Method for forming coating film on surface of cement substrate

申请号 JP16491597 申请日 1997-06-09 公开(公告)号 JPH1080662A 公开(公告)日 1998-03-31
申请人 Rohm & Haas Co; ローム アンド ハース カンパニー; 发明人 MATT RICHARD BARRY; REILLY JOSEPH CLARK;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a method for forming an opaque adhesive coating film with an opaque sealer having preservable stability on the surface of a cement substrate. SOLUTION: The method for forming the opaque adhesive coating film on the surface of the substantially hydrated cementitious substrate includes a process for applying a layer of the water based preservably stable sealer containing an aq. medium consisting of a binder polymer and an opacifying polymer on the surface of the cementitious substrate and a process for drying the layer to form the opaque adhesive coating film covering the primary efflorescence on the surface of the cementitious substrate and having a prescribed degree of opacity and adhesion to the surface of the cementitious substrate.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 実質的に水和されたセメント質基体の表面に不透明な付着性の被覆を形成する方法であって、 バインダーポリマーと不透明化ポリマーを含む水性媒体を含む水性の貯蔵安定性のシーラーの層をセメント質基体の表面に施す工程、 該層を乾燥し、セメント質基体の表面上の一次白華を実質的に隠し、所望の程度の不透明性を有し、該セメント質基体表面への付着性を有する、前記の不透明な付着性の被覆を形成する工程を含む、前記の方法。
  • 【請求項2】 不透明な付着性の層の厚さが、所望の程度の不透明性を有し、該実質的に水和されたセメント質基体表面への付着性を有するように調節される、請求項1記載の方法。
  • 【請求項3】 不透明な付着性の層の厚さが0.1ミルから1.5ミルの範囲に調節される請求項2記載の方法。
  • 【請求項4】 貯蔵安定性のシーラー中の不透明化ポリマーの顔料体積濃度が所望の程度の不透明性を有し、該実質的に水和されたセメント質基体表面への付着性を有するように調節される、請求項1記載の方法。
  • 【請求項5】 前記顔料体積濃度が、貯蔵安定性のシーラーの総体積に基づく体積%で、不透明化ポリマーの固形分の5%から40%の範囲に調節されている、請求項4記載の方法。
  • 【請求項6】 水性の貯蔵安定性のシーラー中の水性貯蔵安定性シーラー固形分の重量が、所望の程度の不透明性を有し、該実質的に水和されたセメント質基体表面への付着性を有するように調節される、請求項1記載の方法。
  • 【請求項7】 水性貯蔵安定性シーラー固形分の重量が、水性貯蔵安定性シーラーの総重量に基づく重量%
    で、10重量%から40重量%の範囲に調節される請求項6記載の方法。
  • 【請求項8】 実質的に水和されたセメント質基体の表面に不透明な付着性の被覆を形成する方法であって、 バインダーポリマーと不透明化ポリマーを含む水性媒体を含む水性の貯蔵安定性のシーラーの層をセメント質基体の表面に施す工程、 該層を乾燥し、セメント質基体の表面上の一次白華を実質的に隠す工程、およびその上にペイント組成物のトップコートを施し、所望の程度の不透明性を有し、該セメント質基体表面への付着性を有する、前記の不透明な付着性の被覆を形成する工程、を含む、前記の方法。
  • 【請求項9】 実質的に水和されたセメント質基体の表面に不透明な付着性の被覆を形成する方法であって、 バインダーポリマーと不透明化ポリマーを含む水性媒体を含む水性の貯蔵安定性のシーラーの層をセメント質基体の表面に施す工程、 該層を乾燥し、セメント質基体の表面上の一次白華を実質的に隠す工程を含み、水性の貯蔵安定性のシーラー中の水性貯蔵安定性シーラー固形分の重量、貯蔵安定性のシーラー中の不透明化ポリマーの顔料体積濃度、不透明な付着性の層の厚さ、および種々の変数が所望の程度の不透明性を有し、該実質的に水和されたセメント質基体表面への付着性を有するように調節された、前記の不透明な付着性の被覆を形成する工程を含む、前記の方法。
  • 【請求項10】 請求項1,8または9の方法により製造された、ラップサイディング、屋根タイル、床タイル、壁タイル、ルーフシングル、ルーフスレート、またはパティオフロアの形態であるセメント質基体。
  • 【請求項11】 セメント質物品の表面に不透明な付着性の被覆を形成する方法であって、 セメント質物品を形成する工程、 バインダーポリマーと不透明化ポリマーを含む水性媒体を含む水性の貯蔵安定性のシーラーの層をセメント質物品の表面に施す工程、 該層を乾燥し、セメント質物品の表面上の一次白華を実質的に隠す工程、および所望の程度の不透明性を有し、
    該セメント質物品に付着する、前記の不透明な付着性の被覆を形成する工程を含む、前記の方法。
  • 【請求項12】 前記のセメント質物品を形成する工程が、 スラリーを所望の形状の型に導入し、それからプリフォームを形成する工程であって、該スラリーが水、セメントおよび強化材料を含む工程、 該プリフォームをオートクレーブ中の高圧流れにさらし、実質的に水和されたプリフォームをセメント質物品にする工程を含む請求項11記載の方法。
  • 【請求項13】 前記強化材料が、砂、木材チップまたは木材繊維、シリカ繊維、鉱物繊維またはガラス繊維、
    エクスパンデッドシェールまたは他の軽量集成物、合成繊維、ミネラルウール、およびこれらの種々の混合物からなる群から選択される、請求項12記載の方法。
  • 【請求項14】 前記の不透明な付着性の被覆の上に、
    トップコートペイント組成物を施すことをさらに含む、
    請求項11記載の方法。
  • 【請求項15】 請求項11の方法により製造された、
    ラップサイディング、屋根タイル、床タイル、壁タイル、ルーフシングル、ルーフスレート、またはパティオフロアの形態であるセメント質物品。
  • 【請求項16】 不透明化ポリマーが水性媒体中のポリマー粒子の分散体を含み、該ポリマー粒子が、塩基膨潤性コアを有する逐次的に重合されたヘテロポリマーであるポリマーを含む、請求項1,8,9または11記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】本発明は、一般にセメント質基体の表面を下塗りする方法に関し、より詳細にはセメント質基体表面上に、貯蔵安定性の不透明シーラーで不透明な付着性の被覆を形成する方法に関する。

    【0002】セメント質基体(CS)とは、硬性物質から製造される基体、たとえば建築物の外壁に使用されるラップサイディング(lap siding)、屋根タイル、床タイル、壁タイル、壁パネル、ルーフシングル(roof shingle)、ルーフスレート、またはパティオフロア(patio floor)などをいう。 「水硬性物質」は、実質的に完全に水和した時に、水とともに比較的不溶性に結合され、かなりの強度と寸法安定性を有するように固められた集成体(agg
    regation)を形成する能を有する物質をいう。 水和のプロセスはある程度の時間を必要とし、実質的にセメント質基体を水和するためには典型的には数時間から数日を要する。 水硬性物質にはポルトランドセメント、アルミニウムセメント、気泡混入セメント(ai
    r−entraining cement)、ブレンドセメント、たとえばシリカ繊維やポリマー繊維またはそれらの混合物とブレンドされたもの、ポゾランセメント(pozzolan cement)、トリーフセメント(trief cement)、たとえば微粉砕されたスラグの湿潤スラリーと調製されたものが含まれる。
    セメント質基体は、典型的にはポルトランドセメントのような水硬性物質と水を、得られる基体の構造特性を改良するための強化材料の所望量とともに混合することにより調製されるコンクリート基体をいう。 水/セメント混合物は、セメント重量の1から20重量%の公知のバインダーポリマーをふくむことができ、これは湿潤状態または乾燥状態で加えることができる。 水/セメント混合物に加えることのできる強化材料の例としては、木材チップ、木材繊維、シリカ繊維、鉱物繊維、ガラス繊維、エクスパンデッドシェール(expanded s
    hale)、または他の軽量集成物、ナイロン繊維のような合成繊維、ガラスウール、鉱物ウール、および砂利、砂、金属もしくはポリマー強化構造物のような強化材料が挙げられる。

    【0003】セメント質基体についての問題点の一つは、セメント質基体の表面に白華層(efflores
    cent layer)が形成されることであり、これは典型的には表面上に不均一に分布し、見苦しい斑点状の外観を与える。 「白華層」は、セメント質基体の硬化工程中にセメント質基体表面上に形成される白色の被覆(一次白華(primary efflorescen
    ce)と呼ばれる)、またはセメント質基体が外気にさらされて生ずる白色の被覆(二次(secondary
    efflorescence)白華と呼ばれる)を意味する。 そのような白色の被覆は審美的に好ましくない。 白華の現象は、たとえばカルシウムイオンのような白華形成物質の、セメント質基体内部からセメント質基体表面への、セメント質基体の工程中における、もしくはセメント質基体の外気暴露の間における移動によるものと考えられている。 硬化工程中にセメント質基体表面からセメント成分に含まれる水が蒸発する時、カルシウムイオンのようなセメント成分が塩としてセメント質基体表面に移動し、堆積し、それによりセメント質基体表面上に一時白華層を形成する傾向がある。 これらの塩のいくつかは空気中の二酸化炭素と反応し、不溶性の白色の塩、たとえば炭酸カルシウムを形成し、二次白華層を形成する。 実質的に水和されたセメント質基体(sub
    stantially hydrated cemen
    titious substrate)においては、実質的に二次白華は生じない。 すなわち、実質的に水和されたセメント質基体における白華のほとんどは一時白華である。 その表面に一時白華層を有する実質的に水和されたセメント質基体を塗料で被覆する際、その被覆は見苦しい斑点状の外観を呈す傾向があり、審美的に非常に好ましくない。

    【0004】たとえばラテックスペイントのような公知のペイントをトップコートとして塗る前に、実質的に水和されたセメント質基体上に施された被覆の斑点状、またはしみ状の外観を、実質的に水和されたセメント質基体の表面を二酸化チタンまたは炭酸カルシウムの顔料粒子を含む塗料で下塗りすることにより隠す試みがなされてきた。 しかし、一次白華層を実質的に隠すために、従来の下塗り塗料には多量の二酸化チタンまたは炭酸カルシウムの顔料が加えられていた。 そのような多量の顔料は下塗り塗料の実質的に水和されたセメント質基体への接着を減少させていた。 その結果、トップコートのペイントがその上に塗布された場合、その実質的に水和されたセメント質基体への接着も減少する。 本発明の方法と本発明において使用される不透明シーラーは、実質的に水和されたセメント質基体を該不透明シーラーで下塗りすることにより上記の課題を解決するものである。 該不透明シーラーは、一次白華層の存在に起因するトップコートの斑点状の外観を隠すだけでなく、トップコートの実質的に水和されたセメント質基体に対し、従来の顔料粒子に基づく下塗り塗料に比較して改良された接着を与える。

    【0005】従来の顔料粒子に基づく下塗り塗料におけるもう一つの課題は、それらが貯蔵安定性ではなく、沈降する傾向があることである。 そのため、多量の顔料粒子を含む従来の下塗り塗料においては、常に撹拌していなければそれらは沈降してしまう。 すなわち、顔料粒子を含む下塗り塗料は、下塗り層において顔料が不均一に分散された被覆をもたらし、そのため得られる下塗り層は所望の隠蔽特性を発現しなかった。 そのような高顔料塗料について、分散を改良するために分散剤を加えることが行われていた。 しかし、そのような下塗り塗料は水感受性(watersensitive)であり、実質的に水和されたセメント質基体表面への接着が減少した被覆をもたらした。

    【0006】本発明は、実質的に水和されたセメント質基体の表面に不透明な付着性の被覆を形成する方法であって、バインダーポリマーと不透明化ポリマーを含む水性媒体を含む水性の貯蔵安定性のシーラーの層をセメント質基体の表面に施す工程、該層を乾燥し、セメント質基体の表面上の一次白華を実質的に隠し、所望の程度の不透明性を有し、該セメント質基体表面への付着性を有する、前記の不透明な付着性の被覆を形成する工程を含む、前記の方法に関する。

    【0007】本発明はさらに、実質的に水和されたセメント質基体の表面に不透明な付着性の被覆を形成する方法であって、バインダーポリマーと不透明化ポリマーを含む水性媒体を含む水性の貯蔵安定性のシーラーの層をセメント質基体の表面に施す工程、該層を乾燥し、セメント質基体の表面上の一次白華を実質的に隠す工程を含み、水性の貯蔵安定性のシーラー中の水性貯蔵安定性シーラー固形分の重量、貯蔵安定性のシーラー中の不透明化ポリマーの顔料体積濃度、不透明な付着性の層の厚さ、および種々の変数が所望の程度の不透明性を有し、
    該実質的に水和されたセメント質基体表面への付着性を有するように調節された、前記の不透明な付着性の被覆を形成する工程を含む、前記の方法に関する。

    【0008】本明細書において、「ポルトランドセメント」の用語は、典型的には1350℃から1800℃で石灰質材料(石灰石、マール、またはチョーク)を粘土質物質(クレイまたはシェール、Al 23・SiO 2
    とともに加熱し、ガラス化させることにより作られる、
    灰色微粉をいう。 得られたクリンカー(clinke
    r)はついで典型的には約2重量%の石膏と混合され、
    粉砕されて、ポルトランドとされる。

    【0009】「水和」とは、水と他の物質、たとえば水硬性セメント、とを組み合わせることにより化合物を形成することをいう。 水和のプロセスは時間に依存し、一般には最大28日を要し、その時点でセメント質基体はその最大強度を得る。 水和の時間は、必要であれば、湿度を変化させ、セメント質基体を昇温させることにより調節できる。 たとえば、屋根タイルのセメント質基体は5から15時間ないし最大24時間の高圧流れ中において実質的に水和される。

    【0010】「湿潤状態(wet state)」は、
    水和前であり、セメント質基体から実質的な水の蒸発が始まる前のセメント質基体の状態をいう。 たとえば、コンクリート屋根タイルにおいて、この状態は最大2時間で終了し、ついでコンクリート屋根タイルの押出をすることができる。 所望であれば、湿潤状態の時間は加熱または冷却により、セメント質基体を低または高湿度の状態におくことにより、それぞれ短くしたり長くしたりできる。 「スラリー」は、大きな水含有量を有する液状コンクリート混合物をいい、たとえばセメント重量の20
    から50重量%の水を含むことができる。 セメントの他に、スラリーは前述のような強化材を含むことができる。 「コンクリート基体」は、典型的には体積基準で1
    部のポルトランドセメントと0から6部の砂、0から4
    部の砂利を混合することにより製造される基体をいう。
    所望の流動性を得るためにセメント混合物に水が加えられ、たとえばセメント100kgに対して50リットルの水が加えられ、成型され、緻密化され(compac
    ted)、または所望の形状に賦形され、ついで水和されて硬化され、屋根タイルのようなセメント質基体が形成される。 「塗布量」は、基体表面1平方メートルあたりの、ラテックスバインダーの固形分(乾燥重量)のグラム数をいう。

    【0011】用語「GPC重量平均分子量」は、197
    6年にローム アンド ハース カンパニー、フィラデルフィア、ペンシルバニアによって出版された「ポリマーのキャラクタリゼーション」の第1章、第4頁に記載されているゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定された重量平均分子量である。 テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドのどちらかに溶解するポリマーについては、分子量の標準試料としてポリメチルメタクリレートが使用される。 水溶性ポリマーについては、ポリメタアクリル酸が標準試料として使用される。 水溶性ポリマーのGPC分析に先立ち、試料はエタノール中で、昇温下、水酸化カリウムで処理し、水溶性ポリマーを完全に加水分解させる。 GPC重量平均分子量は、理論重量平均分子量を計算することにより見積もることができる。 連鎖移動剤を使用する系においては、
    理論重量平均分子量は、重合に使用された連鎖移動剤の総モル数で重合可能なモノマーのグラム単位での総重量を割ることにより求めることができる。 連鎖移動剤を含まないエマルションポリマー系での分子量の見積はより複雑である。 概算での評価は、重合可能なモノマーのグラム単位での総重量を求め、それを開始剤のモル数に効率係数を乗じた数で割ることにより行うことができる。
    硫酸塩の開始剤システムにおいては、われわれはほぼ0.5の係数を使用した。 理論分子量の計算に関する更なる情報は、”Principles of Polymerization” 第2
    版、George Odian 著、1981年、John Wiley and S
    ons 発行、および ”Emulsion Polymerization”、Ira
    ja Pirma 編、1982年、Academic Press 発行に記載されている。

    【0012】用語「ガラス転移温度(Tg)」は、示差走査熱量法によって好適に測定される狭い範囲の温度であり、その温度の間において、非晶質のポリマーが、比較的硬く脆いガラス状態から比較的軟らかく粘性のあるゴム状態に変化する。 この方法によってTgを測定するには、コポリマー試料を乾燥し、120℃に予め加熱し、急速に−100℃に冷却し、次いでデーターを採取しながら20℃/分の速度で150℃まで加熱する。 T
    gは、半高法(half-height method)を使用して変曲の中心において測定する。 別法として、具体的なコポリマー組成物のガラス転移温度の逆数を、それぞれのモノマーの重量分率、M1,M2・・・Mnを、それぞれのモノマーのホモポリマーについてのガラス転移温度で割った商の合計として計算することにより、よい精度で見積もることができる。 計算式は以下の通りである:

    【0013】

    【式1】

    【0014】式中、Tg(コポリマー)は、ケルビン(゜K)で表された、コポリマーの見積もられたガラス転移温度である。 w(Mi)は、i番目のモノマーMi
    から導かれたコポリマー中の繰り返し単位の重量分率である。 Tg(Mi)は、i番目のモノマーMiのホモポリマーの、ケルビン(゜K)で表されたガラス転移温度である。 種々のホモポリマーのガラス転移温度は、たとえば J.Brandrup and EH Immergit, Interscience Pu
    blisher の Polymer Handbook に記載されている。

    【0015】「分散ポリマー」の用語は、水性媒体中にコロイド的に分散され安定化されたポリマーの粒子をいう。 用語「溶解されたポリマー」には、「水溶性ポリマー」、「水希釈性ポリマー(water reducible polyme
    r)」またはそれらの混合物が包含される。 水溶性ポリ
    マーは、水性媒体に溶解されたポリマーを意味する。 水希釈性ポリマーは、水および水混和性溶剤に溶解されたポリマーを意味する。 溶解されたポリマーは、その結果として、0に等しいムーニー式(Mooney equation)
    〔1/lnη rel =1/BC−K/2.5〕のセルフ−
    クロウディング定数(K)(self-crowding constant
    (K))を有することを特徴とするポリマー溶液を生じる。 一方、分散されたポリ マーは、1.9に等しい(K)を有する。 ムーニー式の詳細は、1973年にプレナム プレスによって出版され、そしてゴルドンおよびプランによって編集された「ノンポリューティング
    コーティングス アンド コーティング プロセス」中のブレンドレイ等による「水に分散されたアクリルポリマーおよび水溶性アクリルポリマーの物理的キャラクタリゼーション(“Physical Characterization of Water
    Dispersed and Soluble Acrylic Polymers"by Brenndl
    y et al.,in “Nonpolluting Coatings and Coating Pr
    ocess"published by Plenum Press,1973 and edited by
    Gordon and Prane)と題する項に開示されている。

    【0016】「不透明化ポリマー(opacifyin
    g polymer)」は、それぞれの粒子が少なくとも1つのボイドを有し、乾燥状態において不透明化剤として作用する、コロイド的に分散され、安定化されたポリマー粒子をいう。 用語「ポリマーの粒子サイズ」は、
    ブルックヘブン インスッルメント コーポレーション、ホルツスビル、ニューヨーク(Brookhaven Instrum
    ents Corporation, Holtsville, New York)によって供給されているブルックヘブン モデルBI−90 パーティクル サイザー(Brookhaven Model BI-90 Particl
    e Sizer)を使用することにより測定されたポリマー粒子の直径を意味する。 なお、前記パーティクル サイザーにおいては、ポリマー粒子のサイズを測定するために準−弾性光散乱技術が使用されている。 散乱の強さは粒子サイズの関数である。 直径は重量平均された強度に基づくものが使用された。 この技術は、アメリカンケミカル ソサィアティ シンポジューム シリーズ(Americ
    an Chemical Society Symposium series)の1987年版の第3章、48−61頁においてワイナー等(Weiner
    et al.)により「Uses and Abuses of Photon Crrelat
    ion Spectroscopy in Particle Sizing」という表題で記載されている。

    【0017】「ポリマーまたは顔料固形分」は、乾燥状態におけるポリマーまたは顔料をいう。 「顔料体積含有量」は、ペイント組成物に加えられた顔料または不透明化ポリマー固形分の、ペイント組成物の総体積に基づく、体積%をいう。 本発明の方法において好適に使用される水性シーラーは、−20℃から100℃、好ましくは0℃から60℃の範囲のガラス転移温度、500から5,000,000、より好ましくは1,000から1,500,000,最も好ましくは30,000から1,000,000の範囲のGPC重量平均分子量を有するアニオン的に安定化されたバインダーポリマーを含む蒸発可能な水性媒体を含む。 本発明の方法に好適な組成物のバインダーポリマーは、すべて蒸発可能な水性媒体中の、分散されたポリマー、または水溶性ポリマーと分散ポリマーまたは水希釈性ポリマーとの混合物、水溶性ポリマーと水希釈性ポリマーの混合物、または分散ポリマー、水希釈性ポリマーおよび水溶性ポリマーの混合物のいずれでもよい。

    【0018】本発明組成物のバインダーポリマーは、水性の蒸発可能な媒体中に分散されたポリマー粒子を有する分散されたポリマーであってもよいし、または水性の蒸発可能な媒体中の水溶性ポリマー、水希釈性ポリマー、水溶性ポリマーおよび水希釈性ポリマーの混合物、
    または水性の蒸発可能な媒体中の分散されたポリマー、
    水希釈性ポリマーおよび水溶性ポリマーの混合物のいずれでもよい。 所望により、バインダーポリマーは、分散されたポリマーと水溶性ポリマーまたは水希釈性ポリマーとの混合物を含んでもよい。 20〜1000ナノメーター、好ましくは50〜500ナノメーター、より好ましくは100〜350ナノメーターの範囲における粒子径の粒子を有する分散されたポリマーの形態におけるバインダーポリマーが好ましい。 水性の蒸発可能な媒体には、水またはその中に水混和性有機溶媒、例えばメタノール、エタノールおよびグリコールエーテルを溶解させた水が包含される。 水が好ましい。

    【0019】バインダーポリマーは、少なくとも1種またはそれ以上の次のモノマーから重合される:例えば、
    アクリル酸エステルモノマーまたはメタクリル酸エステルモノマー〔これらには次のモノマーが包含される:
    (メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2
    −エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、および(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル〕;酸官能性モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、およびマレイン酸;イタコン酸モノメチル;フマル酸モノメチル;フマル酸モノブチル;無水マレイン酸;アクリルアミドまたは置換アクリルアミド;ソジウムビニルスルホネート;ホスホエチル(メタ)アクリレート;アクリルアミドプロパンスルホネート;ジアセトンアクリルアミド;メタクリル酸グリシジル;アセトアセトキシエチルメタアクリレート;アクロレインおよびメタアクロレイン;メタクリル酸ジシクロペンタジエニル;ジメチルメタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート;イソシアナト エチルメタクリレート;スチレンまたは置換スチレン;ブタジエン;エチレン;酢酸ビニルまたはその他のビニルエステル;ビニルモノマー、例えば、ハロゲン化ビニル、好ましくは塩化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、好ましくは塩化ビニリデン、N−ビニルピロリドン;アミノモノマー、例えば、N,N'−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、およびアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル。

    【0020】次のモノマーを包含するモノマー混合物から重合されたバインダーポリマーは、更に好ましい: (1)アクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチル (2)アクリル酸ブチルおよびスチレン (3)アクリル酸2−エチルヘキシルとメタクリル酸メチル、または (4)アクリル酸2−エチルヘキシルとスチレン。 好ましくは、これらのモノマー混合物には、更に、アクリル酸モノマーまたはメタクリル酸モノマーまたはそれらの混合物を含有する。

    【0021】本発明のアニオン的に安定化されたバインダーポリマーを製造するのに使用される重合技術は、当業界においてよく知られている。 バインダーポリマーは、水性溶液重合によリ、または乳化重合により造ることができる。 乳化重合が好ましい。 熱開始法またはレドックス開始法のいずれでも使用できる。 アルファーベーターエチレン性不飽和モノマーおよびそれらのエステル、特にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、のポリマーおよびコポリマーは、好ましくは、ローム アンド ハース カンパニーによって出版された「アクリルモノマーの乳化重合:5月、1966(Emul
    sion Polymerization of Acrylic Monomers:May,1966)
    に記載されている方法によって造られる。

    【0022】重合プロセスは、典型的には、公知の遊離基開始剤、例えば過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−
    ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオクエート、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸アルカリを、典型的には、全モノマーの重量に基づいて0.05〜3.
    0重量%の量で使用して開始される。 前記と同じ開始剤と、適当な還元剤、例えば重亜硫酸ナトリウム、を組み合わせて使用するレドックス系においても、前記と同様の量で使用することができる。

    【0023】連鎖移動剤は、所望のGPC重量平均分子量を提供するのに有効な量で使用される。 生成するバインダーポリマーの分子量を調節する目的のための適当な連鎖移動剤には、既知のハロゲン−有機化合物、例えば四臭化炭素およびジブロモジクロロメタン;硫黄含有化合物、例えばアルキルチオール(これらには、エタンチオール、ブタンチオール、t−ブチルメルカプトアセテートおよびエチルメルカプトアセテートが包含される)、および芳香族チオール;または重合中に遊離基によって容易に引き抜かれる水素原子を有する種々な他の有機化合物が包含される。 さらなる適当な連鎖移動剤または成分には、メルカプトプロピオン酸ブチル;イソオクチルメルカプトプロピオン酸;イソオクチルメルカプトプロピオネート;ブロモホルム;ブロモトリクロロメタン;四塩化炭素;アルキルメルカプタン、例えば1−
    ドデカンチオール、第三級−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、テトラデシルメルカプタンおよびヘキサデシルメルカプタン;チオグリコール酸アルキル、例えばチオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸イソオクチル、およびチオグリコール酸ドデシル;チオエステル;またはそれらの組み合わせが包含されるが、
    それらに限定されない。 メルカプタン類が好ましい。

    【0024】分散されたポリマーの形態におけるバインダーポリマーを利用するときは、重合粒子の粒子サイズは、乳化重合プロセスの間に添加される公知の界面活性剤の量によって調節される。 公知の界面活性剤には、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、またはそれらの組み合わせが包含される。 典型的なアニオン性乳化剤には、脂肪ロジンの塩およびナフテン酸の塩、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの低分子量の縮合生成物、カルボン酸系ポリマーおよび適当な親水性−親油性バランスのコポリマー、アルキル硫酸アルカリまたはアルキル硫酸アンモニウム、アルキルスルホン酸、アルキルホスホン酸、脂肪酸、およびオキシエチル化アルキルフェノールスルフェート、およびオキシエチル化アルキルフェノールホスフェートが包含される。 典型的なノニオン性乳化剤には、アルキルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレン化アルキルアルコール、アミンポリグリコール縮合物、変性ポリエトキシ付加物、長鎖カルボン酸エステル、変性末端アルキルアリールエーテル、およびアルキルポリエーテルアルコールが包含される。 界面活性剤の典型的な範囲は、全モノマーの全重量に基づいて0.1〜6重量%である。

    【0025】別法として、バインダーポリマーには、種々のジオメトリーの2つ以上の相を有する多段重合ポリマー粒子、例えば、コア/シェル粒子またはコア/シース粒子、コアを不完全にカプセル化しているシェル相を有するコア/シェル粒子、複数のコアを有するコア/シェル粒子、および相互侵入網目構造粒子が包含される。
    これらの場合において、粒子の表面積の過半は少なくとも1つの外部相によって占められ、そしてバインダーポリマー粒子の内部は、少なくとも1つの内部相によって占められている。 多段重合ポリマー粒子の外部相は、粒子の全重量に基づいて、5〜95重量%である。 しばしば多段重合ポリマー粒子の各段は、異なったTgを有することが望ましい。 所望により、例えば米国特許第4,
    916,171号に記載されている多段重合ポリマー粒子組成物のように、これらの多段重合ポリマー粒子の各段階は、異なったGPC重量平均分子量を有することができる。

    【0026】多段重合ポリマー粒子は、組成が異なる少なくとも2つの段を、逐次的に重合する公知の乳化重合法によって造ることができる。 そのような方法においては、通常少なくとも2種のポリマー組成物が生成される。 多段重合ポリマー粒子の各段は、ポリマー粒子について前述したモノマー、連鎖移動剤および界面活性剤と同じモノマ−、連鎖移動剤および界面活性剤を含むことができる。 そのような多段重合ポリマー粒子を製造するために使用される乳化重合技術は、当業界においてよく知られており、例えば、米国特許第4,325,856
    号、同第4,654,397号および第4,814,3
    73号に記載されている。

    【0027】水希釈性ポリマーまたは水溶性ポリマーの形態におけるバインダーポリマーは、もしモノマー混合物が水溶性であるか、または最もしばしばあるケースのように、重合用溶剤が例えばイソプロパノール、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールのような水混和性溶剤であるならば、水の中で直接製造する事ができる。 そのようなケースにおいては、水を、重合混合物中に含ませてもよく、また重合が完了した後で添加してもよい。
    そのようなポリマーは、前述のモノマーを利用して製造することができる。 本発明用の水溶性ポリマーを製造するための他の経路は、アンモニアまたは他の塩基の添加によりバインダーポリマーを溶解できるように、充分なアクリル酸またはメタクリル酸またはその他の重合可能な酸モノマー(通常は10%よりも多い)を有するバインダーポリマーを製造することである。 このタイプの水溶性ポリマーは、分散されたポリマーとのブレンドとして有利に使用することができる。

    【0028】バインダーポリマーは、酸官能性基を含むことができ、バインダーポリマーの固形分総重量に基づく重量%で、0.5から20.0%、好ましくは0.8
    から10%の、以下に列記された酸モノマーをモノマー混合物中に含ませることにより得られる。 そのような酸官能性基はたとえば以下のようなモノエチレン性不飽和カルボン酸の少なくとも1種をモノマー混合物中に含ませることにより得られる。 そのような酸の例としては、
    アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
    アコニット酸、アトロパ酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ビニル安息香酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、エチレン性不飽和ジカルボン酸のハーフアミド、およびそれらの種々の混合物があげられる。 その他の好適な酸モノマーとしては、1以上のモノメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノブチルフマレート、アクリルアミドプロパンスルホネート、ビニルスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタアクリロキシエチルホスフェート、およびホスホエチル(メタ)
    アクリレートがあげられる。 モノエチレン性不飽和カルボン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物がより好ましい。

    【0029】本発明のに使用するのに好適な水性シーラーはさらに不透明化ポリマーを含有する。 水性シーラー中の不透明化ポリマー固形分のPVCは、水性シーラーの総体積に基づく体積%で、5から40、好ましくは1
    0から35、より好ましくは20から30%である。 このような不透明化ポリマーは公知であり、米国特許第4,427,836号、および第4,594,363号に一般的に記載されている。 本発明において好適に使用される不透明化ポリマーは、典型的には、ポリマー酸のコアが、アンモニアや有機アミンのような揮発性塩基に対して浸透性であり、中和によりコアを膨潤できるシェルにより少なくとも部分的にカプセル化されているヘテロポリマーの、逐次的にエマルション重合された分散粒子である。 ヘテロポリマーの酸含有コア/シェル粒子の水性分散液は、揮発性塩基がヘテロポリマーを少なくとも部分的(pH6)に中和し、塗布され、被覆として乾燥されたときに膨潤された粒子のコア中にマイクロボイドが形成され、不透明化剤として作用する水性被覆組成物を作るために有用である。 シースポリマーを形成するためのポリマーの量は、シースポリマーが1段または多段工程のどちらで形成されても、一般にヘテロポリマー全体の粒子サイズが、未膨潤状態(すなわちpHを6.
    0以上にあげる中和の前)において、0.07から4.
    5ミクロン、好ましくは0.1から3.5ミクロン、より好ましくは0.2から2.0ミクロンとなるような量である。 すなわち、そのようなヘテロポリマーは本発明方法に使用されるシーラーにおいて、二酸化チタンや炭酸カルシウムのような従来の顔料粒子の代わりに不透明化剤として作用している。 商業的に利用可能な好ましい不透明化ポリマーの例としては、Ropaque OP
    −62LO、OP−96、OP−3000,およびHP
    −91エマルションがある。 これらはすべてロームアンド ハース カンパニーにより供給される。

    【0030】所望により、または組成物の意図される用途に応じ、本発明方法において使用される水性シーラー組成物に他の成分を加えることができる。 他の添加剤としては、増粘剤;レオロジー改良剤;染料;金属封鎖剤;殺生物剤;分散剤;顔料、たとえば二酸化チタン、
    有機顔料、カーボンブラック;増量剤、たとえば炭酸カルシウム、タルク、クレイ、シリカ、およびシリケート;フィラー、たとえばガラス微小球、石英;凍結防止剤;可塑剤;接着促進剤;造膜助剤;湿潤剤;ワックス;界面活性剤;スリップ剤;架橋剤;消泡剤;着色剤;防腐剤;凍結/乾燥安定剤;凝集防止剤;アルカリまたは水溶性ポリマーがあげられるが、これらに限定されるものではない。 しかし、ポルトランドセメントのようなセメント材料、その中に使用される強化材のような、本発明方法において使用される水性シーラー組成物の貯蔵安定性に影響を与えるものはのぞかれる。

    【0031】水和されたセメント質基体の製造方法は、
    公知である。 たとえば、Hatschckプロセスでは、セメント、砂またはシリカ、および所望によりたとえば砂、木材チップまたは木材繊維、セルロース繊維、
    シリカ繊維、鉱物繊維またはガラス繊維、エクスパンデッドシェールまたは他の軽量集成物、合成繊維、ミネラルウール、およびこれらの種々の混合物のような強化材のスラリーを所望の形状の型に入れる一工程で、または湿分を取り除き堅さを提供するための中間工程とともに行われる。 湿分を実質的に取り除いた後に、典型的には数時間、10から12時間ないし数日、または3から4
    日の間平衡にされたプリフォームとして知られる構造体が得られる。 その後、乾燥したプリフォームを、典型的には約300゜F程度の高温で数時間、典型的には8から12時間処理して完全に水和する。 好ましくは、水和工程は約150psiの高圧下、オートクレーブ中で行われる。 水和工程の後、セメント質基体は切断され、所望のサイズにされる。

    【0032】本発明方法によれば、貯蔵安定性の水性シーラーの層が実質的に水和されたセメント質基体に塗布され、乾燥され、前記の実質的に水和されたセメント質基体上に存在する一次白華を実質的に隠蔽する。

    【0033】発明者は、以下の変数のうちの1以上を調節することにより、所望の程度の不透明性を有し、該実質的に水和されたセメント質基体表面への付着性を有する不透明な付着性被覆が得られることを見いだした。 1. 貯蔵安定性の水性シーラーの層の厚さが典型的には0.1ミルから1.5ミル、好ましくは0.2から1.
    0ミル、より好ましくは0.25から0.75ミルの範囲であること; 2. 顔料体積含有量が前述の範囲内にあること; 3. 貯蔵安定性の水性シーラーの固形分重量が、貯蔵安定性の水性シーラーの総重量の10から40%、好ましくは15から35%、より好ましくは20から30%の範囲内にあること。

    【0034】所望であれば、本発明方法は、ラテックスまたはアルキッドペイントのような公知のペイント組成物の透明または着色されたトップコートを、本発明方法により施されたシーラー被覆の上に追加することを含む。 たとえば、典型的には高光沢、向上された耐候性、
    または白華からのさらなる保護のために使用される公知のラテックスペイントの層を、本発明方法により施されたシーラー被覆の上に追加することができる。

    【0035】本発明方法では、屋根タイル、スレート、
    ひさし、内装または外装用のサイジング、およびコンクリート床タイルののような建築用製品の表面または端部に、耐久性シーラー被覆として好適な貯蔵安定性シーラーで下塗りされた実質的に水和されたセメント質基体が製造される。 本発明の被覆は、雨にさらされる屋根タイルのようなセメント質基体への水の浸透を防止するために使用することもできる。 所望であれば、組成物は酸化鉄のような顔料を含むことができ、セメント質基体上にさらなる着色した仕上げ被覆や錆止めを必要としないシーラー被覆を提供する。

    【0036】試験手順 実施例に記載されたデータを採取するために、以下の試験手順が用いられた。 接着性試験 基体に塗布された被覆の接着の程度は、テープテスト接着測定法として知られるASTM D−3359−90
    試験法の改良法で測定された。 テープテストで接着を測定するために、1インチのX型の切れ目を試験基体上に塗布された被覆にレーザーブレードでつけた。 ついで長さ2インチの3M社から販売されるスコッチマスキングテープ、#250−32281 4,Core Ser
    ies4−1900のうちの1インチの部分を、X型の切れ目の上に貼り、残りの1インチは試験表面から張り出させた。 テープの表面を消しゴムでこすり、テープと被覆を有する基体との接着を確実なものとした。 ついでテープを、基体表面から45度の度を保ちつつ、一挙に引き剥がした。 ASTM試験ではテープはまっすぐに引かれる。 テープの下の被覆領域を検査し、基体からテープにより取り除かれた被覆の量を測定した。 被覆が全部とれた場合には100として示された。 被覆が取り除かれていない場合には0として示された。 25未満の結果は許容範囲である認められる。

    【0037】隠蔽力試験 基体上に施された被覆により提供される不透明性の程度は、2つの方法で測定された。 試験サンプル基体の上に塗布された被覆により得られる不透明性を目視により検査した。 また、ASTM試験法D2805.88の改良法により、レネタ(Leneta)5C不透明性チャートとして知られる試験表面上の被覆により、不透明性の程度が評価された。 試験では、非着色の不透明シーラーの1.5ミル厚のフィルムを、レネタ5C不透明性チャートに、Paul N. Gardener社製のBir
    d フィルムアプリケータで塗布した。 塗布されたチャートは30分間乾燥され、ついで120℃に保持されたオーブン中に5分間おかれた後、取り出して空気冷却された。 Paul N. Gardener社製のGard
    ener/Neotec Y−反射率計を使用して、レネタチャートの被覆された領域からのフィルムの反射率を5点測定した。 チャートの黒色部分からも5点Y−反射率を測定した。 両者を平均し、コントラスト比(C
    R)を決定した。 CRは黒色部分からの平均Y−反射率を、白色部分からの平均Y−反射率で割ったものである。 すなわち、CR=黒色部分の読みの平均/白色部分の読みの平均である。 CRが1である場合は、全反射を示し、CRが0の場合は反射がないことを示す。 2つの被覆のCRが0.005単位だけ異なる場合、この結果は採用可能なものと考えられる。 目視によっても隠蔽力の差が検査された。

    【0038】実施例 以下の成分を表1に示された量で秤量し(単位グラム)、記載された順番にジャーに投入し、ゆるやかに実験室用の撹拌機で10分間撹拌し、非着色の実施例1から4の不透明シーラー(固形分30%)を調製した。

    【0039】

    【表1】

    【0040】1:Rhoplex AC−630、ローム アンド ハース カンパニーから販売される固形分50%のエマルションポリマー 2:245.5gの水に、ローム アンド ハース カンパニーから販売される分散剤であるタモール1124
    を加え、ついでOmya社から販売される炭酸カルシウム粉末Omyacarb UFを加え、20分間Cow
    les Dissolver、Model#W−12−
    1.5で撹拌して調製された不透明炭酸カルシウムスラリー 3:ローム アンド ハース カンパニーから販売されるRopaque OP−62LO、固形分37.5%
    の不透明化ポリマー

    【0041】以下の成分を表2に示された量で秤量し(単位グラム)、記載された順番にジャーに投入し、ゆるやかに実験室用の撹拌機で10分間撹拌し、着色された実施例5から8の不透明シーラー(固形分30%)を調製した。 混合物に酸化鉄を加えた後、さらに5分間撹拌し、着色試料が調製された。

    【0042】

    【表2】

    【0043】4:Huls America社から販売される、予め分散された褐色酸化鉄#888−1572

    【0044】実施例1及び2,並びに比較例3及び4のシーラー組成物を、6インチ×7.5インチの試験パネルの半分に塗布し、0.25および0.5ミルの乾燥厚さの被覆を形成した。 試験パネルは、James Ha
    rdie Inc. 社から販売される、商標名Hard
    ieplankのセルロース繊維強化ラップサイジングを使用した。 これは木材粒状物のテクスチャーを有する。 シールされたパネルを24時間周囲条件で乾燥し、
    その後ビルおよび家屋の外壁に使用される建築用厚板が典型的にさらされる気象条件をシュミレートするために、水浴にさらした。 被覆された試験パネルは60℃の循環された、Precision Scientific 社製のWater Bath
    Model 270 水浴中におかれた。 所望の試験条件は水浴を60℃の水で満たし、その後試験パネルを水浴中の上部に24時間おくことにより得られる。 それはその後、 S
    herwin Williams 社製の、Sherwin Williams Superpain
    t Latex Flat Paint のSuper White 107-8062で、通常の塗布量である10g/平方フィートでトップコートを施され、周囲条件で7日間乾燥し、接着試験を行った。
    トップコートは試験パネルのシールされた部分とシールされなかった部分の両方を横切るように塗布された。 接着試験の結果を表3に示す。

    【0045】

    【表3】

    【0046】表3の結果から、下塗り塗料のPVCを小さくし、厚さを厚くすると下層の実質的に水和されたセメント質基体だけでなく、その上に塗布されたトップコートについても、本発明の組成物を使用することにより、炭酸カルシウムのような顔料粒子のスラリーを利用した従来の下塗りシーラーに比較して改良された接着性が得られることがわかる。 このような従来の下塗りシーラーは、同様の接着強度を得るためには非常に高いPV
    Cを必要とする。 さらに、比較例3及び4は撹拌を停止した後2時間以内に沈降を開始した。 これはジャーの上部に透明な層が形成されることで示された。 比較例3及び4は直径1.5インチのガラス容器に、高さ2.5インチで満たされた。 24時間後、炭酸カルシウムは容器の底から測定して0.25インチの高さに沈降していた。 本発明の実施例1及び2は1年後においても沈降の兆候を示さなかった。 比較3及び4においては、均一な特性を有する下塗り塗料を調製する事が実施例1及び2
    に比較してより困難である。 なぜなら、スラリーの均一な分散を保持することが、本発明の水性接着シーラー中に使用される不透明化ポリマーに比較してより困難だからである。 実施例1及び2、比較例3及び4について、
    前述の試験パネルの上の一次白華層を隠蔽する能力について試験された。 前述の改良ASTM D2805.8
    8試験法によるコントラスト比の結果を表4に示す。

    【0047】

    【表4】

    【0048】表4の結果から、実施例1及び2のCR
    は、同じPVCにおいて比較例3及び4のものよりも非常に大きいことがわかる。 すなわち、本発明者は、従来の方法に比較して、前述の試験パネルやその上に塗布されたトップコートのような実質的に水和されたセメント質基体に対して改良された接着性を提供する、使用及び取り扱いが容易な貯蔵安定性の水性シーラーを使用することにより、より少ないPVCで実質的に水和されたセメント質基体上に存在する一次白華層をより効果的に隠蔽する不透明な接着性被覆の製造方法を見いだしたのである。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨセフ・クラーク・ライリー アメリカ合衆国カリフォルニア州92635、 フラートン、シェネガ・ドライブ 432

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