Alumina bond high-strength ceramic honeycomb

申请号 JP2004524556 申请日 2003-07-07 公开(公告)号 JP2005534473A 公开(公告)日 2005-11-17
申请人 コーニング インコーポレイテッド; 发明人 ピー アディーゴ,ウィリアム; エス マギー,セシリア;
摘要 アルミナまたは他のセラミック組成の強靱な高表面積ハニカムが、セルロース一時的結合剤および永久的結合剤の高表面積ベーマイト前駆体を含む成形用セラミック粉末押出バッチを配合し、造形し、造形されたハニカムを 水 和させて、ベーマイト結合相を発生させ、水をした物体をか焼して、結合剤を作用させ、高強度で多孔質のセラミックハニカムを形成することにより提供される。
权利要求
  • セラミックハニカムを製造する方法であって、
    高表面積を持つベーマイト前駆体を少なくとも一種類含むセラミック粉末、水、およびセルロース系の一時的結合剤を有してなる成形用セラミック粉末押出バッチを配合し、
    前記バッチを含水未焼成ハニカムプリフォームに成形し、
    前記含水未焼成ハニカムプリフォーム内にベーマイト結合相をその場で形成させるのに少なくとも十分な時間と温度で水分保持条件下において該未焼成ハニカムプリフォームを加熱し、
    前記未焼成ハニカムプリフォームを乾燥させ、か焼する、
    各工程を有してなる方法。
  • 前記ハニカムが、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、遷移金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、コージエライト、ムライト、βユークリプタイト、アルミン酸カルシウムおよびチタン酸アルミニウムからなる群より選択される酸化物、酸化物の混合物、または酸化化合物から実質的になる組成を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 前記ハニカムが、少なくとも約50重量%のアルミナを含む組成を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 前記ベーマイト前駆体が、8重量%未満しか構造水を含有せず、20μm未満の中央粒径を有する遷移アルミナ粉末であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 前記ベーマイト前駆体が、γアルミナ、ηアルミナ、δアルミナ、χアルミナ、θアルミナ、ρアルミナおよびκアルミナからなる群より選択される高表面積遷移アルミナであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 前記ベーマイト前駆体が、5μm以下の中央粒径を有するγアルミナ粉末から実質的になることを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 前記未焼成ハニカムを成形する工程を押出しにより行い、前記加熱工程を、1〜200時間の範囲の時間に亘り50〜100℃の範囲の温度で行い、該加熱工程に前記未焼成ハニカムのゆっくりとした乾燥が伴うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 前記セルロース系の一時的結合剤が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロースエーテルからなる群より選択されるイオン性または非イオン性のセルロースエーテルであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 請求項1記載の方法により製造された強靱な高表面積アルミナハニカムであって、
    (i) 2000psi(約14MPa)を超えるa軸粉砕強度、および (ii) 200m 2 /gを超える表面積、
    を有するアルミナハニカム。
  • 60%を超える全気孔率を有し、500Å未満の細孔径を持つメソ細孔が全細孔容積の少なくとも75%であることを特徴とする請求項9記載のアルミナハニカム。
  • 说明书全文

    本発明は、触媒または触媒担体として有用なセラミックハニカムに関し、より詳しくは、改善された性質を有する、押出成形された酸化アルミニウム(アルミナ)または他のセラミック製のハニカムを製造する方法に関する。

    アルミナから構成され、適切な結合剤成分を含有する可塑化アルミナ粉末バッチの押出しにより製造されたセラミックハニカムがよく知られている。 例えば、ラッチマン(Lachman)等への特許文献1には、比較的強靱なアルミナ製ハニカムを比較的低温で製造するのに有用な様々な永久的結合剤が記載されている。

    ベーマイト(アルミナ一和物AlOOH)およびスード・ベーマイト(pseudoboehmite)が、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、スピネル、ゼオライトなどの酸化物または酸化化合物から形成された押出ハニカム基体のための結合剤として有用であることが知られている。 これらのベーマイトの結合強度は、押出物中のこれらと他のアルミナ種の中の強な水素結合およびそのときにγアルミナへの相転移を経る、ベーマイトのか焼中のAl−O−Al網状構造の発生によりもたらされると考えられる。

    アルミナや他の酸化物のための結合剤としてベーマイトを含有する押出バッチは典型的に、混合物の一時的結合剤として働く有機押出助剤も含む。 これらの一時的結合剤は、最終的にか焼中に除去されるが、乾燥プロセス中の未焼成強度およびセラミック製品が最終状態にか焼されるときの機械的完全性(mechanical integrity)を提供する。

    残念ながら、例えば、γアルミナから形成された大型のハニカムを含む、これらの永久的結合剤と一時的結合剤の組合せを有して押出成形された大型の高表面積ハニカムは、乾燥中に亀裂がひどく生じているのが発見されることが多い。 この亀裂の起源は完全には理解されていないが、それは、水素結合したベーマイトの網状構造おける熱誘導変化並びにベーマイト結合剤と一時的有機結合剤との間の相互作用の結果として生じた応力によるようである。

    特に触媒担体用途にとっての、セラミックハニカム製造の別の重要な側面は、か焼した部品の気孔率についての制御を維持する必要性である。 気孔率は、ハニカムの物理的性質および様々な触媒のための担体としての適合性の両方に影響する。 特許文献1および2には、触媒担体材料を提供するために様々なアルミナ前駆体を使用した実例、およびそれらの材料の気孔率を制御するプロセスが提供されている。

    米国特許第4631267号明細書

    米国特許第4001144号明細書

    米国特許第4868147号明細書

    しかしながら、触媒担体のためのペレット化されたアルミナ押出物またはビーズを製造するために開発された技法の多くは、薄壁ハニカムが、押出し、乾燥および焼成の各製造工程中に構造的損傷をかなり受けやすいために、ハニカム製造に直接移行できない。

    本発明によれば、押し出されたセラミックハニカムの構造的完全性は、特にその完全性はハニカム製造プロセスの乾燥と焼成の各工程中に悪影響を受けるかもしれないので、著しく改善される。 これらの改善は、最初の押出バッチ中に永久的結合剤成分の全てを含ませることによるよりもむしろ、押出し後にハニカム構造体内でその場で(in situ)ハニカム強度に必要な永久的結合剤相を発生させる手法により実現される。 それゆえ、従来の製造プロセスにおいては、ベーマイトおよび/または他の含水アルミナ材料などの永久的結合剤成分は、アルミナ粉末バッチ成分と共に、混合と押出しのための押出バッチに直接加えられるが、本発明は、一般に押出物乾燥プロセスの前段階としてまたはその一部として、ハニカム内に永久的なベーマイト結合網状構造を成長させるプロセス工程を優先して、そのような添加をなしで済ませる。

    ハニカムの耐亀裂性および強度に観察された改善の原因である機構の全てはまだ完全には理解されていないが、一つの重要な側面は、ハニカム壁構造体内で比較的徐々にベーマイトまたはスード・ベーマイトが形成されることにあると考えられる。 この徐々の形成により、ベーマイトを多量に添加する場合に重要となり得る、水素結合網状構造の形成中にそのような相から生じる通常の応力が阻止されるかまたは緩和されると考えられる。

    したがって、本発明のある態様は、高強度の実質的に亀裂のないセラミックハニカム構造体を製造する改良方法にある。 その方法によれば、成形用セラミック粉末押出バッチを最初に配合する。 この押出バッチは、セラミック粉末、水ビヒクルおよびセルロース結合剤を有してなり、セラミック粉末は、少なくとも一種類の高表面積ベーマイト前駆体を含有している。

    高表面積ベーマイト前駆体とは、水の存在下で100℃未満に加熱することにより、ベーマイト、スード・ベーマイトまたは他のベーマイトタイプ(構造的に類似)のアルミナに転化できる微細な遷移アルミナ粉末を意味するものである。 遷移アルミナは、結晶質、非晶質、またはそれらの混合であっても差し支えない。 それゆえ、これらの前駆体は大部分、構造水を追加に吸収し、熱と水分の存在下でベーマイトタイプの構造体に転移する、水を含まない遷移アルミナ粉末、すなわち、ベーマイト中に一般に見られる構造水および介在水(intercalated water)を約30重量%未満しか含まない遷移アルミナ粉末である。 押出バッチのセラミック粉末成分は、一種類以上のベーマイト前駆体から完全になっていても、その場での形成およびベーマイトタイプの永久的結合剤のか焼によりセラミックハニカムへと結合すべき他のアルミナ、または他のセラミック粉末を含んでいてもよい。

    次に、このように提供された成形用セラミック粉末押出バッチを含水未焼成ハニカムプリフォームに造形する。 造形は押出しにより行うことが好ましいが、モールディングを含む他の造形法を代わりに用いてもよい。

    造形後、含水未焼成ハニカムプリフォームを、未焼成ハニカム内にベーマイト結合相をその場で形成するのに少なくとも十分な時間と温度で、水分保持条件下で加熱する。 この結合剤形成またはいわゆる水和熱処理は、最終生成物において所望の最終的なハニカム強度およびある程度の耐亀裂性を生じさせるのに必要な所定のレベルのアルミナ水和およびその場での結合剤の形成を達成するのに十分な期間に亘り行われる。

    一般に、本発明の実施に適した水分保持条件は、この加熱工程中に未焼成ハニカムに少なくともある程度の水を保持できるような条件である。 ラップやエンクロージャなどの物理的手段をこの目的に用いてもよく、もしくは水分または湿度条件を維持してもよく、もしくは水の蒸発速度および構造体の乾燥速度を遅らせる適度な温度を使用しても差し支えない。 必要とされることは、単に、処理期間中にプリフォームから水が完全には損失(完全な乾燥)しないことである。 ベーマイト結合相とは、ベーマイト、スード・ベーマイト、または他のベーマイトタイプのもの、もしくは合成ベーマイトの特徴として、300〜450℃の温度範囲にある温度で構造水損失ピークを示すいくつかの他の高度にヒドロキシル化されたアルミナ相を意味するものである。

    ハニカム中で所望のレベルのアルミナ水和に一旦達成したら、さらに加熱することにより、ハニカムを乾燥させ、か焼する。 利用する特別の熱処理は、ハニカムの組成およびセラミック粉末反応の程度および/または所望の固結によるが、か焼したセラミックにおいて任意の特別なレベルに保持された気孔率で、増大した強度が容易に達成できる。

    別の態様において、本発明は、様々な異なる触媒反応のための触媒および触媒担体として特に有用なアルミナから実質的になる強靱な高表面積ハニカムを提供する。 このように、これらのハニカムは、高強度に加えて、転化可能な炭化水素種を有してなる気体および液体の供給流の触媒処理などの用途に特にうまく適合される所望の範囲のマクロおよびメソ気孔度を提供する。

    本発明は図面を参照するとより理解し易いであろう。

    ここに説明する本発明の方法は、様々な分野のセラミック組成物に亘るセラミックハニカムの製造に適用できると考えられる。 それゆえ、その場のベーマイト結合剤は、以下に限られないが、シリカ、ジルコニア、チタニア、遷移金属酸化物、アルカリ土類酸化物、および希土類酸化物からなる群より選択される酸化物および酸化物の混合物を含む、アルミナ以外の、またはアルミナに加えての様々な酸化物種から形成されたハニカムを強化するために使用できる。

    さらに、酸化化合物、例えば、コージエライト、ムライト、ベータ・ユークリプタイト、アルミン酸カルシウムなどのアルミノケイ酸塩化合物からなる(またはか焼の際に酸化化合物に転化できる)セラミック粉末配合物も、本発明によるその場で水和されたアルミナ結合剤の存在から恩恵を受けることができる。 したがって、以下の説明および実施例の多くは、主に(50重量%より多い)アルミナから構成されたハニカムの製造と評価に言及しているが、本発明は、そのようなハニカムへの適用に限られるものではない。

    未焼成セラミックハニカム構造体におけるベーマイト状アルミナ結合剤のその場での形成は、様々な遷移アルミナベーマイト前駆体のいずれからも水和により進行できる。 従来、中でも遷移アルミナであるγ、η、σ、χ、θ、ρおよびκアルミナは主に、それらの結晶構造と関連する欠陥の化学的性質により、並びに水和の程度により、互いから区別されている。 それゆえ、それらのアルミナは、完全には無水ではなく、ある場合には、それらの結晶構造は、少なくともある程度は、結晶中のヒドロキシル基の含有量と配置による。 例として、γアルミナは、◎がアルミナ結晶のスピネル構造のAl空孔を表す組成Al 2.50.53.5 (OH) 0.5により示され、他の遷移アルミナ相も同様にその含有量と配置による。

    ベーマイトよりも含水量が少なければ、これらの遷移アルミナのいずれも、本発明によるベーマイト前駆体として機能できる。 もちろん、他のアルミナ種への水和も、その場の結合剤の形成の過程で生じ得る。 一般に、これらの遷移アルミナのいずれの結晶構造も、水の存在下で加熱されると、ヒドロキシ含有量を増しながら変化する。 その過程は、水和状況により、ベーマイトやダイアスポアなどの、中程度に水和されたアルミニウム一水和物またはいわゆる酸水酸化物(AlOOH)を経て、いくぶん高い含水量のスード・ベーマイトへ、最終的に水酸化アルミニウムすなわちアルミナ三水和物(Al(OH) 3 )などの完全に水和した材料へとなるであろう。 これらの完全に水和した形態は、バイヤライト鉱物およびギブサイト鉱物に特徴的である。

    本発明の実施において、水酸化アルミニウム相の形成を完全に避ける必要はなく、実際に、これらの水酸化物および/またはそれらを含有する鉱物を、押出バッチのセラミック粉末成分として使用しても差し支えない。 しかしながら、遷移アルミナが水和熱処理の過程でベーマイトやベーマイト状種を最初に形成する傾向は、ハニカム製品における様々な性質を制御するのに有用である。

    ベーマイトの形成により直接影響を受ける性質としては、表面積、細孔容積、細孔径、分布および全気孔率が挙げられる。 アルミナと水との間の加水分解反応により、アルミナ凝集体および主要な粒子の中でセメント質結合が形成され、ベーマイト状結合相が、γアルミナなどの遷移アルミナにか焼されて戻った後に実質的に強靱な結合剤網状構造を形成することができる。 それゆえ、アルミナ相変化のサイクル、すなわち、γアルミナ→AlOOH→γアルミナのサイクルは、かなり広い範囲の物理的性質と化学的性質をか焼アルミナや他のセラミック製品に持たせる可能性を備えている。

    か焼したハニカムの最終的な物理的性質は、同様に、以下に限られないが、バッチ中の遊離水含有量、押出物中に存在するアルミナ相、選択された遷移アルミナベーマイト前駆体が製造される方法とアルミナ供給源、バッチ加工条件、湿式加熱工程中の水和速度、ハニカムの乾燥温度と速度、およびアルミナ製品の相対湿度と収縮を含む他の条件による。 さらに、か焼温度、温度の昇降速度および時間も完成製品の性質に大きく影響し得る。 最後に、触媒作用を促進するためや表面積を制御するための吸着イオンの含有、例えば、表面積の損失を阻害するためにγアルミナへのLa 3+の添加や酸性度および他の形態的特性を改変するためのその表面へのSi 4+または(HPO 42-または(H 2 PO 41-の添加などのバッチの可変量または処理後手法によっても、結果を変更することができる。

    その場でベーマイト結合剤を形成するための好ましい遷移アルミナは、水和の水をほとんど含まない、すなわち、8重量%未満しか水を含有しない高表面積アルミナ粉末である。 そのような遷移アルミナの例はρアルミナであり、これらは、アルミナ三水和物(水酸化アルミニウム)またはアルミニウム一水和物(ベーマイトまたはスード・ベーマイト)の瞬時(flash)すなわち急激なか焼により生成される。 これらの急激にか焼された材料は大部分は、水を含まず、X線回折により分析すると実質的に非晶質であるが、高表面積のものである。 したがって、それらの材料は、比較的穏やかな条件下で再水和を受けて、ベーマイトまたはスード・ベーマイト、もしくはバイヤライトまたは他の水酸化アルミニウムさえも特に形成し易い。

    ρアルミナはγアルミナよりも大きい程度で水和し、か焼された製品の強度、表面積および気孔率を向上させるのに非常に効果的であるが、微細なγアルミナも、本発明のハニカムバッチに使用する所望のベーマイト前駆体である。 未焼成の押出成形されたハニカム製品中に存在するγアルミナ成分の大部分は、特に約5マイクロメートル以下の中央粒径で高表面積粉末である場合、大気圧と中程度の温度で適度に短い水和期間においてスード・ベーマイト相またはベーマイト相に転移できる。

    上述したような瞬時にか焼されたアルミナは市販されており、その例としては、AlcoaCPブランドのアルミナが挙げられる。 これらと他の非晶質アルミナは、活性化アルミナと称されることもあり、一般に、高表面積を有する。 さらに、それらのアルミナは一般に、水和が行われずにか焼された場合、ほとんどが、ηアルミナに転移され、これは、γアルミナに構造が似ているが、それより高い表面積を有する望ましい遷移アルミナである。

    以下の説明から明らかになるように、本発明のプロセスの水和工程は、本発明により提供されるか焼アルミナハニカムにおいて、亀裂を防ぎ、高強度となるのに重要である。 このように形成された水和アルミナ、特に、ベーマイトまたはスード・ベーマイト構造のアルミナは、ハニカムがか焼された後に観察されるハニカムの増大した破砕強度の直接的な原因であることがデータにより示される。

    これらの所望の相を形成するのに必要な加熱は、押出成形されたハニカムから水が失われることを完全に防ぐ条件下、例えば、高湿度の条件下で行うことができる。 あるいは、ベーマイト前駆体の水和を完全な乾燥の前に行えるほど十分に水の蒸発を遅らせるという条件で、加熱をゆっくりとしたハニカム乾燥プロセスの一部として行っても差し支えない。 水和の程度は時間・温度に依存しており、より高い温度ではより短い水和時間が適している。 一般に、大気圧での水和温度は100℃を超えず、適切な水和は一般に、1〜200時間の期間で、50〜100℃の範囲の温度で行うことができる。 最適な水和時間は、ベーマイト結晶相の存在および/または400〜450℃でのベーマイトの水放出ピークの高さを検出するX線回折または熱重量分析に基づく日常的な実験により決定することができる。

    ベーマイトや他のその場で水和されたアルミナ相を、ハニカム内で広範囲に亘るAl−O−Al結合網状構造の形態にある実質的に水を含まないγアルミナ相に転移させるために、水和ハニカムをその後か焼する必要がある。 これらのハニカム中に観察される大きな強度の増加の原因と考えられているのは、その場で水和されたアルミナ結合相からこの網状構造が生じたことである。 したがって、上述したベーマイト前駆体を含むバッチから製造されたハニカムは、上述した水和工程を施さないと、同等の固結焼成処理後でさえも、比較的低い強度しか示さない。

    水和したハニカムを固結するのに用いたか焼条件は、製品に所望の残留気孔率および強化の程度による。 より高い温度および/またはより長い焼成時間が、ハニカム気孔率を減少させる傾向にあり、その逆もまた同様である。 気孔率が重要である触媒および触媒担体の用途について、1〜6時間の範囲の期間に亘る400〜600℃の範囲の温度でのか焼が一般に適している。

    本発明の方法は、ハニカムの一時的結合剤として働く適切な有機結合剤成分を含有するセラミック押出バッチの処理に最もうまく適用される。 押出しに適した可塑性を生じさせ、未焼成ハニカムの凝集を改善するようにバッチを状態調節することに加えて、これらの結合剤は、押し出したハニカムの乾燥挙動および亀裂の傾向に大きな影響を与えると考えられている。

    水溶性セルロースエーテルは、イオン性であろうとより一般的には非イオン性であろうと、本発明によるセラミックバッチの押出しに使用するのに特に適した一時的結合剤の例である。 これらのセルロースエーテルは、水中に溶解して、液体の粘度を増加させ、バッチの可塑性と滑性を効果的に増加させる。 さらに、それらのエーテルは、バッチ混合物中の水の分布を安定化させるのに役立ち、押出し中の水の移行を最小にするように作用する。

    ほとんどのセルロースエーテルは一時的結合剤として効果的に機能するが、熱的にゲル化するものが、最高の未焼成強度を与える傾向にある。 他方で、強烈なゲル化により、通常乾燥に伴う水和アルミナ相の脆化に起こり得るように、亀裂問題を生じる可能性のある機械的伸展性が損なわれることもある。 これらの影響は小さな製品においては無視できることが多いが、亀裂の虞は、大型の脆いハニカム構造体においてずっと大きい。 湿潤領域から以前は乾燥していた領域に水が移行し、一時的結合剤相と永久的結合剤相を再度湿潤し、先に硬化した材料において応力を誘発する体積変化や他の構造的変化を生じるので、乾燥の不均質性は特に応力を増幅させる。 この応力は、亀裂により軽減される傾向にあり、それゆえ、これらの配合物中のセルロースエーテル結合剤の水分布を安定化させ、乾燥不均質性を減少させる効力は、特に重要である。

    これらの配合物中に一時的結合剤としてイオン性と非イオン性のセルロースエーテルを使用することに伴う追加の利点は、それらのセルロースエーテルが、好ましいγとρのアルミナベーマイト前駆体の永久的なAl−O−Al結合相の好ましいベーマイト状供給源への転移を誘導することである。 特に、ベーマイト、スード・ベーマイトおよび類似の水和種の形成は、セルロースベースの結合剤を含有するバッチ組成物中の他のより広範囲に水和したアルミニウムの水酸化物や酸水酸化物の形成よりも好ましいようである。

    本発明の実施においてセラミック粉末バッチ中に含ませることのできる特定のセルロース一時的結合剤の例としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルおよびメチルヒドロキシプロピルセルロースエーテルが挙げられる。 代わりのまたは追加の一時的結合剤として、ポリエチレンオキシドやポリエチレングリコール、デンプンや他の炭水化物、メラミンおよび類似の材料を使用しても差し支えない。 添加すべき一時的結合剤のこれらのバッチに対する比率は、重要ではないが、バッチの可塑性のレベル、凝集性、および所望の乾燥均質性に基づいて日常的な実験により決定することができる。 バッチのセラミック粉末成分の合計重量を超えての約1〜8重量%の範囲のセルロース結合剤の添加が一般に有用である。

    上述したようにハニカムバッチの組成物は特定のハニカム用途に選択された様々な粉末酸化物または他のセラミック粉末のいずれをも有してなっていてもよいが、主に(90重量%以上)アルミナから構成された強靱なハニカムの製造は、本発明の特に重要な側面である。

    適切な耐亀裂性およびか焼強度のために粉末押出バッチに必要とされるベーマイト前駆体アルミナの最小量は、主に、バッチ中に存在する他のバッチ粉末および/または有機結合剤の性質による。 しかしながら、押出アルミナハニカムについて、ベーマイト前駆体は一般に、バッチの粉末成分の合計重量の少なくとも約0.5重量%を構成すべきである。

    他方で、強度と気孔率の優れた組合せを有するアルミナハニカムは、γアルミナなどのベーマイト前駆体100重量%から実質的になるバッチから製造することができる。 それゆえ、0.5〜100%のベーマイト前駆体、最も好ましくは、ρアルミナおよびγアルミナからなる群より選択される前駆体から構成され、バッチの残りが、他の遷移アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミニウムアルコキシドおよび酸水酸化アルミニウムの内の一つまたは組合せであるアルミナハニカムバッチが特に好ましい。

    セラミック粉末押出バッチ中に含まれるベーマイト前駆体の粒径および粒径分布は、最終的なハニカム強度に重大な影響を与え得る。 20μm未満、好ましくは5μm以下の中央粒径が、水和効率および製品の強度の観点から最も効果的である。 適切な粒径分布は、結合剤が発生している間のより大きな強度のために粒子を充填するのに役立つ。 効率的に水和された微細なγアルミナとρアルミナを混合することにより、か焼後にアルミナ構造体の全体に亘り非常に強靱なAl−O−Al結合剤網状構造が生じる。

    制限よりもむしろ説明を意図した以下の実施例を参照して、本発明はより詳しく理解されるであろう。

    実施例1
    1100℃までで7重量%未満の点火時損失を有するX線非晶質脱ヒドロキシル化遷移アルミナとして特徴付けられる市販のρアルミナ粉末1000グラムの投入量を、有機結合剤としての4グラムのヒドロキシエチルセルロースとドライブレンドした。 それとは別に、10グラムの氷酢酸を200グラムの水と混合した。

    低剪断力マラー・ミキサ内で、酢酸溶液をアルミナのドライブレンドに加え、混合を続けた。 次いで、このミキサにさらに800グラムの水を加え、混合物が水と完全に均質化し、塑性稠度を生じるまで、ブレンドと混合を継続した。 次いで、可塑化したバッチ混合物を、ラム押出機に取り付けられた麺状ダイに通す押出しにより高剪断の下でさらに均質化した。

    次に、このように調製したアルミナハニカムバッチをラム押出機に装填し、ハニカム押出ダイに通して押し出した。 このように製造したハニカム押出物は、100セル/平方インチ(cpsi)(約16セル/cm 2 )の断面ハニカムセル密度および約0.025インチ(約0.625mm)のチャンネル壁厚を有した。 次いで、押出物を、約6〜12インチ(約15〜30cm)の長さの未焼成ハニカムセグメントに切断し、そのセグメントをプラスチック・シートに包んで密封して、蒸発による水の損失を防いだ。

    次に、開示されたように調製された、包まれた未焼成ハニカムセグメントを電気炉内に配置し、約1時間から140時間までに及ぶ水和期間に亘り90℃まで加熱した。 その後、プラスチックの包みを水和したハニカムセグメントから取り外し、各セグメントを40〜80℃の範囲の温度でさらに加熱することにより乾燥させた。 次いで、乾燥させたセグメントに示差熱重量(DTG)分析を行って、様々な水和処理から生じた各セグメントにおけるベーマイトの発生程度を定性的に決定した。 その発生程度は、これらの非か焼ハニカムの加熱中に観察される400〜450℃の温度範囲における熱重量水損失ピークの高さに示されている。 この温度範囲における急激な水損失は、ベーマイトの脱水挙動に特徴的である。 水和処理せずに誘電炉内で急速に乾燥した押出物の対照セグメントにも、DTG分析を行った。

    図1は、そのような一連の試験から典型的に生じた種類の4つの示差熱重量(DTG)トレースを示している。 図1の曲線Aは、水和を行わずに誘電炉内で急速に乾燥されたハニカムセグメントの特色を示すトレースであり、トレースBおよびCは、それぞれ、24時間および140時間に亘り水和したハニカムの特色を示す。 これらのρアルミナハニカムセグメントにおいて水和時間が長くなるほどベーマイトの発生程度が大きくなることがこれらのトレースから明白である。

    実施例2
    750グラムのγアルミナ粉末および250グラムのρアルミナ粉末を、4グラムのヒドロキシエチルセルロース一時的有機結合剤と一緒にドライブレンドした。 それとは別に、10グラムの氷酢酸を200グラムの水中に混合した。 次いで、酸性化水をこのドライブレンドに加え、上記実施例1の方法にしたがって、混合物を処理し、押し出して、100cpsi(約16セル/cm 2 )のハニカムセグメントを製造した。

    次に、このように製造したアルミナハニカムに、様々な期間に亘り予備誘電熱処理を施した。 この処理により、押出セグメントからある程度水を除去し、それらのセグメントを硬化させて、変形損傷に対する抵抗を増す。 しかしながら、特に、より短い処理期間では、この処理によっては材料は完全には乾燥せず、多量の水分がハニカム構造体内に残留できる。

    予備誘電加熱後、ハニカムセグメントをアルミホイルで包んで、さらなる乾燥を遅らせ、様々な期間に亘り対流式オーブン内において90℃で水和加熱工程に施した。 この処理を施した、より高い含水量のハニカムセグメントにおける広範囲のベーマイトの形成が、選択されたセグメントのDTG分析により確認された。 それらのDTGトレースは、400〜450℃の間で大きな化学結合水の損失ピークを示している。

    最後に、このように調製したハニカムセグメントに、各セグメントを4時間に亘り600℃のピーク温度に加熱する工程を有してなるか焼熱処理を施した。 次いで、か焼したハニカムを、有効BET表面積について特徴付け、A軸粉砕試験(ハニカムの通路の軸に平行な方向にハニカムに粉砕力を施す工程を含む)により強度について評価した。 これらの評価結果が以下の表1に示されている。 評価したハニカムの各々について表1に含まれているのは、分で表した予備加熱工程の期間、時で表した水和熱処理の期間、m 2 /gで表したか焼ハニカム構造体の表面積、およびポンド/平方インチ(psi)で表したそれらの構造体の粉砕強度である。

    表1に示したデータの分析により、アルミナハニカム製品の粉砕強度は、水和熱処理の過程で達成されたベーマイトの発生程度に正比例して増加することが示された。 試料1および2の場合、水和工程が始まる前に水のほとんどが早く除去された(誘電加熱により)ことにより、遷移アルミナのベーマイト状アルミナ結合相への転移が制限された。 これにより、ハニカムにおいて表面積と強度の両方が低くなり、一方で、中くらいのレベルの水の除去により、相当な水和をまだ行うことができる(試料2および3参照)。 試料4および5のデータはここでも、水分を保持した同様に処理した未焼成ハニカムについて、一般に、水和時間が長いほど、強度が高くなることを実証している。

    表1は、アルミナハニカムの永久的な結合手法としてその場でのベーマイト結合剤の形成から生じた増大した表面積の重要な追加の利点が確認される。 このことは、表1において、全てが同じバッチ組成物およびか焼熱処理を共にした試料1〜2を試料3〜6と比較することにより最もよく分かる。 試料1〜2は、ベーマイトの結合剤の形成の証拠をほとんど示さないが、これは、表1からの強度データに反映されており、試料3〜6よりも表面積が著しく小さい。 これらとDTGデータにより、より長くその場のベーマイト形成処理を施した同等にか焼したハニカムにおけるより高いハニカムの表面積の一般的な傾向が確認される。

    実施例3
    ハニカムの細孔径および細孔径分布への前駆体水和の影響を確認するために、ここに記載した方法にしたがって実施例2のバッチ材料から形成した多数の100cpsi(約16セル/cm )アルミナハニカムセグメントに、異なる水和熱処理を施し、次いで、気孔率について特徴つけた。 押し出されたままのハニカムセグメントを最初にアルミホイルで包み、次いで、対流式温風オーブン内で90℃まで加熱して、前駆体の水和を促進し、特定の水和間隔後に取り出し、次いで、誘電炉内で完全に乾燥させた。 最後に、全ての試料を4時間に亘り600℃でか焼し、次いで、水銀圧入法により細孔分布分析を行った。

    この一連の評価結果が図2に示されており、以下の表2に要約されている。 図2は、上述したように処理した5つのハニカムセグメントについて細孔直径対示差水銀圧入容積Viの対数の水銀ポロシメトリーのプロットを表している。 その図に与えられたデータにより示されるように、より長い水和時間に関連したベーマイト状結合剤相の形成には、図2における約0.5μmを中心とする細孔容積の減少により示されるように、ハニカムのマクロ気孔度(直径で500Åより大きい細孔からの細孔容積)を減少させる影響がある。 それと同時に、ハニカムのメソ気孔度(500Å未満の細孔の細孔容積)は、図2の約0.01μmを中心とする細孔容積の増加により示されるように、かなり増加する。 図2にプロットしたセグメントに関する水銀ポロシメトリーデータが表2に示されている。 これらのデータから、水和プロセスにより、これらのアルミナハニカムの気孔分布および表面積を、その全気孔率、細孔容積、またはメジアン孔径を大きく変化させずに、実質的に制御できることが明らかである。 60%を超えた気孔率を有し、500Å未満のメソ細孔が細孔容積の少なくとも75%であるハニカムが容易に提供された。

    これらのアルミナセラミックにおける水和熱処理によりもたらされた表面積の増加と細孔径分布の変化は、少なくとも一部には、熱処理の過程でセラミックハニカム母材中にその場で形成されたベーマイト結合相の板状構造によるものである。 図3は、ρアルミナの水和から生じたベーマイト・クリスタライト小板を示す水和アルミナ試料の表面の走査電子顕微鏡写真である。 顕微鏡写真中の白い棒線は1マイクロメートルの寸法に相当する。

    実施例4
    その場でのベーマイト結合剤の形成の、か焼アルミナセラミックへの可能強度の影響を評価するために、100gのγアルミナを42gのメチルセルロースエーテルとドライブレンドし、このドライブレンドをマラー・ミキサに加えた。 このドライブレンドに150mlの3.7N酢酸水溶液を加えて混合し、混合撹拌しながら、追加に460gの脱イオン水を加えた。 このように調製したアルミナバッチを実施例1に記載したように均質化し、次いで、アルミナハニカムセグメントと9mmの直径のアルミナロッドに押し出した。 次いで、押し出したロッド試料のいくつかに、金属ホイルで端部を密閉したガラス管内にそれらを入れ、24時間に亘り90度で対流式オーブン内で加熱することにより水和熱処理を施した。 次いで、全ての試料を4時間に亘り600℃までか焼した。

    この加工結果は、水和処理した材料についての著しい強化を示している。 水和処理しなかった試料についての典型的な表面積の結果は約175m 2 /gであり、ロッドのMOR(破壊係数)強度は一般に400psi(約2.8MPa)未満である。 他方で、水和した試料は一般に、200m 2 /gを超える表面積を生じ、MOR強度は平均で1800psi(約12.6MPa)を超える。

    前述したように、ベーマイト前駆体を有してなるバッチ組成物中のセルロースエーテルの存在は、水の移行、それゆえ、乾燥工程中の亀裂が生じる傾向を増加させ得る押出ハニカム内の不均一な乾燥または水和を減少させるのに役立つと考えられる。 これらの結合剤の存在によって、乾燥工程を遅くすることによりベーマイトの形成が促進され、水和中にバイヤライトや他のそれほど望ましくない水酸化アルミニウムよりもベーマイトの形成に有利に働くであろう。 後者の可能性を支援する証拠としては、95℃で4時間に亘り水和した二つの混合ρアルミナ/γアルミナ粉末試料のX線回折走査が挙げられる。 第一の試料は水のみで水和し、一方で、第二の試料は、約45℃のゲル化点を有する非イオン性メチルセルロースエーテルの0.1重量%水溶液で水和した。 水和処理後に二つの走査を比較した際に、第一の試料中には、ベーマイトのピークの中に、2θ=4.356および4.7072での目立ったバイヤライトのピークが存在したが、第二の試料の走査においてはバイヤライトのピークは明白ではなかった。

    アルミナハニカム以外のハニカムのための耐火性アルミニウム含有セラミック配合物中にその場の結合剤形成に好ましいベーマイト前駆体はρアルミナである。 この形態のアルミナは、ムライト、コージエライト、βユークリプタイト、および工業的に重要な他の工業用アルミノケイ酸塩セラミックのハニカムにおいて、望ましい物理的特徴および機械的特徴を促進する上で特に効果的である。 これらの配合物中のρアルミナの有効性は、固有の高表面積、小さな工業的な粒径(例えば、<5μm)、および液体焼結により中間体または他の必須な種を形成する固相反応への高い反応性によるものである。 例えば、コージエライトハニカムを製造するためのあるクレイ・タルク・アルミナバッチにおけるアルファアルミナをρアルミナで置き換えると、焼成製品の密度や気孔率に大きな影響を与えずに、押出焼成ハニカムの熱膨張が減少することが分かった。

    その場での結合剤の形成で変動する一連のアルミナハニカムについての加熱温度対水損失の熱重量プロット

    様々なベーマイト結合剤含有量の一連のアルミナハニカムについての細孔分布プロット

    本発明によるその場での結合剤形成により提供されたベーマイト永久的結合剤相を含むアルミナセラミックの表面の走査電子顕微鏡写真

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