How to prepare and use borehole repair for composition as well as it contains a drug for fluid loss

申请号 JP2013542600 申请日 2011-12-06 公开(公告)号 JP2014507487A 公开(公告)日 2014-03-27
申请人 ハリバートン エナジー サヴィシーズ インコーポレイテッド; 发明人 トリッサ ジョセフ; パンカイ パニ チャクラボルティ; ビー ラガヴァ レディ;
摘要 掘削孔を補修する方法であって、該方法が、アルミン酸カルシウムセメント、 水 、及び 流体 損失用添加剤を含む組成物を調製する工程であって、該流体損失用添加剤が酸性ゲル化ポリマーを含む工程、該組成物を掘削孔内に配置する工程、並びに、該組成物を 凝固 させる工程、を含むことを特徴とする方法。 掘削孔を補修する方法であって、該方法は、約10°C[約50°F]より高い坑底静 温度 及び/又は約3〜約9のpHを有する掘削孔の中へ、 酸化 アルミニウム含量がアルミン酸カルシウムセメントの全質量に基づいて約60質量%より高いアルミン酸カルシウムセメント及び酸化ゲル化ポリマーを含むセメントスラリーを配置する工程を含み、該セメントスラリーの流体損失は、10cc/10分〜約600cc/30分であることを特徴とする方法。
【選択図】 なし
权利要求
  • 掘削孔を補修する方法であって、該方法が、以下の工程、
    アルミン酸カルシウムセメント、水、及び流体損失用添加剤を含む組成物を調製する工程であって、該流体損失用添加剤が酸性ゲル化ポリマーを含む工程、
    該組成物を掘削孔内に配置する工程、並びに、
    該組成物を凝固させる工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  • 前記アルミン酸カルシウムセメントが、アルミン酸カルシウムセメントの全質量に基づいて約60質量%より多い量の酸化アルミニウムを含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記アルミン酸カルシウムセメントの酸化アルミニウム:酸化カルシウム比が、約1:1〜約4:1である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  • 前記組成物のpHが、約3〜約9の範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記アルミン酸カルシウムセメントが、前記組成物の全質量に基づいて約20質量%〜約99質量%の量で該組成物中に存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記酸性ゲル化ポリマーが酸性流体中に約1質量%存在し、該酸性流体中の酸が約5質量%の濃度である場合に、該酸性ゲル化ポリマーが、該酸性流体の粘度を約100cP[約0.1Pa・s]以上に上昇させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記酸性流体が、塩酸、フッ化水素酸、酢酸、ギ酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリコール酸、スルファミン酸、又はそれらの組み合わせを含む、請求項6に記載の方法。
  • 前記酸性ゲル化ポリマーが、バイオポリマーを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記バイオポリマーが、らせん状多糖、ジウタン、スクレログルカン、キサンタン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の方法。
  • 前記酸性ゲル化ポリマーが、グアー又はセルロースと架橋剤との混合物を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記バイオポリマーの分子量が、約100,000ダルトン〜約10,000,000ダルトンである、請求項8又は請求項9に記載の方法。
  • 前記酸性ゲル化ポリマーが、合成ポリマーを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記合成ポリマーが、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)のコポリマー、アクリルアミドとアクリル酸のコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノエチルメタクリレートクロリドのコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノエチルメタクリレートサルフェートのコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノアクリレートクロリドのコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノアクリレートサルフェートのコポリマー、AMPSとジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)のコポリマー、N−ビニルピロリドン/AMPSコポリマー、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸のターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルメタクリレートクロリドのターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルメタクリレートサルフェートのターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルアクリレートクロリドのターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルアクリレートサルフェートのターポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の方法。
  • 前記合成ポリマーの分子量が、約1×10 6ダルトンより大きいものである、請求項12又は請求項13に記載の方法。
  • 前記流体損失用添加剤が、アルミン酸カルシウムセメントの質量に基づいて約0.05質量%〜約3質量%の量で前記組成物中に存在する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記組成物が、さらに凝結遅延剤を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記凝結遅延剤が、有機酸、有機酸のアルカリ金属塩、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グルコン酸、オレイン酸、尿酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項16に記載の方法。
  • 前記組成物が、さらに流体損失制御促進剤を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記流体損失制御促進剤が、スラリーのpHを低下させる酸性物質、スラリーのpHを所望のpH値において緩衝する物質、アルカリ若しくはアルカリ土類金属塩、又はそれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の方法。
  • 前記組成物の流体損失が、約10°C[約50°F]〜約260°C[約500°F]の温度で約10cc/10分〜約600cc/30分である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記組成物は、ポートランド及び/又はソレルセメントを除外する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  • 掘削孔を補修する方法であって、該方法は、
    約10°C[約50°F]より高い坑底静温度及び/又は約3〜約9のpHを有する掘削孔の中へ、酸化アルミニウム含量がアルミン酸カルシウムセメントの全質量に基づいて約60質量%より高いアルミン酸カルシウムセメント及び酸化ゲル化ポリマーを含むセメントスラリーを配置する工程を含み、該セメントスラリーの流体損失は、10cc/10分〜約600cc/30分であることを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    本開示は、一般には掘削孔(wellbore)を補修することに関連する。 より詳しくは、本開示は、流体損失用添加剤を含むアルミン酸カルシウムセメント組成物によって掘削孔を補修すること、並びにそれを調製及び使用する方法に関連する。

    地下の層又は区域に存在しているガス、石油、及びのような天然資源は、通常は掘削孔中に掘削流体を循環させながら地下層まで掘削孔を掘ることで回収される。 掘削流体の循環終了後に、例えばケーシングのような一連のパイプが掘削孔内に引かれる。 そのとき、通常該掘削流体は、パイプの内側を通って下方に、そして、パイプの外側と掘削孔の内壁の間に位置するアニュラスを通って上方に循環される。 次に、一次セメンチングが、典型的には、セメントスラリーをアニュラス内に配置し堅い塊(すなわち外筒)へと凝固させ、それによって前記一連のパイプを掘削孔の内壁に取り付けて該アニュラスを密封することにより行われる。 続いて二次セメンチング作業が行われてもよい。

    掘削孔を補修する流体は、過酷な状況(例えば、高い温度/圧、酸性環境)下でそれらが意図された目的のために機能できるように、しばしば修正される。 高温である地下の静温度において、及び、二酸化炭素を含む塩水の存在下においては、従来の水硬性セメントは、アルカリ炭酸化によって急速に劣化する。 それゆえ、このようなタイプの環境下で従来の水硬性セメント組成物を使用すると、掘削孔保全の喪失という結果になり得る。 蒸気注入井又は蒸気生産井のような厳しい環境下でのセメンチングの場合、従来の水硬性セメントに代わる手段は、アルミン酸カルシウムセメント(CAC)である。 ポートランドセメント/シリカ混合物と比較したときのCACの高温耐性は、セメント外筒の長期保全のために有利である。 CACの使用には、高温及び低温耐性に加えて、硫酸塩、腐食、及び酸性ガスに対する耐性を与えるという多くの利点がある。 主としてCACを用いる掘削孔補修作業のさらなる例には、地熱井又は二酸化炭素注入井の補修が含まれる。 例えばメタリン酸ナトリウムである可溶性リン酸塩、及び、凝固時のCACを素早く凝固させるクラスFフライアッシュフォームのようなポゾラン材料と併用したCACは、坑井を地下層及びそれ自身にくっつけて固め、高強度、炭酸化耐性、低透過性、及び改善された腐食耐性のような望ましい機械的特性を発揮する。 種々のCACが、様々なアルミナ含量で市販されている。

    高アルミナセメント組成物は、上昇した温度及び/又は酸性環境(例えば、CO 2環境)のいずれかにさらされた坑井のセメンチングに最も適している。 そのようなセメントに対する課題は、前記CACのアルミナ含量が上昇するにつれて、従来の流体損失用薬剤の有効性が減少し得ることであった。 CACを含む組成物における流体損失制御添加剤は、継続して求められている。

    (概要)
    第1の側面では、本発明は、掘削孔を補修する方法であって、該方法が、アルミン酸カルシウムセメント、水、及び流体損失用添加剤を含む組成物を調製する工程であって、該流体損失用添加剤が酸性ゲル化ポリマーを含む工程、該組成物を掘削孔内に配置する工程、並びに、該組成物を凝固させる工程、を含むことを特徴とする方法を提供する。

    ある態様では、前記アルミン酸カルシウムセメントが、アルミン酸カルシウムセメントの全質量に基づいて約60質量%より多い量の酸化アルミニウムを含む。
    ある態様では、前記アルミン酸カルシウムセメントの酸化アルミニウム:酸化カルシウム比が、約1:1〜約4:1である。
    ある態様では、前記組成物のpHが、約3〜約9の範囲である。
    ある態様では、前記アルミン酸カルシウムセメントが、前記組成物の全質量に基づいて約20質量%〜約99質量%の量で該組成物中に存在する。

    ある態様では、前記酸性ゲル化ポリマーが酸性流体中に約1質量%存在し、該酸性流体中の酸が約5質量%の濃度である場合に、該酸性ゲル化ポリマーが、該酸性流体の粘度を約100cP[約0.1Pa・s]以上に上昇させる。
    ある態様では、前記酸性流体が、塩酸、フッ化水素酸、酢酸、ギ酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリコール酸、スルファミン酸、又はそれらの組み合わせを含む。
    ある態様では、前記酸性ゲル化ポリマーが、バイオポリマーを含む。
    ある態様では、らせん状多糖、ジウタン、スクレログルカン、キサンタン、又はそれらの組み合わせを含む。
    ある態様では、前記酸性ゲル化ポリマーが、グアー又はセルロースと架橋剤との混合物を含む。
    ある態様では、前記バイオポリマーの分子量が、約100,000ダルトン〜約10,000,000ダルトンである。

    ある態様では、前記酸性ゲル化ポリマーが、合成ポリマーを含む。
    ある態様では、前記合成ポリマーが、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)のコポリマー、アクリルアミドとアクリル酸のコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノエチルメタクリレートクロリドのコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノエチルメタクリレートサルフェートのコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノアクリレートクロリドのコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノアクリレートサルフェートのコポリマー、AMPSとジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)のコポリマー、N−ビニルピロリドン/AMPSコポリマー、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸のターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルメタクリレートクロリドのターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルメタクリレートサルフェートのターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルアクリレートクロリドのターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルアクリレートサルフェートのターポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。
    ある態様では、前記合成ポリマーの分子量が、約1×10 6ダルトンより大きいものである。

    ある態様では、前記流体損失用添加剤が、アルミン酸カルシウムセメントの質量に基づいて約0.05質量%〜約3質量%の量で前記組成物中に存在する。
    ある態様では、前記組成物が、さらに凝結遅延剤を含む。
    ある態様では、前記凝結遅延剤が、有機酸、有機酸のアルカリ金属塩、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グルコン酸、オレイン酸、尿酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせを含む。

    ある態様では、前記組成物が、さらに流体損失制御促進剤を含む。
    ある態様では、前記流体損失制御促進剤が、スラリーのpHを低下させる酸性物質、スラリーのpHを所望のpH値において緩衝する物質、アルカリ若しくはアルカリ土類金属塩、又はそれらの組み合わせを含む。
    ある態様では、前記組成物の流体損失が、約10°C[約50°F]〜約260°C[約500°F]の温度で約10cc/10分〜約600cc/30分である。
    ある態様では、前記組成物は、ポートランド及び/又はソレルセメントを除外する。

    第2の側面では、本発明は、掘削孔を補修する方法であって、該方法は、約10°C[約50°F]より高い坑底静温度及び/又は約3〜約9のpHを有する掘削孔の中へ、酸化アルミニウム含量がアルミン酸カルシウムセメントの全質量に基づいて約60質量%より高いアルミン酸カルシウムセメント及び酸化ゲル化ポリマーを含むセメントスラリーを配置する工程を含み、該セメントスラリーの流体損失は、10cc/10分〜約600cc/30分であることを特徴とする方法を提供する。

    (詳細な説明)
    最初に、以下には1又はそれ以上の態様の例証のための実施が提供されているが、開示されたシステム及び/又は方法は、現在公知であろうと既存であろうとあらゆる技術を利用して実施され得ると理解されるべきである。 本開示は、本明細書で説明され記載されている例示的な案及び実施を含む例証のための実施、図面、及び以下に説明されている技術に、決して限定されるべきではなく、均等物の全範囲とともに添付の特許請求の範囲の範囲内で変更され得る。

    本明細書では、アルミン酸カルシウムセメント(CAC)及び流体損失用添加剤を含む掘削孔補修用組成物、並びに、それを調製及び使用する方法が開示されている。 そのような掘削孔補修用薬剤及び流体損失用添加剤は、本明細書の後半でより詳細に記載される。

    ある態様では、前記掘削孔補修用組成物はCACを含むが、これはさらにカルシウム、アルミニウム、及び酸素を含み、そして、水と反応して凝固及び硬化する。 ある態様では、該CACは、酸化アルミニウム(Al 23 )及び酸化カルシウム(CaO)を含む。 ある態様では、酸化アルミニウムは、CACの全質量に基づいて約30質量%〜約80質量%、あるいは約40質量%〜約70質量%、あるいは約50質量%〜約60質量%の量で、又は、CACの全質量に基づいて60質量%より多い量で、該CAC中に存在する。 酸化カルシウムは、CACの全質量に基づいて約20質量%〜約60質量%、あるいは約30質量%〜約50質量%、あるいは約35質量%〜約40質量の量で、該CAC中に存在してもよい。 また、CAC中の酸化アルミニウムと酸化カルシウムの質量比(Al 23 /CaO)は、約1:1〜約4:1、あるいは約2:1〜約1.5:1で変化してもよい。

    液体中に混合される場合には、前記CACのpHは、約3〜約10、あるいは約4〜約9、あるいは約6〜約8の範囲となり得る。 ある態様では、前記CACは、固体及び液体構成物の全質量に基づいて、約20質量パーセント(質量%)〜約99質量%、あるいは約20質量%〜約70質量%、あるいは約25質量%〜約60質量%、あるいは約30質量%〜約50質量%の量で、掘削孔補修用組成物中に存在してもよい。

    本開示において用いるのに適したCACの非限定的な例には、KEREOS INC. 、Cheasapeake、VAから市販されているSECAR 80、SECAR 60、SECAR 71、SECAR 41、及びSECAR 51、Almatis,Inc. 、Leetsdale、PAから市販されているCA−14、CA−270、及びCA−25セメント、並びに、Halliburton Energy Services,Inc. から市販されているTHERMALOCKセメントが含まれる。

    本明細書に記載されているタイプのCACは、上昇した坑底静温度(BHST)及び/又は酸性環境への増加した露出を経験すると期待されている掘削孔での掘削孔補修作業において利用され得る。 ここで、上昇したBHSTとは、約76.7°C[約170°F]より高い、あるいは約121°C[約250°F]より高い、あるいは約149°C[約300°F]より高い温度のことをいい、酸性環境とは、pHが約3〜約9、あるいは約4〜約8、あるいは約5〜約7であることをいう。

    ある態様では、前記掘削孔補修用組成物は、流体損失用添加剤を含む。 ここで、流体損失用添加剤とは、ろ過を通じた層への流体の損失を制御するために用いられる材料のことをいう。 ある態様では、該流体損失用添加剤は、酸性ゲル化ポリマー(AGP)を含む。 ここで、酸性ゲル化ポリマーとは、酸性流体と接触した場合に該流体の粘度を増加させるポリマー材料のことをいう。 本明細書に記載されているタイプの酸性流体を粘性化させる能力を有する限りはどんなポリマー材料でも、AGPとして本開示において適切に用いられ得ると考えられる。 該酸性流体は、塩酸、フッ化水素酸、酢酸、ギ酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)、グリコール酸、グルコン酸、スルファミン酸、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。 例えば、該酸性流体は、濃度5質量%の酢酸溶液であってもよい。

    ある態様では、本開示において使用するのに適したAGPは、酸性流体の粘度を、約l00cP[約0.1Pa・s]以上、あるいは約1000cP[約1Pa・s]以上、あるいは約5000cP[約5Pa・s]以上に増加させ得る。 そのような態様では、該酸性流体は、5質量%の酸を含み、該AGPは、該酸性流体の約1質量%の量で存在する。 ある態様では、該AGPは、バイオポリマーを含む。 本明細書で用いられている「バイオポリマー」とは、植物のような再生可能な天然資源中に見出されるポリマーのことをいう。 ある態様では、該バイオポリマーは、らせん状多糖、例えばジウタン、スクレログルカン、キサンタン、又はそれらの組み合わせを含む。 ある態様では、本開示において使用するのに適したバイオポリマーの分子量(MW)は、約100,000ダルトン〜約10,000,000ダルトン、あるいは約300,000ダルトン〜約5,000,000ダルトン、あるいは約500,000ダルトン〜約1,500,000ダルトンである。 ある態様では、本開示において使用するのに適したバイオポリマーは、固形状態(例えば、顆粒状)のものであり、そのメッシュサイズは、約80[約0.178mm]〜約200[約0.075mm]、あるいは約10[約2.00mm]〜約190[約0.079mm]、あるいは約50[約0.297mm]〜約150[約0.099mm]であり得る。

    ある態様では、前記AGPは、合成ポリマーを含む。 本開示において使用するのに適した合成ポリマーの例としては、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)のコポリマー、アクリルアミドとアクリル酸のコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノエチルメタクリレートクロリドのコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノエチルメタクリレートサルフェートのコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノアクリレートクロリドのコポリマー、アクリルアミドとトリメチルアミノアクリレートサルフェートのコポリマー、AMPSとジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)のコポリマー、N−ビニルピロリドン/AMPSコポリマー、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸のターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルメタクリレートクロリドのターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルメタクリレートサルフェートのターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルアクリレートクロリドのターポリマー、アクリルアミドとアクリル酸とトリメチルアミノエチルアクリレートサルフェートのターポリマー、及びそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されるものではない。 該合成ポリマーの分子量は、約100万ダルトンより大きい、あるいは約300万ダルトンより大きい、あるいは約500万ダルトンより大きいものであり得る。 本開示において使用するのに適した合成AGPの非限定的な例としては、架橋性ポリマーの分散物であるSGA IIゲル化剤、SGA IIIゲル化剤、及びSGA Vゲル化剤、又は、高温ゲル化剤であるSGA HT酸性ゲル化システムが含まれ、これらのすべては、非水性エマルションとしてHalliburton Energy Services,Inc. から市販されている。

    本開示において使用するのに適したAGPポリマーは、アニオン性、カチオン性、又は中性ポリマーであってもよい。 そのようなポリマーは、固形添加物、水溶液、又は油性エマルションとして使用されてもよい。 ある態様では、用いられるAGPポリマーは、油性エマルションとして提供される。 そのような態様では、該油性エマルション中に存在するAGPポリマーの量は、エマルションの全質量に対して約20%〜約60%の範囲にわたってもよい。

    ある態様では、前記AGPは、架橋ポリマーを含む。 ある態様では、本開示において使用するのに適した流体損失用添加剤は、AGP及び架橋剤を含む。 例えば、該AGPは、ランダムコイルポリマー(例えば、グアー又はセルロース)、及び、尿素、アルデヒド、又はフェノールのような架橋剤を含んでもよい。 本明細書に記載されているタイプの酸性溶液をゲル化することができるそのような混合物は、本明細書に記載されているタイプのCACにおいて、流体損失用添加剤として役に立ち得ると考えられる。 ある態様では、該AGPは、尿素及び増粘剤又はゲル化剤を含む。 該ゲル化剤は、グアーガム、カラヤガム、トラガカントガム、ガッチガム(gum ghatti)、アカシアガム、コンニャクガム(gum konjak)、シャリツ(shariz)、ローカス(locus)、オオバコ、タマリンド、タラガム、カラゲニン、カウリガム、及び、ヒドロキシプロピルグアー、ヒドロキシエチルグアー、カルボキシメチルヒドロキシエチルグアー、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーのような修飾グアーのようなガラクトマンナン、並びに、次の化学構造1に示されるようなアルコキシル化アミンを含んでもよい。

    ここで、Rは、約8〜22個の範囲の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪族基、並びに、その混合物から選択され、混合物中のxとyの値の合計の平均が、約0〜約10の範囲にある。 そのような混合物は、米国特許第4,466,893号に多いに詳細に開示されており、これは全体として参照することにより本明細書に組み込まれる。

    ある態様では、前記AGPは、掘削孔補修用組成物中のCACの質量に基づいて、約0.05質量%〜約3質量%、あるいは約0.1質量%〜約2質量%、あるいは約0.5質量%〜約1質量%、又は約0.01質量%〜約0.3質量%の量で、該掘削孔補修用組成物中に存在する。 以下では、本開示は、流体損失用添加剤としてのAGPの使用について言及する。

    ある態様では、前記掘削孔補修用組成物は、さらに従来の凝結遅延剤を含む。 本明細書では、従来の凝結遅延剤とは、セメント系材料の水和反応の開始を遅らせる働きをする材料のことをいい、本明細書に開示されているタイプのAGPは含まない。 従来の凝結遅延剤の例としては、有機酸、有機酸のアルカリ金属塩、カルボキシヘキソース(carboxy hexose)、並びに、対応するラクトン、多価金属塩(例えば、多価金属ハロゲン化物)、及び同類のものが含まれるが、これらに限定されるものではない。 カルボキシヘキソースの例としては、グルコン酸、グルクロン酸、及びそれらの組み合わせが含まれる。 ヘキソースラクトンの例としては、グルコノラクトン(glucanolactone)が含まれる。 従来の凝結遅延剤として働き得る有機酸及びその塩の例としては、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グルコン酸、オレイン酸、尿酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されるものではない。 凝結遅延剤としての多価金属ハロゲン化物の使用は、例えば米国特許出願公開第2008/018264号明細書により詳細に記載されており、これは全体として参照することにより本明細書に組み込まれる。

    ある態様では、CAC及びAGPを含む掘削孔補修用組成物はまた、流体損失制御促進剤をふくんでもよい。 該流体損失制御促進剤は、AGPによる流体損失制御の効率を向上させるように働き得る。 流体損失制御促進剤として適切に機能し得る材料には、スラリーのpHを低下させる酸性物質、スラリーのpHを所望のpH値において緩衝する物質、又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩が含まれる。 さらに該流体損失制御促進剤は、CAC組成物中に存在する他の添加剤の機能に悪影響を及ぼさない材料と特徴付けられてもよい。 例えば、本開示において使用するのに適した流体損失制御促進剤は、前述の有機酸又は金属ハロゲン化物の凝結遅延剤と同様の方法で作用するような顕著な凝結遅延剤としては機能しないだろう。 本開示において使用するのに適した流体損失制御促進剤の非限定的な例としては、グリコール酸、酪酸、酢酸、塩化ナトリウム、及び塩化カルシウム、並びに、それらの組み合わせが含まれる。

    本開示における流体損失制御促進剤としての使用のために適した材料は、それらの存在がスラリー特性へ及ぼす効果を任意の適切な方法を利用して測定することにより、特定され得る。 高レベルの酸性凝結遅延剤又はハロゲン化物塩、例えば、クエン酸若しくはグルコン酸のような有機酸凝結遅延剤、又は、塩化ナトリウムのようなハロゲン化物塩を必要とする高温適用においては、凝結遅延剤はそれ自身が流体損失制御促進剤として働いてもよい。 金属ハロゲン化物タイプの凝結遅延剤を利用する状況においては、顕著な追加の遅延効果をもたらさない酸性流体損失制御促進剤を含んでもよく、逆の場合もまた同様である。 あるいは、金属ハロゲン化物凝結遅延剤、有機酸凝結遅延剤、及び、酸性又は塩タイプの流体損失制御促進剤の任意の組み合わせを、AGPと併せて用いてもよい。

    掘削孔補修用組成物は、ポンプでくみ上げられるようなスラリーを形成するのに十分な量の水を含み得る。 該水は、淡水又は塩水、例えば、不飽和塩水溶液、又は、塩水若しくは海水のような飽和塩水溶液であってもよい。 該水は、セメントの質量に対して、約20質量%〜約180質量%、あるいは約28質量%〜約60質量%の量で存在していてもよい。 水の量は、セメントスラリーの所望の濃度及び所望のスラリーレオロジー、並びに、本開示を用いて当業者により決定され得るようなものに依存してもよい。

    掘削孔補修用組成物中には、その特性を改善又は変化させるために、添加剤を含んでもよい。 そのような添加剤の例としては、消泡剤、発泡性界面活性剤、流体損失用薬剤、増量材、ラテックスエマルション、分散剤、ガラス化した頁岩、又は、シリカ微粉、砂及びスラグ、層調整剤、中空ガラス、セラミックビーズ、若しくはそれらの組み合わせのような他の充填材が含まれるが、これらに限定されるものではない。 機械的性質をさらに修正するために、例えば、エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、鉱物繊維などの他の機械的性質修正添加剤が添加されてもよい。 これらの添加剤は、単独で又は組み合わせて含まれてもよい。 これらの添加剤を導入する方法及びそれらの有効量は、本開示を用いて当業者に公知である。

    ある態様では、掘削孔補修用組成物は、水、AGP、及び、CACの全質量に基づいてAl 23の量が60質量%より多いCACを含む。 ある態様では、該掘削孔補修用組成物は、該組成物の全質量に基づいて約20質量%〜約40質量%の量のCAC、該組成物の全質量に基づいて約20質量%〜約40質量%の量のフライアッシュ、該組成物の全質量に基づいて約5質量%〜約15質量%の量のポリリン酸のアルカリ塩、該CACの質量に基づいて約0.2質量%〜約2質量%の量のAGP、及び、該組成物の全質量に基づいて約25質量%〜約60質量%の量の水を含む。 ここで、該組成物の全質量とは、固体及び液体成分の全質量のことをいう。

    ある態様では、前記掘削孔補修用組成物は、ポートランドセメント及び/又はソレルセメントを除外する。 ある態様では、該掘削孔補修用組成物は、該組成物の全質量に基づいて約10、5、4、3、2、1、0.1、0.01、又は0.01質量%以下のポートランドセメント及び/又はソレルセメントを含む。

    ある態様では、前記掘削孔補修用組成物は、本明細書で前述したそれぞれのタイプのCAC及びAGPを含み、以下COMPと表される。 該COMPは、地下層内へ配置され堅い塊へと凝固できるセメントスラリーとして調製され得ると考えられる。 ある態様では、本明細書に記載されているタイプのセメント質のスラリー(すなわち、COMP)を調製する方法は、その工程の要求に対応できる限度で任意の順序によりCOMPの成分を接触させることを含む。 例えば、COMPは、AGPが固体状態である場合には、該AGPと、乾燥混合物を形成する組成物中に含まれるべき他の個体材料とを乾燥混合し、次にCOMPの液体成分と接触させられることで調製されてもよい。 別の方法では、AGPが固体若しくはエマルション状態、又は水溶液である場合には、該AGPは、他のCOMPの成分より前に、それらと同時に、又はそれらに続いて、COMPの液体成分に添加されてもよい。 COMPの構成成分は、前記組成物に対応できる任意の混合装置、例えば、バッチミキサー、又は、高用量セメント生産のための持続フィードラインを備えている再循環セメントミキサー(recirculating cement mixer)(RCM)を利用して、接触させてもよい。

    前記COMPは、高温の掘削孔内における流体損失制御を提供する能力によって特徴付けられ得る。 ある態様では、該COMPは、約10cc/30分〜約600cc/30分、あるいは約10cc/30分〜約500cc/30分、あるいは約30cc/30分〜約300cc/30分、又は約50cc/30分〜約150cc/30分の流体損失を示し得て、ここで流体損失測定は、ANSI/API推奨基準10B−2(以前の10−B)、第1版、2005年7月、に推奨されている仕様に従って実行され計算された。 さらに、該COMPは、例えば、約10°C[約50°F]〜約260°C[約500°F]、あるいは約49°C[約120°F]〜約260°C[約500°F]、あるいは約66°C[約150°F]〜約150°C[約300°F]、あるいは約82°C[約180°F]〜約120°C[約250°F]という幅の広い温度範囲に適用され得る。

    本明細書に開示されているCOMPは、いかなる目的に対しても用いることができる。 ある態様では、該COMPは、地下層を貫通する掘削孔を補修するために、掘削孔補修用組成物として用いられる。 「地下層」は、露出した地球の下側領域と海又は淡水のような水で覆われた地球の下側領域の両方を含むと理解されるべきである。 掘削孔を補修するとは、掘削孔内に該COMPを配置して、掘削孔の一部分から酸性ガスを含んでも含まなくてもよい地下層を分離すること、掘削孔内の導管を支持すること、導管内の隙間又は割れ目を塞ぐこと、掘削孔のアニュラスに配置されたセメントの外筒内の隙間又は割れ目を塞ぐこと、穿孔を塞ぐこと、セメントの外筒と導管の間の隙間を塞ぐこと、隙間、小空洞区域(vugular zone)、又は裂け目のような循環損失区域(loss circulation zone)への水性又は非水性掘削流体の損失を防ぐこと、放棄のために坑井を塞ぐこと、処理流体の迂回のための臨時隔壁、そして、掘削孔と拡張パイプ又は一連のパイプの間のアニュラスを封印することを含むが、これらに限定されるものではない。 例えば、該COMPは、循環損失区域内で凝固し、それによって循環を回復させ得る。 凝固した組成物は、該区域を塞いでそれ以降送り込まれた掘削流体が損失することを阻害し、さらに掘削することを可能にする。 地下区域を封印するために掘削孔内に組成物を導入する方法は、例えば米国特許第5,913,364号明細書、第6,167,96号明細書、及び第6,258,757号明細書に記載されており、これらはそれぞれ全体として参照することにより本明細書に組み込まれる。

    ある態様では、前記COMPは、一次及び二次セメンチング作業のような坑井仕上げ作業で用いてもよい。 該組成物は、掘削孔のアニュラス内へと配置し、掘削孔の異なる部分から地下層を分離するように凝固させてもよい。 そうして、該COMPは、地下層内の流体が他の地下層内へと移行するのを防ぐ障壁を形成する。 アニュラス内では、流体は、掘削孔内で導管、例えばケーシングを支持するのにも役立つ。

    ある態様では、COMPが配置される掘削孔は、マルチラテラル掘削孔構造に属する。 マルチラテラル掘削孔構造とは、中心の掘削孔から放射状に広がった1本又はそれ以上の枝掘り掘削孔(wellbore branch)を有する1本の坑井のことをいうと理解されるべきである。 しばしばスクイズセメンチング(squeeze cementing)とも呼ばれる二次セメンチングにおいては、COMPは、掘削孔内に戦略的に配置され、導管内の隙間又は割れ目を塞ぐ、アニュラスに存在している硬化シーラント(例えば、セメントの外筒)内の隙間又は割れ目を塞ぐ、硬化シーラントと導管の間のマイクロアニュラスとして知られている比較的小さな開口部を塞ぐなどのように、シーラント組成物として作用し得る。 掘削孔内で掘削孔補修用組成物を使用するのに付随し得る種々の手順は、例えば米国特許第5,346,012号明細書及び第5,588,488号明細書に記載されており、これらは全体として参照することにより本明細書に組み込まれる。

    本開示は一般的に記載されているが、以下の実施例は、該開示の特定の態様として与えられており、それらの実践及び利点を説明するためのものである。 実施例は例示として与えられており、いかなる方法によっても本明細書又は本特許請求の範囲を限定することを意図するものではないと理解される。

    (実施例1)
    種々のポリマーが酸性溶液の粘度に及ぼす効果が調査された。 1%ポリマー濃度の酸性ゲル化ポリマー溶液は、24時間撹拌することで、水、5%塩酸、又は5%酢酸のいずれかで調製された。 得られた水溶液の粘度は、表1に示されている温度において、#2スピンドルを用いBrookfield LVT粘度計で測定された。 試料1は、Halliburton Energy Services,Inc. から市販されているカチオン性デンプンであって、アルミナ含量が約60%であるアルミン酸カルシウムセメントを含むCACセメントスラリー組成物に有効な流体制御剤であることが知られているFDP 662を含んでいた。 試料2は、非イオン性のランダムコイルバイオポリマーのスクレログルカンを含んでいたが、試料3は、弱アニオン性バイオポリマーであるジウタンを含んでいた。 試料4は、ペクチン酸塩(pectinate)であるGENU USP 100を含んでいた。 試料5〜7は、表示されたSGAポリマーを含み、試料8は、Dow Chemical Companyから市販されているポリエチレン・オキシドであって水粘性化合成ポリマーとして働く、鉱業用途のためのUCARFLOC 302凝集剤を含んでいた。 結果を表1に示す。

    表1

    *注記:82°C[180°F]で1時間加熱後に650cP[0.65Pa・s]、82°C[180°F]で2時間加熱後には350cP[0.35Pa・s]に低下。 室温まで冷却後には、粘度は600cP[0.6Pa・s]だった。 最終濃度5%での酢酸を用いて冷却溶液を酸性化した後には、粘度増加は認められなかった。

    結果は、らせん状バイオポリマーであるスクレログルカン又はジウタンを有する試料(試料2、3)は、添加した酸性溶液の粘度を著しく上昇させたが、ろう状のトウモロコシデンプン(FDP 662)又はペクチン酸塩(GENU USP 100)ポリマー(試料1及び4)のようなランダムコイルバイオポリマーを含む試料は、酸性流体に添加しても、著しい粘度上昇をもたらさなかったことを示している。 調査された合成AGP(試料5〜7)もまた、それらの荷電性に関係なく、酸性溶液の粘度を上昇させた。 従来の合成水溶液粘性化剤(viscosifier)であるUCARFLOC 302は、その他のAGPと同じ程度までには酸性溶液の粘度を上昇させなかった。

    (実施例2)
    種々のセメント組成物の流体損に及ぼすAGP添加の効果が調査された。 表2に示されている量で流体損失用添加剤及び凝結遅延剤を含むように、アルミン酸カルシウムセメントスラリーが調製された。 該スラリーは、SGA油性エマルションを他の液体添加剤とともに混合水中に添加し、続いてアルミン酸カルシウムセメントの乾燥混合物を添加することで、15ppg[1800kg/m 3 ]の密度に調製された。 具体的には、各試料は、アルミナ含量が約70%のアルミン酸カルシウムセメントを450グラム、水を160グラム、及びCFR−3セメント摩擦低減剤を24.5グラム含んでいた。 この混合物に対して、1グラムのD−Air 3000L消泡剤及びAPI計画のとおりに混合されたスラリーが添加された。 CaCl 2 、NaCl、又はFe−2のような追加成分が、表2に示されているように存在している。 CFR−3セメント摩擦低減剤は分散剤であり、Fe−2鉄イオン封鎖剤は添加剤であり、D−AIR 3000L消泡剤はセメンチング消泡剤であって、これらのすべてはHalliburton Energy Services,Inc. から市販されている。 流体損失は、その関連部分が参照することにより本明細書に組み込まれるANSI/API推奨基準10B−2(坑井セメントを試験するための推奨基準)、第1版、2005年7月、に従って測定された。 セメント組成物の流体損失における種々の非酸性ゲル化ポリマーの含有の効果は、表3に示されている。

    表2

    *%bwoca=アルミン酸カルシウムの質量%


    **%bwoc−=全セメント系材料の質量%

    表3

    FR 56は、Halliburton Energy Services,Inc. から市販されている、約30%が加水分解された高分子量ポリアクリルアミドの油性エマルションである。 FR 48Wは、Halliburton Energy Services,Inc. から市販されているカチオン性ポリアクリルアミドである。 SUPERFLOC HX 800加工ポリマーは、Cytecから市販されているヒドロキサム酸化(hydroxaminated)ポリマーである。 PYRATEX 241は、Latex Co. から市販されているカチオン性ラテックスである。 JAGUAR C−17グアーガムは、Rhodiaから市販されている、塩化ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムを含むグアーゲルである。 FDP 862は、Nalcoから市販されているアニオン性/カチオン性流体損失用添加剤である。 鉱業用途のためのUCARFLOC凝集剤は、Dow Chemical Companyから市販されているポリエチレン・オキシドである。 CELVOLポリビニルアルコールは、Sekisui Specialty Chemicalsから市販されているポリビニルアルコールである。 ペクチンは、CP Kelcoから市販されているペクチン酸塩組成物である。 ALCOGUM L 520レオロジー調整剤は、Alco Chemicalsから市販されている疎水的に改質された膨潤性ポリマーである。 VERSA TL 502性能ポリマーは、Akzo Nobelから市販されているスルホン化ポリマーである。 WG 33ゲル化剤は、Halliburton Energy Services,Inc. から市販されているヒドロキシエチルセルロースである。 HPT−1は、Halliburton Energy Services,Inc. から市販されている両性イオン性疎水性ポリマーである。 そして、N Vis HBセルロース系バイオポリマーは、Baroidから市販されている微小繊維状セルロース系材料である。 効果的な流体損失制御剤は、それらが酸性溶液、特に有機酸を含んでいるものの粘度を上昇させるという観察によって特徴付けられる。 表1及び表2の結果を比較すると、効果的な流体損失制御添加剤である酸性粘性化ポリマーは、濃度約1%で存在した場合に、5%酢酸の粘度を220cP[0.22Pa・s]より高く上昇させることが示される。 また、表2の結果は、ある種のAGPポリマー、例えばSGA IIIにとっては、流体損失制御は、有機酸(Fe−2)凝結遅延剤と比べて塩化カルシウムを凝結遅延剤として用いた場合に増強されるが、他のAGP、例えばSGA Vにとっては、流体損失制御は、金属ハロゲン化物凝結遅延剤と比べて有機酸凝結遅延剤により増強されることも示している。 該結果は、有機酸と多価金属ハロゲン化物は、そのセメント組成物の凝結を遅延させる能力に関係なく、AGPポリマーと組み合わせて流体損失制御促進剤として使用することができることを示している。 また、該結果は、ポリマーによる流体損失制御はポリマーの荷電性と無関係であることも示している。

    (実施例3)
    AGPを含む組成物の流体損失及びレオロジー特性が調査された。 15ppg[1800kg/m 3 ]のCAC組成物は、100%bwocのアルミナ含量が約70%であるアルミン酸カルシウムセメント、0.20gps[0.018リットル/キログラム]のSGA−V、0.50%bwocのクエン酸、及び2.0%bwocのCFR−3セメント摩擦低減剤を用いて調製された。 組成物のレオロジーは、F1スプリングを用いて粘度を測定することによって調べられ、他方、流体損失は、外気温から82°C[180°F]の範囲の温度でFANN Model 35粘度計を用いて測定された。 表4は、組成物のレオロジー及び流体損失特性について温度を変化させたときの結果を提示しており、他方、表5は、流体損失及びレオロジー特性について流体損失用添加剤の濃度を変化させたときの結果を提示している。 これらの結果は、非酸性ゲル化ポリマー、例えばFDP 662又はLATEX 2000を流体損失用添加剤として用いた組成物、すなわち表6と比較することができる。 セメントの密度が13ppg[1600kg/m 3 ]まで減少すると、流体損失制御が改善される結果となり、このデータは表7に提示されている。

    表4

    表5

    表6

    *0.010gps[8.9×l0

    -4リットル/キログラム]のSTABILIZER 434B及び0.10%のCFR−3が、LATEX 2000添加剤に加えられた。 STABILIZER 434Bラテックス安定化剤は、Halliburton Energy Services,Inc. から市販されている液体材料である。

    FDP 662は、Halliburton Energy Services,Inc. から市販されているカチオン性デンプンである。 LATEX 2000 エマルションは、Halliburton Energy Services,Inc. から市販されているスチレン/ブタジエンコポリマーラテックスである。 前記アニオン性多糖は、アニオン性セルロースである。 そして、Na−CMCは、カルボキシメチルセルロースナトリウムである。

    表7

    (実施例4)
    アルミン酸カルシウムセメントスラリーに及ぼす多糖バイオポリマーをベースにしたゲル化添加剤の効果が調査された。 特に、水及びセメントを含むアルミン酸カルシウムセメントスラリーは、実施例2のようにして調製された。 表8に示されている量とタイプである多糖バイオポリマー及び凝結遅延剤が、該スラリーに添加された。 流体損失は、本明細書ですでに述べたようにして82°C[180°F]で測定された。

    表8

    *スラリーのpHは、リン酸を添加して6.6〜5.3に低下した。


    **BOZANは、Kelco Oil Filed Groupから市販されている高分子量バイオポリマーである。

    結果は、酸性ゲル化ポリマーが、高アルミナセメントの流体損失を効果的に制御することを明らかにしている。 表8の結果はそのようなバイオポリマーを示しており、該結果を表3に掲載されている修飾バイオポリマー(試料5、9、12、及び14)のものと比較すると、らせん状バイオポリマーが、CACスラリーの流体損失制御を与えるのにより有効であることが明らかにされる。 加えて、これらのらせん状バイオポリマーはまた、表1に示されているように、例えばFDP 662であるランダムコイル型のバイオポリマーと比較して、酸性溶液の粘度を上昇させるのにも有効である。 前記結果はまた、ある種のAGPポリマー、例えばジウタンにおいては、有機酸と比較してハロゲン化物塩が存在しているときに、流体損失制御が増強されるが、他のバイオポリマー、例えばキサンタンにおいては、反対の効果が観察されることも明らかにしている。 この知見の利益によって、流体損失制御機能を増強するために、AGPバイオポリマーと凝結遅延剤と流体損失制御促進剤の適切な組み合わせを作製することができる。

    本開示の態様が示されて記載されてきたが、本開示の範囲及び教示から逸脱しない範囲で、当業者であればそれを変更することができる。 本明細書に記載された態様は例示的なものにすぎず、限定していることが意図されているものではない。 本開示の多くの変形や変更が可能であり、本開示の範囲内に存在する。 数値範囲又は限定が明示的に述べられている場合には、そのような明白な範囲又は限定は、明示的に述べられている範囲又は限定に属する大きさと同様の反復範囲(iterative range)又は限定を含む(例えば、約1〜約10とは、2、3、4などを含み、0.10より大きいとは、0.11、0.12、0.13などを含む。)と理解されるべきである。 例えば、下限値R L及び上限値R Uを有する数値範囲が開示されている場合はいつでも、該範囲に属する任意の数値が具体的に開示されている。 特に、該範囲内の次の数値、R=R L +k*(R U −R L )、ここで、kは、1パーセント〜100パーセントの範囲で1パーセントずつ増加して可変、すなわち、kが、1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、・・・、50パーセント、51パーセント、52パーセント、・・・、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、又は100パーセントであるものが具体的に開示されている。 さらに、上で定義したRの数値2つによって定められる任意の数値範囲もまた、具体的に開示されている。 クレームの任意の要素に関して「適宜」という用語を使用することは、対象要素が必要とされているか又は必要とされていないことが意図されている。 どちらの選択肢も、クレームの範囲内に入ることが意図されている。 含む(comprises)、含む(includes)、有する(having)などのような上位語を使用する場合は、から成る(consisting of)、から本質的に成る(consisting essentially of)、から実質的に成る(comprised substantially of)などのような下位語が支持されていると理解すべきである。

    したがって、保護される範囲は、上述の説明によっては限定されず、続く特許請求の範囲によってのみ限定され、特許請求の範囲の主題のすべての均等物を含む範囲である。 クレームの1つ1つが、本開示の態様として本明細書に組み込まれる。 それゆえに、該クレームは、さらなる説明であり本開示の態様を追加するものである。 本明細書で議論されている参考文献は、本開示の先行技術であると認めるものではなく、発行日がこの出願の優先日後である参考文献については特にそうである。 本明細書で引用されているすべての特許、特許出願、及び刊行物の開示は、本明細書に記載されたものに追加の例示、手順、又は他の詳細な事項を提示する限度において、これによって参照することにより本明細書に組み込まれる。

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