Consolidation method of soil containing calcium using microorganisms

申请号 JP2006179162 申请日 2006-06-29 公开(公告)号 JP4621634B2 公开(公告)日 2011-01-26
申请人 国立大学法人北海道大学; 強化土エンジニヤリング株式会社; 发明人 麗 寺島; 忠雄 小山; 俊介 島田; 了 川崎; 直樹 広吉;
摘要
权利要求
  • カルシウムを含む地盤中に微生物を投入し、微生物の代謝作用により生成した炭酸ガスとカルシウムが反応して地盤を固結することを特徴とする地盤改良方法 であって、微生物と共にシリカ化合物を地盤に投入する方法を除く、前記方法。
  • 地盤中にアルカリ土金属化合物および微生物を投入し、微生物の代謝作用により生成した炭酸ガスとアルカリ土金属化合物が反応して地盤を固結することを特徴とする地盤改良方法 であって、微生物と共にシリカ化合物を地盤に投入する方法を除く、前記方法。
  • 請求項1において、さらに、アルカリ土金属化合物を投入する請求項1の地盤改良方法。
  • 請求項1または2において、さらに微生物の栄養源として有機物を地盤中に投入し、微生物の代謝を促すことを特徴とする請求項1または2の地盤改良方法。
  • 請求項1または2において、さらに炭酸ガスを投入する請求項1または2の地盤改良方法。

  • 说明书全文

    本発明は海岸沿いの貝殻等、カルシウムを含む地盤中に生物を投入し、微生物による代謝作用によって二酸化炭素を発生させ、この二酸化炭素とカルシウムが反応して地盤を固結する地盤改良方法に係り、特に、地盤の固結に際して有害物を発生せず、このため環境への悪影響を与えることがなく、しかも大掛かりな装置や有害な薬品を必要とせず、液状化対策工事、構造物基礎下の耐震補強等に適した地盤改良方法に関する。

    注入材により地盤を固結して地盤改良を図る方法として、従来、地盤中に注入材としてガラスや、セメントを注入して地盤を固結する方法が採用されていた。

    しかし、この方法では注入材が強アルカリであったり、あるいは強酸を使用したり等、環境への悪影響を与える恐れがあり、さらには取り扱いに注意が必要であり、また、使用できる地盤が限定されている。

    地盤の液状化が発生する可能性のある地盤には、海岸沿いの貝殻等のカルシウムを含む地盤が多い。 しかし、地盤改良の際、周辺環境への影響のない地盤改良方法が求められる場合、従来のシリカ化合物等の強アルカリや、反応材として酸では地盤改良後に未反応物質が溶解してしまう可能性があった。 また、水ガラスとカルシウムを用いる注入材ではゲル化時間が短いことから地盤中に浸透せず広範囲の地盤改良が困難であった。

    また、本出願人によるアルカリ土金属化合物を有効成分とするA液と、炭酸、重炭酸、硫酸、燐酸およびこれらのアルカリ金属塩の群から選択される一種または複数種を有効成分とするB液とを土中に浸透または注入し、または土と混合し、不溶性塩を形成させることにより、アルカリ汚染が少なく、またはシリカ分が溶出しないため水質汚染が生じることのない発明が、すでに公知となっている。 (特開2004−67819号公報)

    本発明者らはさらに上記方法を改良し、微生物による代謝作用によって二酸化炭素を発生させることにより、酸やアルカリの使用量を少なくしても、ゲル化時間の長い、安定したゲルを得ることを見出し、環境に悪影響を与えないグラウトを開発して本発明を完成するに至った。

    特開2004−67819

    そこで、本発明の課題はさらに環境の影響を低減を追求し、自然の状態で存在する物質だけを使用して改良地盤周辺や、地盤改良後においても有害な物質を発生させず、上述の公知技術に存する欠点を改良した広範囲の地盤を改良する方法を開発することにある。

    上述の課題を解決するため、本発明によれば、カルシウムを含む地盤中に微生物を投入し、微生物の代謝作用により生成した炭酸ガスとカルシウムが反応して地盤を固結することを特徴とする。

    さらに、上述の課題を解決するため、本発明によれば、カルシウムを含む地盤中に微生物、微生物の栄養源としての有機物およびアルカリ土金属化合物を投入し、地盤中のアルカリ土金属が反応して地盤を固結することを特徴とする。

    上述の本発明は海岸沿いの貝殻等、カルシウムを含む地盤中に微生物を投入し、微生物による代謝作用によって二酸化炭素を発生させ、この二酸化炭素とカルシウムが反応して地盤を固結するようにしたことから、地盤の固結に際して有害物質を発生せず、このため環境への悪影響を与えることがなく、しかも大掛かりな装置や有害な薬品を必要とせず、液状化対策工事、構造物基礎下の耐震補強等に適した地盤改良方法である。

    微生物は次式に示されるとおり、代謝活動において有機栄養源から二酸化炭素を生じる。
    12 +6O →6CO +6H O(好気性条件)
    12 →2CO +2C OH(嫌気性条件)
    このとき土壌中に溶解しているカルシウム、あるいは地盤中に注入したカルシウムと微生物の発生した二酸化炭素が反応し、次式のとおり、土粒子間に炭酸カルシウムを析出・沈澱し、地盤を硬化する。
    Ca 2+ +CO O→CaCO +2H

    そこで、カルシウムを含む地盤においては、地盤中に微生物を注入することで、微生物の排出する二酸化炭素により、地盤中のカルシウムが析出し地盤を固結することができる。

    さらに有機栄養源を注入することで有機栄養源の種類や量により微生物の代謝速度が変化し、二酸化炭素の排出量の変化に伴いカルシウム塩の析出量が変化することから、地盤の硬化時間および、強度を調整できる。 地盤においてカルシウム溶解量が少ない場合や、地盤を高強度に改良する場合においてはさらにアルカリ土金属化合物を地盤中に注入しカルシウム塩の析出量を多くすることもできる。

    また、微生物の多く存在する地盤においては、有機栄養源により地盤中の微生物の代謝を調整することにより、地盤中のカルシウムや注入したカルシウムと反応し、カルシウム塩を析出させることができる。

    本発明の地盤改良方法はカルシウムを含む地盤中に微生物を投入し、微生物の代謝作用により生成した炭酸ガスとカルシウムが反応して地盤を固結することに存する。

    さらに、本発明の地盤改良方法はカルシウムを含む地盤中に微生物、微生物の栄養源としての有機物およびアルカリ土金属化合物を投入し、地盤中のアルカリ土金属が反応して地盤を固結することに存する。

    本発明におけるカルシウムを地盤とは、貝殻や石灰等が地盤中に存在し、あるいは溶解してカルシウムイオンとして地盤中に存在しているものである。 また、本発明におけるアルカリ土金属化合物とはアルカリ土金属の塩化物、微粒子石灰、および微粒子セメント群の中から選択される一種または複数種であり、好ましくは水溶性化合物である。 また、炭酸カルシウムには3つの異なった結晶形(カルサイト、アラゴナイト、バテライト)があり、常温・常圧のカルシウム溶液中からは通常カルサイトが析出するが、Mg 2+やある種の有機成分を溶液中に少量添加すると、アラゴナイトやバテライトが析出する。 アラゴナイトやバテライトは結晶が成長する際に顕著な方向性を有しているため、炭酸カルシウムの結晶形態を制御することができれば地盤の学特性や水理学特性の異方性を比較的自由に制御できる可能性がある。

    本発明に用いられる微生物は人体や環境に影響を与えにくいものならば、使用可能である。 特に、乳酸菌やイースト菌等の従来より食品に利用されているものや、一般の地盤中に多く存在するものも利用できる。 また、アンモニアからの硝化により硝酸カルシウムを析出させることもでき、施工地盤によって微生物の使い分けが可能である。
    また、本発明により析出するカルシウム塩とは炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等で、注入する微生物や地盤に生息する微生物に影響される。 有機栄養源とは微生物の栄養源となるものであり、好ましくは土壌中の微生物によって代謝分解される糖類である。 例えば、グルコースやフラクトースなどの単糖類、スクロース、マルトースあるいはガラクトースなどの2糖類、その他のオリゴ糖、でんぷんやマルトデキストリンなどの多糖類、その他糖類を例示することができる。 微生物によって、あるいは有機栄養源によって代謝速度が変化するため、施工時地盤によって選択する必要がある。

    (1)炭酸カルシウムの析出実験 微生物による炭酸カルシウムの析出実験を行った。
    水溶性カルシウムとしては、石灰0.59gを25mlの蒸留水に溶解したものと、貝殻を多く含む地盤300gを採取し、500mlの蒸留水でよく攪拌後、濾過した液25mlの2種類を用意した。

    微生物としてはイースト菌(日清フーズ株式会社製、日清スーパーカメリヤ)0.5g、栄養源としてグルコースC 12を0.7gそれぞれ添加した。 25℃に静置し24時間後に観察を行った。 結果を表1に示す。

    微生物を添加した水溶液はPHの低下がみられ、有機栄養源を添加したものはPHの低下が促進されたのがわかった。 カルシウムを含む液において微生物を添加した場合、白色のカルシウムの析出が見られた。 また有機栄養源を加えることで析出量が多くなった。 比較1、2に関しては、カルシウムを含むが微生物が存在しない液ではカルシウムの析出が見られなかった。 また、カルシウムを含まない液においては微生物や有機栄養源を添加してもカルシウムの析出が見られなかった。

    (2)透水試験 実施例5として1mのプラスチック製モールドに表1の実施例2で使用した貝殻を多く含む地盤を90cm充填(相対密度60%、透水係数2.02×10 ―2 cm/s)し、蒸留水100mlあたりイースト菌2gとグルコース2.8gの割合で作成した薬液1500mlを5サイクル通液し作成した供試体を脱型し10cmに切断後、ラップで密封し28日間養生後の透水係数を測定した。 透水試験は地盤工学会基準に準じた加圧透水試験を行った。
    また、同様に実施例6として豊浦標準砂(相対密度60%、透水係数1.5×10 ―2 cm/s)に実施例4で用いた石灰水100mlあたりイースト菌2gとグルコース2.8gの割合で作成した薬液1500mlを5サイクル通液し作成した供試体を脱型し10cmに切断後、ラップで密封し28日間養生後の透水係数を測定した。 結果を表2に示す。

    実施例5、実施例6についてそれぞれ漏水係数の低下が見られた。 特に貝殻を多く含む地盤(実施例5)での透水係数の低下がみられた。 よって、本発明が地盤改良において有効であることが判った。

    カルシウムを含む地盤中に微生物を投入し、微生物の代謝作用により生成した炭酸ガスとカルシウムが反応して地盤を固結することにより、あるいは地盤中にアルカリ土金属化合物および微生物を投入し、微生物の代謝作用により生成した炭酸ガスとアルカリ土金属化合物が反応して地盤を固結することにより、地盤の固結に際して有害物を発生せず、このため環境への悪影響を与えることがなく、しかも大掛かりな装置や有害な薬品を必要とせず、液状化対策工事、構造物基礎下の耐震補強等の用途に適用できる。

    QQ群二维码
    意见反馈