Raw material composition for coating stuff

申请号 JP2001381052 申请日 2001-12-14 公开(公告)号 JP2003183067A 公开(公告)日 2003-07-03
申请人 Kikusui Chemical Industries Co Ltd; 菊水化学工業株式会社; 发明人 ANDO AKINOBU; SEKI MASAAKI; KURAHASHI HIROYUKI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a raw material composition for a coating stuff excellent in coating workability, in which the coating film obtained by kneading with water and coating can adsorb an atmospheric organic solvent, has high strength as well as humidity controllability and heat insulation property, and also can effectively absorb an atmospheric carbon dioxide while desiccating itself. SOLUTION: This raw material composition for the coating stuff includes diatom earth, a hydraulic material, an air setting material and a chemical substance adsorbent. Portland cement is preferable as the hydraulic material, and it is preferable that the air setting material includes at least either one of slaked lime or dolomite plaster, and more preferable that it further includes a photocatalyst. COPYRIGHT: (C)2003,JPO
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 珪藻土と、水硬性材料と、気硬性材料と、化学物質吸着剤とを含有することを特徴とする塗材用原料組成物。 【請求項2】 水硬性材料がポルトランドセメントであり、気硬性材料が消石灰、ドロマイトプラスターのうちいずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の塗材用原料組成物。 【請求項3】 さらに、光触媒を含有する請求項1又は請求項2に記載の塗材用原料組成物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、建築物の内外装に用いられる珪藻土仕上材としての塗材用原料組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、このような塗材用原料組成物としては、特開平10−245255号公報に示すようなものがある。 この塗材用原料組成物は、消石灰及び珪藻土を主成分とし、無機質混和材、骨材、増粘剤及び接着補助剤として再乳化型粉末樹脂を含有している。 この塗材用原料組成物は、無機質材料、天然有機物から構成されるため、揮発性有機溶剤を発生させないものであり、と混練し、塗工した後に得られる塗膜は、高透湿性及び湿度調節機能を有し、カビ及び異臭の発生を抑制するものである。 【0003】また、特開平11−12066号公報に示す塗材用原料組成物は、消石灰、白セメント及び粉末状焼成白色珪藻土を含有しているものであり、水と混練したスラリーは、ボード、パネル、壁などに塗工するときに、その粘りにより、刷毛、塗装ローラ又は吹付け塗装において、塗装作業中にダレが生じない効果を有する。
    そして、塗工した後に得られる塗膜は、粉末状焼成白色珪藻土の有する多孔質組成のために調湿作用が発揮されるものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】近年、空気中の有機溶剤による大気汚染が問題となっている。 ところが、特開平10−245255号公報及び特開平11−1206
    6号公報に記載の塗材用原料組成物は、湿度調節機能があり、揮発性有機溶剤を発生させないものではあるが、
    空気中の有機溶剤を積極的に吸着することが少ないものであった。 また、水硬性材料が組成物に含まれていないことから、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜は、
    強度が弱いものである。 【0005】この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。 その目的とするところは、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜が空気中の有機溶剤を吸着することができ、その塗膜の強度が高いものであり、さらに、調湿性、断熱性を持ち、乾燥しながら空気中の炭酸ガスを有効に吸収することができる塗工作業性に優れた塗材用原料組成物を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の塗材用原料組成物は、珪藻土と、水硬性材料と、気硬性材料と、化学物質吸着剤とを含有するものである。 【0007】請求項2に記載の発明の塗材用原料組成物は、請求項1に記載の発明において、水硬性材料がポルトランドセメントであり、気硬性材料が消石灰、ドロマイトプラスターのうちいずれか1種以上を含むものである。 【0008】請求項3に記載の発明の塗材用原料組成物は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、さらに、光触媒を含有するものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態について、詳細に説明する。 この発明は、珪藻土と、水硬性材料と、気硬性材料と、化学物質吸着剤を含有するものである。 【0010】珪藻土は、珪藻の遺骸からなる珪酸質の堆積物であり、これを乾燥、粉砕し、セメントと同程度の微粒子になるものを使用することが多い。 その主成分は、珪酸質であり、断熱効果・耐火能に優れ、化学的にも安定である。 その表面には、無数の微細な孔(0.
    1〜0.2μm)が、円形や針状に規則正しく配列している。 【0011】珪藻土は、この微細で超多孔質な構造のため比表面積がきわめて大きく、優れた吸着性能を有するものである。 その吸着性能によって、建物空間中の湿度が高い場合に水分を多孔質で吸着し、湿度が低い場合に水分を放出する調湿性がある。 また、珪藻土の無数の微細な孔にある空気により、断熱効果のある塗膜を得ることができる。 さらに、ホルムアルデヒドをはじめとする揮発した有機溶剤を吸着するものでもある。 【0012】前記珪藻土は、塗材用原料組成物中に、
    3.0〜40.0重量%の範囲で含有することが好ましい。 3.0重量%未満の場合は、塗材用原料組成物に対する含有割合が少なく珪藻土の有する吸着性、調湿性及び断熱性が低下することがある。 40重量%を越える場合は、珪藻土を結合させる水硬性材料及び気硬性材料が不足し、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜の強度が弱いものとなることがある。 【0013】また、塗材用原料組成物を建築物の内部に施工する内装用の場合には、20.0〜40.0重量%
    含有するものが良い。 内装用の場合は、外装用に比べ塗膜が薄いため、20.0重量%未満の場合には、塗材用原料組成物に対する含有割合が少なく珪藻土の有する吸着性、調湿性及び断熱性が低下することがある。 【0014】水硬性材料は、塗材用原料組成物の結合材として用いられるものであり、塗工した後に得られる塗膜の強度を高めるためることができるものである。 この水硬性材料には、混合材を混合しない単味セメント、混合材を混合した混合セメント及び特殊セメントなどの水と反応して硬化する水硬性セメントを挙げることができる。 【0015】単味セメントには、ポルトランドセメント、、アルミナセメント、超速硬セメントなどがある。
    また、ポルトランドセメントには、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントとがある。 混合セメントには、高炉セメント、シリカセメント、ポゾランセメント、フライアッシュセメント、膨張性セメント及び左官用セメントなどがあり、特殊セメントには、耐酸セメント、コロイドセメント、油井セメントなどがある。 【0016】水硬性セメントは、水を加えることによって水和反応を起こし、硬化を始め、表面エネルギーによる引き合う力により強度が上がり、更に水素結合力による引き合う力も加わり、一層強い強度が得られる。 そして、塗材用原料組成物に含有させることによって、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜の強度を高めることができるものである。 この発明においては、これらを単独に用いても良く、混合させて使用しても良いが、ポルトランドセメントが、大量に製造され、安価で、容易に用いることができるため好ましい。 また、塗材用原料組成物に調色を行う場合には、白色である白色ポルトランドセメントを用いることが好ましく、調色の幅を広げることができる。 【0017】前記水硬性材料は、塗材用原料組成物中に、10.0〜40.0重量%の範囲で含有するのが好ましい。 10重量%未満の場合、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜に十分な強度が得られないことがある。 一方、40重量%を超える場合では、相対的に他の材料の含有量が少なくなり、前述した珪藻土、後述する気硬性材料及び化学物質吸着剤の効果が十分に発揮されないことがある。 【0018】気硬性材料は、上記水硬性材料のように水と反応して硬化するものではなく、水と混練した後、乾燥しながら硬化するものであり、塗材用原料組成物の結合材の1つとして用いられるものである。 水硬性材料を含有した塗材用原料組成物は、水と混練した後、水和反応を始める。 そのため、塗工することが可能な時間を調整することが困難な場合が生じる。 しかし、この気硬性材料を塗材用原料組成物に用いることにより、水と混練した塗材用原料組成物の硬化速度を調整することができ、塗工可能時間を調整することができ、塗工作業性を向上させることができ、塗膜の強度を向上させることができる。 【0019】気硬性材料には、消石灰、焼石膏、無水石膏、マグネシアセメント及びドロマイトプラスターを挙げることができ、1又は2以上用いることができる。 前記気硬性材料が消石灰、ドロマイトプラスターのいずれかのうち1種以上を用いることが好ましい。 【0020】消石灰、ドロマイトプラスターは、水と混練した後、空気中で乾燥しながら硬化し、さらに、大気中の炭酸ガスと反応し徐々に完全に硬化するものである。 気硬性材料が消石灰、ドロマイトプラスターのいずれかのうち1種以上を用いることにより、塗工された塗膜周囲の炭酸ガスを吸着することができ、その濃度を低くすることができる。 【0021】消石灰、ドロマイトプラスターを塗材用原料組成物に用いることにより、水と混練した塗材に適度な粘りのある粘性が与え、保水性及び吸水性の有るものとなり、塗工作業性がより向上するものとなる。 さらに、焼石膏では、15〜45μmで、消石灰では、50
    〜200μm、そしてドロマイトプラスターでは、5〜
    20μmの粒子径を多く含んでいる。 これら気硬性材料を2種類以上含有することによって、組み合わされる粒度の幅が広がることによって、水と混練したとき、適度な粘性を得られ、塗工作業性がより向上する。 【0022】前記気硬性材料は、塗材用原料組成物中に、2.0〜30.0重量%の範囲で含有するのが好ましい。 2.0重量%未満の場合では、塗材用原料組成物と水とを混練したスラリーは、良好な作業性が得られないことがある。 一方、30.0重量%を超える場合では、相対的に他の材料の含有量が少なくなり、前述した珪藻土、気硬性材料及び後述する化学物質吸着剤の効果が十分に発揮されないことがある。 【0023】次に、化学物質吸着剤とは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドをはじめとする揮発した有機溶剤やアンモニアガスなどを有害物質を選択的に吸着するものである。 この化学物質吸着剤を加えることにより、
    より一層吸着作用を向上させることができる。 また、前記化学物質吸着剤は、前述した珪藻土に比べ、一度吸着した化学物質を放出することが少なく、さらに、珪藻土の吸着効果を低減させることができるため、珪藻土のもう一つの作用である調湿効果向上させることができる。 【0024】前記化学物質吸着剤には、トリポリリン酸ニ水素アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、アルミナケイ酸塩、活性炭、ゼオライトなどの無機系のものとピノバンクシン、アロマデンドリン、エンゲリチンなどのフラバノール類のもの、ケンフェロール、トリホリン、アストラガリンなどのフラボノール類のもの、アビエチン酸、グリオキサール等の有機系ものなどがある。 これらの化学物質吸着剤のうち、吸着したい対象とするものにより選択することができ、対象とするものが複数ある場合などには、2種以上用いてもなんら問題はない。 【0025】しかし、この発明の塗材用原料組成物は、
    無機系の珪藻土と水硬性材料と気硬性材料と主成分とするものであることから、無機系粉末の化学物質吸着剤が好ましい。 無機系粉末であるトリポリリン酸ニ水素アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、アルミナケイ酸塩、活性炭、ゼオライトを用いることより、塗材用原料組成物との混練性が良いものとなる。 【0026】無機系粉末の化学物質吸着剤は、粒径が1
    0μm以下の微粉末である。 これらの微粉末は細孔を有しているため、この細孔による物理吸着作用と金属の触媒作用による化学吸着作用により吸着効果がもたらされる。 無機系消臭剤は微粉末であり、大きい表面積を有しているので効率的な吸着効果が得られる。 より好ましい無機系粉末の化学物質吸着剤としてトリポリリン酸ニ水素アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウムが挙げられる。 有害物質の吸着性に優れ、塗材用原料組成物により形成された塗膜は、耐水性等の塗膜物性を低下させることがない。 【0027】化学物質吸着剤の含有量は、吸着したい有害物質の量にもよるが、塗材用原料組成物中に、その有効成分で0.5〜10.0重量%の範囲で含有することが好ましい。 化学物質吸着剤の含有量が0.5重量%より少ない場合では、十分な有害物質の吸着効果が得られないことがある。 また、10.0重量%より多い場合には、有害物質の吸着効果の向上を期待することができないことがある。 【0028】さらに、光触媒を含有することが好ましい。 光触媒とは、光触媒活性を有する無機酸化物等をいい、これらはバンド・ギャップを有する半導体粒子である。 そのバンド・ギャップ以上のエネルギーを持つ光(例えば、太陽光や人工照明光の紫外線)が光触媒に照射されると光励起により生成した電子と正孔が半導体粒子表面に移動し、その強い酸化能力を発生する。 【0029】従って、これに接する細菌やホルマリン、
    ホルムアルデヒドなどを分解する機能を発揮するものである。 該無機酸化物としては、TiO 、RuO 、Co
    O、Ce 、Cr 、Rh 、V
    ZnO等が挙げられる。 TiO なる酸化チタンには正方結晶型に属するルチル型、アナターゼ型と、斜方結晶系に属するブルッカイト型の3種類の結晶型があるが、
    光触媒活性を有する酸化チタンとしてはアナターゼ型の酸化チタンである。 光触媒の添加によって、ホルムアルデヒドをはじめとする有機溶剤を分解することができる。 特に取り扱いが容易であり、経済性の点からTiO
    が好適である。 【0030】光触媒は、塗材用原料組成物中に、5.0
    重量%以下含有するのが好ましい。 光触媒の含有量が5.0重量%を超える場合、有機溶剤を分解する効果は充分に発揮できるが、本来の塗材用原料組成物の構成される材料の成分が少なくなり、得られる塗膜の性能が低下するとともに、塗材用原料組成物のコストが上昇する。 【0031】上記以外の成分として、以下に示す粉末状樹脂、充填材及び粉末状増粘剤などを加えても良い。 粉末状樹脂とは、水を加えて撹拌することで再乳化し、エマルションを形成する粉末状の合成樹脂である。 この粉末状樹脂は、合成樹脂より形成されるエマルションを噴霧乾燥したものである。 【0032】前記粉末状樹脂を塗材用原料組成物に添加することによって、水と混練したスラリーの下地に対する接着性が向上し、塗工した後に得られる塗膜に対し、
    ひび割れ防止性、防水性、耐磨耗性及び耐候性を向上させる効果を有する。 粉末樹脂としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、飽和カルボン酸のビニルエステル、
    アクリル酸アルキルエステルなどのアクリル系モノマー、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン、塩化ビニル、スチレン、ダイアセトンアクリルアミドなどから適宜選択されたモノマー混合物を共重合してなる合成樹脂より選択できる。 粉末状樹脂は、再乳化性の面から重合時にポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を保護コロイドとして乳化重合したものが好ましい。 【0033】粉末状樹脂は、塗材用原料組成物中に、
    0.5〜10.0重量%の範囲で含有するのが好ましい。 0.5重量%未満の場合では、塗膜の接着性を向上させることができない場合がある。 一方、10.0重量%を超える場合では、塗膜の調湿性、吸着性を阻害することがある。 また、塗膜の強度の向上が期待できないことがある。 また、外装用に用いる場合には、強度をより向上させるために、その含有量を5.0重量%以下とするのが好ましい。 5.0重量%を越える場合には、塗膜の耐水性を低下させることがある。 【0034】充填材とは、塗材原料組成物の粒度分布を調整することができ、そのことにより水と混練したスラリーの作業性を向上させることができ、塗工した後に得られる塗膜の強度を高め、さらに、乾燥収縮による塗膜の割れを防ぐものであり、好ましく用いられる。 充填材には、珪砂、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、シラスバルーン、セルベンのほか、御影石、大理石、花崗岩などの天然石、マイカ粉などが挙げられる。 これらのうち天然石としては、砕粒され、砕粒状にしたものが使用される。 これらの充填材は、少なくとも1種より選択し、用いることができる。 【0035】前記充填材は、塗材用原料組成物中に、1
    0.0〜80.0重量%の範囲で含有することが好ましい。 10.0重量%未満の場合には、塗工した後に得られる塗膜が収縮によって割れが生じることがある。 一方、80.0重量%を越える場合には、水硬性材料及び気硬性材料の含有割合が少なくなり、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜の強度が弱いものとなる。 【0036】さらに、内装用の場合には、10.0〜6
    0.0重量%含有するのが好ましい。 この範囲内で有れば、比較的薄膜である内装での塗膜であっても、割れが生じにくく、塗膜強度のあるものが得られる。 また、外装用の場合には、40.0〜80.0重量%含有するのが好ましい。 この範囲内で有れば、比較的厚膜である外装での塗膜であっても、割れが生じにくく、塗膜強度のあるものが得られる。 【0037】粉末増粘剤は、塗材用原料組成物と水とを混練したスラリーのこて塗り作業性を向上させることができるため好ましく用いられる。 この粉末増粘剤には、
    メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の合成高分子物質、澱粉類、海藻類、
    ゼラチン類、アルギン酸ソーダ等の天然高分子物質のものがあり、これらから適宜選択し、用いることができる。 【0038】この発明の塗材用原料組成物は、上記のようなものをミキサーなどにより均一に混合させ得られる。 そして、上記塗材用原料組成物に対し、適宜水を添加し、混練することによって塗材としてのスラリーとなる。 水の添加量は、塗材用原料組成物の種類、使用時の気温、湿度及び作業条件によって、変えることができる。 【0039】前記塗材は、適度な粘性を有するものであり、このスラリーは、鏝などを用いて、建築物の内外壁に塗工する。 この塗工する膜厚は、内装用で1.5〜
    2.5mm、外装用で5〜15mm程度になるようにする。 このスラリーは、水硬性材料及び気硬性材料を有することによって、6〜24時間後には凝結し、水硬性材料を有することによって、硬化が進み、十分な強度を発揮することができる。 【0040】この得られた塗膜は、珪藻土を含有することによって、建物空間中の湿度が高い場合に水分を吸着し、湿度が低い場合に水分を脱着する調湿性が発現される。 さらに、珪藻土の有する無数の微細な孔によって、
    空気層が形成され、塗膜の厚みに応じて断熱性が発揮される。 水硬性材料を用いることによって、より高い強度が発揮される。 また、化学物質吸着剤によって、ホルムアルデヒドをはじめとする有機溶剤を吸着する。 さらに、光触媒の添加によって、ホルムアルデヒドをはじめとする有機溶剤を分解する効果が発揮される。 【0041】以上のように、この実施形態によれば次のような効果が発揮される。 ・ 珪藻土と、水硬性材料と、気硬性材料と、化学物質吸着剤とを含有するものであることにより、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜が空気中の有機溶剤を吸着することができ、その塗膜の強度が高いものであり、
    さらに、調湿性、断熱性を持ち、乾燥しながら空気中の炭酸ガスを有効に吸収することができる塗工作業性に優れたものである。 【0042】・ 水硬性材料がポルトランドセメントであり、気硬性材料が消石灰、ドロマイトプラスターのうちいずれか1種以上を含むものであることにより、安価で、容易に用いることができ、塗工された塗膜周囲の炭酸ガスを吸着することができ、その濃度を低くすることができる。 ・ さらに、光触媒を含有するものであることにより、
    これに接する細菌やホルマリン、ホルムアルデヒドなどを分解する機能を発揮するものである。 【0043】・ 前記珪藻土が塗材用原料組成物中に、
    3.0〜40.0重量%の範囲で含有することにより、
    珪藻土の有する吸着性、調湿性及び断熱性が低下することなく、珪藻土を結合させる水硬性材料及び気硬性材料が不足することなく、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜の強度があるものである。 ・ 前記水硬性材料が塗材用原料組成物中に、10.0
    〜40.0重量%の範囲で含有することにより、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜に十分な強度が得られるものであり、珪藻土、気硬性材料及び化学物質吸着剤の効果が十分に発揮されるものである。 【0044】・ 気硬性材料を2種類以上含有することにより、組み合わされる粒度の幅が広がることによって、水と混練したとき、適度な粘性を得られ、塗工作業性がより向上するものである。 ・ 前記気硬性材料が塗材用原料組成物中に、2.0〜
    30.0重量%の範囲で含有することにより、塗材用原料組成物と水とを混練したスラリーは、良好な作業性が得られ、珪藻土、気硬性材料及び化学物質吸着剤の効果が十分に発揮されるものである。 【0045】・ 前記化学物質吸着剤が無機系粉末であることにより、塗材用原料組成物との混練性が良いものとなる。 ・ 前記化学物質吸着剤の含有量が塗材用原料組成物中に、その有効成分で0.5〜10.0重量%の範囲で含有することにより、十分な有害物質の吸着効果が得られるものである。 【0046】・ 前記光触媒が塗材用原料組成物中に、
    5.0重量%以下含有することにより、有機溶剤を分解する効果は充分に発揮でき、本来の塗材用原料組成物の構成される材料の成分が少なくなることがなく、得られる塗膜の性能が低下しないものである。 ・ さらに、粉末状樹脂を塗材用原料組成物に添加することにより、水と混練したスラリーの下地に対する接着性が向上し、塗工した後に得られる塗膜に対し、ひび割れ防止性、防水性、耐磨耗性及び耐候性を向上させることができるものである。 【0047】・ 前記粉末状樹脂が塗材用原料組成物中に、0.5〜10.0重量%の範囲で含有することにより、塗膜の接着性を向上させることができ、塗膜の調湿性、吸着性を阻害することがなく、塗膜の強度の向上が期待できるものである。 ・ さらに、充填材を用いることにより、塗材原料組成物の粒度分布を調整することができ、そのことにより水と混練したスラリーの作業性を向上させることができ、塗工した後に得られる塗膜の強度を高め、さらに、乾燥収縮による塗膜の割れを防ぐものである。 【0048】・ 前記充填材が塗材用原料組成物中に、
    10.0〜80.0重量%の範囲で含有することにより、塗工した後に得られる塗膜が収縮によって割れが生じることがすくなく、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜の強度のあるものとなる。 ・ さらに、粉末増粘剤を含有させることにより、塗材用原料組成物と水とを混練したスラリーのこて塗り作業性を向上させることができるものである。 【0049】 【実施例】以下、実施例及び比較例に基づきより詳細に説明する。 なお、吸着試験及び光触媒による分解確認試験については、次のように行なった。 吸着試験及び光触媒による分解確認試験の試験体は、塗工作業性を確認した後、硬化した塗工板を縦50mm、横50mmに切り出し、試験体とした。 【0050】吸着試験は、試験体サンプルを3リットルの容量を持つ袋に入れ脱気した後、濃度調整を行なった悪臭ガスを前記袋に注入し、試験を開始した。 そして、
    一定時間毎にガス検知管にて悪臭ガスの残存濃度を測定し、残存濃度がゼロになるまでの時間を計測し、実験結果とした。 【0051】用いた悪臭ガスは、アンモニアガス、ホルムアルデヒドのガスで、各々、初期濃度20ppmとした。 光触媒による分解確認試験は、前記ホルムアルデヒドガスの吸着試験については、光源照射下及び光源照射なしでの試験を行ない、その差を比較した。 光源は蛍光灯(0.04mW/cm )を用いた。 【0052】実施例1では、珪藻土が20.0重量%、
    水硬性材料としての白色ポルトランドセメントが25.
    0重量%、気硬性材料としてのドロマイトプラスターが15.0重量%、消石灰が5.0重量%、化学物質吸着剤としてのトリポリリン酸ニ水素アルミニウムが5.0
    重量%を含有し、さらに、光触媒としての二酸化チタンが5.0重量%、骨材として珪砂を20.0重量%、粉末状樹脂のポリビニルアルコールを2.0重量%、その他の添加剤として粉末状増粘剤、粉末状分散剤及び顔料を3.0重量%混合させた塗材用原料組成物を用いた。 【0053】この塗材用原料組成物に水を80.0重量%添加し、混練しスラリーを得た。 そして、このスラリーを、塗膜が2mmになるように縦1800mm、横9
    00mmの石綿スレート表面に金ゴテで塗工を行なった。 その結果、塗工作業性は良く、塗り付け硬化後、得られた塗膜の強度を爪で引っかき確認したところ、爪が入らず、十分な強度を有していた。 水滴を塗板にたらし吸水性を確認したところ、すぐに吸水された。 【0054】さらに、前記塗工板を縦50mm、横50
    mmに切り出し、試験体とし、アンモニアガス、ホルムアルデヒド、で吸着性を確認した。 初期濃度20ppm
    のアンモニアガスは25分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着され、初期濃度20ppmのホルムアルデヒドは12分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着された。 螢光灯でホルムアルデヒドの分解性を確認したところ、ホルムアルデヒドの分解が確認できた。 【0055】実施例2は、実施例1に比較して、光触媒としての二酸化チタンの含有していないものであった。
    実施例2では、珪藻土が25.0重量%、水硬性材料としての白色ポルトランドセメントが25.0重量%、気硬性材料としてのドロマイトプラスターが15.0重量%、消石灰が5.0重量%、化学物質吸着剤としてのトリポリリン酸ニ水素アルミニウムが5.0重量%を含有し、さらに、骨材として珪砂を20.0重量%、粉末状樹脂のポリビニルアルコールを2.0重量%、その他の添加剤として粉末状増粘剤、粉末状分散剤及び顔料を3.0重量%混合させた塗材用原料組成物を用いた。 【0056】この塗材用原料組成物に水を80.0重量%添加し、混練しスラリーを得た。 そして、このスラリーを、塗膜が2mmになるように縦1800mm、横9
    00mmの石綿スレート表面に金ゴテで塗工を行なった。 その結果、塗工作業性は良く、塗り付け硬化後、得られた塗膜の強度を爪で引っかき確認したところ、爪が入らず、十分な強度を有していた。 水滴を塗板にたらし吸水性を確認したところ、すぐに吸水された。 【0057】さらに、前記塗工板を縦50mm、横50
    mmに切り出し、試験体とし、アンモニアガス、ホルムアルデヒド、で吸着性を確認した。 初期濃度20ppm
    のアンモニアガスは25分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着され、初期濃度20ppmのホルムアルデヒドは12分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着された。 しかし、光触媒としての二酸化チタンを含有していないため、螢光灯でホルムアルデヒドの分解性を確認したところ、ホルムアルデヒドの分解は、確認できなかった。 【0058】実施例3は、実施例1及び実施例2と比較して、気硬性材料に石膏プラスターを用いた。 実施例3
    では、珪藻土が25.0重量%、水硬性材料としての白色ポルトランドセメントが25.0重量%、気硬性材料としての石膏プラスターが20.0重量%、さらに、骨材25.0重量%、粉末状樹脂3.0重量%、他に粉末状増粘剤、粉末状分散剤及び顔料を2.0重量%混合させたものである。 この塗材用原料組成物に水を80.0
    重量%添加し、混練した。 そしてこのスラリーを、塗膜が2mmになるように縦1800mm、横900mmの石綿スレート表面に金ゴテで塗工を行なった。 【0059】その結果、塗工作業性は良く、塗り付け硬化後、得られた塗膜の強度を爪で引っかき確認したところ、爪が入らず、十分な強度を有していた。 水滴を塗板にたらし吸水性を確認したところ、すぐに吸水された。
    さらに、前記塗工板を縦50mm、横50mmに切り出し、試験体とし、アンモニアガス、ホルムアルデヒド、
    で吸着性を確認した。 初期濃度20ppmのアンモニアガスは30分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着され、初期濃度20ppmのホルムアルデヒドは15分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着された。 【0060】さらに、実施例4の塗材用原料組成物は、
    主に外装に用いられるものであり、、上記実施例1〜実施例3の塗材用原料組成物に比べ、塗膜が10mmでの試験を行った。 実施例4では、珪藻土が15.0重量%、水硬性材料としての白色ポルトランドセメントが1
    0.0重量%、気硬性材料としてのドロマイトプラスターが3.0重量%、消石灰が1.0重量%、化学物質吸着剤としてのトリポリリン酸ニ水素アルミニウムが3.
    0重量%を含有し、さらに、光触媒としての二酸化チタンが2.0重量%、骨材として珪砂を60.0重量%、
    粉末状樹脂のポリビニルアルコールを3.0重量%、その他の添加剤として粉末状増粘剤、粉末状分散剤及び顔料を3.0重量%混合させたものである。 この塗材用原料組成物に水を15%重量添加し、混練した。 そしてこのスラリーを、塗膜が10mmになるように縦1800
    mm、横900mmの石綿スレート表面に金ゴテで塗工を行なった。 【0061】その結果、塗工作業性は良く、塗り付け硬化後、得られた塗膜の強度を爪で引っかき確認したところ、爪が入らず、十分な強度を有していた。 水滴を塗板にたらし吸水性を確認したところ、すぐに吸水された。
    さらに、前記塗工板を縦50mm、横50mmに切り出し、試験体とし、アンモニアガス、ホルムアルデヒド、
    で吸着性を確認した。 【0062】初期濃度20ppmのアンモニアガスは3
    0分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着され、初期濃度20ppmのホルムアルデヒドは15分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着された。
    塗膜表面を加熱し、断熱性を確認したところ、後に述べる比較例5と比べて熱の伝わりが遅く、断熱性が確認できた。 【0063】次に、比較例1として、実施例1の塗材用原料組成物から珪藻土を除き、その重量分骨材を増量したものを用いた。 また、比較例2として、実施例1の塗材用原料組成物から水硬性材料を除き、その重量分骨材を増量したものを用い、比較例3として、実施例1の塗材用原料組成物から気硬性材料を除き、その重量分骨材を増量したものを用いた。 さらに、比較例4として、実施例1の塗材用原料組成物から化学物質吸着剤を除き、
    その重量分骨材を増量したものを用いた。 【0064】これら比較例1〜比較例4の塗材用原料組成物に水を80重量%添加し、混練しスラリーを得た。
    そして、このスラリーを、塗膜が2mmになるように縦1800mm、横900mmの石綿スレート表面に金ゴテで塗工を行なった。 比較例1のものでは、塗工後、硬化した塗板に、水滴をたらし吸水性を確認したところ、
    実施例1〜実施例4のものに比較して、吸水し難いものであった。 比較例2のものでは、塗工後、硬化した塗板を爪で引っかき、塗膜の強度を確認したところ、爪が入り、実施例と比較して、塗膜強度がないものであった。
    比較例3のものでは、実施例に比較し、塗工作業性が劣るものであった。 【0065】比較例4のものでは、実施例と同様に、前記塗工板を縦50mm、横50mmに切り出し、試験体とし、アンモニアガス、ホルムアルデヒド、で吸着性を確認した。 初期濃度20ppmのアンモニアガスは32
    分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着され、初期濃度20ppmのホルムアルデヒドは16分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着された。
    この結果、実施例に比べ、吸着効果が劣るものであった。 【0066】さらに、比較例5として、実施例4の塗材用原料組成物から珪藻土を除き、その重量分骨材を増量したものを用いた。 この比較例5の塗材用原料組成物より形成された塗膜を実施例4と同様に塗膜表面を加熱し、断熱性を確認したところ、実施例4と比べて熱の伝わりが速く、、断熱性が無いものであった。 【0067】次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。 ・ 前記珪藻土が塗材用原料組成物中に、3.0〜4
    0.0重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗材用原料組成物。 このことにより、珪藻土の有する吸着性、調湿性及び断熱性が低下することなく、珪藻土を結合させる水硬性材料及び気硬性材料が不足することなく、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜の強度があるものである。 【0068】・ 前記水硬性材料が塗材用原料組成物中に、10.0〜40.0重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗材用原料組成物。 このことにより、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜に十分な強度が得られるものであり、珪藻土、気硬性材料及び化学物質吸着剤の効果が十分に発揮されるものである。 【0069】・ 気硬性材料を2種類以上含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗材用原料組成物。 このことにより、組み合わされる粒度の幅が広がることによって、水と混練したとき、適度な粘性を得られ、塗工作業性がより向上するものである。 【0070】・ 前記気硬性材料が塗材用原料組成物中に、2.0〜30.0重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗材用原料組成物。 このことにより、塗材用原料組成物と水とを混練したスラリーは、良好な作業性が得られ、珪藻土、気硬性材料及び化学物質吸着剤の効果が十分に発揮されるものである。 【0071】・ 前記化学物質吸着剤が無機系粉末であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗材用原料組成物。 このことにより、塗材用原料組成物との混練性が良いものとなる。 【0072】・ 前記化学物質吸着剤の含有量が塗材用原料組成物中に、その有効成分で0.5〜10.0重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗材用原料組成物。 このことにより、十分な有害物質の吸着効果が得られるものである。 【0073】・ 前記光触媒が塗材用原料組成物中に、
    5.0重量%以下含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗材用原料組成物。 このことにより、有機溶剤を分解する効果は充分に発揮でき、本来の塗材用原料組成物の構成される材料の成分が少なくなることがなく、得られる塗膜の性能が低下しないものである。 【0074】 【発明の効果】この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。 請求項1に記載の発明の塗材用原料組成物によれば、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜が空気中の有機溶剤を吸着することができ、その塗膜の強度が高いものであり、さらに、調湿性、断熱性を持ち、乾燥しながら空気中の炭酸ガスを有効に吸収することができる塗工作業性に優れたものである。 【0075】請求項2に記載の発明の塗材用原料組成物によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、安価で、容易に用いることができ、塗工された塗膜周囲の炭酸ガスを吸着することができ、その濃度を低くすることができる。 【0076】請求項3に記載の発明の塗材用原料組成物によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、これに接する細菌やホルマリン、ホルムアルデヒドなどを分解する機能を発揮することができるものである。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 28/04 C04B 28/04 // C04B 103:00 103:00 103:14 103:14 (72)発明者 倉橋 宏幸 岐阜県各務原市松本町2丁目457番地 菊 水化学工業株式会社内Fターム(参考) 4G012 PA05 PB03 PB05 PB08 PB13 PC04 PC11 PE04

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