとAl 23を形成する化合物である。 5m 2 /g以上のAl 23形成供給源に関して、その材料は、アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミニウムオキシヒドロキシド、およびそれらの組合せからなる群より選択される。 特に好ましい供給源は、約1μm以下のメジアン粒径を有する高反応性αアルミナまたは水酸化アルミニウムから構成される。 40m 2 /gより大きい表面積を有するAl 23形成供給源に関しては、
    その材料は、アルミナ形成供給源のメジアン粒径が約1μm以下の、ガンマアルミナのような、「遷移」すなわち活性化アルミナ、およびアルミニウムオキシヒドロキシドからなる群より選択される化合物を含み、好ましくは、この供給源は、ベーマイトまたは偽ベーマイトから構成される。

    【0020】 ここで用いられているクレーはか焼クレーまたは生クレーのいずれかを意味し、クレーは好ましくはカオリンから構成される。

    【0021】 マグネシウム供給源は板状タルクから構成され、これは、小板粒子モルホロジー、すなわち、2つの長い寸法および1つの短い寸法を有する粒子、または厚さよりもずっと大きい小板の長さと幅を示すタルクである。 そのタルクは、約0.75
    よりも大きいモルホロジーインデックスを有することが好ましい。 このモルホロジーインデックス(米国特許第5,141,686号参照)は、タルクの板状の度合いの尺度である。 このモルホロジーインデックスを測定する一般的な方法の1つは、
    板状タルクの配向が試料ホルダの平面内で最大となるようにホルダ内に試料を配置することである。 次いで、この配向されたタルクについて、x線回折パターンを測定する。 このモルホロジーインデックスは、以下の方程式を用いてタルクの板状特性をXRDピーク強度に対して半定量的に関連付ける:

    【数1】

    ここで、I

    xは(004)ピークの強度であり、I

    yは(020)反射の強度である。

    【0022】 前記可塑化混合物を構成する上述した原料は、原料相の緊密な混合が達成されるのに十分に混合工程で組み合わされて、熱処理において完全に反応できる。 結合剤系がこの時点で加えられて、造形可能かつ成形可能な押出可能混合物を作り出すのに役立つ。 本発明に使用する好ましい結合剤系は、メチルセルロース、メチルセルロース誘導体、およびそれらの組合せからなる群より選択されるセルロースエーテル結合剤成分と、界面活性剤成分、好ましくはステアリン酸またはステアリン酸ナトリウムと、水からなる溶剤とを含む。 アルミナおよびシリカ形成供給源並びにタルクの無機原料混合物を100重量部とすると、約0.2から2重量部のステアリン酸ナトリウム、約2.5から6.0部のメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース結合剤、および約20-50重量部の水からなる結合剤系を用いることにより、優れた結果が得られた。

    【0023】 結合剤系の個々の成分を、無機粉末材料の塊、例えば、タルク、アルミナおよびシリカ形成供給源の混合物と、適切な既知の様式で混合して、例えば、押出しによりセラミック体に成形できるセラミック材料と結合剤系との緊密な混合物を調製する。 例えば、結合剤系の全成分を予め互いに混合し、その混合物をセラミック粉末材料に加えてもよい。 この場合、結合剤系の全量を一度に加えても、または結合剤系の小分けした部分を適切な間隔で次々に加えてもよい。 あるいは、
    結合剤系の成分をセラミック材料に次々に加えても、または結合剤系の2つ以上の成分の予め調製された混合物の各々をセラミック粉末材料に加えてもよい。 さらに、結合剤系を最初に、セラミック粉末材料の一部と混合してもよい。 この場合、セラミック粉末の残りの部分は、調製された混合物に後に加えられる。 いずれにせよ、結合剤系は、所定の部分でセラミック粉末材料と均質に混合されなければならない。 結合剤系およびセラミック粉末材料の均質な混合は、既知の混練プロセスにおいて行ってもよい。

    【0024】 次いで、得られた固練りで均質な押出可能なバッチ混合物を、例えば、押出し、射出成形、スリップ鋳造、遠心鋳造、圧力鋳造、乾式成形等のような任意の既知の従来のセラミック成形プロセスにより未焼成体に造形する。 触媒支持体として使用するのに適した薄壁ハニカム基体を調製するには、ダイを通した押出しが好ましい。

    【0025】 次いで、調製されたセラミック製未焼成体を、熱風乾燥または誘電乾燥のような任意の従来の方法により、焼成前に約5-20分間に亘り乾燥させる。 その後、乾燥させた未焼成体を、主相としてコージエライトを含有する焼成セラミック体を得るのに十分な温度で十分な時間に亘り焼成する。 焼成条件は、特定の組成、未焼成体のサイズ、および設備の特性のような加工条件に応じて変動し得る。 しかしながら、いくつかの好ましい焼成は以下のとおりである: 未焼成体を約1380℃から約1450℃までの間の温度まで加熱し、この温度で約6
    時間から約16時間に亘り保持し、その後、未焼成体を室温まで冷却させる。

    【0026】 上述したように、コージエライトセラミック体は、例えば、押出しによりハニカム構造に形成された場合、特徴的な高横および低軸I比により証拠付けられるコージエライト微結晶の好ましい配向により特徴付けられる。 具体的には、約0.
    92以上の横I比、および約0.41未満の軸I比が本発明のコージエライト体を特徴付ける。

    【0027】 このI比の特徴は、コージエライトハニカム体の焼成ウェブの断面のx線回折分析を用いることにより測定される。 コージエライト体からなる微結晶の負の膨張c軸が特定の方向で優先的に配向されている場合、その方向に対して垂直に切断された薄片から測定された(001)反射は、それら微結晶が無作為に配向されている場合よりも強度が強いはずである。 それと同時に、この負の膨張c軸に対して平行(かつ001平面に対して垂直)な結晶平面から回折された(hk0)反射は、好ましい配向がない場合よりも、強度が小さいはずである。 最初に米国特許第3,88
    5,977号に記載されたような、以下の比、I比(I R )は、好ましい配向の程度を記載するのに用いられる:

    【数2】

    ここで、I

    (110)およびI

    (002)は、六方晶系コージエライト結晶構造に基づいて、それぞれ、(110)および(002)結晶平面からのX線反射のピーク高さであり、これらの反射は、それぞれ、約4.9および4.68Åのd間隔に対応する。

    【0028】 軸および横I比は、X線ビームにおけるコージエライトハニカム試料の異なる配向を称する。 X線ビームはある度で平面表面に入射する。 具体的に横I比の測定について言及すると、この測定は、X線が入射する平面表面がハニカムの形成されたままの壁表面から作製された平らな表面である場合、試料の平面表面について行われる。 言い換えれば、横I比のこの測定は、ハニカムのウェブの平らな断面を露出するようにコージエライトハニカム基体をスライスし、このウェブにX回折を行い、観察された回折ピークの強度を計算することにより行われる。
    得られた値が0.65よりも大きい場合、これは完全に無作為に配向された結晶の物体(すなわち、粉末)に関するI比であるが、コージエライト微結晶が好ましい配向を有する、すなわち、コージエライト微結晶の大部分がウェブの平面のc軸について配向されていると推測できる。 1.00のI比は、コージエライト微結晶の全てがウェブの平面内の負の膨張軸について配向され、したがって、横I比(I T )が1.00の値に近くなるほど、この平面の配向の程度が高くなることが示唆される。 ここで、軸I比の測定について言及すると、この測定は、X線が入射する平面表面がハニカムウェブの断面端部からなる場合にセルチャネルの長さに対して垂直(したがって、横I比についての平面に対しても垂直)な平面について行われる。 言い換えれば、このX線測定は、押出方向に対して垂直なコージエライトハニカムの表面について行われる。 軸I比(IA)が0.65未満である場合、ここでも、コージエライト微結晶が好ましい配向を示すと推測される。 具体的には、コージエライト微結晶がウェブの平面のc軸について優先的に配向されているので、(002)平面からの反射の強度は、完全に無作為に配向されたコージエライト微結晶を有する物体に関するよりも大きくなると予測される。

    【0029】 簡単に言えば、物体の押出方向に関して横方向において測定されたI比が約0.
    65より大きい、または押出方向に関する軸I比が約0.65未満である場合、コージエライト微結晶はウェブの平面内のc軸について実質的に配向されるようになる。

    【0030】 軸方向(セルチャネルに対して平行)におけるコージエライトセルラ体の熱膨張係数は、微小構造におけるコージエライト結晶の非無作為結晶配向により、焼成後の物体中に存在する微小亀裂の程度により、および高膨張の副相の存在により、影響を受けることが明確に確立されている。 一般的に、より高い横I比の値、およびそれに対応したより低い軸I比の値は、軸方向に測定される熱膨張の低値に相関する。 実質的に、これは、配向された微結晶の大きな領域の熱膨張異方性に関連する歪みから形成された微小亀裂の生成と組み合わされた、ウェブの平面に配向されたコージエライト微結晶の負の膨張方向の影響のためである。

    【0031】 前述したように、ここに記載された混合物の主な用途は、触媒担体として有用な高強度コージエライトハニカム基体の調製用である。 本発明は、薄壁ハニカムの調製に特に有益であるが、特許請求の範囲に記載された混合物は、より薄い構造体に使用しても差し支えない。 触媒をハニカム構造体に施し、それらの構造体を、例えば、自動車の排気系に用いる方法が、当該技術分野においてよく知られている。 前記混合物は、フィルタのような他の高強度コージエライト構造体の調製にも有用であろう。

    【0032】 実施例 本発明の原理をさらに説明するために、本発明により形成されたセラミック体のいくつかの具体例、並びにいくつかの比較具体例を記載する。 しかしながら、
    それらの具体例は説明のみを目的として与えられたものであり、本発明はそれらに限定されず、様々な改変および変更を、本発明の精神から逸脱せずに、本発明に行ってもよいことが理解されよう。

    【0033】 具体例1−14 主結晶相としてコージエライトを有するセラミック体の形成に適した無機粉末バッチ混合物が、重量パーセントで表Iに列記されている。 具体例1−7が本発明のものであり、具体例8−14が比較のものである。 組成物1−14の各々を、表Iに列記された無機混合物の成分を組み合わせ、互いにドライブレンドすることにより調製した。 これらの混合物に、表Iに列記された量の有機結合剤系を加え、その後、この中間混合物を脱イオン水と混合して、可塑化セラミックバッチ混合物を調製した。 表Iに詳述された結合剤系成分は、100部の全無機物に基づいて、重量部で列記されている。

    【0034】 表IIには、具体例に用いられた市販の原料の様々な特性、特に、低CTEの高I比のコージエライト具体例の形成に重要であると論じられている特性が報告されている。 その表には、以下の重要な原料の特性も含まれている:モルホロジーインデックス、B. E. T. 法により測定された表面積(m 2 /g)および沈降技法により測定された平均粒径(μm)。

    【0035】 様々な可塑化混合物の各々を、1/4インチ(6.35mm)のロッドを形成するのに適した条件下、並びに1.0インチ(25.4mm)の直径および8ミル(0.20mm)
    厚のセル壁を有する、4インチ(101.6mm)長で、400セル/平方インチ(62セル/cm 2 )のハニカム基体を形成するのに適した条件下で、押出機に通して押し出した。 14のバッチ組成物の各々から形成した未焼成セラミックロッドおよびハニカムを、存在するかもしれないいかなる水または液相をも除去するのに十分に乾燥させ、その後、押し出したロッドおよびハニカムから有機結合剤系を除去し、それを焼結するのに十分な加熱および焼成サイクルに施した。 具体的には、
    各々の種類の基体の未焼成体を、1405℃から1430℃までの間に焼成し、約10時間の期間に亘り保持した。 すなわち、これは、主相としてコージエライトを有するセラミック体を形成するのに適した焼成条件である。

    【0036】 表Iにはさらに、表中に報告されたバッチから製造されたセラミックに関する選択された特性も示されている。 セラミック体の各々について含まれている特性は、具体例5を除いて、psiで表された、4点荷重により測定されたロッドの破壊係数強度(MOR);膨張法により測定された、約25℃から約800℃までの温度範囲に亘るセラミックロッドの平均熱膨張係数(CTE)(×10 -7 /℃);
    およびHg多孔度法により測定された、容積パーセント開放多孔率およびμmで表されたメジアン細孔直径である。 さらに、表Iには、上述した様式で各々が測定された、横I比のI T 、およびいくつかの具体例に関しては、軸I比のI Aが含まれる。

    【0037】

    【表1】

    【表2】

    【表3】

    表Iの結果を検討すると、具体例1−7の組成物が、本発明によるコージエライトセラミック体を示し、その各々が約2.0×10

    -7 /℃(-0.5から1.9×10

    -7 /℃


    )未満の超低熱膨張を示す。 さらに、本発明の具体例の全てが、具体的には0.93


    から0.96までに及ぶ、0.92以上の横I比(IT)を示し、セラミックハニカムのセル壁の平面内で優先的に配向された結晶c軸により好ましいコージエライト配向の非常に高い程度を示すことに留意すべきである。 従来技術において以前には報告されていないこの高い程度の配向は、タルク原料の高い板状性質、アルミナ生成原料の高表面積およびこれらの具体例において用いられた低クレー含有量の新たな組合せに帰する。 具体例3、4および5は、アルミニウムオキシヒドロキシド原料、特にベーマイトを使用することにより、0×10

    -7 /℃以下のCTEおよび少なくとも0.93のI比を示すコージエライト体が生成されることを示すことに留意すべきである。

    【0038】 理論により制限することを意図するものではないが、本発明の物体の非常に低いCTEは、コージエライト微結晶の好ましい平面配向の程度の増大だけでなく、微小亀裂の増大した程度によるものであることが考えられる。 微小亀裂の増加が証明できる前に、最初に、ハニカム体のチャネルに対して平行に測定されたC
    TEと横I比との間の関係を導き出すことが必要である。 これには、CTEと結晶配向との間の関係、および結晶配向とI比との間の関係を定義する必要がある。

    【0039】 コージエライトはその3つの結晶軸に沿って異なる熱膨張係数を示すことがよく知られている。 具体的には、斜方晶系コージエライトに関する25℃から800℃
    までの平均CTEは、a軸に沿っては31.9×10 -7 /℃、b軸に沿っては25.9×10 -7 /℃、およびc軸に沿っては-14.5×10 -7 /℃であることが報告されている(D
    erek Taylor, 1988, Thermal Expansion Data XIII. Complex oxides with chai
    n, ring and layer structures and the apatites, Br.Cer.Trans.&Jour., vol.
    87, no.3, pp.88-95, Table 3)。

    【0040】 X線回折法により測定されたコージエライトI比の上述した議論から、コージエライト結晶の全てがハニカムチャネルの壁の平面に対して垂直なc軸について配向された場合、横I比はゼロに等しいことが分かる。 この条件は、完全逆配向(complete reversed orientation)と称される。 また、結晶の全てのc軸が、
    CTEの測定されるハニカムの軸方向に対して直交しているので、a軸およびb
    軸のCTEのみが軸CTEに寄与する。 したがって、コージエライトセラミック体に微小亀裂がないとすると、完全に逆配向のコージエライト結晶を有するコージエライトハニカム体の軸CTEは、a軸とb軸の膨張の平均のCTE(a,b
    )に等しくなる。 これは、(31.9×10 -7 /℃+25.9×10 -7 /℃)/2=28.9×10 -7 /℃と計算される。

    【0041】 次に、コージエライト結晶の全てがハニカム壁の平面内のc軸について配向されているが、c軸がその平面内で正味の無作為の配向を有する場合を考える。 この条件は、完全平面配向(complete planar orientation)と称される。 そのような物体に関する横I比は1.0に等しいであろう。 微小亀裂を計算に入れないで、そのような物体の軸方向に沿ったCTEは、c軸CTEと、a軸およびb軸の膨張の平均(CTE(a,b))との平均である値を有する。 これは、(-14.5
    ×10 -7 /℃+28.9×10 -7 /℃)/2=7.2×10 -7 /℃と計算される。

    【0042】 この分析から、コージエライトの好ましい平面配向における増大のために、微小亀裂または副相の量の変化がなく、CTEが減少する割合は、完全平面および完全逆配向に関する横I比の差で割られる、これら2つの末端要因条件に関する軸CTEの差に等しい。 したがって、この変化の割合は、I比の単位変化当たり、(7.2×10 -7 /℃−28.9×10 -7 /℃)/(1.0−0.0)=-21.7×10 -7 /℃と計算される。

    【0043】 ここで図1を参照する。 具体例12を除いて、表Iからの本発明および比較の具体例のCTE値が、それぞれの横I比に対してプロットされている。 実線が、
    比較具体例に関するデータに当てはまる最小二乗法である。 点線は、微小亀裂の変化のない結晶配向の程度の増感に関して生じるであろう、比較具体例8に対するCTEの減少を表す。 本発明の具体例に関するデータの比較により、それらの熱膨張は、実線により示されるように、比較具体例に関するデータの傾向に基づいて予測されるであろうよりも低いことが分かる。 これらのデータは、本発明の具体例のCTEが、比較具体例に対するコージエライト微結晶の平面配向の増加のみにより予測されるであろうよりも低い、1.3×10 -7 /℃から3.8×10 -7 /℃までであることを示している。 この差により、本発明の物体の予期せずに低いCT
    は、改善された結晶配向のためだけでなく、さらに熱膨張を低下させる、微小亀裂の程度の増加にもよることが示される。

    【0044】 得られた超低CTEは粒子配向の増加(すなわち、高I比)およびそれに対応する微小亀裂の増加によるものであるが、本発明のコージエライトセラミック体の強度は許容される高い状態にあることも注目に値する。 具体的には、本発明の具体例は、約2400psi(2400から4000psi)[約16.5×10 6 Pa(16.5から2
    7.6×10 6 Pa)]以上の強度値を示し、これは、2から3倍大きいCTEを有するコージエライト体に予測される強度である。

    【0045】 ここで比較具体例を参照する。 比較具体例の全て、すなわち、具体例8−14
    は、2.0×10 -7 /℃よりも大きい熱膨張(2.6から12.4×10 -7 /℃)および0.91以下の横I比(I T )(0.80から0.91)を示す。 この配向の低下した程度は、十分に高い表面積のアルミナ供給源を含まないクレーおよび/または板状程度が不十分なタルクを使用すると、本発明の範囲から外れた熱膨張係数およびI比を有するセラミック体が得られることを示す。

    【0046】 標準的な市販のコージエライトセラミックを表す比較具体例8および9は、特に、クレー原料成分および板状の程度が不十分なタルクを使用することにより、
    それぞれ、0.80および0.86のI比により証拠付けられる減少した程度の配向、したがって、2.0×10 -7 /℃より大きいCTEを有するコージエライト体が形成されることを示す。

    【0047】 比較具体例10は、板状の程度が不十分で、0.75のモルホロジーインデックスを示すタルクを、クレーを含まないバッチ混合物のために5m 2 /gより大きい必要とされる表面積を有するAl 23形成供給源と組み合わせて使用しても、望ましいよりも低い程度の配向、0.88のI比を示すコージエライト体、したがって、
    増大したCTE、2.7×10 -7 /℃を示すコージエライト体が製造されることを示す。

    【0048】 比較具体例12は、粗いアルミナからなるアルミナ原料を、板状モルホロジーを有するタルクと組み合わせて用いたとしても、本発明の範囲から外れた、それぞれ、0.88および12.4×10 -7 /℃のI比およびCTEを示すコージエライトセラミック体が形成されることを示す。

    【0049】 比較具体例13および14は、バッチ混合物中にクレーであるカオリンまたはか焼カオリンを、クレー含有バッチのための40m 2 /gよりも大きい必要とされる表面積よりも小さい表面積を有するAl 23形成供給源とともに、十分に板状であるタルクと組み合わせて用いたとしても、本発明の範囲から外れた特性を有するコージエライトセラミック体が生成されることを示す。

    【0050】 本発明をある説明のための特定の実施の形態に関して詳細に説明してきたが、
    本発明はそのようなものに制限されず、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の広い精神および範囲から逸脱せずに様々な改変が可能であることが理解されよう。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 図1は、本発明および比較の具体例のCTE対I比の関係を比較するグラフである

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/28 301 B01D 53/36 C Fターム(参考) 3G091 AA02 AB01 BA10 BA39 GA06 GB01X GB03X GB10X GB16X GB17X GB19X 4D048 BA10X BB02 4G030 AA07 AA36 AA37 BA34 CA01 CA02 CA10 GA14 GA16 GA17 GA21 GA27 HA02 HA05 HA08 HA25 4G069 AA01 AA08 BA13A BA13B CA03 DA06 EA19 FA01

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