The preparation of large-scale panel material for environment adjustment

申请号 JP17895192 申请日 1992-06-12 公开(公告)号 JP3028502B2 公开(公告)日 2000-04-04
申请人 新東北化学工業株式会社; 鹿島建設株式会社; 发明人 徹雄 佐藤; 広喜 和美; 昭夫 寒河江; 浩 松本; 浩 笠井; 良延 荒井;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 硬化したセメント中にゼオライト粉粒体と繊維が分散している湿度調整機能を有する環境調整用パネルを製造するにさいし, ゼオライト粉粒体100重量部に対し繊維0.1〜10
    重量部と白セメント10〜100重量部未満を配合し且つ100重量部を越 え150重量部以下の水を添加して混練し, この混練物を ,パネル形状に,軟質シートを被着させて5〜200kg/cm 2の加圧下で圧縮搾水成形し, 得られた成形物を硬化させることを特徴とする環境調整用大型パネル材料の製造法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】 本発明は, 室内および建築空間
    を自然に調湿することができ,特に,美術品類を展示または収蔵するための美術品収容空間を形成するのに適し
    た環境調整用大型パネル材料の製造法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来より,我が国の建築物は天然の木材や土,紙等の自然に調湿機能をもつ材料を総合的に使用することが行われてきた。 このため,室内の湿度の調整機能や結露の防止機能が備わっていた。

    【0003】しかし近年のRC造建築等では,吸放湿機能を充分に生かすことができず湿気に関する様々な障害が発生するようになった。 特に美術品の展示や保管する空間ではこの問題が顕在化している。

    【0004】美術品は温湿度が一定に保たれた空間に置かれることが必要であり,このために空調機器や加湿器による温湿度調整が行われている。 しかし,そのための設備を備えた美術館等の特別な建物は例外として,一般建築内に構成された美術品を長期に保管する収蔵空間に対して,そのためだけに,これらの機器を周年にわたって24時間稼動させておくことはランニングコストが甚大となる。

    【0005】このため,かような空間の内装仕上げ材料として木材(特に多孔質系の天然木材例えば檜,桐,杉等)を使用し,この木材のもつ自然な吸放湿機能を利用することも行われている。 これが完全に機能すれば24
    時間連続して機器類を稼動する必要はないからである。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】調湿機能をもつ材料の一つである木材を,近年のRC造建築内における内装材料として使用しても,その使用量には限界があるし,また木材自体の吸放湿性が経年劣化すること,さらに耐火性や寸法安定性に欠けるという問題もある。

    【0007】一方,コンクリート構造物からのアルカリ分の飛散が美術収蔵物の劣化を招くという問題が指摘されており,アルカリ分の低減化対策等の措置が急務となっている。

    【0008】本発明は,このような近代建築材料のもつ上記のような欠点を克服すべくなされたものであり,湿度の調整,壁面結露の防止,アルカリ低減化作用等の機能を発揮する吸放湿性およびアルカリ抑制に優れた,特
    美術品類の収容空間を形成するのに適した環境調整用
    大型パネル材料を提供しようとするものである。

    【0009】

    【課題を解決するための手段】 本発明によれば,硬化したセメント中にゼオライト粉粒体と繊維が分散している湿度調整機能を有する環境調整用パネルを製造するにさいし,ゼオライト粉粒体100重量部に対し繊維0.1
    〜10重量部と白セメント10〜100重量部未満を配合し且つ100重量部を越え150重量部以下のを添加して混練し,この混練物を,パネル形状に,軟質シートを被着させて5〜200kg/cm 2の加圧下で圧縮搾水成形し,得られた成形物を硬化させることを特徴とする環境調整用大型パネル材料の製造法を提供する。

    【0010】

    【作用】ゼオライト粉粒体と繊維を,水硬性硬化材例えばセメントや石こうを用いて,例えばパネル形状等に固化させると,ゼオライトが本来有する多孔質の形態をそのまま保有した状態でセメントマトリックス中に分散させることができる。

    【0011】そのさい,繊維はセメントマトリックスを多孔質にする作用を供する。 このため,硬化したセメント中に存在するゼオライト粉粒体は,セメント層を通じて雰囲気空気と連通し,ゼオライトが本来有する吸放湿機能が働く。

    【0012】ゼオライトは,空気中の水分を吸着する性質と,吸着した水分が容易に脱着する性質を有する。 ゼオライトの吸放湿性は雰囲気空気の相対湿度が上昇した場合に吸湿し,低下した場合には放湿する作用がある。
    したがって,本発明の環境調整パネル材料を一定空間に置けば,室内の相対湿度の変動を抑制し安定化することができる。

    【0013】また,材料の表面温度が空気の露点以下となって結露が発生する条件下でも,ゼオライトのその高い吸水性によってその水滴化が防止され,結露の発生を防止する作用を果たす。 すなわち,一般のコンクリート製品が結露を発生する条件下でも,同じ環境で本発明の
    パネル材料は結露が発生しない。

    【0014】さらに,本発明材料中のゼオライトは空気中に飛散したアルカリ分を伴った水分を吸着することにより,またゼオライトのイオン交換作用により,アルカリ環境を抑制する作用がある。 このため,建造物のコンクリートからのアルカリ分飛散についても,本発明の
    ネル材料を使った美術品類の収容空間ではアルカリ抑制作用が働き,先に述べたコンクリート構造物からのアルカリ分の飛散が美術収蔵物の劣化を招くという問題が解決できる。

    【0015】他方,本発明パネル材料中の繊維は,前記のように成形体中の気泡細孔を増大させ,これによってゼオライトの吸放湿性を助長させることに加えて,成形体の強度を補強する作用を供する。

    【0016】このため,本発明の環境調整パネル材料は強度の低いゼオライトを多量に配合しても繊維補強作用によって十分な強度を保持し且つ勒性を保つことができる。

    【0017】本発明のパネル材料の製造にあたっては,
    ゼオライト粉粒体100重量部に対し,繊維0.1〜1
    0重量部および水硬性硬化材例えば白セメント 10〜1
    50重量部を配合する。

    【0018】繊維としては例えばビニロン繊維(PVA
    繊維),ポリプロピレン繊維,カーボン繊維等の短繊維(フイラメント)を用いるのがよい。 繊維がゼオライト粉粒体100重量部に対して0.1重量部未満では,材料の通気性並びに強度向上の効果が少なく,他方10重量部を超えて配合すると混練が困難となり,またゼオライト粉粒体の相対割合が低下して環境調整材としての機能が低下するので,好ましくない。

    【0019】水硬性硬化材としては代表的には普通ポルトランドセメントが使用でき,場合によっては石こう等の硬化材であってもよい。 白色セメントを用いると仕上がりを美麗にすることができ,美術品収納空間を形成す
    る上で好ましい 。 水硬性硬化材例えば白セメントがゼオライト粉粒体100重量部に対して10重量部未満では強度が不足し, 十分な強度を確保する意味では50重量
    %以上とするのがよい 。 他方,150重量部を超えて配合すると材料の通気性に支障を来すようになるし,ゼオライト粉粒体の相対割合が低下して環境調整材としての機能が低下するので,好ましくない。 この意味で,後記
    実施例に示すように,白セメントはゼオ ライト粉粒体を
    越えない量で配合するのが好ましい。

    【0020】ゼオライト粉粒体の配合に当たっては,予め水に浸してゼオライト中に水が飽和状態で含浸した状態で使用するのがよい。 乾燥状態で配合すると,混練のさいに添加する水がゼオライト粉粒体に吸収され,硬化に支障を来すようになる。 また,ゼオライト粉粒体は活性化した状態で使用するのがよく,これは,500℃以上の温度に假焼すればよい。

    【0021】混練にあたっては,セメントと水を吸着したゼオライトを混合したうえ,水を添加し,さらに水で濡らした繊維を添加して混練するのがよい。 混練は三次元方向に振動するラバーボールミキサーを用いて行うのがよい。 水の添加量はゼオライト粉粒体100重量部に対して10〜150重量部とする。 後記の実施例に示す
    ように,混練物を圧縮搾水成形する場合にはこの過程で
    搾水(脱水)されるので,過剰の水を添加することが必
    要となり,実施例のようにゼオライト粉粒体100重量
    部に対し100重量部を越える水の添加が必要となる。

    【0022】得られた混練物は大型のパネル形状に成形されるが,最も代表的には一般内装材と同様に1辺が9
    00mm以上で厚みが15mm以下のパネル形状に成形する。 そのさい,プレス成形を行うことができる。 すなわち,圧縮成形或いは圧縮搾水成形するが,実施例のよ
    うに圧縮搾水成形するのが好ましい。 そのさいの加圧は5〜200kg/cm の範囲とすればよく,圧縮搾
    水成形の場合の加圧力は実施例のように60kg/cm
    程度を目安とすればよく,実際には30〜80kg/
    cm 程度とすればよい

    【0023】加圧成形によって,成形品の表面が多孔質とはならず,またゼオライト粉粒体を潰すおそれがある場合には,型の底面および/または上面に軟質な樹脂シートを設置してプレス成形すればよい。 使用できる樹脂シートとしては,ウレタン,シリコン,合成ゴム等のシート材が適切である。 これによって,ゼオライト粒子を潰すことなく成形でき,また成形体表面の凹凸を残し,
    調湿機能に重要な比表面積を確保することができる。

    【0024】このようにして本発明によると,ゼオライトが有する水分吸脱着性,耐火性,断熱性,イオン交換作用,安全性等の特性がそのまま生かされた,十分な強度をもつ成形品としての環境調整用大型パネル材料が得られる。

    【0025】

    【実施例】ゼオライトとして粒径が0.7〜1.2mm
    の天然モルデナイト(カサ比重0.6,真比重2.3)
    を,水硬性硬化材として白色ポルトランドセメント(比重3.15)を,そして繊維としてPVA繊維(繊維長6mm)を使用して混練した。

    【0026】ゼオライトは500〜600℃で30〜4
    0分加熱処理して活性化したものをもちいた。 調合は次のとおりである。 ゼオライト 103重量部 白色ポルトランドセメント 100重量部 ポリビニールアルコール繊維 セメント量の2% 水 112.5重量部

    【0027】混練にあたっては,水を含浸させたゼオライトと白色セメントをミキサーで乾式混練し,これに注水して混練し,次いで含水させた繊維を投入して混練した。

    【0028】得られた混練物を,底部に5mm厚ウレタンシート設置した金型を用いて,圧縮力60kg/cm
    で圧縮搾水成形した。 成形寸法は900mm×450
    mmで厚さ12mmである。 得られた成形品を60℃で蒸気養生し,乾燥した。

    【0029】得られた成形板を人工気象室に置き,乾球温度20℃の一定のもとで,図1の下段図に示すような相対湿度の上下ステップの変化を行わせたさいに,成形板の吸放湿に伴う重量変化量(吸放湿量g/m )を測定した。 その結果を図1の上段図に示した。 また,比較のために木材(檜)に対しても同一条件下で測定し,図1の上段図に併記した。 図1の結果から,本発明の成形板は木材に比べて吸放湿量が格段に多いことがわかる。

    【0030】図2は,該成形板の圧縮強度と曲げ強度を示したものである。 図2の結果から該成形板は繊維補強により二次部材としての十分な強度を有していることがわかる。

    【0031】該成形板を用いて,図3の下段図に示すような模型室を作った。 床と天井はアルミ合板で側壁四面を該成形板で構成した。 図3の上段図は,この模型室の周囲空気の温度(周囲温度)と相対湿度(周囲相対湿度)の変化と,模型室内の温度(室内温度)と相対湿度(室内相対湿度)の変化を経時的に測定した結果を示したものである。

    【0032】図3の上段図の結果から,温度および相対湿度が変化しても,模型室内の相対湿度はほぼ40%の一定に維持されていることがわかる。 すなわち,本発明の成形品は環境が変化しても相対湿度を一定に保持する環境調整機能を備えている。

    【0033】図4は,湿度管理の重要な空間に該成形板を適用する例を示したものである。 図示のように,周壁を二重壁構造としてその内側壁に該成形板(ゼオライトパネル)を用いる。 二重壁構造内の壁間の中空層部分は,室内を保護するための緩衝空間の役割を果たし,ゼオライトパネルによる調湿機能との相乗効果によって,
    室内温湿度の安定化に効果を奏する。

    【0034】

    【発明の効果】以上説明したように,本発明のパネル材<br>料は,空間の湿度を一定に維持する湿度調整機能を備えているから,特に美術品などの環境を一定に維持することが必要な空間を構成する材料として著しい効果を発揮する。

    【0035】また,本発明のパネル材料は,ゼオライトが有する高い吸放湿性により室内および建築空間の調湿はもとより,結露を防止することができると共に,アルカリ分抑制効果も有し,さらに耐火性,耐腐食性に優れ,強度,寸法安定性,耐久性を備えているので,調湿作用をもつ恒久内装材として好適な材料であり, 大型の
    パネルとして成形されているので施工性もよい。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 周囲雰囲気の相対湿度の変化と本発明材料の吸放湿に伴う重量変化量(吸放湿量g/m )の関係を示す図である。

    【図2】 本発明材料の圧縮強度および曲げ強度を示す図である。

    【図3】 模型室実験における温度と相対湿度の経時変化図である。

    【図4】 本発明材料を用いた温湿度管理室の例を示す略断面図である。

    フロントページの続き (72)発明者 和美 広喜 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 荒井 良延 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 笠井 浩 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 佐藤 徹雄 宮城県仙台市太白区山田北前町48−25 (72)発明者 松本 浩 宮城県仙台市宮城野区小鶴3丁目1番5 −402 (56)参考文献 特開 平3−109244(JP,A) 特開 平3−93662(JP,A) 特開 昭62−283851(JP,A) 特開 昭63−82701(JP,A) 特開 昭62−191456(JP,A) 特開 昭62−246848(JP,A) 特開 昭58−175618(JP,A)

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