Manufacture of formed carbonized material consisting of single-fiber bound material

申请号 JP27823694 申请日 1994-10-05 公开(公告)号 JPH08109077A 公开(公告)日 1996-04-30
申请人 Ryoji Harada; Sangyo Gijutsu Kenkyusho:Kk; 良次 原田; 株式会社産業技術研究所; 发明人 TAKAHASHI MINORU; HARADA RYOJI;
摘要 PURPOSE: To manufacture a formed carbonized material strong in texture, having a porous fiber structure useful for various purposes, excellent in workability and reactivity and capable of highly exhibiting properties of carbon in a simple manner at a low cost. CONSTITUTION: A raw material having a porous structure consisting of cellulose single fibers bound in an entangled manner is subjected to a carbonizing baking treatment by heating as it is in a nonoxidative atmosphere. The entangled binding of single fibers is strengthened by the carbonization-shrinkage effect generated by the baking treatment and the texture is stabilized and strengthened.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 セルローズ系単繊維の搦合結合体からなる軽量にしてポーラス構造の原料をその形状のまま非酸化性雰囲気で加熱して炭化焼成処理し、該処理で発生する炭化収縮作用により該単繊維相互間の搦合結合を強化させ、その組織を安定強固にすることを特徴とする単繊維の結合物よるなる賦形炭化物の製造法。
  • 【請求項2】 前記セルローズ系単繊維がその構造において、捩転,波状,捲縮等の形態を備え、搦合性に富み、かつ外部表面積が著大であることを特徴とする請求項1記載の単繊維結合体よりなる賦形炭化物の製造法。
  • 【請求項3】 前記原料が、単繊維の搦合結合体よりなる軽量にしてポーラス構造の綿状物,むしろ綿,ひも状篠,粗糸から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2記載の単繊維結合体よりなる賦形炭化物の製造法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、単繊維の結合体よりなる賦形炭化物の製造法に関し、詳しくはセルローズ系単繊維の搦合結合により得られた単繊維結合体を加熱・炭化処理し、ポーラス状繊維構造で高度な炭素特性を発揮する組織強固な賦形炭化物の製造法に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】従来から、有機物から得られた炭素質体又は炭素体(以下、総合して単に「炭化物」という)
    は、その吸着的,電気的,断熱的,耐熱的,耐蝕的又は機械的等の諸特性に応じて多彩な用途に供されるが、そのいずれもその使用目的に応じた適切な形態とする必要がある。

    【0003】例えば、粉状,粒状,破砕状炭化物あるいは長繊維状,短繊維状,織布状,シート・マット状あるいはひも状の俗に「炭素繊維」と呼ばれる繊維状炭化物の諸形態がある。 また、特に機械的特性発揮のため、他物質を混合・加工した複合材料化も行なわれる場合もある。

    【0004】上記のように、諸用途に適応する形態に成形するためには、炭化工程とは別に二次加工工程が必要となる。

    【0005】即ち、炭化粉粒体の場合は、炭化後に粉砕,整粒を行ない、また炭化長繊維を綿状(チョップ)
    で利用する場合は、切断(チョッピング)工程により短繊維化を行なう必要がある。 また、炭化長繊維を織布,
    ひも状で利用する場合には、炭化後、製織あるいは編組工程を経なくてはならない。

    【0006】しかも、これら加工工程において、元来伸度が小さく折曲性に弱い炭素繊維としては、屈曲度が小さく比較的平らな織物組織に限定して製織すべきで、ポーラス状厚織組織等のものは加工できない。

    【0007】更に、上記のチョッピングされた炭化短繊維を抄紙法等でシート又はマット状に成形する場合は、
    炭化素材に接着剤等のバインダーを加えて一体成形されるが、得られた製品にはいずれも平らで薄手のものに限定されるほか、添加助剤がとかく炭化物本来の特性を損ない易い異物として残留するという致命的な欠点がある。

    【0008】以上述べたように、円途により適用される二次加工は非常に繁雑であって、場合によっては炭素特性を減殺し、いたずらにコストアップになるという問題がある。

    【0009】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の炭化物の利用法に内在する多くの諸問題点を解決し、簡易な手法により、しかも低コストで多岐の用途に利用できるポーラス状繊維構造で高度な炭素特性を発揮する組織強固な賦形炭化物の製造法を提案するものである。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】本発明は、セルローズ系単繊維の搦合結合体からなるポーラス構造の原料をその形状のまま非酸化性雰囲気で加熱し炭化処理して、該処理で発生する炭化収縮作用により該単繊維相互間の搦合結合を強化させ、その組織を安定強固にすることを特徴とする単繊維結合体よりなる賦形炭化物の製造法を提供するものである。

    【0011】上記本発明において、セルローズ系単繊維は、その構造において捩転,波状,捲縮等の形態を備え、搦合性に富み、かつ外部表面積が著大であることが好ましい。

    【0012】また、上記原料が単繊維の搦合結合体よりなる軽量にしてポーラス構造の綿状物(ルーズファイバー)、むしろ綿(ラップ),ひも状篠(スライバー),
    粗糸(ロービング)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましいのである。

    【0013】次に、本発明を詳細に説明する。 本発明の第1の特徴は、採用原料がセルローズ系に属する繊細で外部表面積が著しく大きく、しかも搦合性に富む単繊維であり、これを予め後記する機械操作により所望の形態に成形することであり、このものは全て繊維固有の搦合性により各単繊維間が搦合結合されているため、結合剤等の添加は全く必要なく、柔軟でポーラス状の単繊維結合体となることである。

    【0014】次に、上記原料をそのままの形態で加熱し炭化処理するが、ここで重要なことは、単繊維からなる個体原料が炭化反応の進行に伴って物質としては炭化物を生成し、これと同時に形態においては搦(からみ)合い原料固体の形態そのままの状態で一定の割合で縮小し、最後までその形態を保持することである。

    【0015】上記の現象が本発明で採用した炭化による単繊維結合体の軽量かつポーラス化と、組織強化のメカニズムである。

    【0016】また、一般的に原料個体は炭化によりその本来の靭性を失い、硬化し易いが、本発明に係る原料個体としては、繊細な繊度の小さな単繊維を採用するため、熱処理後の賦形炭化物の見掛けの硬化度の変化は極めて少ない。 これは、硬質ガラス板が繊細なガラス繊維に転ずると柔軟性を発揮するのと同理である。

    【0017】更に、原料単繊維は従来の炭化材料、例えば活性炭製造用のヤシ殻,オガクズ等に比べて著しく繊細で、本発明で採用し得るセルローズ系単繊維の繊維幅は0.01〜0.08mmと極めて小さく、またその表面積は上記の2原料の数百倍程度である。

    【0018】従って、単繊維結合体の炭化物は反応性が極めて高く、その上に炭化工程は勿論のこと、必要に応じて行なう賦活処理等においても反応速度が早く、しかも均一に進行するという利点がある。 この点が本発明の第2の特徴である。

    【0019】次に、本発明における使用原料,炭化処理及び得られた製品の特性について詳述する。

    【0020】使用原料としての単繊維はすべてセルローズを主成分とし、その繊維幅は約0.01〜0.08m
    mのものが好ましく、また天然繊維や再生繊維素である人造繊維も本発明に係る原料に含まれる。 例えば、木綿,亜麻,大麻,黄麻,ラミー,楮,三椏,竹甘蔗,レイヨン等の繊維が含まれる。

    【0021】また、繊維の搦合性は木綿ではラセン状に捩転する天然撚を有するが、その他のものは、人為的に波状,捲縮,捲縮効果を付与する前処理を必要とする。
    その一例として上下に相対峙して圧転する加熱型付けロール間に原料短繊維を通じ、所望の波状,捲縮状の形態を付与することができる。

    【0022】次に、これら搦合性単繊維を用い、所望のポーラス状結合体を形成するためには、通常紡績工程において使用される機器がそのまま適用される。

    【0023】即ち、単繊維の綿状物を得るためには、原料繊維をボールブレーカー機に投入し、繊維塊を解きほぐすことで得られる。 また、これを更に打綿機で処理して、むしろ綿を得る。 ひも状篠はむしろ綿を更に梳綿機で処理して得られる。 また、粗糸は上記ひも状篠を練篠機で最小限の甘撚を加えて作製される。

    【0024】これら原料の焼成炭化は、一般に非酸化性雰囲気中で300℃以上で約6時間加熱処理するが、これらの加熱処理条件は目的とする特性に応じて適宜調整する必要がある。 また、炭化度と被処理体の形態変化も加熱処理条件により異なり、目的に応じた調整が必要である。

    【0025】次に、上記の方法で得られた本発明に係る賦形炭化物の特性について説明する。

    【0026】古くから、炭化物は機能材料として各分野に使用され、しかも特に今日の新技術への参入には著しい飛躍が見られる。 しかし、現在使用されている炭化物は旧態依然の粉状体,粉体,破砕体が主流で、近時台頭の炭素繊維の一部応用がみられるに過ぎない。

    【0027】上記3体及び炭素繊維を新用途に適応させるためには、そのほとんどが他成分添加の複合材料化によりその目的を達成するが、このことは既に前述したように製造工程の複雑化と異物混入のため、プラス面以外に致命的なマイナス面を発生する恐れがある。

    【0028】次に、本発明に係る賦形炭化物の特徴を列記する。 (イ)本発明で製造された賦形炭化物は、先ずマクロ的にみると、柔軟性で軽量かつポーラス状であり、そのカサ比重は0.02〜0.025程度である。 また、柔軟度において原材料(単繊維結合体)と大差なく、従ってこのものは炭化物として「しなやかさ」が大きく、任意の形態に変形可能で、形態変化の自由度が大きく、炭素繊維加工品をはるかにしのぎ、またその重量においては炭化処理後原材料の約33〜45%と低下する。 ポーラス度は、原材料に比べ炭化収縮により約20〜30%減少するが、従来の粉状,粒状炭化物又は織布状炭素繊維の気体,液体の通過抵抗に比べ、約1/5〜1/15と低値を示す。

    【0029】(ロ)また、賦形炭化物をミクロ的にみると、炭化単繊維はその繊維幅を原材料のそれと比べると約30〜40%低下し、より繊細となる。 従って、特にその吸着性能等は単位重量当りの表面積が増大し、従来品に比べて吸着速度及び吸着飽和量が著しく増加する。

    【0030】(ハ)次に、賦形炭化物の電気的特性につき述べる。 炭化物利用の電気的特性の基本は、その電導性の優劣で決定されるが、特に本発明に係る炭素質成形体においては、炭素質相互間の直接的接触が電導性行路を形成し、その密度の多寡がその特性を左右する。 しかしながら、本発明に係る賦形炭化物は密度が高くて、相互に搦合い、その接触密度が大であるため、帯電防止,
    電磁波シールド,面発熱,各種電極,電気二重コンデンサー等に応用した場合、極めて適切な効果を発揮する。

    【0031】(ニ)断熱性については、ポーラス状の形態がその性能を倍加し、その上軽量なので機械設計上の利点となる。 更に、ポーラス状でかつ柔軟性であるため、各種シールド又はパッキング材としても機器に対して「なじみ」よく適材となる。

    【0032】なお、上記した各種適応に際し、本発明に係る賦形炭化物が柔軟性でポーラス状のため、機器への装着,組込みが極めて簡単容易である。 例えば、気相,
    液相の吸着又はろ過目的のためには、簡単な円筒状エレメント構造物に単に詰め込み充填するか、又は包被するだけで、その目的を達成できるのである。

    【0033】上記のように本発明に係る賦形炭化物の形態変化に対する自由度は、他に類をみない利便性がある。 次に、本発明の実施例を説明する。

    【0034】

    【実施例】

    実施例1 綿花(米国産、繊維幅:0.02〜0.05mm、維長:15.0〜50.0mm、天然撚数140〜240
    回/25cm)を原料として、これをボールブレーカー及び打綿機で処理して、むしろ綿を作製した。 このむしろ綿を幅14cmに裁断し、中空鉄芯に軽く捲上げした。

    【0035】次に、これを炭化炉中に装入し、非酸化性雰囲気中で徐々に加熱昇温した後、炉内温度を600℃
    に昇温し、この温度で更に3時間加熱し炭化焼成処理した。

    【0036】得られた炭化物は、投入生むしろ綿と全く同形態で炭化され、組織が緻密となり、その寸法変化は生むしろ綿に対し幅が29%,厚さが35%減少した。
    なお、炭化物の重量減は63%であった。 また、カサ比重は0.023となった。

    【0037】次に、得られた賦形炭化物の強度及び安定度につき試験した。 その結果を表1に示す。

    【0038】

    【表1】

    【0039】表1に示した結果から、炭化繊維の真の引張り破断強度も低下していると推測されるが、搦合効果により見掛け引張り強度は余り差異が認められなかった。 また、横強度の増大は炭化による単繊維の搦合い強化によるものと考えられる。

    【0040】次に、本発明に係る炭化物を中で煮沸しながら浸漬し、その安定度を測定した。 その結果を表2
    に示す。

    【0041】

    【表2】

    【0042】表2に示した結果から、生むしろ綿は横,
    縦共に形態変化が大きく、特に横方向の変化が大きい。
    このことは、縦方向繊維間の搦合いが弱いことを意味している。 一方、炭化むしろ綿は形態変化が比較的小さく、表面状態も均一に平滑であった。

    【0043】実施例2 実施例1で使用した原料と同じ綿花をボールブレーカーで均一に開綿し、ポーラス状とした綿状物(a)とレーヨン糸(ビスコース法、1.5デニール長繊維)を表面温度400℃に加熱した圧転型付けロールにより波状形態としたものを長さ2.5cmにカットし、これを開綿したもの(b)、更に比較例として8号綿帆布(c)、
    直径4mmの綿ロープ(d)ならびに上記レーヨン系より編組された直径2.5mmの組ひも(e)をそれぞれ同一炭化炉中に装入し、空気を遮断して加熱し、徐々に昇温させて2.5時間保持した後、840℃に昇温して3.5時間加熱し、炭化焼成処理した。

    【0044】その結果、(a)及び(b)は、いずれも搦合いポーラス状の綿状で得られた。 次に、これら(a)〜(e)の5試料を800℃に保持し、水蒸気賦活処理を40分間行った後、常温まで冷却して炉からとり出し、(a)〜(e)の各試料の反応性を比較するため、メチレンブルーの吸着価を試験した。 その結果を表3に示す。

    【0045】

    【表3】

    【0046】表3に示した結果から、炭化物の吸着能は原料の材質よりもその形態が非常に重要であることが分る。 従って、本発明により得られた賦形炭化物の表面反応性は、従来品には見られない高度なものである。

    【0047】

    【発明の効果】上記のように、本発明によれば、加工性及び反応性が良く、多岐の用途に利用できる軽量かつ柔軟にしてポーラス状の繊維構造で、高度な炭素特性を発揮する組織強固な賦形炭化物を、非常に簡単な手法でしかも低コストで製造することができるのである。

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    【手続補正書】

    【提出日】平成6年12月27日

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】0034

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【0034】

    【実施例】 実施例1 綿花(米国産、繊雄幅:0.02〜0.05mm、 繊維
    :15.0〜50.0mm、天然撚数140〜240
    回/25cm)を原料として、これをボールブレーカー及び打綿機で処理して、むしろ綿を作製した。 このむしろ綿を幅14cmに裁断し、中空鉄芯に軽く捲上げした。

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