Mortar-based restoring material

申请号 JP2007253434 申请日 2007-09-28 公开(公告)号 JP2009084092A 公开(公告)日 2009-04-23
申请人 Taiheiyo Material Kk; 太平洋マテリアル株式会社; 发明人 SAEKI TOSHIYUKI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a mortar-based restoring material which is excellent in workability in manufacturing and restoring construction, is suitable especially for plastering such as troweling, is substantially free from deterioration in strength, deformation, floating, exfoliation, and cracking for a long term after restoring construction, and is excellent also in durability.
SOLUTION: The mortar-based restoring material contains hollow inorganic particles with particle diameters of ≤50 μm which contain Al
2 O
3 of 15-40 mass% and SiO
2 of 40-90 mass% as chemical components, a cellulose-based water retaining agent, an expansive material and metakaolin having a Blaine specific surface area of 8,000-120,000 cm
2 /g.
COPYRIGHT: (C)2009,JPO&INPIT
权利要求
  • 化学成分としてAl 23を10〜40質量%及びSiO 2を40〜90質量%含む粒径50μm以下の中空状無機粒子、セルロース系保水剤、膨張材及びブレーン比表面積8000〜120000cm 2 /gのメタカオリンを含有してなるモルタル質修復材。
  • さらに、ポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂、ポゾラン反応物質、繊維、減水剤の何れか1種又は2種以上を含有してなる請求項1記載のモルタル質修復材。
  • 说明书全文

    本発明は、主にモルタルやコンクリート製の構造物や建築物等の破損部位などを修復するために使用するモルタル質の修復材に関する。

    モルタルやコンクリート建造物の断面修復用モルタルに、施工作業性改善剤として石綿が使用された時期があった。 その後、安全上の問題から、石綿に代わる素材としてフライアッシュ、シリカフューム、珪酸塩鉱物の加熱発泡体等を用い、施工作業性を確保したモルタル質修復材が提案されてきた。 (例えば、特許文献1参照。)しかし、このようなシリカ質物質は、混和量を増すに連れて、施工後の乾燥収縮が大きくなり、ひび割れ、浮き、剥離などの現象が起こり易く、耐久性の良い施工物を得難かった。 機械的耐久性強化策として、シリカフュームやフライアッシュ等のポゾラン反応物質で組織を緻密化し、併せて収縮低減剤と減剤を使用した上で水の配合割合を低くすれば200N/mm 2程度の非常に高い圧縮強度も得られることが知られている。 (例えば、特許文献2参照。)しかし、この高強度モルタルは、長時間の蒸気養生も必要なため、修復材には不向きである。 ポリマーディスパージョンや再乳化粉末樹脂を混和使用すると、変形追従性や付着性を高めることができ、断面修復等の左官施工に適した性状のモルタルが得易くなる。 ポリマーディスパージョンや再乳化粉末樹脂の含有に加え、膨張材と収縮低減剤も加えて収縮を抑え、変形、ひび割れ、剥離等の発生といった劣化現象を解消し、鏝施工による厚付けも可能なポリマーモルタルが知られている。 (例えば、特許文献3参照。)また、ポリマーモルタルにシリカフューム、フライアッシュやメタカオリン等と、膨張材及び大量のスラグ微粉を併用し、高密化による長期強度向上やひび割れ抑制といった機械的耐久性強化に加え、硫酸抵抗性等の化学的耐久性も備えた断面修復材も知られている。 (例えば、特許文献4参照。)しかるに、前者は劣化部をはつり取った後に修復使用されるポリマーセメントモルタルであり、施工には型枠設置が必要なことから、曲面部等の修復施工等は甚だ困難である。 また、後者は機械的及び化学的耐久性を強化する上で、比表面積の大きいスラグ粒を大量に含み、その結果結合材の嵩比重が減少することから、注水前の混合作業性が著しく低下する。 混合作業性改善のためのスラグ種と量の変更は持続性のある高い耐久性を得る上で支障を生じ易く、一方で製造時や施工時の作業性に優れることも実用的見地からは修復材にとって必要不可欠の性質である。

    特開2001−139357号公報

    特開2001−181004号公報

    特開2005−336952号公報

    特開2007−161507号公報

    本発明は、製造時や修復施工時の作業性が良好なモルタル質の修復材であり、とりわけ鏝塗り等の左官施工に適した修復材であって、施工後は長期に渡り、強度低下、変形、浮き、剥離及びひび割れといった現象が実質見られず、耐久面においても優れたモルタル質修復材を提供することを課題とする。

    本発明者は、課題解決のため鋭意検討を重ねた結果、Al 23とSiO 2を化学成分として特定量含み、且つ特定の粒径からなる中空状無機粒子に、メタカオリン、膨張材とセルロース系保水剤を併用してなるセメント系モルタル質修復材が、製造時や施工時の作業性が良好で、特に鏝塗り等の左官施工性に優れ、且つ長期に渡り、高い強度を発現でき、且つひび割れや剥離等の発生も十分抑制でき、優れた耐久性を示すに至ったことから本発明を完成させた。

    即ち、本発明は、化学成分としてAl 23を10〜40質量%及びSiO 2を40〜90質量%含む粒径50μm以下の中空状無機粒子、セルロース系保水剤、膨張材及びブレーン比表面積8000〜120000cm 2 /gのメタカオリンを含有してなるモルタル質修復材である。

    また、本発明は、ポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂、ポゾラン反応物質、繊維、減水剤の何れか1種以上を含有してなる前記モルタル質修復材である。

    本発明のモルタル質修復材は、例えばコンクリート構造物の断面修復等に対する左官施工による作業性に優れるため、修復部位やその形状等の施工上の制約を受け難く、さらには注水前の混合作業性にも優れるためプレミックスモルタル修復材としての製造使用も容易にでき、また、長期間に渡り耐久性に優れた修復物を容易に形成できる。

    本発明のモルタル質修復材は、化学成分としてAl 23を10〜40質量%及びSiO 2を40〜90質量%含み、且つ粒径が50μm以下である中空状無機粒子を含有する。 当該中空状無機粒子を含有することで、これがセメントの水和反応生成物である水酸化カルシウムと水の存在下で容易に反応し、CaO−SiO 2 −Al 23 −H 2 Oゲルを高生成率で生成できる。 CaO−SiO 2 −Al 23 −H 2 Oゲルが生成すると、硬化後の組織が緻密になり、強度を初めとする機械的耐久性を強化できる。 中空状無機粒子の化学成分としてのAl 23含有量が15質量%未満、又はSiO 2含有量が40質量%未満では機械的耐久性強化に繋がるCaO−SiO 2 −Al 23 −H 2 Oゲルの生成量を確保できないので好ましくない。 また、中空状無機粒子の化学成分としてのAl 23含有量が40質量%を超える、又はSiO 2含有量が90質量%を超える場合も、長期的な強度発現性向上に繋がる程のCaO−SiO 2 −Al 23 −H 2 Oゲルの生成量を確保できないので好ましくない。 該無機粒子は、SiO 2とAl 23以外の化学成分を含有しても良い。 また、粒径が50μmを超える粒子では反応活性が低く、水酸化カルシウムとの反応が進まないので好ましくない。 粒径の下限は特に限定されないが、取扱性や混合し易さの点からは概ね1μmが望ましい。 また、非中空構造であると、反応活性が低くなる他、モルタル質修復材の重量増加、鏝作業時に潰れ難い等の理由で施工作業性が低下し、好ましくない。 粒径の約5%以下の厚みの殻からなる中空状球形粒子が好ましい。 中空状球形粒子を得る方法は何等限定されないが、工業的に得る方法の一例を挙げると、SiO 2とAl 23を化学成分として含む鉱物質粉末に、必要によりSiC等の発泡助剤を加え、略球形状に成形し、該成形球を嵩比重が概ね0.08〜0.35になるよう加熱発泡せしめることで得られる。

    中空状無機粒子のモルタル質修復材中の含有量は、0.5〜3質量%が好ましい。 0.5質量%未満では強度発現性や施工作業性が向上し難くなるので適当ではなく、3質量%を超えるとモルタル質修復材の単位容積質量が低下し、相対的に単位水量が上昇して高強度が得難いので適当ではない。

    本発明のモルタル質修復材はセルロース系保水剤を含有する。 セルロース系保水剤はモルタルやコンクリートに使用できるものなら何れのものでも良く、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸エステル等の水溶性セルロース誘導体が挙げられる。 セルロース系保水剤の使用で施工後も適度な保水状態を相当時間保てるため急激な乾燥収縮を防ぐことができる。 また、注水時の混練性も良好になり、また鏝施工に適した流動性も発現し易い。 セルロース系保水剤の含有量は、0.05〜0.15質量%が好ましい。 0.05質量%未満では、適切な保水性を付与できないため適当ではなく、また0.15質量%を超えると粘性が上昇し過ぎて施工性が低下することがあるので適当ではない。

    また、本発明のモルタル質修復材は膨張材を含有する。 膨張材は水和反応等によって反応前より体積増加した固形状生成物となるものであれば特に限定されない。 具体的には生石灰を膨張有効成分とするものやカルシウムサルホアルミネート等のエトリンガイト相形成物質を有効成分とするものが例示される。 膨張材の含有により収縮による亀裂発生を抑制できる。 膨張材のモルタル質修復材中の含有量は、1〜2質量%が好ましい。 1質量%未満では収縮による容積減少や亀裂発生を抑制し難くなる。 また2質量%を超えると、過膨張や低温下で遅れ膨張を起こすことがあるので適当ではない。

    本発明のモルタル質修復材はメタカオリンを含有する。 メタカオリンは、含水粘土鉱物であるカオリナイトから例えば加熱処理でその脱水によって無水化鉱物であるムライトが形成されるまでに出現する中間体であり、本発明ではブレーン比表面積8000〜120000cm 2 /gのメタカオリンを使用する。 好ましくは、必要な反応活性を確保できることから、カオリナイトを400℃〜700℃の加熱にて得られた前記ブレーンのメタカオリンを使用する。 このようなブレーンのメタカオリンの含有により、前記中空状無機粒子及びセメントと反応してCaO−SiO 2 −Al 23 −H 2 O系ゲルが大量且つ容易に生成され、強度発現性が高まり耐久性が強化される。 ブレーン比表面積8000cm 2 /g未満ではCaO−SiO 2 −Al 23 −H 2 O系ゲルの生成効率が低下する他、密な施工物が得難く、十分な耐久性が得られないので好ましくない。 また、ブレーン比表面積120000cm 2 /gを超えると、適切な鏝作業性を得る上で単位水量の増加が不可欠となるため、高い強度発現性が得られず好ましくない。 特にカオリナイトを400℃〜900℃で加熱して得られたメタカオリンでは、CaO−SiO 2 −Al 23 −H 2 Oゲルがより高い生成率で得られる。 本モルタル質修復材中のメタカオリン含有量は、1〜4質量%が好ましい。 1質量%未満では耐久性強化のために十分な量のCaO−SiO 2 −Al 23 −H 2 O系ゲルが確保できないので適当ではなく、4質量%を超えると、左官施工で良好な作業性を確保しようとすると、モルタル質修復材の単位水量を増す必要があり、強度低下するので適当ではない。

    また、本発明の修復材はモルタル質であり、セメントを主要硬化成分とし、細骨材とフレッシュ状態形成で水を要する。 本発明のモルタル質修復材に使用するセメントは特に限定されず、例えば普通、早強、超早強、中庸熱、低熱等のポルトランドセメント、高炉セメントやフライアッシュセメント等の各種混合セメント、白色セメントやエコセメント等の特殊セメントを挙げることができる。 好ましくは、修復効果が比較的早く発揮されることから早強ポルトランドセメントを使用する。 早強ポルトランドセメントは普通ポルトランドセメントと併用し、その配合割合を調整することにより最善の強度発現性と施工性を得ることも可能である。 セメントのモルタル質修復材中の含有量は、36〜45質量%が好ましい。 36質量%未満では硬化相が不足し、強度が低くなるので適当ではない。 45質量%を超えると、乾燥収縮が大きくなり、ひび割れ等が発生する虞れがあることから適当ではない。

    また、本発明のモルタル質修復材に使用する細骨材は特に限定されず、例えば、川砂、山砂、海砂、砕砂、火山礫等の天然細骨材の他、エチレンビニル等の高分子樹脂を含有してなる人工軽量細骨材などを挙げることができる。 好ましくは、修復後の施工物の耐久性向上が図り易いことから天然の普通細骨材の使用が望ましい。 細骨材の含有量は、モルタル質修復材中のセメント100質量部に対し、概ね45〜60質量部が好ましい。 45質量部未満では乾燥収縮量が大きくなり、ひび割れ発生の虞があるので適当ではない。 細骨材含有量が60質量部を超えると、骨材過剰となって強度低下するので適当ではない。

    また、本発明のモルタル質修復材は、前記各成分に加えて、ポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂、ポゾラン反応物質、繊維、減水剤の何れか1種又は2種以上を含有するものが好ましい。

    本発明のモルタル質修復材に含有できるポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂は、モルタルやコンクリートに使用できるポリマーディスパージョンや再乳化粉末樹脂であれば特に限定されない。 ポリマーディスパージョンは、例えばJIS A 6203に規定されているポリマーディスパージョンを使用でき、具体的にはポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン又はエチレン酢酸ビニルを有効成分とするものを例示できる。 また、再乳化粉末樹脂は、例えばJIS A 6203に規定されている再乳化粉末樹脂を使用でき、具体的にはポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステルを有効成分とするものを例示できる。 ポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂の含有により駆体への付着、曲げ強度、ひび割れ抵抗、変形追従性等の性状を向上・強化できる。 モルタル質修復材中のポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂の含有量は、固形分換算で0.01〜4質量%が好ましい。 0.01質量%未満では配合効果が実質現れない。 また、4質量%を超えると、粘性が高くなり過ぎて製造作業性や施工性が低下する。

    また、本発明のモルタル質修復材に含有できるポゾラン反応物質は、モルタルやコンクリートに使用でき、水存在下でポゾラン反応を起こす物質であれば特に限定されない。 具体的には、例えばシリカフューム、フライアッシュ、スラグ微粉等を挙げることができる。 ポゾラン反応物質の含有で施工物が緻密化し、長期的に耐久性が向上する他、鏝作業性が向上する。 モルタル質修復材中のポゾラン反応物質の含有量は、1〜10質量%が好ましい。 1質量%未満では配合効果が実質現れない。 また10質量%を超えると、施工に適さなくなるほど流動性が低下したり、ひび割れを起こす虞がある。 シリカフュームはブレーン比表面積で約20万cm 2 /gのものが好ましく、フライアッシュはブレーン比表面積で約2500cm 2 /gのものが好ましい。 スラグ微粉は例えば高炉スラグや廃棄物溶融スラグ等で、ブレーン比表面積が4000cm 2 /g程度の粉末が好ましい。

    また、本発明のモルタル質修復材に含有できる繊維は、モルタルやコンクリートに使用できる繊維であれば特に限定されず、例えば鋼繊維、ビニロン、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル等の材質からなる高分子繊維、炭素繊維、耐アルカリガラス等の材質からなるセラミックス繊維を挙げることができる。 繊維の含有により厚付け施工性とひび割れ抵抗性が向上する。 モルタル質修復材中の繊維の含有量は、1〜10質量%が好ましい。 1質量%未満では配合効果が実質現れない。 また10質量%を超えると、流動性が低下するために単位水量を増やと、乾燥ひび割れや強度低下が起こり易くなる。

    また、本発明のモルタル質修復材に含有できる減水剤は、モルタル又はコンクリートで使用できるものなら何れのものでも良く、単に減水剤と称されているものの他、例えば高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤又は分散剤と称されるものでも使用できる。 成分的には、ナフタレンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系、リグニンスルホン酸系又はポリカルボン酸系等を有効成分とするものを例示できる。 この中でもナフタレンスルホン酸系減水剤が厚付け性が良好な修復材が得られ易いことから好ましい。 減水剤の含有で水量を増加させずに塗り付け施工に適したフレッシュ状態が容易に得られることから強度低下防止や乾燥ひび割れ発生の抑制もでき、耐久性向上を図ることができる。 モルタル質修復材中の減水剤の含有量は、固形分換算で0.25〜0.40質量%が好ましい。 0.25質量%未満では配合効果が実質現れない。 また0.40質量%を超えると、材料分離を起こし、硬化性状が著しく悪化する。

    また、本発明のモルタル質修復材は前記成分以外の成分をさらに含有するものでも良く、例えば、収縮低減材、凝結遅延剤、凝結促進剤、撥水剤、消泡剤、抗菌剤等を挙げることができる。 これらの成分は、本発明の効果を実質喪失させない範囲で含有使用することができる。

    本発明のモルタル質修復材の製造方法は特に限定されず、例えば一般的なセメント系モルタルと概ね同様の方法で製造できる。 具体的一例を示すと、市販のモルタルミキサに前記のような配合成分を一括投入し、水を加えて混練すれば得られる。 混練水の量は特に制限されないが、好ましくは配合されるセメント100質量部に対し、30〜50質量部が好ましい。 30質量部未満では、施工時の付着力の低下、製造時の混練性低下を起こし易くなるため適当ではなく、また50質量部を超えると施工時の厚付け性の低下や施工物の強度発現性の低下を起こし易くなるため適当ではない。 鏝塗り等の左官施工で修復する場合はセメント100質量部に対し、混練水量32〜45質量部がより好ましい。 また本モルタル質修復材を吹付け施工で使用しようする場合は、混練水量35〜50質量部がより好ましい。 尚、本発明のモルタル質修復材の施工方法はコンクリート構造物等の修復が必要とされる箇所・部位に、鏝やパテ等により塗り付けを行う左官施工が最適ではあるが、その施工手段が左官施工に制限されるものではなく、例えばモルタル用の吹付け機を使用し、修復部位にフレッシュ状態の本モルタル質修復材を吹付けて施工(吹付け施工)するなど、左官施工以外の方法で施工しても良い。

    以下、実施例により本発明を具体的に詳しく説明するが、本発明はここで表した実施例に限定されるものではない。

    [モルタル質修復材の作製] 次に表すA1〜G3から選定される材料を表1に表した配合量となるようモルタルミキサに投入し、温度約20℃湿度80%の環境下で1分間混合した。 得られた混合物に対し、表1記載の量の水を注水し、同様の環境下でさらに約2分間混練し、モルタル質修復材(本発明品1〜8、参考品11〜19)を得た。

    A1;中空状無機粒子I(中心粒径約2μm、最大粒径51μm、化学成分含有量;SiO 2 :72.9質量%、Al 23 :16質量%、CaO:0.9質量%、MgO:0.1質量%、アルカリ金属酸化物:8.5質量%、Fe 23 :1.1質量%)
    A2;中空状無機粒子II(中心粒径約600μm、最大粒径約800μm、化学成分含有量;SiO 2 :37.9質量%、Al 23 :10.6質量%、MgO:21.2質量%、Fe 23 :9.4質量%)
    A3;中空状無機粒子III(中心粒径約800μm、最大粒径1.2mm、化学成分は中空状無機粒子Iに同じ。)
    B;プロピルメチルセルロース系保水剤(商品名「マーポローズ90MP−4T」、松本油脂製薬株式会社製)
    C1;普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)
    C2;早強ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)
    D;遊離生石灰を有効成分とする膨張材(商品名「太平洋エクスパン構造用」、太平洋マテリアル株式会社製)
    E;メタカオリンI(BASFコンストラクションシステムズ株式会社製、BET比表面積10m 2 /g)
    F1;再乳化粉末樹脂(商品名「TITAN8100」、日本エヌエスシー株式会社製)
    F2;ポリマーディスパージョン(商品名「モビニール7700」、ニチゴーモビニール株式会社製)
    F3;フライアッシュ(JIS A 6201規定のフライアッシュII種相当品)
    F4;シリカフューム(市販品、BET比表面積21.2m 2 /g)
    F5;ビニロン繊維(市販品、繊維長約6mm)
    F6;ナフタレンスルホン酸系AE減水剤(花王株式会社製)
    F7;普通細骨材I(鹿島珪砂3号B)
    F8;普通細骨材II(山形珪砂6号と7号の等重量混合物)
    G1;高炉スラグ粉末(ブレーン比表面積4000cm 2 /g)
    G2;ギ酸カルシウム(市販試薬)
    G3;消泡剤(商品名「アジタンP801」、楠本化成株式会社製)

    [モルタル質修復材フレッシュ状態の評価] 特に塗り付け施工を対象とし、施工作業に適したフレッシュ性状が得られているものかを調べた。 即ち、前記の如く作製した練り上がり直後のモルタル質修復材に対し、温度20℃、湿度80%の環境下で、JIS R 5201による方法でモルタルフロー値の測定を行った。 さらに、500mlのステンレス容器を用い、JIS A 1171による方法で単位容積質量を測定した。 その結果を表2に表す。

    [鏝塗り施工性の評価] 作製したモルタル質修復材に対し、次の方法で鏝塗り施工性を評価した。 先ず、100×100×15cmのコンクリート平板を、100×15cmの一面を底面として地面に垂直に設置した。 設置したコンクリート平板の100×100cmの片面に、前記の如く作製したフレッシュ状態のモルタル質修復材を市販の金鏝を使用して塗付けた。 評価は、次の(1)〜(3)の事項を充当するかを調べ、全て充当できたモルタル質修復材を鏝塗り施工性「良好」と判断した。 また、(1)〜(3)の何れか一でも外れる状況になったモルタル質修復材は、鏝塗り施工性「不良」と判断した。 評価結果は表2に纏めて表す。 (1)金鏝で塗り付け、そのまま塗り斑なく修復材を10cm以上広く鏝伸ばすことができたもの。 (2)塗付け後の金鏝に付着残存するモルタル質修復材が実質見られなかったもの。 (3)垂直面に約3cmの厚さに塗り付けても24時間以内に垂れや剥がれ落ちが見られなかったもの。

    [ひび割れ抵抗性の評価] 作製したモルタル質修復材に対し、次の方法でひび割れ抵抗性を評価した。 先ず、30×30×6cmのコンクリート平板を、30×6cmの一面を底面とし、地面に垂直に設置した。 30×30cmの一方の面にフレッシュ状態のモルタル質修復材を金鏝で塗り付けた。 塗り付け終了後のコンクリート平板は、同じ面を底面として温度約20℃湿度60%の環境下に28日間放置した後、平板上の施工物の表面を目視で観察し、ひび割れ発生の有無を判断した。 ひび割れ発生が全く見られなかったものをひび割れ抵抗性「良好」と判断し、ひび割れ発生が見られたものをひび割れ抵抗性「不良」と判断した。 この評価結果も表2に表す。

    [施工物の剥離又は浮き発生状況の調査] 前記のひび割れ抵抗性の評価試験で、28日間放置でひび割れ発生が全く見られなかったものに対し、さらに60日間同様の環境下に静置し、平板との接着面の一部に施工物の浮きが見られたり、施工物の一部でも剥落していないかを目視で観察した。 施工物の浮きや剥落が全くなかったものを経時的な発生「無」と判断し、それ以外の状態となったものは、発生「有」と判断した。 この評価結果も表2に表す。

    [圧縮強度の評価] フレッシュ状態のモルタル質修復材を成形型枠に流し込み、4×4×16cmの供試体を作製した。 供試体は、24時間湿空養生(温度20℃、湿度80%)を行った後、材齢3日又は28日まで20℃で水中養生を行った。 水中養生終了後の供試体に対し、JIS R 5201に準拠した方法で圧縮強度の測定を行った。 圧縮強度測定結果も表2に表す。

    [曲げ強度の評価] フレッシュ状態のモルタル質修復材を成形型枠に流し込み、4×4×16cmの供試体を作製した。 供試体は、24時間湿空養生(温度20℃、湿度80%)を行った後、材齢28日まで20℃で水中養生を行った。 水中養生終了後の供試体に対し、JIS R 5201に準拠した方法で曲げ強度の測定を行った。 曲げ強度測定結果も表2に表す。

    表2の結果より、本発明のモルタル質修復材は何れも材齢28日でも高い圧縮及び曲げ強度を示し、さらに2ヶ月以上もの間、ひび割れや駆体からの剥離・浮きも発生せず、長期的に高い耐久性を有していることがわかる。 このような優れた耐久性に加え、左官施工に十分適したフレッシュ性状が得易く、鏝塗り施工性も極めて良好であった。 また、混合・混練といった製造過程での作業性も良好であった。 これに対し、本発明外の参考品では塗り施工性が不良か長期的な強度発現性や施工状況が低迷し、施工性と耐久性の両方とも兼ね備えたモルタル質修復材に該当しないことがわかる。

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