性の仕上げ剤を含むセメント質の物品

申请号 JP2016501439 申请日 2014-03-12 公开(公告)号 JP2016519037A 公开(公告)日 2016-06-30
申请人 ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー; 发明人 アシッシュ・デュービー; ヤンフェイ・ペン;
摘要 疎 水 性の仕上げ剤を有するセメント質の物品が開示される。一部の実施形態において、物品は、有益な防水特性を有する可撓性および疎水性のセメント質の仕上げ剤に面した無機鉱物繊維で表面強化された防水 石膏 パネルである。本発明の防水石膏パネルは、例えば、建築の湿潤または乾燥領域におけるタイル下地ボード、屋外野地板として用いるための屋外天候バリアパネル、ならびに優れた水耐久性および極めて低い表面吸収を有する屋根カバーボードなどの、多くの用途において有用である。本発明の可撓性および疎水性のセメント質の仕上げ剤には、クラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、シラン化合物(例えば、アルキルアルコキシシラン)、および他の任意選択の添加剤が含まれていてよい。【選択図】図1B
权利要求

(a)石膏系芯と、 (b)前記石膏系芯の少なくとも1つの面に面している内表面、および反対側の外表面を有する、繊維質マットと、 (c)前記繊維質マットの前記外表面に面している疎性の仕上げ剤であって、 (i)クラスCフライアッシュと、 (ii)膜形成ポリマーと、 (iii)一般化学式: (RO)3−Si−X、 (式中、ROはアルコキシ基およびXは有機官能基である) のシラン化合物と を含む、仕上げ剤と を含む、マット表面の石膏ボード。前記ボードが、ANSI A118.10(2008年10月改訂)に従う防水性に関する試験に合格する、請求項1に記載のボード。前記ボードが1/2インチ厚さのボードとして注型される場合、前記ボードは、ASTM C1178/C1178M−11に従って少なくとも約70ポンドの釘引き抜き抵抗を有する、請求項1または2に記載のボード。前記膜形成ポリマーが、アクリルポリマーおよびコポリマー、ゴム系ポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンゴム、スチレンとアクリルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、塩化ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)とのコポリマー、ラウリン酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびメタクリル酸メチルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびラウリン酸ビニルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)のターポリマー、ならびにそれらの任意の組み合わせのうちの1種または複数を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のボード。前記シランは、前記湿式仕上げ剤の約0.1重量%から約5重量%の量である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のボード。前記シランが、オクチルトリエトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、またはイソブチルトリメトキシシランのうちの1種または複数を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のボード。前記膜形成ポリマーが、アクリルポリマーおよびコポリマー、ゴム系ポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンゴム、スチレンとアクリルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、塩化ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)とのコポリマー、ラウリン酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびメタクリル酸メチルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびラウリン酸ビニルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)のターポリマー、ならびにそれらの任意の組み合わせであって、前記膜形成ポリマーが、前記湿式仕上げ剤の約5重量%から約25重量%の量であり、 前記シラン化合物が、前記湿式仕上げ剤の約0.1重量%から約5重量%の量のアルキルアルコキシシランであり、 前記ボードが、ANSI A118.10(2008年10月改訂)に従う防水性に関する前記試験に合格し、 前記ボードが、1/2インチ厚さのボードとして注型される場合、前記ボードは、ASTM C1178/C1178M−11に従って少なくとも約70ポンドの釘引き抜き抵抗を有し、 前記ボードが、1/2インチ厚さのボードとして注型される場合、前記ボードは、ASTM C1178/C1178M−11に従って、前記ボード縁部に平行な少なくとも約80ポンドを支持する縁部および/または前記ボード縁部に直交する少なくとも約100ポンドを支持する縁部の曲げ強度を有する、 請求項1〜6のいずれか一項に記載のボード。(a)セメント質の芯と、 (b)ポリマーまたは鉱物繊維を含む繊維質マットであって、前記マットが、前記石膏系芯の少なくとも1つの面に面している内表面、および反対側の外表面を有する、繊維質マットと、 (c)前記繊維質マットの前記外表面に面している疎水性の仕上げ剤であって、前記仕上げ剤が、本質的に (i)クラスCフライアッシュを含む水硬性成分と、 (ii)アクリルポリマーおよびコポリマー、ゴム系ポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンゴム、スチレンとアクリルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、塩化ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)とのコポリマー、ラウリン酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびメタクリル酸メチルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびラウリン酸ビニルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)のターポリマー、ならびにそれらの任意の組み合わせの膜形成ポリマーのうちの1種または複数であって、前記湿式仕上げ剤の約5%から約25重量%の量である、膜形成ポリマーと、 (iii)前記湿式仕上げ剤の約0.1重量%から約5重量%の量のアルキルアルコキシシランと からなる、疎水性の仕上げ剤と、 を含む、マット表面の石膏ボード。(a)石膏系芯と、 (b)前記石膏系芯の少なくとも1つの面に面している内表面および反対側の外表面を有する繊維質マットと、 (c)前記繊維質マットの前記外表面に面している疎水性の仕上げ剤であって、 (i)クラスCフライアッシュと、 (ii)膜形成ポリマーと、 (iii)少なくとも約150の分子量を有するシラン化合物と を含む前記仕上げ剤と を含む、マット表面の石膏ボード。セメント質の芯材料と、 前記セメント質の芯に面している仕上げ剤組成物であって、クラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、および一般式: (RO)3−Si−X、 (式中、ROはアルコキシ基およびXは有機官能基である) のシラン化合物を含む、仕上げ剤組成物と を含む物品。

说明书全文

本特許出願は、その全体が参照により本書に援用される、2013年3月15日出願の米国非仮特許出願第13/834,556号の利益を主張する。

セメント質の物品、例えば石膏ボードおよびセメントボードは、その一部がある程度の耐性を必要とする、種々の用途において有用である。従来の紙表面の(paper−faced)セメント質の物品は、高湿条件下で、または野外に晒すと常にはうまく機能しない。したがって、こうした用途のために、紙の代わりにガラスまたはポリマー系繊維マットで表面を仕上げたセメント質の物品を用いることは、多くの場合望ましい。セメント質の芯において芯材料自体の耐水性を改善する添加剤を用いることも、有利である。

セメント質の物品、例えば石膏ボードおよびセメントボードの製造工程は、典型的には第1の表面仕上げ材料上にセメント質のスラリーを堆積させることおよびセメント質のスラリーが2つの表面仕上げ材料の間に挟まれるように、同じ種類の第2の表面仕上げ材料で湿性スラリーを覆うことを必要とする。この後に、乾燥することによって過剰水がスラリーから除去される。セメント質のスラリーは、固体物品を生成するために最終乾燥に先立って固まらせる。

セメント質の物品の製造工程は、したがって、多くの場合乾燥工程において過剰水がセメント質のスラリーから除去され得る十分に透水性である表面仕上げ材料を必要とする。欠点は、繊維質マット表面仕上げ材料の透水性が使用中に水がマットに浸透してセメント質の芯に接触することを可能にさせるのでセメント質の物品の耐水性も減少することである。

したがって、新規の耐水性セメント質の物品、ならびにこうした物品を調製する方法への要望は、依然としてある。

一態様において、本発明は、石膏系芯、繊維質マット、および疎水性の仕上げ剤を含む、それらからなる、または本質的にそれらからなるマット表面の(mat−faced)石膏ボードを提供する。繊維質マットは、石膏系芯の少なくとも1つの面に面している内表面および内表面と反対側の外表面を有する。疎水性の仕上げ剤は、マットの外表面に面する。疎水性の仕上げ剤は、クラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、および化学式: (RO)3−Si−X、 (式中、ROはアルコキシ基およびXは有機官能基である)のシラン化合物を含む。疎水性の仕上げ剤は、ボード芯に面する内面と反対側の、マットの外面に面する。一部の実施形態において、マットは、石膏系芯の両側にマットを備えた状態で、2つの部分を有して、サンドイッチ構造を形成する。

別の態様において、本発明は、石膏系芯を含む、それらからなる、または本質的にそれらからなるマット表面の石膏ボードを提供する。疎水性の仕上げ剤は、クラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、および少なくとも約150ダルトン(例えば、少なくとも約175、少なくとも約200、または少なくとも約250)の分子量を有するシラン化合物を含む。疎水性の仕上げ剤は、ボード芯に面する内面と反対側の、マットの外面に面する。一部の実施形態において、マットは、石膏系芯の両側にマットを備えた状態で、2つの部分を有して、サンドイッチ構造を形成する。

別の態様において、本発明は、セメント質の芯、ポリマー繊維もしくは鉱物繊維を含む繊維質マット、ならびに本質的にクラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、およびアルキルアルコキシシランからなる疎水性の仕上げ剤を含む、それらからなる、または本質的にそれらからなるマット表面の石膏ボードを提供する。仕上げ剤組成物は、一部の実施形態において湿潤状態で適用してよい。クラスCフライアッシュは、湿式仕上げ剤組成物の約50重量%から約85重量%の量で存在してよい。膜形成ポリマーは、以下のポリマー:アクリルポリマーおよびコポリマー、ゴム系ポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンゴム、スチレンとアクリルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、塩化ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)とのコポリマー、ラウリン酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびメタクリル酸メチルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびラウリン酸ビニルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)のターポリマー、ならびにそれらの任意の組み合わせなど、のうちの1種または複数の形態であってよい。膜形成ポリマーは、湿式仕上げ剤の約5重量%から約25重量%の量であってよい。アルキルアルコキシシランは、湿式仕上げ剤約0.1重量%から約5重量%の量であってよい。繊維質マットは、石膏系芯の少なくとも1つの面に面している内表面を有する。疎水性の仕上げ剤は、ボード芯に面する内面と反対側の、マットの外面に面する。一部の実施形態において、マットは、石膏系芯の両側にマットを備えた状態で、2つの部分を有して、サンドイッチ構造を形成する。

別の態様において、本発明は、セメント質の芯材料、ならびに仕上げ剤組成物が、クラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、および一般式: (RO)3−Si−X、 (式中、ROはアルコキシ基およびXは有機官能基である)のシラン化合物を含む、セメント質の芯に面している仕上げ剤組成物を含む物品を提供する。

有利には、本発明の実施形態による生成物(例えば、セメント質のパネルまたは物品)は、1種または複数の優れた特性、例えば耐透水性および/または不透水性、水耐久性ならびに耐浸食性;種々の仕上げ剤、接着剤、およびセメント質のモルタルとの接着;外部に適用された仕上げ剤および接着剤の使用量の著しい減少をもたらすより低い表面吸収;美観;ならびに/あるいはカビおよび白カビ耐性を示す。

実施例1に記載のような透水性試験配置における装置を例示する。

実施例1に記述されているような、比較目的のための仕上げ剤無しの未仕上げのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する、水位の低下(インチ)対時間(日)のグラフである。

実施例1の未仕上げのガラスマット石膏パネルの天面上で観察された漏水を例示する。

実施例1の未仕上げのガラスマット石膏パネルの天面上の4時間における漏水を例示する。

実施例1の未仕上げのガラスマット石膏パネルの天面上の24時間における漏水を例示する。

実施例2に記述されているような仕上げ済みのガラスマットパネルを例示する。

実施例2に記述されている試料Aの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験結果を例示する、水位の低下(インチ)対時間(日)のグラフである。

実施例2に記述されている試料Aの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験結果を例示する。

実施例2に記述されている試料Aの仕上げ済みのガラスマット石膏パネルの耐透水性試験結果を例示する。

実施例2に記述されている試料Aの仕上げ済みのガラスマット石膏パネルの耐透水性試験結果を例示する。

実施例3に記述されている試料Bの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する、水位の低下(インチ)対時間(日)のグラフである。

実施例4に記述されている試料Cの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する、水位の低下(インチ)対時間(日)のグラフである。

実施例5に記述されている試料Dの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する、水位の低下(インチ)対時間(日)のグラフである。

実施例5に記述されている試料Dの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する。

実施例6に記述されている試料Eの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する、水位の低下(インチ)対時間(日)のグラフである。

実施例6に記述されている試料Eの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する。

実施例7に記述されている試料Fの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する、水位の低下(インチ)対時間(日)のグラフである。

実施例7に記述されている試料Fの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する。

実施例8に記述されている試料Gの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する、水位の低下(インチ)対時間(日)のグラフである。

実施例8に記述されている試料Gの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する。

実施例9に記述されている試料Hの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する、水位の低下(インチ)対時間(日)のグラフである。

実施例9に記述されている試料Hの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの耐透水性試験を例示する。

実施例11に記述されている試料Jの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの浸水無し(すなわち、「現状のまま」)および被覆された表面を7日間湿潤させた後の両方の釘引き抜き抵抗試験を例示する。

試料Jの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの浸水無し(すなわち、「現状のまま」)および被覆された表面を7日間湿潤させた後の両方の曲げ強度試験を例示する。

実施例11に記載のようなタイル接着性試験のための配置を、配置の上面図において図式化して例示する。

実施例11に記載のようなタイル接着性試験のための配置を、配置の断面図において図式化して例示する。

実施例11からの試料Jの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの浸水無し(すなわち、「現状のまま」)および被覆された表面を7日間湿潤させた後の両方のタイル接着性試験を例示するグラフである。

実施例12からの試料Kの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルの浸水無し(すなわち、「現状のまま」)および浸水模擬エージング後の両方の引張強度試験を例示するグラフである。

本発明は、セメント質の生成物、例えばマット表面のボードにおける耐水性を、少なくともある程度、改善することを対象とする。本発明による生成物は、セメント質の芯および芯に面している疎水性の仕上げ剤を含む、それらからなる、または本質的にそれらからなる。疎水性の仕上げ剤は、クラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、およびシラン化合物を含む、それらからなる、または本質的にそれらからなる。

一部の実施形態において、生成物は、マットが石膏芯に面していてよい内表面を有し、かつ外表面が内面の反対側である、セメント質の芯(例えば、石膏系芯)、繊維質マット、およびマットの外表面に面する疎水性の仕上げ剤を含む、それらからなる、または本質的にそれらからなるボードである。「面する」と言う語は、本明細書で使用する場合、他の構成要素が場合によっては、本発明の実施形態に従って(本明細書に定義されるように)、仕上げ剤とマットとの間、またはマットと芯との間にあり得ることを意味する。一部の実施形態において、マットは、当技術分野において知られているようなサンドイッチ配置を形成するために、例えば、石膏系芯の両側にマットを備えた、少なくとも2つの部分であってよい。マットが2つ以上の部分を有する実施形態においては、少なくとも1つのマットが、および一部の実施形態においては、全てのマットが、マット(1つまたは複数)のそれぞれの外表面に面している疎水性の仕上げ剤を有する。

驚いたことに、本発明の実施形態は、マット表面の用途などのために、改善された耐水性を与え、かつ一部の実施形態において、本発明の生成物は、遮水特性を可能にするために実質的な水に対する不透性を達成し得る。一部の実施形態において、本発明によるボードは、(ASTM D4068を参照しているような)ANSI A118に従う防水性標準に合格する。防水性標準に合格することは、本発明の実施形態による生成物が、国際的な建築および住居基準法下の防水標準の認可を必要とする地域において用いられることを有利に可能にし得る。

さらには、本発明による生成物は、生成物の強度または可撓性を妥協することなく耐水性および/または遮水性を達成する。したがって、本発明の実施形態による生成物は、剛性または脆性になり過ぎることは無いが、むしろASTM C1178に従って釘引き抜き抵抗、曲げ強度、芯硬度、端部および縁部硬度、表面吸水、ならびに/または加湿撓み(humidified deflection)などの望ましい機械的特性を達成する。さらに、本発明のパネルのせん断接着強度(例えば、セメント硬化物モルタルまたは有機接着剤を用いて接着した場合)は、ASTM C1325標準に従って試験した場合に約50psiを超える。この特性は、薄型セメント硬化物モルタルまたは有機接着剤を用いてセラミックタイルおよび石材を接着するために基板として用いられ得る一部の実施形態において有用である。

本発明による仕上げ剤組成物の実施形態は、驚くべき可撓性をさらに示す。セメント質の仕上げ剤組成物の可撓性の性質は、生成物および場合によっては生成物を含有する建築または構造のライフサイクルの間の種々の要因に起因する亀裂および機械的劣化の形成に抵抗することにおいて一部の実施形態では特に有用である。これらの要因には、例えば、取り扱い中または設置中のパネルの曲げ、外部から掛けられる負荷に起因するパネルの曲げおよび変形、例えばモルタルこてなどの建設装置および道具からのパネルの引掻き、湿熱変化に起因する材料収縮または膨張、水食、蒸気圧、ならびに凍結および解凍環境循環が含まれる。

本発明の一部の実施形態による生成物が、仕上げ剤組成物における原料の驚くべきかつ予想外な相乗効果に起因して、相当の厚さの仕上げ剤組成物を要求することなくかつ/または本明細書に述べるような、かなりの量のクラスCフライアッシュ、シラン、もしくは膜形成ポリマーを要求することなく所望の特徴(例えば、透水防止性、不透水性、強度、および/または可撓性)を達成することは、さらに驚くべきかつ予想外である。

本発明によるボードの実施形態は、特に耐水性およびとりわけ防水性が有益であろう、多数の屋内および屋外用途において用いられ得る。例えば、本発明によるボードは、例えば建築または他の構造物の湿潤および乾燥領域におけるセラミックタイルおよび天然石材の設置において有用で有り得る、下地ボードとして用いてよい。タイル下地用途の非限定的な例には、シャワー室、汚れ防止板、カウンタートップ、床、および同類のものを含めた、炊事場および風呂場内などの、建築または他の構造物の湿潤領域が含まれるであろう。

本発明の実施形態によるボードは、屋外天候バリアパネル、例えば屋外野地板のためにも用いてよい。この点において、ボードは、一体型天候バリアを提供するために屋外野地板パネルとして用いられ得る。他の実施形態において、本発明によるボードは、本用途のために望ましい水耐久性および低い表面吸収特性を有する屋根カバーボードとして用いてよい。こうした低い吸収性は、例えば、外部に適用される仕上げおよび接着剤の使用量を減少するために有用であり得る。一層の他の実施形態において、本発明によるボードは、外壁基板として用いてよい。こうした外壁基板は、当技術分野において知られているような外断熱外壁仕上げ方式(exterior insulation finish system(EIFS))、および直接塗布外部仕上げ方式(direct−applied exterior finish systems(DEFS))における、例えば種々の構成要素および仕上げ剤材料、例えば発泡プラスチック、セメント質のベース仕上げ剤および同類のものの導入のための、多数の方法において有用で有り得る。一態様において、ボードは、外装下で有用である。

仕上げ剤組成物において、クラスC水硬性フライアッシュ、またはその同等物を含む水硬性成分が含まれる。水硬性成分は、クラスCフライアッシュを含んでよく、それらからなってよく、または本質的にそれらからなってよい。この種のフライアッシュは、例えば、ある種の石炭の加工から生じ得る、石灰高含有フライアッシュである。例えば、一部の実施形態において、クラスCフライアッシュは、フライアッシュの少なくとも約10重量%、例えば少なくとも約12重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約18重量%または少なくとも約20重量%の石灰含有量を有する。ASTM指定C−618は、クラスCフライアッシュ(例えば、Bayou Ash Inc.、ルイジアナ州、ビッグケイジャン,II、)の特性を記述する。フライアッシュは、水と混合された場合、セメントまたは石膏と同様に硬化する。一部の実施形態において、仕上げ剤組成物は、クラスCフライアッシュを含みかついかなる他の水硬性材料も実質的に含まない。本明細書で使用する場合、こうした他の水硬性材料の「実質的に含まない」は、組成物が、こうした他の水硬性材料を組成物の重量に基づいて0wt%含む、または含まない、あるいは無効なもしくは取るに足らない量のこうした他の水硬性材料を含むことを意味する。無効量の例は、当業者なら理解するであろうように、こうした硬化材料を用いて意図される目的を達成する閾値量未満の量である。取るに足らない量は、当業者なら理解するであろうように、例えば、原料に応じて、組成物の重量に基づいて約10%以下、約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、または約0.1%以下であってよい。

しかしながら、他の実施形態においては、高アルミナセメントを含めた、セメント、無水硫酸カルシウム、硫酸カルシウム半水和物または硫酸カルシウム二水和物を含めた、硫酸カルシウム、他の水硬性成分およびそれらの組み合わせを含め、フライアッシと組み合わせた他の水硬性成分の使用が予期される。フライアッシュの混合物も使用が予期される。シリカフューム(例えば、SKW Silicium Becancour、Calif.、ケベック州、サンローラン(St.Laurent))は、別の好ましい材料である。

ポルトランドセメント、生石灰(CaO)または消石灰(Ca(OH)2)が水硬性成分に含まれる場合、これらは、仕上げ剤組成物が例えば亀裂または他の損傷の形で悪影響を受け得るような熱および衝撃レオロジー(impact rheology)を生成し得る。したがって、一部の実施形態において、ポルトランドセメントは、水硬性成分の約50重量%以下、例えば約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約1%以下、または約0.1%以下の量で水硬性成分中に含まれる。生石灰については、含まれる場合、一部の実施形態において、水硬性成分の約10重量%以下、例えば約8%以下、約5%以下、約3%以下、約1%以下、約0.5%以下、または約0.1%以下の量で含まれる。消石灰に関しては、含まれる場合、一部の実施形態において、水硬性成分の約25重量%以下、例えば約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約1%以下、約0.5%以下、または約0.1%以下の量で含まれる。

理論に拘泥されることを望むものではないが、クラスCフライアッシュ粒子の形状は、本組成物の特性に著しく寄与すると考えられる。フライアッシュの球形状は、混合において「ボールベアリング」効果をもたらし、必要水量を増加すること無く組成物の加工性を改善する。加えて、一部のフライアッシュは、コンクリートが固まって強固になる時に発熱を著しく減少することが証明されている。クラスCフライアッシュは、全てのポゾラン材料がするように、一般にポルトランドセメント(例えば、St.Mary’s Cement Inc.、ミシガン州、デトロイト)のみと混合するよりもずっと長期間を稼ぐ増加した強度を提供する。硬化生成物においては、材料における一層の屈曲を可能にしている、石膏またはコンクリートにおいて見られるよりも高い割合の非結晶質材料があるように思われる。

クラスCフライアッシュが所望される別の理由は、増加したライフサイクル期待およびその使用と関連した耐久性の増加である。水和行程中、フライアッシュは、ケイ酸カルシウム水和物およびアルミン酸カルシウム水和物を形成している水酸化カルシウムと化学的に反応し、これは水酸化カルシウムを浸出させるリスクを軽減して、組成物の透水性をより低くする。クラスCフライアッシュは、水対セメント比を下げることによって水硬性組成物の透水性も改善し、これは硬化組成物中に残っている毛管孔隙の体積を減少する。フライアッシュの球形状は、組成物の圧密を改善し、これも透水性を減少する。フライアッシュ中にしばしば存在する、アルミン酸三カルシウムが、硬化促進剤として働いて硬化反応を加速することも理論上想定される。

一部の実施形態において、クラスCフライアッシュは、約1ミクロンから約100ミクロンの平均粒径を有する。本発明の実施形態において、フライアッシュの平均粒径は、例えば、下表1に記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示される値は、ミクロンでの平均粒径を表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、最初の「X」は、「約1ミクロンから約10ミクロン」の範囲である。

したがって、平均粒径は、前述の端点のいずれも含めた間の範囲を有し得る。

一部の実施形態において、水硬性成分は、実質的にシリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)または酸化鉄(Fe2O3)を含まない。本明細書で使用する場合、シリカ、アルミナまたは酸化鉄の「実質的に含まない」は、組成物が、シリカ、アルミナまたは酸化鉄を組成物の重量に基づいて0wt.%含む、または含まない、あるいは無効なまたは取るに足らない量のシリカ、アルミナまたは酸化鉄を含むことを意味する。無効量の例は、当業者なら理解するであろうように、こうした硬化材料を用いて意図される目的を達成する閾値量未満の量である。取るに足らない量は、当業者なら理解するであろうように、例えば、原料に応じて、組成物の重量に基づいて約5%以下、約2%以下、約1%以下、または約0.1%以下であってよい。

しかしながら、必要に応じて一部の実施形態において、シリカ、アルミナ、および/または酸化鉄が、含まれていてもよい。含まれる場合、一部の実施形態において、これらの材料は、全体で水硬性成分の約50重量%未満、例えば、水硬性成分の約40重量%未満、約30重量%未満、約20重量%未満、または約10重量%未満などを占める。

水硬性成分の量(例えば、クラスCフライアッシュ単独でまたは他の水硬性材料とのいくつかの組み合わせで)は、一部の実施形態において湿式仕上げ剤組成物の約50重量%から約85重量%であってよい。本発明の実施形態において、水硬性成分、例えば、クラスCフライアッシュの量は、例えば、下表2に記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、湿式仕上げ剤組成物の重量による割合を表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、最初の「X」は、「湿式仕上げ剤組成物の約50重量%から組成物の約55重量%」の範囲である。

したがって、クラスCフライアッシュの量は、前述の端点のいずれも含めた間の範囲を有し得る。

膜形成ポリマーは、仕上げ剤組成物の実施形態に含まれる。膜形成ポリマーは、好ましくは純粋アクリル、ゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンアクリル、ビニルアクリル、またはアクリル化エチレン酢酸ビニルコポリマーから作られる。好ましくは膜形成ポリマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、およびメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のアクリルモノマーから導かれる。例えば、好ましくは乳化重合において用いられるモノマーには、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、メチルアクリル酸プロピル、アクリル酸およびメタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸およびメタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸およびメタクリル酸デシル、アクリル酸およびメタクリル酸イソデシル、アクリル酸およびメタクリル酸ベンジル、他のアクリル酸塩、メタクリル酸塩およびそれらのブレンド、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、酢酸より高級のカルボン酸のビニルエステル、例えば、バーサチック酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエン、エチレン、塩化ビニルならびに同類のもの、ならびにそれらの混合物が含まれる。一部の実施形態において、膜形成ポリマーは、アクリルポリマーおよびコポリマー、ゴム系ポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンゴム、スチレンとアクリルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、塩化ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)とのコポリマー、ラウリン酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびメタクリル酸メチルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびラウリン酸ビニルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)のターポリマーならびにそれらの任意の組み合わせのうちの1種または複数を含む。一部の実施形態において、膜形成ポリマーは、例えば、ラテックスポリマーなど水溶性である。ポリマーは、液状形態でまたは再分散性ポリマーとしてのいずれかで用いてよい。1つの例は、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルとのコポリマー(例えば、Forton VF 774、EPS Inc.、イリノイ州、マレンゴ)である。

膜形成ポリマーは、一部の実施形態において湿式仕上げ剤組成物の約5重量%から約25重量%の量で存在してよい。本発明の実施形態において、膜形成ポリマーの量は、例えば、下表3に記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、湿式仕上げ剤組成物の重量による割合を表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、最初の「X」は、「湿式仕上げ剤組成物の約5重量%から湿式仕上げ剤組成物の約8重量%」の範囲である。

したがって、膜形成ポリマーの量は、前述の端点のいずれも含めた間の範囲を有し得る。

シラン化合物は、本発明による仕上げ剤組成物に含まれる。一部の実施形態において、シランは、一般化学式: (RO)3−Si−X、 (式中、ROはアルコキシ基およびXは有機官能基である) の内である。ROアルコキシ基に関しては、一部の実施形態において、メトキシまたはエトキシであってよいが、他のアルコキシ基が予期されかつ含まれ得る。X有機官能基は、任意のこうした疎水性を提供する基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはオクチルなどであってよい。ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびオクチル基などの長鎖有機官能基は、増大された疎水性を与えることにおけるそれらの有益な役割のために本発明の一部の実施形態において選択される。

いかなる理論にも拘泥されるものではないが、長鎖有機官能基を有するシラン化合物は、本発明の実施形態の仕上げ剤組成物において相対的により安定でありしたがって優れた撥水特性を提供すると考えられる。シランは、加水分解および縮合反応後のアルコキシ基の除去によって無機表面に架橋または結合する。アルコキシ基は、水分が存在する場合に基板内のそれら自身および任意のヒドロキシ(hydoxy)(OH)基と反応し、シリコーン樹脂網を形成する。この強い化学結合の形成は、例えばシリコーン処理の特性で有り得る長期耐久性を提供する。しかしながら、一部の実施形態において、一般にはあまり好ましくなく、一部の実施形態においては除外されるが、メチルなどの小鎖(small−chain)の有機官能基を利用することは、その使用があまり望ましくない疎水性および透水防止性に繋がり得るものの、可能で有り得る。

一部の実施形態において、本発明によるシラン化合物(例えば、アルキルアルコキシシラン)は、少なくとも約150、例えば少なくとも約175、少なくとも約200、少なくとも約225またはそれより大きい分子量によって特徴付けられる。シラン化合物は、当業者は容易に理解するであろうように、濃縮形態またはエマルションの形態のいずれかで混合物に加えてよい。

本発明の実施形態による適したアルキルアルコキシシラン化合物の一部の例には、例えば、オクチルトリエトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、またはイソブチルトリメトキシシラン、あるいはそれらの任意の組み合わせが含まれる。一部の実施形態において、シランとシロキサン化合物との混合物は、本発明のパネルに所望の程度の耐透水性を提供するためにも利用してよい。

シラン化合物は、本発明の実施形態に従って湿式仕上げ剤組成物の約5重量%以下の量、例えば、約0.1重量%から約5重量%の量で存在してよい。本発明の実施形態において、シラン化合物の量は、例えば、下表4に記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、湿式仕上げ剤組成物の重量による割合を表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、最初の「X」は、「湿式仕上げ剤組成物の約0.1重量%から湿式仕上げ剤組成物の約0.5重量%」の範囲である。

したがって、シラン化合物の量は、前述の端点のいずれも含めた間の範囲を有し得る。

1種または複数の無機充填剤および骨材は、例えば、コストを削減および収縮亀裂を減少するために場合によっては一部の実施形態の仕上げ剤組成物に含まれていてよい。典型的な充填剤には、砂、滑石、雲母、炭酸カルシウム、焼成粘土、軽石、破砕または膨張パーライト、火山灰、もみ殻灰、珪藻土、スラグ、メタカオリン、および他のポゾラン材料が含まれる。これらの材料の量は、強度などの特性が悪影響を受ける点を超えるべきでない。例えば、一部の実施形態において、骨材または無機充填剤の累積量は、仕上げ剤組成物の約50重量%以下、例えば、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、または約0.1%以下などである。

非常に薄い仕上げ剤が調製されている場合などの、一部の実施形態においては、非常に小さい充填剤、例えば砂または微小球の使用が好ましい。含まれる場合、一部の実施形態において、充填剤および/または骨材は、好ましくは約3000ミクロン以下、約2500ミクロン以下、約2000ミクロン以下、約1500ミクロン以下、約1000ミクロン以下、約500ミクロン以下、または約100ミクロン以下の粒径を有する。いかなる特定の理論にも拘泥されることを望むものではないが、より大きい粒径は、時々仕上げをするための工程に、均一な被覆が時には達成されにくくなり得るような干渉をし得ると考えられる。

例えば、高性能減水剤などの、減水剤添加剤は、水硬性スラリーの流動度を改善するために仕上げ剤組成物の実施形態に場合によっては含まれていてよい。こうした添加剤は、分子が互いに対してより容易に移動できるように溶液中に分子を分散させ、それによってスラリー全体の流動性を改善する。ポリカルボン酸塩、スルホン化メラミンおよびスルホン化ナフタレンは、高性能減水剤として知られている。好ましい高性能減水剤には、マサチューセッツ州、ケンブリッジのGrace Construction ProductsによるADVA CastおよびADVA Cast 500ならびにジョージア州、シーダータウンのGeo Specialty ChemicalsのDiloflo GW Superplasticizerが含まれる。これらの材料の追加は、使用者がスラリーの流動度を特定の用途に合わせることを可能にする。

減水剤添加剤は、湿式仕上げ剤組成物の約0重量%から約5重量%の量で存在してよい。本発明の実施形態において、減水剤添加剤は、例えば、下表5に記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、湿式仕上げ剤組成物の重量による割合を表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、最初の「X」は、「湿式仕上げ剤組成物の約0重量%から約0.5重量%」の範囲である。

着色剤は、所望に応じて組成物または仕上げ済みの物品の色を変えるために場合によっては仕上げ剤組成物に加えてよい。フライアッシュは、典型的には灰色であり、通常クラスCフライアッシュはクラスFフライアッシュより明るい色である。組成物と親和性である任意の染料または顔料を、場合によっては用いてよい。二酸化チタンを、場合によっては白色染料として用いてよい。好ましい着色剤は、Solution Dispersions、ケンタッキー州、シンシアナのAjack Blackである。着色剤は、湿式仕上げ剤組成物の約0重量%から約2重量%の量、例えば、湿式仕上げ剤組成物の約0.1重量%から約2重量%、湿式仕上げ剤組成物の約0.5重量%から約2重量%、湿式仕上げ剤組成物の約1重量%から約2重量%、湿式仕上げ剤組成物の約0.1重量%から約1.5重量%、または湿式仕上げ剤組成物の約0.5重量%から約1.5重量%などの量で存在してよい。

繊維質マットは、任意の適した種類のポリマーまたは鉱物繊維、あるいはそれらの組み合わせを含む。適した繊維の非限定的な例には、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維(例えば、テレフタル酸ポリエチレン(PET))、ポリビニルアルコール(PVOH)、酢酸ポリビニル(PVAc)、セルロース繊維(例えば、綿、レーヨン、など)、および同類のもの、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。さらには、マットの繊維は、疎水性または親水性でよく、仕上げ済みまたは未仕上げでよい。当然ながら、繊維の選択は、部分的に、セメント質の物品が用いられる用途の種類に依存するであろう。例えば、セメント質の物品が耐熱または耐火性を必要とする用途に用いられる場合、適切な耐熱または耐火性繊維が繊維質マットにおいて用いられるべきである。

繊維質マットは、織物または不織物であってよいが、不織マットは好ましい。不織マットは、結合剤によって相互に結合された繊維を含む。結合剤は、典型的にはマット産業において用いられる任意の結合剤であってよい。適した結合剤には、これに限定されないが、尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ステアリン酸メラミンホルムアルデヒド、ポリエステル、アクリル、酢酸ポリビニル、変性されたまたは酢酸ポリビニルもしくはアクリルとブレンドされた尿素ホルムアルデヒドまたはメラミンホルムアルデヒド、スチレンアクリルポリマー、および同類のもの、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。適した繊維質マットには、セメント質の物品のための表面仕上げ材料として用いられる市販のマットが含まれる。

さらなる例示を目的として、適したガラス繊維マットの非限定的な例には、約80〜90パーセント(例えば、約83パーセント)の直径16ミクロン、長さ1/2インチから1インチ(長さ約1.2〜2.5cm)の連続フィラメント繊維および約10〜20パーセント(例えば、約17パーセント)の約24lbs/1000ft2の基本重量で約2.7公称ミクロンの直径を有する生体溶解性超極細繊維(Johns Manvilleによって製造されたMicro−Strand(登録商標) Type 481)が含まれる。1つの適したガラス繊維マットは、Johns Manvilleによって製造されたDuraGlass(登録商標) 8924G Matである。ガラスマットのための結合剤は、任意の適した結合剤、例えば、スチレンアクリル結合剤であってよく、これはマットの約28重量%(+/−3%)であってよい。ガラスマットは、色付きの顔料、例えば、緑色顔料または着色剤を含んでいてよい。

仕上げ剤材料は、当技術分野において既知の種々の方法のいずれかによって液体または固体材料(例えば、樹脂、湿式分散粉末、乾燥粉末、または膜)として繊維質マットに適用してよい。例えば、疎水性の仕上げ剤材料は、疎水性の仕上げ剤材料をはけ塗り、噴霧、ロール塗り、注入、浸漬、篩過、または上塗りすることにより適用してよい。固体材料、例えば粉末は、溶媒または分散剤が繊維質マット材料と不都合に反応しないという条件で、任意の一般的な溶媒(例えば、水、アルコールなど)または分散剤を用いて適用に先立って分散させて良い。繊維質マットの表面繊維を食刻し、それによって仕上げ剤材料がマットに接着する能を向上する溶媒も、用いてよい。好ましくは、用いられる任意の溶媒または分散剤は、容易に乾燥して仕上げ剤が繊維質マットに接着することを妨げる残留物を残さない。液体または分散した仕上げ剤材料は、繊維質マットへの適用に適した任意の粘度を有してよい。典型的には、液体または分散した仕上げ剤材料の粘度は、約50〜200クレブス単位(Kreb’s units)(KU)(約300〜20,000cP)、例えば約80〜150KU(約800〜8,000cP)であろう。

繊維質マットの表面が不規則な表面であることを認識すれば、仕上げ剤材料は、完全に連続的である仕上げ剤を提供する必要はない。例えば、液体または粉末の仕上げ剤組成物が用いられる場合、仕上げ剤材料は、マットの繊維の間の空隙内部に入って仕上げ剤中に隙間または穴を残してもよい。しかしながら、好ましくは仕上げ剤材料は、連続的な、および望ましくは、第1の繊維質マットの寸法と同一の広がりを持つ仕上げ剤を提供するために十分な量で適用される。

第1の繊維質マットに適用される疎水性の仕上げ剤は、好ましくは層の形状である。層は、望ましくは、製造中に繊維質マットを通るセメント質のスラリーの浸透を遅らせるまたは妨げるのに十分な厚さである。

仕上げ剤は、望ましくは仕上げ剤表面に適用される水が、約30°以上(例えば、約40°以上)、例えば約30°から約120°、または約50°から約100°の接触を示すようなある程度の疎水性を有する。接触角は、任意の適した技術によって測定してよい。

マットおよび仕上げ剤は、一緒に所望の密度および厚さの合成物を形成してよい。有利には、本発明の実施形態による仕上げ剤は、仕上げ剤中の原料の驚くべき相乗的効果に起因して、少量の仕上げ剤および小さい厚さの仕上げ剤を用いながら前述の耐水性および前述の機械的特性を提供する。例えば、一部の実施形態において、仕上げ済みの繊維マット合成物の厚さは、約0.0075インチから約0.040インチ、例えば約0.0100から約0.030インチ、または約0.0125から約0.020インチであってよい。本発明の実施形態において、仕上げ済みの繊維マット合成物の厚さは、例えば、下表6Aおよび6Bに記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、仕上げ済みの繊維マット合成物のインチでの厚さを表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、表6Aにおける最初の「X」は、「0.0075インチから約0.0100インチ」の範囲である。

したがって、仕上げ済みの繊維マット合成物の厚さは、表6Aまたは6Bに記述されている前述の端点のいずれも含めたその間の範囲を有し得る。

仕上げ剤組成物中の原料の驚くべきかつ予期しない相乗的効果が理由で、仕上げ剤は、本発明の実施形態における生成物に大幅な重量を追加しない。例えば、仕上げ済みの繊維マット合成物の密度に関して、一部の実施形態においては、約75pcfから約115pcf、または約80pcfから約120pcfなど約65pcfから約125pcfであってよい。本発明の実施形態において、仕上げ済みの繊維マット合成物の密度は、例えば、下表7に記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、仕上げ済みのマット合成物のlb/MSFでの密度を表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、最初の「X」は、「65pcfから約70pcf」の範囲である。

したがって、仕上げ済みの繊維マット合成物の密度は、前述の端点のいずれも含めたその間の範囲を有し得る。

一部の実施形態において、仕上げ剤組成物重量は、約40lb/MSFから約200lb/MSF、例えば約60lb/MSFから約160lb/MSF、または約80lb/MSFから約120lb/MSFであってよい。本発明の実施形態において、仕上げ剤重量は、例えば、下表8に記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、lb/MSFでの仕上げ剤重量を表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、最初の「X」は、「40lb/MSFから約50lb/MSF」の範囲である。

したがって、仕上げ剤重量は、前述の端点のいずれも含めた間の範囲を有し得る。

驚いたことに、仕上げ剤組成物は、仕上げ剤が実質的にマットに浸透するので、本発明の実施形態に従って、機械的特性を達成または維持しながら、かつ相当な量の仕上げ剤を必要とすることなく、耐水性および/または遮水性を増進することにおいて特に有効である。例えば、一部の実施形態において、仕上げ剤浸透深さは、繊維マット厚さの少なくとも約60%、例えば繊維マット厚さの少なくとも約70%、または少なくとも約80%の浸透であってよい。本発明の実施形態において、仕上げ剤浸透深さは、例えば、下表9に記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、浸透したマット厚さの百分率を表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、最初の「X」は、「繊維マット厚さの約60%より大きい量から繊維マット厚さの約65%より大きい量」の範囲である。

したがって、仕上げ剤浸透深さは、前述の端点のいずれも含めた間の範囲を有し得る。

有利には、一部の実施形態において、仕上げ剤は、急速に硬化して乾燥する。仕上げ剤におけるクラスCフライアッシュ含有は、この点で望ましい。この利点は、本発明の実施形態に従って周囲条件および高温の両方の下で達成され得る。例えば、一部の実施形態において、仕上げ剤硬化および乾燥時間(75°F/50%RHの周囲条件下で)は、約60分以下(例えば、約50分以下、約45分以下、約40分以下、約35分以下、または約30分以下)、例えば約30分から約60分であってよい。本発明の実施形態において、仕上げ剤硬化および乾燥時間(周囲条件下(75°F/50%RH)で)は、例えば、下表10に記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、仕上げ剤が硬化および乾燥する分数を表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、最初の「X」は、「約30分から約35分」の範囲である。

したがって、仕上げ剤硬化および乾燥時間(周囲条件下(75°F/50%RH)で)は、前述の端点のいずれも含めた間の範囲を有し得る。

一部の実施形態において、高温(約175°F)における仕上げ剤硬化および乾燥時間は、約5分以下(例えば、約4分以下、約3分以下、約2分以下、または約1分以下)、例えば約1分から約5分であってよい。本発明の実施形態において、(高温における)仕上げ剤硬化および乾燥時間は、例えば、下表11に記載される通りであってよい。表において、「X」は、「約[第1行の対応する値]から約[第1列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、仕上げ剤が硬化および乾燥する分数を表す。説明を容易にするために、それぞれの値は「約」でその値を表すことが理解されるであろう。例えば、最初の「X」は、「約1分から約1.5分」の範囲である。

したがって、(高温における)仕上げ剤硬化および乾燥時間は、前述の端点のいずれも含めた間の範囲を有し得る。

セメント質の芯は、水硬性セメントを含有するまたは水硬性セメントから導かれた任意の材料、物質、または組成物を、任意の適した添加剤と共に含んでいてよい。セメント質の芯において用いてよい材料の非限定的な例には、ポルトランドセメント、ソレルセメント(sorrel cement)、スラグセメント、フライアッシュセメント、カルシウムアルミナセメント、水溶性無水硫酸カルシウム、硫酸カルシウムα−半水和物、硫酸カルシウムβ−半水和物、天然、合成または化学的修飾硫酸カルシウム半水和物、硫酸カルシウム二水和物(「石膏」、「硬化石膏」または「水和石膏」)およびそれらの混合物が含まれる。本明細書で使用する場合、「硫酸カルシウム材料」と言う語は、上で参照された硫酸カルシウムの形態のいずれかを指す。

添加剤は、セメント質の物品、例えば石膏ボードまたはセメントボードを生成するために一般に用いられる任意の添加剤であってよい。こうした添加剤には、これに限らないが、構造添加剤(structural additive)、例えばミネラルウール、連続的なまたは細断されたガラス繊維(ファイバーグラスとも呼ばれる)、パーライト、粘土、バーミキュライト、炭酸カルシウム、ポリエステルおよび紙繊維、ならびに化学添加剤、例えば発泡剤、充填剤、促進剤、糖、増強剤、例えばリン酸塩、ホスホン酸塩、ホウ酸塩および同類のもの、遅延剤、結合剤(例えば、デンプンおよびラテックス)、着色剤、殺菌剤、殺生物剤ならびに同類のものが含まれる。これらの一部および他の添加剤の使用の例は、例えば、米国特許第6,342,284号、米国特許第6,632,550号、第6,800,131号、第5,643,510号、第5,714,001号、および第6,774,146号、ならびに米国特許公開第2004/0231916号A1、第2002/0045074号A1および第2005/0019618号A1に記述されている。

好ましくは、セメント質の芯は、硫酸カルシウム材料、ポルトランドセメント、またはそれらの混合物を含む。有利には、必要に応じて、一部の実施形態において、セメント質の芯は、疎水性の薬剤、例えばシリコーン系材料(例えば、シラン、シロキサン、またはシリコーン樹脂基体)も、芯材料の耐水性を改善するために適した量で含む。セメント質の芯が、シロキサン触媒、例えば酸化マグネシウム(例えば、重焼酸化マグネシウム)、フライアッシュ(例えば、クラスCフライアッシュ)、またはそれらの混合物を含むことも、好ましい。シロキサンおよびシロキサン触媒は、任意の適した量で、および本発明の耐水性のセメント質の物品を調製する方法に関して本明細書に述べるような、または、例えば、米国特許公開第2006/0035112号A1または第2007/0022913号A1で述べられているような、任意の適した方法によって加えてよい。望ましくは、セメント質の芯は、強度改善添加剤、例えばリン酸塩(例えば、米国特許第6,342,284号、第6,632,550号、および第6,800,131号ならびに米国特許公開第2002/0045074号A1、第2005/0019618号A1、および第2007/0022913号A1に記載のようなポリリン酸塩)および/または(例えば、米国特許第5,683,635号および第5,643,510号に記載のような)予備ブレンドされた不安定および安定な石鹸も含む。セメント質の芯は、紙またはガラス繊維を含んでいてもよいが、好ましくは紙および/またはガラス繊維を実質的に含まない(例えば、約1wt.%未満、約0.5wt.%未満、約0.1wt.%未満、またはさらに約0.05wt.%未満の紙および/またはガラス繊維を含むか、あるいはこうした繊維を含まない)。本明細書における目的のために、芯は、当技術分野において既知のように、1つまたは複数の高密度のスキムコートおよび/またはハードエッジを含んでいてよい。

セメント質の物品は、所望の用途のために適した任意の種類または形状のいずれかであってよい。セメント質の物品の非限定的な例には、任意のサイズおよび形状の石膏パネルおよびセメントパネルが含まれる。

セメント質の物品は、合成物を形成するための仕上げ剤の適用を含め、これに限定されないが、本明細書に述べる発明の方法、ならびに、例えば、それらのそれぞれが参照によりその全体が本書に援用される、2013年3月15日出願の「マット表面の物品を調製する方法(Method of Preparing Mat−Faced Article)」と題された(代理人整理番号4462(711204))、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第13/837,041号、およびPCT国際出願第PCT/US2014/024234号(代理人整理番号4462(715936))に対応して記載されているような方法を含めた、任意の適した方法によって調製してよい。本発明による繊維質マット表面のセメント質の物品を調製する方法の実施形態は、(a)ポリマーまたは鉱物繊維を含む第1の繊維質マット上にセメント質のスラリーを堆積するステップであって、第1の繊維質マットがその少なくとも1つの表面上に疎水性の仕上げ剤を含み、かつセメント質のスラリーが疎水性の仕上げ剤上に堆積されるステップと、(b)セメント質のスラリーを固まらせ、それによって繊維質マット表面のセメント質の物品を提供するステップとを含む。

本発明に従ってセメント質の物品を調製する方法は、当技術分野において既知の繊維質マット表面のセメント質の物品を作成するために用いられる既存の石膏ボード製造ライン上で行ってよい。簡単に言えば、典型的には工程は、繊維質マット材料をコンベヤー上、またはコンベヤーに載っている成形テーブル上に排出して、次いでそれがミキサーの排出導管の下に配置されること(例えば、当技術分野において知られているようなゲート−キャニスター−ブート(gate−canister−boot)配置、または米国特許第6,494,609号および第6,874,930号に記載のような配置)を含む。セメント質のスラリーの成分は、排出導管を備えるミキサーに供給され、そこでそれらが撹拌されてセメント質のスラリーを形成する。気泡を、(例えば、米国特許第5,683,635号および米国特許第6,494,609号などに述べられているようなゲートにおける)排出導管に加えてよい。セメント質のスラリーは、繊維質マット表面仕上げ材料上に排出される。スラリーは、必要に応じて、繊維質マット表面仕上げ材料上に拡げられて、場合によっては繊維質マットまたは他の種類の表面仕上げ材料(例えば、紙、箔、プラスチックなど)で有り得る、第2の表面仕上げ材料で覆われる。それによって提供された湿性セメント質のアセンブリは、物品が所望の厚さに作られる成形ステーション、および所望の長さに裁断されてセメント質の物品を提供する1つまたは複数のナイフセクションへ運ばれる。セメント質の物品は、固まらせて、場合によっては、乾燥工程(例えば、空気乾燥または窯を通してセメント質の物品を移動することによる)を用いて過剰水が除去される。上記のステップのそれぞれ、ならびにこうしたステップを実行するためのプロセスおよび設備は、当技術分野において既知である。石膏およびセメントボードなどのセメント質の物品の製造において主要なスラリーを堆積する前に比較的緻密なスラリーの層を表面仕上げ材料上に堆積し、堆積したスラリーから大きい空隙または空気溜りを除去するために振動を用いることも、一般的である。当技術分野において知られているように、ハードエッジも、時に用いられる。これらのステップまたは要素(高密度スラリー層、振動、および/またはハードエッジ)は、場合によっては、本発明と共に用いてよい。

セメント質の物品を調製する方法に従って用いられる繊維質マットの全ての態様は、本発明のセメント質の物品に関して本明細書に述べられる通りである。

意外にも、本発明の一部の実施形態による生成物は、ASTM D4068−01(付録2:水圧試験)を修正している、米国国家規格協会(ANSI)標準ANSI A118.10(2008年10月改定)に属する防水性に関する試験に合格する。防水試験は、試料上で24インチの静水頭を用いて行われる。本発明による生成物が、望ましい耐水性を示すだけでなく、一部の実施形態において防水性も示すことは、驚くべきかつ予想外である。そのようなものとして、本発明の実施形態による生成物は、本明細書に述べるように、こうした不透水性が特に望ましい用途において有用である。

さらには、本発明の一部の実施形態による生成物が、耐水性および/または防水性に加えて望ましい強度および可撓性を達成することは、驚くべきかつ予想外である。この目的のために、本発明の実施形態による生成物は、望ましくなく脆性になり過ぎることなくあるいは強度を妥協することなく耐水性および不透水性を達成する。

したがって、一部の実施形態において、本発明による生成物は、ASTM C1178/C1178M−11に記述されている製品規格に適合する。例えば、釘引き抜き抵抗に関して、本発明の一部の実施形態による生成物は、少なくとも約40ポンド、例えば少なくとも約70ポンド、または少なくとも約90ポンドの釘引き抜き抵抗を有する。釘引き抜き抵抗は、ボードの厚さによって変わり得る。1/4インチボード厚さの場合、本発明の実施形態に従う釘引き抜き抵抗は、少なくとも約40ポンドである。1/2インチボード厚さの場合、本発明の一部の実施形態に従って、釘引き抜き抵抗は、少なくとも約70ポンドである。5/8インチボード厚さの場合、本発明の一部の実施形態に従う釘引き抜き抵抗は、少なくとも約90ポンドである。

本発明の実施形態による生成物は、望ましい曲げ強度特性も示す。例えば、一部の実施形態において、曲げ強度は、ボード縁部に平行な少なくとも約40ポンド(例えば、少なくとも約80ポンド、または少なくとも約100ポンド)を支持する縁部、またはボード縁部に直交する少なくとも約50ポンド(例えば、少なくとも約100ポンド、または少なくとも約140ポンド)を支持する縁部である。曲げ強度は、ボード厚さによって変わり得る。1/4ボード厚さの場合は、一部の実施形態において曲げ強度は、ボード縁部に平行な少なくとも約40ポンドを支持する縁部および/またはボード縁部に直交する約50ポンドを支持する縁部である。1/2ボード厚さの場合は、一部の実施形態において曲げ強度は、ボード縁部に平行な少なくとも約80ポンドを支持する縁部および/またはボード縁部に直交する少なくとも約100ポンドを支持する縁部である。5/8ボード厚さの場合は、一部の実施形態において曲げ強度は、ボード縁部に平行な少なくとも約100ポンドを支持する縁部および/またはボード縁部に直交する少なくとも約140ポンドを支持する縁部である。

本発明の実施形態による生成物は、驚くほどかつ予想外に望ましい芯、端部、および縁部硬度、ならびに望ましい表面吸水、加湿撓み、およびせん断接着強度も達成する。例えば、一部の実施形態において、平均芯、端部、および縁部硬度は、少なくとも約15ポンドである。一部の実施形態においてボードの表側の平均表面吸水は、2時間の経過時間後に約0.50グラム以下である。加湿撓みに関して、一部の実施形態においてボードの平均撓みは、約2インチ以下、例えば約1インチ以下である。加湿撓みは、ボード厚さによって変わり得る。1/2インチ厚さのボードの場合、一部の実施形態において、平均加湿撓みは、約2インチ以下である。5/8インチ厚さのボードの場合、平均加湿撓みは、約1インチ以下である。本発明の一部の実施形態においてせん断接着強度は、ASTM C1325に従って試験した場合少なくとも約50psiである。一部の実施形態において、仕上げ剤組成物は、少なくとも約9、例えば少なくとも約9.5、または少なくとも約10のpHを有する。

仕上げ剤組成物は、物品の1つまたは複数の側面に好都合な特性を与えるためにも有用である。セラミックタイルの下張りとして用いるための仕上げ剤は、好ましくはベースマットまたはスクリム上にスラリーをロール塗りまたは定規摺りすることによって調製され得る。セラミックタイルの仕上げ済みの側は、変形可能な表面を提供するために仕上げてよい。彫像または建築成形物は、異なる芯で作られてよく、次いで十分な厚さの本組成物で仕上げられて一般的な道具を用いて断片が形づくられ、彫られ、適合されまたは細部装飾が施されることを可能にする。

水硬性成分、ポリマー、シラン化合物、水および任意の自由選択の成分は、ミキサーにおいて組み合わせられて均質なブレンドが得られるまで混合される。好ましくは、ミキサーは、短い滞留時間を提供する高せん断ミキサーである。小バッチの生成物のために、典型的な実験用ブレンダーは、適した混合装置である。より大きい商業運転のためには、例えば、独国、イプホーフェンに拠点を置くPFT GMBH and Co.KGによって製造されているような、市販の連続ミキサーの使用が適する。連続ミキサーは、スラリーを混合する能力ならびに連続的な方法で適用地点にポンプ注入する能力を有する。これらのミキサーは、全ての固体乾燥材料がそこで水を含めた液体添加剤と共に高速で回転しているケージ撹拌機を用いてブレンドされる混合チャンバーを有する。運転の通常モードでは、ブレンドされたセメント質のスラリーは、連続的に混合チャンバーを出てプログレッシブキャビティポンプ(動静翼型のポンプ)によって適用地点に前方へポンプ注入される。本発明のために好ましいPFTミキサーモデルには、PFT Mixing Pump G4、PFT Mixing Pump G5、PFT Monojet 2.13、PFT Mixing Pump T2E、PFT Mixing Pump MS1およびMS2が含まれる。

別の好ましいミキサーは、高せん断バッチミキサーである。バッチミキサーは、一部の用途、具体的にはスラリーが製造ラインの2つ以上の領域に供給されなくてはならない用途において好ましい。湿性原料は、ミキサーに充填(changed)されて、その後に乾燥成分が続く。混合後、バッチ全体が、ラインへの連続的な分配のためのポット内へ空けられる。2つ以上の位置への分配が所望される場合、ポットからスラリーを分配するために別々の出力先を有する複数のポンプを用いてよい。

混合後、流動性を有するスラリーは、ミキサーを出て適切な形状に造形するための型内または押出機内、剥離紙上またはベースマット上に注がれてよい。成形、押出加工、こて塗り、カレンダリング、ロール塗り、定規摺りまたは生成される物品に適した任意の造形方法を含めた、任意の方法を、組成物を造形するために用いてよい。

したがって、一実施形態において、マット表面の石膏ボードは、石膏系芯、石膏系芯の少なくとも1つの面に面する内表面を有する繊維質マット、ならびにクラスCフライアッシュを含む水硬性成分、膜形成ポリマー、およびシラン化合物を含む疎水性の仕上げ剤を含む。

別の実施形態において、ボードは、ANSI A118.10(2008年10月改訂)に従う防水性に関する試験に合格する。

別の実施形態において、ボードが1/2インチ厚さのボードとして注型される場合、ボードは、ASTM C1178/C1178M−11に従って少なくとも約70ポンドの釘引き抜き抵抗を有する。

別の実施形態において、ボードが1/2インチ厚さのボードとして注型される場合、ボードは、ASTM C1178/C1178M−11に従って、ボード縁部に平行な少なくとも約80ポンドを支持する縁部および/またはボード縁部に直交する少なくとも約100ポンドを支持する縁部の曲げ強度を有する。

別の実施形態において、シラン化合物は、一般化学式: (RO)3−Si−X、 (式中、ROはアルコキシ基およびXは有機官能基である) の内である。

別の実施形態において、ROは、メトキシまたはエトキシである。

別の実施形態において、Xは、疎水性を提供している基である。

別の実施形態において、Xは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはオクチルである。

別の実施形態において、シラン化合物(例えば、アルキルアルコキシシラン)は、少なくとも約150ダルトンの分子量を有する。

別の実施形態において、シラン化合物は、湿式仕上げ剤の約0.1重量%から約5重量%の量である。

別の実施形態において、シラン化合物は、オクチルトリエトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、またはイソブチルトリメトキシシランのうちの1種または複数である。

別の実施形態において、クラスCフライアッシュを含む水硬性成分は、湿式仕上げ剤の約50重量%から約85重量%の量である。

別の実施形態において、クラスCフライアッシュは、フライアッシュまたは水硬性成分の少なくとも約15重量%の酸化カルシウム含有量を有する。

別の実施形態において、膜形成ポリマーは、アクリルポリマーおよびコポリマー、ゴム系ポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンゴム、スチレンとアクリルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、塩化ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)とのコポリマー、ラウリン酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびメタクリル酸メチルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびラウリン酸ビニルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)のターポリマーならびにそれらの任意の組み合わせのうちの1種または複数を含む。

別の実施形態において、膜形成ポリマーは、湿式仕上げ剤の約5重量%から約25重量%の量である。

別の実施形態において、仕上げ剤は、少なくとも約9のpHを有する。

別の実施形態において、繊維質マットは、ポリマーまたは鉱物繊維を含む。

別の実施形態において、芯のどちらの側にも1つのマットを備えて、2つのマットがあり、サンドイッチ構造を形成する。

別の実施形態において、疎水性の仕上げ剤は、両方のマットに面する。

別の実施形態において、ポリマーまたは鉱物繊維は、ガラス繊維、ポリエステル繊維、またはそれらの任意の組み合わせである。

別の実施形態において、マットおよび仕上げ剤は、約0.03インチ以下の厚さを有する合成物を形成する。

別の実施形態において、マットおよび仕上げ剤は、約75から約115pcfの密度を有する合成物を形成する。

別の実施形態において、仕上げ剤は、約60lb/MSFから約160lb/MSFの重量を有する。

別の実施形態において、仕上げ剤は、マットに少なくとも約80%浸透する。

別の実施形態において、仕上げ剤は、75°Fおよび相対湿度(RH)50%の条件下で約45分以内に硬化して乾燥する。

別の実施形態において、仕上げ剤は、約175°Fの温度において約3分以内に実質的に硬化して乾燥する。

別の実施形態において、繊維質マットは、芯のどちらの側にも1つの部品を備えた状態で、2つの部品を含み、サンドイッチ構造を形成する。

別の実施形態において、疎水性の仕上げ剤は、マットの両方の部品に面する。

別の実施形態において、膜形成ポリマーは、 アクリルポリマーおよびコポリマー、ゴム系ポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンゴム、スチレンとアクリルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、塩化ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)とのコポリマー、ラウリン酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびメタクリル酸メチルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびラウリン酸ビニルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)のターポリマーならびにそれらの任意の組み合わせのうちの1種または複数を含み、膜形成ポリマーが、湿式仕上げ剤の約5重量%から約25重量%の量であり、シラン化合物が、湿式仕上げ剤の約0.1重量%から約5重量%の量のアルキルアルコキシシランであり、ボードが、ANSI A118.10(2008年10月改訂)に従う防水性に関する試験に合格し、ボードが1/2厚さのボードとして注型される場合、ボードはASTM C1178/C1178M−11に従って少なくとも約70ポンドの釘引き抜き抵抗を有し、ボードが1/2厚さのボードとして注型される場合、ボードは、ASTM C1178/C1178M−11に従って、ボード縁部に平行な少なくとも約80ポンドを支持する縁部および/またはボード縁部に直交する少なくとも約100ポンドを支持する縁部の曲げ強度を有し、水硬性成分が、湿式仕上げ剤の約50重量%から約85重量%の量であり、ならびに/あるいは仕上げ剤が、少なくとも約9のpHを有する。

別の実施形態において、仕上げ剤組成物は、仕上げ剤組成物の約50から約85重量パーセントの量のクラスCフライアッシュを含む水硬性成分、仕上げ剤組成物の約5から約25重量パーセントの量の膜形成ポリマー、仕上げ剤組成物の約0から約5重量パーセントの量のアルキルアルコキシシラン、仕上げ剤組成物の約0から約5重量パーセントの量の減水剤、仕上げ剤組成物の約0から約50重量パーセントの量の充填剤、仕上げ剤組成物の約0から約2重量パーセントの量の着色剤、仕上げ剤組成物の約0から約20重量パーセントの量の他の任意選択の添加剤、および仕上げ剤組成物の約10から約30重量パーセントの量の水を含む、それらからなる、または本質的にそれらからなる。

別の実施形態において、マットおよび仕上げ剤は、約0.0075から約0.40インチの厚さおよび約65から約125pcfの密度を有する合成物であって、仕上げ剤が約40から約200lb/MSFの重量を有し、仕上げ剤がマットに少なくとも約60%浸透し、かつ仕上げ剤が少なくとも約9のpHを有する合成物を形成する。

別の実施形態において、仕上げ剤は、約75°Fおよび相対湿度約50%の条件下で約45分以内に実質的に硬化して乾燥し、ならびに/または仕上げ剤は、約175°Fの温度で約3分以内に実質的に硬化して乾燥する。

別の実施形態においては、石膏系芯、ポリマーまたは鉱物繊維を含む繊維質マットを含むマット表面の石膏ボードであって、マットが、石膏系芯の少なくとも1つの面に面する内表面、ならびに本質的に湿式仕上げ剤の約50%から約85重量%の量のクラスCフライアッシュを含む水硬性成分、以下の膜形成ポリマーのうちの1種または複数:アクリルポリマーおよびコポリマー、ゴム系ポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンゴム、スチレンとアクリルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、塩化ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)とのコポリマー、ラウリン酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびメタクリル酸メチルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびラウリン酸ビニルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)のターポリマーならびにそれらの任意の組み合わせからなる疎水性の仕上げ剤を有し、膜形成ポリマーが、湿式仕上げ剤の約5重量%から約25重量%の量であり、かつ湿式仕上げ剤の約0.1重量%から約5重量%の量のアルキルアルコキシシランである、石膏ボードである。

別の実施形態において、ボードは、(a)石膏系芯、(b)マットが石膏系芯の少なくとも1つの面に面する内表面を有する、ポリマーまたは鉱物繊維を含む繊維質マット、ならびに(c)本質的にクラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、およびアルキルアルコキシシランを含む水硬性成分からなる疎水性の仕上げ剤を含む。クラスCフライアッシュを含む水硬性成分は、例えば、湿式仕上げ剤組成物の約50重量%から約85重量%の量であってよい。膜形成ポリマーは、例えば、湿式仕上げ剤組成物の約5重量%から約25重量%の量であってよい。

仕上げ剤組成物が、本質的にクラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、およびシラン化合物を含む水硬性成分からなる実施形態において、実施形態は、発明の組成物に実質的に影響を与える(例えば、耐水性効果を相当に妨げるあるいは強度または流動性を著しく不利に減少する化合物)、クラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、およびアルキルアルコキシシランを含む前述の水硬性成分以外のいかなる化合物も含めることを除外する。したがって、本質的にクラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、およびアルキルアルコキシシランを含む水硬性成分からなる仕上げ剤組成物から除外されるであろう化合物には、3000ミクロンを超える平均粒径を有する充填剤、骨材、または炭酸カルシウム;組み合わせられた量が水硬性成分の50重量%を超えるシリカ、アルミナ、または酸化鉄;水硬性成分の50重量%を超える量のポルトランドセメント;水硬性成分の10重量%を超える量の生石灰;および水硬性成分の25重量%を超える量の消石灰が含まれるであろう。本質的にクラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、およびアルキルアルコキシシランを含む水硬性成分からなる仕上げ剤組成物から除外されないであろう化合物は、仕上げ剤組成物に実質的に影響を与えない化合物、例えば水、消泡剤、雲母などの充填剤、粘度、ガム、防腐剤、溶媒および他の添加剤(例えば、結合剤、アルコール、殺生物剤、着色剤)、減水剤添加剤、ならびに仕上げ剤組成物中にある場合に耐水性効果を相当に妨げないあるいは強度または流動性を著しく不利に減少しない他の化合物である。

別の実施形態において、マットおよび仕上げ剤は、約0.0075から0.40インチの厚さおよび約65から約125pcfの密度を有する合成物であって、仕上げ剤が約40から約200lb/MSFの重量を有し、仕上げ剤がマットに少なくとも約60%浸透し、かつ仕上げ剤が少なくとも約9のpHを有する合成物を形成する。

別の実施形態において、仕上げ剤は、約75°Fおよび相対湿度約50%の条件下で約45分以内に実質的に硬化して乾燥し、かつ仕上げ剤は、約175°Fの温度で約3分以内に実質的に硬化して乾燥する。

別の実施形態において、物品は、セメント質の芯材料ならびにセメント質の芯に面している仕上げ剤組成物であって、仕上げ剤組成物が、クラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、およびシラン化合物を含み、シランが、一般化学式: (RO)3−Si−X、 (式中、ROはアルコキシ基およびXは有機官能基である)の内であり、かつ/またはシランが、少なくとも約150の分子量を有する、仕上げ剤組成物を含む。

一実施形態において、マット表面の石膏ボードは、石膏系芯、石膏系芯の少なくとも1つの面に面する内表面および反対の外表面を有する繊維質マット、ならびに仕上げ剤がクラスCフライアッシュ、膜形成ポリマー、および一般化学式: (RO)3−Si−X、 (式中、ROはアルコキシ基およびXは有機官能基である) のシラン化合物を含む、繊維質マットの外表面に面する疎水性の仕上げ剤を含む。

別の実施形態において、仕上げ剤は、マットに少なくとも約60%浸透する。

別の実施形態において、繊維質マットは、芯のどちらの側にも1つの、2つの部品を含む。

別の実施形態において、膜形成ポリマーは、アクリルポリマーおよびコポリマー、ゴム系ポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンゴム、スチレンとアクリルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、塩化ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)とのコポリマー、ラウリン酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびメタクリル酸メチルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびラウリン酸ビニルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)のターポリマーならびにそれらの任意の組み合わせであって、膜形成ポリマーが、湿式仕上げ剤の約5重量%から約25重量%の量であり、シラン化合物が、湿式仕上げ剤の約0.1重量%から約5重量%の量のアルキルアルコキシシランであり、ボードが、ANSI A118.10(2008年10月改訂)に従う防水性に関する試験に合格し、ボードが1/2厚さのボードとして注型される場合、ボードはASTM C1178/C1178M−11に従って少なくとも約70ポンドの釘引き抜き抵抗を有し、ボードが1/2厚さのボードとして注型される場合、ボードは、ASTM C1178/C1178M−11に従ってボード縁部に平行な少なくとも約80ポンドを支持する縁部および/またはボード縁部に直交する少なくとも約100ポンドを支持する縁部の曲げ強度を有する。

一実施形態において、マット表面の石膏ボードは、セメント質の芯、マットが、石膏系芯の少なくとも1つの面に面する内表面および反対の外表面を有する、ポリマーまたは鉱物繊維を含む繊維質マット、ならびに本質的に(i)クラスCフライアッシュを含む水硬性成分、(ii)膜形成ポリマーが湿式仕上げ剤の約5%から約25重量%の量である、以下の膜形成ポリマーのうちの1種または複数:アクリルポリマーおよびコポリマー、ゴム系ポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンゴム、スチレンとアクリルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、塩化ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)とのコポリマー、ラウリン酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびメタクリル酸メチルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびラウリン酸ビニルのターポリマー、酢酸ビニル、エチレンおよびVeoVa(バーサチック酸のビニルエステル)のターポリマーならびにそれらの任意の組み合わせ、ならびに(iii)湿式仕上げ剤の約0.1重量%から約5重量%の量のアルキルアルコキシシランからなる繊維質マットの外表面に面する疎水性の仕上げ剤を含む。

一実施形態において、マット表面の石膏ボードは、石膏系芯、石膏系芯の少なくとも1つの面に面する内表面および反対の外表面を有する繊維質マット、ならびに仕上げ剤が(i)クラスCフライアッシュ、(ii)膜形成ポリマー、および(iii)少なくとも約150の分子量を有するシラン化合物を含む、繊維質マットの外表面に面する疎水性の仕上げ剤を含む。

先行の物は単なる実施形態の例であることに留意すべきである。他の例示的な実施形態は、本明細書の記述の全体から明らかである。これらの実施形態のそれぞれは、本明細書に提供される他の実施形態との種々の組み合わせにおいて用いてもよいことも当業者によって理解されるであろう。

以下の実施例は、本発明をさらに例示する物であるが、当然ながら、いかなる方法においてもその範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。

実施例1−比較 本実施例は、耐透水性が乏しい未仕上げのガラスマット強化石膏パネルを例示する。

USG(イリノイ州、シカゴ)から市販されている、半インチの厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、試験を行うために用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質であり、追加の仕上げ剤を含まず、かつ石膏芯に表面接着していた。実行した耐透水性試験を、下に簡単に記述する。

直径2インチ、高さ48インチの中空プラスチック管を、試験パネルの天面上にしっかりと固定して密封する。プラスチック管を、48インチの高さの一番上まで水道水で満たす。時間の関数としての水位の低下を、監視して記録した。漏水の発生および漏れ位置についても、観察を行う。図1Aは、透水性試験のための試験装置配置を示す。

図1Bは、未仕上げのガラスマット強化石膏パネルについての耐透水性試験結果を示す。時間の関数としてのプラスチック管における水位の低下を、測定して記録した。図1Bから未仕上げのガラスマット強化石膏パネルが著しく乏しい保水容量を有したことが分かる。管が水で満たされるとすぐに水がパネルの天面を通って漏れ出し始めた。管からの水損失の速度は、管が24時間以内に事実上空になるほどに非常に高速であった。パネルの底面は、完全に乾燥しており水は石膏芯を通って浸透しなかった。全ての水が、その上にプラスチック管が取り付けられた上部パネル表面上の多孔質のガラスマット層を通って漏れた。

図1Cは、試験を開始した直後の未仕上げのガラスマット石膏パネルの天面上の漏水を示す。プラスチック管に水を満たすとすぐに孤立した水たまりが現れはじめた。図1Dは、4時間における未仕上げのガラスマット石膏パネルの天面上の漏水を示す。ガラスマットの天面は、漏れている水で完全にいっぱいであったことが観察できる。図1Eは、24時間における耐透水性試験アセンブリを描く。プラスチック管は、試験中に発生した急速な水損失が原因で24時間において事実上水が空であった。

実施例2 本実施例は、本発明の実施形態による仕上げ済みのパネルに関する改善した耐水性を例示する。

半インチ厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、セメント質の仕上げ剤の適用のためのベースパネルとして用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質であり、かつ始めは追加の仕上げ剤の存在無しで石膏芯に表面接着していた。

ガラスマットパネルを、表12に示す通りの配合物を有する特別な可撓性のセメント質の仕上げ剤を用いて仕上げした。表12に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、1/2インチ厚さのガラスマット強化石膏パネルの天面に定規摺りした。仕上げ剤層の単一パスを、パネルに適用した。得られたパネルを、試料Aとして識別した。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させた。仕上げ剤が乾ききってパネルに非粘着性表面を与えるのに、約30分間掛かった。図2Aは、仕上げ済みのガラスマット石膏パネルを描く。

ガラスマットパネル(試料A)上に適用したセメント質の仕上げ剤の詳細は、表13に記述されている通りであった。

耐水性試験を、図1Aに示す試験装置配置で実施例1に記載のように行った。図2Bは、試料Aに関する仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルについての耐透水性試験結果を示す。時間の関数としてのプラスチック管における水位の低下を、測定して記録した。仕上げ剤の適用がパネルの耐透水性性能を著しく改善したことが、図2Bから観察できる。しかしながら、適用した仕上げ剤は、図2Bで水位の低下によって描かれるように完全な耐透水性を提供せずいくらかの量の水を通り抜けさせた。時間の関数としての水位の低下は、表14に記述されている通りに測定された。

パネルを通る漏水は、図2Cおよび2Dに示すようにパネルの上部仕上げ剤側自体で発生したことがさらに観察された。水滴が、水での48インチカラムの充填の30分以内にパネルの天面上で観察された。図2Eにおいて見られた液体水は、仕上げ済みのガラスマット構造内に存在する残留孔を通って横断してパネルの切断縁部における上部に出た。しかしながら、パネルの厚さを通って浸透する水の証拠はなかった。パネル底面は、試験の間ずっと完全に乾燥したままであったことが観察された。

実施例3 本実施例は、本発明の実施形態による仕上げ済みのパネルに関する改善した耐水性を例示する。半インチ厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、セメント質の仕上げ剤の適用のためのベースパネルとして用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質であり、かつ始めは追加の仕上げ剤の存在無しで石膏芯に表面接着していた。

ガラスマットパネルを、表15に示す通りの配合物を有する特別な可撓性のセメント質の仕上げ剤を用いて仕上げした。表15に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、1/2インチ厚さのガラスマット強化石膏パネルの天面に定規摺りした。仕上げ剤層の単一パスを、パネルに適用した。得られたパネルを、試料Bとして識別した。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させた。仕上げ剤が乾ききってパネルに非粘着性表面を与えるのに、約30分間掛かった。

ガラスマットパネル(試料B)上に適用したセメント質の仕上げ剤の詳細は、表16に記述されている通りであった。

耐水性試験を、図1Aに示す試験装置配置で実施例1に記載のように行った。

図3Aは、試料Bに関する仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルについての耐透水性試験結果を示す。時間の関数としてのプラスチック管における水位の低下を、測定して記録した。仕上げ剤の適用がパネルの耐透水性性能を著しく改善したことが、図3Aから観察できる。しかしながら、適用した仕上げ剤は、図3Aで水位の低下によって描かれるように完全な耐透水性を提供せずいくらかの量の水を通り抜けさせた。時間の関数としての水位の低下は、表17に記述されている通りに測定された。

パネルを通る漏水は、パネルの上部仕上げ済み側自体で発生したことがさらに観察された。水滴が、水での48インチカラムの充填の30分以内にパネルの天面上で観察された。しかしながら、パネルの厚さを通って浸透する水の証拠はなかった。パネル底面は、試験の間ずっと完全に乾燥したままであったことが観察された。

実施例4 本実施例は、本発明の実施形態による仕上げ済みのパネルに関する改善した耐水性を例示する。半インチ厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、セメント質の仕上げ剤の適用のためのベースパネルとして用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質であり、かつ始めは追加の仕上げ剤の存在無しで石膏芯に表面接着していた。

ガラスマットパネルを、表18に示す通りの配合物を有する特別な可撓性のセメント質の仕上げ剤を用いて仕上げした。表18に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、1/2インチ厚さのガラスマット強化石膏パネルの天面上に定規摺りした。仕上げ剤層の単一パスを、パネルに適用した。得られたパネルを、試料Cとして識別した。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させた。仕上げ剤が乾ききってパネルに非粘着性表面を与えるのに、約30分間掛かった。

試料Cのガラスマットパネル上に適用したセメント質の仕上げ剤の詳細は、表19に記述されている通りであった。

耐水性試験を、図1Aに示す試験装置配置で実施例1に記載のように行った。

図4Aは、試料Cに関する仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルについての耐透水性試験結果を示す。時間の関数としてのプラスチック管における水位の低下を、測定して記録した。仕上げ剤の適用がパネルの耐透水性性能を著しく改善したことが、図4Aから観察できる。しかしながら、適用した仕上げ剤は、図4Aで水位の低下によって描かれるように完全な耐透水性を提供せずいくらかの水を通り抜けさせた。時間の関数としての水位の低下は、表20に記述されている通りに測定された。

パネルを通る漏水は、パネルの上部仕上げ済み側自体で発生したことがさらに観察された。水滴が、水での48インチカラムの充填の30分以内にパネルの天面上で観察された。しかしながら、パネルの厚さを通って浸透する水の証拠はなかった。パネル底面は、試験の間ずっと完全に乾燥したままであったことが観察された。

実施例5 本実施例は、本発明の実施形態による仕上げ済みのパネルに関する改善した耐水性を例示する。半インチ厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、セメント質の仕上げ剤の適用のためのベースパネルとして用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質であり、かつ始めは追加の仕上げ剤の存在無しで石膏芯に表面接着していた。

ガラスマットパネルを、表21に示す通りの配合物を有する特別な可撓性のセメント質の仕上げ剤を用いて仕上げした。表21に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、1/2インチ厚さのガラスマット強化石膏パネルの天面に定規摺りした。仕上げ剤の2回のパスを、パネル上に適用した。仕上げ剤の最初のパスの適用のすぐ後に2回目のパスの適用を行った。第2のパスにおける仕上げ剤の適用は、図5Bにおいてみられるように、平坦ではなく不均一な仕上げ済み表面に繋がったことに留意されたい。得られたパネルを、試料Dとして識別した。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させきった。仕上げ剤が乾ききってパネルに非粘着性表面を与えるのに、約30分間掛かった。

ガラスマットパネル(試料D)上に適用したセメント質の仕上げ剤の詳細は、表22に記述されている通りであった。

耐水性試験を、図1Aに示す試験装置配置で実施例1に記載のように行った。

図5Aは、本実施例の仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネル、すなわち、試料Dについての耐透水性試験結果を示す。時間の関数としてのプラスチック管における水位の低下を、測定して記録した。仕上げ剤の適用がパネルの耐透水性性能を著しく改善したことが、図5Aから観察できる。しかしながら、適用した仕上げ剤は、図5Aにおいて示される水位の低下によって描かれるように完全な耐透水性を提供せずいくらかの量の水を通り抜けさせた。時間の関数としての水位の低下は、表23に記述されている通りに測定された。

パネルを通る漏水は、図5Bに示すようにパネルの上部仕上げ済み側自体で発生したことがさらに観察された。水滴が、水での48インチカラムの充填の30分以内にパネルの天面上で観察された。しかしながら、パネルの厚さを通って浸透する水の証拠はなかった。パネル底面は、試験の間ずっと完全に乾燥したままであったことが観察された。

実施例6 本実施例は、本発明の実施形態による仕上げ済みのパネルに関する改善した耐水性を例示する。本発明の実施形態による仕上げ済みのガラスマットパネルを、表24に示す通りの配合物を有する特別な可撓性のセメント質の仕上げ剤を用いて調製した。具体的には、本実施例は、本発明の実施形態の薄い、可撓性のセメント質の仕上げ剤の耐水性へのシラン、特にオクチルトリエトキシシランの影響を例示する。オクチルトリエトキシシランを、配合物の総重量の0.33%の調剤率(またはフライアッシュ量の0.50wt%)で加えた。

半インチ厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、セメント質の仕上げ剤の適用のためのベースパネルとして用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質でありかつ始めは追加の仕上げ剤の存在無しで石膏芯に表面接着していた。

表24に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、1/2インチ厚さのガラスマット強化石膏パネルの天面上に定規摺りした。仕上げ剤の2回のパスを、パネル上に適用した。仕上げ剤の最初のパスの適用のすぐ後に2回目のパスの適用を行った。得られたパネルを、試料Eとして識別した。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させた。仕上げ剤が乾ききってパネルに非粘着性表面を与えるのに、約30分間掛かった。

ガラスマットパネル(試料E)上に適用したセメント質の仕上げ剤の詳細は、表25に記述されている通りであった。

耐水性試験を、図1Aに示す試験装置配置で実施例1に記載のように行った。

図6Aは、本実施例の仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネル、すなわち、試料Eについての耐透水性試験結果を示す。時間の関数としてのプラスチック管における水位の低下を、測定して記録した。本発明の実施形態による仕上げ剤の適用がパネルの耐透水性性能の改善に著しい影響を有することが、図6Aから観察できる。パネルを通って発生した透水が無かったことは、注目すべきである。図6Bにおいて見られるように、パネルの上部仕上げ済みの表面上で漏れまたは水滴は観察されなかった。パネルの厚さを通る透水の証拠もなかった。パネル底面は、試験の間ずっと完全に乾燥したままであった。時間の関数としての管内の水位の低下を、表26に記述されている通りに測定して記述した。

本実施例は、オクチルトリエトキシシランなどのシランを含む本発明の実施形態の可撓性のセメント質の組成物が、仕上げ済みのガラスマットパネルに高レベルの耐透水性を提供したことを実証する。

実施例7 本実施例は、本発明の実施形態による仕上げ済みのパネルに関する改善した耐水性を例示する。本発明の実施形態による仕上げ済みのガラスマットパネルを、表27に示す通りの配合物を有する特別な可撓性のセメント質の仕上げ剤を用いて調製した。具体的には、本実施例は、本発明の実施形態の薄い、可撓性のセメント質の仕上げ剤の耐水性へのオクチルトリエトキシシランなどのシランの影響を例示する。オクチルトリエトキシシランを、配合物の総重量の0.66%の調剤率(またはフライアッシュ量の1.00wt%)で加えた。

半インチ厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、セメント質の仕上げ剤の適用のためのベースパネルとして用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質でありかつ始めは追加の仕上げ剤の存在無しで石膏芯に表面接着していた。

表27に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、1/2インチ厚さのガラスマット強化石膏パネルの天面上に定規摺りした。仕上げ剤の2回のパスを、パネル上に適用した。仕上げ剤の最初のパスの適用のすぐ後に2回目のパスの適用を行った。得られたパネルを、試料Fとして識別した。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させた。仕上げ剤が乾ききってパネルに非粘着性表面を与えるのに、約30分間掛かった。

ガラスマットパネル(試料F)上に適用したセメント質の仕上げ剤の詳細は、表28に記述されている通りであった。

耐水性試験を、図1Aに示す試験装置配置で実施例1に記載のように行った。

図7Aは、試料Fの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルについての耐透水性試験結果を示す。時間の関数としてのプラスチック管における水位の低下を、測定して記録した。本発明の実施形態の仕上げ剤の適用がパネルの耐透水性性能の改善に著しい影響を有したことが、図7Aから観察できる。パネルを通って発生した透水が無かったことは、注目すべきである。図7Bにおいて見られるように、パネルの上部仕上げ済みの表面上で漏れまたは水滴は観察されなかった。パネルの厚さを通る透水の証拠もなかった。パネル底面は、試験の間ずっと完全に乾燥したままであった。時間の関数としての管内の水位の低下を、表29に記述されている通りに測定して記述した。

本実施例は、オクチルトリエトキシシランなどのシランを含む本発明の実施形態による可撓性のセメント質の組成物が、仕上げ済みのガラスマットパネルに極めて良好な耐透水性を提供したことを実証する。

実施例8 本実施例は、本発明の実施形態による仕上げ済みのパネルに関する改善した耐水性を例示する。本発明の仕上げ済みのガラスマットパネルを、表30に示す通りの配合物を有する特別な可撓性のセメント質の仕上げ剤を用いて調製した。具体的には、本実施例は、本発明の実施形態の薄い、可撓性のセメント質の仕上げ剤の耐水性へのオクチルトリエトキシシランなどのシランの影響を例示する。オクチルトリエトキシシランを、配合物の総重量の0.99%の調剤率(またはフライアッシュ量の1.50wt%)で加えた。半インチ厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、セメント質の仕上げ剤の適用のためのベースパネルとして用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質でありかつ始めは追加の仕上げ剤の存在無しで石膏芯に表面接着していた。

表30に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、1/2インチ厚さのガラスマット強化石膏パネルの天面上に定規摺りした。仕上げ剤の2回のパスを、パネル上に適用した。仕上げ剤の最初のパスの適用のすぐ後に2回目のパスの適用を行った。得られたパネルを、試料Gとして識別した。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させた。仕上げ剤が乾ききってパネルに非粘着性表面を与えるのに、約30分間掛かった。

ガラスマットパネル(試料G)上に適用したセメント質の仕上げ剤の詳細は、表31に記述されている通りであった。

耐水性試験を、図1Aに示す試験装置配置で実施例1に記載のように行った。

図8Aは、試料Gの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルについての耐透水性試験結果を示す。時間の関数としてのプラスチック管における水位の低下を、測定して記録した。本発明の実施形態の仕上げ剤の適用がパネルの耐透水性性能の改善に著しい影響を有したことが、図8Aから観察できる。パネルを通って発生した透水が無かったことは、注目すべきである。図8Bにおいて見られるように、パネルの上部仕上げ済みの表面上で漏れまたは水滴は観察されなかった。パネルの厚さを通る透水の証拠もなかった。パネル底面は、試験の間ずっと完全に乾燥したままであった。時間の関数としての管内の水位の低下を、表32に記述されている通りに測定して記述した。

本実施例は、オクチルトリエトキシシランを含む本発明の実施形態による可撓性のセメント質の組成物が、仕上げ済みのガラスマットパネルに高レベルの良好な耐透水性を提供したことを例示する。

実施例9 本実施例は、本発明の実施形態による仕上げ済みのパネルに関する改善した耐水性を例示する。本発明の実施形態による仕上げ済みのガラスマットパネルを、表33に示す通りの配合物を有する特別な可撓性のセメント質の仕上げ剤を用いて調製した。具体的には、本実施例は、本発明の薄い、可撓性のセメント質の仕上げ剤の耐水性へのオクチルトリエトキシシランなどのシランの影響を例示する。オクチルトリエトキシシランを、配合物の総重量の1.97%の調剤率(またはフライアッシュ量の3.00wt%)で加えた。

半インチ厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、セメント質の仕上げ剤の適用のためのベースパネルとして用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質でありかつ始めは追加の仕上げ剤の存在無しで石膏芯に表面接着していた。

表33に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、1/2インチ厚さのガラスマット強化石膏パネルの天面上に定規摺りした。仕上げ剤の2回のパスを、パネル上に適用した。仕上げ剤の最初のパスの適用のすぐ後に2回目のパスの適用を行った。得られたパネルを、試料Hとして識別した。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させた。仕上げ剤が乾ききってパネルに非粘着性表面を与えるのに、約30分間掛かった。

ガラスマットパネル(試料H)上に適用したセメント質の仕上げ剤の詳細は、表34に記述されている通りであった。

耐水性試験を、図1Aに示す試験装置配置で実施例1に記載のように行った。

図9Aは、試料Hの仕上げ済みのガラスマット強化石膏パネルについての耐透水性試験結果を示す。時間の関数としてのプラスチック管における水位の低下を、測定して記録した。本発明の実施形態の仕上げ剤の適用がパネルの耐透水性性能の改善に著しい影響を有したことが、図9Aから観察できる。パネルを通って発生した透水が無かったことは、注目すべきである。図9Bで、パネルの上部仕上げ済みの表面上で漏れまたは水滴は観察されなかった。パネルの厚さを通る透水の証拠もなかった。パネル底面は、試験の間ずっと完全に乾燥したままであった。時間の関数としての管内の水位の低下を、表35に記述されている通りに測定して記述した。

本実施例は、オクチルトリエトキシシランなどのシランを含む本発明の可撓性のセメント質の組成物が、仕上げ済みのガラスマットパネルに高レベルの耐透水性を提供したことを実証する。

実施例10 本実施例は、本発明の実施形態による仕上げ済みのガラスマットパネルによって達成されるASTM C1178(被覆されたガラスマット耐水性石膏下地パネルのための標準仕様)によって要求される機械的特性を例示する。ガラスマットパネルを、表36に示す通りシランを含めた配合物を有する特別な可撓性のセメント質の仕上げ剤を用いて仕上げした。

試験片を、ASTM C473(石膏パネル製品の物理的試験のための標準試験法)に従って試験した。オクチルトリエトキシシランを、配合物の総重量の0.99%の調剤率(またはフライアッシュ量の1.50wt%)で加えた。

半インチ厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、セメント質の仕上げ剤の適用のためのベースパネルとして用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質であり、かつ石膏芯に表面接着していた。表37に結果を示す。

表36に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、1/2インチ厚さのガラスマット強化石膏パネルの天面上に定規摺りした。仕上げ剤の2回のパスを、パネル上に適用した。仕上げ剤の最初のパスの適用のすぐ後に2回目のパスの適用を行った。得られたパネルを、試料Iとして識別した。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させた。仕上げ剤が乾ききってパネルに非粘着性表面を与えるのに、約30分間掛かった。

表37に結果を示す。

表37から分かるように、本実施例は、仕上げ済みの試料が、ASTM C1178に記述されている最低基準を超えることを例示する。

実施例11 本実施例は、本発明の実施形態による仕上げ済みのガラスマットパネルに関する釘引き抜き抵抗、曲げ強度、および接着性を例示する。パネルを、表38に示す通りシランを含めた配合物を有する特別な可撓性のセメント質の仕上げ剤を用いて調製した。オクチルトリエトキシシランを、配合物の総重量の0.99%の調剤率(またはフライアッシュ量の1.50wt%)で加えた。半インチ厚さのSECUROCK(登録商標)屋根ボードを、セメント質の仕上げ剤の適用のためのベースパネルとして用いた。石膏パネルを製造するために用いたガラスマットは、実質的に多孔質であり、かつ始めは追加の仕上げ剤の存在無しで石膏芯に表面接着していた。

具体的には、ボード試料を、「現状のまま」(浸水前)および「7日間湿潤表面」の両条件について試験した。湿潤表面条件は、パネルの被覆された表面をプラスチック棒および封水剤によって封じ込めた1/4〜1/2インチ深さの水たまりで浸漬することによって達成した。水は、水位を維持するために絶えず追加した。

表38に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、1/2インチ厚さのガラスマット強化石膏パネルの天面上に定規摺りした。仕上げ剤の2回のパスを、パネル上に適用した。仕上げ剤の最初のパスの適用のすぐ後に2回目のパスを適用した。得られたパネルを、試料Jとして識別した。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させた。仕上げ剤が乾ききってパネルに非粘着性表面を与えるのに、約30分間掛かった。

釘引き抜き抵抗結果を、図10Aに示す。121lbfの抵抗は「現状のまま」条件であり、81lbfは被覆された表面を7日間湿潤した後であった。一部の実施形態においては、約70lbfを超えることが望ましい。本実施例は、仕上げ剤の高レベルの耐水性に起因して、所望の釘引き抜き抵抗結果が湿潤暴露後でもまだ観察されることを例示する。

さらに、曲げ強度を、「現状のまま」条件および仕上げ済みの表面の湿潤の7日後について測定した。図10Bにおいてみられるように、縦方向(MD)の曲げ強度は、2つの条件についてそれぞれ170lbfおよび125lbfであり、本発明の一部の実施形態による約100lbfの最低条件を超える。

さらに、タイル接着性も、「現状のまま」条件および被覆された表面の湿潤の7日後について測定した。タイルを、Laticrete International, Inc.、コネティカット州、ベサニーから市販されているLaticrete 253R ポリマー改質thinsetモルタル(polymer modified thinset mortar)によってボードの仕上げ済みの側に取り付け、現場構造に似せるために、被覆されたガラスマットタイル下地を配向性ストランドボード(OSB)にねじ留めした。

7日間湿潤表面条件のために、図10Cおよび10Dにおいてみられるように、仕上げ済みのガラスマットボードがタイルを超えて延長している状態であり、したがってパネル表面が水によって7日間湿潤し得る試験アセンブリを調製した。本試験配置は、タイルが設置された後にパネル表面が湿潤する現場条件を模倣して設計した。結果は、図10Eにおいてみられる。「現状のまま」条件に関してのタイル接着性結果は97psiであり、7日間湿潤表面条件については77psiであった。一部の実施形態においては、約50psiの最低条件を超えることが望ましい。本発明の実施形態によって示された良好な耐水性が理由で、タイル接着性結果は、浸水後でもまだ望ましいとみなされた。これは、表面が長期間湿潤された場合でもタイルが適当な位置に留まるであろうことを確実にする。

実施例12 本実施例は、エージングを促進した後の本発明の実施形態による仕上げ済みのガラスマットの引張強度を例示する。具体的には、クラスCフライアッシュが高アルカリ性でありガラスマットを場合によっては劣化させ得るので、本実施例は、スラリーに長期間暴露した後のガラスマットの長期性能を例示する。ガラスマットを、表39に従って調製したスラリーで両面上に手仕上げした。

表39に示す原料を、ブレンダー内で約30秒間一緒に混合した。得られた水性仕上げ剤を、ガラスマットの両表面上に定規摺りした。仕上げ剤を、周囲条件下で硬化させて乾燥させた。

被覆されたガラスマットを、140°F(60℃)の水に浸漬してエージング工程を促進した。液浸時間は、7日間、14日間、28日間、および56日間であり、その後110°F(43.3℃)での7日間の炉乾燥が続いた。引張強度を、「現状のまま」条件についておよびエージングしたガラスマットについて行った。5個の2インチ×8インチ試料を、それぞれの条件について縦方向に裁断し、それらを中央で1インチ幅に切って整えた。試料を、クロスヘッド速度2インチ/分を有する閉ループ、サーボ制御のMTS試験機(CMTS)上で試験し、引張強度をリニアインチ(liner inch)当たりの重量ポンドで報告した。

引張強度結果を、図11に示す。「現状のまま」引張強度は、74lb/inであり、7日間の熱水液浸後は62lb/inに減少した。引張強度は、それぞれ、エージングを促進した14日後、28日後、および56日後に49、44、および41lb/inにさらに減少した。これは、ガラスマットは、ガラスマットがスラリー適用の前に糊剤でわずかに被覆されただけにもかかわらず56日間のエージング促進後にまだその当初の強度の50%よりも高く維持することを示す。これは、被覆されたガラスマットタイル下地が、長期間使用された後に申し分ない性能を有するであろうことを確実にする。

本明細書に引用される広報、ASTMおよびANSI標準、特許出願、および特許を含めた全ての参照は、あたかもそれぞれの参照が個々にかつ具体的に示されて参照により組み込まれその全体が本明細書に記述されているのと同程度に参照により本書に含まれる。

本発明を記述する文脈における(特に下記の特許請求の範囲の文脈における)「1つの(a)」および「1つの(an)」および「前記(the)」および「少なくとも1つの(at least one)」ならびに類似の指示語の使用は、本明細書に別段の指示が無い限りまたは文脈によって明確に否定されない限り、単数形および複数形の両方を含むと解釈される。1つまたは複数の項目のリストが後に続く「少なくとも1つ」と言う語の使用(例えば、「AおよびBの少なくとも1つ」)は、本明細書に別段の指示が無い限りまたは文脈によって明確に否定されない限り、記載された項目から選択される1つの項目(AまたはB)あるいは2つ以上の記載された項目の任意の組み合わせ(AおよびB)を意味すると解釈される。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含有する(containing)」という語は、特に記載の無い限り、無制限の語(すなわち、「含むが、これに限定されない」ことを意味する)と解釈される。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示が無い限り、単に範囲内にあるそれぞれの別個の範囲を個々に参照する簡単な方法として役立つことが意図され、かつそれぞれの別個の範囲はあたかも個々に本明細書に列挙されるように本明細書に組み込まれる。本明細書に述べる全ての方法は、本明細書に別段の指示が無い限りまたは文脈によって明確に否定されない限り、任意の適した順序で実行してよい。本明細書に提供される任意および全ての例の使用または例示的な言葉(例えば、「など(such as)」)は、単に本発明をより良く例示することが意図されるものであり別段の請求が無い限り本発明の範囲に制限を課さない。本明細書における言葉は、任意の非請求要素を本発明の実践に不可欠な物として示すと解釈されるべきではない。

本発明の好ましい実施形態は、本明細書に述べられ、本発明を実施するための発明者に知られている最良の形態を含む。これらの好ましい実施形態の変形形態は、前述の記述を読むことで当業者に明らかになり得る。発明者は当業者が必要に応じてかかる変形形態を採用することを予期し、かつ発明者は本発明が本明細書に具体的に述べられる以外の方法で実践されることを意図する。したがって、本発明には、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙される準拠法によって許可されるような主題の全ての修正および同等の方法が含まれる。さらに、それらの全ての可能な変形形態における上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別段の指示が無い限りまたは文脈によって明確に否定されない限り、本発明によって包含される。

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